JP2004179599A - 放電励起ガスレーザ装置 - Google Patents

放電励起ガスレーザ装置 Download PDF

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Koji Kakizaki
弘司 柿崎
Takayuki Yabu
隆之 藪
Hidenori Watanabe
英典 渡邊
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Abstract

【課題】主放電領域が広がることの少ない放電励起ガスレーザ装置を提供する。
【解決手段】レーザガスを封止するレーザチャンバ(12)と、レーザチャンバ(12)内部に対向して設置されたアノード(14)及びカソード(15)からなる主放電電極(14,15)とを備え、主放電電極(14,15)の対向する放電面(44,45)間で主放電を起こしてレーザガスを励起し、レーザ光(21)を発振させる放電励起ガスレーザ装置において、対向する放電面(44,45)間の距離(g)と、放電面(44,45)のうちの狭いほうの幅(W)との比(g/W)が3以上であり、主放電電極(14,15)のうち少なくとも一方が、金属製の本体部材(58,59)を備え、本体部材(58,59)の少なくとも一側の側面に、本体部材(58,59)の材質よりも電気抵抗率の高い側面皮膜(41,42)を、その一端部を放電面(44,45)の端部と略同一高さとし、かつ放電面(44,45)を覆わないようにして接触させたことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電励起ガスレーザ装置及びその主放電電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、主放電電極間で主放電を行ない、ハロゲンガスを含むレーザガスを励起してレーザ光を発振させる、放電励起ガスレーザ装置が知られている。
図1は、グレーティング33によって波長を狭帯域化した、放電励起ガスレーザ装置の平面図を示している。図1においてエキシマレーザ装置11は、フッ素を含むレーザガスを封入したレーザチャンバ12を備えている。レーザチャンバ12の前後部には、レーザ光21を透過するウィンドウ17,19がそれぞれ付設されている。
【0003】
レーザチャンバ12の前後方には、レーザ光21のビーム幅を制限するフロント及びリアのスリット26,27が、それぞれ設置されている。また、スリット26,27の前後方には、レーザ光21を部分反射するフロントミラー16と、レーザ光21の波長を狭帯域化する狭帯域化光学素子を収納した狭帯域化ボックス31とが、それぞれ配置されている。
尚、以下の説明において、ビーム幅とは、エキシマレーザ装置11を平面視した場合(図1における上下方向)のレーザ光21の幅を指すものとする。
【0004】
レーザチャンバ12の内部には、アノード14及びカソード15からなる一対の主放電電極14,15が、レーザチャンバ12と長手方向を略同一にして、図1中紙面と垂直方向に対向して設置されている。この主放電電極14,15間に、高圧電源23からレーザコントローラ29の指示に基づいて高電圧パルスを印加し、パルス状の主放電を起こすことにより、レーザガスを励起してレーザ光21を発生させる。
【0005】
発生したレーザ光21は、レーザチャンバ12後方(図1中左方)に配置された狭帯域化ボックス31に入射する。
狭帯域化ボックス31の内部には、レーザ光21のビーム幅を拡大させる複数のプリズム32,32と、精密な溝が設けられたグレーティング33とを含む狭帯域化光学素子が収納されている。ここでグレーティング33は、反射型グレーティングである。
【0006】
レーザ光21は、プリズム32,32によってビーム幅を拡大され、拡大レーザ光21Aとなってグレーティング33に入射する。拡大レーザ光21Aは、グレーティング33の表面でその波長に応じて回折され、回折光は角度分散する。このとき、所望の波長範囲の回折光がレーザ共振器内で増幅されるように、レーザコントローラ29は、レーザ光21の波長を測定する波長モニタ(図示せず)の出力に基づいてステージ56を回転させ、グレーティング33の角度を調整する。
このようにして、レーザ光21の波長のスペクトル線幅を、所定の中心波長の近辺のみに制限してレーザ発振させることを、狭帯域化と言う。
【0007】
狭帯域化された拡大レーザ光21Aは、光路を逆向きに通ってビーム幅を元に戻され、フロントミラー16に達する。フロントミラー16は、レーザ光21の一部を反射し、一部を透過する。
従って、レーザ光21の一部はフロントミラー16とグレーティング33との間で反射を繰り返し、その間に主放電電極14,15間の主放電領域(図示せず)で増幅される。一方、フロントミラー16を透過した成分は、エキシマレーザ装置11から図1中右方へ出射し、ステッパ等の露光機25に入射して露光用光となる。
【0008】
この露光用光は、スペクトル線幅が狭いほど、解像度の高い露光が可能となる。そのため、狭帯域化の際に、できるだけ狭いスペクトル線幅が得られるようにすることが、求められている。
そのためには、スリット26,27によってレーザ光21のビーム幅を狭くしたものを、プリズム32,32で大きく拡大して、グレーティング33で回折させることにより、グレーティング33の解像度を上げる必要がある。
【0009】
図15に、特許文献1に従来技術として開示されている、主放電電極14,15の側面断面図を示す。図15において、主放電電極14,15は、互いに対向するカソード15及びアノード14からなり、その間の主放電領域36に主放電を起こすことによって、レーザガスを励起する。従って、主放電領域36の幅が、レーザ光21のビーム幅となる。
【0010】
ところが、上述したように狭帯域化レーザ装置においては、ビーム幅をなるべく狭くすることが、求められている。そのために図1では、レーザチャンバ12の前後方にスリット26,27を設け、ビーム幅をスリット26,27の開口部57,57の幅に制限している。
【0011】
その結果、開口部57,57よりも外側の領域の主放電は、レーザ光21の発振に寄与せず、エネルギーの無駄が生じてしまう。しかも、図15に示したような主放電電極14,15を用いて長期間にわたって主放電を行なうと、主放電電極14,15が次第に摩耗するために、主放電の幅がさらに広がってしまう。
【0012】
このような無駄を小さくするために、特許文献1においては、図16に示すように主放電電極14,15を、金属の本体部材58,59と、その周辺部に被覆されたフッ化クロム等の絶縁被覆60,60とで構成し、主放電電極14,15の略中央部のみで主放電が行なわれるようにしている。
これにより、スリット26,27の開口部57,57の幅(即ちビーム幅)と主放電領域36の幅とが略一致するので、注入したエネルギーの大部分がレーザ発振に使用され、エネルギー効率が向上する。
【0013】
【特許文献1】
特開平4−775号公報
【特許文献2】
特開平4−101475号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
即ち、図16においては、絶縁被覆60,60と主放電電極14,15との間の境界61,61近傍に放電が集中する。その際に、絶縁被覆60,60が主放電によって摩耗しない場合には、図16に破線62で示したように、本体部材58,59がえぐれていく。これにより、レーザガスがえぐれた場所に滞留し、主放電が不安定になってしまう。
一方、絶縁被覆60,60が主放電によって摩耗するような場合には、次第に主放電領域の幅Wが広がってしまい、エネルギー効率が低下する。
【0015】
これに鑑み、図17に示したように、主放電電極14,15の幅Wをスリット26,27の開口部57(即ち、レーザ光21のビーム幅)の幅と略一致させ、主放電電極14,15の幅内でのみ、主放電を起こすような技術が知られている(特許文献2参照)。
特許文献2によれば、主放電電極14,15の間隔gと幅Wとの比(g/W)が3(g=25mm、W=8mm)の場合が開示されており、比(g/W)が、例えば3よりも大きい場合に、主放電の幅が広がらないとされている。
【0016】
ところが、比(g/W)が3よりも大きい場合においても、主放電電極14,15間に印加する電圧を上げるに従い、主放電電極14,15の先端部近傍の側面において主放電が発生することが、実験により判明した(図17中、破線63参照)。これは、主放電電極14,15側面の電界が強くなったためと、考えられる。
その結果、図17に示すようにそれまでの主放電領域36よりも外側に主放電が広がってしまうという問題が生じてきた。
【0017】
また、主放電を安定に行なうための、主放電領域36内におけるレーザガスの流速Vと、発振周波数と、主放電領域36の幅Dとの間には、次の数式1に示すような関係がある。
CR=V/(f・W) …………(1)
CRは、定数であり、一般的に3〜6の値を取る。
【0018】
即ち、主放電領域36の幅Dが大きくなると、発振周波数fを上げるためには、流速Vを上げる必要がある。発振周波数fを2倍にするためには、2倍の流速が必要となるが、そのためには、貫流ファン24を駆動する図示しないモータの消費電力として、約8倍が必要となってしまう。
【0019】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、主放電領域が広がることの少ない放電励起ガスレーザ装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
レーザガスを封止するレーザチャンバと、
レーザチャンバ内部に対向して設置されたアノード及びカソードからなる主放電電極とを備え、
主放電電極の対向する放電面間で主放電を起こしてレーザガスを励起し、レーザ光を発振させる放電励起ガスレーザ装置において、
対向する放電面間の距離と放電面のうちの狭いほうの幅(W)との比が3以上であり、
主放電電極のうち少なくとも一方が、
先端部に放電面を設けた金属製の本体部材を備え、
本体部材の少なくとも一側の側面に、本体部材の材質よりも電気抵抗率の高い側面皮膜を、その一端部を放電面の端部と略同一高さとし、かつ放電面を覆わないようにして接触させている。
これにより、主放電電極の側面から放電が起きることが少なく、放電面と略同一幅の主放電を得ることができるので、注入したエネルギーの大部分がレーザ発振に寄与し、エネルギー効率が向上する。また、長期にわたって主放電を続けても、この主放電が広がりにくくなる。
【0021】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
前記側面皮膜が、本体部材の、レーザガス流に対して下流側の側面に設けられている
主放電はレーザガスの上流側よりも下流側に広がることが多いので、下流側に側面皮膜を設けることにより、効果的に広がりを抑制できる。
【0022】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
側面皮膜が、本体部材の両側の側面に設けられている。
これにより、主放電が左右両側のどちらにも広がりにくくなる。
【0023】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
本体部材の側面が所定高さにわたって、放電面の幅と略同一の横幅を有している。
これにより、本体部材が摩耗しても、主放電の幅が放電面の幅に保たれる。
【0024】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
前記側面皮膜を、本体部材と略同速度で摩耗するように形成している。
これにより、本体部材や側面皮膜の一部が局所的に摩耗するということが少なく、好適な一定幅の主放電を保つことができる。
【0025】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
前記側面皮膜の材質が、アルミナセラミックスである。
アルミナセラミックスは、摩耗してレーザガス中に飛散しても、レーザ発振に悪影響を与えることが少ない。
【0026】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
前記側面皮膜が、溶射によって形成されている。
溶射は、加工が簡単であり、本体部材に強固に固着して剥がれることが少ない。また、形成された皮膜の密度が低いので、本体部材と略同一の速度で摩耗する側面皮膜を作ることが容易である。
【0027】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
少なくとも一方の本体部材の先端部に、本体部材よりもハロゲンガスとの反応性が低い放電面皮膜を形成している。
これにより、主放電が安定に行なわれるとともに、放電面がハロゲンガスや主放電から保護されて、本体部材の摩耗が少なくなるので、主放電電極の寿命が長期化する。
【0028】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
前記放電面皮膜が、金属と絶縁物との混合物からなっている。
これにより、ハロゲンガスに対する耐腐食性が高く、かつ、主放電を妨げない放電面皮膜を作ることができる。また、金属と絶縁物との混合比を変えることにより、好適な電気抵抗率の放電面皮膜を、簡単に形成することができる。
【0029】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
前記放電面皮膜が、ハロゲン化金属からなっている。
これにより、放電面皮膜が安定化し、本体部材の摩耗が少なくなる。
【0030】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
前記放電面皮膜が、先端部に凹凸を設けられた本体部材を、レーザチャンバの中でハロゲンを含むガス雰囲気下で、主放電を行なうことで形成されている。
これにより、簡単に放電面皮膜を形成することができる。また、レーザチャンバーの中でフッ化金属の放電面皮膜が形成されるので、放電面皮膜が空気に触れることがなく、水分を含んで不純物を発生することが少ない。
【0031】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
レーザ光の波長を狭帯域化する狭帯域化光学素子を備えている。
波長が狭帯域化されたレーザ装置においては、ビーム幅が変わると、波長が変動することが多い。従って、レーザ光のビーム幅を変えることのない本発明は、特に狭帯域化レーザ装置において、有効である。
【0032】
また本発明に関わる放電励起ガスレーザ装置は、
前記狭帯域化光学素子が、主放電によって発生したレーザ光のビーム幅を広げる光学素子と、
ビーム幅を広げられたレーザ光の波長を角度分散によって狭帯域化する光学素子とを備えている。
グレーティング等の、角度分散によって狭帯域化する光学素子においては、レーザ光のビーム幅が狭いほど、スペクトル線幅が狭くなる。従って、本発明により、主放電の幅を狭くしてその中に効率的にエネルギーを注入することにより、効率良く、かつスペクトル線幅の狭いレーザ光を得ることが容易となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に関わる実施形態を詳細に説明する。
まず、第1実施形態を説明する。図2は、図1に示したエキシマレーザ装置の、A−A視断面図を示している。また、図3に、主放電電極14,15近傍の詳細な側面断面図を示す。
尚、以下の説明において、図2における紙面の上下方向を上下方向、図2における紙面の左右方向を水平方向と呼び、主放電電極14,15における幅及び横幅とは、この水平方向における寸法を示す。
【0034】
図2、図3において、エキシマレーザ装置11は、フッ素等のハロゲンガス、クリプトン又はアルゴン等の希ガス、及びヘリウム等の不活性ガスからなるレーザガスを封入したレーザチャンバ12を備えている。以下においては、ハロゲンガスをフッ素、希ガスをアルゴン、不活性ガスをネオンとした、ArFエキシマレーザ装置を例に取って、説明する。
【0035】
レーザチャンバ12は、例えばアルミニウムにニッケルメッキを施して構成され、高圧電源23の接地GND側に、電気的に接続されている。
レーザチャンバ12の上部には開口部35が設けられ、絶縁性のカソードベース49がその開口部35を封止している。カソードベース49には、アルミニウム等の金属製のカソードホルダ51が固定されている。カソードホルダ51の両側方には、カソード15とレーザチャンバ12の内壁面との間の絶縁距離を大きくして沿面放電を防ぐための絶縁ヒダ40,40が、カソード15の長手方向に沿って形成されている。
【0036】
また、レーザチャンバ12の内部には、カソードホルダ51と対向して、金属製のアノードホルダ50が設置されている。アノードホルダ50を固定するアノードベース48は、図示しない金属プレートにより、レーザチャンバ12から吊るされた状態で固定されている。
【0037】
図3において、アノード14及びカソード15は、凸形形状を有する金属製の本体部材58,59を備えている。本体部材58,59の底部は、金属製のアノードホルダ50及びカソードホルダ51にそれぞれ埋め込まれている。本体部材58,59の材質は、無酸素銅が好適である。
【0038】
アノード14の本体部材58は、アノードホルダ50及びアノードベース48を介して、高圧電源23の接地GND側に、電気的に接続されている。
また、カソード15の本体部材59は、カソードホルダ51を介して図示しない電流導入手段によって、高圧電源23の高圧HV側に、電気的に接続されている。
【0039】
本体部材58,59の、互いに向き合う面を放電面44,45と呼ぶ。第1実施形態においては、放電面44,45は互いに平行で、水平面と略一致するように平らに形成されている。
【0040】
本体部材58,59の側面は、その幅が放電面44,45の幅Wと略一致するように互いに平行に形成され、側面には、例えばアルミナセラミックス等の絶縁体からなる側面皮膜41,42が密着している。
側面皮膜41,42の一端部は、本体部材58,59の放電面44,45を覆わないように、放電面44,45と略同一高さとなっており、他端部は、本体部材58,59と、ホルダ50,51との接点に接触している。
【0041】
寸法の一例として、アノード14及びカソード15の寸法は略同一となっており、放電面44,45間の間隔g=16mm、放電面44,45の幅W=3mm、側面皮膜41の厚さM=0.5mmとなっている。また、側面皮膜41,42の長さmは、1.5〜3mm程度が好適である。
尚、アノード14の放電面44の幅とカソード15の放電面45の幅とが異なる場合にも、本発明は有効であり、そのような場合には、広いほうの放電面44,45の幅を幅Wとする。
【0042】
アノード14の両側方には、予備電離電極37,37が配置されている。予備電離電極37は、金属製の棒状の内部導電体38と、その外周部を包囲する外部誘電体39とで構成され、内部導電体38は、その端部において図示しない接続手段により、高圧電源23の高圧側HVに接続されている。
【0043】
レーザチャンバ12の内部には、図示しないモータによって駆動される貫流ファン24と、熱交換器13とが設置されている。貫流ファン24によって主放電電極14,15間のレーザガスは連続的に新鮮なものと入れ替えられる。主放電によって熱せられたレーザガスは、熱交換器13で冷却される。
図2、図3において、矢印47がレーザガスの流れを示している。
【0044】
このような主放電電極14,15を用いて、主放電を行なった場合の作用について、説明する。
まず、予備電離電極37の内部導電体38に、高圧電源23からパルス状の高電圧を印加することにより、アノード14との間でコロナ放電を起こし、主放電領域36を電離させる。
【0045】
その状態で、主電極14,15間に、高圧電源23からパルス状の高電圧を印加することによって主放電を起こし、レーザガスを励起してレーザ光を発生させる。
このとき、本体部材58,59の両側面に施された側面皮膜41,42により、放電面44,45の幅Wよりも外側に主放電が広がるのが抑制される。その結果、主放電は、図3に破線で描かれた略長方形の主放電領域36の内部でのみ起こることになる。尚、主放電領域36は、従来技術で説明したスリット26,27の開口部57,57に略一致し、開口部57,57は図示を省略する。
【0046】
従って、主放電領域36の幅Dが、放電面44,45の幅Wよりも広がることが殆んどなく、狭い幅Dの主放電領域36内でのみ、主放電が行なわれる。
即ち、主放電領域36の幅Dが広がらないので、前述した数式1より、レーザガスの流速を上げることなく発振周波数を上げることが可能であり、貫流ファン24を駆動するモータを大型化する必要がない。
【0047】
次に、このような主放電電極14,15を用いて、長期間にわたって主放電を行なった場合について、説明する。
図4に、長期間にわたって主放電を行なった場合の、主放電電極14,15及び主放電領域36の変化を示す。上述したように、長期間にわたって主放電を行なうと、アノード14の本体部材58は、主放電の際の熱や衝撃、及びハロゲン侵蝕による腐食により、カソード15の数倍の速度で摩耗することが、知られている。
【0048】
図4に示すように、アノード14の初期の放電面44は、摩耗によって次第に下降し、カソード15から離れていく。図4において、ハッチングを施した領域58Aが摩耗した本体部材であり、44Aが摩耗後の放電面である。
これとともに、アノード14の側面に設けられた側面皮膜41,41も、本体部材58とほぼ同じ速度で摩耗する。図4において、ハッチングを施した領域41A,41Aが、摩耗した側面皮膜である。
尚、カソード15側も同様に摩耗する。図4において、ハッチングを施した領域59Aが摩耗した本体部材であり、45Aが摩耗後の放電面である。また、ハッチングを施した領域42A,42Aが、摩耗した側面皮膜である。尚、カソード15側の摩耗量は、アノード14側の数分の1程度であるが、図4においては説明のために、摩耗量を拡大して示している。
【0049】
このように、本体部材58と側面皮膜41,41とが、略同一速度で摩耗することにより、主放電領域36には、常にアノード14の放電面44と側面皮膜41,41の先端部とが露出する。
従って、摩耗前の状態と同様に、側面皮膜41,41が主放電領域36の広がりを抑止することができ、主放電は、常に幅の狭い主放電領域36の中で起きる。
【0050】
両者の摩耗速度を略同一とするためには、例えば側面皮膜41,41を、溶射等の、比較的密度の低い皮膜ができるような手段で形成するのがよい。
側面皮膜41,41の密度が高いと、側面皮膜41,41の摩耗速度が放電面44の摩耗速度よりも遅くなり、放電面44が凹んでレーザガスがそこに滞留し、主放電が不安定になるようなことが起きる。逆に、側面皮膜41,41の摩耗速度が、放電面44の摩耗速度よりも速いと、主放電が放電面44の脇から起きて、放電面44の幅Wよりも広がってしまう。
【0051】
また、蒸着などの密度の高い皮膜を形成する手段によって、側面皮膜41,41を形成する場合には、側面皮膜41,41の厚みを、溶射によって形成する場合(上記の例ではM=0.5mm)よりも薄くすればよい。これにより、放電面44の摩耗速度と側面皮膜41,41の摩耗速度とを、略同一にすることができる。
【0052】
このとき、本体部材58及び側面皮膜41,41の摩耗に伴い、主放電領域36は、下方に広がっていく(図4中、36B参照)。本体部材58及び側面皮膜41,41の摩耗量が所定の値以上になると、放電面44,45間の間隔gが大きくなり過ぎて主放電が好適に起きず、アノード14を交換する必要が生じる。従って、側面皮膜41,41の長さmを、本体部材58の許容摩耗量よりも大きくすることにより、側面皮膜41,41による主放電の広がり抑制効果を、アノード14の交換時期まで保つことが可能となる。
【0053】
また、カソード15の側面皮膜42も、アノード14と同様に、本体部材59と略同一速度で摩耗するように形成するのがよい。
但し、カソード15の本体部材59の摩耗は、アノード14に比べて程度が少ないとされている。
【0054】
図5に、従来技術と第1実施形態に関わる主放電電極14,15を用いた場合の、発振周波数とレーザガスの流速との関係を、グラフで示す。図5において、横軸が発振周波数f、縦軸がそのときのレーザガスの流速Vであり、従来技術を破線で、第1実施形態を実線で示している。
図5に示すように、第1実施形態に関わる主放電電極14,15を用いることにより、低いガス流速においても、高い発振周波数でレーザ発振を行なわせることが可能であるので、貫流ファン24を駆動するモータを大型化する必要がない。
【0055】
以上説明したように第1実施形態によれば、主放電電極14,15を金属製の本体部材58,59と、その側方に接触させた絶縁物からなる側面皮膜41,42とで構成している。これにより、主放電の広がりが抑えられ、主放電領域36の幅Dが、放電面44,45の幅Wと略一致する。その結果、低いガス流速においても、高い発振周波数でレーザ発振を行なわせることが可能である。
【0056】
尚、側面皮膜41,42の材質としては、主放電によってアノード14及びカソード15と、同じような速度で摩耗する材質が好適であり、しかも摩耗した際に、レーザガスに悪影響を与えない物質であるのがよい。絶縁物であるアルミナセラミックスが最適であるが、例えばフッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、或いは窒化アルミニウムなどでもよい。
【0057】
また、必ずしも絶縁物である必要はなく、主放電電極14,15よりも電気抵抗率が高い(電気を通しにくい)物質であれば、主放電領域36の広がりを抑止する効果はある。例えば、銅とアルミナセラミックスとを混合して、溶射によって吹きつけるようにしてもよい。
【0058】
図6に、第1実施形態に関わる主放電電極14,15の、他の構成例を示す。図3においては、側面皮膜41,42が放電面44,45からホルダ50,51まで届くようにしているが、図6に示すように、側面皮膜41の長さmが所定の範囲にあれば、ホルダ50,51まで届かなくてもよい。このとき、側面皮膜41の長さmは、アノード14の摩耗量の許容範囲に略一致し、上述したように、1.5〜3mm程度あればよい。
また、カソード15の本体部材59は、アノード14の本体部材58に比べて摩耗量が少ないので、側面皮膜42の長さは、より短くともよい。
【0059】
図7に、第1実施形態に関わる主放電電極14,15の、他の構成例を示す。図3においては、主放電電極14,15は、それぞれホルダ50,51に埋め込まれていたが、図7に示すように、ホルダ50,51を用いずにベース48,49に直接固定するようにしてもよい。この場合、カソード15は、高圧電源23の高圧HV側に、図示しない電流導入手段によって、電気的に接続されている。
【0060】
図8に、第1実施形態に関わる主放電電極14,15の、他の構成例を示す。図3においては、主放電電極14,15の放電面44,45は、互いに平行でそれぞれフラットな形状となっていたが、図8に示すように、断面を楕円形状としてもよい。この場合、例えば短軸を上下方向とし、短軸対長軸の比を、1対4程度とするとよい。
【0061】
このようにすると、アノード14は次第に放電面44が摩耗し、44Cに示すようなフラットな形状に近づいていく。これに対し、カソード15の放電面45はさほど摩耗しないので、楕円形状を保つ。
主放電の初期においては、本体部材58,59の放電面44,45を楕円形状とすることにより、主放電がより広がりにくくなる。また、長期にわたって主放電を行なっても、カソード15の放電面45が楕円形状であるため、やはり主放電は広がりにくい。
【0062】
図9は、第1実施形態に関わる主放電電極の、他の構成例を示している。即ち、カソード15の本体部材59の側面のみに、側面皮膜42,42を設けるようにしてもよい。これにより、カソード15の側面からの主放電が起きにくくなるので、側面皮膜42,42を設けない場合に比べ、主放電の幅が抑制される。
【0063】
また、図10に示すように、本体部材58,59の、レーザガス下流側にのみ、側面皮膜42を設けるようにしてもよい。レーザガス上流側は、レーザガスの流れ47によって下流側よりも主放電が広がりにくい。従って、主放電が広がりやすい下流側にのみ、側面皮膜42を設けることにより、効率的に主放電の広がりを抑制できる。この場合、側面皮膜42は、アノード14又はカソード15のどちらかに設けるだけでもよい。
【0064】
次に、第2実施形態について、説明する。
図11に、第2実施形態に関わる主放電電極14,15の側面断面を示す。図11において、アノード14及びカソード15の本体部材58,59の先端部は、図8に示したものと同様の、楕円形状を有している。
【0065】
アノード14の本体部材58の先端部には、アルミナセラミックスと銅とを体積比1対1で混合したものを、溶射により約0.3mmの厚さにコーティングし、放電面皮膜43を形成している。これにより、放電面44は、放電面皮膜43の表面となる。
そして、アノード14の本体部材58の側面には、放電面皮膜43を覆わないように側面皮膜41,41が施され、放電面皮膜43の端部に接触して、略同一高さとなっている。
【0066】
このように、アノード14の本体部材58の先端部に放電面皮膜43を形成することにより、主放電の衝撃やハロゲン侵蝕による腐食から本体部材58が保護される。その結果、本体部材58の摩耗が緩和されるとともに、放電面44,45間で安定した主放電が行なわれる。
【0067】
従って、長期にわたって主放電を行なっても、第1実施形態のようにアノード14の本体部材58が摩耗して、主放電電極間の間隔gが増加するということが少ない。即ち、第1実施形態の効果に加え、長期間にわたってアノード14を交換することなく、好適な主放電を継続させることが可能である。
【0068】
尚、本体部材58,59の先端部は、必ずしも楕円にする必要はないが、アノード14の放電面44が楕円形状を保つようにすることにより、主放電がより広がりにくく、安定に行なわれる。
また、上記においては、アノード14側の本体部材58のみに放電面皮膜43を形成するように説明したが、カソード15側の本体部材59にも形成してもよい。これにより、カソード15の本体部材59も、より摩耗しにくくなる。
【0069】
尚、放電面皮膜43として、銅とアルミナセラミックスとを混合したものを例示したが、これに限られるものではない。例えば、銅と、ハロゲン耐腐食性のあるフッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、或いは窒化アルミニウム等との混合でもよい。
【0070】
図12に、第2実施形態に関わる主放電電極14,15の他の構成例を、側面断面図で示す。図12に示すように、本体部材58,59はすべて主放電領域36と略同一幅である必要はなく、先端部と基部とは異なる太さであってもよい。即ち、本体部材58,59の先端部に、放電面44,45が主放電領域36と略同一幅となるように形成されていればよい。
図12には、基部にいくに従って、徐々に太くなるようなものを示しているが、細くなってもよく、段階的に太さが変化してもよい。
【0071】
これは、図11に示したように、アノード14の本体部材58の先端部に放電面皮膜43を施すことにより、アノード14の摩耗量が減少するので、放電面44を常に主放電領域36と略同一幅にすることが可能となるためである。
尚、カソード15に関しては、元来摩耗量が小さく、第1実施形態等においても、このように本体部材の太さが変化してもよい。
【0072】
次に、第3実施形態について、説明する。
図13に、レーザチャンバ12内部に装着する前の、アノード14の断面図を示す。図13において、アノード14及びカソード15の本体部材58,59の先端部は、図8に示したものと同様の、楕円形状を有している。
【0073】
アノード14の本体部材58の側面には、上記各実施形態と同様に、側面皮膜41,41が形成されている。そして本体部材58の先端部は楕円形状をしており、微小な凹凸52が形成されている。これは、例えば、高純度のアルミナセラミックス粒を高速で吹きつけるブラスト加工により、形成される。
【0074】
アルミナセラミックス粒は、例えば5μm〜200μm程度の大きさが、好適である。アルミナセラミックス粒を吹きつける際には、先端部以外の場所をマスキングして、側面等に凹凸52が生じないようにする。そして、吹きつけた後には、窒素等の水分を含まない清浄なガスをブローすることによって、アルミナセラミックス粒を吹き飛ばすようにする。
【0075】
図14に、第3実施形態に関わる主放電電極14,15の側面断面を示す。
このように、微小な凹凸52を形成したアノード14をレーザチャンバ内部に装着し、レーザガスに含まれるハロゲンガスと同じハロゲンガス(ArFエキシマレーザ装置においてはフッ素)を含むガス中で、カソード15との間で主放電を起こす。これにより、アノード14の本体部材58の先端部には、凹凸52をすべて覆い隠すように、フッ化銅の膜53が略均一な厚さで一様に形成される。放電面44は、このフッ化銅の膜53の表面となる。
【0076】
フッ化銅の膜53形成の仕組みは、次のようなものと推測される。即ち、アノード14の本体部材58の先端部には、上述したような小さな凹凸52が生じており、凸部54には、主放電が集中しやすくなっている。その結果、本体部材58の先端部には、ほぼ全域にわたって、集中的な主放電がシャワー状に行なわれることになる。これにより、凸部54がより加熱され、その他の部位に比べて、フッ素と銅との反応が速く進行し、フッ化銅が生成される。
【0077】
一方、凹部55においては、主放電が殆んど起きないために表面温度の上昇は少なく、レーザガスが淀んでいるので、生成したフッ化銅がそこに堆積する。
その結果、アノード14の凸部54で生成したフッ化銅が、凹部55に溜まっていき、最終的にはフッ化銅の膜53が本体部材58,59先端部の全域にわたって、均一に、しかも比較的厚く形成されたと考えられる。
【0078】
このように、フッ化金属等の誘電体膜53をアノード14の本体部材58の先端部に均一に生じさせることにより、アノード14の本体部材58が保護された状態となるとともに、主放電が安定化する。
【0079】
その結果、誘電体膜53が、アノード14の本体部材58とフッ素等のハロゲンガスとの反応を抑制し、アノード14の摩耗を防止する。従って、第2実施形態と同様に、長期間にわたってアノード14を交換することなく、好適な主放電を継続させることが可能である。しかも、側面には側面皮膜41,42を被覆しているため、第1実施形態と同様に、主放電の広がりを抑制できる。
【0080】
尚、上記においては、アノード14のみにブラスト加工を行なうように説明したが、カソード15にも行なうようにしてもよい。これにより、カソード15もより摩耗しにくくなる。
【0081】
また、このような誘電体膜53を形成することにより、第2実施形態と同様に、アノード14の摩耗量が減少するため、図12において説明したように、本体部材の太さは放電領域36の幅と異なってもよい。
【0082】
また、第2実施形態や第3実施形態のように、放電面皮膜43や誘電体膜53を形成することにより、アノード14の摩耗量がカソード15よりも小さくなるような場合がある。このような場合には、図9に示したように、カソード15の側面のみに、側面皮膜42をつけるようにしてもよい。
【0083】
尚、上記の説明は、ArFエキシマレーザ装置を例にとって行なったが、これに限られるものではない。KrFエキシマレーザ装置等の他のエキシマレーザ装置やフッ素分子レーザ装置等の、ハロゲンガスをレーザガスに含み、放電励起を行なうような放電励起ガスレーザ装置において、同様に応用が可能である。
【0084】
また、波長を狭帯域化する手段として、グレーティング33によって行なう場合について説明したが、これに限られるものではなく、レーザ光21のビーム幅を狭めることが狭帯域化に有用であるような場合について、すべて有効である。例えば、エタロンによって波長を狭帯域化する場合にも、応用が可能である。
【0085】
また、リアスリット27をレーザチャンバ12と狭帯域化ボックス31との間に配置するようにしたが、例えば狭帯域化ボックス31の内部でもよい。また、スリットに限られるものではなく、レーザ光21のビーム幅を制限するような光学素子であればよい。
【0086】
さらには、波長を狭帯域化されたレーザ装置について説明を行なったが、これに限られるものではなく、レーザ光21のビーム幅を制限されるレーザ装置であれば、本発明を適用することができる。即ち、本発明によれば、主放電の幅が広がらないので、主放電に投入したエネルギーの大部分がレーザ発振に用いられ、エネルギー効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に関わるエキシマレーザ装置の平面図。
【図2】図1のA−A視断面図。
【図3】主放電電極近傍の詳細図。
【図4】主放電電極の形状変化を示す説明図。
【図5】第1実施形態の効果を示すグラフ。
【図6】第1実施形態に関わる主放電電極の他の構成例を示す説明図。
【図7】第1実施形態に関わる主放電電極の他の構成例を示す説明図。
【図8】第1実施形態に関わる主放電電極の他の構成例を示す説明図。
【図9】第1実施形態に関わる主放電電極の他の構成例を示す説明図。
【図10】第1実施形態に関わる主放電電極の他の構成例を示す説明図。
【図11】第2実施形態に関わる主放電電極の側面断面図。
【図12】第2実施形態に関わる主放電電極の他の構成例を示す側面断面図。
【図13】第3実施形態に関わるアノードの断面図。
【図14】第3実施形態に関わる主放電電極の側面断面図。
【図15】従来技術に関わる主放電電極の側面断面図。
【図16】従来技術に関わる主放電電極の側面断面図。
【図17】従来技術に関わる主放電電極の側面断面図。
【符号の説明】
11:エキシマレーザ装置、12:レーザチャンバ、13:熱交換器、14:主放電電極(アノード)、15:主放電電極(カソード)、16:フロントミラー、17:フロントウィンドウ、19:リアウィンドウ、21:レーザ光、22:ビームスプリッタ、23:高圧電源、24:貫流ファン、25:露光機、26:フロントスリット、27:リアスリット、31:狭帯域化ボックス、32:プリズム、33:グレーティング、35:レーザチャンバ開口部、36:主放電領域、37:予備電離電極、38:内部導電体、39:外部誘電体、40:絶縁ヒダ、41:側面皮膜、42:側面皮膜、43:放電面皮膜、44:放電面(アノード)、45:放電面(カソード)、47:ガス流、48:アノードベース、49:カソードベース、50:アノードホルダ、51:カソードホルダ、52:凹凸、53:膜、54:凸部、55:凹部、56:ステージ、57:スリット開口部、58:本体部材(アノード)、59:本体部材(カソード)。

Claims (13)

  1. レーザガスを封止するレーザチャンバ(12)と、
    レーザチャンバ(12)内部に対向して設置されたアノード(14)及びカソード(15)からなる主放電電極(14,15)とを備え、
    主放電電極(14,15)の対向する放電面(44,45)間で主放電を起こしてレーザガスを励起し、レーザ光(21)を発振させる放電励起ガスレーザ装置において、
    対向する放電面(44,45)間の距離(g)と、放電面(44,45)のうちの狭いほうの幅(W)との比(g/W)が3以上であり、
    主放電電極(14,15)のうち少なくとも一方が、
    金属製の本体部材(58,59)を備え、
    本体部材(58,59)の少なくとも一側の側面に、本体部材(58,59)の材質よりも電気抵抗率の高い側面皮膜(41,42)を、その一端部を放電面(44,45)の端部と略同一高さとし、かつ放電面(44,45)を覆わないようにして接触させた
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  2. 請求項1に記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記側面皮膜(41,42)が、本体部材(58,59)の、レーザガス流(47)に対して下流側の側面に設けられている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  3. 請求項1に記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記側面皮膜(41,42)が、本体部材(58,59)の両側の側面に設けられている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    本体部材(58,59)の側面が所定高さにわたって、放電面(44,45)の幅(W)と略同一の横幅を有している
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記側面皮膜(41)を、本体部材(58,59)と略同速度で摩耗するように形成している
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記側面皮膜(41)の材質が、アルミナセラミックスである
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記側面皮膜(41)が、溶射によって形成されている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    少なくとも一方の本体部材(58,59)の先端部に、本体部材(58,59)よりもハロゲンガスとの反応性が低い放電面皮膜(43)を形成している
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  9. 請求項8に記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記放電面皮膜(43)が、金属と絶縁物との混合物からなっている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  10. 請求項8に記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記放電面皮膜(43)が、ハロゲン化金属からなっている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  11. 請求項10に記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記放電面皮膜(43)が、先端部に凹凸(52)を設けられた本体部材(58,59)を、レーザチャンバ(12)の中でハロゲンを含むガス雰囲気下で主放電を行なうことで形成されている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    レーザ光(21)の波長を狭帯域化する狭帯域化光学素子を備えている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  13. 請求項12に記載の放電励起ガスレーザ装置において、
    前記狭帯域化光学素子が、主放電によって発生したレーザ光(21)のビーム幅を広げる光学素子(32,32)と、
    ビーム幅を広げられたレーザ光(21)の波長を角度分散によって狭帯域化する光学素子(33)とを備えている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
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JP2008198919A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Komatsu Ltd 高繰返し動作が可能で狭帯域化効率の高いエキシマレーザ装置
WO2022137374A1 (ja) * 2020-12-23 2022-06-30 ギガフォトン株式会社 放電電極、アノードの製造方法、及び電子デバイスの製造方法
WO2023127286A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 ギガフォトン株式会社 ガスレーザ装置及び電子デバイスの製造方法

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