JP2004143621A - インクジェット捺染用前処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット印捺で優れた印捺品位を示す前処理剤の提供
【解決手段】反応性インクを用いてインクジェット捺染を行う際に用いる前処理剤が、少なくとも糊剤としてノニオン系高分子、アルカリ剤、還元防止剤、ヒドロトロピー剤からなる前処理剤及びこれを用いるインクジェット捺染方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法によって反応染料インクを布帛上に印捺する際に、高発色、低滲みを表現できる、布帛に予め処理する、インクジェット捺染用前処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を、高速で印捺可能であるという特徴を有する。
【0003】
このインクジェット記録方法を捺染に適用すれば、階調性、多色表現性等に優れる種々の画像を布帛上に容易に形成することができる。また、従来のスクリーン印刷と異なり、印捺残りのインク糊を廃棄する必要がなく環境保全に有効である。
【0004】
一方インクジェット捺染においては比較的少量のインク液で印捺するため高発色化が課題である。そのために、インク中の染料濃度向上、吐出インク液増、前処理剤とのマッチングが検討されてきた。特に前処理剤は発色のみならず、印捺時のインク高乾燥性、色重ね印捺時の滲み防止等を達成するのに重要である。これらは、前処理剤とインクのマッチングで布帛上のインクに適度な浸透性を与えることが肝要である。
【0005】
なお、適度な浸透性は、尚、本発明で言うインク乾燥とは、インク成分蒸発に加えて、インクが布帛に浸透し指触等でインク移りが生じなくなることも含む。
【0006】
従来より反応性インクジェットインクに適用する前処理剤は多くの研究がなされている。例えば、インク保持剤(糊剤)、固着剤、還元防止剤、浸透又はブリード防止剤を含む前処理剤はセルロース繊維に対して色の深み、鮮明性を有した印捺画像を提供するとある。特に、浸透剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキルベンゼンスルフォン酸曹達が知られている(例えば特許文献1参照)。
又、ポリジオキソランを加える事で画像濃度、鮮明性の改良を図っていることが記載されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これらの先行技術は画像濃度の向上、鮮明性は改良されているものとスクリーン捺染の水準には至っていなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−302986号公報
【特許文献2】
特開平10−195776号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、今般、反応染料を用いてインクジェット捺染する布帛上へ良好な印捺品位を達成する前処理剤を見出した。従って、本発明は、反応性インクジェット印捺で高発色を達成する前処理剤の提供をその目的としている。
【0009】
更に本発明は、前処理した布帛の上に良好な印捺品位を実現するインクジェット捺染方法の提供をその目的としている。
【0010】
そして、本発明によるインクジェット用前処理剤は、少なくとも糊剤、アルカリ剤、還元防止剤、ヒドロトロピー剤、水からなる前処理剤にて前処理を施されており、この糊剤に少なくともノニオン系高分子材料が含まれていることを特徴としている。また本発明の前処理剤はセルロース系或いはアミド系繊維に有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
(前処理組成物)
本発明の前処理剤は少なくとも糊剤、アルカリ剤、還元防止剤、ヒドロトロピー剤、水からなっている。また糊剤として少なくともノニオン系高分子を含む。
【0012】
(糊剤)
本発明に用いられる糊剤はノニオン系高分子単独或いはその他の高分子との混合体からなる。
【0013】
本発明で言うノニオン系高分子体とはアルキレングリコールの両末端にある水酸基をエーテル変性或いはエステル変性したものである。アルキレングリコールは特に制限は無いが好適にはエチレングリコール、プロピレングリコール或いはエチレングリコール・プロピレングリコール共重合体が好適である。またアルキレングリコールの数(モル数)についても特に制限は無いが、モル数は水溶性、粘性に影響を与えるため、前処理する際の機械等の適正に合わせて選択する必要がある。好適なモル数は5〜300である。また添加量は固形分換算で0.5〜20重量%が望ましい。
【0014】
末端変性に用いた基の炭素数は1〜30が好ましい。炭素数が30を越えると水溶性が悪くなり、その中に何らかの極性基を含まない限り実用的ではない。
【0015】
その他の高分子剤としては従来捺染工程で使用される糊剤が使用される。具体的にはアルギン酸曹達、エーテル化カルボキシメチルセルロース、澱粉糊等が好適に用いられる。
【0016】
(アルカリ剤)
アルカリ剤はインクジェット反応染料インクの定着反応速度向上に有効である。本発明に用いるアルカリ剤は好適には、曹達灰、水酸化曹達、第三燐酸曹達、酢酸曹達等が、特に好適には重炭酸曹達が用いられる。又、定着時に反応性染料の反応を促進する機能があればこれらのアルカリ剤に限らず使用できる。
【0017】
(還元防止剤)
本発明の還元防止剤は、印捺斑防止、印捺濃度・色相の再現性向上に有効である。予め前処理剤中に入れることで、インクジェットインクが布帛上蒸熱され染まる際に起こる斑を防止する。特に、前処理剤に還元防止剤が無く、インクが複数染料で構成されている場合、低濃度領域で色相が変化してします事があるが、還元防止剤によりこのような不具合も防止できる。
具体的にはメタニトロベンゼンスルフォン酸曹達が好適である。
【0018】
(ヒドロトロピー剤)
本発明のヒドロトロピー剤は、蒸熱効率を上げるのに有効である。ヒドロトロピー剤としては、尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、モノメチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素等のアルキル尿素が挙げられる。ヒドロトロピー剤の添加により印捺濃度をさらに向上できる。またこれらのヒドロトロピー剤は尿素、アルキル尿素とチオ尿素の組み合わせて添加すると添加量を減らすことができる。ヒドロトロピー剤は前処理剤処方後の安定性向上、パディング布表面状態の安定化に効果が有る。またチオ尿素は特に均染性向上に有効である。ヒドロトロピー剤はインクとのマッチングで決定されるが、5〜20%、好適には7〜15% である。
【0019】
(キレート剤)
本発明はキレート剤を含むことで、布帛上の重金属をトラップし、染め斑防止に有効である。キレート剤としてはエチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタ燐酸塩、ピロ燐酸塩、メタ燐酸塩等が好適である。
【0020】
(水)
本発明の水は純水が好ましい。純水は限外濾過、蒸留等で作成できる。また、紫外線照射等で滅菌処理することも好ましい。本発明で用いる水は特に制限は無い。例えば地下水、水道水等が使用可能である。好ましくは限外濾過、蒸留等で作成した純水が用いられる。また、予め紫外線照射等で滅菌処理することも好ましい。
【0021】
また、本発明の前処理剤は、上記成分に加えて、インク組成物の諸性能を改善するために添加剤を加えることができる。そのような添加剤の例としては、防腐剤が挙げられる。防腐剤の好ましい例としては、プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL,プロキセルXL−2、プロキセルIB、プロキセルTNなどが挙げられる。防腐剤は前処理液そのものを安定化させるばかりではなく、パディング乾燥後の前処理剤の安定性にも有効である。
【0022】
(前処理方法)
本発明の前処理剤を布帛に付着させる方法はパディング法が望ましい。パディングのピックアップ率は布帛の厚さ、繊維の太さ等で適宜決めればよいが50%以上が望ましく、更に好適には65%以上である。
【0023】
(布帛)
本発明に用いられる布帛はセルロース系、アミド系である。好適に使用されるのは木綿、麻、羊毛、絹、ビスコスレーヨン、キュプラレーヨン、ポリノジック、ビニロン、ナイロン等がある。
【0024】
(定着)
反応性インクを印刷された本発明の前処理済み布は熱・蒸気により定着される。定着条件は例えばセルロース系では95〜105℃、飽和蒸気近辺、4〜12分が好ましい。また、絹、羊毛等アミド系繊維では95〜105℃、飽和蒸気近辺、20〜40分が好ましい。
【0025】
(反応性インクジェットインク)
本発明の前処理剤に印捺されるインクは、着色剤として反応染料を含む。具体的にはビニルスルフォン系、トリアジン系、ピリミジン系が用いられが、好適にはモノクロトリアジン系である。モノクロトリアジン系からなるインクは緩衝材を配合することで長期間の安定性が得られる。長期の保存に優れるインクは印捺毎の残インクを廃棄する必要がなく環境に有利である。染料の添加量は適宜決定されてよいが、インク液に対して1〜15重量%程度が好ましい。
【0026】
本発明の前処理剤に印捺されるインクは、保湿剤としてアルキレングリコールアルキルエーテルの添加が好ましい。アルキレングリコールアルキルエーテルは保湿剤本来の役割であるインクの乾燥防止に加え、インクのノズルからの吐出量を支配する効果がある。インク吐出量を支配する事で、本発明の前処理剤とのマッチングをし易くなり、より高品位な印捺を達成する事ができる。例えば、吐出量が多ければ高濃度捺染が可能であるが反面滲みが生じ易くなる。吐出量を厳密にコントロールする事で双方が両立する。
【0027】
この吐出量支配効果はピエゾ振動子を用いた吐出方式に特に有効である。アルキレングリコールアルキルエーテルの添加量を増やしていくとインク吐出量が減る傾向にある。これらの材料としてはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0028】
その他の保湿剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、1,5−ペンタンジオール、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、チオグリコール等の水酸基を有するものが好適である。また、グリセロールエトキシレートも有効である。
【0029】
保湿剤の添加量はインク液に対して5〜50重量%程度が好ましく、より好ましくは10〜40重量%程度である。またこれらの溶媒は適宜単独あるいは混合して用いられる。
【0030】
本発明の前処理剤に印捺されるインクは、さらに界面活性剤を含んでなることが望ましい。界面活性剤の添加によって、吐出安定性に優れたインクを得ることができる。この効果はピエゾ振動子を用いたインクジェット方式に顕著に表れる。ノニオン系界面活性剤の好ましい例としては、エチレングリコール系界面活性剤、多価アルコール系界面活性剤が特に好ましい活性剤としてはアセチレングリコール系界面活性剤などが挙げられる。この種の活性剤は例えばオルフィンY、サーフィノール82、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(いずれも製造:Air Products and Chemicals.Inc.)として入手可能である。
【0031】
ノニオン系界面活性剤の添加量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して0.05〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%程度である。
【0032】
ノニオン活性剤がこの範囲で添加されたインクは本発明の前処理剤とのマッチングに優れ、均染性向上、滲み防止が向上する。シルクスクリーン等に使用する従来の印捺糊と比較し著しく粘度の低いインクジェット印捺用インクは、印捺布上でインク流れを起こし均染性が得にくい欠点が現れやすい。この現象は特にべた部で起こりやすい。また、このインク流れは色境界で滲みを起こしやすくなる。これらのインクジェット特有の欠点をノニオン系活性剤を含む反応インクジェットインクと本発明の前処理剤で防止することができる。特に、アセチレングリコール系界面活性剤は本発明の前処理剤とのマッチングに優れている。
【0033】
尚、本発明におけるべたとは5*5ミリ以上の面積を隙間なく印捺してある状態を意味する。
【0034】
また、ピエゾタイプのインクジェット方式ではノニオン系界面活性剤、好適にはアセチレングリコール系界面活性剤を加えることでドット毎のインク吐出量が安定し、安定した印捺濃度を得やすい利点が有る。さらにプエゾヘッド表面を撥水処理することでインクがより安定的に吐出され、本発明の前処理剤布上できわめて高品位な細線を表現することができる。
【0035】
(インクジェット捺染方法)
さらに本発明によるインクジェット捺染方法は、インク滴を吐出し、このインク滴を植物性繊維、動物性繊維、アミド系繊維からなる布帛に付着させることを含んでなるインクジェット捺染方法であって、インク組成物として上記の本発明によるインク組成物を用い、前記布帛が、少なくとも糊剤を含んでなる前処理剤をあらかじめ塗工されてなるものである。特に繊維種としては木綿、麻、羊毛、絹、ビスレーヨン、キュプラレーヨン、ポリノジック、木質系繊維、ビニロン、ナイロンが好適である。また、これらの繊維の混紡布帛でもいい。また、本発明の前処理は特に木質系繊維に有効である。
【0036】
【発明の実施の形態】
【実施例】
<実施例1〜4>前処理剤の調整
<実施例1>
100ccコニカルビーカー中にポリオキシエチレンジイソプロピルエーテル(オキシエチレ=30モル)を1グラム、尿素を10グラム、m−ベンゼンスルフォンサン曹達1グラムを入れスパチュラでかき混ぜた(粉末1)。
200cc用コニカルビーカー中に水を100ccいれてマグネティックスターラーで攪拌しながら粉末1を入れ60℃下で30分攪拌した。その後重炭酸曹達4グラムを攪拌されているこの溶液に溶解させた後、溶液をろ過し前処理剤−1とした。
【0037】
<実施例2>
100ccコニカルビーカー中にポリオキシエチレンジイソプロピルエーテル(オキシエチレ=30モル)を0.5グラム、アルギン酸曹達(中粘度品)を0.5グラム、尿素を10グラム、m−ベンゼンスルフォンサン曹達1グラムを入れスパチュラでかき混ぜた(粉末2)。200cc用コニカルビーカー中に水を100ccいれてマグネティックスターラーで攪拌しながら粉末2を入れ60℃下で30分攪拌した。その後曹達灰3グラムを攪拌されているこの溶液に溶解させた後、溶液をろ過し前処理剤−2とした。
【0038】
<実施例3>
実施例2中のアルギン酸曹達をエーテル化カルボキシメチルセルロースに変えた他は同様であった。
【0039】
<実施例4>
実施例1中、ポリオキシエチレンジイソプロピルエーテル(オキシエチレ=30モル)を1グラムをポリエチレングリコール(250モル)ジステアレートを0.5グラムに変えた他は同様であった。
【0040】
(比較例1〜2)前処理剤の調整
(比較例1)
100ccコニカルビーカー中にアルギン酸曹達(中粘度品)を1グラム、尿素を10グラム、m−ベンゼンスルフォンサン曹達1グラムを入れスパチュラでかき混ぜた(粉末3)。
200cc用コニカルビーカー中に水を100ccいれてマグネティックスターラーで攪拌しながら粉末3を入れ60℃下で30分攪拌した。その後重炭酸曹達4グラムを攪拌されているこの溶液に溶解させた後、溶液をろ過し前処理剤−1とした。
(比較例2)
100ccコニカルビーカー中にエーテル化カルボキシルメチルセルロースを0.5グラム、尿素を10グラムを入れスパチュラでかき混ぜた(粉末4)。200cc用コニカルビーカー中に水を100ccいれてマグネティックスターラーで攪拌しながら粉末4を入れ60℃下で30分攪拌した。その後曹達灰3グラムを攪拌されているこの溶液に溶解させた後、溶液をろ過し前処理剤−2とした。
【0041】
<実施例5>インクの調整
以下の組成のインク1を以下の手順で調整した。110cc用サンプル瓶中へ、40℃の水52グラムを入れマグネチックスターラーで攪拌しながら、サーフィノール465の10重量%水溶液を10g、防腐剤プロキセルXL2、10重量%水溶液を2.5g、およびキレート剤EDTAの1重量%水溶液0.5g添加した。さらに、C.I.リアクティブブルー176を8.5グラム、C.I.リアクティブレッド3を1.3グラム、C.I.リアクティブイェロー12を0.7グラム、をマグネチックスターラーで染料が溶解するまで撹拌した。さらにジエチレングリコール10g、プロピレングリコール10g、およびトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル5gを添加した。添加後攪拌を10分間続けインクとした。なお、以下のインク調整で水の残量とは計100グラムになる量を意味する。
【0042】
インク1
C.I.リアクティブブルー176           8.5重量%
C.I.リアクティブレッド3             1.3重量%
C.I.リアクティブイエロー12           0.7重量%
ジエチレングリコール                  10重量%
プロピレングリコール                  10重量%
ジエチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテル                5重量%
サーフィノール465                 1.0重量%
プロキセルXL2                  0.25重量%
E.D.T.A.                 0.005重量%
燐酸系緩衝材                    0.05重量%
水                              残量
また以下の組成のインク2を、上記インク1と同様にして調製した。
【0043】
インク2
C.I.リアクティブレッド12              9重量%
ジエチレングリコール                  13重量%
トリエチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテル              9.5重量%
N−メチル−2−ピロリドン                5重量%
サーフィノールSTG                 0.5重量%
プロキセルCRL                   0.2重量%
EDTA−OH                   0.01重量%
燐酸系緩衝材                    0.05重量%
水                              残量
【0044】
<実施例6>パディング
前処理剤のパディングは、マチス社製HVF350を用いて60℃下で行った。予め210×315ミリに切った布帛を、圧力2bar、スピード2〜3メートル/分、絞り率約70%の条件下でパディングした。パディングした布帛は綿とレーヨンであった。
【0045】
<実施例7>インクジェット印捺
インクジェットプリンタMJ930C(セイコーエプソン株式会社製)に実施例5記載のインク1、インク2を充填し、実施例1〜4、比較例1〜2の前処理剤を実施例6の通りパディングした綿、レーヨンに捺染を行った。
【0046】
<実施例8>後処理
マチス社スチーマ−DHe型を用いて定着した。定着条件は102℃*飽和蒸気圧*8分であった。
その後洗浄を行った。布を水道水で揉み洗いし、徐々に温水を追加していった。その後アニオン活性剤入れた沸騰水中で、時々撹拌しながら15分間浸けた。さらに洗浄液中に水道水を入れながら手揉み洗いをした。洗浄布にアイロンを掛け、捺染布を得た。
【0047】
<実施例9>印捺評価試験
インク組成物および前処理布、インクの組み合わせのマトリックスを組み、実施例7の通り印捺後、実施例8に従い後処理を行った。表1にはインク1の光学濃度を、表2にはインク2の光学濃度を纏めた。
【0048】
【表1】
Figure 2004143621
【0049】
【表2】
Figure 2004143621
【0050】
実施例1〜4は本発明の前処理である。また、比較例1は本発明の前処理から、ノニオン系高分子を除いたもの、また比較例2はノニオン系高分子と還元防止剤を除いた前処理剤である。
【0051】
表1から分かる通り、本発明の前処理は比較例1〜2と比べて高濃度印捺が達成されている。また、100%デューティ部と10%デューティ部の色相をみると、実施例1〜4及び比較例1の前処理剤綿で差は感じられないが、比較例2の前処理剤綿では10%デューティ部が朱色にシフトしていた。これはインク構成染料であるリアクティブブルー147が定着工程で還元反応を起こし、定着効率が低下したためと考えられる。
【0052】
表2の結果も表1と同等の傾向を示している。但し、比較例2の前処理レーヨンでは100%デューティ部でも朱色へシフトしていた。また10%デューティ部では綿よりも朱色シフトの度合いが強かった。

Claims (15)

  1. 反応染料インクを用いてインクジェット捺染する布帛を予め処理するインクジェット捺染用前処理剤であって、該処理剤が、糊剤、アルカリ剤、還元防止剤、ヒドロトロピー剤及び水からなり、該糊剤に少なくともノニオン系高分子材料が含まれている、前処理剤。
  2. 前記ノニオン系高分子材料がアルキルレングリコールジアルキルエーテル或いはアルキルレングリコールジアルキルエステルである請求項1記載の前処理剤。
  3. 前記アルキレングリコールがエチレングリコールである請求項1または2記載の前処理剤。
  4. 前記還元防止剤がメタニトロベンゼンスルフォン酸曹達である請求項1〜3のいずれか一項記載の前処理剤。
  5. 前記ヒドロトロピー剤として少なくとも尿素、チオ尿素、アルキル置換尿素、アルキルチオ尿素系化合物の一を含んでなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の前処理剤。
  6. さらに、キレート剤を含んでなる請求項1〜5のいずれか一項記載の前処理剤。
  7. 前記布帛がセルロース系繊維或いはアミド系繊維である請求項1〜6のいずれか一項記載の前処理剤。
  8. 前記エチレングリコールのモル数が5〜300である請求項3〜7のいずれか一項記載の前処理剤。
  9. 前記ジアルキルエーテル或いはジアルキルエステルのアルキル基の炭素数が1〜30である請求項2〜8のいずれか一項記載の前処理剤。
  10. 前記ノニオン系高分子材料が固形分換算で0.5〜20重量%である請求項1〜9のいずれか一項記載のインクジェット捺染用前処理剤。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項記載の前処理剤を用いて前処理した布帛上に、インクを、吐出ヘッドから吐出密度が120ドット/インチ以上であり且つ全面印捺でインク吐出量が5グラム/平方米以上で、吐出するインクジェット捺染方法。
  12. 前記インクが、少なくとも反応染料、保湿剤、界面活性剤、緩衝材及び水からなる請求項11記載のインクジェット捺染方法。
  13. 前記保湿剤がアルキレングリコールアルキルエーテルであり、前記界面活性剤がアセチレン系界面活性剤である請求項12記載のインクジェット捺染方法。
  14. 前記インク吐出がピエゾ方式である請求
    項11〜13のいずれか一項に記載のインクジェット捺染方法。
  15. 前記吐出ヘッドの表面に撥水処理をしてなる請求項11〜14のいずれか一項記載のインクジェット捺染方法。
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