JP3664030B2 - 放電励起ガスレーザ装置 - Google Patents

放電励起ガスレーザ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3664030B2
JP3664030B2 JP2000073608A JP2000073608A JP3664030B2 JP 3664030 B2 JP3664030 B2 JP 3664030B2 JP 2000073608 A JP2000073608 A JP 2000073608A JP 2000073608 A JP2000073608 A JP 2000073608A JP 3664030 B2 JP3664030 B2 JP 3664030B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow fan
cross flow
electrodes
gas
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000073608A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001267663A (ja
Inventor
勝置 美安
篤志 本
猛 美濃部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Original Assignee
Ushio Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2000073608A priority Critical patent/JP3664030B2/ja
Publication of JP2001267663A publication Critical patent/JP2001267663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3664030B2 publication Critical patent/JP3664030B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電励起ガスレーザ装置に関し、さらに詳細には、レーザチェンバ内に設けたファンにより、電極間のガスを循環させるようにした放電励起ガスレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の微細化、高集積化につれ、投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められており、この半導体リソグラフイー用光源としては、従来の水銀ランプ光の波長より短波長の光を放出する放電励起ガスレーザ装置(以下エキシマレーザ装置を例として説明する)の採用が始まっている。
エキシマレーザ装置は、レーザチェンバ内に、例えば、フッ素(F2 )ガスやアルゴン(Ar)ガスおよびバッファーガスとしてのネオン(Ne)ガス等の希ガスからなるレーザガスが数百kPaで封入されている。レーザチェンバ内部にはレーザ光軸方向に延び、所定間隔だけ離間して対向した一対の主放電電極が設けられている。この主放電用電極間に立上りの早い高電圧パルスを印加して放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
【0003】
レーザチェンバの前後には、出力鏡と、露光装置の投影光学系における色収差の問題を回避するためにレーザ光のスペクトル幅を狭帯域化し、中心波長の波長安定化を実現するための狭帯域化光学系とが各々配置され、出力鏡と狭帯域化光学系はレーザ共振器を構成する。レーザガスが励起されレーザチェンバから放出される光は、レーザ共振器により増幅され、レーザ光としてレーザ共振器の出力鏡より取出される。
効率よくレーザ光を発生させるには、主放電電極間で一様な放電を発生させることが必要であるが、数百kPaという高圧ガス雰囲気で一様な放電を発生させるために、通常、主放電電極近傍に設けた予備電離手段により、主放電開始前に主放電電極間の主放電空間に存在するレーザガスを予備電離することが一般的である。
【0004】
露光用光源として使用されるエキシマレーザ装置は、スループツトの増大のために、放電の数kHzでの高繰返し動作が要請され始めている。
しかしながら、主放電発生後、主放電空間にはイオンやフッ化物などの放電生成物が発生し、熱的撹乱や音響学的撹乱(衝撃波等)も発生し、この状態が維持されたままでは、次の主放電が不安定となって、主電極間でアーク放電が発生し、レーザ出力が不安定となる。
このような不具合を避けるには、次の放電が発生する前に、主放電空間、すなわち、光軸方向に細長い2つの電極間に存在するガスを交換する必要がある。具体的には、レーザチェンバ内にファンを設け、レーザチェンバ内のレーザガスを高速循環させている。
【0005】
エキシマレ−ザ装置において、上記したレーザガスの高速循環用ファンとしては、クロスフローファンが多く用いられている(例えば、USP5,023,884号明細書、特開平10−223955号公報、特開平11−117981号公報等参照)。
クロスフローファンは、一対の円形の側板が複数のブレードにより接続された構成であって、この複数のブレードは、側板の半径方向を向き、ブレードの各両端は側板の円周方向に配置されている。
クロスフローファンは、例えば、コロナ社、昭和63年発行の文献「ターボ送風機と圧縮機」の297頁に記載されているように、ファン周囲にケーシング(ガイドウォール)と仕切板を設けて使用される。
【0006】
図4に上記クロスフローファンを用いたエキシマレーザ装置の概略構成を示す。同図は、放電励起ガスレーザ装置を光軸に垂直な平面で切ったときの断面図を示している。
同図において、チェンバ本体11の上部には開口が設けられ、絶縁部材12が気密に取りつけられる。絶縁部材12は、セラミックス等の絶縁材料で構成され、そのレーザチェンバ内部に向いた面上にはレーザ光軸方向に延びた一対の主放電電極(以下電極という)13a,13bのうちの一方の電極(高電圧側)13aが設置されている。この電極13aは図示しない高圧パルス発生装置の高電圧側に接続されている。
一方、上記電極13aに所定間隔だけ離間して対向した他方の電極(接地側)13bと、予備電離手段14は導電性材料で形成された導電板15に据え付けられ、通電部材22を介して図示しない高電圧パルス発生装置の接地側に接続されている。また、絶縁部材12に設置された高電圧がかかる電極13aと、接地されているチェンバ本体11との間で沿面放電が起こらないように、電極13aを囲むように襞部12aが形成されている。
【0007】
上記一対の電極間13a,13bに、図示しない高電圧パルス発生器より立上りの早い高電圧パルスを印加して放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
レーザチェンバ内部でレーザガスを高速循環させる手段として、前記したクロスフローファン1が設けられ、また、放電により発生する熱により加熱されたレーザガスを冷却するための熱交換器16が設けられている。
クロスフローファン1の近傍には、仕切板2が設けられ、チェンバ本体11の内壁は、ガイドウォールとして機能させるために例えば螺旋形状となっている。チェンバ本体11の内壁は、電極13a,13bを通る中心線に対してほぼ左右対称形であり、電極の13a,13bの右側の空間は循環ガスの帰還路となっている。
【0008】
ところで、クロスフローファンは、例えば、特開平9−105398号公報にも記載されている通り一般に空調設備の送風用ファンとして用いられてきた。
このように空調設備の送風用ファンとして用いられる場合、ファンは全圧動力(ヘッド)が低く、かつ、ガス流量が大きい「低ヘッド・大流量」動作を行う。一方、レーザガスが封入されたレーザチェンバの内部に配置された電極間という狭い空間にガスを循環させる場合は、上記ヘッドは高くなり、かつ、ガス流量は小さくなる。すなわち、ファンを「高ヘッド、小流量」条件で使用することになる。
【0009】
図5にクロスフローファンを用いた「高ヘッド、小流量」となる標準的送風構造の1例を示す。
クロスフローファンを用いた送風構造においては、同図に示すようにクロスフローファン1のガス流入部、送出部に各々仕切板2、ガイドウォール3が設けられる。クロスフローファン1は直径Lの円筒形形状であり、図4の例ではクロスフローファン1の回転方向は時計回りである。
クロスフローファン1(以下必要に応じてファンという)のガス送出側に設けられるガイドウォール3の形状は通常螺旋形状であって、ファン1とガイドウォール3との間には、所定の隙間を設定する必要がある。
前記した文献:コロナ社、昭和63年発行「ターボ送風機と圧縮機」によれば、上記隙間は以下のように設定される。
すなわち、図において、ファン直径をLとしたとき、ファン1とガイドウォール3各々の垂直方向接線間距離がおよそ0.2L程度、また、ファン1とガイドウォール3各々の水平方向接線間距離がおよそ0.4L〜0.5L程度となるように設定される。
仕切板2のファン1側先端は、ファン1の中心を通り、垂直方向から時計方向にα°傾いている仮想線上にほぼ位置する。角度αの最適値は、使用条件(例えば気体密度、ファン回転数等)、ファン構造(外径/内径比等)等の諸条件によって異なるが、上記文献「ターボ送風機と圧縮機」によれば40°〜45°程度であるとされている。上記構造とすることにより、図5に示すように、ガス流路は、ファン1の垂直方向の接線(風の送出側の接線)上にある同図の斜線部Pから右側に形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記クロスフローファンにおいては、上記のようにファン1の中心を通り、垂直方向から時計方向にα°傾いている仮想線上に、仕切板の先端を位置させていた。
しかしながら、エキシマレーザ装置のチェンバ構造は、電極間距離(前記図4におけるD)が、ファン直径に比較して極めて小さい(例えば、25mm以下)。従って、上記ファン構造を、そのままエキシマレーザ装置に採用しても必ずしも良好なガス循環構造を達成することはできなかった。
すなわち、前記した文献「ターボ送風機と圧縮機」によれば、「高ヘッド、小流量」となる送風構造では、図5に示したようにファン1とガイドウォール3各々の水平方向接線間距離がほぼ流路の垂直方向の幅となっていて、その幅はクロスフローファンの直径をLとしたとき、およそ0.4L〜0.5L程度とされている。
【0011】
一方、放電励起ガスレーザ装置においては、装置より放出直後のレーザビームパターンの長手方向の長さは、ほぼ主電極間距離と一致し、露光用放電励起ガスレーザ装置においては、露光用に必要とされるレーザビームパターンから、主電極間距離は25mm以下となっていることが多い。
よって、放電励起ガスレーザ装置の送風構造におけるクロスフローファンの直径は50mm以下となるが、このような直径のクロスフローファンでは、ガスレーザ装置の数kHzでの高繰返し動作に対応できるガス流速を得ることができない。
従って、クロスフローファンの直径を上記より大きくする必要がある。従来のエキシマレーザ装置における送風構造においても、通常、電極間距離はクロスフローファンの直径の0.4倍以下となっている。その結果として、流路の幅も主放電間隔より大きくなる。
流路の幅が主電極間距離よりも大きくなると、クロスフローファンにより送出されるガスは主電極間のみならず電極等の構造物に当たることになり、構造物が障害となって、主電極間を流れるガス流速が減少し、主電極間のガス交換効率が低下する。
【0012】
また、前記図4に示したように、従来のエキシマレーザ装置においては、通常、主電極位置を中心としてレーザチェンバ断面が左右対称構造となっている。このため、断面積が大きくなり、レーザチェンバ自体が大きくなる。
本発明は上記した事情に鑑みなされたものであって、良好なガス循環構造を有し、かつ、レーザチェンバの断面積を小さくし、装置の小型化を図ることができる放電励起ガスレーザ装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決できる放電励起ガスレーザ装置の構造を種々検討した結果、次のようにすればよいことが明らかとなった。
(1)送風構造
本発明者らは、高ヘッド、小流量で、ガスレーザ装置の数kHzでの高繰返し動作に対応できるガス流速を得ることができ、かつ、流路の幅を電極間距離である25mm以下にすることができる送風構造を種々検討した。
その結果、従来の送風構造におけるクロスフローファンとガイドウォールとの関係はそのまま踏襲し、仕切板とクロスフローファンとの位置関係を変化させることにより、上記条件を満たす送風構造を得ることが可能であることが明らかになった。
【0014】
図1に本発明の送風構造を示す。前記図5と同様、ファン直径をLとしたとき、ファン1とガイドウォール3各々の垂直方向接線間距離はおよそ0.2L程度、また、ファン1とガイドウォール3各々の水平方向接線間距離がおよそ0.4L〜0.5L程度となるように設定される。
図5との相違点は、仕切板2とクロスフローファン1との位置関係を変更した点である。図5においては、ファン1の中心を通る垂直線に対して時計方向にα°傾いている仮想線上に仕切板2を配置しており、この場合の流路の先頭P(図5で斜線を付した部分)の下端P1は、同図に示すようにファン1の中心を通る垂直線とファン1の断面の円が交わる点(同図A点)を通る水平な接線B上にある。
ここで、仕切板2の位置を変えても、流路の下端を通りファン1の断面の円と接する接線がファン1と接する点(A点)と仕切板2の相対位置関係は変わらない(角度αは変わらない)と考えられるから、仕切板2の位置を図1(a)に示す位置に移動させると、図5におけるA点は図1(a)に示すA’点に移動する。これに伴いA点を通る接線はB’に示すように傾き、流路の先頭の下端P1’も同図に示すように移動する。また、流路の先頭Pの上端P2点はガイドウォール3により定まるP2点であり、図5と変わらない。すなわち、仕切板2の位置を変更することにより流路の幅を狭くすることができる。
【0015】
また、クロスフローファン1による循環流は、図1(a)の流路の先頭Pから形成されるので、図1(a)における流路の先頭Pの下端P1′にレーザ装置の一対の主放電電極の内の一方の電極13bの上面を配置し、また、流路の上端P2に他方の電極13aの下面を配置すれば、電極13a,13b間に最も効率的に循環流を流すことができる。すなわち、具体的には仕切板2の位置を次のように定めることにより、電極間に効率的に循環流を流すことができる。
▲1▼ 一対の電極のうち、ファンに近い方の電極の下端から、ファンに向って(風の送出側)接線B’を引いて、その交点をA’点とする。
▲2▼ このA’点から時計方向にα度回転させた位置をC点とする。
▲3▼ このC点の近傍に仕切板2の一方端を配置する。
【0016】
次に、上記条件を満たす仕切板2の先端位置を求めた。ここでは、仕切板の先端位置は、図1(b)に示すように一対の電極13a,13bのそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中心線Q1と平行でクロスフローファン1の中心を通る線Q2に対する角度θで規定した。
また、露光用放電励起ガスレーザ装置においては、電極間距離Dは通常15〜20mmであり、また、数kHzでの高繰返し動作に対応できるガス流速を得るためのクロスフローファンの径はφ100〜150mmであるので、電極間距離Dを15〜20mm、ファン径Lをφ100〜150mmとした。したがって比率D/Lは略0.1〜0.2である。
以上の数値を基に、クロスフローファン1と電極13a,13bを図示すると図1(b)に示すようになる。同図においては、クロスフローファン1の直径Lに対する比率で数値を表示している。
図1(b)に基づき、αが40°〜45°となるθの値を求めたところ、θは8〜26°となった。
したがって、一対の電極の電極間距離が15〜20mm、上記クロスフローファンの外径がこの電極間距離の5〜10倍の場合には、仕切板2の先端を、一対の電極13a,13bのそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中心線Q1と平行でクロスフローファン1の中心を通る線Q2に対して、角度8〜26°だけ上記電極方向に傾いた位置で、クロスフローファンの外周縁に近接した位置に配置すればよい。
【0017】
(2)レーザチェンバの断面構造
前記図4に示したように、従来においては、チェンバ本体1を光軸に垂直な平面で切ったときの内壁の形状(ガイドウォールの形状)は、電極13a,13bを通る中心線に対してほぼ左右対称形とされ、電極の13a,13bの右側の空間は循環ガスの帰還路となっていた。
しかし検討の結果、必ずしも上記のような対称構造とする必要はなく、上記構造のものは主電極の右側空間にはガスの帰還に寄与しない無駄な空間が大きいことかわかった。
そこで、本発明においては、上記(1)で説明した送風構造を採用するとともに、電極13a,13bを通る中心線に対して左右が非対称となる構造を採用した。
【0018】
特に、図2(a)に示すように流路の先頭の右側空間であるガスの帰還路を、流路の先頭の位置Pの上端P2より始まる半円状に構成すれば、レーザチェンバの断面積を最も小さくすることが可能である。
この構成においては、流路が形成される位置は、ガスを循環させる対象である主電極間の中心であり、流路が形成される位置より左側の空間には、クロスフローファン1やガイドウォール3があるので、レーザチェンバ断面の内壁の形状は、図4に示したように電極13a,13bの中心を通る中心線Q1を中心とした対称構造とはならない。
なお、高速循環ガスを流す対象である流路は、実際には、主電極の幅、一方の主電極の両端に配置される予備電離手段等の関係で、流れ方向(図では水平方向)に、所定の幅を有する。よって、これらの条件から必要に応じて帰還路の半円形状の開始位置は、図2(b)に示すように流れ方向に引き伸ばしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図3に本発明の実施例の放電励起ガスレーザ装置の構成を示す。同図は、前記図4と同様、光軸に垂直な平面で切った断面図を示している。
同図において、チェンバ本体11の内部には、クロスフローファン1、一対の電極13a,13b、予備電離手段14、放電により熱せられたレーザガスを冷却するための熱交換器16が収容される。
チェンバ本体11の上部には開口が設けられ、絶縁部材12が気密に取りつけられる。絶縁部材12は、セラミックス等の絶縁材料で構成され、そのレーザチェンバ内部に向いた面上にはレーザ光軸方向に延びた一対の主放電電極(以下電極という)13a,13bのうちの一方の電極(高電圧側)13aが設置されている。この電極13aは給電部材21を介して高圧パルス発生装置20の高電圧側に接続されている。
【0020】
一方、上記電極13aに所定間隔だけ離間して対向した他方の電極(接地側)13bと、予備電離手段14は導電性材料で形成された導電板15に据え付けられ、通電部材22、給電部材23を介して高電圧パルス発生装置20の接地側に接続されている。また、絶縁部材11に設置された高電圧がかかる電極13aと接地されているチェンバ本体11との間とで沿面放電が起こらないように、電極13aを囲むように襞部12aが形成されている。
上記一対の電極間13a,13bに、高電圧パルス発生装置20より立上りの早い高電圧パルスを印加して放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
レーザチェンバ内部でレーザガスを高速循環させる手段として、前記したようにクロスフローファン1が設けられ、また、放電により発生する熱により加熱されたレーザガスを冷却するための熱交換器16が設けられている。
【0021】
上記電極13a,13bは、電極13a,13bのそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中心線Q1がクロスフローファン1の外周に接する位置になるように配置され、また、クロスフローファン1の直径をLとしたとき、前記したようにファン1とガイドウォール各々の垂直方向接線間距離がおよそ0.2L程度、また、ファンとガイドウォール各々の水平方向接線間距離がおよそ0.4L〜0.5L程度となるように設定されている。
また、上記電極13a,13bの距離は前記したように15〜20mmであり、また、クロスフローファン1の径は前記したようにφ100〜150mmである。
仕切板2は導電板15の下側に取りつけられており、仕切板2の先端は、前記したように上記中心線Q1と平行でクロスフローファン1の中心を通る線に対して、角度8〜26°だけ上記電極方向に傾いた位置で、クロスフローファンの外周縁に近接した位置に配置されている。
【0022】
上記位置に仕切板2を配置することにより、同図に示すように電極13bの上面を通りクロスフローファン1の断面の円と接する接線に直交しクロスフローファン1の中心を通る線と、仕切板2のクロスフローファン側の先端とクロスフローファン1の中心を結ぶ線との角度αを前記したように40〜45°とすることができる。このため、前述したように、ガス流路Pの先頭を同図に示すように電極13a,13bの間に形成することができ、またガス流路の幅を電極13a,13b間の距離と略等しくすることができる。したがって、ガス循環の効率を向上させ、電極間13a,13bのガス交換を効率よく行うことが可能となる。
【0023】
ここで、図4に示す従来のレーザ装置と図3に示す本発明のレーザ装置により、ガス循環の効率についての実験を行った。
両装置とも電極間距離D=18mm、クロスフローファンの外径はΦ150である。仕切板の位置は、従来の装置は角度α=45°、本発明の装置は角度θ=14°、角度α=45°とした。その他の装置構造は同一として、両装置においてクロスフローファンの回転数を上げて、各々の電極間の中央位置の風速(m/s)を測定した。
図6に結果を示すが、回転数2000rpmでは両者の風速は約2.5m/sの差を生じ、回転数4000rpmでは約7.5m/sの差を生じていることがわかる。
つまり、同じファン回転数であれば、本発明のレーザ装置の方が十分に早い風速を得ることができる点が明らかに示されている。
【0024】
また、最近は繰り返し周波数4KHzが要求されているが、この要求を満たすレーザ装置では、内部の構造にもよるが、電極間の中央位置における風速は約40m/s程度が必要になる。この風速を得るために、従来の装置によればクロスフローファンの回転数は4200rpm程度必要になるのに対し、本発明の装置によれば3600rpmの回転数で足りることになる。
すなわち、本発明のレーザ装置の方が、ガスの風速を上げることが可能となり、ガス循環効率を向上できることが示される。
【0025】
チェンバ本体11の内壁はガイドウオールとして機能するように、曲面で形成されており、帰還路を形成するガイドウォール(図3において、電極13a,13bを通る中心線Q1より右側の内壁)は螺旋形状あるいは円弧形状になっている。
本実施例では、帰還路を形成するガイドウォールを水平方向にdだけ引き延ばした形状としているが、図3の破線で示すように帰還路を形成するカイドウォールを略半円形状として、該半円の端部が上記一対の電極の中心を通る中心線Q1上に位置するようにすれば、チェンバ本体11の断面積をさらに小さくすることができる。
なお、図3より明らかなように、同図の破線のように帰還路を形成すると、通電部材や電極と、帰還路を形成するウォールとの距離が小さくなり、両者間で放電が発生する可能性もあるので、これらの配置を考慮して帰還路の形状を設定する必要がある。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
(1)一対の電極の電極間距離が15〜20mm、クロスフローファンの外径がこの電極間距離の5〜10倍の放電励起ガスレーザ装置において、仕切板の先端を、一対の電極のそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中心線と平行でクロスフローファンの中心を通る線に対して、角度8〜26°だけ上記電極方向に傾いた位置で、クロスフローファンの外周縁に近接した位置に配置したので、ガス流路の先頭を電極の間に形成することができ、またガス流路の幅を電極間の距離と略等しくすることができる。したがって、ガス循環の効率を向上させ、電極間のガス交換を効率よく行うことが可能となる。
(2)レーザチェンバの断面の内壁の形状を、一対の電極のそれぞれの中心を通る電極間距離方向の中心線に対して非対象構造とすることにより、レーザチェンバの断面積を小さくすることができ、装置の小型化を図ることができる。特に、帰還路を形成するチェンバ内壁(カイドウォール)を半円形状として、該半円の少なくとも一方の端部が上記一対の電極の中心を通る中心線上に位置するようにすれば、チェンバ本体の断面積をさらに小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送風構造を示す図である。
【図2】本発明におけるチェンバ本体の内壁の形状を説明する図である。
【図3】本発明の実施例の放電励起ガスレーザ装置の構成を示す図である。
【図4】従来の放電励起ガスレーザ装置の構成例を示す図である。
【図5】クロスフローファンを用いた標準的送風構造の1例を示す図である。
【図6】ガス循環効率の実験例を示す図である。
【符号の説明】
1 クロスフローファン
2 仕切板
3 ガイドウォール
11 チェンバ本体
12 絶縁部材
13a,13b 電極
14 予備電離手段
15 導電板
16 熱交換器
20 高圧パルス発生装置
21,23 給電部材
22 通電部材

Claims (2)

  1. レーザガスが封入されたレーザチェンバを有し、該レーザチェンバ内部に、所定間隔離間して対向する一対の電極と、上記電極間を通過するレーザガスを循環させる円筒状のクロスフローファンと、電極間を通過したガスと熱交換を行う熱交換器とを収容する数kHで繰り返し動作する放電励起ガスレーザ装置において、
    ガス送出部が、クロスフローファンと、レーザガス送出側のガイドウォールとして機能するレーザチェンバ内壁と、仕切板とから構成され、
    上記一対の電極の電極間距離が15〜20mm、上記クロスフローファンの外径が100〜150mmであって、
    クロスフローファンの風の送出側の垂直方向の接線上に一対の電極が配置され、上側の電極の下面はガイドウォールの水平方向接線上にあり、
    クロスフローファンとガイドウォールの各々の垂直方向接線間の距離は、クロスフローファンの外径の0.2倍以下であって、
    クロスフローファンとガイドウォールの各々の水平方向接線間の距離は、クロスフローファンの外径の0.5〜0.4倍であって、
    下側の電極の上面を通りクロスフローファンの断面の円と接する接線に直交しクロスフローファンの中心を通る線と、仕切板のクロスフローファン側の先端とクロスフローファンの中心を結ぶ線との角度(α)が40〜45°であり、
    前記仕切板の先端は、電極間距離方向と平行なクロスフローファンの中心線に対して、角度8〜26°だけ上記電極方向に傾いた位置であって、クロスフローファンの外周縁に近接した位置に配置されている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  2. レーザガスが電極間を通過して再びクロスフローファンへと帰還する側のレーザチェンバ内壁を半円形状とし、
    上記半円の少なくとも一方の端部が上記一対の電極の中心を通る電極間方向の仮想延長線上にほぼ位置している
    ことを特徴とする請求項1に記載の放電ガスレーザ装置。
JP2000073608A 2000-03-16 2000-03-16 放電励起ガスレーザ装置 Expired - Lifetime JP3664030B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073608A JP3664030B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 放電励起ガスレーザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073608A JP3664030B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 放電励起ガスレーザ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001267663A JP2001267663A (ja) 2001-09-28
JP3664030B2 true JP3664030B2 (ja) 2005-06-22

Family

ID=18591831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000073608A Expired - Lifetime JP3664030B2 (ja) 2000-03-16 2000-03-16 放電励起ガスレーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3664030B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8345723B2 (en) 2009-06-19 2013-01-01 Optosystems Ltd. PIC GPI RAS Gas laser

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4918699B2 (ja) * 2006-02-06 2012-04-18 株式会社小松製作所 レーザ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8345723B2 (en) 2009-06-19 2013-01-01 Optosystems Ltd. PIC GPI RAS Gas laser

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001267663A (ja) 2001-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10223955A (ja) 高パルス繰返し数イクシマーレーザーのための空気力学的チャンバー設計
EP1239556A2 (en) Supersonic and subsonic gas flow in gas lasers with radio frequency excitation
JP3664030B2 (ja) 放電励起ガスレーザ装置
JPS603170A (ja) 無声放電式ガスレ−ザ装置
JP2002502548A (ja) Rf放電励起による超音波及び亜音波レーザ
WO2012035953A1 (ja) ガスレーザ装置およびレーザ加工装置
US8814522B2 (en) Cross-flow fan impeller for a transversley excited, pulsed, gas discharge laser
JP2001230473A (ja) ガスレーザ装置
JP2004179599A (ja) 放電励起ガスレーザ装置
JP2003264328A (ja) 導波路型ガスレーザ発振器
JPS6190485A (ja) パルスレ−ザ発振器
JP2001274486A (ja) 放電励起ガスレーザ装置用クロスフローファン
JPS6288384A (ja) ガスレ−ザ装置
JP2014146716A (ja) ガスレーザ発振器
JP2685946B2 (ja) ガスレーザ発振装置
RU2142663C1 (ru) Газовый лазер с воздушным охлаждением
JPS61159780A (ja) 無声放電式ガスレ−ザ装置
JPH0225268B2 (ja)
JPS63228686A (ja) ガスレ−ザ発振装置
JP4280132B2 (ja) ガスレーザ装置
JPH04364788A (ja) レーザ発振器
JPH0240978A (ja) ガスレーザ発振装置
JP2007043020A (ja) ガスレーザ装置
JPH03129888A (ja) ガスレーザ装置
JPH02192188A (ja) ガスレーザ発振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041005

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050321

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3664030

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080408

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090408

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100408

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110408

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120408

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130408

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130408

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term