JP2004142533A - 二輪車用タイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブロックパターンを有し、タイヤ車輪の状態で形成される空洞内部に弾性発泡体8を充填してなる二輪車用タイヤ1において、カーカス6を、少なくとも1枚のアッププライ9a、9b、および少なくとも1枚のダウンプライ10で構成する。最幅アッププライ9aの折返し端縁11とリム径ライン位置12の間をタイヤ径方向に沿って測定した距離hがタイヤ断面高さSHの30〜70%である。カーカス6のクラウン部13に、プライコードよりも低伸度のコードをゴム被覆してなる第1補強層14および第2補強層15を設ける。第1補強層14は、その両端縁位置16を、それぞれ最幅アッププライ9aの両折返し端位置11と一致またはタイヤ断面高さSHの20%以下のタイヤ径方向長さだけオーバーラップさせる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、トレッド部にブロックパターンを有し、ネガティブ率が70〜85%であり、タイヤ車輪の状態で形成される空洞内部に弾性発泡体を充填してなる二輪車用タイヤ、特にオフロードでの弾性発泡体の耐久性および操縦安定性に優れたオンロードおよびオフロード兼用の二輪車用バイアスタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
二輪車が、砂利、瓦礫、岩盤等のある不整地、いわゆるオフロードを走行する場合には、激しい路面変化によりタイヤが繰り返し局部変形して、パンクが発生する危険性が高い。また、モトクロスレースでは、前記理由に加えて、ジャンプ後の着地時にタイヤが局部変形し、チューブが圧縮されてパンクに至ることもある。
【0003】
かかるオフロード走行時のパンクの防止策として、例えば特許文献1および2には、タイヤとリムとが囲むタイヤ内腔に弾性発泡体を充填したタイヤが記載されている。弾性発泡体は、長時間の高速走行によって、タイヤのトレッド部に区画形成したブロックへの路面からの打突が原因で過度に発熱して、破壊しやすい。このため、弾性発泡体を保護するようなタイヤ構造を採用することが耐久性の点で必要であるが、特許文献1および2には、かかるタイヤ構造の記載はない。
【0004】
従来の二輪車用タイヤは、タイヤ構造として、例えば図4に示すように複数枚のアッププライ101とダウンプライ102で構成されるバイアスカーカス103を採用するのが一般的である。しかしながら、かかるタイヤ構造は、特にブロック104直下に打突入力が集中しやすく、かかる部分に位置する弾性発泡体105が局部的に加熱される結果、耐久性が劣る。
【0005】
弾性発泡体105を保護するためのタイヤ構造としては、例えば図5に示すように、前記アップ−ダウンプライ構造を採用したバイアスカーカス103に加えて、このバイアスカーカス103のクラウン部106外周に、コードをタイヤ周方向に対し小さな角度(0°に近い角度)で配列した複数層のコードゴム被覆層107a、107bを、互いのコードがタイヤ赤道面CLを挟んで交差するように積層した交差ブレーカ108を配設するのが有用である。すなわち、ブロック104が接地したときの弾性発泡体105への打突入力をタイヤ周方向に分散させて、弾性発泡体105の局部的発熱を抑制することができるからである。
【0006】
しかしながら、交差ブレーカ108は、通常はトレッド部中央域を中心としてカーカス103のクラウン部領域に配設するに過ぎないため、交差ブレーカ108を配設したタイヤ部分と、交差ブレーカ108を配設しないタイヤ部分、より具体的には、交差ブレーカ108の端縁109とカーカスプライの折返し端110との間のタイヤ部分とで剛性段差が生じ、結果としてショルダー部の踏ん張りが利かず、十分な横方向グリップ力が得られないため、操縦安定性が劣る。
【0007】
【特許文献1】
特許第2804266号明細書
【特許文献2】
特開2001−18610号公報
【特許文献3】
特開2002−67635号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、補強層の適正化を図ることにより、弾性発泡体の耐久性と、操縦安定性の双方に優れた二輪車用タイヤ、特にオンロードおよびオフロード兼用の二輪車用バイアスタイヤを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部および両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部とにわたってトロイド状に延びるカーカスを具え、トレッド部に複数個のブロックを区画形成し、ネガティブ率が70〜85%であり、タイヤ車輪の状態で形成される空洞内部に弾性発泡体を充填してなる二輪車用タイヤにおいて、カーカスは、タイヤ赤道面に対して30〜50°の角度で延びるコードをゴム被覆してなるプライであって、ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返される少なくとも1枚のアッププライ、およびアッププライの外面を覆う少なくとも1枚のダウンプライで構成され、カーカスを構成するアッププライのうち、折返し端がタイヤ径方向で最も外側に位置する最幅アッププライの折返し端縁とリム径ライン位置の間をタイヤ径方向に沿って測定した距離がタイヤ断面高さの30〜70%であり、カーカスのクラウン部に、プライコードよりも低伸度のコードをゴム被覆してなる第1補強層および第2補強層を設け、第1補強層は、カーカスの外周側に位置し、かつその両端縁位置を、それぞれ最幅アッププライの両折返し端位置と一致またはタイヤ断面高さの20%以下のタイヤ径方向長さだけオーバーラップさせ、コードをタイヤ赤道面に対して35°以下の角度で延在させ、第2補強層は、タイヤ赤道面を挟んで略対称に配置され、かつタイヤ幅方向に沿って測定した幅がトレッド幅の35〜55%であり、コードをタイヤ赤道面に対して25°以下の角度で延在させることを特徴とする二輪車用タイヤである。
【0010】
ここで、各寸法は、JATMAまたはこれに順ずる規格に記載されている適用サイズにおける標準リムにタイヤを組み付け、そのタイヤ内に同規格に定める最高空気圧を適用した無負荷状態で測定するものとする。また、「リム径ライン位置」とは、リム径測定位置を意味する。そして、コードの伸度は、JIS L1017に従い、25±2℃の室温条件下において測定した一定荷重伸び率を意味する。
【0011】
また、弾性発泡体の見かけ比重が0.1〜0.2であり、かつ反発弾性が50〜80%であることが好ましい。なお、ここでいう「見かけ比重」とは、弾性発泡体の気泡も含めて測定した比重のことを言い、「反発弾性」とは、JIS K6255−1996に従って、トリプソ式反発弾性試験装置を用いて測定された数値(%)を言う。
【0012】
さらに、第1補強層および第2補強層を構成するコードが芳香族ポリアミドまたはスチールからなることが好ましい。
【0013】
さらにまた、第2補強層が第1補強層のクラウン部外周側に位置することが好ましい。
【0014】
加えて、第2補強層がカーカスのクラウン部内周側に位置することが好ましい。
【0015】
加えてまた、カーカスを構成するコードがナイロンまたはポリエチレンテレフタレートからなることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な二輪車用タイヤ(以下、「タイヤ」という。)の幅方向右半断面を示した図である。
【0017】
図1に示すタイヤ1は、ビードコア2を埋設した一対のビード部3、ビード部3からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部4および両サイドウォール部4間にまたがって延びるトレッド部5とにわたってトロイド状に延びるカーカス6を具え、トレッド部5に複数個のブロック7を区画形成し、ネガティブ率が70〜85%であり、タイヤ車輪の状態で形成される空洞内部に弾性発泡体8を充填してなる。
【0018】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、カーカス6が、タイヤ赤道面CLに対して30〜50°の角度で延びるコードをゴム被覆してなるプライであって、ビードコア2の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返される少なくとも1枚のアッププライ、図1では2枚のアッププライ9a、9b、およびアッププライ9a、9bの外面を覆う少なくとも1枚のダウンプライ、図1では1枚のダウンプライ10で構成され、カーカス6を構成するアッププライ9a、9bのうち、折返し端がタイヤ径方向で最も外側に位置する最幅アッププライ9aの折返し端縁11とリム径ライン位置12の間をタイヤ径方向に沿って測定した距離hがタイヤ断面高さSHの30〜70%であり、カーカス6のクラウン部13に、プライコードよりも低伸度のコードをゴム被覆してなる第1補強層14および第2補強層15を設け、第1補強層14は、カーカス6の外周側に位置し、かつその両端縁位置16を、それぞれ最幅アッププライ9aの両折返し端位置11と一致またはタイヤ断面高さSHの20%以下のタイヤ径方向長さdだけオーバーラップさせ、コードをタイヤ赤道面CLに対して35°以下の角度で延在させ、第2補強層15は、タイヤ赤道面CLを挟んで略対称に配置され、かつタイヤ幅方向に沿って測定した幅wがトレッド幅TWの35〜55%であり、コードをタイヤ赤道面CLに対して25°以下の角度で延在させることにある。
【0019】
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
トレッド部5に複数個のブロック7を区画形成する、いわゆるブロックパターンのタイヤにおいては、ブロック7が接地した際、トレッド部5にタイヤ径方向内側、すなわち弾性発泡体8を圧潰する方向への屈曲、いわゆる打突が発生する。長時間高速走行を続けると、この打突が原因で弾性発泡体8の特にタイヤクラウン部に過剰な熱が発生し、弾性発泡体が劣化または故障する傾向があった。
【0020】
これを防止するには、図5に示すように、カーカス103のクラウン部106外周に、コードをタイヤ周方向に対し小さな角度(0°に近い角度)で配列した複数層のコードゴム被覆層107a、107bを、互いのコードがタイヤ赤道面CLを挟んで交差するように積層したに交差ブレーカ108を配設し、外部からの衝撃をタイヤ周方向に分散させればよいが、かかるタイヤでは、交差ブレーカ108の配設されたトレッドセンター部と、交差ブレーカ108の配設されていないトレッドショルダー部との間に大きな剛性段差が生じる。一般に二輪車のコーナリングに当っては、タイヤにキャンバー角を付与して、トレッドショルダー部を接地させて走行を行うため、かかる剛性段差は、操縦安定性、特にタイヤ幅方向のグリップ力の不足によるコーナリング性の低下を招く原因となっていた。
【0021】
そこで、発明者は、図1に示すように、打突のためトレッド部5がタイヤ径方向内側に屈曲する前に、衝撃をタイヤ周方向に有効に分散させ、弾性発泡体8の局部的な発熱を有効に抑制するため、カーカス6のクラウン部13にタイヤ周方向に対し小さな角度で配列され、かつ、プライコードよりも低伸度のコードをゴム被覆してなる第1補強層14および第2補強層15を設ける構成を採用するとともに、かかる構成によって生じていた剛性段差を、第1補強層14をサイドウォール部4にまで延長し、第1補強層端縁位置16を最幅アッププライ9aの折返し端縁11と一致またはオーバーラップさせる構成とすることで、極力小さくでき、この結果として、耐久性と操縦安定性の双方を向上できることを見出しこの発明を完成させるに至ったのである。
【0022】
なお、タイヤのネガティブ率は、70%未満の場合には、溝部面積が小さくなりすぎ排土性の低下やブロックエッジの働きの抑制を招き軟質路面でのグリップ不足となるおそれがあり、85%を超える場合には、陸部面積が小さくなりすぎブロック剛性の低下を招き硬質路面でのグリップ不足、耐久性不足および操縦安定性低下となるおそれがあるため、70〜85%とする。
【0023】
カーカス6を構成するコードは、タイヤ赤道面CLに対する延在角度が30°未満の場合には、タイヤ幅方向の剛性低下により操縦安定性が低下し、50°を超える場合には、タイヤ周方向の剛性低下によりトラクションが不足するため、30〜50°とする。
【0024】
最幅アッププライ9aの折返し端縁11は、リム径ライン位置12からタイヤ径方向に沿って測定した距離がタイヤ断面高さSHの30%未満の場合には、ビード部周りの補強性が低下し耐久性不足となり、70%を超える場合には、折返し端縁11がトレッド部踏面下に位置して操縦安定性が低下するため、30〜70%とする。
【0025】
第1補強層端縁位置16と最幅アッププライ9aの折返し端縁11のオーバーラップ幅は、20%を超えるとタイヤ径方向の剛性が過剰に高くなり、乗心地性を低下させてしまうため、20%以下とする。
【0026】
第1補強層14および第2補強層15のコードの延在角度の下限値は、複数個のセグメントで構成される割モールドで加硫を行う場合には、特に制限は無く、タイヤ赤道面CLと平行でもよいが、フルモールドで加硫を行う場合には、加硫成形時の径拡張率の制約から、第2補強層15ではタイヤ赤道面CLに対して15°とし、第2補強層15よりも広幅である第1補強層14では第2補強層15の場合よりもやや大きくする必要があり、好ましくは25°とする。
【0027】
第1補強層14および第2補強層15のコードの延在角度の上限値は、第1補強層14では、弾性発泡体8の保護効果とクラウン部13における剛性段差解消の観点から35°とし、第2補強層15では、弾性発泡体8の保護効果の観点から25°とする。
【0028】
第2補強層15は、タイヤ幅方向に沿って測定した幅がトレッド幅の35%未満の場合には、トレッド部踏面のブロック7による弾性発泡体8の打突防止効果が不足し、55%を超える場合には、トレッド部踏面の剛性が高くなり過ぎて操縦安定性が低下するため、35〜55%とする。
【0029】
また、弾性発泡体8は、見かけ比重が0.1〜0.2であり、かつ反発弾性が50〜80%であることが好ましい。見かけ比重が0.1未満の場合には、弾性発泡体8に占める気泡の割合が大きすぎ荷重支持能力に劣るからであり、0.2を超える場合には、重量増および耐衝撃吸収性低下につながるからである。また、反発弾性が50%未満の場合には、タイヤの剛性が低下しすぎて操縦安定性に欠けるからであり、80%を超える場合には、タイヤの剛性が高すぎて乗心地性に劣るからである。
【0030】
なお、弾性発泡体8の材料としては、上記の特性を有するものであれば特に限定されないが、例えば天然ゴム、またはスチレン−ブタジエンン共重合体、シス−1,4−ポリイソプレン、シス−1,4−ポリブタジエン等のジエン系合成ゴムを用いることができる。
【0031】
また、第1補強層14および第2補強層15を構成するコードが非伸長性の芳香族ポリアミドまたはスチールからなることが好ましい。
【0032】
さらに、第2補強層15は、例えば図3に示すように、カーカス6と第1補強層14との間、または、図示はしないが、カーカス6を構成するプライ9a、9b、10間に配設してもよいが、成型時の作業性の観点からは、図1に示すように、第2補強層15が第1補強層14のクラウン部13外周側に位置することが好ましく、ブロック7による打突入力を抑制する、すなわちトレッド部踏面の曲げ剛性を向上させる観点からは、図2に示すように、第2補強層15がカーカス6のクラウン部13内周側に位置することが好ましい。
【0033】
さらにまた、カーカス6を構成するコードがナイロンまたはポリエチレンテレフタレートからなることが好ましい。タイヤの耐久性、操縦安定性および乗心地性を高いレベルで同時に達成することができるからである。
【0034】
加えて、カーカス6の構成は、サイドウォール部4の剛性の適正化と耐久性確保の観点からは、アッププライを2枚とすることが好ましく、トレッド部踏面からサイドウォール部にかけての剛性の適正化の観点からは、ダウンプライを1枚とすることが好ましく、不整地でのタイヤクッション性とトラクション性を両立する観点からは、バイアスカーカスとすることが好ましい。
【0035】
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0036】
例えば、第1補強層14の端縁位置16を最幅アッププライ9aのタイヤ幅方向内側に配置してもよい。
【0037】
【実施例】
次に、この発明に従う二輪車用タイヤを試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
【0038】
実施例のタイヤは、図1に示す構造を持ち、タイヤサイズが140/90−18であり、最幅アッププライの折返し端縁とリム径ライン位置の間をタイヤ径方向に沿って測定した距離がタイヤ断面高さの60%であり、第1補強層と最幅アッププライのオーバーラップ幅が10mmで、オーバーラップ量が14%であり、第2補強層の幅が70mmであり、第1補強層および第2補強層を構成するコードの延在角度が、タイヤ赤道面に対してそれぞれ25°および20°であり、アッププライを構成するコードが1500d/2×2構造のポリエステルからなり、コードの打込み数が22本/25mmであり、コードの延在角度がタイヤ赤道面に対して±34°であり、ダウンプライを構成するコードが840d/2×1構造のナイロンからなり、コードの打込み数が25本/25mmであり、コードの延在角度がタイヤ赤道面に対して34°であり、第1補強層および第2補強層を構成するコードが1500d/2×1構造の芳香族ポリアミドからなり、コードの打込み数が第1補強層で18本/25mm、第2補強層で22本/25mmであり、タイヤ赤道面に対するコードの延在角度が、第1補強層で25°、第2補強層で20°であり、弾性発泡体として140/90−18サイズ用ブチルゴム発泡体を圧縮充填した二輪車用バイアスタイヤである。
【0039】
比較のため、図4に示す、アッププライおよびダウンプライがそれぞれ2枚であり、補強層を設けないタイヤ(従来例1)、図5に示す、タイヤ幅方向に沿って測定した幅がそれぞれ70mmおよび60mmであり、コードの延在角度が赤道面CLに対していずれも20°であり、実施例と同じ材料からなる2層の補強層をタイヤクラウン部にのみ配設したタイヤ(従来例2)、および図6に示す、最幅アッププライの折返し端縁とリム径ライン位置の間をタイヤ径方向に沿って測定した距離がタイヤ断面高さの60%であり、コードの延在角度が赤道面CLに対していずれも20°であり、実施例と同じ材料からなる2層の補強層を配設し、第1補強層の端縁と最幅アッププライの端縁とのタイヤ径方向距離が30mm、すなわちタイヤ断面高さの25%だけタイヤ径方向に離間しており、第2補強層のタイヤ幅方向に沿って測定した幅が70mmであるタイヤ(比較例)についても試作した。従来例1、2および比較例のタイヤは、アッププライおよびダウンプライを構成するコードが、いずれも実施例と同じ材料からなり、それらの延在角度も実施例と同じであり、いずれも弾性発泡体として140/90−18サイズ用ブチルゴム発泡体を圧縮充填した二輪車用バイアスタイヤである。
【0040】
前記各供試タイヤについて、操縦安定性、剛性感および弾性発泡体の耐久性を評価した。操縦安定性および剛性感は、前記各供試タイヤを、サイズが2.50×18のリムに組み付けてタイヤ車輪とし、弾性発泡体を圧縮装着し(空気充填無し)、タイヤ荷重:1名乗車相当の荷重条件下で排気量600cc超の二輪車に装着して不整地を走行し、プロのライダー2名によってフィーリング評価を行った。また、弾性発泡体の耐久性は、弾性発泡体を圧縮装着し(空気充填無し)、タイヤ荷重:1名乗車相当、走行速度120km/hの条件下でドラム試験機上を6時間走行させた後、タイヤを解体し、弾性発泡体の故障の有無で評価した。その評価結果を表1に示す。なお、操縦安定性および剛性感は、従来例1の値を3点とした5点満点での指数比であり、数値の大きいほど操縦安定性および剛性感が優れている。
【0041】
【表1】
【0042】
表1に示す結果から、実施例のタイヤは、剛性感を損なうことなく、操縦安定性および弾性発泡体の耐久性のいずれもが優れていることが分かる。
【0043】
【発明の効果】
この発明により、弾性発泡体の耐久性と操縦安定性の双方に優れた二輪車用タイヤを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う代表的な二輪車用タイヤの幅方向右半断面図である。
【図2】この発明に従う他の代表的な二輪車用タイヤの幅方向右半断面図である。
【図3】この発明に従う他の代表的な二輪車用タイヤの幅方向右半断面図である。
【図4】従来の二輪車用タイヤの幅方向右半断面図である。
【図5】従来の二輪車用タイヤの幅方向右半断面図である。
【図6】比較例の二輪車用タイヤの幅方向右半断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 ビードコア
3 ビード部
4 サイドウォール部
5 トレッド部
6 カーカス
7 ブロック
8 弾性発泡体
9a、9b アッププライ
10 ダウンプライ
11 最幅アッププライ折返し端位置
12 リム径ライン位置
13 クラウン部
14 第1補強層
15 第2補強層
16 第1補強層端縁位置
CL タイヤ赤道面
TW トレッド幅
SH タイヤ断面高さ
Claims (6)
- ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部および両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部とにわたってトロイド状に延びるカーカスを具え、トレッド部に複数個のブロックを区画形成し、ネガティブ率が70〜85%であり、タイヤ車輪の状態で形成される空洞内部に弾性発泡体を充填してなる二輪車用タイヤにおいて、
カーカスは、タイヤ赤道面に対して30〜50°の角度で延びるコードをゴム被覆してなるプライであって、ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返される少なくとも1枚のアッププライ、およびアッププライの外面を覆う少なくとも1枚のダウンプライで構成され、カーカスを構成するアッププライのうち、折返し端がタイヤ径方向で最も外側に位置する最幅アッププライの折返し端縁とリム径ライン位置の間をタイヤ径方向に沿って測定した距離がタイヤ断面高さの30〜70%であり、
カーカスのクラウン部に、プライコードよりも低伸度のコードをゴム被覆してなる第1補強層および第2補強層を設け、
第1補強層は、カーカスの外周側に位置し、かつその両端縁位置を、それぞれ最幅アッププライの両折返し端位置と一致またはタイヤ断面高さの20%以下のタイヤ径方向長さだけオーバーラップさせ、コードをタイヤ赤道面に対して35°以下の角度で延在させ、
第2補強層は、タイヤ赤道面を挟んで略対称に配置され、かつタイヤ幅方向に沿って測定した幅がトレッド幅の35〜55%であり、コードをタイヤ赤道面に対して25°以下の角度で延在させることを特徴とする二輪車用タイヤ。 - 弾性発泡体の見かけ比重が0.1〜0.2であり、かつ反発弾性が50〜80%である請求項1記載の二輪車用タイヤ。
- 第1補強層および第2補強層を構成するコードが芳香族ポリアミドまたはスチールからなる請求項1または2記載の二輪車用タイヤ。
- 第2補強層が第1補強層のクラウン部外周側に位置する請求項1〜3のいずれか一項記載の二輪車用タイヤ。
- 第2補強層がカーカスのクラウン部内周側に位置する請求項1〜3のいずれか一項記載の二輪車用タイヤ。
- カーカスを構成するコードがナイロンまたはポリエチレンテレフタレートからなる請求項1〜5のいずれか一項記載の二輪車用タイヤ。
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