JP2004140404A - 表面チャネル型mosトランジスタ、相補型電界効果トランジスタ及びそれらの製造方法 - Google Patents
表面チャネル型mosトランジスタ、相補型電界効果トランジスタ及びそれらの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 B突き抜けが防止され、ゲート絶縁膜として通常の酸化膜やN2Oによる低窒素濃度の窒化酸化膜等を所望の膜厚で適用でき、電子トラップの多いゲート絶縁膜を用いる必要が無くなり、良好な特性を有する表面チャネル型MOSトランジスタを得ること
【解決手段】 半導体基板1上にゲート絶縁膜5を介して形成されたゲート電極6が少なくとも不純物がほぼ均一にドープされた膜厚100〜200nmのポリシリコンからなり、半導体基板1内に形成されたソース/ドレイン領域11がゲート電極6に対して自己整合的に形成された表面チャネル型MOSトランジスタ。
【選択図】 図1
【解決手段】 半導体基板1上にゲート絶縁膜5を介して形成されたゲート電極6が少なくとも不純物がほぼ均一にドープされた膜厚100〜200nmのポリシリコンからなり、半導体基板1内に形成されたソース/ドレイン領域11がゲート電極6に対して自己整合的に形成された表面チャネル型MOSトランジスタ。
【選択図】 図1
Description
この発明は、表面チャネル型MOSトランジスタ、相補型電界効果トランジスタ及びそれらの製造方法に関し、より詳細には、表面チャネル型のPMOS(P−channnel Metal−Oxide−Semiconductor),NMOS(N−channnel Metal−Oxide−Semiconductor)又はこれらPMOS及びNMOSを有する双対ゲート(Dual Gate)構造CMOS(Complementaly Metal−Oxide−Semiconductor)及びそれらの製造方法に関する。
現在普及している半導体集積回路の中で用いられている絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、素子の微細化にともなって、ゲート電極の担う空乏層電荷の全空乏層電荷に対する割合が小さくなるため、閾値電圧の低下、サブスレッショルド特性の劣化、パンチスルーなどの短チャネル効果を引き起こす。特に、PMOSでの短チャネル特性はNMOSに比べて著しい。
この原因の1つは、PMOSでのソース/ドレイン領域の形成には、拡散係数が大きく、注入飛程も大きい不純物であるボロンが使われていることである。
もう1つの原因として、従来より用いられているPMOSはゲート電極をNMOSと同一のn+ポリシリコンで形成し、閾値電圧を制御するために、埋め込みチャネル型PMOSを用いてきたことが挙げられる。この構造ではチャネルがMOS界面より離れた位置に形成されるため、反転電荷密度に対するゲートの制御性が悪くなり、著しい短チャネル効果が生じる。
もう1つの原因として、従来より用いられているPMOSはゲート電極をNMOSと同一のn+ポリシリコンで形成し、閾値電圧を制御するために、埋め込みチャネル型PMOSを用いてきたことが挙げられる。この構造ではチャネルがMOS界面より離れた位置に形成されるため、反転電荷密度に対するゲートの制御性が悪くなり、著しい短チャネル効果が生じる。
このような現象を抑制する方法として、p+ポリシリコンをゲート電極とし、従来の表面チャネル型NMOSと双対構造を有する表面チャネル型PMOSを形成する方法がある。これにより、NMOS及びPMOSは共に表面チャネル型となり、短チャネル効果の抑制に適した構造となる。
このような表面チャネル型のNMOSとPMOSとを用いたCMOS(以下、「双対ゲート型CMOS」と称する)を、図面に基づいて説明する。
このような表面チャネル型のNMOSとPMOSとを用いたCMOS(以下、「双対ゲート型CMOS」と称する)を、図面に基づいて説明する。
図4(c)に示したように、シリコン基板1にPウェル2及びNウェル3がそれぞれ形成されており、Pウェル2には、ゲート絶縁膜5、N+ポリシリコン・ゲート電極16a、サイドウォールスペーサ19、シリサイド12及び12a、ソース/ドレイン領域20、LDD(Lightyly Doped Drain/Source) 領域17からなるNMOSトランジスタが、Nウェル3には、ゲート絶縁膜5、P+ポリシリコン・ゲート電極16b、サイドウォールスペーサ19、シリサイド12及び12a、ソース/ドレイン領域21、LDD領域18からなるPMOSトランジスタがそれぞれ形成されて構成されている。
この双対ゲート型CMOSの製造方法を以下に示す。
まず、図4(a)に示したように、シリコン基板1に、Pウェル2、Nウェル3及びフィールド絶縁膜4を形成した後、ゲート絶縁膜5及び膜厚200〜300nm程度の真性ポリシリコン・ゲート電極16を形成する。
次に、図4(b)に示したように、リソグラフィー工程、イオン注入工程により、n−LDD領域17、p−LDD領域18を形成し、その後、サイドウォールスペーサ19をCVD工程及び異方性エッチング工程により形成する。
まず、図4(a)に示したように、シリコン基板1に、Pウェル2、Nウェル3及びフィールド絶縁膜4を形成した後、ゲート絶縁膜5及び膜厚200〜300nm程度の真性ポリシリコン・ゲート電極16を形成する。
次に、図4(b)に示したように、リソグラフィー工程、イオン注入工程により、n−LDD領域17、p−LDD領域18を形成し、その後、サイドウォールスペーサ19をCVD工程及び異方性エッチング工程により形成する。
続いて、図4(c)に示すように、リソグラフィー工程、イオン注入工程、活性化アニール工程により、N+ソース/ドレイン領域20と31P+ソース/ドレイン領域21の形成及びポリシリコン・ゲート電極16へのドーピングをおこなう。その後、高融点金属スパッタリング工程、選択シリサイド化工程、未反応高融点金属除去工程を経て、ソース/ドレイン領域上及びゲート電極上にシリサイド12、12aを形成する。なお、n+ソース/ドレイン領域20とp+ソース/ドレイン領域21の形成及びポリシリコン・ゲート電極16へのドーピングを行うためのイオン注入には、浅いソース/ドレイン領域を得るため、通常75As+及び49BF2 +が用いられる。以上の工程により、双対ゲート型CMOSが形成される。
また、PMOSの短チャネル効果を抑制するために、図4(a)に示したポリシリコン・ゲート電極16を形成した後に、図5に示したように、チャネル領域よりもやや高濃度のN型高濃度領域24を形成することがある。これにより、ソース/ドレイン領域からの空乏層の伸びがこのN型高濃度領域24により抑制され、短チャネル効果を抑制することができる。なお、図5はPMOSに関して示しているが、NMOSにおいても同様な手法が適用できる。
上述の双対ゲート型CMOSの製造方法において、PMOSのソース/ドレイン領域形成のため、短チャネル効果の抑制のために注入飛程の浅い49BF2 +を用いてイオン注入を行い、その後、活性化アニールを行っている。
しかし、49BF2 +を用いた場合には、通常の11B+を用いた場合に比べてフラット・バンド電圧のシフトが著しくなるという問題があった。図6は、p型基板にゲート絶縁膜(膜厚5nm)、真性ポリシリコン・ゲート電極を形成した後、49BF2 +及び11B+をそれぞれイオン注入し、炉アニール及び急速熱処理(RTA, Rapid Thermal Annealing)を各種温度で行った時のフラット・バンド電圧をアニール温度でプロットしたものである。49BF2 +のイオン注入後、30分間炉アニールを行った場合(図6中、●で示す)にはフラット・バンド電圧のシフトが著しい。このフラット・バンド電圧のシフトは、炉アニールによりB原子がポリシリコン・ゲート電極からゲート絶縁膜を経てシリコン基板へ突き抜けることを示している。この現象は単にフラット・バンド電圧を変動させるだけではなく、絶縁耐圧の低下をも招くことが指摘されている。
しかし、49BF2 +を用いた場合には、通常の11B+を用いた場合に比べてフラット・バンド電圧のシフトが著しくなるという問題があった。図6は、p型基板にゲート絶縁膜(膜厚5nm)、真性ポリシリコン・ゲート電極を形成した後、49BF2 +及び11B+をそれぞれイオン注入し、炉アニール及び急速熱処理(RTA, Rapid Thermal Annealing)を各種温度で行った時のフラット・バンド電圧をアニール温度でプロットしたものである。49BF2 +のイオン注入後、30分間炉アニールを行った場合(図6中、●で示す)にはフラット・バンド電圧のシフトが著しい。このフラット・バンド電圧のシフトは、炉アニールによりB原子がポリシリコン・ゲート電極からゲート絶縁膜を経てシリコン基板へ突き抜けることを示している。この現象は単にフラット・バンド電圧を変動させるだけではなく、絶縁耐圧の低下をも招くことが指摘されている。
上記フラット・バンド電圧のシフトを抑制する方法としては、ランプ・アニール等の急速熱処理を用いる方法がある。図6によれば、急速熱処理を行った場合には、49BF2 +又は11B+のいずれを用いてもフラット・バンド電圧のシフトは起こらない。しかし、この方法ではソース/ドレイン領域の活性化や接合リークの低減には不充分であり、炉を用いた場合と同等の特性を得ることは困難である。
一方、ゲート絶縁膜に代えて窒化酸化膜を用いる方法もある。しかし、窒化酸化膜をNH3を用いて形成した場合には、水素原子に起因した電子トラップが多く、素子の信頼性上好ましくない。また、N2Oを用いた窒化酸化膜の場合、電子トラップは少ないが、Bの突き抜けに有効な窒素原子がNH3を用いた窒化酸化膜より少ないため、B原子のシリコン基板への突き抜けを防止することが困難である。
従って、49BF2 +を用いることは、やはり素子の信頼性上困難であった。
さらに、49BF2 +はMOS構造の特性だけではなく、シリサイド化した拡散層にも影響を及ぼすという問題があった。図7には、TiSi2を形成したソース/ドレイン領域のシート抵抗の注入ドーズ量依存性を示している。11B+に比べて49BF2 +を用いた場合には、高ドーズ量でシート抵抗の増大をもたらす。これは、PMOSの寄生抵抗を増大させるため好ましくない。
さらに、49BF2 +はMOS構造の特性だけではなく、シリサイド化した拡散層にも影響を及ぼすという問題があった。図7には、TiSi2を形成したソース/ドレイン領域のシート抵抗の注入ドーズ量依存性を示している。11B+に比べて49BF2 +を用いた場合には、高ドーズ量でシート抵抗の増大をもたらす。これは、PMOSの寄生抵抗を増大させるため好ましくない。
上述の双対ゲート型CMOS形成方法においては、さらに問題がある。イオン注入によりポリシリコン・ゲート電極のドーピングを行っているため、ポリシリコン・ゲート電極(膜厚TPOLY)中の不純物プロファイルがガウス分布様のプロファイルとなる。よって、
Rp+3ΔRp<TPOLY (Rp:注入飛程,ΔRp:注入広がり)
の条件を満たすことが必要となる。また、同時に、熱処理による不純物拡散が少ない場合には、ポリシリコン・ゲート電極のゲート絶縁膜側界面付近の不純物濃度が1020cm−3に満たなくなる。特に、浅いソース/ドレイン領域を得るために、低エネルギーで注入を行った場合にこれが顕著となる。このような場合、電界効果トランジスタの強反転状態においてポリシリコン・ゲート電極のゲート絶縁膜側界面付近に空乏層が形成されるため、ゲートの制御性が悪化し、短チャネル効果の増大、伝達コンダクタンスの悪化、サブスレッショルド特性の悪化を引き起こす。このような問題は、NMOSのポリシリコン・ゲート電極のドーピングをAsで行う場合、特に厳しくなる。
Rp+3ΔRp<TPOLY (Rp:注入飛程,ΔRp:注入広がり)
の条件を満たすことが必要となる。また、同時に、熱処理による不純物拡散が少ない場合には、ポリシリコン・ゲート電極のゲート絶縁膜側界面付近の不純物濃度が1020cm−3に満たなくなる。特に、浅いソース/ドレイン領域を得るために、低エネルギーで注入を行った場合にこれが顕著となる。このような場合、電界効果トランジスタの強反転状態においてポリシリコン・ゲート電極のゲート絶縁膜側界面付近に空乏層が形成されるため、ゲートの制御性が悪化し、短チャネル効果の増大、伝達コンダクタンスの悪化、サブスレッショルド特性の悪化を引き起こす。このような問題は、NMOSのポリシリコン・ゲート電極のドーピングをAsで行う場合、特に厳しくなる。
このため、ゲート電極を薄膜化することが好ましいが、同一基板上にPMOSも形成すると、p+ポリシリコン・ゲート電極のドーピングにおいて、ポリシリコンに11B+をイオン注入した場合には、チャネリング等によるプロファイル・テイルにより、ゲート絶縁膜及びその直下のチャネル領域へも1016cm−3程度以上のBが打ち込まれることとなり、ゲート絶縁膜の固定電荷の発生あるいはチャネル不純物濃度の変動を引き起こす可能性がある。特に、ポリシリコン・ゲート電極が柱状晶である場合に上記現象が著しい。従って、ゲート電極の薄膜化は困難である。
さらに、図5に示した高濃度のN型高濃度領域24を形成した場合には、ソース/ドレイン領域からの空乏層の伸びが、このN型高濃度領域により抑制されるため、短チャネル効果を抑制することができるが、チャネル領域のLDD先端付近の不純物濃度が高まるため、伝達コンダクタンス、サブスレッショルド特性の劣化を引き起こす。また、接合リーク、接合容量の周辺成分を低減することが困難である。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、NMOSトランジスタとして膜厚の比較的薄いポリシリコンを用いた場合においても、また、PMOSトランジスタとして膜厚の比較的薄いポリシリコンを用いるとともに、ソース/ドレイン領域の形成及びゲート電極のドーピングに49BF2 +でなく11B+を注入イオン種として用いた場合においても、短チャネル効果や素子信頼性に対して良好な素子特性を有する表面チャネル型PMOS、及びゲート電極のゲート絶縁膜界面付近での空乏層形成が抑制され、良好な素子特性を有するNMOS、並びに相補型電界効果トランジスタ及びこれらの製造方法を提供することを目的としている。
本発明によれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極が少なくとも不純物がほぼ均一にドーピングされた膜厚100〜200nmのポリシリコンからなり、かつ前記半導体基板内に形成されたソース/ドレイン領域が前記ゲート電極に対して自己整合的に前記不純物と同一の不純物を含有してなる表面チャネル型MOSトランジスタが提供される。
また、上記構成を有するPMOS・FETとNMOS・FETとが同一基板上に組み合わされてなる相補型電界効果トランジスタが提供される。
さらに、本発明の製造方法によれば、(i)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、膜厚100〜200nmの真性ポリシリコンを積層し、所望の形状にパターニングしてゲート電極を形成し、(ii)前記ゲート電極上から不純物を注入することにより、前記ゲート電極に不純物をドーピングすると同時に、前記ゲート電極に対して自己整合的にソース/ドレイン領域を形成する表面チャネル型MOSトランジスタの製造方法、又はこれらの方法を含んでなるCMOSの製造方法が提供される。
さらに、本発明の製造方法によれば、(i)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、膜厚100〜200nmの真性ポリシリコンを積層し、所望の形状にパターニングしてゲート電極を形成し、(ii)前記ゲート電極上から不純物を注入することにより、前記ゲート電極に不純物をドーピングすると同時に、前記ゲート電極に対して自己整合的にソース/ドレイン領域を形成する表面チャネル型MOSトランジスタの製造方法、又はこれらの方法を含んでなるCMOSの製造方法が提供される。
本発明における表面チャネル型MOSトランジスタに用いられる半導体基板としては、通常半導体集積回路に使用される半導体基板であれば特に限定されるものではなく、例えばシリコン基板が好ましい。この半導体基板表面には、素子分離領域のために、フィールド酸化膜やトレンチ等が形成されていることが好ましい。また、この半導体基板としては、表面チャネル型PMOSあるいはNMOSトランジスタを形成するために、N型又はP型の半導体基板が用いられるか、あるいはN型又はP型の不純物が1×1016〜1×1018cm−3程度含まれるN型領域又はNウェル、あるいはP型領域又はPウェル等が少なくとも1つ形成されている。さらに、これら表面チャネル型MOSトランジスタを用いて相補型電界効果トランジスタを構成する場合には、同一の半導体基板内に、上記のN型領域又はNウェル及びP型領域又はPウェル等が少なくとも1つずつ形成されている。
本発明の表面チャネル型MOSトランジスタにおいては、半導体基板上に、ゲート絶縁膜、少なくともポリシリコンからなるゲート電極及びソース/ドレイン領域からなる表面チャネル型MOSトランジスタが形成されている。
ゲート絶縁膜としては、SiO2等の酸化膜、N2Oを用いた窒素濃度の低い窒化酸化膜のようなトラップの少ない材料を、膜厚15〜100Å程度で用いることができる。
ゲート絶縁膜としては、SiO2等の酸化膜、N2Oを用いた窒素濃度の低い窒化酸化膜のようなトラップの少ない材料を、膜厚15〜100Å程度で用いることができる。
ゲート電極は、少なくとも真性ポリシリコンを公知の方法、例えばCVD法等により膜厚100〜200nm程度の厚さで形成され、フォトリソグラフィ及びエッチング工程により所望の形状にパターニングされ、後述するイオン注入により不純物がほぼ均一にドーピングされて形成されている。例えば、PMOSの場合には11B+が1×1015〜7×1015cm−2程度のドーズ量で注入されることにより、1×1020〜5×1020cm−3程度の濃度でドーピングされており、NMOSの場合には75As+又は31P+が1×1015〜7×1015cm−2程度のドーズ量で注入されることにより、1×1020〜5×1020cm−3程度の濃度でドーピングされている。よって、ゲート電極のゲート絶縁膜界面での不純物濃度は1×1020cm−3程度以上となる。なお、ゲート電極は、上記のようにポリシリコンのみで形成されていてもよく、又はポリシリコン上に、例えば、Co、Ni、Ti、Ta、Mo、W等の高融点金属を10〜50nm程度の膜厚で形成することによりシリサイドとして形成されていてもよい。このように、ゲート電極をシリサイドで形成した場合には、ポリシリコン自体のゲート電極の膜厚を上記のような比較的薄い膜厚としても、ゲート抵抗の増大を抑制することができる。
ソース/ドレイン領域は、ゲート電極に自己整合的に、上記と同様のイオン、例えばPMOSの場合には11B+が1×1015〜7×1015cm−2程度のドーズ量で注入されており、NMOSの場合には75As+が1×1015〜7×1015cm−2のドーズ量あるいは31P+が1×1015〜7×1015cm−2のドーズ量でイオン注入されて構成されている。なお、本発明においては、ソース/ドレイン領域上に、上記と同様に、高融点金属を10〜50nm程度の膜厚で形成することによりシリサイド化してもよい。この場合には、ソース/ドレイン領域のシート抵抗の増大を抑制することができる。
また、上記ゲート電極には膜厚30〜200nm程度のSiO2又はSiN等によりサイドウォールスペーサが形成されていてもよく、このサイドウォールスペーサが利用されてLDD領域が形成されている。PMOS又はNMOSのいずれの場合も、LDD領域は不純物濃度が1×1018〜5×1019cm−3程度の濃度で形成されていることが好ましい。
さらに、LDD領域の直下であって、ソース/ドレイン領域のチャネル側端部の側部に、ソース/ドレイン領域の導電型と異なる導電型であって、少なくとも基板(又はウェル)、つまりチャネル領域よりも濃度が高い高濃度領域を有していてもよい。PMOSの場合の高濃度領域は、75As+又は31P+が2×1017〜2×1018cm−3の濃度で含有されていることが好ましく、NMOSの場合の高濃度領域は、11B+が2×1017〜2×1018cm−3の濃度で含有されていることが好ましい。なお、高濃度領域は,基板又はウェルにおけるチャネル領域の不純物濃度よりも高く、少なくともチャネル不純物濃度の2倍程度であることが好ましい。
また、本発明の表面チャネル型PMOSトランジスタの製造方法においては、工程(i)で、半導体基板上にゲート絶縁膜及び膜厚100〜200nmの真性ポリシリコンによりゲート電極を形成する。ゲート絶縁膜としては、熱酸化、CVD等の公知の方法によりSiO2等を所望の膜厚で形成するか、N2O窒化プロセス(IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS VOL.13, NO.2, FEBRUARY 1992, p117−119参照)によるSiO2等を所望の膜厚で形成することができる。
真性ポリシリコンとしては、膜厚を100〜200nm程度の厚さで形成することが必要であり、例えばシランガスを用いたCVD法等の公知の方法により成膜することができる。真性ポリシリコンを成膜した後、公知のフォトリソグラフィ及びエッチング工程により所望の形状にパターニングしてゲート電極を形成することができる。
工程(ii)において、ゲート電極上から11B+を注入することにより、ゲート電極に11B+をドーピングすると同時に、ゲート電極に対して自己整合的にソース/ドレイン領域を形成する。例えば、ゲート電極と任意にレジストをマスクとして用いて、11B+を10〜20keVの加速エネルギー、1×1015〜7×1015cm−2のドーズ量で表面チャネル型PMOSトランジスタを形成する領域にイオン注入する。また、NMOSトランジスタを形成する場合には、上記と同様の工程によりゲート電極を形成した後、例えば75As+を40〜100keVの加速エネルギー、1×1015〜7×1015cm−2のドーズ量、あるいは31P+を10〜40keVの加速エネルギー、1×1015〜7×1015cm−2のドーズ量とすること以外は上記と同様にNMOSトランジスタのソース/ドレイン領域の形成及びゲート電極のドーピングを行うことができる。
本発明においては、上記イオン注入を行った後、任意にソース/ドレイン領域及びゲート電極の活性化アニールを行ってもよい。この際の条件は、アルゴン、窒素等の雰囲気下、電気炉を用いる場合には750〜900℃程度の温度範囲で、10〜30分間程度、ランプ・アニーラーを用いる場合には900〜1000℃程度の温度範囲で、10〜30秒間程度が好ましく、これらを組み合わせて行ってもよい。
また、本発明においては、任意にソース/ドレイン領域上及び/又はゲート電極を構成するポリシリコン上に高融点金属を積層してシリサイドを形成することができる。シリサイドの形成方法としては、高融点金属を公知の方法、例えばスパッタ法、蒸着法等によりゲート電極となるポリシリコンを含む半導体基板上に成膜し、選択シリサイド化のためにアルゴン、窒素等の雰囲気下、600〜700℃程度の温度範囲で、10〜30秒間程度熱処理を行った後、ウェットエッチングによる未反応高融点金属を除去する方法が挙げられる。なお、この際の熱処理は、上述したソース/ドレイン領域及びゲート電極を形成するための活性化アニールとは別に行ってもよいし、該活性化アニールを兼ねて行ってもよい。
さらに、本発明の製造方法によれば、上記工程(ii)におけるソース/ドレイン領域の形成前に、ゲート電極及びソース/ドレイン領域となる領域に予め28Si+、31P+、75As+、122Sb+等のイオンを20〜50keV程度の加速エネルギー、3×1014〜1×1015cm−2程度のドーズ量でイオン注入することにより、それら領域等に非晶質層を形成することが好ましい。特にPMOSの場合には、ゲート電極及びそれら領域を非晶質層とすることにより、ボロンのチャネリング等によるゲート絶縁膜及びその直下のチャネル領域へのボロンの打ち込みを抑制するとともに、浅いソース/ドレイン領域を得ることができる。
また、本発明の製造方法においては、工程(i)におけるゲート電極形成後、LDD領域を形成し、ゲート電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成することが好ましい。ゲート電極を形成したのち、工程(ii)に示したソース/ドレイン領域形成のためのイオン注入とは別に、ゲート電極をマスクとして、例えば、PMOSトランジスタを形成する場合には11B+を5〜15keVの加速エネルギー、1×1013〜5×1014cm−2のドーズ量、あるいは49BF2 +を10〜40keVの加速エネルギー、1×1013〜5×1014cm−2のドーズ量でイオン注入する。その後、サイドウォールスペーサを形成する。サイドウォールスペーサ形成方法としては、ゲート電極を有する半導体基板上に、膜厚30〜250nm程度のSiN又はSiO2等を積層し、RIE等の異方性エッチングすることが挙げられる。NMOSトランジスタを形成する場合には、例えばAsを20〜50keVの加速エネルギー、1×1013〜1×1014cm−2のドーズ量とすること以外は上記と同様にLDD領域を形成することができる。
さらに、本発明の表面チャネル型MOSトランジスタがLDD領域を有する場合には、サイドウォールスペーサを形成した後、さらに大傾角で半導体基板中に、サイドウォールスペーサを通してソース/ドレイン領域と異なる導電型を有するイオンを注入することにより、LDD領域直下、かつソース/ドレイン領域のチャネル側端部の側部に、ソース/ドレイン領域とは異なる導電型の高濃度領域を形成することが好ましい。PMOSの場合のイオン注入は、75As+イオンを半導体基板の法線方向に対して30〜60°の角度で、100〜300keVの加速エネルギー、2×1012〜5×1013cm−2のドーズ量、又は31P+イオンを半導体基板の法線方向に対して30〜60°の角度で、60〜160keVの加速エネルギー、2×1012〜5×1013cm−2のドーズ量で行うことができる。しかし、75As+を用いてイオン注入を行った方が、31P+よりも拡散係数及びΔRp(注入プロファイルの広がり)が小さいためより好ましい。NMOSの場合には、例えば11B+を50〜150keVの加速エネルギー、2×1012〜5×1013cm−2のドーズ量とすること以外は上記と同様にイオン注入することができる。大傾角でのイオン注入の加速エネルギー及び角度は、高濃度領域の横方向の広がりがLDD領域を越えず、さらに縦方向の広がりがソース/ドレイン領域を越えない条件を用いる必要がある。大傾角でイオン注入を行う方法としては、総注入量を等分割、例えば4〜8分割し、一分割量イオン注入するごとに円周を上記分割と同じ分割した量だけシリコン基板1を回転させる方式(ステップ注入)、あるいは一定速度でシリコン基板1を回転(回転速度〜2rps)しつつイオン注入する方式(回転注入)が挙げられる。また、このイオン注入を行った後、任意にランプアニール等の急速熱処理、ソース/ドレイン領域活性化アニールのための熱処理よりも低温での炉アニールを任意に行うことができる。この際の条件は、アルゴン、窒素等の雰囲気下、電気炉を用いる場合には750〜900℃程度の温度範囲で、10〜30分間程度、ランプ・アニーラーを用いる場合には900〜1000℃程度の温度範囲で、10〜30秒間程度が好ましく、これらを組み合わせて行ってもよい。
なお、上述の方法において、75As+を用いてイオン注入した場合には、75As+の拡散係数が小さいため、イオン注入、活性化アニール及びシリサイド層形成等の工程の順序の違いによる素子特性の変化は小さい。しかし、31P+又は11B+を用いてイオン注入した場合には、31P+又は11B+の拡散係数が大きいため、特にこれらイオンを用いた高濃度領域形成工程は、ソース/ドレイン領域形成工程の後の方で行うことが好ましい。
本発明の表面チャネル型PMOSトランジスタによれば、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極が少なくとも不純物がほぼ均一にドーピングされた膜厚100〜200nmのポリシリコンにより形成されているので、NMOSの場合においてはゲート電極のゲート絶縁膜側での空乏層の形成を抑制することができ、短チャネル効果を抑制するとともに良好なサブスレッショルド特性及び高い駆動力を得ることが可能となる。本効果は、特にNMOSにおいて、ソース/ドレイン領域及びゲート電極のドーピングにAsを用いる場合に顕著となる。また、PMOSの場合においては、ソース/ドレイン領域及びゲート電極へのイオン注入に、49BF2 +ではなく、11B+を用いているので、さらにゲート電極から半導体基板へのボロンの突き抜けが防止され、ゲート電極のゲート絶縁膜側での空乏層の形成をより抑制することができ、短チャネル効果を抑制するとともに良好なサブスレッショルド特性及び高い駆動力を得ることが可能となる。また、ボロンの突き抜けが防止されるため、ゲート絶縁膜として通常の酸化膜やN2Oを用いた窒素濃度の低い窒化酸化膜等を所望の膜厚で適用することができ、このため、NH3を用いた窒素酸化膜のような電子トラップの多いゲート絶縁膜を用いる必要が無くなり、良好な特性を有する表面チャネル型PMOSトランジスタを得ることが可能となる。さらに、シリサイド化において、p+ソース/ドレイン領域に11B+を注入することにより、49BF2 +を用いた場合よりも低抵抗を得ることができる。
また、LDD領域直下であり、かつソース/ドレイン領域のチャネル側端部の側部に、ソース/ドレイン領域とは異なる導電型の高濃度領域を有する場合には、チャネル不純物濃度の増大による伝達コンダクタンス、サブスレッショルド特性の劣化を防止することができるとともに、ソース/ドレイン領域接合付近の不純物濃度の増大による接合容量、接合リーク電流の増大を引き起こすことなくソース/ドレイン領域の空乏層の伸びを抑制し、短チャネル効果をより抑制することが可能となり、短チャネル効果が抑制され、高い駆動力をもつ表面チャネル型MOSトランジスタを得ることができる。
さらに、上記表面チャネル型MOSトランジスタの構成を有するNMOS及びPMOSトランジスタからなる相補型電界効果トランジスタの場合には、上述したように膜厚100〜200nmのポリシリコン・ゲート電極を用いるため、NMOS及びPMOSのいずれにおいてもゲート電極の空乏層の形成を抑制することができ、ゲート電極からチャネル領域への電界を弱めることがなくなり、短チャネル効果や素子の信頼性に関して良好な素子特性を有する相補型電界効果トランジスタを得ることが可能となる。本手法によるゲート電極への空乏層の形成の抑制は、As等の拡散係数の小さい原子をポリシリコン・ゲートに用いるNMOSにおいて、その作用が著しい。
また、本発明の表面チャネル型MOSトランジスタの製造方法によれば、(i)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、膜厚100〜200nmの真性ポリシリコンを積層し、所望のパターニングによりゲート電極を形成し、(ii)イオン注入により前記ゲート電極に対して自己整合的にソース/ドレイン領域を形成するとともに、前記ゲート電極にイオンをドーピングするので、ソース/ドレイン領域形成のためのイオン注入の加速エネルギーを低く設定して拡散層深さの増大を抑制しても、ゲート電極のゲート絶縁膜界面の不純物濃度が所望の濃度、例えば1×1020cm−3程度以上に確保することができ、空乏化が起こりにくく、従って、ゲート電極からチャネル領域への電界を弱めることがなく、短チャネル効果を抑制するとともに良好なサブスレッショルド特性及び高い駆動力を得ることが可能となる。
さらに、上記工程(ii)におけるソース/ドレイン領域形成前に、前記ソース/ドレイン領域となる領域にイオン注入により非晶質層を形成する場合には、その後の工程であるソース/ドレイン領域形成及びゲート電極へのドーピングのためのイオン注入、特に11B+のイオン注入によるチャネリングの形成を抑制して浅いソース/ドレイン領域を形成することができるだけでなく、チャネリング等によるゲート絶縁膜及びその直下のチャネルへのBの打ち込みを抑制することができ、従ってゲート絶縁膜の固定電荷の発生あるいはチャネル不純物濃度の変動を抑制する事ができる。これは、特にゲート電極が柱状晶ポリシリコンである場合に著しい。
また、大傾角でイオン注入することにより、LDD領域直下であり、かつソース/ドレイン領域のチャネル側端部の側部に、ソース/ドレイン領域とは異なる導電型の高濃度領域を形成する場合には、サイドウォールスペーサのオフセット効果によりチャネル領域へのイオンの打ち込みを抑制し、LDD領域のチャネル側端部の側部におけるチャネル不純物濃度の上昇を抑制することができる。このため、伝達コンダクタンス、サブスレッショルド特性の劣化を防止しつつ、短チャネル効果を抑制することが可能となる。
さらに、大傾角でのイオン注入は、特に、75As+を30〜60°の角度、100〜300keVの加速エネルギー,2×1012〜5×1013cm−2のドーズ量で行うか、31P+を30〜60°の角度、60〜160keVの加速エネルギー、2×1012〜5×1013cm−2のドーズ量で行う場合には、高濃度領域の広範囲の不純物拡散が抑制できるため、不純物プロファイルの設計が容易になり、特性の向上に寄与することが可能となる。
本発明の表面チャネル型MOSトランジスタ、CMOS及びそれらの製造方法の実施例を詳細に説明する。
実施例1
図1に本発明におけるMOSトランジスタを含む双対ゲート型CMOSの一実施例を示す。この双対ゲート型CMOSは、シリコン基板1に形成されたPウェル2及びNウェル3に形成されている。Pウェル2には、ゲート絶縁膜5、N+ポリシリコン・ゲート電極6a、サイドウォールスペーサ9、シリサイド12・12a、ソース/ドレイン領域10、LDD領域7からなるNMOSトランジスタが、Nウェル3には、ゲート絶縁膜5、P+ポリシリコン・ゲート電極6b、サイドウォールスペーサ9、シリサイド12・12a、ソース/ドレイン領域11、LDD領域8からなるPMOSトランジスタがそれぞれ形成されている。
図1に本発明におけるMOSトランジスタを含む双対ゲート型CMOSの一実施例を示す。この双対ゲート型CMOSは、シリコン基板1に形成されたPウェル2及びNウェル3に形成されている。Pウェル2には、ゲート絶縁膜5、N+ポリシリコン・ゲート電極6a、サイドウォールスペーサ9、シリサイド12・12a、ソース/ドレイン領域10、LDD領域7からなるNMOSトランジスタが、Nウェル3には、ゲート絶縁膜5、P+ポリシリコン・ゲート電極6b、サイドウォールスペーサ9、シリサイド12・12a、ソース/ドレイン領域11、LDD領域8からなるPMOSトランジスタがそれぞれ形成されている。
上記NMOS及びPMOSトランジスタにおいては、N+ポリシリコン・ゲート電極6a及びP+ポリシリコン・ゲート電極6bがいずれも膜厚100〜200nmで形成されているため、ソース/ドレイン領域形成のためのイオン注入において、同時にポリシリコン・ゲート電極6a及び6bへのドーピングを自己整合的におこなった場合でも、ポリシリコン・ゲート電極6a及び6bのゲート絶縁膜5側の不純物濃度を1020cm−3程度以上に保持することができる。このため、ソース/ドレイン領域10及び11形成のためのイオン注入の加速エネルギーを低くした場合においても、ポリシリコン・ゲート電極6a、6bへの不純物イオンのドーピングがほぼ均一に、十分に行うことができるため、空乏化が起こりにくく、拡散層深さの増大を抑制し、短チャネル効果を抑制することができる。特にNMOSにおいて、ソース/ドレイン接合を浅くするために注入飛程が短く、拡散係数の小さいAsをイオン種として用いた場合にも、ゲート電極6aのゲート絶縁膜5側の不純物濃度を高めることができる。これにより、N+及びP+ポリシリコン・ゲート電極6a及び6bの空乏層の形成を抑制でき、ゲート電極6aあるいは6bからチャネル領域への電界が弱まることがないため、短チャネル効果を抑制するとともに、良好なサブシュレッショルド特性及び高い駆動力を得ることができる。なお、ポリシリコン・ゲート電極6a及び6bの膜厚を上記のように薄くしても、ゲート電極上にシリサイド層12aを形成するため、ゲート抵抗の増大を抑制することができる。
また、表面チャネル型PMOSのp+ソース/ドレイン領域11形成工程において、ソース/ドレイン拡散領域だけでなくポリシリコン・ゲート電極6bをも自己整合的に非晶質化することにより、その後の11B+のイオン注入によりチャネリングを抑制して浅いソース/ドレイン領域を形成するだけでなく、チャネリング等によるゲート絶縁膜及びその直下のチャネルへのBの打ち込みを抑制でき、特に、ポリシリコン・ゲート電極が柱状晶である場合に上記効果が著しい。
本構造においては、p+ソース/ドレイン領域を49BF2 +でなく11B+をイオン種として用いておりBの突き抜けが抑制できるため、ゲート絶縁膜には、通常の酸化膜、及びN2Oを用いた窒素濃度の低い窒化酸化膜でも1.5nm以上の膜厚で十分適用することができる。このため、NH3を用いた窒化酸化膜のような電子トラップの多いゲート絶縁膜を用いる必要が無い。従って、良好な特性を有するゲート酸化膜を形成することが容易となる。また、11B+を用いることにより、ソース/ドレイン形成工程において欠陥を十分に回復するために高温で長時間のアニールを行ってもBの突き抜けを抑制することができる。さらに、シリサイド化において、p+ソース/ドレイン領域に11B+を注入することにより、49BF2 +を用いた場合よりも低抵抗を得ることができる。
実施例2
図2に本発明のMOSを含む双対ゲート型CMOSの別の実施例を示す。但し、図2にはCMOS中のPMOSのみを示す。この双対ゲート型CMOSにおいては、p−LDD領域8直下であって、かつp+ソース/ドレイン領域11のチャネル側端部の側部に、少なくともNウェル3よりも濃度が高いn型高濃度領域14が形成されていること以外は実施例1の双対ゲート型CMOSと同様の構成である。
図2に本発明のMOSを含む双対ゲート型CMOSの別の実施例を示す。但し、図2にはCMOS中のPMOSのみを示す。この双対ゲート型CMOSにおいては、p−LDD領域8直下であって、かつp+ソース/ドレイン領域11のチャネル側端部の側部に、少なくともNウェル3よりも濃度が高いn型高濃度領域14が形成されていること以外は実施例1の双対ゲート型CMOSと同様の構成である。
このように、LDD領域の直下であって、ソース/ドレイン領域のチャネル側端部の側部に、ソース/ドレイン領域の導電型と異なる導電型の高濃度領域、つまり、n型高濃度領域14を有しているので、チャネル不純物濃度の増大による伝達コンダクタンス、サブスレッショルド特性の劣化、及びソース/ドレイン接合付近の不純物濃度の増大による接合容量、接合リーク電流の増大を引き起こすことなく、ソース/ドレイン近傍の空乏層の伸びを抑制でき、従って短チャネル効果をより制限することができる。
以下、図2に示した双対ゲート型CMOSの形成方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、通常の工程によりシリコン基板1に、不純物濃度1×1016〜1×1018cm−3程度のPウェル2、不純物濃度1×1016〜1×1018cm−3程度のNウェル3及びフィールド絶縁膜4を形成した。その後、膜厚3〜8nm程度のゲート絶縁膜5及び膜厚100〜200nm程度の真性ポリシリコン・ゲート電極6を形成した。ゲート絶縁膜5は、通常の酸化膜の他、N2Oを用いた低窒素濃度の窒化酸化膜でも良い。
まず、図3(a)に示すように、通常の工程によりシリコン基板1に、不純物濃度1×1016〜1×1018cm−3程度のPウェル2、不純物濃度1×1016〜1×1018cm−3程度のNウェル3及びフィールド絶縁膜4を形成した。その後、膜厚3〜8nm程度のゲート絶縁膜5及び膜厚100〜200nm程度の真性ポリシリコン・ゲート電極6を形成した。ゲート絶縁膜5は、通常の酸化膜の他、N2Oを用いた低窒素濃度の窒化酸化膜でも良い。
次に、図3(b)に示すように、リソグラフィー工程を用いてNウェル3を覆う所望の形状のレジスト(図示せず)を形成し、このレジストをマスクとして、31P+を10〜30keV、1013〜1014cm−2又は75As+を20〜50keV、1013〜1014cm−2でイオン注入し、不純物濃度1×1018〜5×1019cm−3程度のn−LDD領域7を形成した。続いて、リソグラフィー工程を用いてPウェル2を覆う所望の形状のレジスト(図示せず)を形成し、このレジストをマスクとして、49BF2 +を10〜40keV、1013〜1014cm−2でイオン注入し、不純物濃度1×1018〜5×1019cm−3程度のp−LDD領域8を形成した。次いで、ポリシリコン・ゲート電極6を含むシリコン基板1上全面にCVD法により膜厚30〜250nmのSiO2を堆積し、異方性エッチングによりサイドウォールスペーサ9を形成した。
さらに、図3(c)に示すように、リソグラフィー工程を用いてNウェル3を覆う所望の形状のレジスト(図示せず)を形成し、このレジスト、ゲート電極6及びサイドウォールスペーサ9をマスクとして、75As+を40〜100keV、1〜7×1015cm−2でイオン注入し、ポリシリコン・ゲート電極6へのドーピングを行うとともにn+ソース/ドレイン領域10を形成した。続いて、リソグラフィー工程を用いてPウェル2を覆う所望の形状のレジスト(図示せず)を形成し、このレジスト、ゲート電極6及びサイドウォールスペーサ9をマスクとして、28Si+又は31P+を10〜40keV、3×1014〜1×1015cm−2でイオン注入してポリシリコン・ゲート電極6を非晶質層とした後、11B+を10〜20keV、1〜7×1015cm−2でイオン注入することによりポリシリコン・ゲート電極6へのドーピングを行うとともにP+ソース/ドレイン領域11を形成した。p+ソース/ドレイン領域11形成のためのイオン注入に先立って、非晶質化を行うことにより、Bのチャネリングを抑制でき、浅いp+ソース/ドレイン領域11を得ることができるとともに、ゲート絶縁膜5及びその直下のチャネル領域にBが多量に打ち込まれることを防止できる。従ってゲート絶縁膜の固定電荷の発生、絶縁耐圧の劣化あるいはチャネル不純物濃度の変動によるしきい値電圧の変動を抑制することができる。特に、ポリシリコン・ゲート電極6が柱状晶である場合に、本効果が著しい。
その後、必要に応じてソース/ドレイン領域10、11及びポリシリコン・ゲート電極6a,6bの活性化アニールを行う。この際の条件は、アルゴン、窒素等の雰囲気下、電気炉を用いる場合には750〜900℃程度の温度範囲で、10〜30分間程度、ランプ・アニーラーを用いる場合には900〜1000℃程度の温度範囲で、10〜30秒間程度が好ましく、これらを組み合わせて行ってもよい。さらに、スパッタリング等により、Ti等の高融点金属を膜厚10〜50nm程度で堆積し、選択シリサイド化のための熱処理工程を600〜700℃、10〜30秒間程度行い、ウェット・エッチングによる未反応高融点金属を除去することにより、ソース/ドレイン領域10、11上及びゲート電極6a、6b上にTiSi2等のシリサイド12、12aを形成する。
続いて、短チャネル効果を抑制するために、NMOS及びPMOSのLDD領域7、8直下であって、ソース/ドレイン領域10、11のチャネル側端部の側部にp型高濃度領域13及びn型高濃度領域14を形成し、必要に応じて熱処理を行う。p型高濃度領域13の形成のためのイオン注入は、リソグラフィー工程を用いてNウェル3を覆う所望の形状のレジスト(図示せず)を形成し、11B+を、2×1012〜5×1013cm−2のドーズ量で、サイドウォールスペーサ9の膜厚に応じて、シリコン基板1の法線方向に対して30〜60°の大傾角で、50〜150keVの加速エネルギーで行う。また、n型高濃度領域14のためのイオン注入は、リソグラフィー工程を用いてPウェル2を覆う所望の形状のレジスト(図示せず)を形成し、31P+ を、2×1012〜5×1013cm−2のドーズ量で、サイドウォールスペーサ9の膜厚に応じて、シリコン基板1の法線方向に対して30〜60°の大傾角で、60〜160keVの加速エネルギーで行うか、あるいは、75As+を、2×1012〜5×1013cm−2のドーズ量で、サイドウォールスペーサ9の膜厚に応じて、シリコン基板1の法線方向に対して30〜60°の大傾角で、100〜300keVの加速エネルギーで行う。大傾角でのイオン注入の加速エネルギー及び角度は、高濃度領域の横方向の広がりがLDD領域を越えず、さらに縦方向の広がりがソース/ドレイン領域を越えない条件を用いる必要がある。
上記方法においては、サイドウォールスペーサ9を通して大傾角でイオン注入するため、チャネル領域へのイオンの打ち込みが抑制され、チャネル不純物濃度は上昇しない。従って、NMOS、PMOS各々において、LDD領域7、8直下、ソース/ドレイン領域10、11のチャネル側端部の側部にウェルと同一導電型の少なくともウェルよりも濃度が高い高濃度領域13、14を形成することができる。これにより、チャネル不純物濃度の上昇による伝達コンダクタンス、サブスレッショルド特性の劣化、及びソース/ドレイン接合付近の不純物濃度の上昇による接合容量、接合リーク電流の増大を引き起こすことがなくなり、さらにソース/ドレイン領域10、11近傍の空乏層の伸びを抑制でき、短チャネル効果をより防止することができる。
1 シリコン基板
2 Pウェル
3 Nウェル
4 フィールド絶縁膜
5 ゲート絶縁膜
6 真性ポリシリコン・ゲート電極
6a n+ポリシリコン・ゲート電極
6b p+ポリシリコン・ゲート電極
7 n−LDD領域
8 p−LDD領域
9 サイドウォールスペーサ
10 n+ソース/ドレイン領域
11 p+ソース/ドレイン領域
12、12a シリサイド
13 p型高濃度領域
14 n型高濃度領域
2 Pウェル
3 Nウェル
4 フィールド絶縁膜
5 ゲート絶縁膜
6 真性ポリシリコン・ゲート電極
6a n+ポリシリコン・ゲート電極
6b p+ポリシリコン・ゲート電極
7 n−LDD領域
8 p−LDD領域
9 サイドウォールスペーサ
10 n+ソース/ドレイン領域
11 p+ソース/ドレイン領域
12、12a シリサイド
13 p型高濃度領域
14 n型高濃度領域
Claims (5)
- 第1導電型半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、
前記基板内に形成された第2導電型ソース/ドレイン領域とを備え、
前記ゲート電極が、第2導電型不純物が1×1020〜5×1020cm−3の範囲でドーピングされた膜厚100〜200nmのポリシリコンからなり、側壁にサイドウォールスペーサを有しており、
前記ソース/ドレイン領域が、LDD領域を有して、前記ゲート電極に対して自己整合的に形成されており、
さらに、前記LDD領域直下であり、前記ソース/ドレイン領域のチャネル側に、前記基板の不純物濃度より高い不純物濃度の第1導電型高濃度領域を有し、前記高濃度領域の横方向の広がりは前記LDD領域の横方向の広がりを超えず、前記高濃度領域の縦方向の広がりは前記ソース/ドレイン領域の縦方向の広がりを超えない、表面チャネル型MOSトランジスタ。 - (i)第1導電型半導体基板上にゲート絶縁膜を形成し、膜厚100〜200nmの真性ポリシリコンを積層し、所望の形状にパターニングしてゲート電極を形成し、さらに第2導電型LDD領域を形成し、前記ゲート電極側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程と、
(ii)前記ゲート電極上から第2導電型不純物を注入して、前記ゲート電極に不純物をドーピングすると同時に、前記ゲート電極に対して自己整合的に第2導電型ソース/ドレイン領域を形成する工程と、
(iii)前記ゲート電極上から30°以上の大傾角で第1導電型不純物を注入して、前記LDD領域直下であり、前記ソース/ドレイン領域のチャネル側に、前記基板の不純物濃度より高い不純物濃度を有する第1導電型高濃度領域を形成する工程と
を含む、表面チャネル型MOSトランジスタの製造方法。 - 工程(iii)は、
75As+を前記第1導電型不純物として、30°〜60°の角度、100〜300keVの加速エネルギー、2×1012〜5×1013cm−2のドーズでイオン注入する工程と、
31P+を前記第1導電型不純物として、30°〜60°の角度、60〜160keVの加速エネルギー、2×1012〜5×1013cm−2のドーズでイオン注入する工程と、
11B+を前記第1導電型不純物として、30°〜60°の角度、50〜150keVの加速エネルギー、2×1012〜5×1013cm−2のドーズでイオン注入する工程とのうちのいずれか1つを含む、請求項2に記載の方法。 - 前記ゲート電極に不純物をドーピングする前に、前記ソース/ドレイン領域となる領域及び前記ゲート電極に非晶質層を形成する工程をさらに包含する、請求項2又は3に記載の方法。
- 請求項2〜4のいずれかに記載の方法を含む、表面チャネル型CMOSトランジスタの製造方法。
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