JP2004141722A - 板状部品の洗浄装置および洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄能力の高い板状部品の洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置100は、板状部品1を搬送する回転ローラ2と、搬送される板状部品1に洗浄液としての水膜5を噴射する水膜ノズル4と、板状部品1との間に隙間を形成するように位置決めされて噴射された水膜5が板状部品1と衝突する板状部品1の接触位置1pを覆うカバー12aとを備える。カバー12aの幅W1は板状部品1の幅W2以上である。カバー12aは板状であり、カバー12aと板状部品1との距離は3mm以下である。カバーは、内部空間を有する箱状であってもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】洗浄装置100は、板状部品1を搬送する回転ローラ2と、搬送される板状部品1に洗浄液としての水膜5を噴射する水膜ノズル4と、板状部品1との間に隙間を形成するように位置決めされて噴射された水膜5が板状部品1と衝突する板状部品1の接触位置1pを覆うカバー12aとを備える。カバー12aの幅W1は板状部品1の幅W2以上である。カバー12aは板状であり、カバー12aと板状部品1との距離は3mm以下である。カバーは、内部空間を有する箱状であってもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、板状部品の洗浄装置および洗浄方法に関し、特に、液晶用ガラス基板、液晶パネル、ICウェハなどの板状の部品を洗浄する洗浄装置および洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶用ガラス基板の洗浄方法では、洗浄性能の向上および洗浄むらの防止が必要とされている。たとえば、特開平7−64091号公報には、ガラス基板の液の濡れ方を制御し、洗浄を行なう方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−64091号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の方法では、ラビング処理後の角型基板を洗浄する前に角型基板の両側面にそれぞれ、上端縁が基板の上面より高く保持された側板を当接させる。基板に側板が当接した状態で基板の表面へ高圧スプレイ管から純水をカーテン状に流下させ、流動する純水で基板の表面全体を層状に覆う。この状態のまま基板を洗浄室へ搬送して洗浄する。
【0005】
しかしながら、この方法では、流速が10m/s以上でカーテン状に洗浄液を流下させた場合、側板に当たった洗浄液が飛び跳ねて大量のミストが発生するという問題があった。また、側板と基板との間の洗浄液の流速が極端に低下し、側板近傍では洗浄性能が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、高い洗浄能力を有する板状部品の洗浄装置および洗浄方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った板状部品の洗浄装置は、板状部品を搬送する搬送部と、搬送される板状部品に洗浄液を噴射する噴射部と、板状部品との間に隙間を形成するように位置決めされ、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分を覆うカバーとを備える。カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上である。
【0008】
このように構成された板状部品の洗浄装置においては、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分をカバーが覆うため、この部分でミストが発生したとしても、そのミストはカバーに当たり、拡散することがない。さらに、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるため、板状部品の幅全体に亘ってカバーが覆われ、板状部品上での洗浄液の流路および流速が安定する。その結果、高い洗浄性能を発揮することができる。
【0009】
また好ましくは、カバーは板状であり、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるようにカバーが位置決めされている。
【0010】
この場合、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下であるため、カバーの端部が洗浄液の流れと接触する。
【0011】
また好ましくは、カバーは内部空間を有する箱状であり、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるように、かつ内部空間が板状部品に向かい合うようにカバーが位置決めされている。
【0012】
この場合、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下であるため、カバーの端部が洗浄液の流れと接触する。
【0013】
この発明に従った板状部品の洗浄方法は、板状部品との間に隙間を形成するように位置決めされたカバーであって、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるカバーを準備する工程と、カバーから離隔した位置で板状部品を搬送する工程と、搬送される板状部品に洗浄液を噴射する工程とを備える。洗浄液を噴射する工程は、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分をカバーが覆うように洗浄液を噴射する工程を含む。
【0014】
このような工程を備えた板状部品の洗浄方法に従えば、洗浄液を噴射する工程は、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する板状部品の部分をカバーが覆うように洗浄液が噴射されるため、噴射された洗浄液はカバーに当たり、ミストが発生しても、このミストが拡散することがない。その結果、大量のミストの発生を防止することができる。さらに、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるため、カバーは、板状部品の幅の全部分を覆う。その結果、板状部品の全体で洗浄液の流路および流速が安定して、洗浄性能が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一または相当する部分については同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。さらに、以下の実施の形態は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿ってこれらの実施の形態を変更することは、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った板状部品の洗浄装置の模式図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った板状部品の洗浄装置100は、板状部品1を搬送する搬送部としての回転ローラ2と、回転ローラ2から離隔するように設けられて洗浄液としての純水を噴射する噴射部としての水膜ノズル4と、水膜ノズル4に純水を供給するポンプ6と、板状部品1を覆うカバー12aと、洗浄された板状部品1をリンスする乾燥前シャワー8と、板状部品1を乾燥させるエアナイフ9と、ポンプ6、水膜ノズル4、乾燥前シャワー8およびエアナイフ9などの各要素を制御する制御部20とを備える。
【0017】
板状部品1が回転ローラ2の上に置かれる。板状部品1は図1中の矢印3で示す方向に搬送される。板状部品1が搬送されるとカーテン状の洗浄液が水膜5として噴出し、水膜5が板状部品1に衝突する。
【0018】
図2は、図1で示す水膜ノズルの断面図である。図2を参照して、カーテン状に洗浄液を噴出させるために、水膜ノズル4の断面は図2で示すようにギャップ7を有する。洗浄液の使用量を削減するためには、水膜の厚みを薄くする必要がある。この場合には、水膜ノズル4のギャップ7を狭め、ポンプ6の吐出圧力を向上させる。水膜5を通過した板状部品1は乾燥前シャワー8とエアナイフ9を通過し、乾燥させた後に洗浄装置からロボット(図示せず)で搬出される。
【0019】
板状部品1から、平均粒径(直径)が3μm以上の粒子を取り去るためには、水膜5の流速を30m/s程度にする必要がある。大量の水をポンプ6で送り出し、流速を30m/s以上にする方法もあるが、水の使用量を削減するためには、水膜ノズル4のギャップ7を狭くする方法が有効である。流速が30m/sの場合には、ギャップ7の幅を20μm、ポンプ6の吐出圧力を4MPaにすると達成できる。
【0020】
板状部品1から平均粒径が1μm以上の粒子を取り去るためには、水膜5の流速を100m/s以上にする必要がある。板状部品1から取り去る粒子のサイズと流速と、それを実現するためのギャップ7の距離とポンプ6の吐出圧力の関係を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
ここで、粒子を取り去るとは、100%の粒子を取り去ることではなく、概ね60%以上の数が洗浄前後で減少していれば、洗浄可能と判断する。
【0023】
しかしながら、上述のとおり、高速の水膜5を板状部品1に当てただけでは、取り去ることのできる粒子は60%程度である。残りの40%の粒子は特定の場所に集まる。この場所は水の流れから説明できる。
【0024】
図3は、図1の水膜ノズルを拡大した平面図であり、図4は、図3中の矢印IVで示す方向から見た水膜ノズルの側面図である。図5は、板状部品上での水の流れを説明するための板状部品の平面図である。図6は、図5中の矢印VIで示す方向から見た板状部品の側面図である。なお、図3から図6では、図1で示すカバー12aが存在していない。
【0025】
図3および4を参照して、板状部品1は、回転ローラ2により搬送されて、水膜ノズル4から噴射される水膜5に近づく。
【0026】
図5および図6を参照して、水膜ノズル4から噴射される水膜5が板状部品1に衝突すると、水の流れは、矢印11で示すようになる。このとき、水の流れは、板状部品1の後端部にくると図5で示すように板状部品1の中心部に水が集まり、端部では、矢印10で示すように逆向きの渦が形成される。この逆向きの渦の場所が粒子が集まる特定の場所と合致する。この渦を形成させないようにしながら、板状部品1の上の水を板状部品1上から排出するためには、カバーを設けることが有効であった。
【0027】
図7は、カバーの平面図であり、図8は、図7中の矢印VIIIで示す方向から見たカバーの側面図である。図7および8で示すように、カバー12aを置くことにより、図5で示す逆向きの渦の発生を防止できることがわかった。なお、カバー12aの幅W1は、板状部品1の幅W2よりも広くなければ、逆向きの渦の発生を防止できない。カバー12aの幅W1および板状部品1の幅W2は、矢印13で示す水膜の流れと交差する方向(直交する方向)に沿った幅である。
【0028】
カバー12aと板状部品1との距離は、板状部品1の水膜の厚みにより変化する。板状部品1上の水膜の速度が速い場合には、水膜の厚みが薄くなるために、板状部品1にカバー12aを近づけ、水膜の速度が遅い場合には、水膜が厚くなるために、カバー12aを板状部品1から遠ざけると洗浄能力が向上する。
【0029】
例を挙げると、水膜5の流速が5m/sで、板状部品1と、水膜ノズル4から噴射された水膜5とが形成する角度が20度である場合には、カバー12aと板状部品1との最短距離(エッジ部分12eと板状部品1との距離)が3mmとし、水膜5と板状部品1との交差する接触位置1pからエッジ部分12eまでの距離が70mmとすると、逆向きの渦が発生せずに理想的な流れを得ることができた。
【0030】
水膜5の流速が10m/sで、板状部品1と水膜ノズル4から噴射された水膜5とのなす角度が20度である場合、エッジ部分12eと板状部品1との距離を2mm、水膜5と板状部品1の交差する接触位置1pからカバー12aのエッジ部分12eまでの距離が100mmとすると、逆向きの渦が発生せずに理想的な流れを得ることができた。
【0031】
水膜5の流速が30m/sで、板状部品1と水膜ノズル4から噴射された水膜5とのなす角度が20度であった場合には、カバー12aのエッジ部分12eと板状部品1との距離を1mm、水膜5と板状部品1の交差する接触位置1pからエッジ部分12eまでの距離を200mmとすると、逆向きの渦が発生せずに理想的な流れを得ることができた。
【0032】
カバー12aは矢印10のような逆向きの渦を形成させない効果以外にも、ミストの発生量を抑える効果がある。具体的には、水膜ノズル4から噴射された後は板状部品1に当たりミストを発生させるが、このミストがカバー12aにより抑えられる。これにより、粒子の再付着が低減でき、洗浄能力の向上が図れる。ミストの発生を抑えることは洗浄能力の向上以外にも、装置からの排気量を削減でき、工場ユーティリティ負荷を削減する効果もある。
【0033】
図9は、この発明の実施の形態1での別の局面に従ったカバーの平面図である。図10は、図9中の矢印Xで示す方向から見たカバーの側面図である。図9および10を参照して、カバー12bは箱状であり内部空間12iを有し、内部空間12iが板状部品1に向い合う。
【0034】
図7から10で示したカバー12aおよび12bを用いると、どの程度の粒子を削減できるかを評価した。その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表2では、流速を一定とした場合に、カバーがある場合とカバーがない場合でどの程度の粒子を取り去ることができるかを評価している。
【0037】
また、特開平7−64091号公報記載の方法での洗浄能力を評価したが、その場合には、表2のカバーがない場合と同等以下の洗浄性能しか得ることができなかった。
【0038】
以上のように、この発明の実施の形態1に従った洗浄装置においては、洗浄装置100は、板状部品1を搬送する搬送部としての回転ローラ2と、搬送される板状部品1に洗浄液としての純水を噴射する噴射部としての水膜ノズル4と、板状部品1との間に隙間を形成するように位置決めされ、噴射された洗浄液が板状部品1と衝突する板状部品1の部分を覆うカバー12aおよび12bとを備える。カバー12aおよび12bの幅W1は板状部品1の幅W2以上である。
【0039】
図7および8では、カバー12aは板状であり、カバー12a内で板状部品1と最も近い部分であるエッジ部分12eと、板状部品1との距離が3mm以下となるようにカバー12aが位置決めされている。
【0040】
図9および10では、カバー12bは内部空間12iを有する箱状であり、カバー12b内で板状部品1と最も近い部分であるエッジ部分12eと、板状部品1との距離が3mm以下となるように、かつ内部空間12iが板状部品1に向かい合うようにカバー12bが位置決めされている。
【0041】
なお、水膜ノズル4から噴射される水膜5と、板状部品1との角度は小さいほどよいが、角度が小さくなると、水膜ノズル4が板状部品1と干渉するため、この角度はある程度大きくする必要がある。さらに、エッジ部分12eは、図6および8で示したように板状部品1と平行であってもよいが、平行でなくてもよい。
【0042】
さらに、箱状のカバー12bの両側は開放されている。板状部品1のサイズとしてはさまざまなものを採用することができるが、例えば縦×横を、320mm×400mm、または、730mm×920mmとすることができる。
【0043】
(実施の形態2)
図11は、この発明の実施の形態2に従った板状部品の洗浄装置の模式的な断面図である。図11を参照して、この発明の実施の形態2に従った洗浄装置100では、板状部品1の裏面側に、超音波ノズル17を用いて超音波18を照射している点で、実施の形態1に従った洗浄装置と異なる。
【0044】
すなわち、実施の形態2に従った洗浄装置100では、回転軸42に取付けられた回転ローラ2が板状部品1を矢印3で示す方向に搬送する。このとき、水膜ノズル4から水膜5が噴射される。噴射された水膜5は接触位置1pにより板状部品1に接触する。この接触位置1pは回転ローラ2の真上に位置する。
【0045】
2つの回転ローラ2の間に超音波ノズル17が取付けられており、超音波ノズル17の開口17aから超音波18が放射される。板状部品1の面のうち、洗浄液が噴射される面と反対側に超音波18が噴射される。板状部品1から離隔するようにカバー12aが設けられる。水膜5は矢印32で示す方向に射出され、水膜ノズル4の中心線33と板状部品1とが交差する位置が接触位置1pである。なお、このカバー12aは、図9および図10で示した箱型のものであってもよい。
【0046】
図12は、図11で示す洗浄装置の作用を説明するための図である。図12を参照して、板状部品1上では水膜の流れができるが、この流れは、流速が小さい境界層41と、流速が大きい主流51とに分かれる。境界層41での洗浄液の流れが板状部品1表面に付着した粒子16を動かす(ステップ▲1▼)。
【0047】
動かされた粒子16は、超音波ノズル17から照射された超音波18により持ち上げられる(ステップ▲2▼)。
【0048】
この粒子16は、さらに持ち上げられて主流51内へ入る(ステップ▲3▼)。
主流51内に入った粒子16は主流51内の大きな流れにより運び去られる(ステップ▲4▼)。
【0049】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に従った洗浄装置100では、まず実施の形態1に従った洗浄装置100と同様の効果がある。さらに、板状部品1の裏面から超音波18を照射するため、粒子16が離れやすくなるため、粒子16を効率よく除去することができる。さらに、水膜5と板状部品1の接触位置1pを回転ローラ2の真上としているため、水膜5による荷重で板状部品1が撓むことがなくなり、板状部品1の破損を防止することができる。
【0050】
(実施の形態3)
図13は、この発明の実施の形態3に従った洗浄装置の側面図である。図14は、図13中の矢印XIVで示す方向から見た洗浄装置の平面図である。図13および図14を参照して、この発明の実施の形態3に従った洗浄装置100では、搬送部としての回転ローラ2および62により板状部品1が挟み込まれている点で、実施の形態1に従った洗浄装置100と異なる。回転ローラ2および62は回転軸42および52に取付けられている。回転ローラ2が何らかの駆動源に取付けられた回転し、回転ローラ62が空転してもよい。またこれとは逆に、回転ローラ62が何らかの駆動源に取付けられて回転し、回転ローラ2が空転してもよい。さらに、両方の回転ローラ62および2が駆動源に取付けられて回転してもよい。
【0051】
回転ローラ62が板状部品1と接触する部分は、図14で示されるように、板状部品1の両端部である。この両端部を回転ローラ62が押えるため、回転ローラ62の間を水膜が流れる。また、回転ローラ62の間に超音波ノズル17の開口17aが位置している。カバー12aには、回転ローラ62を受入れるための切込み12kが設けられている。
【0052】
このように構成された、この発明の実施の形態3に従った洗浄装置100では、実施の形態2に従った洗浄装置100と同様の効果がある。さらに、板状部品1を上下の回転ローラ2および62で挟み込むため、水膜ノズル4から噴射される水膜5の流速が速くなった場合でも、この流速とは反対向きに確実に板状部品1を搬送することができる。
【0053】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態はさまざまに変形することが可能である。まず、各実施の形態を組合せることが可能である。さらに、回転ローラ2および62、水膜ノズル4、カバー12aおよび12bの寸法などは必要に応じて適宜変更することが可能である。
【0054】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0055】
【発明の効果】
この発明に従った板状部品の洗浄装置においては、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分をカバーが覆うため、この部分でミストが発生したとしても、そのミストはカバーに当たり、拡散することがない。さらに、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるため、板状部品の幅全体に亘ってカバーが覆われ、板状部品上での洗浄液の流路および流速が安定する。その結果、高い洗浄性能を発揮することができる。
【0056】
カバーは板状であり、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるようにカバーが位置決めされていれば、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下であるため、カバーの端部が洗浄液の流れと接触する。
【0057】
カバーは内部空間を有する箱状であり、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるように、かつ内部空間が板状部品に向かい合うようにカバーが位置決めされていれば、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下であるため、カバーの端部が洗浄液の流れと接触する。
【0058】
この発明に従った板状部品の洗浄方法では、洗浄液を噴射する工程は、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する板状部品の部分をカバーが覆うように洗浄液が噴射されるため、噴射された洗浄液はカバーに当たり、ミストが発生しても、このミストが拡散することがない。その結果、大量のミストの発生を防止することができる。さらに、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるため、カバーは、板状部品の幅の全部分を覆う。その結果、板状部品の全体で洗浄液の流路および流速が安定して、洗浄性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施の形態1に従った板状部品の洗浄装置の模式図である。
【図2】図1で示す水膜ノズルの断面図である。
【図3】図1の水膜ノズルを拡大した平面図である。
【図4】図3中の矢印IVで示す方向から見た水膜ノズルの側面図である。
【図5】板状部品上での水の流れを説明するための板状部品の平面図である。
【図6】図5中の矢印VIで示す方向から見た板状部品の側面図である。
【図7】カバーの平面図である。
【図8】図7中の矢印VIIIで示す方向から見たカバーの側面図である。
【図9】この発明の実施の形態1での別の局面に従ったカバーの平面図である。
【図10】図9中の矢印Xで示す方向から見たカバーの側面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に従った板状部品の洗浄装置の模式的な断面図である。
【図12】図11で示す洗浄装置の作用を説明するための図である。
【図13】この発明の実施の形態3に従った洗浄装置の側面図である。
【図14】図13中の矢印XIVで示す方向から見た洗浄装置の平面図である。
【符号の説明】
1 板状部品、2,62 回転ローラ、4 水膜ノズル、5 水膜、12a,12b カバー、100 洗浄装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、板状部品の洗浄装置および洗浄方法に関し、特に、液晶用ガラス基板、液晶パネル、ICウェハなどの板状の部品を洗浄する洗浄装置および洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶用ガラス基板の洗浄方法では、洗浄性能の向上および洗浄むらの防止が必要とされている。たとえば、特開平7−64091号公報には、ガラス基板の液の濡れ方を制御し、洗浄を行なう方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−64091号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の方法では、ラビング処理後の角型基板を洗浄する前に角型基板の両側面にそれぞれ、上端縁が基板の上面より高く保持された側板を当接させる。基板に側板が当接した状態で基板の表面へ高圧スプレイ管から純水をカーテン状に流下させ、流動する純水で基板の表面全体を層状に覆う。この状態のまま基板を洗浄室へ搬送して洗浄する。
【0005】
しかしながら、この方法では、流速が10m/s以上でカーテン状に洗浄液を流下させた場合、側板に当たった洗浄液が飛び跳ねて大量のミストが発生するという問題があった。また、側板と基板との間の洗浄液の流速が極端に低下し、側板近傍では洗浄性能が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、高い洗浄能力を有する板状部品の洗浄装置および洗浄方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った板状部品の洗浄装置は、板状部品を搬送する搬送部と、搬送される板状部品に洗浄液を噴射する噴射部と、板状部品との間に隙間を形成するように位置決めされ、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分を覆うカバーとを備える。カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上である。
【0008】
このように構成された板状部品の洗浄装置においては、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分をカバーが覆うため、この部分でミストが発生したとしても、そのミストはカバーに当たり、拡散することがない。さらに、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるため、板状部品の幅全体に亘ってカバーが覆われ、板状部品上での洗浄液の流路および流速が安定する。その結果、高い洗浄性能を発揮することができる。
【0009】
また好ましくは、カバーは板状であり、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるようにカバーが位置決めされている。
【0010】
この場合、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下であるため、カバーの端部が洗浄液の流れと接触する。
【0011】
また好ましくは、カバーは内部空間を有する箱状であり、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるように、かつ内部空間が板状部品に向かい合うようにカバーが位置決めされている。
【0012】
この場合、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下であるため、カバーの端部が洗浄液の流れと接触する。
【0013】
この発明に従った板状部品の洗浄方法は、板状部品との間に隙間を形成するように位置決めされたカバーであって、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるカバーを準備する工程と、カバーから離隔した位置で板状部品を搬送する工程と、搬送される板状部品に洗浄液を噴射する工程とを備える。洗浄液を噴射する工程は、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分をカバーが覆うように洗浄液を噴射する工程を含む。
【0014】
このような工程を備えた板状部品の洗浄方法に従えば、洗浄液を噴射する工程は、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する板状部品の部分をカバーが覆うように洗浄液が噴射されるため、噴射された洗浄液はカバーに当たり、ミストが発生しても、このミストが拡散することがない。その結果、大量のミストの発生を防止することができる。さらに、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるため、カバーは、板状部品の幅の全部分を覆う。その結果、板状部品の全体で洗浄液の流路および流速が安定して、洗浄性能が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一または相当する部分については同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。さらに、以下の実施の形態は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿ってこれらの実施の形態を変更することは、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った板状部品の洗浄装置の模式図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1に従った板状部品の洗浄装置100は、板状部品1を搬送する搬送部としての回転ローラ2と、回転ローラ2から離隔するように設けられて洗浄液としての純水を噴射する噴射部としての水膜ノズル4と、水膜ノズル4に純水を供給するポンプ6と、板状部品1を覆うカバー12aと、洗浄された板状部品1をリンスする乾燥前シャワー8と、板状部品1を乾燥させるエアナイフ9と、ポンプ6、水膜ノズル4、乾燥前シャワー8およびエアナイフ9などの各要素を制御する制御部20とを備える。
【0017】
板状部品1が回転ローラ2の上に置かれる。板状部品1は図1中の矢印3で示す方向に搬送される。板状部品1が搬送されるとカーテン状の洗浄液が水膜5として噴出し、水膜5が板状部品1に衝突する。
【0018】
図2は、図1で示す水膜ノズルの断面図である。図2を参照して、カーテン状に洗浄液を噴出させるために、水膜ノズル4の断面は図2で示すようにギャップ7を有する。洗浄液の使用量を削減するためには、水膜の厚みを薄くする必要がある。この場合には、水膜ノズル4のギャップ7を狭め、ポンプ6の吐出圧力を向上させる。水膜5を通過した板状部品1は乾燥前シャワー8とエアナイフ9を通過し、乾燥させた後に洗浄装置からロボット(図示せず)で搬出される。
【0019】
板状部品1から、平均粒径(直径)が3μm以上の粒子を取り去るためには、水膜5の流速を30m/s程度にする必要がある。大量の水をポンプ6で送り出し、流速を30m/s以上にする方法もあるが、水の使用量を削減するためには、水膜ノズル4のギャップ7を狭くする方法が有効である。流速が30m/sの場合には、ギャップ7の幅を20μm、ポンプ6の吐出圧力を4MPaにすると達成できる。
【0020】
板状部品1から平均粒径が1μm以上の粒子を取り去るためには、水膜5の流速を100m/s以上にする必要がある。板状部品1から取り去る粒子のサイズと流速と、それを実現するためのギャップ7の距離とポンプ6の吐出圧力の関係を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
ここで、粒子を取り去るとは、100%の粒子を取り去ることではなく、概ね60%以上の数が洗浄前後で減少していれば、洗浄可能と判断する。
【0023】
しかしながら、上述のとおり、高速の水膜5を板状部品1に当てただけでは、取り去ることのできる粒子は60%程度である。残りの40%の粒子は特定の場所に集まる。この場所は水の流れから説明できる。
【0024】
図3は、図1の水膜ノズルを拡大した平面図であり、図4は、図3中の矢印IVで示す方向から見た水膜ノズルの側面図である。図5は、板状部品上での水の流れを説明するための板状部品の平面図である。図6は、図5中の矢印VIで示す方向から見た板状部品の側面図である。なお、図3から図6では、図1で示すカバー12aが存在していない。
【0025】
図3および4を参照して、板状部品1は、回転ローラ2により搬送されて、水膜ノズル4から噴射される水膜5に近づく。
【0026】
図5および図6を参照して、水膜ノズル4から噴射される水膜5が板状部品1に衝突すると、水の流れは、矢印11で示すようになる。このとき、水の流れは、板状部品1の後端部にくると図5で示すように板状部品1の中心部に水が集まり、端部では、矢印10で示すように逆向きの渦が形成される。この逆向きの渦の場所が粒子が集まる特定の場所と合致する。この渦を形成させないようにしながら、板状部品1の上の水を板状部品1上から排出するためには、カバーを設けることが有効であった。
【0027】
図7は、カバーの平面図であり、図8は、図7中の矢印VIIIで示す方向から見たカバーの側面図である。図7および8で示すように、カバー12aを置くことにより、図5で示す逆向きの渦の発生を防止できることがわかった。なお、カバー12aの幅W1は、板状部品1の幅W2よりも広くなければ、逆向きの渦の発生を防止できない。カバー12aの幅W1および板状部品1の幅W2は、矢印13で示す水膜の流れと交差する方向(直交する方向)に沿った幅である。
【0028】
カバー12aと板状部品1との距離は、板状部品1の水膜の厚みにより変化する。板状部品1上の水膜の速度が速い場合には、水膜の厚みが薄くなるために、板状部品1にカバー12aを近づけ、水膜の速度が遅い場合には、水膜が厚くなるために、カバー12aを板状部品1から遠ざけると洗浄能力が向上する。
【0029】
例を挙げると、水膜5の流速が5m/sで、板状部品1と、水膜ノズル4から噴射された水膜5とが形成する角度が20度である場合には、カバー12aと板状部品1との最短距離(エッジ部分12eと板状部品1との距離)が3mmとし、水膜5と板状部品1との交差する接触位置1pからエッジ部分12eまでの距離が70mmとすると、逆向きの渦が発生せずに理想的な流れを得ることができた。
【0030】
水膜5の流速が10m/sで、板状部品1と水膜ノズル4から噴射された水膜5とのなす角度が20度である場合、エッジ部分12eと板状部品1との距離を2mm、水膜5と板状部品1の交差する接触位置1pからカバー12aのエッジ部分12eまでの距離が100mmとすると、逆向きの渦が発生せずに理想的な流れを得ることができた。
【0031】
水膜5の流速が30m/sで、板状部品1と水膜ノズル4から噴射された水膜5とのなす角度が20度であった場合には、カバー12aのエッジ部分12eと板状部品1との距離を1mm、水膜5と板状部品1の交差する接触位置1pからエッジ部分12eまでの距離を200mmとすると、逆向きの渦が発生せずに理想的な流れを得ることができた。
【0032】
カバー12aは矢印10のような逆向きの渦を形成させない効果以外にも、ミストの発生量を抑える効果がある。具体的には、水膜ノズル4から噴射された後は板状部品1に当たりミストを発生させるが、このミストがカバー12aにより抑えられる。これにより、粒子の再付着が低減でき、洗浄能力の向上が図れる。ミストの発生を抑えることは洗浄能力の向上以外にも、装置からの排気量を削減でき、工場ユーティリティ負荷を削減する効果もある。
【0033】
図9は、この発明の実施の形態1での別の局面に従ったカバーの平面図である。図10は、図9中の矢印Xで示す方向から見たカバーの側面図である。図9および10を参照して、カバー12bは箱状であり内部空間12iを有し、内部空間12iが板状部品1に向い合う。
【0034】
図7から10で示したカバー12aおよび12bを用いると、どの程度の粒子を削減できるかを評価した。その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表2では、流速を一定とした場合に、カバーがある場合とカバーがない場合でどの程度の粒子を取り去ることができるかを評価している。
【0037】
また、特開平7−64091号公報記載の方法での洗浄能力を評価したが、その場合には、表2のカバーがない場合と同等以下の洗浄性能しか得ることができなかった。
【0038】
以上のように、この発明の実施の形態1に従った洗浄装置においては、洗浄装置100は、板状部品1を搬送する搬送部としての回転ローラ2と、搬送される板状部品1に洗浄液としての純水を噴射する噴射部としての水膜ノズル4と、板状部品1との間に隙間を形成するように位置決めされ、噴射された洗浄液が板状部品1と衝突する板状部品1の部分を覆うカバー12aおよび12bとを備える。カバー12aおよび12bの幅W1は板状部品1の幅W2以上である。
【0039】
図7および8では、カバー12aは板状であり、カバー12a内で板状部品1と最も近い部分であるエッジ部分12eと、板状部品1との距離が3mm以下となるようにカバー12aが位置決めされている。
【0040】
図9および10では、カバー12bは内部空間12iを有する箱状であり、カバー12b内で板状部品1と最も近い部分であるエッジ部分12eと、板状部品1との距離が3mm以下となるように、かつ内部空間12iが板状部品1に向かい合うようにカバー12bが位置決めされている。
【0041】
なお、水膜ノズル4から噴射される水膜5と、板状部品1との角度は小さいほどよいが、角度が小さくなると、水膜ノズル4が板状部品1と干渉するため、この角度はある程度大きくする必要がある。さらに、エッジ部分12eは、図6および8で示したように板状部品1と平行であってもよいが、平行でなくてもよい。
【0042】
さらに、箱状のカバー12bの両側は開放されている。板状部品1のサイズとしてはさまざまなものを採用することができるが、例えば縦×横を、320mm×400mm、または、730mm×920mmとすることができる。
【0043】
(実施の形態2)
図11は、この発明の実施の形態2に従った板状部品の洗浄装置の模式的な断面図である。図11を参照して、この発明の実施の形態2に従った洗浄装置100では、板状部品1の裏面側に、超音波ノズル17を用いて超音波18を照射している点で、実施の形態1に従った洗浄装置と異なる。
【0044】
すなわち、実施の形態2に従った洗浄装置100では、回転軸42に取付けられた回転ローラ2が板状部品1を矢印3で示す方向に搬送する。このとき、水膜ノズル4から水膜5が噴射される。噴射された水膜5は接触位置1pにより板状部品1に接触する。この接触位置1pは回転ローラ2の真上に位置する。
【0045】
2つの回転ローラ2の間に超音波ノズル17が取付けられており、超音波ノズル17の開口17aから超音波18が放射される。板状部品1の面のうち、洗浄液が噴射される面と反対側に超音波18が噴射される。板状部品1から離隔するようにカバー12aが設けられる。水膜5は矢印32で示す方向に射出され、水膜ノズル4の中心線33と板状部品1とが交差する位置が接触位置1pである。なお、このカバー12aは、図9および図10で示した箱型のものであってもよい。
【0046】
図12は、図11で示す洗浄装置の作用を説明するための図である。図12を参照して、板状部品1上では水膜の流れができるが、この流れは、流速が小さい境界層41と、流速が大きい主流51とに分かれる。境界層41での洗浄液の流れが板状部品1表面に付着した粒子16を動かす(ステップ▲1▼)。
【0047】
動かされた粒子16は、超音波ノズル17から照射された超音波18により持ち上げられる(ステップ▲2▼)。
【0048】
この粒子16は、さらに持ち上げられて主流51内へ入る(ステップ▲3▼)。
主流51内に入った粒子16は主流51内の大きな流れにより運び去られる(ステップ▲4▼)。
【0049】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に従った洗浄装置100では、まず実施の形態1に従った洗浄装置100と同様の効果がある。さらに、板状部品1の裏面から超音波18を照射するため、粒子16が離れやすくなるため、粒子16を効率よく除去することができる。さらに、水膜5と板状部品1の接触位置1pを回転ローラ2の真上としているため、水膜5による荷重で板状部品1が撓むことがなくなり、板状部品1の破損を防止することができる。
【0050】
(実施の形態3)
図13は、この発明の実施の形態3に従った洗浄装置の側面図である。図14は、図13中の矢印XIVで示す方向から見た洗浄装置の平面図である。図13および図14を参照して、この発明の実施の形態3に従った洗浄装置100では、搬送部としての回転ローラ2および62により板状部品1が挟み込まれている点で、実施の形態1に従った洗浄装置100と異なる。回転ローラ2および62は回転軸42および52に取付けられている。回転ローラ2が何らかの駆動源に取付けられた回転し、回転ローラ62が空転してもよい。またこれとは逆に、回転ローラ62が何らかの駆動源に取付けられて回転し、回転ローラ2が空転してもよい。さらに、両方の回転ローラ62および2が駆動源に取付けられて回転してもよい。
【0051】
回転ローラ62が板状部品1と接触する部分は、図14で示されるように、板状部品1の両端部である。この両端部を回転ローラ62が押えるため、回転ローラ62の間を水膜が流れる。また、回転ローラ62の間に超音波ノズル17の開口17aが位置している。カバー12aには、回転ローラ62を受入れるための切込み12kが設けられている。
【0052】
このように構成された、この発明の実施の形態3に従った洗浄装置100では、実施の形態2に従った洗浄装置100と同様の効果がある。さらに、板状部品1を上下の回転ローラ2および62で挟み込むため、水膜ノズル4から噴射される水膜5の流速が速くなった場合でも、この流速とは反対向きに確実に板状部品1を搬送することができる。
【0053】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態はさまざまに変形することが可能である。まず、各実施の形態を組合せることが可能である。さらに、回転ローラ2および62、水膜ノズル4、カバー12aおよび12bの寸法などは必要に応じて適宜変更することが可能である。
【0054】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0055】
【発明の効果】
この発明に従った板状部品の洗浄装置においては、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分をカバーが覆うため、この部分でミストが発生したとしても、そのミストはカバーに当たり、拡散することがない。さらに、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるため、板状部品の幅全体に亘ってカバーが覆われ、板状部品上での洗浄液の流路および流速が安定する。その結果、高い洗浄性能を発揮することができる。
【0056】
カバーは板状であり、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるようにカバーが位置決めされていれば、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下であるため、カバーの端部が洗浄液の流れと接触する。
【0057】
カバーは内部空間を有する箱状であり、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるように、かつ内部空間が板状部品に向かい合うようにカバーが位置決めされていれば、カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下であるため、カバーの端部が洗浄液の流れと接触する。
【0058】
この発明に従った板状部品の洗浄方法では、洗浄液を噴射する工程は、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する板状部品の部分をカバーが覆うように洗浄液が噴射されるため、噴射された洗浄液はカバーに当たり、ミストが発生しても、このミストが拡散することがない。その結果、大量のミストの発生を防止することができる。さらに、カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるため、カバーは、板状部品の幅の全部分を覆う。その結果、板状部品の全体で洗浄液の流路および流速が安定して、洗浄性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施の形態1に従った板状部品の洗浄装置の模式図である。
【図2】図1で示す水膜ノズルの断面図である。
【図3】図1の水膜ノズルを拡大した平面図である。
【図4】図3中の矢印IVで示す方向から見た水膜ノズルの側面図である。
【図5】板状部品上での水の流れを説明するための板状部品の平面図である。
【図6】図5中の矢印VIで示す方向から見た板状部品の側面図である。
【図7】カバーの平面図である。
【図8】図7中の矢印VIIIで示す方向から見たカバーの側面図である。
【図9】この発明の実施の形態1での別の局面に従ったカバーの平面図である。
【図10】図9中の矢印Xで示す方向から見たカバーの側面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に従った板状部品の洗浄装置の模式的な断面図である。
【図12】図11で示す洗浄装置の作用を説明するための図である。
【図13】この発明の実施の形態3に従った洗浄装置の側面図である。
【図14】図13中の矢印XIVで示す方向から見た洗浄装置の平面図である。
【符号の説明】
1 板状部品、2,62 回転ローラ、4 水膜ノズル、5 水膜、12a,12b カバー、100 洗浄装置。
Claims (4)
- 板状部品を搬送する搬送部と、
搬送される板状部品に洗浄液を噴射する噴射部と、
板状部品との間に隙間を形成するように位置決めされ、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分を覆うカバーとを備え、
前記カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上である、板状部品の洗浄装置。 - 前記カバーは板状であり、前記カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるように前記カバーが位置決めされている、請求項1に記載の板状部品の洗浄装置。
- 前記カバーは内部空間を有する箱状であり、前記カバー内で板状部品と最も近い部分と、板状部品との間の距離が3mm以下となるように、かつ前記内部空間が板状部品に向かい合うように前記カバーが位置決めされている、請求項1に記載の板状部品の洗浄装置。
- 板状部品との間に隙間を形成するように位置決めされたカバーであって、前記カバーの幅W1は板状部品の幅W2以上であるカバーを準備する工程と、
前記カバーから離隔した位置で板状部品を搬送する工程と、
搬送される板状部品に洗浄液を噴射する工程とを備え、
洗浄液を噴射する工程は、噴射された洗浄液が板状部品と衝突する部分を前記カバーが覆うように洗浄液を噴射する工程を含む、板状部品の洗浄方法。
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JP2002307183A JP2004141722A (ja) | 2002-10-22 | 2002-10-22 | 板状部品の洗浄装置および洗浄方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012124583A1 (ja) * | 2011-03-15 | 2012-09-20 | シャープ株式会社 | 表示パネル用基板の製造装置 |
WO2020051998A1 (zh) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | 惠科股份有限公司 | 一种清洗方法和清洗装置 |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002307183A patent/JP2004141722A/ja not_active Withdrawn
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