JP2001267663A - 放電励起ガスレーザ装置 - Google Patents

放電励起ガスレーザ装置

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JP2001267663A JP2000073608A JP2000073608A JP2001267663A JP 2001267663 A JP2001267663 A JP 2001267663A JP 2000073608 A JP2000073608 A JP 2000073608A JP 2000073608 A JP2000073608 A JP 2000073608A JP 2001267663 A JP2001267663 A JP 2001267663A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なガス循環構造を有し、装置の小型化を
図ることができる放電励起ガスレーザ装置を提供するこ
と。 【解決手段】 電極13a,13bの電極間距離が15
〜20mm、クロスフローファン1の外径が電極間距離
の5〜10倍の放電励起ガスレーザ装置において、仕切
板1の先端を、電極13a,13bのそれぞれの中心を
通る電極間距離方向の中心線Q1と平行でクロスフロー
ファン1の中心を通る線Q2に対して、角度8〜26°
だけ上記電極方向に傾いた位置で、上記ファン1の外周
縁に近接した位置に配置する。これにより、ガス流路の
幅を電極間の距離と略等しくすることができ、ガス循環
の効率を向上させることができる。また、レーザチェン
バの断面の内壁の形状を、上記中心線Q1に対して非対
象構造とすることにより、レーザチェンバの断面積を小
さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電励起ガスレー
ザ装置に関し、さらに詳細には、レーザチェンバ内に設
けたファンにより、電極間のガスを循環させるようにし
た放電励起ガスレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の微細化、高集積化につ
れ、投影露光装置においては解像力の向上が要請されて
いる。このため、露光用光源から放出される露光光の短
波長化が進められており、この半導体リソグラフイー用
光源としては、従来の水銀ランプ光の波長より短波長の
光を放出する放電励起ガスレーザ装置(以下エキシマレ
ーザ装置を例として説明する)の採用が始まっている。
エキシマレーザ装置は、レーザチェンバ内に、例えば、
フッ素(F2 )ガスやアルゴン(Ar)ガスおよびバッ
ファーガスとしてのネオン(Ne)ガス等の希ガスから
なるレーザガスが数百kPaで封入されている。レーザ
チェンバ内部にはレーザ光軸方向に延び、所定間隔だけ
離間して対向した一対の主放電電極が設けられている。
この主放電用電極間に立上りの早い高電圧パルスを印加
して放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレ
ーザガスが励起される。
【0003】レーザチェンバの前後には、出力鏡と、露
光装置の投影光学系における色収差の問題を回避するた
めにレーザ光のスペクトル幅を狭帯域化し、中心波長の
波長安定化を実現するための狭帯域化光学系とが各々配
置され、出力鏡と狭帯域化光学系はレーザ共振器を構成
する。レーザガスが励起されレーザチェンバから放出さ
れる光は、レーザ共振器により増幅され、レーザ光とし
てレーザ共振器の出力鏡より取出される。効率よくレー
ザ光を発生させるには、主放電電極間で一様な放電を発
生させることが必要であるが、数百kPaという高圧ガ
ス雰囲気で一様な放電を発生させるために、通常、主放
電電極近傍に設けた予備電離手段により、主放電開始前
に主放電電極間の主放電空間に存在するレーザガスを予
備電離することが一般的である。
【0004】露光用光源として使用されるエキシマレー
ザ装置は、スループツトの増大のために、放電の数kH
zでの高繰返し動作が要請され始めている。しかしなが
ら、主放電発生後、主放電空間にはイオンやフッ化物な
どの放電生成物が発生し、熱的撹乱や音響学的撹乱(衝
撃波等)も発生し、この状態が維持されたままでは、次
の主放電が不安定となって、主電極間でアーク放電が発
生し、レーザ出力が不安定となる。このような不具合を
避けるには、次の放電が発生する前に、主放電空間、す
なわち、光軸方向に細長い2つの電極間に存在するガス
を交換する必要がある。具体的には、レーザチェンバ内
にファンを設け、レーザチェンバ内のレーザガスを高速
循環させている。
【0005】エキシマレ−ザ装置において、上記したレ
ーザガスの高速循環用ファンとしては、クロスフローフ
ァンが多く用いられている(例えば、USP5,02
3,884号明細書、特開平10−223955号公
報、特開平11−117981号公報等参照)。クロス
フローファンは、一対の円形の側板が複数のブレードに
より接続された構成であって、この複数のブレードは、
側板の半径方向を向き、ブレードの各両端は側板の円周
方向に配置されている。クロスフローファンは、例え
ば、コロナ社、昭和63年発行の文献「ターボ送風機と
圧縮機」の297頁に記載されているように、ファン周
囲にケーシング(ガイドウォール)と仕切板を設けて使
用される。
【0006】図4に上記クロスフローファンを用いたエ
キシマレーザ装置の概略構成を示す。同図は、放電励起
ガスレーザ装置を光軸に垂直な平面で切ったときの断面
図を示している。同図において、チェンバ本体11の上
部には開口が設けられ、絶縁部材12が気密に取りつけ
られる。絶縁部材12は、セラミックス等の絶縁材料で
構成され、そのレーザチェンバ内部に向いた面上にはレ
ーザ光軸方向に延びた一対の主放電電極(以下電極とい
う)13a,13bのうちの一方の電極(高電圧側)1
3aが設置されている。この電極13aは図示しない高
圧パルス発生装置の高電圧側に接続されている。一方、
上記電極13aに所定間隔だけ離間して対向した他方の
電極(接地側)13bと、予備電離手段14は導電性材
料で形成された導電板15に据え付けられ、通電部材2
2を介して図示しない高電圧パルス発生装置の接地側に
接続されている。また、絶縁部材12に設置された高電
圧がかかる電極13aと、接地されているチェンバ本体
11との間で沿面放電が起こらないように、電極13a
を囲むように襞部12aが形成されている。
【0007】上記一対の電極間13a,13bに、図示
しない高電圧パルス発生器より立上りの早い高電圧パル
スを印加して放電を発生させることにより、レーザ媒質
であるレーザガスが励起される。レーザチェンバ内部で
レーザガスを高速循環させる手段として、前記したクロ
スフローファン1が設けられ、また、放電により発生す
る熱により加熱されたレーザガスを冷却するための熱交
換器16が設けられている。クロスフローファン1の近
傍には、仕切板2が設けられ、チェンバ本体11の内壁
は、ガイドウォールとして機能させるために例えば螺旋
形状となっている。チェンバ本体11の内壁は、電極1
3a,13bを通る中心線に対してほぼ左右対称形であ
り、電極の13a,13bの右側の空間は循環ガスの帰
還路となっている。
【0008】ところで、クロスフローファンは、例え
ば、特開平9−105398号公報にも記載されている
通り一般に空調設備の送風用ファンとして用いられてき
た。このように空調設備の送風用ファンとして用いられ
る場合、ファンは全圧動力(ヘッド)が低く、かつ、ガ
ス流量が大きい「低ヘッド・大流量」動作を行う。一
方、レーザガスが封入されたレーザチェンバの内部に配
置された電極間という狭い空間にガスを循環させる場合
は、上記ヘッドは高くなり、かつ、ガス流量は小さくな
る。すなわち、ファンを「高ヘッド、小流量」条件で使
用することになる。
【0009】図5にクロスフローファンを用いた「高ヘ
ッド、小流量」となる標準的送風構造の1例を示す。ク
ロスフローファンを用いた送風構造においては、同図に
示すようにクロスフローファン1のガス流入部、送出部
に各々仕切板2、ガイドウォール3が設けられる。クロ
スフローファン1は直径Lの円筒形形状であり、図4の
例ではクロスフローファン1の回転方向は時計回りであ
る。クロスフローファン1(以下必要に応じてファンと
いう)のガス送出側に設けられるガイドウォール3の形
状は通常螺旋形状であって、ファン1とガイドウォール
3との間には、所定の隙間を設定する必要がある。前記
した文献:コロナ社、昭和63年発行「ターボ送風機と
圧縮機」によれば、上記隙間は以下のように設定され
る。すなわち、図において、ファン直径をLとしたと
き、ファン1とガイドウォール3各々の垂直方向接線間
距離がおよそ0.2L程度、また、ファン1とガイドウ
ォール3各々の水平方向接線間距離がおよそ0.4L〜
0.5L程度となるように設定される。仕切板2のファ
ン1側先端は、ファン1の中心を通り、垂直方向から時
計方向にα°傾いている仮想線上にほぼ位置する。角度
αの最適値は、使用条件(例えば気体密度、ファン回転
数等)、ファン構造(外径/内径比等)等の諸条件によ
って異なるが、上記文献「ターボ送風機と圧縮機」によ
れば40°〜45°程度であるとされている。上記構造
とすることにより、図5に示すように、ガス流路は、フ
ァン1の垂直方向の接線(風の送出側の接線)上にある
同図の斜線部Pから右側に形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記クロスフローファ
ンにおいては、上記のようにファン1の中心を通り、垂
直方向から時計方向にα°傾いている仮想線上に、仕切
板の先端を位置させていた。しかしながら、エキシマレ
ーザ装置のチェンバ構造は、電極間距離(前記図4にお
けるD)が、ファン直径に比較して極めて小さい(例え
ば、25mm以下)。従って、上記ファン構造を、その
ままエキシマレーザ装置に採用しても必ずしも良好なガ
ス循環構造を達成することはできなかった。すなわち、
前記した文献「ターボ送風機と圧縮機」によれば、「高
ヘッド、小流量」となる送風構造では、図5に示したよ
うにファン1とガイドウォール3各々の水平方向接線間
距離がほぼ流路の垂直方向の幅となっていて、その幅は
クロスフローファンの直径をLとしたとき、およそ0.
4L〜0.5L程度とされている。
【0011】一方、放電励起ガスレーザ装置において
は、装置より放出直後のレーザビームパターンの長手方
向の長さは、ほぼ主電極間距離と一致し、露光用放電励
起ガスレーザ装置においては、露光用に必要とされるレ
ーザビームパターンから、主電極間距離は25mm以下
となっていることが多い。よって、放電励起ガスレーザ
装置の送風構造におけるクロスフローファンの直径は5
0mm以下となるが、このような直径のクロスフローフ
ァンでは、ガスレーザ装置の数kHzでの高繰返し動作
に対応できるガス流速を得ることができない。従って、
クロスフローファンの直径を上記より大きくする必要が
ある。従来のエキシマレーザ装置における送風構造にお
いても、通常、電極間距離はクロスフローファンの直径
の0.4倍以下となっている。その結果として、流路の
幅も主放電間隔より大きくなる。流路の幅が主電極間距
離よりも大きくなると、クロスフローファンにより送出
されるガスは主電極間のみならず電極等の構造物に当た
ることになり、構造物が障害となって、主電極間を流れ
るガス流速が減少し、主電極間のガス交換効率が低下す
る。
【0012】また、前記図4に示したように、従来のエ
キシマレーザ装置においては、通常、主電極位置を中心
としてレーザチェンバ断面が左右対称構造となってい
る。このため、断面積が大きくなり、レーザチェンバ自
体が大きくなる。本発明は上記した事情に鑑みなされた
ものであって、良好なガス循環構造を有し、かつ、レー
ザチェンバの断面積を小さくし、装置の小型化を図るこ
とができる放電励起ガスレーザ装置を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決できる放
電励起ガスレーザ装置の構造を種々検討した結果、次の
ようにすればよいことが明らかとなった。 (1)送風構造 本発明者らは、高ヘッド、小流量で、ガスレーザ装置の
数kHzでの高繰返し動作に対応できるガス流速を得る
ことができ、かつ、流路の幅を電極間距離である25m
m以下にすることができる送風構造を種々検討した。そ
の結果、従来の送風構造におけるクロスフローファンと
ガイドウォールとの関係はそのまま踏襲し、仕切板とク
ロスフローファンとの位置関係を変化させることによ
り、上記条件を満たす送風構造を得ることが可能である
ことが明らかになった。
【0014】図1に本発明の送風構造を示す。前記図5
と同様、ファン直径をLとしたとき、ファン1とガイド
ウォール3各々の垂直方向接線間距離はおよそ0.2L
程度、また、ファン1とガイドウォール3各々の水平方
向接線間距離がおよそ0.4L〜0.5L程度となるよ
うに設定される。図5との相違点は、仕切板2とクロス
フローファン1との位置関係を変更した点である。図5
においては、ファン1の中心を通る垂直線に対して時計
方向にα°傾いている仮想線上に仕切板2を配置してお
り、この場合の流路の先頭P(図5で斜線を付した部
分)の下端P1は、同図に示すようにファン1の中心を
通る垂直線とファン1の断面の円が交わる点(同図A
点)を通る水平な接線B上にある。ここで、仕切板2の
位置を変えても、流路の下端を通りファン1の断面の円
と接する接線がファン1と接する点(A点)と仕切板2
の相対位置関係は変わらない(角度αは変わらない)と
考えられるから、仕切板2の位置を図1(a)に示す位
置に移動させると、図5におけるA点は図1(a)に示
すA’点に移動する。これに伴いA点を通る接線はB’
に示すように傾き、流路の先頭の下端P1’も同図に示
すように移動する。また、流路の先頭Pの上端P2点は
ガイドウォール3により定まるP2点であり、図5と変
わらない。すなわち、仕切板2の位置を変更することに
より流路の幅を狭くすることができる。
【0015】また、クロスフローファン1による循環流
は、図1(a)の流路の先頭Pから形成されるので、図
1(a)における流路の先頭Pの下端P1′にレーザ装
置の一対の主放電電極の内の一方の電極13bの上面を
配置し、また、流路の上端P2に他方の電極13aの下
面を配置すれば、電極13a,13b間に最も効率的に
循環流を流すことができる。すなわち、具体的には仕切
板2の位置を次のように定めることにより、電極間に効
率的に循環流を流すことができる。 一対の電極のうち、ファンに近い方の電極の下端か
ら、ファンに向って(風の送出側)接線B’を引いて、
その交点をA’点とする。 このA’点から時計方向にα度回転させた位置をC
点とする。 このC点の近傍に仕切板2の一方端を配置する。
【0016】次に、上記条件を満たす仕切板2の先端位
置を求めた。ここでは、仕切板の先端位置は、図1
(b)に示すように一対の電極13a,13bのそれぞ
れの中心を通る電極間距離方向の中心線Q1と平行でク
ロスフローファン1の中心を通る線Q2に対する角度θ
で規定した。また、露光用放電励起ガスレーザ装置にお
いては、電極間距離Dは通常15〜20mmであり、ま
た、数kHzでの高繰返し動作に対応できるガス流速を
得るためのクロスフローファンの径はφ100〜150
mmであるので、電極間距離Dを15〜20mm、ファ
ン径Lをφ100〜150mmとした。したがって比率
D/Lは略0.1〜0.2である。以上の数値を基に、
クロスフローファン1と電極13a,13bを図示する
と図1(b)に示すようになる。同図においては、クロ
スフローファン1の直径Lに対する比率で数値を表示し
ている。図1(b)に基づき、αが40°〜45°とな
るθの値を求めたところ、θは8〜26°となった。し
たがって、一対の電極の電極間距離が15〜20mm、
上記クロスフローファンの外径がこの電極間距離の5〜
10倍の場合には、仕切板2の先端を、一対の電極13
a,13bのそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中
心線Q1と平行でクロスフローファン1の中心を通る線
Q2に対して、角度8〜26°だけ上記電極方向に傾い
た位置で、クロスフローファンの外周縁に近接した位置
に配置すればよい。
【0017】(2)レーザチェンバの断面構造 前記図4に示したように、従来においては、チェンバ本
体1を光軸に垂直な平面で切ったときの内壁の形状(ガ
イドウォールの形状)は、電極13a,13bを通る中
心線に対してほぼ左右対称形とされ、電極の13a,1
3bの右側の空間は循環ガスの帰還路となっていた。し
かし検討の結果、必ずしも上記のような対称構造とする
必要はなく、上記構造のものは主電極の右側空間にはガ
スの帰還に寄与しない無駄な空間が大きいことかわかっ
た。そこで、本発明においては、上記(1)で説明した
送風構造を採用するとともに、電極13a,13bを通
る中心線に対して左右が非対称となる構造を採用した。
【0018】特に、図2(a)に示すように流路の先頭
の右側空間であるガスの帰還路を、流路の先頭の位置P
の上端P2より始まる半円状に構成すれば、レーザチェ
ンバの断面積を最も小さくすることが可能である。この
構成においては、流路が形成される位置は、ガスを循環
させる対象である主電極間の中心であり、流路が形成さ
れる位置より左側の空間には、クロスフローファン1や
ガイドウォール3があるので、レーザチェンバ断面の内
壁の形状は、図4に示したように電極13a,13bの
中心を通る中心線Q1を中心とした対称構造とはならな
い。なお、高速循環ガスを流す対象である流路は、実際
には、主電極の幅、一方の主電極の両端に配置される予
備電離手段等の関係で、流れ方向(図では水平方向)
に、所定の幅を有する。よって、これらの条件から必要
に応じて帰還路の半円形状の開始位置は、図2(b)に
示すように流れ方向に引き伸ばしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】図3に本発明の実施例の放電励起
ガスレーザ装置の構成を示す。同図は、前記図4と同
様、光軸に垂直な平面で切った断面図を示している。同
図において、チェンバ本体11の内部には、クロスフロ
ーファン1、一対の電極13a,13b、予備電離手段
14、放電により熱せられたレーザガスを冷却するため
の熱交換器16が収容される。チェンバ本体11の上部
には開口が設けられ、絶縁部材12が気密に取りつけら
れる。絶縁部材12は、セラミックス等の絶縁材料で構
成され、そのレーザチェンバ内部に向いた面上にはレー
ザ光軸方向に延びた一対の主放電電極(以下電極とい
う)13a,13bのうちの一方の電極(高電圧側)1
3aが設置されている。この電極13aは給電部材21
を介して高圧パルス発生装置20の高電圧側に接続され
ている。
【0020】一方、上記電極13aに所定間隔だけ離間
して対向した他方の電極(接地側)13bと、予備電離
手段14は導電性材料で形成された導電板15に据え付
けられ、通電部材22、給電部材23を介して高電圧パ
ルス発生装置20の接地側に接続されている。また、絶
縁部材11に設置された高電圧がかかる電極13aと接
地されているチェンバ本体11との間とで沿面放電が起
こらないように、電極13aを囲むように襞部12aが
形成されている。上記一対の電極間13a,13bに、
高電圧パルス発生装置20より立上りの早い高電圧パル
スを印加して放電を発生させることにより、レーザ媒質
であるレーザガスが励起される。レーザチェンバ内部で
レーザガスを高速循環させる手段として、前記したよう
にクロスフローファン1が設けられ、また、放電により
発生する熱により加熱されたレーザガスを冷却するため
の熱交換器16が設けられている。
【0021】上記電極13a,13bは、電極13a,
13bのそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中心線
Q1がクロスフローファン1の外周に接する位置になる
ように配置され、また、クロスフローファン1の直径を
Lとしたとき、前記したようにファン1とガイドウォー
ル各々の垂直方向接線間距離がおよそ0.2L程度、ま
た、ファンとガイドウォール各々の水平方向接線間距離
がおよそ0.4L〜0.5L程度となるように設定され
ている。また、上記電極13a,13bの距離は前記し
たように15〜20mmであり、また、クロスフローフ
ァン1の径は前記したようにφ100〜150mmであ
る。仕切板2は導電板15の下側に取りつけられてお
り、仕切板2の先端は、前記したように上記中心線Q1
と平行でクロスフローファン1の中心を通る線に対し
て、角度8〜26°だけ上記電極方向に傾いた位置で、
クロスフローファンの外周縁に近接した位置に配置され
ている。
【0022】上記位置に仕切板2を配置することによ
り、同図に示すように電極13bの上面を通りクロスフ
ローファン1の断面の円と接する接線に直交しクロスフ
ローファン1の中心を通る線と、仕切板2のクロスフロ
ーファン側の先端とクロスフローファン1の中心を結ぶ
線との角度αを前記したように40〜45°とすること
ができる。このため、前述したように、ガス流路Pの先
頭を同図に示すように電極13a,13bの間に形成す
ることができ、またガス流路の幅を電極13a,13b
間の距離と略等しくすることができる。したがって、ガ
ス循環の効率を向上させ、電極間13a,13bのガス
交換を効率よく行うことが可能となる。
【0023】ここで、図4に示す従来のレーザ装置と図
3に示す本発明のレーザ装置により、ガス循環の効率に
ついての実験を行った。両装置とも電極間距離D=18
mm、クロスフローファンの外径はΦ150である。仕
切板の位置は、従来の装置は角度α=45°、本発明の
装置は角度θ=14°、角度α=45°とした。その他
の装置構造は同一として、両装置においてクロスフロー
ファンの回転数を上げて、各々の電極間の中央位置の風
速(m/s)を測定した。図6に結果を示すが、回転数
2000rpmでは両者の風速は約2.5m/sの差を
生じ、回転数4000rpmでは約7.5m/sの差を
生じていることがわかる。つまり、同じファン回転数で
あれば、本発明のレーザ装置の方が十分に早い風速を得
ることができる点が明らかに示されている。
【0024】また、最近は繰り返し周波数4KHzが要
求されているが、この要求を満たすレーザ装置では、内
部の構造にもよるが、電極間の中央位置における風速は
約40m/s程度が必要になる。この風速を得るため
に、従来の装置によればクロスフローファンの回転数は
4200rpm程度必要になるのに対し、本発明の装置
によれば3600rpmの回転数で足りることになる。
すなわち、本発明のレーザ装置の方が、ガスの風速を上
げることが可能となり、ガス循環効率を向上できること
が示される。
【0025】チェンバ本体11の内壁はガイドウオール
として機能するように、曲面で形成されており、帰還路
を形成するガイドウォール(図3において、電極13
a,13bを通る中心線Q1より右側の内壁)は螺旋形
状あるいは円弧形状になっている。本実施例では、帰還
路を形成するガイドウォールを水平方向にdだけ引き延
ばした形状としているが、図3の破線で示すように帰還
路を形成するカイドウォールを略半円形状として、該半
円の端部が上記一対の電極の中心を通る中心線Q1上に
位置するようにすれば、チェンバ本体11の断面積をさ
らに小さくすることができる。なお、図3より明らかな
ように、同図の破線のように帰還路を形成すると、通電
部材や電極と、帰還路を形成するウォールとの距離が小
さくなり、両者間で放電が発生する可能性もあるので、
これらの配置を考慮して帰還路の形状を設定する必要が
ある。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
以下の効果を得ることができる。 (1)一対の電極の電極間距離が15〜20mm、クロ
スフローファンの外径がこの電極間距離の5〜10倍の
放電励起ガスレーザ装置において、仕切板の先端を、一
対の電極のそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中心
線と平行でクロスフローファンの中心を通る線に対し
て、角度8〜26°だけ上記電極方向に傾いた位置で、
クロスフローファンの外周縁に近接した位置に配置した
ので、ガス流路の先頭を電極の間に形成することがで
き、またガス流路の幅を電極間の距離と略等しくするこ
とができる。したがって、ガス循環の効率を向上させ、
電極間のガス交換を効率よく行うことが可能となる。 (2)レーザチェンバの断面の内壁の形状を、一対の電
極のそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中心線に対
して非対象構造とすることにより、レーザチェンバの断
面積を小さくすることができ、装置の小型化を図ること
ができる。特に、帰還路を形成するチェンバ内壁(カイ
ドウォール)を半円形状として、該半円の少なくとも一
方の端部が上記一対の電極の中心を通る中心線上に位置
するようにすれば、チェンバ本体の断面積をさらに小さ
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送風構造を示す図である。
【図2】本発明におけるチェンバ本体の内壁の形状を説
明する図である。
【図3】本発明の実施例の放電励起ガスレーザ装置の構
成を示す図である。
【図4】従来の放電励起ガスレーザ装置の構成例を示す
図である。
【図5】クロスフローファンを用いた標準的送風構造の
1例を示す図である。
【図6】ガス循環効率の実験例を示す図である。
【符号の説明】
1 クロスフローファン 2 仕切板 3 ガイドウォール 11 チェンバ本体 12 絶縁部材 13a,13b 電極 14 予備電離手段 15 導電板 16 熱交換器 20 高圧パルス発生装置 21,23 給電部材 22 通電部材
フロントページの続き (72)発明者 美濃部 猛 神奈川県横浜市青葉区元石川町6409 ウシ オ電機株式会社内 Fターム(参考) 5F071 AA06 DD01 EE04 JJ01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザガスが封入されたレーザチェンバ
    を有し、該レーザチェンバ内部に、所定間隔離間して対
    向する一対の電極と、上記電極間を通過するレーザガス
    を循環させる円筒状のクロスフローファンと、電極間を
    通過したガスと熱交換を行う熱交換器とを収容する放電
    励起ガスレーザ装置において、 ガス送出部が、クロスフローファンと、レーザガス送出
    側のガイドウォールとして機能するレーザチェンバ内壁
    と、仕切板とから構成され、 上記一対の電極の電極間距離が15〜20mm、上記ク
    ロスフローファンの外径がこの電極間距離の5〜10倍
    であって、 前記仕切板の先端は、電極間距離方向と平行なクロスフ
    ローファンの中心線に対して、角度8〜26°だけ上記
    電極方向に傾いた位置であって、クロスフローファンの
    外周縁に近接した位置に配置されていることを特徴とす
    る放電励起ガスレーザ装置。
  2. 【請求項2】 レーザガスが電極間を通過して再びクロ
    スフローファンへと帰還する側のレーザチェンバ内壁を
    半円形状とし、 上記半円の少なくとも一方の端部が上記一対の電極の中
    心を通る電極間方向の仮想延長線上にほぼ位置している
    ことを特徴とする請求項1に記載の放電ガスレーザ装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007208183A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Komatsu Ltd レーザ装置
WO2010147501A1 (ru) * 2009-06-19 2010-12-23 Общество С Ограниченной Ответственностью "Oптocиcтeмы" Газовый лазер

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