JP3321458B2 - 二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents
二輪車用空気入りタイヤInfo
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Description
ッド側縁部とにおけるタイヤ周方向の剛性を適当なもの
とすることより、高速走行時の運動特性を向上させた二
輪車用空気入りタイヤに関するものである。
の向上に伴い、タイヤ赤道に対して75°〜90°の範囲内
の一定角度で配列された有機繊維コードのカーカスプラ
イからなるカーカスを具備し、当該カーカスとトレッド
ゴムとの間に、タイヤ赤道に対して小さな角度をなして
一様に配列されたコードのベルト層からなるベルトを具
える、いわゆるラジアル構造の二輪車用空気入りラジア
ルタイヤが種々提案されており、このようなタイヤは、
当該ベルトがカーカスをその周方向から締め付けてその
トレッドの動きを抑制するので、発熱が小さく、良好な
る耐摩耗性能、グリップ性能、そして高速性能を示すこ
とが知られている。
機繊維コードを螺旋卷回したベルト層からなるベルトを
配設し、トレッドのタイヤ周方向での曲げ剛性を高め
て、タイヤのトレッドの、半径方向外方への迫り出しを
抑制し、高速走行時の直進性を向上させ、更には、タイ
ヤ重量を低減させた二輪車用空気入りラジアルタイヤも
提案されている。なお、有機繊維コードとしては、トレ
ッド、特にはその中央部のタイヤ半径方向の迫り出しを
考慮して、通例は、600kg/mm2 以上の大きな弾性率を有
する芳香族ポリアミド繊維などが用いられている。
弾性率の大きな有機繊維コードを螺旋卷回したタイヤに
あっては、その構造ゆえに、トレッド中央部におけるタ
イヤの周方向の曲げ剛性の増大に伴って、サイドウォー
ルを含めたトレッド側縁部のそれも高くなることから、
路面に対してタイヤを傾けて旋回することを特徴とする
二輪車用タイヤにあっては、路面の凹凸や段差などによ
る外乱の影響を受けやすく、安定性が悪化するという問
題があり、この問題は高性能化に伴って偏平率を小さく
したタイヤにあって一層重大となる。しかも、芳香族ポ
リアミドのように弾性率の大きな繊維は、ナイロン6、
ナイロン66などの比較的弾性率の小さい繊維に比して高
価であり、コスト的にも解決されなければならない問題
があった。
たものあり、有機繊維コードがタイヤ赤道にほぼ平行に
配列されたタイヤの利点を損なうことなく、トレッドの
タイヤ幅方向での剛性分布を適当なものとし、高速性能
を維持しつつ、乗り心地、ハンドリング、更には旋回性
能など、タイヤ運動性能を向上させた二輪車用空気入り
タイヤを提供することをその目的とする。
め、本発明のタイヤにあっては、両端部が、タイヤ回転
軸線方向に相互に離間する一対のビードコアの周りに、
タイヤ回転軸線方向外側に向かってそれぞれ巻き上げら
れ、タイヤ赤道に対して75°〜90°の範囲内の一定角度
で配列された有機繊維コードよりなる少なくとも一枚の
カーカスプライからなるカーカスと、このカーカスによ
り補強されたトレッド及び一対のサイドウォールと、ト
レッドとカーカスとの間に配設された一層以上のベルト
層からなるベルトとを具える二輪車用空気入りタイヤで
あって、少なくとも一枚のベルト層を、タイヤ赤道にほ
ぼ平行に配列された、一種類の有機繊維コードにより形
成し、そのベルト層のコードを、全体にわたってほぼ一
定の張力下で巻回す工程を経て成型したグリーンタイヤ
を、トレッド中央部とその側縁部とにそれぞれ相当する
部分における膨出量を、トレッド中央部側で大きく側縁
部側で小さくして加硫してなるものであり、加硫成型後
のこのベルト層の、トレッド中央部に位置する複数のコ
ードのそれぞれに10%以上の伸びを付与した時の平均引
張り力を、トレッド側縁部に位置する複数のコードにほ
ぼ同一の伸びをそれぞれ付与した時の平均引張り力より
大きくしてなる。
車用空気入りラジアルタイヤの赤道Sに関する半部を示
す幅方向断面図であり、このタイヤ10は、赤道Sに対し
て75°〜90°の範囲の一定角度で配列した、例えば、ナ
イロン、ポリエステルなどの有機繊維コードの少なくと
も一枚のカーカスプライからなるカーカス12を具える。
カーカス12は、トロイダルに連なるトレッド14及びサイ
ドウォール16を補強して、その両端部が両サイドウォー
ル16の径方向内側端部近傍に埋設したビードコア18の周
りにタイヤ回転軸線方向外側に向かって巻き上げられて
いる。
と、カーカス12との間には、タイヤ赤道Sに実質的に平
行に螺旋卷回された、一種類の有機繊維コードにより形
成された少なくとも一枚のベルト層からなるベルト20を
配設する。このベルト層を構成する、タイヤ赤道Sにほ
ぼ平行に配列された有機繊維コードは、タイヤの加硫成
型後、特にはその直後に、トレッド中央部22における複
数のコードのそれぞれに10%以上の伸びを付与した際の
それらコードの平均引張り力が、トレッド側縁部24にお
ける複数のコードのそれぞれに同一の伸びを付与した際
の平均引張り力に比して大きな値を示すものとして、ト
レッド中央部におけるコードを、トレッド側縁部におけ
るそれに比して高弾性とする。なお、コードの平均引張
り力とは、複数本のコードに対してそれぞれ引張り力を
作用させ同一の伸びを付与するのに必要な引張り荷重の
平均値をさすものとする。また、タイヤ10は、必要であ
れば既知のタイヤと同様に、例えば、ビードコア18の周
りのカーカス12の巻き上げ部に隣接してゴムフィラー26
などを配設すること、トレッド14に溝部を設けることな
どができる。
ードのトレッド中央部に位置するコードの複数本の平均
引張り力を、その側縁部におけるコードの同一伸度にお
けるそれより大きな値とするのは、高速走行時における
トレッド中央部のタイヤ半径方向外方への迫り出しを抑
制する一方、その側縁部におけるしなやかさを維持し
て、バンク走行時の路目の凹凸や段差などによる外乱を
吸収し、タイヤの安定性を向上させるためである。
0を構成する、例えば、ナイロン6、ナイロン66、そ
してポリエステルなどの、一種類の有機繊維コードを、
ほぼ一定の張力の下でカーカスのクラウン部の周りにタ
イヤ赤道にほぼ平行に螺旋卷回したグリーンタイヤを、
加硫後のタイヤの、トレッド中央部とその側縁部とにそ
れぞれ相当する部分における膨出量がトレッド中央部側
で大きく側縁部側で小さくなるよう加硫成型することに
より得られる。
その内部に0.3kg/cm2の内圧を適用した場合の当該タイ
ヤ外径Doと、2.9kg/cm2の内圧を適用した場合のタイ
ヤ外径Dとの比、即ちD/Doが、1.5 %〜5%の関係
を満足するようものであることが好ましく、このことに
より、タイヤに適度な周方向剛性を付与することができ
る。
卷回するのではなく、トレッド中央部における張力がト
レッド側縁部におけるそれより大きくなるように卷回さ
れたグリーンタイヤを、既知のモールドを用いて加硫成
型することによっても、加硫成型直後のタイヤのトレッ
ド中央部22における有機繊維コードの平均引張り力を、
トレッド側縁部24におけるコードに同一伸度を付与した
場合の平均引張り力に比して大きくすることができる。
道Sにほぼ平行に配列するには、単一の有機繊維コード
をタイヤ赤道Sにほぼ平行に螺旋卷回することによるば
かりでなく、複数本の有機繊維コードを相互に平行に隣
接させて纏めてテープ状に形成し、このテープをカーカ
ス12のクラウン部の周りに貼着しても良い。この場合
には、単一のコードを螺旋卷回する場合に比してベルト
配設作業に要する時間を短縮することができるという利
点がある。しかも、何れの方法にあっても、タイヤ赤道
Sに平行に螺旋卷回される有機繊維コードとしてナイロ
ン6、ナイロン66などの芳香族ポリアミド繊維に比して
安価なコードを使用することができるので、コスト的に
も極めて有利である。
充分に抑制するためには、タイヤ赤道Sにほぼ平行に延
在する有機繊維コードよりなるベルト層を、タイヤ10の
トレッド幅Wの70%〜 110%とすることが好ましいが、
この範囲に限定されるものではなく、タイヤの仕様に応
じてコードの螺旋卷回幅、更にはそのベルト層の数を変
更できることは勿論である。
Sに対してほぼ平行に螺旋卷回された、一種類の有機繊
維コードよりなるベルト層20aに加え、当該ベルト層20
aとカーカス12との間にタイヤ赤道Sに対して45°〜90
°の角度範囲で一方向に整列させて配列したコードから
なる他のベルト層20bを一層又は複数層に配設した構造
を有するものである。勿論、このようなタイヤにあって
も、ベルト層20aを複数層に配設することができる。そ
して、このように、ベルト層20aに加えてベルト層20b
を具えるタイヤにあっては、タイヤ踏面部における剛性
を高めることができるので、タイヤ設計に対する自由度
が大きくなる。
ぼ平行に配列されてベルト層を構成する、加硫成型後の
トレッド中央部での、複数の有機繊維コードのそれぞれ
の引張り力の平均値Aが、図3に示したように、トレッ
ド側縁部における複数のコードにほぼ同一の伸びをそれ
ぞれ付与した際の引張り力の平均値Bより大きいことか
ら、トレッド中央部におけるタイヤ剛性が相対的に高
く、トレッド側縁部におけるタイヤ剛性が相対的に低く
なり、これがため、トレッド中央部側に関しては、芳香
族ポリアミド繊維の如き弾性率の大きなコードをタイヤ
赤道Sにほぼ平行に螺旋卷回したベルト層を有するタイ
ヤの場合と同様に、高速走行時のその中央部の半径方向
外方への迫り出しを抑制することができ、この一方で、
トレッド側縁部側では、相対的な剛性の低さの下に、バ
ンク走行時の路面の凹凸や段差などを充分に吸収するこ
とで、すぐれた安定性を確保することきる。
イヤを試作し、高速走行時のトレッド中央部におけるタ
イヤ半径方向外方への迫り出し量、直進安定性、旋回安
定性、そして旋回はね、いわゆるチャタリングについて
比較試験を行った。
イヤで、タイヤ赤道Sにほぼ90°の角度をなす太さ1260
d/2 のナイロン66のコードよりなるカーカスプライを一
層有するカーカスと、当該カーカスのクラウンに沿って
太さ1890d/3 のナイロン66よりなるコードを、トレッド
幅Wの95%に亙ってタイヤ赤道Sにほぼ平行に螺旋卷回
したベルト層の一層からなるベルトとを具え、成型直後
のタイヤのトレッド中央部における5本のベルトコード
にそれぞれ20%の伸びを与えた時の平均引張り力を指数
表示で 100とした時に、トレッド側縁部の5本のコード
にそれぞれ同一の伸びを付与した時の平均引張り力を85
としたタイヤ。
ド中央部における5本のベルトコードにそれぞれ20%の
伸びを与えた時の当該コードの平均引張り力を85、トレ
ッド側縁部における5本のベルトコードにそれぞれ同等
な伸びを付与した時の平均引張り力を85とした点を除
き、図1に示したタイヤと同様の構造としたタイヤ。 比較タイヤ2:成型直後のタイヤのトレッド中央部にお
ける5本のベルトコードにそれぞれ20%の伸びを与えた
時の当該コードの平均引張り力を 100、トレッド側縁部
の5本のベルトコードのそれぞれ同一の伸びを付与した
時の平均引張り力を 100とした点を除き、図1に示した
タイヤと同様の構造としたタイヤ。
タイヤ赤道面に対してほぼ90°の角度をなして配列され
た太さ1260d/2 の66ナイロンコードのカーカスプライを
2層重ね合わせてカーカスとする一方、それぞれのプラ
イの端部をビードコアの周りにタイヤ内側から外側に巻
き上げ、当該カーカスのクラウンの外周にタイヤ赤道S
に対してほぼ24°の角度をなして一様に配列された太さ
1500d/2 の芳香族ポリアミド繊維よりなるコードよりな
るベルト層を、それぞれのコードが互いに斜交するよう
配設し、当該ベルト層がトレッド幅Wに対して約95%の
幅を有するタイヤを用いた。
スポーツタイプの実車の後輪に装着し、乾燥路としたテ
ストコースを走行して、トレッドのタイヤ半径方向外方
への迫り出し量を測定する一方、直進安定性、旋回安定
性そして旋回はねなどについてフィーリングテストを行
い、指数評価した。なお、指数が大きいほど性能に優れ
る。
ば、ベルトとして、タイヤ赤道Sにほぼ平行に複数のコ
ードが配設された少なくとも一のベルト層を有するタイ
ヤの、その半径方向外方へのトレッドの迫り出しを抑制
しつつ、タイヤの運動性能を向上させ得ることがわか
る。
性を全体的に高めることなく、所望部位の剛性だけを高
めて高速走行時の運動性能を向上させた、二輪車用空気
入りタイヤを提供することができる。
て示す幅方向断面図である。
示す幅方向断面図である。
とにおけるそれぞれ複数のコードの、同一伸度における
平均引張り力を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 両端部が、タイヤ回転軸線方向に相互に
離間する一対のビードコアの周りに、タイヤ回転軸線方
向外側に向かってそれぞれ巻き上げられ、タイヤ赤道に
対して75°〜90°の範囲内の一定角度で配列された有機
繊維コードよりなる少なくとも一枚のカーカスプライか
らなるカーカスと、このカーカスにより補強されたトレ
ッド及び一対のサイドウォールと、トレッドとカーカス
との間に配設された一層以上のベルト層からなるベルト
とを具える二輪車用空気入りタイヤであって、 少なくとも一枚のベルト層を、タイヤ赤道にほぼ平行に
配列された、一種類の有機繊維コードにより形成し、 そのベルト層のコードを、全体にわたってほぼ一定の張
力下で巻回す工程を経て成型したグリーンタイヤを、ト
レッド中央部とその側縁部とにそれぞれ相当する部分に
おける膨出量を、トレッド中央部側で大きく側縁部側で
小さくして加硫してなるものであり、 加硫成型後のこのベルト層の、トレッド中央部に位置す
る複数のコードのそれぞれに10%以上の伸びを付与した
時の平均引張り力を、トレッド側縁部に位置する複数の
コードにほぼ同一の伸びをそれぞれ付与した時の平均引
張り力より大きくしてなる二輪車用空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000133138A JP3321458B2 (ja) | 1991-03-05 | 2000-05-02 | 二輪車用空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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Family
ID=18641690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000133138A Expired - Lifetime JP3321458B2 (ja) | 1991-03-05 | 2000-05-02 | 二輪車用空気入りタイヤ |
Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3552843A3 (en) * | 2018-02-27 | 2019-12-18 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Two-wheeled vehicle tyre |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP4755334B2 (ja) * | 2000-11-22 | 2011-08-24 | 住友ゴム工業株式会社 | 自動二輪車用ラジアルタイヤの製造方法 |
-
2000
- 2000-05-02 JP JP2000133138A patent/JP3321458B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3552843A3 (en) * | 2018-02-27 | 2019-12-18 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Two-wheeled vehicle tyre |
US11465447B2 (en) | 2018-02-27 | 2022-10-11 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Two-wheeled vehicle tyre |
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