JP2004142909A - モジュール用吊金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】着脱容易で再利用可能な、モジュール工法用のモジュール用吊金具を提供する。
【解決手段】モジュール吊上げ架台28を挟着する上下プレートの押え板12と受け板14と有する。また、前記押え板12と受け板14との締結するためのボルト20とナット18とを備えて前記架台28に着脱可能としている。前記押え板12にはフック係合部10を設けたことを特徴とする。
前記押え板12及び受け板14により挟着された架台28の表面とこれに対面する押え板12との間隔を調整し、架台28の上面を加圧する押しボルト22を設ける構造としている。
前記フック係合部10はこれに掛けられるフックワイヤ32の牽引方向に倣うように形成すると良い。
【選択図】 図1
【解決手段】モジュール吊上げ架台28を挟着する上下プレートの押え板12と受け板14と有する。また、前記押え板12と受け板14との締結するためのボルト20とナット18とを備えて前記架台28に着脱可能としている。前記押え板12にはフック係合部10を設けたことを特徴とする。
前記押え板12及び受け板14により挟着された架台28の表面とこれに対面する押え板12との間隔を調整し、架台28の上面を加圧する押しボルト22を設ける構造としている。
前記フック係合部10はこれに掛けられるフックワイヤ32の牽引方向に倣うように形成すると良い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモジュール用吊金具に係り、特に発電所建設時等の大型モジュール工法の分野での使用に好適なモジュール用吊金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
重量物の運搬に使用される吊金具の例として特許文献1のようなものが挙げられる。ワイヤ、シャックル等を掛ける吊り部と、コの字型に切欠いた鋼材等の挿入部、及び挿入した鋼材等を固定するためのボルトを備えた鋼材吊り金具である。切欠き部分に鋼材等を挿入し、ボルトで固定した後鋼材等を吊り上げる。しかし、特許文献1のような吊金具では、ボルトが緩んだ場合に鋼材が落下してしまう可能性がある。このため大型重量物の運搬となるモジュール工法には、安全面から考えて使用できない。上記理由により大型モジュール工法では、以下のような吊金具が使用されている。
【0003】
大型モジュール工法に用いられる吊金具は、図5に示すようなものである。架台の構成要素である梁5に直接吊金具1を溶接して使用される。その際吊金具1の設置部分の梁5の上部にグレーチング3が存在する場合には、グレーチング3を事前に切欠いて、切欠き部6を設けておく必要がある。グレーチング3は図6に示すように平板の鋼板を幅方向に立てて、格子状に組み合わせてすのこ状の板としたものが一般的である。
【0004】
吊金具1は架台の搬入据付後には不要となり、突出部分が作業等の妨げになるため、グレーチング3の上面である吊金具切断位置で、切断または溶断して除去される。切断または溶断の際、直接梁5に吊金具1を溶接しておくと、グレーチング3の厚さ分だけ吊金具の突出部分が残ってしまう。切断または溶断後に突出部分が残らないようにすると共に、当該箇所をグレーチング3の高さと一定にするため、予めグレーチング3と同厚のプレート2を吊金具1の下部に溶接しておく。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−001288号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のモジュール工法に用いられる吊金具1では、次のような問題点が挙げられる。吊金具1を溶接する箇所にグレーチング3が存在する場合、予めその箇所のグレーチング3を切欠いておかなければならない。吊金具1を切断または溶断した時に床面高さを一定とするために、予め吊金具1の下部にプレート2を溶接しておかなければならない。モジュールの搬入据付終了後に不要となり、作業等の妨げになる吊金具1は、切断または溶断によって除去する必要がある。切断または溶断作業には火器の使用が必要となることがある。切断または溶断された吊金具1は、形状が変化してしまい再利用できないため破棄される。
【0007】
本発明では上記問題を解決して、グレーチング3の切欠きを必要としない。予め下部プレートを溶接することも必要としない。使用後に切断等の作業を必要としない。上記効果より、モジュールの搬入据付作業時のモジュール用吊金具の着脱にかかる時間を軽減し、かつ再利用可能なモジュール用吊金具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るモジュール用吊金具は、モジュールを構成する架台を前記架台上に設置されるグレーチングと共に挟着する上下プレートを有し、当該上下プレートの締結手段を備えて前記架台及びグレーチングに着脱可能に取り付けでき、前記上方のプレートにはフック係合部を設けたことを特徴とする。
【0009】
前記上方のプレートには、グレーチングの隙間を貫通して、架台の上面を加圧する押しボルト手段を設ける構造とすると良い。
前記フック係合部は、吊り孔形成面をこれに掛けられる吊り上げ治具の牽引方向に倣うように形成されると良い。
【0010】
本発明によれば、モジュール用吊金具をモジュールを構成する架台の設置箇所に対して挟着固定とすることにより、グレーチングの切欠きを必要としない。予め下部プレートを溶接することも必要としない。使用後に切断等の作業を必要としない。上記効果より、モジュールの搬入据付作業時のモジュール用吊金具の着脱にかかる時間を軽減し、かつモジュール用吊金具の再利用が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係るモジュール用吊金具の実施の形態を図面に従って説明する。図1ないし図3に示すモジュール用吊金具11の基本的構造を次に説明する。図4に示すモジュールを構成する架台28の梁5及びグレーチング3を挟着するための、上下プレートの押え板12と受け板14とを有する。前記押え板12と受け板14との締結手段であるボルト20およびナット18を備えて、前記架台28に着脱可能とする。前記押え板12には、フック係合部10を設ける構造とする。以下に各部分に対応する詳細を説明する。
【0012】
架台28は、枠組みを構成している梁5と、梁5の上面に位置して架台28の床面となるグレーチング3とからなる。梁5は長尺の鋼材であり、断面形状は矩形である。
【0013】
モジュール用金具11の押え板12及び受け板14は、前記グレーチング3ごと梁5を上下より挟み込んだ時に、板幅が梁5の幅よりも広く、両端に張り出し部分を持つ長方形の鋼板である。押え板12及び受け板14は、前記両端部の前記張り出し部分に対称な6つの孔24を有している。前記孔24は梁5に押え板12及び受け板14を挟着させた際に、両板を固定するための締結手段であるボルト20を挿通させるためのものである。また、押え板12には、前記6つの孔24と平行で板面の中心線上に位置する2箇所に、雌ネジを有する孔を備える。
【0014】
押え板12及び受け板14の締結は、押え板12及び受け板14を梁5及びグレーチング3に挟着させた後、前記ボルト20を両板の孔24に垂直に挿通させる。次に、挿通したボルト20にナット18を螺着させることにより、押え板12及び受け板14を挟着状態で固定することによってなされる。
【0015】
押え板12の上面には、半円状の鋼板の板面に、フックワイヤ32等の吊り具を掛けるための円形の吊り孔13を有する構造のフック係合部10を備える。フック係合部10は、押え板12の板面に対し直角に立設される。さらに、フック係合部10は、図4に示すように、架台28の四隅の梁5に配置されることが多い。このためフック係合部10は、架台28の吊り上げ時に、フックワイヤ32の集束方向へ牽引される。フック係合部10は、牽引による曲げに対する耐力を増すために、板面を牽引方向に倣って平行になるように、押え板12に図3に示す傾き角度θをつけて溶接される。さらにフック係合部10の側面には、牽引による剥れ防止や、曲がり防止等の役割をする補助部材で、長方形の鋼板である側板16がフック係合部10の板面に直交して溶接される。
【0016】
前記締結手段に用いられるボルト20には、架台28吊り上げ時に軸方向へ弾性的な伸びが生じ、押え板12とグレーチング3との間にあそびが生じ、押え板12が図3の牽引方向へずれる可能性がある。このため押え板12には、ずれを防止するための押しボルト22が備えられる。押しボルト22は、押え板12の板面で、前述した雌ネジを有する2箇所の孔へ螺着され、締め込みにより上記のずれ防止効果をなす。また、押しボルト22は、先端に突起を設けることにより締め込み時のくさび効果を高めることができ、モジュール用吊金具11のずれを防止できる。
【0017】
上記のごとく構成した実施例においてはまず、架台28の梁5の4箇所に、モジュール用吊金具11の固定位置を決定する。固定位置決定後、押え板12及び受け板14を用いて、固定位置の梁5をグレーチング3ごと挟み込む。押え板12及び受け板14に形成された6つの孔24に、ボルト20を垂直に挿通させる。挿通させたボルト20に、ナット18を螺着させることにより、押え板12及び受け板14を、梁5及びグレーチング3に挟着状態で固定できる。
【0018】
フックワイヤ32を、フック係合部10の吊り孔13に掛ける。フック係合部10は、板面をフックワイヤ32の牽引方向へ倣うように平行にして形成されているので、牽引によりフック係合部10に与えられる曲げに対する耐力を増している。各フックワイヤ32を、図示しない吊り上げ用クレーンへ掛ける。クレーンの巻き上げにより、架台28を吊り上げる。架台28の吊り上げ時には、押え板12と受け板14とにそれぞれ離反する力が負荷される。このためボルト20には、軸方向へ弾性的な伸びが生じる可能性がある。前期伸びによりグレーチング3と押え板12との間にあそびが生じた場合は、押しボルト22を更に締め込み、梁5と押え板12との間にくさび効果をもたせることにより、モジュール用吊金具11のずれを防止できる。
【0019】
架台28を搬入据付した後、フックワイヤ32を取外す。モジュール用吊金具11は、架台28の搬入据付後には不要となり、作業等の妨げとなるため以下の手順で取外される。押しボルト22を緩める。ボルト20及びナット18を取外す。押え板12及び受け板14を取外す。
取外されたモジュール用吊金具11は、再利用可能なため、次に搬入するモジュールに取付けることができる。
【0020】
本発明の実施例においては、以下のような効果を得ることができる。
押え板12に押しボルト22を備えたことにより、梁5とモジュール用吊金具11とのずれを防ぐことができる。
【0021】
フック係合部10を押え板12に備える際、牽引方向とフック係合部10の板面とが平行になるように、傾き角度θをつけたことにより、次のような効果が得られる。牽引によりフック係合部10に与えられる曲げに対する耐力を増すことができる。フック係合部10の接着面が、牽引方向に対し幅広となるため、剥れに強くなる。また、フック係合部10に側板16を備えたことにより、前記効果をさらに増すことができる。
【0022】
締結手段をボルト20及びナット18の螺着固定としたことにより、複雑な構成を要さず固定が可能となる。梁5の形状、厚みが変化したとしても、ボルト20の長さを変更するだけで容易に対応が可能となる。また、締結箇所を6箇所としたことにより、2箇所又は4箇所の締結に比べ、押え板12及び受け板14に横荷重がかかった場合に、両板間のズレを抑制できる。
【0023】
本実施例では、押え板12及び受け板14は、同形状の長方形の鋼板としたが、発明に係る好適な1例でありこれに限定するものではない。例えば、板を円形にしたり、上下プレートを異形としたとしても、梁5を挟着可能であれば良いものとする。締結手段に関しても同様であり、上下の挟着プレートを強固に締結可能で着脱が容易な、物理的締結手段であれば、ボルト・ナットに限定しない。また、フック係合部10、側板16の形状に関しても限定しない。例えばフック係合部10を長方形にしたり、棒材でアーチ型を形成したものであっても良く、吊り孔13も円形でなくとも良い。側板16も形状を変えることはもちろん、設置箇所もフック係合部10の機能に影響が無ければ、フック係合部10の板面とすることもできる。
【0024】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、モジュール吊上げ架台を前記架台上に設置されるグレーチングと共に挟着する上下プレートを有し、当該上下プレートの締結手段を備えて前記架台に着脱可能に取り付けでき、前記上方のプレートにはフック係合部を設けた構造とすることにより以下の効果が得られる。
【0025】
モジュール用吊金具を挟着固定としたことにより、事前のグレーチングの切欠き及び取付け時のプレート溶接が不要となった。さらに取外し時の切断または溶断による除去作業も不要となったため、モジュール用吊金具の着脱にかかる時間が軽減される。また、モジュール用吊金具は、取外しに切断または溶断等の加工を必要としないため、取外し後の再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モジュール用吊金具の設置状態の正面図である。
【図2】モジュール用吊金具の設置状態の右側面図である。
【図3】モジュール用吊金具の設置状態の上面図である。
【図4】モジュール工法での吊り上げ概略斜視図である。
【図5】従来の吊金具の設置例を示す図である。
【図6】グレーチングの構成例を示した斜視図である。
【符号の説明】
1………吊金具、2………プレート、3………グレーチング、5………梁、6………切欠き部、10………フック係合部、11………モジュール用吊金具、12………押え板、13………吊り孔、14………受け板、16………側板、18………ナット、20………ボルト、22………押しボルト、24………孔、28………架台、32………フックワイヤ。
【発明の属する技術分野】
本発明はモジュール用吊金具に係り、特に発電所建設時等の大型モジュール工法の分野での使用に好適なモジュール用吊金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
重量物の運搬に使用される吊金具の例として特許文献1のようなものが挙げられる。ワイヤ、シャックル等を掛ける吊り部と、コの字型に切欠いた鋼材等の挿入部、及び挿入した鋼材等を固定するためのボルトを備えた鋼材吊り金具である。切欠き部分に鋼材等を挿入し、ボルトで固定した後鋼材等を吊り上げる。しかし、特許文献1のような吊金具では、ボルトが緩んだ場合に鋼材が落下してしまう可能性がある。このため大型重量物の運搬となるモジュール工法には、安全面から考えて使用できない。上記理由により大型モジュール工法では、以下のような吊金具が使用されている。
【0003】
大型モジュール工法に用いられる吊金具は、図5に示すようなものである。架台の構成要素である梁5に直接吊金具1を溶接して使用される。その際吊金具1の設置部分の梁5の上部にグレーチング3が存在する場合には、グレーチング3を事前に切欠いて、切欠き部6を設けておく必要がある。グレーチング3は図6に示すように平板の鋼板を幅方向に立てて、格子状に組み合わせてすのこ状の板としたものが一般的である。
【0004】
吊金具1は架台の搬入据付後には不要となり、突出部分が作業等の妨げになるため、グレーチング3の上面である吊金具切断位置で、切断または溶断して除去される。切断または溶断の際、直接梁5に吊金具1を溶接しておくと、グレーチング3の厚さ分だけ吊金具の突出部分が残ってしまう。切断または溶断後に突出部分が残らないようにすると共に、当該箇所をグレーチング3の高さと一定にするため、予めグレーチング3と同厚のプレート2を吊金具1の下部に溶接しておく。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−001288号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のモジュール工法に用いられる吊金具1では、次のような問題点が挙げられる。吊金具1を溶接する箇所にグレーチング3が存在する場合、予めその箇所のグレーチング3を切欠いておかなければならない。吊金具1を切断または溶断した時に床面高さを一定とするために、予め吊金具1の下部にプレート2を溶接しておかなければならない。モジュールの搬入据付終了後に不要となり、作業等の妨げになる吊金具1は、切断または溶断によって除去する必要がある。切断または溶断作業には火器の使用が必要となることがある。切断または溶断された吊金具1は、形状が変化してしまい再利用できないため破棄される。
【0007】
本発明では上記問題を解決して、グレーチング3の切欠きを必要としない。予め下部プレートを溶接することも必要としない。使用後に切断等の作業を必要としない。上記効果より、モジュールの搬入据付作業時のモジュール用吊金具の着脱にかかる時間を軽減し、かつ再利用可能なモジュール用吊金具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るモジュール用吊金具は、モジュールを構成する架台を前記架台上に設置されるグレーチングと共に挟着する上下プレートを有し、当該上下プレートの締結手段を備えて前記架台及びグレーチングに着脱可能に取り付けでき、前記上方のプレートにはフック係合部を設けたことを特徴とする。
【0009】
前記上方のプレートには、グレーチングの隙間を貫通して、架台の上面を加圧する押しボルト手段を設ける構造とすると良い。
前記フック係合部は、吊り孔形成面をこれに掛けられる吊り上げ治具の牽引方向に倣うように形成されると良い。
【0010】
本発明によれば、モジュール用吊金具をモジュールを構成する架台の設置箇所に対して挟着固定とすることにより、グレーチングの切欠きを必要としない。予め下部プレートを溶接することも必要としない。使用後に切断等の作業を必要としない。上記効果より、モジュールの搬入据付作業時のモジュール用吊金具の着脱にかかる時間を軽減し、かつモジュール用吊金具の再利用が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係るモジュール用吊金具の実施の形態を図面に従って説明する。図1ないし図3に示すモジュール用吊金具11の基本的構造を次に説明する。図4に示すモジュールを構成する架台28の梁5及びグレーチング3を挟着するための、上下プレートの押え板12と受け板14とを有する。前記押え板12と受け板14との締結手段であるボルト20およびナット18を備えて、前記架台28に着脱可能とする。前記押え板12には、フック係合部10を設ける構造とする。以下に各部分に対応する詳細を説明する。
【0012】
架台28は、枠組みを構成している梁5と、梁5の上面に位置して架台28の床面となるグレーチング3とからなる。梁5は長尺の鋼材であり、断面形状は矩形である。
【0013】
モジュール用金具11の押え板12及び受け板14は、前記グレーチング3ごと梁5を上下より挟み込んだ時に、板幅が梁5の幅よりも広く、両端に張り出し部分を持つ長方形の鋼板である。押え板12及び受け板14は、前記両端部の前記張り出し部分に対称な6つの孔24を有している。前記孔24は梁5に押え板12及び受け板14を挟着させた際に、両板を固定するための締結手段であるボルト20を挿通させるためのものである。また、押え板12には、前記6つの孔24と平行で板面の中心線上に位置する2箇所に、雌ネジを有する孔を備える。
【0014】
押え板12及び受け板14の締結は、押え板12及び受け板14を梁5及びグレーチング3に挟着させた後、前記ボルト20を両板の孔24に垂直に挿通させる。次に、挿通したボルト20にナット18を螺着させることにより、押え板12及び受け板14を挟着状態で固定することによってなされる。
【0015】
押え板12の上面には、半円状の鋼板の板面に、フックワイヤ32等の吊り具を掛けるための円形の吊り孔13を有する構造のフック係合部10を備える。フック係合部10は、押え板12の板面に対し直角に立設される。さらに、フック係合部10は、図4に示すように、架台28の四隅の梁5に配置されることが多い。このためフック係合部10は、架台28の吊り上げ時に、フックワイヤ32の集束方向へ牽引される。フック係合部10は、牽引による曲げに対する耐力を増すために、板面を牽引方向に倣って平行になるように、押え板12に図3に示す傾き角度θをつけて溶接される。さらにフック係合部10の側面には、牽引による剥れ防止や、曲がり防止等の役割をする補助部材で、長方形の鋼板である側板16がフック係合部10の板面に直交して溶接される。
【0016】
前記締結手段に用いられるボルト20には、架台28吊り上げ時に軸方向へ弾性的な伸びが生じ、押え板12とグレーチング3との間にあそびが生じ、押え板12が図3の牽引方向へずれる可能性がある。このため押え板12には、ずれを防止するための押しボルト22が備えられる。押しボルト22は、押え板12の板面で、前述した雌ネジを有する2箇所の孔へ螺着され、締め込みにより上記のずれ防止効果をなす。また、押しボルト22は、先端に突起を設けることにより締め込み時のくさび効果を高めることができ、モジュール用吊金具11のずれを防止できる。
【0017】
上記のごとく構成した実施例においてはまず、架台28の梁5の4箇所に、モジュール用吊金具11の固定位置を決定する。固定位置決定後、押え板12及び受け板14を用いて、固定位置の梁5をグレーチング3ごと挟み込む。押え板12及び受け板14に形成された6つの孔24に、ボルト20を垂直に挿通させる。挿通させたボルト20に、ナット18を螺着させることにより、押え板12及び受け板14を、梁5及びグレーチング3に挟着状態で固定できる。
【0018】
フックワイヤ32を、フック係合部10の吊り孔13に掛ける。フック係合部10は、板面をフックワイヤ32の牽引方向へ倣うように平行にして形成されているので、牽引によりフック係合部10に与えられる曲げに対する耐力を増している。各フックワイヤ32を、図示しない吊り上げ用クレーンへ掛ける。クレーンの巻き上げにより、架台28を吊り上げる。架台28の吊り上げ時には、押え板12と受け板14とにそれぞれ離反する力が負荷される。このためボルト20には、軸方向へ弾性的な伸びが生じる可能性がある。前期伸びによりグレーチング3と押え板12との間にあそびが生じた場合は、押しボルト22を更に締め込み、梁5と押え板12との間にくさび効果をもたせることにより、モジュール用吊金具11のずれを防止できる。
【0019】
架台28を搬入据付した後、フックワイヤ32を取外す。モジュール用吊金具11は、架台28の搬入据付後には不要となり、作業等の妨げとなるため以下の手順で取外される。押しボルト22を緩める。ボルト20及びナット18を取外す。押え板12及び受け板14を取外す。
取外されたモジュール用吊金具11は、再利用可能なため、次に搬入するモジュールに取付けることができる。
【0020】
本発明の実施例においては、以下のような効果を得ることができる。
押え板12に押しボルト22を備えたことにより、梁5とモジュール用吊金具11とのずれを防ぐことができる。
【0021】
フック係合部10を押え板12に備える際、牽引方向とフック係合部10の板面とが平行になるように、傾き角度θをつけたことにより、次のような効果が得られる。牽引によりフック係合部10に与えられる曲げに対する耐力を増すことができる。フック係合部10の接着面が、牽引方向に対し幅広となるため、剥れに強くなる。また、フック係合部10に側板16を備えたことにより、前記効果をさらに増すことができる。
【0022】
締結手段をボルト20及びナット18の螺着固定としたことにより、複雑な構成を要さず固定が可能となる。梁5の形状、厚みが変化したとしても、ボルト20の長さを変更するだけで容易に対応が可能となる。また、締結箇所を6箇所としたことにより、2箇所又は4箇所の締結に比べ、押え板12及び受け板14に横荷重がかかった場合に、両板間のズレを抑制できる。
【0023】
本実施例では、押え板12及び受け板14は、同形状の長方形の鋼板としたが、発明に係る好適な1例でありこれに限定するものではない。例えば、板を円形にしたり、上下プレートを異形としたとしても、梁5を挟着可能であれば良いものとする。締結手段に関しても同様であり、上下の挟着プレートを強固に締結可能で着脱が容易な、物理的締結手段であれば、ボルト・ナットに限定しない。また、フック係合部10、側板16の形状に関しても限定しない。例えばフック係合部10を長方形にしたり、棒材でアーチ型を形成したものであっても良く、吊り孔13も円形でなくとも良い。側板16も形状を変えることはもちろん、設置箇所もフック係合部10の機能に影響が無ければ、フック係合部10の板面とすることもできる。
【0024】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、モジュール吊上げ架台を前記架台上に設置されるグレーチングと共に挟着する上下プレートを有し、当該上下プレートの締結手段を備えて前記架台に着脱可能に取り付けでき、前記上方のプレートにはフック係合部を設けた構造とすることにより以下の効果が得られる。
【0025】
モジュール用吊金具を挟着固定としたことにより、事前のグレーチングの切欠き及び取付け時のプレート溶接が不要となった。さらに取外し時の切断または溶断による除去作業も不要となったため、モジュール用吊金具の着脱にかかる時間が軽減される。また、モジュール用吊金具は、取外しに切断または溶断等の加工を必要としないため、取外し後の再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モジュール用吊金具の設置状態の正面図である。
【図2】モジュール用吊金具の設置状態の右側面図である。
【図3】モジュール用吊金具の設置状態の上面図である。
【図4】モジュール工法での吊り上げ概略斜視図である。
【図5】従来の吊金具の設置例を示す図である。
【図6】グレーチングの構成例を示した斜視図である。
【符号の説明】
1………吊金具、2………プレート、3………グレーチング、5………梁、6………切欠き部、10………フック係合部、11………モジュール用吊金具、12………押え板、13………吊り孔、14………受け板、16………側板、18………ナット、20………ボルト、22………押しボルト、24………孔、28………架台、32………フックワイヤ。
Claims (3)
- モジュールを構成する架台を前記架台上に設置されるグレーチングと共に挟着する上下プレートを有し、当該上下プレートの締結手段を備えて前記架台及びグレーチングに着脱可能に取り付けでき、前記上方のプレートにはフック係合部を設けたことを特徴とするモジュール用吊金具。
- 前記上方のプレートには、グレーチングの隙間を貫通して、架台の上面を加圧する押しボルト手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のモジュール用吊金具。
- 前記フック係合部は、吊り孔形成面をこれに掛けられる吊り具の牽引方向に倣うように形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のモジュール用吊金具。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR101250069B1 (ko) | 2011-12-26 | 2013-04-09 | 김동철 | 석재 인양 루프 플레이트 |
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-
2002
- 2002-10-25 JP JP2002311293A patent/JP2004142909A/ja active Pending
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