JP2004143544A - 溶銑の脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低シリコン溶銑の効率的かつ安価な出湯脱硫方法の提供。
【解決手段】質量%で、C:3%以上、Si:0.05以下を含有する溶銑を第1容器から第2容器に出湯する際、生石灰を含む脱硫剤にに加えて、溶銑トン当たり、0.1〜0.8kgの金属アルミニウムおよび0.2〜1.5kgの炭素濃度70質量%以上の炭素含有物質のいずれか一方または両方を第2容器内へ添加する溶銑の脱硫方法。また、溶銑は転炉型の脱燐炉で脱珪、脱燐処理された溶銑、同じく転炉型の溶解炉で原料の一部にスクラップを使用して得られるスクラップ溶解溶銑および原料の一部の鉄鉱石を溶融還元して得られる溶融還元溶銑のいずれであってもよい。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶銑の脱硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の特性を向上させた鋼材として、低硫鋼の需要が増加している。
【0003】
脱硫方法としては、従来より溶銑段階での脱硫が一般的であり、近年では脱珪、脱燐処理前の溶銑を対象にした脱硫が主流になってきた。
【0004】
しかし、脱硫処理してから脱珪、脱燐処理する場合、併用する原料に含まれる硫黄分により溶銑中の硫黄含有量が再上昇する現象がみられ、後工程で問題になることがあること。
【0005】
また、スクラップを溶解して得られる溶銑(以下、この溶銑を「スクラップ溶解溶銑」という)や、鉄鉱石などの酸化鉄含有物質を溶融還元して得られる溶銑(以下、この溶銑を「溶融還元溶銑」という)の製造に際しても、石炭やコークスなどの燃料を使用するほか、硫黄含有量の高い低級スクラップを用いることがあり、この場合には硫黄含有量の高い溶銑となる。
【0006】
さらに、これら脱珪、脱燐処理後の溶銑や、スクラップ溶解溶銑および溶融還元溶銑は、いずれもシリコン含有量が低く、脱硫に不利な溶銑でもある。
【0007】
ここで、脱珪、脱燐処理後に脱硫処理する方法としては、次のような方法が提案されている。
【0008】
(1) 転炉内で脱珪、脱燐処理した後、生成したスラグを除去せずに脱硫剤を吹き込んで脱硫処理する方法(特許文献1)。
【0009】
(2) トーピード内で脱珪、脱燐処理した後、生成したスラグを除去してから脱硫剤を吹き込んで脱硫処理する方法(特許文献2)。
【0010】
(3) 転炉で脱珪、脱燐処理した溶銑を鍋に出湯する際、脱硫剤を鍋に添加する方法(特許文献3)。
【0011】
しかし、上記(1) の方法は、脱珪、脱燐処理で生成したスラグを除去せずに脱硫処理するため、脱硫効率および脱硫剤の原単位が悪い。(2) の方法は、脱珪、脱燐処理で生成したスラグを除去するために脱硫効率はよいものの、スラグ除去に時間がかかるだけでなく、鉄ロスが多い。
【0012】
これに対し、(3) の方法は、鍋への出湯操作により脱珪、脱燐処理で生成したスラグと溶銑とを分離するので、上記のような問題はない。しかし、この方法では、脱硫を進行させる撹拌を出湯流の落下エネルギーのみに依存していることと、出湯流の空気巻き込みによって脱硫に不利な条件となることなどにより、脱硫剤コストと脱硫効率の両方を考慮すると、改善の余地があった。
【0013】
このため、脱珪、脱燐処理後の溶銑、およびスクラップ溶解溶銑や溶融還元溶銑をも含めた低シリコン溶銑を対象とした効率的で、しかも鉄ロスの少ない脱硫方法の開発が望まれていた。
【0014】
なお、特許文献4には、金属アルミニウムを使用する溶銑の脱硫方法が記載されているが、後述するとおり、この方法はシリコン含有量が0.20〜1.0質量%の高シリコン溶銑を対象とするものである。
【特許文献1】
特開平5−202408号公報
【特許文献2】
特開平6−88116号公報
【特許文献3】
特開平8−104913号公報
【特許文献4】
特開昭54−37020号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたもので、上記の特許文献3に示される方法と同様に、脱珪、脱燐処理後の溶銑、スクラップ溶解溶銑および溶融還元溶銑のいずれかの溶銑を、鍋に出湯する際に脱硫剤を鍋に添加して脱硫処理する方法であって、より効率的な溶銑の脱硫方法を提供することを目的とする。具体的な目的は、最も安価な生石灰のみの使用でも高い脱硫率が得られ、しかも短時間に鉄ロスの増加なく脱硫することが可能な溶銑の脱硫を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)〜(4)の溶銑の脱硫方法にある。
(1)質量%で、C:3%以上、Si:0.05%以下を含有する溶銑を第1容器から第2容器に出湯する際、生石灰を含む脱硫剤に加えて、溶銑トン当たり、0.1〜0.8kgの金属アルミニウムおよび0.2〜1.5kgの炭素濃度が70質量%以上の炭素含有物質のいずれか一方または両方を第2容器内へ添加する溶銑の脱硫方法。
(2)第1容器が転炉であり、溶銑が第1容器内で脱珪、脱燐処理された溶銑である上記(1)に記載の溶銑の脱硫方法。
(3)第1容器が転炉であり、溶銑として第1容器内で原料の少なくとも一部にスクラップを溶解して得られた溶銑を用いる上記(1)に記載の溶銑の脱硫方法。
(4)第1容器が転炉であり、溶銑として第1容器内で原料の少なくとも一部に鉱石を溶融還元して得られた溶銑を用いる上記(1)に記載の溶銑の脱硫方法。
【0017】
上記の本発明は以下に述べる知見に基づいて完成された。
【0018】
本発明者らは、上記の課題を達成するため、上記の特許文献3に示される方法により低シリコン含有溶銑の脱硫効率を向上させるべく、脱硫剤の分散促進と脱硫スラグの酸化防止について種々検討した。その結果、以下のことが判明した。
【0019】
(a) 前述したように、転炉で脱珪、脱燐処理した溶銑やスクラップ溶解溶銑および溶融還元溶銑は、炭素含有量は3質量%以上であるが、シリコン含有量が低く、一般に、その含有量は0.05質量%以下で、脱硫には不利である。これは、次の理由による。
【0020】
脱硫剤としては、通常、生石灰が用いられ、この場合の脱硫反応は下記のとおりで、SはCaSとなってスラグ中に移行する。
【0021】
2S+2CaO+Si=2CaS+SiO ・・・・▲1▼
S+CaO+C=CaS+CO ・・・・・・・・・・▲2▼
したがって、低シリコン溶銑の脱硫の場合は、▲1▼式の反応に関与するシリコン量が少ないために上記の反応が進みにくい。
【0022】
(b) 前述したように、出湯流の落下エネルギーのみでは脱硫剤と溶銑の撹拌が十分でない。
【0023】
(c) 出湯流には空気が巻き込まれており、巻き込まれた空気が溶銑を酸化して酸化鉄を形成し、そのバインダー効果により塊状のスラグを生成させる。
【0024】
(d) 塊状スラグの生成は、上記(b)の場合に特に顕著で大塊を形成し、上記(a)との相乗作用により脱硫効率が悪い。
【0025】
そこで、出湯流への空気巻き込みを防止すべく種々検討したが、製造コストの上昇を伴わないような商業生産に適した有効な空気巻き込み防止手段はない。したがって、空気巻き込みを許容した上で、スラグの大塊形成を防止する方法について検討した。その結果、次の知見を得た。
【0026】
(e) 低シリコン溶銑の出湯時に、溶銑を受ける容器に金属アルミニウムを添加すると、下記▲3▼の反応によりスラグが大塊を形成する原因となる酸化鉄の生成が抑制される。特に、溶銑トン当たり0.1〜0.8kgの金属アルミニウムを添加した場合にその効果が顕著で、スラグが大塊を形成しなくなって脱硫効率が大きく改善される。
【0027】
2Al+3FeO=3Fe+Al ・・・・・・・▲3▼
この金属アルミニウム添加による酸化鉄生成防止に基づく脱硫促進のメカニズムは、前記の特許文献4に示される脱硫促進メカニズムとは全く異なるものである。
【0028】
すなわち、前記の特許文献4に示される脱硫方法は、シリコン含有量が0.20〜1.0質量%と極めて高い高シリコン溶銑を処理対象とする方法で、アルミニウムを添加しない場合には、溶銑のシリコン濃度が高いがために脱硫剤の表面に高融点の2CaO・SiOが形成されてその脱硫能が十分に発揮されなくなるのに対し、脱硫剤を添加する前の溶銑にアルミニウムを添加して溶銑中のアルミニウム濃度をシリコン含有量と硫黄含有量に対してそれぞれ所定の濃度範囲になるように調整しておけば、脱硫剤の表面には融点の低いCaO・Alが形成されてその脱硫能が損なわれることはなく、むしろ向上するとしている。
【0029】
一方、本発明が対象とする溶銑は、シリコン含有量が0.05質量%以下と極めて低い。このため、もともと、脱硫剤の表面に融点の高い2CaO・SiOが形成されることはほとんどなく、仮に形成されてもその量は極くわずかで、脱硫剤自体の脱硫能が損なわれることはない。すなわち、本発明の方法と特許文献4に示される方法とは技術思想が全く相違する。
【0030】
(f) 鍋には上記の金属アルミニウムに代えて炭素濃度が70質量%以上の炭素含有物質を添加した場合でも、下記▲4▼の反応によりスラグが大塊を形成する原因となる酸化鉄の生成が抑制される。特に、溶銑トン当たり0.2〜1.5kgの炭素含有物質を添加した場合にその効果が顕著で、スラグが大塊を形成しなくなって脱硫効率が大きく改善される。また、上記量の金属アルミニウムと炭素含有物質を複合添加する場合には、酸化鉄の生成がより一層抑制されて大塊スラグの形成がより少なくなり、脱硫効率が一段と向上するだけでなく、金属アルミニウムの酸化ロスが抑制され、その使用量を少なくすることができるので、両者を複合で添加するのが望ましい。
【0031】
ここで、両者を複合で添加する場合に金属アルミニウムの酸化ロスが抑制され、その使用量を少なくすることができるのは次の理由による。
【0032】
低シリコン溶銑においては、溶銑中の酸素濃度が若干高く、雰囲気中の酸素の影響も受けやすい。このため、金属アルミニウムの単独使用の場合には、その酸化ロスが大きくなり、金属アルミニウムの必要量が多くなる傾向があるが、炭素含有物質を併用すれば下記▲4▼の反応により金属アルミニウムの酸化ロスが少なくなるからである。
【0033】
C+FeO=Fe+CO ・・・・・・・▲4▼
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の方法について詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施態様を示す図で、1は脱珪、脱燐処理を行うための第1容器で、上下吹き機能を備えた転炉、2は出湯流、3は溶銑、4は第2容器としての取鍋、5は脱珪、脱燐スラグ、6は脱硫スラグ、7は生石灰を含む脱硫剤、8は金属アルミニウム、9は炭素含有物質である。
【0036】
本発明においては、第1容器1により、公知の方法によって、内部に装入された溶銑に酸素を吹き込んで脱珪、脱燐処理が行われる。また、その溶銑がスクラップ溶解溶銑の場合には、溶銑とともに装入されたスクラップを公知の方法によって溶解する。この方法では、生成した溶銑中の珪素および燐の含有量が低い場合が多いので、同一炉内での脱珪、脱燐処理は、通常行わない。さらに、その溶銑が溶融還元溶銑の場合には、溶銑とともに装入された酸化鉄含有物質を公知の溶融還元法によって溶解する。この方法では、生成した溶銑中の珪素含有量が低い場合が多いので、同一炉内での脱珪処理は行われず、脱燐処理も一旦出湯してから他の炉で行われる場合が多い。
【0037】
第1容器1内に装入される溶銑は、従来の一般的な工程で予め脱硫処理したものであってもよい。
【0038】
脱珪、脱燐処理後の各溶銑は、図に示すように、第1容器1を傾動させて出湯口1aから第2容器4に出湯される。このとき、第2容器4内には、生石灰を含む脱硫剤7と金属アルミニウム8、または/および炭素濃度が70質量%の炭素含有物質9が添加される。
【0039】
ここで、第1容器から第2容器に出湯される溶銑のC濃度を3質量%以上、Si濃度を0.05質量%以下と定めたのは、前述したように、これらの溶銑が脱硫に不利な条件の溶銑であるためである。なお、C濃度の上限は特に規定しないが、溶銑脱燐処理を実施する場合は必然的に4質量%程度まで低下し、スクラップ溶解、溶融還元の場合も処理後のC濃度が4質量%以上になると還元剤および熱源の炭素含有物質の必要量が上昇するので、その上限は4質量%程度とするのがよい。
【0040】
生石灰(CaO)を含む脱硫剤は、生石灰のみ、または生石灰以外に、石灰石(CaCO)、蛍石(CaF)、ソーダ灰(NaCO)、カルシウム・カーバイド(CaC)および金属マグネシウムなどの公知の脱硫剤のうちのいずれか1種または2種以上を含むもののいずれであってもよいが、本発明では生石灰のみでも十分な効果が得られるので、脱硫剤コストの観点からは生石灰のみを添加するのが望ましい。
【0041】
生石灰を含む脱硫剤の添加量は、目的とする脱硫の程度、および第1容器での脱珪、脱硫処理後の溶銑の性状によって変わるために特に規定しないが、生石灰換算、すなわち酸化カルシウム換算で、溶銑トン当たり1〜10kgとするのがよい。より好ましいのは2〜6kgである。
【0042】
添加する脱硫剤の大きさは、特に制限しないが、溶銑に対する分散性を考慮すると、粒径が3mm以下のものを使用するのが望ましい。
【0043】
また、例えば、蛍石の適量(溶銑トン当たり0.2〜2.0kg)添加は、脱硫スラグの大塊形成を抑制する効果があるので、より一層の低硫鋼を得たい場合には、蛍石を添加してもよい。
【0044】
金属アルミニウムの添加量は、前述したように、溶銑トン当たり0.1〜0.8kgとする必要がある。これは、次の理由による。
【0045】
溶銑トン当たりの金属アルミニウムの添加量が0.1kg未満では、出湯流による空気巻き込みで生じる酸化鉄の生成を抑制する効果がなく、脱硫スラグが大塊となり、脱硫が促進されない。一方、その添加量が0.8kgを超えると、酸化鉄の生成抑制効果が飽和するばかりか、溶銑中のアルミニウム濃度が過度に上昇し、後工程の脱炭処理に悪影響を及ぼす。また、過度な金属アルミニウム添加は、脱硫スラグ中の酸化アルミニウム濃度を上昇させ、それ自体のバインダー効果により脱硫スラグの大塊形成を助長し、脱硫効果がかえって損なわれる。さらに、酸化アルミニウム濃度の高い脱硫スラグは、これを焼結処理して高炉への装入材料としてリサイクル使用する場合に高炉の原料配合に悪影響を及ぼすのみならず、過剰な金属アルミニウムは添加剤コストの上昇をも招く。
【0046】
このため、本発明では、金属アルミニウムの添加量を、溶銑トン当たり0.1〜0.8kgとすることとした。好ましいのは0.1〜0.7kg、より好ましいのは0.1〜0.5kgである。
【0047】
金属アルミニウムの第2容器内への添加時期は、特に制限しないが、脱硫スラグの大塊形成をより確実に防ぐためには、生石灰を含む脱硫剤の添加に先立って添加するのが望ましい。
【0048】
なお、金属アルミニウムを第2容器内へ添加することとしたのは、脱珪、脱燐処理後の第1容器内の溶銑に添加したのでは、第1容器内には多くの場合酸化鉄含有量の高い脱燐スラグが存在し、金属アルミニウムが酸化ロスされてしまい、脱硫処理中における酸化鉄の生成抑制効果が全く発揮されなくなるからである。また、第1容器内に脱燐スラグが存在しない場合でも、出湯中に金属アルミニウムの一部が酸化ロスされてしまい、酸化鉄の生成抑制効果が減ずるからである。
【0049】
金属アルミニウムとしては、純度が99質量%以上の高純度のものでもよいが、これに限らず、例えば、金属アルミニウムの含有量が30〜45質量%、残部が酸化アルミニウムなどのいわゆるアルミ灰を使用してもよい。
【0050】
本発明においては、脱硫処理中に酸化鉄が生成するのを防止するには上記の金属アルミニウムまたは炭素濃度が70質量%以上の炭素含有物質のいずれか一方を添加すれば十分であるが、金属アルミニウムの使用量を少なくして脱硫コストを安くするなどするためには、両者を複合で添加するのがよいことは前述したとおりである。
【0051】
また、炭素含有物質の添加量は、溶銑トン当たり0.2〜1.5kgにする必要があることも前述したとおりであるが、その理由は次のとおりである。
【0052】
溶銑トン当たりの炭素含有物質の添加量が0.2kg未満では、酸化鉄の生成抑制効果がないだけでなく、金属アルミニウムの酸化ロス抑制効果もなく、脱硫スラグが大塊となり、脱硫が促進されないのみならず、金属アルミニウムの使用量を少なくできない。一方、その添加量が1.5kgを超えると、酸化鉄の生成抑制効果が飽和するばかりか、溶銑温度の過度な低下を招き、後工程の脱炭処理に悪影響を及ぼすだけでなく、過剰な炭素含有物質は添加剤コストの上昇をも招く。
【0053】
このため、添加する場合の炭素含有物質の添加量は、溶銑トン当たり0.2〜1.5kgとするのがよい。好ましいのは0.2〜1.2kg、より好ましいのは0.3〜1.0kgである。
【0054】
ここで、添加する炭素含有物質を、炭素濃度70質量%以上の物質に限定したのは、炭素濃度が70質量%未満の炭素含有物質では、空気中および溶銑中の酸素との反応が遅れ、酸化鉄の生成抑制効果が減ずるからである。
【0055】
なお、炭素含有物質中の炭素濃度は高ければ高いほどよいので、その上限は規定しない。
【0056】
炭素濃度が70質量%以上の炭素含有物質としては、土壌黒鉛、コークス、石炭などを挙げることができる。
【0057】
以上に説明したように、脱珪、脱燐処理後の溶銑を第1容器から第2容器に出湯する際、生石灰を含む脱硫剤に加えて、上記所定量の金属アルミニウム、さらには炭素含有物質を第2容器内へ添加する場合には、出湯流による空気巻き込みがあっても、巻き込まれた空気が添加された金属アルミニウムと優先的に反応して酸化アルミニウムを形成する。その結果、酸化鉄が生成せず、脱硫処理中の脱硫スラグが大塊になることがなく、これが添加された脱硫剤とともに溶銑中に均一に分散するので、脱硫効率が向上する。
【0058】
図1に示すように、溶銑3の出湯が出湯口1aから行われるので、脱珪、脱燐スラグ5と溶銑3との分離が出湯と同時に完了する。さらに、本発明では、第1容器1内に金属アルミニウムを添加しないので、少なくとも第1容器内壁の耐火物のアルミニウム添加による損傷問題もない。
【0059】
【実施例】
<実施例1>
質量%で、C:4.4%、Si:0.35%、S:0.0040%の溶銑250トンを転炉に装入し、脱炭炉スラグを5トン、鉄鉱石を3トン、生石灰を500kg、取鍋スラグを2トンおよび蛍石を500kg投入し、上吹きランスより28000Nm/hrの酸素を7分間吹き込んで脱珪、脱燐処理を行った。
【0060】
その後、図1に示すのと同様の態様で溶銑鍋に出湯する際、金属アルミニウムを75kg(0.3kg/溶銑トン)、粒径3mm以下の生石灰を2トン(8kg/溶銑トン)および土壌黒鉛(炭素濃度:80質量%)を130kg(0.52kg/溶銑トン)投入した。
【0061】
転炉から溶銑鍋への出湯時間は5.5分であり、前記の原料は出湯開始後約30秒から1.5分の間に出湯流の落下地点付近に添加した。
【0062】
出湯直前の溶銑のC濃度は3.7質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.039質量%であり、出湯完了後、すなわち脱硫処理後の溶銑のC濃度は3.7質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.0021質量%で、十分な脱硫が進行していた。
【0063】
なお、上記の脱炭炉スラグとは、転炉で脱珪、脱燐処理を行った溶銑を転炉に再装入して脱炭精錬を行ったときに生成する酸化カルシウム、酸化鉄を主成分とする酸化燐含有量の少ないスラグのことである。また、取鍋スラグとは、脱炭炉から取鍋に出鋼された溶鋼を鋳込んだ後に残留したスラグのことである。
【0064】
<実施例2>
質量%で、C:4.4%、Si:0.33%、S:0.035%の溶銑120トンと、スクラップ120トンを転炉に装入し、生石灰を17トン、珪砂を5.8トンおよびコークスを30トン投入し、上吹きランスより28000Nm/hrの酸素を60分間吹き込んでスクラップ溶解溶銑240トンを得た。
【0065】
その後、得られたスクラップ溶解溶銑を実施例1の場合と同様の態様で溶銑鍋に出湯する際、金属アルミニウムを75kg(0.31kg/溶銑トン)および粒径3mm以下の生石灰を2トン(8.33kg/溶銑トン)投入した。
【0066】
転炉から溶銑鍋への出湯時間は5.5分であり、前記の原料は出湯開始後約30秒から1.5分の間に出湯流の落下地点付近に添加した。
【0067】
出湯直前の溶銑のC濃度は3.7質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度はコークスからの硫黄移行により0.065質量%であり、出湯完了後、すなわち脱硫処理後の溶銑のC濃度は3.7質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.029質量%で、十分な脱硫が進行していた。
【0068】
<実施例3>
質量%で、C:4.3%、Si:0.38%、S:0.032%の溶銑180トンを転炉に装入し、生石灰を6トン、鉄鉱石を40トンおよびコークスを30トンを投入しながら、上吹きランスより22000Nm/hrの酸素を70分間吹き込んで溶融還元溶銑205トンを得た。
【0069】
その後、得られた溶融還元溶銑を実施例1の場合と同様の態様で溶銑鍋に出湯する際、金属アルミニウムを75kg(0.37kg/溶銑トン)、粒径3mm以下の生石灰を1.8トン(8.78kg/溶銑トン)および蛍石を180kg(0.88kg/溶銑トン)投入した。
【0070】
転炉から溶銑鍋への出湯時間は5.5分であり、前記の原料を出湯開始後約30秒から1.5分の間に出湯流の落下地点付近に添加した。
【0071】
出湯直前の溶銑のC濃度は3.6質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度はコークスからの硫黄移行により0.068質量%であり、出湯完了後、すなわち脱硫処理後の溶銑のC濃度は3.6質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.021質量%で、十分な脱硫が進行していた。
【0072】
<実施例4>
質量%で、C:4.4%、Si:0.33%、S:0.0033%の溶銑250トンを転炉に装入し、実施例1で用いたのと同じ脱炭炉スラグを4.7トン、鉄鉱石を3トン、生石灰を540kg、実施例1で用いたのと同じ取鍋スラグを2トンおよび蛍石を500kg投入し、上吹きランスより28000Nm/hrの酸素を7分間吹き込んで脱珪、脱燐処理を行った。
【0073】
その後、実施例1の場合と同様の態様で溶銑鍋に出湯する際、金属アルミニウムを90kg(0.36kg/溶銑トン)および粒径3mm以下の生石灰を2トン(8kg/溶銑トン)投入した。
【0074】
転炉から溶銑鍋への出湯時間は5.5分であり、前記の原料は出湯開始後約30秒から1.5分の間に出湯流の落下地点付近に添加した。
【0075】
出湯直前の溶銑のC濃度は3.6質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.034質量%であり、出湯完了後、すなわち脱硫処理後の溶銑のC濃度は3.6質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.0019質量%で、十分な脱硫が進行していた。
【0076】
<実施例5>
質量%で、C:4.4%、Si:0.34%、S:0.0035%の溶銑250トンを転炉に装入し、実施例1で用いたのと同じ脱炭炉スラグを4.7トン、鉄鉱石を3トン、生石灰を550kg、実施例1で用いたのと同じ取鍋スラグを2トンおよび蛍石を500kg投入し、上吹きランスより28000Nm/hrの酸素を7分間吹き込んで脱珪、脱燐処理を行った。
【0077】
その後、実施例1の場合と同様の態様で溶銑鍋に出湯する際、粒径3mm以下の生石灰を2トン(8kg/溶銑トン)および土壌黒鉛を200kg(0.8Kg/トン)投入した。
【0078】
転炉から溶銑鍋への出湯時間は5.5分であり、前記の原料は出湯開始後約30秒から1.5分の間に出湯流の落下地点付近に添加した。
【0079】
出湯直前の溶銑のC濃度は3.7質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.036質量%であり、出湯完了後、すなわち脱硫処理後の溶銑のC濃度は3.7質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.0020質量%で、十分な脱硫が進行していた。
【0080】
<比較例1>
質量%で、C:4.4%、Si:0.35%、S:0.0045%の溶銑250トンを転炉に装入し、実施例1で用いたのと同じ脱炭炉スラグを5トン、鉄鉱石を3トン、生石灰を500kgおよび実施例1で用いたのと同じ取鍋スラグを2トンおよび蛍石を500kg投入し、上吹きランスより28000Nm/hrの酸素を7分間吹き込んで脱珪、脱燐処理を行った。
【0081】
その後、実施例1の場合と同様の態様で溶銑鍋に出湯する際、粒径3mm以下の生石灰のみを2トン(8kg/溶銑トン)投入した。
【0082】
転炉から溶銑鍋への出湯時間は5.5分であり、前記の原料を出湯開始後約30秒から1.5分の間に出湯流の落下地点付近に添加した。
【0083】
出湯直前の溶銑のC濃度は3.9質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.044質量%であり、出湯完了後、すなわち脱硫処理後の溶銑のC濃度は3.8質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.0041質量%で、脱硫は不十分であった。
【0084】
<比較例2>
質量%で、C:4.5%、Si:0.37%、S:0.0039%の溶銑250トンを転炉に装入し、実施例1で用いたのと同じ脱炭炉スラグを5トン、鉄鉱石を3トン、生石灰を500kg、実施例1で用いたのと同じ取鍋スラグを2トンおよび蛍石を500kg投入し、上吹きランスより28000Nm/hrの酸素を7分間吹き込んで脱珪、脱燐処理を行った。
【0085】
その後、実施例1の場合と同様の態様で溶銑鍋に出湯する際、粒径3mm以下の生石灰を2トン(8kg/溶銑トン)および金属アルミニウムのみを260kg(1.04kg/溶銑トン)投入した。
【0086】
転炉から溶銑鍋への出湯時間は5.5分であり、前記の原料を出湯開始後約30秒から1.5分の間に出湯流の落下地点付近に添加した。
【0087】
出湯直前の溶銑のC濃度は3.9質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.038質量%であり、出湯完了後、すなわち脱硫処理後の溶銑のC濃度は3.8質量%、Si濃度は0.01質量%未満、S濃度は0.0025質量%で、金属アルミニウムの添加量が多すぎるために実施例1に比べると脱硫が不十分であった。
【0088】
【発明の効果】
本発明の脱硫方法、すなわち出湯脱硫方法によれば、脱珪、脱燐処理後の溶銑、およびスクラップ溶解溶銑や溶融還元溶銑のような低シリコン溶銑の脱硫を、脱硫剤として最も安価な生石灰のみの使用でも効率的に行うことが可能である。また、第1容器内には金属アルミニウムを添加しないので、少なくとも第1容器の内壁耐火物の損傷問題もない。さらに、出湯により脱珪、脱燐処理スラグおよびスクラップ溶解スラグや溶融還元溶解スラグと溶銑とを自動的に分離できるので、処理時間の短縮ができる。また更に、通常の脱硫処理と併用すれば、より一層の低硫鋼を安価に製造することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す図である。
【符号の説明】
1:第1容器(転炉)、
1a:出湯口、
2:出湯硫、
3:溶銑、
4:第2容器(溶銑鍋)、
5:脱珪、脱硫スラグ(スクラップ溶解スラグまたは溶融還元溶解スラグ)、
6:脱硫スラグ、
7:生石灰を含む脱硫剤
8:金属アルミニウム、
9:炭素含有物質。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:3%以上、Si:0.05%以下を含有する溶銑を第1容器から第2容器に出湯する際、生石灰を含む脱硫剤に加えて、溶銑トン当たり、0.1〜0.8kgの金属アルミニウムおよび0.2〜1.5kgの炭素濃度が70質量%以上の炭素含有物質のいずれか一方または両方を第2容器内へ添加することを特徴とする溶銑の脱硫方法。
  2. 第1容器が転炉であり、溶銑が第1容器内で脱珪、脱燐処理された溶銑であることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱硫方法。
  3. 第1容器が転炉であり、溶銑として第1容器内で原料の少なくとも一部にスクラップを溶解して得られた溶銑を用いることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱硫方法。
  4. 第1容器が転炉であり、溶銑として第1容器内で原料の少なくとも一部に鉱石を溶融還元して得られた溶銑を用いることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱硫方法。
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