JP2004144698A - 炉内構造物の収納方法 - Google Patents

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大滝 清
Yoshio Kitaoka
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

【課題】炉内構造物の取替作業期間の短縮を図ることができ、炉内構造物を保管容器に収納する際に原子炉格納容器内の放射性物質による汚染を少なくすることができる炉内構造物の収納方法を提供すること。
【解決手段】保管容器本体3の外周部と保管容器底蓋4の外周部を剥離可能な被覆手段(塗膜S、シート材)で覆い、保管容器底蓋4をキャビティー12内に配置し、キャビティー12内に水Wを注水し、保管容器本体3の内部に炉内構造物(下部炉内構造部60)を吊り上げ、保管容器本体3の底部がキャビティー12内の水Wの水面下にある状態で当該保管容器本体3を保管容器底蓋4の上方に配置し、保管容器本体3を保管容器底蓋4に吊り下げ、保管容器底蓋4を保管容器本体3に取り付け、保管容器本体3及び保管容器底蓋4を覆う被覆手段(塗膜S、シート材)を剥がす。
【選択図】   図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、原子炉に関し、特に炉内構造物を保管容器に収納する収納方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の原子力プラントに多く用いられている加圧水型原子炉(PWR)においては、原子炉用の燃料を支持等するための炉内構造物が、原子炉容器内に設けられている。これまで、原子炉容器内の炉内構造物の取り替えは行われていなかった。これは、炉内構造物は、恒久的な構造物として長期の使用に耐えうるように設計・製作されたものであり、原子炉の予定使用期間内はその性能を発揮できるものだからである。また、海外においては、炉内構造物を構成するボルトなどの部品に異常、すなわち磨耗や損傷がある場合は、点検時に発見され、この異常がある部品のみを取り替えており、わが国においても同様の処置をすることとしていた。
【0003】
しかしながら、数十年にいたる長期使用により、炉内構造物の設計当初には想定されていなかった事象が生じる場合がある。また、予定使用期間を越えて引き続き原子炉の運転を継続する場合もある。上記の場合には原子炉の運転において高い安全性を維持するために炉内構造物を新品に取り替える必要が生じることがある。
【0004】
上記のように、従来は炉内構造物を取り替えることは想定していなかったので、炉内構造物を取り替える際に必要な技術は考案されていなかった。また、炉内構造物は、原子炉を運転することにより中性子等の照射を受けて放射能を帯びることとなる。さらに炉内構造物は、その重量が大きいとともに大型の構造物である。従って、通常の収納技術ではこれらの放射性を有する炉内構造物を安全に収納することができない。即ち、炉内構造物が発生させる放射線を十分に安全なレベルまで遮蔽できる保管容器にこの炉内構造物を収納するためには、この保管容器を原子炉格納容器内に搬入し、この原子炉容器内で吊り上げ、吊り下げ(揚重)する必要がある。
【0005】
そこで、外部遮蔽壁の上部に揚重設備を設け、原子炉格納容器の天井部に保管容器を搬入できる開口部を設け、この開口部から揚重設備により吊り下げられた保管容器を原子炉容器内部に搬入し、炉内構造物を保管容器内に収納し、搬出する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。上記方法によれば、炉内構造物を保管容器に収納でき、炉内構造物が収納された保管容器を原子炉容器外に搬出することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−84052
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記方法は、炉内構造物を収納した保管容器本体(特許文献1では、円筒胴41)に保管容器底蓋(特許文献1では、底板45)を取り付ける作業は、キャビティー(特許文献1では、原子炉キャビティー5)内において気中で行われている(特許文献1図8参照)。従って、炉内構造物の放射性物質がキャビティー内に飛散し、原子炉格納容器(特許文献1では、格納容器3)が放射性物質で汚染される恐れがある。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、炉内構造物の取替作業期間の短縮を図ることができ、炉内構造物を保管容器に収納する際に原子炉格納容器内の放射性物質による汚染を少なくすることができる炉内構造物の収納方法及びこれに用いる保管容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、原子炉格納容器内に搬入された保管容器に炉内構造物を収納する炉内構造物の収納方法であって、保管容器の保管容器本体の外周部と保管容器の保管容器底蓋の外周部を剥離可能な被覆手段で覆う工程と、保管容器底蓋をキャビティー内に配置する工程と、キャビティー内に水を注水する工程と、保管容器本体の内部にキャビティー内の原子炉容器に挿入されている炉内構造物を吊り上げる工程と、保管容器本体の底部がキャビティー内の水の水面下にある状態で当該保管容器本体を保管容器底蓋の上方に配置する工程と、保管容器本体を保管容器底蓋に吊り下げ、保管容器底蓋を保管容器本体に取り付ける工程と、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段を剥がす工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、保管容器の保管容器本体の外周部と保管容器の保管容器底蓋の外周部を剥離可能な被覆手段で覆い、保管容器底蓋をキャビティー内に配置し、キャビティー内に水を注水し、保管容器本体の内部にキャビティー内の原子炉容器に挿入されている炉内構造物を吊り上げ、保管容器本体の底部がキャビティー内の水の水面下にある状態で当該保管容器本体を保管容器底蓋の上方に配置し、保管容器本体を保管容器底蓋に吊り下げ、保管容器底蓋を保管容器本体に取り付け、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段を剥がす、すなわちキャビティーに注入された水内の放射性物質は保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段に付着するが、この放射性物質が付着した被覆手段は剥がすので、保管容器に付着する放射性物質を軽減できる。これにより、保管容器の除染作業時間を短縮できるので、炉内構造物の取替作業期間の短縮を図ることができる。また、水中で保管容器底蓋を保管容器本体に取り付けるので、炉内構造物を保管容器に収納する際に原子炉格納容器内の放射性物質による汚染を少なくすることができる。また、被覆手段を剥がした状態の保管容器に付着する放射性物質は少ないので、後にこの保管容器を拭き取ることで除染を行う作業員の安全性を確保することができる。ここで、被覆手段は可燃性であることが好ましい。これにより、剥がした被覆手段は焼却することができるので、放射性物質の飛散を防止することができる。なお、保管容器の保管容器本体の外周部を被覆手段で覆う範囲は、原子炉容器の上面に保管容器本体を吊り下げた際において保管容器本体の外周部に少なくともキャビティー内の水が接触しない範囲にすることが好ましい。
【0011】
また、この発明は、請求項1に記載の炉内構造物の収納方法において、保管容器本体を保管容器底蓋に吊り下げた後に、被覆手段により覆われている保管容器本体及び保管容器底蓋を除染することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、保管容器本体を保管容器底蓋に吊り下げた後に、被覆手段により覆われている保管容器本体及び保管容器底蓋に水を散水することなどで除染するので、この被覆手段を剥がす前の保管容器本体及び保管容器底蓋に付着する放射性物質を低減することができ、作業員が安全に被覆手段を剥がすことができる。
【0013】
また、この発明は、請求項1又は2に記載の炉内構造物の収納方法において、被覆手段は、剥離性を有する塗料であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、被覆手段を剥離性を有する塗料とするので、保管容器本体の外周部と保管容器底蓋の外周部の形状に関係なく容易に保管容器本体の外周部及び保管容器底蓋の外周部を覆うことができる。また、塗料は剥離性を有するので、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆うこの塗料を短時間、且つ容易に剥がすことができる。これにより、保管容器の除染作業時間をさらに短縮できるので、炉内構造物の取替作業期間の短縮をさらに図ることができる。
【0015】
また、この発明は、請求項1又は2に記載の炉内構造物の収納方法において、被覆手段は、シート材であることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、被覆手段をシート材とするので、保管容器本体の外周部と保管容器底蓋の外周部を短時間で覆うことができるとともに、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆うこのシート材を短時間、且つ容易に剥がすことができる。これにより、保管容器の除染作業時間をさらに短縮できるので、炉内構造物の取替作業期間の短縮をさらに図ることができる。
【0017】
また、この発明は、請求項4に記載の炉内構造物の収納方法において、シート材を排気手段により保管容器本体及び保管容器底蓋の少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、シート材を排気手段により保管容器本体及び保管容器底蓋の少なくともいずれか一方に密着させるので、キャビティーに注入された放射性物質を含む水が保管容器本体の外周部及び保管容器底蓋の外周部に接触することを少なくすることができるとともに、保管容器本体の外周部及び保管容器底蓋の外周部の形状に関係なく容易に保管容器本体の外周部及び保管容器底蓋の外周部を覆うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0020】
図1は、原子力プラントの原子炉の概略構成例を示す図であり、図2は、原子力プラントの原子炉の要部断面図を示す図である。図1及び図2に示すように、この原子炉10は、外周を外部遮蔽壁11に覆われた原子炉格納容器20内に原子炉容器30が設けられており、この原子炉容器30内に炉内構造物40が挿入されている。この原子炉容器30は、オペレーションフロア13に設けられたキャビティー12の底部に挿入されており、このキャビティー12内には、後述する上部炉内構造物(UCI)を仮置きするUCIスタンド70及び後述する下部炉内構造物(LCI)を仮置きするLCIスタンド80が取り付けられている。
【0021】
また、原子炉格納容器20のオペレーションフロア13上には、炉内構造物40内の原子炉用の燃料集合体を取り替えるための燃料取替クレーン90、原子炉10内で発生した熱エネルギーを発電に必要な蒸気に変換する蒸気発生器100(同図では、2個)が設置されている。また、原子炉格納容器20内の上部には、この原子炉格納容器20内における作業に使用するポーラークレーン110が回動自在に支持されている。なお、14は原子炉10の出入口、15は、出入口遮蔽壁である。
【0022】
図3は、原子炉容器の構成例を示す図である。同図に示すように、原子炉容器30は、その内部に炉内構造物40が挿入できるように原子炉容器本体31とその上部の原子炉容器蓋32により構成されている。原子炉容器本体31の外側面上部には、入口ノズル31a及び出口ノズル31bが設けられ、内側面下部には後述する下部炉内構造物のラジアルサポート31cが設けられている。原子炉容器蓋32は、原子炉容器本体31に原子炉容器固定ボルト33により固定されている。この原子炉容器蓋32の上部には、後述する上部炉内構造物の制御棒クラスタ案内管に連通する複数のノズル32aが設けられている。なお、図示は省略するが、原子炉容器蓋32の各ノズル32aには、燃料集合体内の制御棒クラスタを駆動する複数の制御棒クラスタ駆動装置が取り付けられている。
【0023】
炉内構造物40は、上部炉内構造物50と下部炉内構造物60により構成されている。制御棒クラスタ案内管54は中空であり、その内部に燃料集合体の制御棒クラスタを駆動する図示しない制御棒クラスタ駆動装置の駆動軸が挿入されている。なお、55、56は、それぞれ燃料集合体内に配置された熱電対を引き出す熱電対引出管、熱電対引出管支持柱である。
【0024】
下部炉内構造物60は、図3に示すように炉心槽61、下部炉心支持板62等により構成されている。炉心槽61の外周上部には原子炉容器本体31の出口ノズル31bに対応する位置に出口ノズル61aが設けられ、炉心槽61内部には燃料集合体が配置される。61fは図示しない照射試験片を挿入する照射試験片案内管である。
【0025】
下部炉心支持板62は、炉心槽61の下端に位置し、その外周部には原子炉容器本体31のラジアルサポート31cに嵌合する複数のラジアルサポートキー62aが設けられている。
【0026】
炉内構造物40を原子炉容器30に挿入する際は、上記下部炉内構造物60を原子炉容器本体31内に挿入した後、複数個の燃料集合体をこの下部炉内構造物60の炉心槽61内に装填する。そして、上部炉内構造物50を下部炉内構造物60内に挿入し、原子炉容器蓋32を原子炉容器本体31の上部に原子炉容器固定ボルト33で固定し、この原子炉容器蓋32のノズル32aに図示しない制御棒クラスタ駆動装置を取り付ける。なお、原子力プラント運転中においては、原子炉格納容器20のキャビティー12内の水Wは、排水されている。
【0027】
図4は、この発明にかかる保管容器の構成例を示す図であり、同図(a)は保管容器の上蓋、同図(b)は保管容器の本体、同図(c)は保管容器の底蓋の構成例を示す要部断面図である。また、同図(d)は同図(a)のA−A矢視図、同図(e)は同図(b)のB−B断面図である。同図に示すように、保管容器1は、保管容器上蓋2、保管容器本体3、保管容器底蓋4により構成されている。
【0028】
保管容器上蓋2は、同図(a)及び(d)に示すように、その下部につば部2aが設けられており、このつば部2aの外径は、保管容器本体3の内径d1とほぼ同一である。また、保管容器上蓋2の上部には、この保管容器上蓋2を吊り上げるための吊治具受け部材2b(同図では、3個)が取り付けられている。
【0029】
保管容器本体3は、同図(b)及び(e)に示すように、中空部3aを有し、その上端部には保管容器上蓋2の外径d2とほぼ同一の径である上部開口部3bが設けられており、その下端部には下部開口部3cが設けられている。また、上部開口部3bの周囲には、上記保管容器上蓋2のつば部2aを係止する係止部3dが設けられている。さらに、保管容器本体3の外周部上方及び外周部下方の所定位置に脱着可能なトラニオン3e(同図では、4個)が取り付けられている。
【0030】
ここで、同図(d)及び(e)に示すように、保管容器上蓋2のつば部2aの外側には、突起2c(図では4個)が設けられており、保管容器本体3の中空部3aの側面には、この突起2cに対応した溝3f(図では4個)が設けられている。炉内構造物40を保管容器上蓋2とともに保管容器本体3内に収納する際には、保管容器上蓋2の突起2cが保管容器本体3の溝3fを摺動しながら吊り上げが行われる。
【0031】
保管容器底蓋4は、空間部4aを有する有底円筒状である。なお、上記保管容器1は、その内部に中性子等の照射を受けて放射能を帯びた炉内構造物40を収納するため放射線の遮蔽に必要な厚さを有し、且つ耐熱性のある鋼製(例えば、炭素鋼など)の容器である。
【0032】
以下に、本発明にかかる炉内構造物の収納方法について説明する。なお、本炉内構造物の収納方法においては、予めキャビティー内に水を注入した状態で、制御棒クラスタ駆動装置を取り外し、原子炉容器30の原子炉容器蓋32を原子炉容器本体31から取り外しているものとする。また、使用済み燃料集合体及び照射試験片案内管61f内に収納されている照射試験片を取り外し、必要に応じ熱電対引出管支持柱56とともに取り外しているものとする。さらに、上部炉内構造物50は、予め原子炉格納容器20内に搬入された上部炉内構造物50用の図示しない保管容器に収納され、原子炉格納容器20外に搬出されているものとする。
【0033】
まず、保管容器本体の外周部と保管容器底蓋の外周部を剥離可能な被覆手段で覆う工程について説明する。図5は、保管容器本体及び保管容器底蓋に剥離性を有する塗料を塗布した状態を示す図であり、同図(a)は保管容器本体、同図(b)は保管容器底蓋を示す図である。同図に示すように、保管容器本体3の外周部と保管容器底蓋4の外周部に剥離性を有する塗料を塗布し塗膜Sを形成する、すなわち保管容器本体3の外周部と保管容器底蓋4の外周部に剥離可能な被覆手段である剥離性を有する塗料で覆う。この剥離性を有する塗料としては、例えば基剤と硬化剤とを衝突混合した状態で塗布する2液ウレタンエラストマーなどがある。この2液ウレタンエラストマーは、短時間で硬化し、且つ硬化後は耐衝撃性、耐水性に優れ、また容易に剥離することができる。ここで、保管容器本体3の外周部の塗膜Sは、後述する保管容器本体3をキャビティー12内に吊り下げた際において、保管容器本体3の外周部にキャビティー12内の水が接触しない範囲に形成されている。また、保管容器本体3の一端(図5では、下方)の2つのトラニオン3eは、この保管容器本体3の外周部に塗膜Sを形成する前に取り外されている。なお、保管容器本体3の外周部及び保管容器底蓋4の外周部の塗膜Sの形成は、原子炉格納容器20に当該保管容器本体3及び保管容器底蓋4を搬入する前あるいは搬入した後オペレーションフロア13上で行う。
【0034】
次に、保管容器本体3の内部(中空部3a)にキャビティー12内の原子炉容器30に挿入されている炉内構造物(下部炉内構造物60)を吊り上げる工程について説明する。図6は、キャビティー内に保管容器上蓋を吊り下げた状態を示す図である。同図に示すように、まず原子炉格納容器20内に搬入した保管容器1の保管容器上蓋2を吊治具受け部材2bを介してポーラークレーン110により吊り上げる。次に、吊り上げた保管容器上蓋2をその中心と下部炉内構造物60の中心とが一致するように移動させる。
【0035】
ポーラークレーン110により保管容器上蓋2の移動が終了した後、同図に示すように、保管容器上蓋2を下部炉内構造物60の上部に吊り下げる。このとき、キャビティー12内にある水Wが保管容器上蓋2に接触しないように、この保管容器上蓋2の吊り下げに連動してキャビティー12内の水Wをキャビティー12の外部に排水する。ここで、保管容器上蓋2の上面を汚染防止用のカバーで覆っても良い。なお、キャビティー12内に注入されている水Wは、放射性物質が含まれる水である。
【0036】
図7は、下部炉内構造物に保管容器上蓋を取り付けた状態を示す図であり、同図(a)は原子炉格納容器の要部断面図、同図(b)は同図(a)のC部分拡大図である。同図(b)に示すように、まず下部炉内構造物60の上部に吊り下げられた保管容器上蓋2を炉内構造物取付ボルト2dにより下部炉内構造物60に取り付ける。すなわち、炉内構造物取付ボルト2dにより、下部炉内構造物60を保管容器上蓋2に固定する。ここで、保管容器上蓋2を下部炉内構造物60に取り付ける際には、キャビティー12内は除染されており、このキャビティー12の底部は養生されている。
【0037】
次に、保管容器底蓋をキャビティー内に配置する工程について説明する。図8は、キャビティー内に保管容器底蓋を配置した状態を示す図である。保管容器上蓋2を下部炉内構造物60に取り付けた後、図7に示すキャビティー12内のLCIスタンド80を取り外し、このLCIスタンド80が取り付けられていた場所に底蓋仮置台120を設置する。次に、原子炉格納容器20内に搬入した保管容器1の保管容器底蓋4をオペレーションフロア13上からポーラークレーン110により吊り上げる。吊り上げた保管容器底蓋4をキャビティー12内の底蓋仮置台120上に吊り下げる。なお、保管容器底蓋4をキャビティー12内に吊り下ろす際に、UCIスタンド70と接触する恐れがある場合は、予めUCIスタンド70を取り外す。
【0038】
次に、キャビティー内に水を注入する工程について説明する。図9は、キャビティー内に水を注入した状態を示す図である。同図に示すように、保管容器底蓋4をキャビティー12内に配置した後、キャビティー12内に水Wを注入する。ここで、キャビティー12内に注入する水Wの水面は、少なくともキャビティー12内に配置された保管容器底蓋4の上面よりも高い位置となるようにする。
【0039】
キャビティー12内に水を注入した後、原子炉格納容器20内に搬入した保管容器1の保管容器本体3の外周部上方に取り付けられた2つのトラニオン3eと本体吊治具130を接続し、オペレーションフロア13上からこの本体吊治具130を介してポーラークレーン110により吊り上げる。ここで、キャビティー12を跨ぐようにオペレーションフロア13上に2つの仮設受台13aを設置する。次に、吊り上げた保管容器本体3をその中心と下部炉内構造物60の中心とが一致するようにポーラークレーン110により移動させる。なお、保管容器本体3を原子炉格納容器20内に搬入する際に図示しない保管容器仮底蓋を用いている場合は、この保管容器仮底蓋を取り外す。
【0040】
図10は、保管容器本体をキャビティー内に吊り下ろした状態を示す図である。同図に示すように、保管容器本体3をポーラークレーン110により下部炉内構造物60の上方に吊り下ろす。このとき、水Wに含まれる放射性物質は、保管容器本体3の外周部を覆う塗膜Sに付着し、この保管容器本体3の外周部に直接付着することはない。保管容器本体3をさらに吊り下ろすと、本体吊治具130の下面が2つの仮設受台13aの上面に当接し、保管容器本体3はこの本体吊治具130により下部炉内構造物60の上方で支持される。
【0041】
図11は、ポーラークレーンと保管容器上蓋とが連結した状態を示す図である。保管容器本体3をキャビティー12内に吊り下げた後、ポーラークレーン110に上蓋吊治具2eを接続し、この上蓋吊治具2eをポーラークレーン110により保管容器本体2の中空部3aを通過させ、保管容器上蓋2と接続する。これにより、ポーラークレーン110と保管容器上蓋2とを連結する。次に、このポーラークレーン110により、同図に示すように、下部炉内構造物60を保管容器本体3の中空部3a内に吊り上げる。このとき、図4に示す保管容器上蓋2の突起2cが保管容器本体3の溝3f内を摺動するので、保管容器上蓋2に取り付けられた下部炉内構造物60を保管容器本体3に対してガイドしつつ当該保管容器本体3の中空部3a内に吊り上げることができる。つまり、保管容器上蓋2の突起2cと保管容器本体3の溝3fにより構成されている炉内構造物ガイド機構により、下部炉内構造物60を吊り上げる際に、この炉内構造物40が回転することを防止でき、下部炉内構造物60が原子炉容器30及び保管容器本体3と干渉することを防止できるとともに、この下部炉内構造物60を保管容器本体3の中空部3a内の収納位置まで確実に且つ安全に吊り上げることができる。
【0042】
図12は、下部炉内構造物が保管容器本体に収納された状態を示す図であり、同図(a)は炉格納容器の要部断面図、同図(b)は同図(a)のD部分拡大図である。同図(a)に示すように下部炉内構造物60を保管容器本体3に吊り上げた際、同図(b)に示すように保管容器上蓋2の下部に設けられたつば部2aが、保管容器本体3の上部開口部3bの周囲に設けられた係止部3dに係止する。これにより、下部炉内構造物60を保管容器本体3の内部、すなわち中空部3aに確実に吊り上げることができるとともに、下部炉内構造物60を保管容器本体3の収納位置に確実に収納することができる。そして、同図(b)に示すように、保管容器上蓋2を上蓋取付ボルト2fにより保管容器本体3に取り付ける。
【0043】
次に、保管容器本体3の底部がキャビティー12内の水の水面下にある状態でこの保管容器本体3を保管容器底蓋4の上方に配置する工程について説明する。図13は、保管容器本体を吊り上げた状態を示す図である。図14は、保管容器本体を保管容器底蓋の上方に配置した状態を示す図である。まず、図13に示すように、ポーラークレーン110を本体吊治具130に接続し、この本体吊治具130をポーラークレーン110により仮設受台13aから吊り上げる。これにより、ポーラークレーン110は、本体吊治具130を介して連結された保管容器本体3を吊り上げる。ここで、保管容器本体3の吊り上げ高さは、保管容器本体3の底部、すなわち保管容器本体3の下部開口部3cがキャビティー12内の水Wの水面下であるとともに、この保管容器本体3に収納された下部炉内構造物60の下面がこのキャビティー12内に配置された保管容器底蓋4の上面よりも高くなるように吊り上げる。これは、下部炉内構造物60には、放射性物質が付着しており、この放射性物質が原子炉格納容器20内の気中に飛散することを防止するためである。そして、図14に示すように、ポーラークレーン110は、保管容器本体3の吊り上げ高さを上記の高さに維持した状態で、この保管容器本体3をその中心とキャビティー12内に配置された保管容器底蓋4の中心とが一致するように移動させる。つまり、保管容器本体3を保管容器底蓋4の上方に配置する。これにより、下部炉内構造物60を保管容器本体3に収納する際に原子炉格納容器20内の放射性物質による汚染を少なくすることができる。なお、図13に示す2つの仮設受台13aは、保管容器本体3を保管容器底蓋4の上方に配置する前に撤去しておくことが好ましい。
【0044】
次に、保管容器底蓋4を保管容器本体3に取り付ける工程について説明する。図15は、保管容器底蓋を保管容器本体に取り付けた状態を示す図であり、同図(a)は炉格納容器の要部断面図、同図(b)は同図(a)のE部分拡大図である。まず、同図(a)に示すように、保管容器底蓋4の上方に配置された保管容器本体3は、ポーラークレーン110により、この保管容器本体3の下面が保管容器底蓋4の上面に当接するまで吊り下げられる。次に、図14に示すキャビティー12内の水Wを排水するとともに、原子炉容器30の上面に原子炉容器遮蔽板140を吊り下げる。これにより、キャビティー12内に原子炉容器30から放射性物質が飛散することを防止する。次に、キャビティー12内と保管容器本体3の外周部及び保管容器底蓋4の外周部の塗膜Sの表面を放射性物質に汚染されていない水を散水することにより除染する。これにより、後述する塗膜Sを作業員が剥がす際に安全に剥がすことができる。そして、同図(b)に示すように、保管容器底蓋4を底蓋取付ボルト3kで保管容器本体3に取り付ける。ここで、保管容器本体3及び保管容器底蓋4を図示しない汚染防止用カバーで覆っても良い。
【0045】
次に、保管容器本体3及び保管容器底蓋4を覆う被覆手段を剥がす工程について説明する。図16は、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段を剥がした状態を示す図である。同図に示すように、保管容器本体3の外周部及び保管容器底蓋4の外周部を覆う塗膜S(図15参照)を、作業員がキャビティー12内で剥がす。つまり、キャビティー12に注入された水内の放射性物質が付着した被覆手段である塗膜Sを剥がすので、保管容器1(保管容器本体3及び保管容器底蓋4)に付着する放射性物質を軽減できる。ここで、剥がした塗膜Sは、可燃性であることが好ましい。これにより、剥がした塗膜Sを焼却することができるので、放射性物質の飛散を防止することができる。
【0046】
図17は、保管容器をオペレーションフロアまで吊り上げた状態を示す図である。保管容器本体3及び保管容器底蓋4の塗膜Sを剥がした後、本体吊治具130を介してポーラークレーン110により保管容器1をオペレーションフロア13まで吊り上げる。そして、オペレーションフロア13上の作業員が、保管容器1を保管容器1に付着している微量の放射性物質を拭き取ることで除染する。
【0047】
以上により、下部炉内構造物60は、保管容器1内に収納される。なお、下部炉内構造物60が収納された保管容器1は、原子炉格納容器20の外部へ搬出される。上記のように、予め保管容器本体3の外周部及び保管容器底蓋4の外周部を被覆手段である塗膜Sで覆い、保管容器本体3に保管容器底蓋4を取り付けた後、この塗膜Sを剥がすので、保管容器に付着する放射性物質を軽減でき、保管容器の除染作業時間を短縮でき、炉内構造物の取替作業期間の短縮を図ることができる。
【0048】
図18は、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段の他の構成例を示す図であり、同図(a)は保管容器本体、同図(b)は保管容器底蓋、同図(c)はF−F矢視図、同図(d)はG部分拡大図である。同図(a)及び(b)に示すように、保管容器本体3の外周部と保管容器底蓋4の外周部を剥離可能なシート材S´で覆っても良い。このシート材S´としては、例えばポリフェニレンチルファイド、芳香族ポリエステル、ナイロン66などがある。保管容器本体3の外周部を覆うシート材S´は、同図(c)及び(d)に示すように、その両端をゴム材などからなるパッキン160を介して、シート材固定手段である複数個のバンド150により固定されている。このバンド150の固定は、各バンド150の端部に形成される固定部151間をボルトとナットなどのバンド固定手段により固定することで行われる。保管容器底蓋4の外周部(底部及び外側面)を覆うシート材S´は、同図(b)に示すように、一端(同図では、上端)を上記と同様にパッキン160を介してバンド150により固定されている。
【0049】
保管容器本体3に保管容器底蓋4を取り付けた後、バンド固定手段を取り外すことで、シート材固定手段であるパッキン150が取り外され、シート材S´を剥がすことができる。これにより、保管容器本体3の外周部及び保管容器底蓋4の外周部を短時間で被覆手段であるシート材S´で覆うことができるとともに、保管容器本体3及び保管容器底蓋4を覆うこのシート材S´を短時間、且つ容易に剥がすことができ、保管容器1の除染作業時間を短縮できる。なお、保管容器本体3の外周部のシート材S´は、上記塗膜Sと同様に、保管容器本体3の外周部にキャビティー12内の水Wが接触しない範囲に形成されている。また、保管容器本体3の外周部及び保管容器底蓋4の外周部をシート材S´で覆う作業は、原子炉格納容器20に当該保管容器本体3及び保管容器底蓋4を搬入する前あるいは搬入した後、オペレーションフロア13上で行う。
【0050】
図19は、保管容器底蓋を覆う被覆手段の他の構成例を示す図であり、同図(a)はシート材が保管容器底蓋に密着する前、同図(b)は排気手段によりシート材が保管容器底蓋に密着した後を示す図である。図19(a)に示すように、保管容器底蓋4´が複雑な形状の場合は、まず図18(b)と同様に、シート材S´の一端をシート材固定手段であるバンド150により固定する。次に、シート材S´に接続された排気管170から図示しない排気手段により、保管容器底蓋4´とシート材S´との間の空気を排気する。この保管容器底蓋4´とシート材S´との間の空気を排気することにより、同図(b)に示すように、保管容器底蓋4´とシート材S´とは密着する。シート材S´内の空気の排気が終了した後、排気管170を取り外し、このシート材S´内に外部の空気が流入しないように図示しない栓をする。このように、排気手段によりシート材S´を保管容器底蓋4´に密着させるので、キャビティー12に配置したこの保管容器底蓋4´の外周部を覆うシート材S´内に放射性物質を含む水Wが流入することがなくなり、保管容器底蓋4´の外周部にこの水Wが接触することを少なくすることができる。
【0051】
なお、下部炉内構造物60が収納された保管容器1内をこの保管容器1の図示しない真空引き用ノズルに真空排気設備を接続して真空引きし、保管容器1内を乾燥させても良い。これにより、放射能を帯びた下部炉内構造物60からの崩壊熱による保管容器1内の気体(空気又は窒素等)及び水分(残留水)が加熱されることで保管容器1内圧力(内圧)が上昇することを防止できる。これにより、保管容器1の保管場所におけるこの保管容器1の保管・管理を容易することができる。
【0052】
また、上記実施形態では、保管容器本体3及び保管容器底蓋4を覆う塗膜Sはキャビティー12内で剥がす場合について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、ポーラークレーン110により保管容器1をオペレーションフロア13上まで吊り上げた後に塗膜Sを剥がしても良い。また、上記実施形態では、下部炉内構造物60のみを保管容器1に収納する場合について説明したが、本発明は上部炉内構造物50と下部炉内構造物60とからなる炉内構造物40を保管容器に収納する場合においても用いることができる。なお、ポーラークレーン110に炉内構造物40を収納した状態の保管容器を吊り上げる能力がない場合は、オペレーションフロア13上に揚重設備を設置することで吊り上げても良い。
【0053】
また、本実施形態では炉内構造物ガイド機構は保管容器上蓋2の突起2cと保管容器本体3の溝3fにより構成されているが、これに限定されるものではなく、他の構成であっても良い。図20は、本発明にかかる炉内構造物ガイド機構の他の構成例を示す図であり、同図(a)は炉格納容器の要部断面図、図(b)は同図(a)のH部分拡大図、同図(c)は同図(a)のI部分拡大図、図(d)は同図(b)のJ−J断面図である。同図に示すように、予め照射試験片案内管61f内に収納されている照射試験片を取り外した際に、この照射試験片案内管61f内にガイド棒180を挿入する。同図(b)に示すように、下部炉内構造物60の外周の所定個所には、予め照射試験片の取り付け、取り外しを行うための溝が設けられている。同様に、同図(d)に示すように、原子炉容器30の張出部34にも溝34aが設けられている。
【0054】
保管容器上蓋2に取り付けられた下部炉内構造物60を保管容器本体3の中空部3a内に吊り上げる際には、ガイド棒180が原子炉容器30の溝34a内を摺動するので、保管容器上蓋2に取り付けられた下部炉内構造物60を保管容器本体3(原子炉容器30)に対してガイドしつつ当該保管容器本体3の中空部3a内に吊り上げることができる。つまり、ガイド棒180と原子炉容器30の溝34aにより構成されている炉内構造物ガイド機構により、下部炉内構造物60を吊り上げる際に、この下部炉内構造物60が回転することを防止でき、下部炉内構造物60が原子炉容器30及び保管容器本体3と干渉することを防止できるとともに、この下部炉内構造物60を保管容器本体3の中空部3a内の収納位置まで確実に且つ安全に吊り上げることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、保管容器の保管容器本体の外周部と保管容器の保管容器底蓋の外周部を剥離可能な被覆手段で覆い、保管容器底蓋をキャビティー内に配置し、キャビティー内に水を注水し、保管容器本体の内部にキャビティー内の原子炉容器に挿入されている炉内構造物を吊り上げ、保管容器本体の底部がキャビティー内の水の水面下にある状態で当該保管容器本体を保管容器底蓋の上方に配置し、保管容器本体を保管容器底蓋に吊り下げ、保管容器底蓋を保管容器本体に取り付け、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段を剥がす、すなわちキャビティーに注入された水内の放射性物質は保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段に付着するが、この放射性物質が付着した被覆手段は剥がすので、保管容器に付着する放射性物質を軽減でき、保管容器の除染作業時間を短縮できるので、炉内構造物の取替作業期間の短縮を図ることができる。また、水中で保管容器底蓋を保管容器本体に取り付けるので、炉内構造物を保管容器に収納する際に原子炉格納容器内の放射性物質による汚染を少なくすることができる。
【0056】
また、請求項2に記載の発明によれば、保管容器本体を保管容器底蓋に吊り下げた後に、被覆手段により覆われている保管容器本体及び保管容器底蓋に水を散水することなどで除染するので、この被覆手段を剥がす前の保管容器本体及び保管容器底蓋に付着する放射性物質を低減することができ、作業員が安全に被覆手段を剥がすことができる。
【0057】
また、請求項3に記載の発明によれば、被覆手段を剥離性を有する塗料とするので、保管容器本体の外周部と保管容器底蓋の外周部の形状に関係なく容易に保管容器本体の外周部及び保管容器底蓋の外周部を覆うことができる。また、塗料は剥離性を有するので、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆うこの塗料を短時間、且つ容易に剥がすことができ、保管容器の除染作業時間をさらに短縮できるので、炉内構造物の取替作業期間の短縮をさらに図ることができる。
【0058】
また、請求項4に記載の発明によれば、被覆手段をシート材とするので、保管容器本体の外周部と保管容器底蓋の外周部を短時間で覆うことができるとともに、保管容器本体及び保管容器底蓋を覆うこのシート材を短時間、且つ容易に剥がすことができ、保管容器の除染作業時間をさらに短縮できるので、炉内構造物の取替作業期間の短縮をさらに図ることができる。
【0059】
また、請求項5に記載の発明によれば、シート材を排気手段により保管容器本体及び保管容器底蓋の少なくともいずれか一方に密着させるので、キャビティーに注入された放射性物質を含む水が保管容器本体の外周部及び保管容器底蓋の外周部に接触することを少なくすることができるとともに、保管容器本体の外周部及び保管容器底蓋の外周部の形状に関係なく容易に保管容器本体の外周部及び保管容器底蓋の外周部を覆うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子力プラントの原子炉の概略構成例を示す図である。
【図2】原子力プラントの原子炉の要部断面図を示す図である。
【図3】原子炉容器の構成例を示す図である。
【図4】この発明にかかる保管容器の構成例を示す図であり、同図(a)は保管容器上蓋、同図(b)は保管容器本体、同図(c)は保管容器底蓋の構成例を示す要部断面図であり、同図(d)は同図(a)のA−A矢視図、同図(e)は同図(b)のB−B断面図である。
【図5】保管容器本体及び保管容器底蓋に剥離性を有する塗料を塗布した状態を示す図であり、同図(a)は保管容器本体、同図(b)は保管容器底蓋を示す図である。
【図6】キャビティー内に保管容器上蓋を吊り下げた状態を示す図である。
【図7】下部炉内構造物に保管容器上蓋を取り付けた状態を示す図であり、同図(a)は原子炉格納容器の要部断面図、同図(b)は同図(a)のC部分拡大図である。
【図8】キャビティー内に保管容器底蓋を配置した状態を示す図である。
【図9】キャビティー内に水を注入した状態を示す図である。
【図10】保管容器本体をキャビティー内に吊り下ろした状態を示す図である。
【図11】ポーラークレーンと保管容器上蓋とが連結した状態を示す図である。
【図12】下部炉内構造物が保管容器本体に収納された状態を示す図であり、同図(a)は炉格納容器の要部断面図、同図(b)は同図(a)のD部分拡大図である。
【図13】保管容器本体を吊り上げた状態を示す図である。
【図14】保管容器本体を保管容器底蓋の上方に配置した状態を示す図である。
【図15】保管容器底蓋を保管容器本体に取り付けた状態を示す図であり、同図(a)は炉格納容器の要部断面図、同図(b)は同図(a)のE部分拡大図である。
【図16】保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段を剥がした状態を示す図である。
【図17】保管容器をオペレーションフロアまで吊り上げた状態を示す図である。
【図18】保管容器本体及び保管容器底蓋を覆う被覆手段の他の構成例を示す図であり、同図(a)は保管容器本体、同図(b)は保管容器底蓋、同図(c)はF−F矢視図、同図(d)はG部分拡大図である。
【図19】保管容器底蓋を覆う被覆手段の他の構成例を示す図であり、同図(a)はシート材が保管容器底蓋に密着する前、同図(b)は排気手段によりシート材が保管容器底蓋に密着した後を示す図である。
【図20】本発明にかかる炉内構造物ガイド機構の他の構成例を示す図であり、同図(a)は炉格納容器の要部断面図、図(b)は同図(a)のH部分拡大図、同図(c)は同図(a)のI部分拡大図、図(d)は同図(b)のJ−J断面図である。
【符号の説明】
1     保管容器
2     保管容器上蓋
2a    つば部
2b    吊治具受け部材
2e    上蓋吊治具
3     保管容器本体
3a    中空部
3c    下部開口部
4、4´  保管容器底蓋
10    原子炉
11    外部遮蔽壁
12    キャビティー
13    オペレーションフロア
13a   仮設受台
14    出入口
15    出入口遮蔽壁
20    原子炉格納容器
30    原子炉容器
40    炉内構造物
50    上部炉内構造物(UCI)
60    下部炉内構造物(LCI)
70    UCIスタンド
80    LCIスタンド
90    燃料取替クレーン
100   蒸気発生器
110   ポーラークレーン
120   底蓋仮置台
130   本体吊治具
140   原子炉容器遮蔽板
150   バンド
160   パッキン
170   排気管
180   ガイド棒
S     塗膜
S´    シート材

Claims (5)

  1. 原子炉格納容器内に搬入された保管容器に炉内構造物を収納する炉内構造物の収納方法であって、
    前記保管容器の保管容器本体の外周部と前記保管容器の保管容器底蓋の外周部を剥離可能な被覆手段で覆う工程と、
    前記保管容器底蓋をキャビティー内に配置する工程と、
    前記キャビティー内に水を注入する工程と、
    前記保管容器本体の内部に前記キャビティー内の原子炉容器に挿入されている炉内構造物を吊り上げる工程と、
    前記保管容器本体の底部が前記キャビティー内の水の水面下にある状態で当該保管容器本体を保管容器底蓋の上方に配置する工程と、
    前記保管容器本体を前記保管容器底蓋に吊り下げ、前記保管容器底蓋を前記保管容器本体に取り付ける工程と、
    前記保管容器本体および前記保管容器底蓋を覆う前記被覆手段を剥がす工程と、
    を含むことを特徴とする炉内構造物の収納方法。
  2. 前記保管容器本体を前記保管容器底蓋に吊り下げた後に、前記被覆手段により覆われている前記保管容器本体および前記保管容器底蓋を除染することを特徴とする請求項1に記載の炉内構造物の収納方法。
  3. 前記被覆手段は、剥離性を有する塗料であることを特徴とする請求項1または2に記載の炉内構造物の収納方法。
  4. 前記被覆手段は、シート材であることを特徴とする請求項1または2に記載の炉内構造物の収納方法。
  5. 前記シート材を排気手段により前記保管容器本体および前記保管容器底蓋の少なくともいずれか一方に密着させることを特徴とする請求項4に記載の炉内構造物の収納方法。
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