JP2004146579A - ガスレーザ装置及びその主放電電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対向して設置されたアノード(14)及びカソード(15)からなる主放電電極(14,15)間で主放電を起こしてレーザガスを励起させ、レーザ光を発振させるガスレーザ装置の主放電電極の製造方法において、アノード(14)の、カソード(15)に向き合う放電面(40)に、絶縁物粒子をブラストすることによって微小な凹凸(44)を形成する凹凸形成工程と、ハロゲンガスを含むガス中で、凹凸(44)を形成したアノード(14)とカソード(15)との間で放電を行なう膜形成放電工程とを備えたことを特徴とする主放電電極の製造方法、及びこのアノード14を用いたガスレーザ装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスレーザ装置及びその主放電電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に、一般的なエキシマレーザ装置の側面断面図を示す。図5において、エキシマレーザ装置11は、フッ素等のハロゲンガス、クリプトンやアルゴン等の希ガス、及びヘリウムやネオン等のバッファガスからなるレーザガスを封入したレーザチャンバ12を備えている。以下においては、ハロゲンガスをフッ素、希ガスをクリプトン、バッファガスをヘリウムとした、KrFエキシマレーザ装置を例に取って、説明する。
レーザチャンバ12は、例えばアルミニウムにニッケルメッキを施して構成され、高圧電源23の接地GND側に、電気的に接続されている。
【0003】
レーザチャンバ12の所定箇所には、カソード15及びアノード14からなる一対の主放電電極14,15が、対向して設置されている。図6に、アノード14及びカソード15を、長手方向を紙面の左右方向と一致させた正面図で示す。主放電電極14,15間の空間を、励起領域36と呼ぶ。
【0004】
図7に、図6のA−A視断面図を示す。図7において、主放電電極14,15の断面は、平板に、楕円を半分にした高さDの半楕円部を合わせたものとなっている。この、半楕円部の表面が、主放電を行なう放電面40となる。高さDは、ここでは約300μmである。
【0005】
レーザチャンバ12の上部には開口部35が設けられ、絶縁性のカソードホルダ51がその開口部35を封止している。カソードホルダ51には、主放電電極14,15のうちのカソード15が固定されている。カソード15は、高圧電源23の高圧HV側に、図示しない電流導入手段によって電気的に接続されている。
【0006】
また、レーザチャンバ12の内部には、カソードホルダ51と対向して、金属製のアノードホルダ50が設置されている。アノードホルダ50は、図示しない金属プレートにより、レーザチャンバ12から吊るされた状態で固定されている。アノードホルダ50にはアノード14が固定されており、これによりアノード14は、高圧電源23の接地GND側に、電気的に接続されることになる。
【0007】
アノード14の両側方には、長手方向に沿って予備電離電極37,37が配置されている。予備電離電極37は、金属製の棒状の内部導電体38と、その外周部を包囲する誘電体とで構成され、内部導電体38は、その端部において図示しない接続手段により、高圧電源23の高圧側HVに接続されている。
【0008】
まず、予備電離電極37の内部導電体38に、高圧電源23からパルス状の高電圧を印加することにより、アノード14との間でコロナ放電を起こし、励起領域36を電離させる。
その状態で、主電極14,15間に、高圧電源23からパルス状の高電圧を印加することによって主放電を起こし、レーザガスを励起してレーザ光を発生させる。
【0009】
レーザチャンバ12の内部には、図示しないモータによって駆動される貫流ファン24と、熱交換器13とが設置されている。貫流ファン24によって主放電電極14,15間のレーザガスは連続的に新鮮なものと入れ替えられる。主放電によって熱せられたレーザガスは、熱交換器13で冷却される。
【0010】
このようなエキシマレーザ装置11においては、主放電及びこれに伴うフッ素ガスとの反応によって、主放電電極の表面が粗くなり、不均一な変形が生じる。その結果、主放電が不安定化してレーザ光の出力が変動することが知られている。このような変形は、アノード14に特に顕著であり、レーザ光の出力を回復させるためには、アノード14をたびたび交換しなければならない。
その結果、アノード14の寿命がカソード15に比べて、数倍短くなっている。
【0011】
このようなアノード14の変形は、主放電によってアノード14の材質である金属とフッ素とが反応し、アノード14表面にフッ化金属の膜が不均一に生じることから来ると考えられている。即ち、フッ化金属の膜が生じる箇所と生じない箇所とがあったり、膜厚が不均一であったりするため、主放電が特定の箇所に集中し、変形がさらに顕著になって、アノード14の消耗が進行する。
【0012】
一方、フッ化金属等の誘電体の膜を、アノード14表面に均一に生じさせることができれば、主放電を均一化することができるということも知られている。
これに鑑み、アノード14の表面に誘電体膜を均一に形成することにより、その寿命を延ばす技術が知られている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0013】
特許文献1によれば、アノード14の、カソード15と対向した放電面40に、フッ化銅を始めとするフッ化金属やアルミナなどの誘電体をコーティングして、誘電体膜を形成している。
これにより、アノード14の放電面40が保護された状態となるため、アノード14とカソードとの間で安定した放電が行なわれ、放電の衝撃によるアノード14の変形が緩和される。加えて、誘電体膜が、アノード14とフッ素等のハロゲンガスとの反応を抑制し、アノード14の劣化を防止している。
【0014】
また、特許文献2には、黄銅に鉛を含有させたものをアノード14として用いた例が、開示されている。このアノード14を用いてレーザガス中で主放電を行ない、アノード14表面の放電面40にフッ化鉛の膜を形成させることにより、アノード14の寿命を長くしている。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−332786号公報
【特許文献2】
特開2002−185061号公報
【非特許文献1】
Influence of cathode roughness on discharge homogeneity of a high−pulse repetition freuency long−pulse XeCl laser(O.uteza, Ph.Delaporte, B.Fontaine, B.Froestier, M.sentis, I.Tassy Applied Physics B 67,185−191 1998)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1には、次に述べるような問題がある。
まず、特許文献1においては、コーティングの第1の方法として、溶射、爆射、PVD、CVD、プラズマ蒸着等の方法が開示されている。
【0017】
ところが、これらの方法によってフッ化金属の膜を形成したアノード14は、一度空気中にさらされてから、レーザチャンバ12内に組み込まれることになる。このとき、フッ化金属の膜は、空気中にさらされた際に、空気中の水分を吸収する。
このような、放電面40に水分を含んだアノード14を用いて主放電を起こすと、アノード14中の水分が、主放電によって励起領域36に遊離し、水素とフッ素とが反応してフッ化水素(HF)を生成する。このフッ化水素により、主放電が不安定になったり、レーザ光の出力が低下したりするという問題がある。
【0018】
また、溶射やCVD等の手段を用いて、不純物を含まないようにアノード14にコーティングを施すためには、例えば真空チャンバ等の、大掛かりな装置が必要となる。
【0019】
一方、特許文献1によるコーティングの第2の方法によれば、アノード14に、予めアルミニウムやマグネシウム等の金属や合金をドーピングしておいたものを、レーザチャンバ12内部に設置し、レーザガス中で主放電を起こしている。これにより、放電面40が加熱され、放電面40のフッ化が進行する。その結果、ドーピングされた金属がフッ化して、アノード14の放電面40上にフッ化金属の膜が形成される。
この場合にも、アノード14に金属や合金を予めドーピングするためには、大掛かりな装置と手間が必要であり、アノード14の価格を増大させるという問題がある。
【0020】
また、特許文献2によれば、やはり予め黄銅のアノード14に鉛を含有させる必要がある。鉛は毒性があるなど、取り扱いが難しく、アノード14製造のための手間がかかる。また、鉛を含有させる際に、他の不純物がアノード14に混入することがあり、レーザガスの汚損による、レーザ光の出力低下に繋がることもある。
【0021】
特許文献2には、黄銅製のアノード14の放電面40に、予め微小絶縁粒子をロウ付けしたり混合させたりする技術も、開示されている。このようなアノード14を用いて、レーザガス中で主放電を行なうことにより、絶縁粒子がアノード14表面に析出して絶縁膜となる。
しかしながら、予め微小絶縁粒子をアノード14の放電面40にロウ付けしたり混合したりしておく必要があり、やはり手間がかかる。
【0022】
尚、非特許文献1には、カソード15に対してサンドブラスト加工を施すことにより、主放電を均一にする技術が開示されている。しかしながら、このような技術は、アノード14の寿命を長寿命化する効果を有してはいない。
【0023】
このように、主放電の安定のために、レーザ装置用主電極のうち、少なくともアノードの表面に、ハロゲン化金属膜を簡易な手段で生じさせる手段が求められている。
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、主放電電極が長寿命なガスレーザ装置、及びガスレーザ装置用主放電電極の製造方法を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明のガスレーザ装置は、
ハロゲンガスを含むレーザガスを封入したレーザチャンバと、
レーザチャンバ中に設置されたカソードと、
カソードに対向して配置され、カソードに向き合う放電面に微小な凹凸を有するアノードとを備え、
アノードとカソードとの間で主放電を起こしてレーザガスを励起させ、レーザ光を発振させている。
これにより、アノードの放電面にハロゲン金属の膜が形成され、アノードの放電面が保護されて寿命が長くなる。
【0025】
また本発明のガスレーザ装置は、
カソードのアノードに向き合う面にも、微小な凹凸が設けられている。
これにより、カソードの放電面にもハロゲン化金属の膜が一様に形成され、カソードの放電面が保護されて寿命が長くなる。また、主放電が安定化する。
【0026】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
対向して設置されたアノード及びカソードからなる主放電電極間で主放電を起こしてレーザガスを励起させ、レーザ光を発振させるガスレーザ装置の主放電電極の製造方法において、
アノードの、カソードに向き合う放電面に微小な凹凸を形成する凹凸形成工程と、
ハロゲンガスを含むガス中で、凹凸を形成したアノードとカソードとの間で放電を行なう膜形成放電工程とを備えている。
これにより、アノードの放電面に均一にハロゲン化金属の膜が形成され、アノードを保護してその寿命を長くする。
【0027】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記膜形成放電工程を、レーザチャンバの内部で行なっている。
これにより、ハロゲン化金属の膜を形成したアノードを、レーザチャンバから取り出すことがなく、ハロゲン化金属が空気中の水分を吸って、不純物がレーザガスに混入することがない。
【0028】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記膜形成放電工程が、レーザガス中で行なわれる。
これにより、膜形成放電のためだけに、異種のガスを用意する必要がない。
【0029】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記アノードの材質が無酸素銅である。
無酸素銅は、主放電が安定に起こるので、アノードには好適である。そして、これにハロゲン化銅の膜が形成されると、アノードの長寿命化が実現される。
【0030】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記ハロゲンガスがフッ素である。
フッ素を用いたレーザ装置は、例えば露光装置の光源として、広く用いられている。従って、これに本発明を応用することにより、産業上の利用が広がる。
【0031】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記凹凸形成工程が、絶縁物粒子を放電面にブラストする工程である。
これにより、アノードに不純物を混じらせることなく、所望の大きさの凹凸を短時間で得ることができる。
【0032】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記絶縁物粒子が高純度アルミナである。
アルミナは絶縁物であり、たとえ一部がアノードに付着してもレーザガス中で不純物を発生しない。
【0033】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記凹凸の深さ又は凹部の径が5μm以上200μm以下である。
これにより、均一な厚みのハロゲン化金属の膜を形成することができる。
【0034】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記凹凸の深さ又は凹部の径が10μm以上100μm以下である。
これにより、より均一な厚みのハロゲン化金属の膜を形成することができる。
【0035】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記膜形成放電工程がパルス放電であり、500Hz以上の周波数で行なわれるこれにより、アノードの放電面が充分に熱せられ、ハロゲン化金属の膜が形成されやすくなる。
【0036】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記膜形成放電工程がパルス放電であり、1kHz以上の周波数で行なわれる。これにより、アノードの放電面がより充分に熱せられ、ハロゲン化金属の膜がさらに形成されやすくなる。
【0037】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記膜形成放電工程がパルス放電であり、1億パルス以上行なわれる。
これにより、必要な厚みのハロゲン化金属の膜を形成することが可能となる。
【0038】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記膜形成放電工程がパルス放電であり、5億パルス以上行なわれる。
これにより、より厚いハロゲン化金属の膜を形成することが可能となる。
【0039】
また本発明に係る主放電電極の製造方法は、
前記凹凸形成工程及び膜形成放電工程が、アノードの表面にフッ化金属の膜を所定厚さに形成するまで行なわれる。
これにより、必要な厚みのハロゲン化金属の膜を形成でき、アノードが長寿命化する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、実施形態を説明する。
まず、第1実施形態について、説明する。エキシマレーザ装置11の構成は、図5に示したものと同様であるので、説明を省略する。図1は、第1実施形態に係るアノード14の製造方法を示すフローチャートである。
また図2〜図3は、アノード14の製造方法の説明図であり、図2は、図6におけるA−A断面から見た、アノード14の断面図、図3は同じA−A断面から見た、アノード14及びカソード15の断面図である。アノード14及びカソード15は、例えば銅、最も望ましくは無酸素銅で形成されている。
【0041】
図1において、まず、アノード14の表面を、放電面40を除いて、マスキング治具41等によってマスキングする(ステップS11)。そして、アノード14の放電面40に、絶縁物の小さな粒子を吹きつけて、ブラスト加工する(ステップS12)。
ブラスト加工は、絶縁物粒子を、高速でアノード14の放電面40に衝突させることにより、アノード14の放電面40に、絶縁物粒子と略同等かそれ以下の大きさの、凹凸44を生じさせる。
【0042】
図2は、マスキング治具41でマスキングされたアノード14と、ブラスト加工によって生じさせられた放電面40の凹凸44とを示している。凹凸44は、凹部42と凸部43とからなっている。このとき、放電面40以外の部位に凹凸44が生じると、レーザ発振に寄与しない放電の原因となるため、放電面40以外の部位をマスキング治具41等でマスキングしている。
【0043】
そして、絶縁物粒子がアノード14の表面に残存しないように、窒素等の水分を含まないガスを吹きつけて(ブローして)、絶縁物粒子を吹き飛ばす(ステップS13)。
絶縁物粒子としては、高純度のアルミナ粒が最適である。アルミナ粒の代わりに、例えばSiO2の粒を用いることも可能ではあるが、SiO2がアノード表面に残留すると、フッ素ガスと反応して、SiF4等の不純物を発生させることがある。SiF4は、レーザ光の出力低下を招くため、アルミナのほうがよい。
【0044】
次に、ブラスト加工したアノード14からマスキング治具41を外し、レーザチャンバ12の内部に設置して(ステップS14)、レーザガス中で主放電と同様の放電を行なう(ステップS15)。以下、これを膜形成放電と呼ぶ。膜形成放電は、電圧や周波数などを主放電と全く同一の条件で行なってもよいが、これに限られるものではない。また、レーザガスと異なる組成のガス中で行なってもよいが、レーザガス内に含まれているのと同じハロゲンガスは必須である。
【0045】
その結果、図3に示すように、アノード14の放電面40に、凹凸44をすべて覆い隠すように、フッ化銅の膜39が略均一な厚さで一様に形成された。なお、このときの厚さとは、ブラスト加工を行なう前の、アノード14の表面からの厚さを指している。
【0046】
このとき、レーザチャンバ12の内部では、次のような現象が起きたと推測される。
即ち、アノード14の放電面40には、上述したような小さな凹凸44が生じている。そのため、アノード14の凸部43には、放電が集中しやすくなっている。その結果、アノード14の放電面40には、ほぼ全域にわたって、集中的な放電がシャワー状に行なわれることになる。これにより、凸部43がより加熱され、その他の部位に比べて、フッ素と銅との反応が速く進行し、フッ化銅が生成される。
【0047】
一方、凹部42においては、放電が殆んど起きないために表面温度の上昇は少なく、レーザガスが淀んでいるので、生成したフッ化銅がそこに堆積する。
その結果、アノード14の凸部43で生成したフッ化銅が、凹部42に溜まっていき、最終的にはフッ化銅の膜39が放電面40の全域にわたって、均一に、しかも比較的厚く形成されたと考えられる。
【0048】
次に、ブラスト加工を行なう際の、加工条件について、説明する。
膜39を均一に形成するためには、アノード14表面の凹凸44の深さ(凸部43の頂点から凹部42の底まで)には、上限と下限とが存在する。まず下限については、膜形成放電によって生成される金属蒸気やイオン等の平均自由工程よりも充分に大きく、金属蒸気やイオン等が、アノード14の表面近傍に滞留できるだけの深さが必要である。膜形成放電時のネオンの平均自由工程は、およそ1μmであるから、凹凸44の深さは、1μmよりも充分大きく、例えば5μm以上、さらに望ましくは10μm以上であるのがよい。
【0049】
一方、凹凸44深さの上限については、凹凸44が深過ぎると、電界分布が変化してしまうことがあるため、凹凸44がない状態のアノード14の生成する電界分布と、略同一の電界分布を生成するような深さであることが、必要である。また、あまり凹凸44が深いと、フッ化銅の膜39が均一に生じないと考えられる。
【0050】
上述したように、放電面40の半楕円高さが300μmであるところから、凹凸44の深さは200μm以下が好適である。
また、発振周波数を4kHzで発振させた場合、寿命の終了直前のアノード14には、100μm程度の表面粗さが生じている。従って、凹凸44深さのより望ましい上限は、100μm程度が好適である。
【0051】
球形の粒子を用いるブラスト加工においては、深さと略同一の凹部42の径(又は凸部43の頂点から頂点までの距離)が得られるので、凹部42の径の上限及び下限は、凹凸44の深さに準じるものがよい。
【0052】
70μmの粒径のアルミナ粒を用い、実際にブラスト加工を行なったところ、アノード14表面の凹凸44の深さは、10〜70μmの範囲となった。凹部42の径も、同じく10〜70μmであった。この場合、フッ化銅の膜39も、ほぼ均一に形成された。従って、50〜100μm程度の粒径のアルミナ粒を用いて、ブラスト加工を行なうのが、好適と考えられる。
【0053】
次に、フッ化銅の膜39を形成させる際の、膜形成放電の条件について説明する。
アノード14の表面温度を、フッ化銅の膜39の形成に充分な温度に上昇させるために、発振周波数は、500Hz以上が望ましい。さらに、より良好な膜39を形成させるためには、1kHz以上が望ましい。
【0054】
また、フッ化銅の膜39の厚さは、50μm以上であることが望ましく、これを実現するためには、少なくとも1億パルス、望ましくは5億パルス以上の膜形成放電を行なう必要がある。例えば、発振周波数を2kHzとした場合、1億パルスの膜形成放電を行なった後に、フッ化銅の膜39が形成されたことが、目視で確認されている。
【0055】
次に、このようなブラスト加工を行なったアノード14を用いた際の、エキシマレーザ装置11のレーザ光の出力の経時変化を説明する。図4において、横軸が発振パルス数T、縦軸が出力E(1パルスごとのパルスエネルギー)である。そして、カーブA1(E1〜E2)が、第1実施形態に係るアノード14の出力を、カーブA2(E3〜E4)が、従来のアノード14の出力を、それぞれ示している。
【0056】
図4に示すように、発振直後の、パルス数T1においては、従来のアノード14を用いた場合の出力E3のほうが、第1実施形態のアノード14の出力E1よりも大きい。しかしながら、従来のアノード14を用いた場合には、出力が急速に低下して、パルス数T2では第1実施形態のアノード14よりも低くなっている(E2とE4とを比較)。
【0057】
また、従来技術に係るアノード14は、長時間レーザ発振を行なうに従い、出力の低下が激しい(E3とE4との差を参照)。これに対し、第1実施形態に係るアノード14は、長時間レーザ発振を行なったとしても、出力がそれほど低くならず(E1とE2との差を参照)、長期にわたって、この性能を保持できる。
【0058】
これは、上述したように第1実施形態に係るアノード14では、均一なフッ化銅の膜39が、アノード14の放電面40に形成されるためであると考えられる。その結果、フッ化銅の膜39がアノード14の放電面40を電子やイオン等の荷電粒子から保護して、主放電のスパッタリングによる放電面40の摩耗や、放電面40とフッ素ガスとの反応を抑制する。即ち、放電面40の損傷が小さく、アノード14の長寿命化が実現できる。
【0059】
次に、第2実施形態について、説明する。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の手順で、アノード14の放電面40にブラスト加工を行なった後、専用チャンバの内部に設置し、膜形成放電を行なって、その表面にフッ化銅膜39を形成させる。
このようにすることにより、エキシマレーザ装置11を組み立てたりアノード14を交換した際に、すでにフッ化銅膜39のついたアノード14を用いることができるので、エキシマレーザ装置11の立ち上げに要する時間が短縮される。
【0060】
即ち、上述した条件によれば、フッ化銅膜39の形成時には、1kHzの発振周波数において、少なくとも5億パルス以上の膜形成放電が必要となり、139時間程度を要する。この時間が、殆んど不要となるため、立ち上げの時間が短縮される。フッ化銅膜39を形成させたアノード14は、乾燥した雰囲気中で保管する。
しかしながら、アノード14の交換時に、空気中にさらされたフッ化銅が水分を吸収し、この水分がレーザガスと反応して不純物を生成することがある。従って、第2実施形態は、第1実施形態に比較して、レーザ光の出力が低くなるなどの問題点が出る場合もある。
【0061】
以上説明したように、本発明によれば、アノード14の放電面40にブラスト加工を行なった後に膜形成放電を行なうことにより、フッ化銅の膜39を均一に形成している。これにより、アノード14の放電面40における主放電が均一化するとともに、アノード14の摩耗や損傷が少なくなって、アノード14が長寿命化される。
【0062】
しかも、アノード14中に異種金属を含有させるなどの工程を経ないため、不純物が混入することが少ない。さらに、ブラスト加工には、真空チャンバなどの大掛かりな装置を必要としない。
尚、アノード14のみについて説明したが、カソード15に対しても、同様のブラスト加工を行なってもよい。これにより、非特許文献1に示されているように、主放電がより安定する。
【0063】
また、上記の説明は、KrFエキシマレーザ装置を例にとって行なったが、ArFエキシマレーザ装置等の他のエキシマレーザ装置や、フッ素分子レーザ装置等、ハロゲンガスを用いて放電によってレーザガスを励起させるガスレーザ装置であれば、同様に応用が可能である。
また、ハロゲンガスはフッ素と限られるものではないが、フッ素を用いたガスレーザ装置は、ステッパ等の露光機の光源として用いられており、本発明を応用することにより、より産業上の効果が大となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るアノードの製造方法を示すフローチャート。
【図2】図6におけるA−A断面から見た、第1実施形態に係るアノードの断面図。
【図3】図6におけるA−A断面から見た、第1実施形態に係るアノード及びカソードの断面図。
【図4】エキシマレーザ装置のレーザ光の出力の経時変化を説明するグラフ。
【図5】一般的なエキシマレーザ装置の側面断面図。
【図6】アノード及びカソードの正面図。
【図7】図6のA−A視断面図。
【符号の説明】
11:エキシマレーザ装置、12:レーザチャンバ、13:熱交換器、14:主放電電極(アノード)、15:主放電電極(カソード)、23:高圧電源、24:貫流ファン、35:開口部、36:励起領域、37:予備電離電極、38:内部導電体、39:膜、40:放電面、41:マスキング治具、42:凹部、43:凸部、44:凹凸、50:アノードホルダ、51:カソードホルダ。
Claims (16)
- ハロゲンガスを含むレーザガスを封入したレーザチャンバ(12)と、
レーザチャンバ(12)中に設置されたカソード(15)と、
カソード(15)に対向して配置され、カソード(15)に向き合う放電面(40)に微小な凹凸(44)を有するアノード(14)とを備え、
アノード(14)とカソード(15)との間で主放電を起こしてレーザガスを励起させ、レーザ光を発振させる
ことを特徴とするガスレーザ装置。 - 請求項1記載のガスレーザ装置において、
カソード(15)のアノード(14)に向き合う面にも、微小な凹凸(44)が設けられている
ことを特徴とするガスレーザ装置。 - 対向して設置されたアノード(14)及びカソード(15)からなる主放電電極(14,15)間で主放電を起こしてレーザガスを励起させ、レーザ光を発振させるガスレーザ装置の主放電電極の製造方法において、
アノード(14)の、カソード(15)に向き合う放電面(40)に微小な凹凸(44)を形成する凹凸形成工程と、
ハロゲンガスを含むガス中で、凹凸(44)を形成したアノード(14)とカソード(15)との間で放電を行なう膜形成放電工程とを備えた
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3に記載の主放電電極の製造方法において、
前記膜形成放電工程を、レーザチャンバ(12)の内部で行なう
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項4に記載の主放電電極の製造方法において、
前記膜形成放電工程が、レーザガス中で行なわれる
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項5のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記アノード(14)の材質が無酸素銅である
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項6のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記ハロゲンガスがフッ素である
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項7のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記凹凸形成工程が、絶縁物粒子を放電面(40)にブラストする工程である
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項8に記載の主放電電極の製造方法において、
前記絶縁物粒子が高純度アルミナである
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項9のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記凹凸(44)の深さ又は凹部(42)の径が5μm以上200μm以下である
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項9のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記凹凸(44)の深さ又は凹部(42)の径が10μm以上100μm以下である
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項11のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記膜形成放電工程がパルス放電であり、500Hz以上の周波数で行なわれる
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項11のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記膜形成放電工程がパルス放電であり、1kHz以上の周波数で行なわれる
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項13のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記膜形成放電工程がパルス放電であり、1億パルス以上行なわれる
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項13のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記膜形成放電工程がパルス放電であり、5億パルス以上行なわれる
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。 - 請求項3〜請求項15のいずれかに記載の主放電電極の製造方法において、
前記凹凸形成工程及び膜形成放電工程が、アノード(14)の表面にフッ化金属の膜(39)を所定厚さに形成するまで行なわれる
ことを特徴とする主放電電極の製造方法。
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