JP2004140117A - 多層回路基板、及び多層回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすことなく、トリミング工程を容易ならしめ、かつ簡略化した構成で薄型、軽量そして安価な多層回路基板を提供する。
【解決手段】絶縁基板2の上に配置された第1の導体層3と、この第1の導体層3の上に配置された絶縁体5と、この絶縁体5の上に配置された抵抗体9とこの抵抗体9を挟みこの抵抗体9に接続される第2の導体層7,8とからなり、抵抗体9をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板1で,抵抗体9の第1のトリミング部10に対応する第1の導体層3の部分を第1の絶縁領域6で構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁基板2の上に配置された第1の導体層3と、この第1の導体層3の上に配置された絶縁体5と、この絶縁体5の上に配置された抵抗体9とこの抵抗体9を挟みこの抵抗体9に接続される第2の導体層7,8とからなり、抵抗体9をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板1で,抵抗体9の第1のトリミング部10に対応する第1の導体層3の部分を第1の絶縁領域6で構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器などに用いられる多層回路基板に係り、抵抗体をトリミングする際に、下層導体を保護してトリミング工程を容易ならしめると共に、トリミングの際に溶融した抵抗体の導電物質によって抵抗体と下層導体層がショートすることない多層回路基板、その製造方法、及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板においては、例えば、多層回路基板に取り付けた抵抗体にレーザービームを照射して抵抗値を調整している。この抵抗体にレーザービームを照射するに当たって、レーザービームの出力が低いと、抵抗体素子の切断が十分でなく高い信頼性が得られず、また、レーザービームの出力が高過ぎると、絶縁体を切断し、さらに下層の導体(グランド)を切断してしまうことがあった。このように絶縁体の切断深さは、レーザービームの出力の高低によって調整されるが、多層回路基板のように厚さが薄いため、レーザービームの出力を調整して微妙な切断深さ調節を行うことは難しい。
【0003】
このため、従来のトリミング工程は、多層回路基板のレーザービームの照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁層の表面に耐熱性表層部を設けることによりレーザービームが深くまで照射されるのを防ぎ、下層導体を保護し、トリミング工程を容易ならしめるものとなっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6―77665号公報(第4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のトリミング工程においては、多層回路基板の耐熱性表層部を設けるため回路の厚みと重量が増大し、また、材料費と加工工数が増大する問題があった。
【0006】
本発明の1つの目的は、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすことのない多層回路基板及び多層回路基板の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、回路基板の厚みと重量を増大させることなく、材料費と加工工数の増大を招来することのない多層回路基板及び多層回路基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、下層導体を保護し、トリミング工程を容易ならしめるとともに薄型、軽量そして安価な多層回路基板及び多層回路基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴の1つは、絶縁基板の上に配置された第1の導体層と、該第1の導体層の上に配置された絶縁体と、該絶縁体の上に配置された抵抗体と該抵抗体を挟み該抵抗体に接続される第2の導体層とからなり、前記抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板で,抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を絶縁領域で構成するようにしたものである。
【0010】
このように構成することにより、本発明によると、抵抗体にレーザービームを照射してトリミングして回路の電気的特性の調整を行うに当たって、レーザービームが照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁体の下層を絶縁領域で構成し、下層に導体を配設していないため、レーザービームの出力調整によって切断深さ調節を確実に行えず、レーザービームの照射によって切断深さが大きくなってしまっても、レーザービームによって下層の導体を切断することがない。
【0011】
また、本発明によると、レーザービームが照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁体の下層を絶縁領域で構成し、下層に導体を配設していないため、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすことを防止することができる。
【0012】
本発明の特徴の他の1つは、絶縁基板の上に第1の導体層を配置する第1の工程と、第1の導体層に間隙を形成する第2の工程と、第1の導体層の上と前記間隙に絶縁体を配置する第3の工程と、絶縁体の上に抵抗体と、この抵抗体を挟みこの抵抗体に接続して配置する第2の導体層とを配置する第4の工程と、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行いトリミング部を形成する第5の工程を備えた方法によって多層回路基板を製造するようにしたものである。
【0013】
このように構成することにより、本発明によると、抵抗体にレーザービームを照射してトリミングして回路の電気的特性の調整を行うに当たって、レーザービームが照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁体の下層を絶縁領域で構成し、下層に導体を配設していないため、レーザービームの出力調整によって切断深さ調節を確実に行えず、レーザービームの照射によって切断深さが大きくなってしまっても、レーザービームによって下層の導体を切断することのない多層回路基板を製造することができる。
【0014】
また、本発明によると、レーザービームが照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁体の下層を絶縁領域で構成し、下層に導体を配設していないため、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすことを防止することのできる多層回路基板を製造することができる。
【0015】
本発明の他の特徴は、後述する実施の形態の中で記述する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、絶縁基板の上に配置された第1の導体層と、この第1の導体層の上に配置された絶縁体と、絶縁体の上に配置された抵抗体とこの抵抗体を挟みこの抵抗体に接続される第2の導体層とからなり、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板で、抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を絶縁領域で構成したものである。
【0017】
また、本発明は、抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を、マスクパターン印刷によって第1の導体層の印刷時に形成したものである。
【0018】
また、本発明は、抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を、第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成したものである。
【0019】
また、本発明は、絶縁領域を、第1の導体層と第2の導体層の間に配置する絶縁体と一体に形成したものである。
【0020】
また、本発明は、絶縁領域を、第1の導体層と第2の導体層の間に配置する絶縁体とは別体に形成したものである。
【0021】
また、本発明は、絶縁体、第2の導体層、抵抗体を覆うように回路パターン保護層を設けたものである。
【0022】
また、本発明は、絶縁基板の上に絶縁領域を設けて配置された第1の導体層と,第1の導体層の上に絶縁領域を埋めて配置された絶縁体と,絶縁体の上に配置された抵抗体とこの抵抗体を挟みこの抵抗体に接続する第2の導体層とで構成し,抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板を構成部品として含む電子機器である。
【0023】
また、本発明は、熱線に流れる電流を制御して、空気の流量を計測する熱線式空気流量計に多層回路基板を用いたものである。
【0024】
また、本発明は、絶縁基板の上に第1の導体層を配置する第1の工程と、第1の導体層に間隙を形成する第2の工程と、第1の導体層の上と間隙に絶縁体を配置する第3の工程と、絶縁体の上に抵抗体と、この抵抗体を挟みこの抵抗体に接続して配置する第2の導体層とを配置する第4の工程と、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行いトリミング部を形成する第5の工程とによって,多層回路基板を製造するようにしたものである。
【0025】
また、本発明は、第1の導体層に形成する間隙を、第1の導体層の印刷時にマスクパターン印刷によって形成するようにしたものである。
【0026】
また、本発明は、第1の導体層に形成する間隙を、第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するようにしたものである。
【0027】
また、本発明は、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行いトリミング部を形成した後に,第1の絶縁体と、第1の抵抗体と、第2の導体層との上に回路パターン保護層を配置する工程を設けたものである。
【0028】
また、本発明は、絶縁基板の上に配置された第1の導体層と、第1の導体層の上に配置された第1の絶縁体と、第1の絶縁体の上に配置された第1の抵抗体とこの第1の抵抗体を挟みこの第1の抵抗体に接続される第2の導体層と,第1の絶縁体と、第1の抵抗体と、第2の導体層との上に配置された第2の絶縁体と,第2の絶縁体の上に配置された第2の抵抗体とこの第2の抵抗体を挟みこの第2の抵抗体に接続される第3の導体と,第2の絶縁体と、第3の導体と、第2の抵抗体との上に配置された回路パターン保護層と,からなり、第1の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うと共に第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板であって,第1の抵抗体の第1のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を第1の絶縁領域で構成すると共に第2の抵抗体の第2のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を第2の絶縁領域で構成したものである。
【0029】
また、本発明は、第1の抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分及び第2の抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を、マスクパターン印刷によって第1の導体層の印刷時に形成するようにしたものである。
【0030】
また、本発明は、第1の抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分及び第2の抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を、第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するようにしたものである。
【0031】
また、本発明は、第1の絶縁領域及び第2の絶縁領域を、第1の導体層と第2の導体層の間に配置する絶縁体と一体に形成したものである。
【0032】
また、本発明は、第1の絶縁領域及び第2の絶縁領域を、第1の導体層と第2の導体層の間に配置する絶縁体とは別体に形成したものである。
【0033】
また、本発明は、絶縁基板の上に配置された第1の導体層と,第1の導体層の上に配置された第1の絶縁体と、この第1の絶縁体の上に配置された第1の抵抗体とこの第1の抵抗体を挟みこの第1の抵抗体に接続される第2の導体層と,第1の絶縁体と、第1の抵抗体と、第2の導体層との上に配置された第2の絶縁体と,第2の絶縁体の上に配置された第2の抵抗体とこの第2の抵抗体を挟みこの第2の抵抗体に接続される第3の導体と,第2の絶縁体と、第2の抵抗体と、第3の導体との上に配置された回路パターン保護層と,からなり、第1の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うと共に第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板であって,抵抗体と第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行ってなる多層回路基板を電子機器の構成部品に用いたものである。
【0034】
また、本発明は、熱線に流れる電流を制御して、空気の流量を計測する熱線式空気流量計に多層回路基板を用いたものである。
【0035】
また、本発明は、絶縁基板の上に第1の導体層を配置する第1の工程と,第1の導体層に第1の間隙と第2の間隙を形成する第2の工程と,第1の導体層の上と第1の間隙と第2の間隙に第1の絶縁体を配置する第3の工程と,第1の絶縁体の上に第1の抵抗体と、この第1の抵抗体を挟みこの第1の抵抗体に接続して配置する第2の導体層とを配置する第4の工程と,抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成する第5の工程と,第2の導体層の上に第2の絶縁体を配置する第6の工程と,第2の絶縁体の上に第2の抵抗体と、この第2の抵抗体を挟みこの第2の抵抗体に接続して配置する第3の導体とを配置する第7の工程と,第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成する第8の工程によって多層回路基板を製造するようにしたものである。
【0036】
また、本発明は、第1の導体層に第1の間隙と第2の間隙を形成する工程を、第1の導体層の印刷時にマスクパターン印刷によって形成するようにしたものである。
【0037】
また、本発明は、第1の導体層に第1の間隙と第2の間隙を形成する工程を、第1の工程において第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するようにしたものである。
【0038】
また、本発明は、第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成した後に,第1の絶縁体と、第2の抵抗体と、第3の導体との上に回路パターン保護層を配置する工程を設けて多層回路基板を製造するようにしたものである。
【0039】
本発明の多層回路基板は、民生用やコンピュータ用など電子工業に用いられるもので、セラミック基板の上に低抵抗導体(グランド層)をベタ配線し、絶縁層を印刷し、導体を印刷し、表面に高精度の電気的特性を有する薄膜抵抗導体を印刷した高密度多層回路基板である。この本発明に係る多層回路基板としては、熱線式空気流量計における電子回路に適用した場合を例にとって以下、説明する。
【0040】
図1には、本発明の第1の実施の形態である熱線式空気流量計における多層回路基板の断面構成図、図2には、図1に図示の多層回路基板の平面図が示されている。
多層回路基板1は、図1、図2に示す如き構成を有している。すなわち、図1、図2において、絶縁基板2の上には、第1の導体層3が形成されている。この絶縁基板2は、例えば、アルミナセラミクスによって構成されている。そして、この絶縁基板2の上に形成される第1の導体層3は、絶縁基板2の上にベタ貼りされて、グランド層(ベタグランド)を構成している。このグランド層は、面積が多いほど外部からの電磁ノイズ遮蔽に有効である。また、第1の導体層3は、印刷工程によって形成される。この第1の導体層3には、部分的に所定幅で第1の導体層3を除去した間隙4が形成されている。この間隙4は、第1の導体層3の印刷時にマスクパターン印刷によって予め第1の導体層3を除去する箇所をマスキングして形成する方法、または、第1の導体層3をベタ印刷(マスキングしないで印刷)した後にトリミング(例えば、サンドトリミング、レーザートリミング)によって形成する方法によって形成される。
【0041】
また、この間隙4は、グランド層としての電磁ノイズ遮蔽性から、面積を極力小さくする必要がある。そのため、トリミングする際のレーザービームの幅、および設定したレーザービーム幅のばらつき、第1の導体層3の印刷精度などを考慮して、下層導体を予め配置しない間隙4の幅は、例えば、600ミクロン程度に設定している。
【0042】
このレーザートリミングによって間隙4を形成した第1の導体層3の上には、絶縁体5を所定厚さに積層する。この絶縁体5は、第1の導体層3の上に印刷工程によって形成される。そして、この絶縁体5は、例えば、絶縁ガラスによって構成されており、この絶縁体5の積層する厚さは、20〜100ミクロン程度である。この絶縁体5は、絶縁性を確保するために2層以上の絶縁ガラスで形成してもよい。この絶縁体5を第1の導体層3の上に積層すると、第1の導体層3の上には、絶縁体5が積層されることは勿論であるが、第1の導体層3に形成された間隙4にも絶縁体5が充填される。この絶縁体5の充填によって、間隙4には、第1の絶縁領域6が形成される。この第1の絶縁領域6は、図2に示す導体層除去エリア11に相当している。
【0043】
この第1の絶縁領域6を形成している間隙4(導体層除去エリア11)に充填される絶縁体は、本実施の形態においては、第1の導体層3の上に積層される絶縁体5が充填されているとしてあるが、第1の絶縁領域6の絶縁体は、絶縁体5と同一材料で形成せずに、異種材料で形成することもできる。この本実施の形態のように第1の導体層3の上に積層される絶縁体5と同一の材料が充填される場合でも、絶縁体5を印刷工程で形成するのと同時に印刷形成される場合と、絶縁体5を印刷工程で形成するのとは別々に印刷形成される場合がある。
【0044】
この絶縁体5の上には、所定幅離して2本の第2の導体層7,8が形成されている。この2本の第2の導体層7,8は、絶縁体5の上に印刷工程によって形成される。そして、この2本の第2の導体層7,8を接続するように抵抗体9が形成されている。この抵抗体9は、第2の導体層7,8同様、絶縁体5の上に印刷工程によって形成される。この第2の導体層7と第2の導体層8の間に形成される所定幅は、第2の導体7,8を絶縁体5の上に印刷工程する際にマスクによって形成される。この抵抗体9の配置位置は、第1の導体層3の上にレーザートリミングによって形成した間隙4の上方に当たる位置となっている。
【0045】
このようにして形成された多層回路基板1は、その回路の電気的特性を調整するため、多層回路基板1の表面に配置された抵抗体9をレーザービームによりトリミングする。この抵抗体9をトリミングすることによって、多層回路基板1には、第1のトリミング部(トリミングによって生じる溝)10が形成される。この抵抗体9をトリミングするに当たって、抵抗体9の表面からレーザービームを照射する訳であるが、レーザービームによるトリミング深さは、レーザービーム1照射当たり、例えば、20ミクロン程度である。このレーザービームの照射は、その回路の電気的特性の調整の仕方により同一箇所に複数回、レーザービームを照射することもあり、トリミング部(トリミングによって生じる溝)10が絶縁基板2の表層まで達することもある。
【0046】
したがって、図1、図2に図示の多層回路基板の第1の実施の形態においては、第1の導体層3の第1のトリミング部10に対応する部分の導体を除去して間隙4を形成し、この間隙4に絶縁体5を充填して第1の絶縁領域6を構成しているため、レーザービーム照射時の第1の導体層3への影響を回避することができる。この第1の絶縁領域6は、図2において、第1のトリミング部(トリミングによって生じる溝)10の付近の第1の導体層3を除去した導体層除去エリア11として示してある。
【0047】
この多層回路基板1を熱線式空気流量計における電子回路に適用した状態が図8に示されている。図8においては、熱線式空気流量計100の内部に多層回路基板1が収納されている。ここでは、図1に図示の多層回路基板1を熱線式空気流量計における電子回路に適用した場合の例を示してあるが、これに限らず電子回路を利用した他の製品にも適用できることは勿論である。例えば、圧力センサ用の電子回路、自動車のエンジンコントロールユニットの電子回路等にも図1に図示の多層回路基板1を適用することは、可能である。
【0048】
図3には、図1に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態が示されている。
まず、図3(A)においては、例えば、アルミナセラミクスによって構成されている絶縁基板2をセットする。次に、この図3(B)においては、絶縁基板2の上に第1の導体層3を配置する。この第1の導体層3は、印刷工程によって形成し、絶縁基板2の一方の面(図で上面)にベタ貼りしてベタグランド層を形成する。この絶縁基板2の上に第1の導体層3を配置(積層)すると、第1の導体層3に部分的に所定幅で第1の導体層3を除去した間隙4を形成する。この間隙4は、第1の導体層3の印刷時にマスクパターン印刷によって予め第1の導体層3を除去する箇所をマスキングして形成する方法によって、幅600ミクロン程度に形成する。
【0049】
この第1の導体層3に間隙4を形成すると、図3(C)においては、第1の導体3の上に、例えば、絶縁ガラスによって構成される絶縁体5を厚さ20〜100ミクロン程度に印刷工程によって形成する。この第1の導体層3の上に絶縁体5を配置(積層)することによって、間隙4にも絶縁体5が充填され、第1の絶縁領域6が形成される。この第1の絶縁領域6の絶縁体(間隙4に充填する絶縁体)は、絶縁体5と同一材料で形成しても、絶縁体5とは異種材料で形成することもできる。絶縁体5とは異種材料で形成する場合は、図3(B)において第1の導体層3に間隙4を形成した後、この間隙4に絶縁体5とは異種材料を充填し、しかる後、第1の導体層3の上に絶縁体5を形成することになる。
【0050】
このように第1の導体層3の上に絶縁体5を形成し、間隙4にも絶縁体5が充填して絶縁領域6を形成すると、図3(D)においては、絶縁体5の上に所定幅離して2本の第2の導体層7,8を印刷工程によって形成する。この第2の導体層7と第2の導体層8の間に形成される所定幅は、第2の導体層7,8を絶縁体5の上に印刷工程する際にマスクによって形成している。
【0051】
この絶縁体5の上に所定幅離して2本の第2の導体層7,8を形成すると、図3(E)においては、2本の第2の導体層7,8に接続して絶縁体5の上に抵抗体9を印刷工程によって形成する。このように抵抗体9を形成すると、2本の第2の導体層7,8は、抵抗体9と、この抵抗体9を挟みこの抵抗体9に接続して配置されることになる。このように配置する抵抗体9は、第1の導体層3の上にレーザートリミングによって形成した間隙4の上方に当たる位置に形成される。
【0052】
この絶縁体5の上に抵抗体9を2本の第2の導体層7,8に接続して配置すると、図3(F)においては、抵抗体9をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第1のトリミング部10を形成する。この抵抗体9をトリミングするに当たっては、レーザービーム1照射当たり、例えば、20ミクロン程度のトリミング深さで行う。
【0053】
したがって、図3に図示の多層回路基板の製造方法の実施の形態においては、第2の導体層7,8の第1のトリミング部10に対応する部分の第1の導体層3を除去して間隙4を形成し、この間隙4に絶縁体5を充填して第1の絶縁領域6を構成する多層回路基板を製造することができ、レーザービーム照射時の第1の導体層3への影響を回避することができる。
【0054】
図4には、図1に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態が示されている。
図4に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態が、図3に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態と異なる点は、図3に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態がアルミナセラミクスによって構成されている絶縁基板2をセットし、絶縁基板2の上に第1の導体層3を形成する際に、第1の導体層3の印刷時にマスクパターン印刷によって予め第1の導体層3を除去する間隙4をマスキングして形成しているのに対し、図4に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態が、図3に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態がアルミナセラミクスによって構成されている絶縁基板2をセットし、絶縁基板2の上に第1の導体層3を形成する際に、第1の導体層3をベタ印刷(マスキングしないで印刷)した後にトリミング(例えば、サンドトリミング、レーザートリミング)によって第1の導体層3を除去する間隙4を形成している点である。その他の点は、図3(C)が図4(D)に、図3(D)が図4(E)に、図3(E)が図4(F)に、図3(F)が図4(G)にそれぞれ対応している。
【0055】
したがって、図4に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態も、図3に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
図5には、本発明の第2の実施の形態である熱線式空気流量計における多層回路基板の断面構成図が示されている。
図5に図示の多層回路基板の第2の実施の形態が、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態と異なる点は、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態が絶縁体5の上に抵抗体9と、該抵抗体9を挟み該抵抗体9に接続して配置する第2の導体層7,8とを形成し、抵抗体9をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第1のトリミング部10を形成して多層回路基板1を構成してあるのに対し、図5に図示の多層回路基板の第2の実施の形態は、抵抗体9をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第1のトリミング部10を形成した後、第1の絶縁体5と第1の抵抗体9と第2の導体層7,8の上に回路パターン保護層12を形成している点である。
【0057】
したがって、図5に図示の多層回路基板の第2の実施の形態も、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
図6は、本発明の熱線式空気流量計における多層回路基板の第3の実施の形態を示す断面構成図である。
図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態が、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態と異なる点は、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態が第1の導体層3の上層に2本の第2の導体層7,8を形成する導体が2層の例であるのに対し、図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態が、2本の第2の導体層7,8の上に更に2本の第2の導体を形成する導体が3層で有る点が異なる。
【0059】
すなわち、図6において、絶縁基板2の上には、第1の導体層3が形成されており、この第1の導体層3には、部分的に所定幅で第1の導体層3を除去した2つの間隙4、13が形成されている。そして、このレーザートリミングによって間隙4、13を形成した第1の導体層3の上には、第1の絶縁体5が所定厚さに積層され、第1の導体層3に形成された第1の間隙4と第2の間隙13にも第1の絶縁体5が充填され、第1の間隙4には第1の絶縁領域6が形成され、第2の間隙13には第2の絶縁領域14が形成される。
【0060】
この第1の絶縁体5の上には、所定幅離して2本の第2の導体層7,8が形成されており、この2本の第2の導体層7,8を接続するように第1の抵抗体9が形成されている。この第1の抵抗体9の配置位置は、第1の導体層3の上にレーザートリミングによって形成した第1の間隙4の上方に当たる位置となっている。
【0061】
このようにして形成された第1の抵抗体9の抵抗値を調整するため、レーザービームによりトリミングする。この第1の抵抗体9をトリミングすることによって、第1の抵抗体9には、第1のトリミング部(トリミングによって生じる溝)10が形成される。
【0062】
この第1の絶縁体5と2本の第2の導体層7,8と第1の抵抗体9の上には、第2の絶縁体15が所定厚さに積層され、第1のトリミング部(トリミングによって生じる溝)10に充填される。この第2の絶縁体15の上には、所定幅離して2本の第3の導体16,17が形成されており、この2本の第3の導体16,17を接続するように第2の抵抗体18が形成されている。この第2の抵抗体18の配置位置は、第1の導体層3の上にレーザートリミングによって形成した第2の間隙13の上方に当たる位置となっている。
【0063】
このようにして形成された多層回路基板1は、その回路の電気的特性を調整するため、多層回路基板1の表面に配置された第2の抵抗体18をレーザービームによりトリミングする。この第2の抵抗体18をトリミングすることによって、多層回路基板1には、第2のトリミング部(トリミングによって生じる溝)19が形成される。
【0064】
したがって、図6に図示の多層回路基板の第2の実施の形態においては、第1の絶縁体5の第1のトリミング部10に対応する部分の第1の導体層3を除去して第1の間隙4を形成し、この第1の間隙4に第1の絶縁体5を充填して第1の絶縁領域6を構成しているため、レーザービーム照射時の第1の導体層3への影響を回避することができる。また、第2の絶縁体15の第2のトリミング部19に対応する部分の第1の導体層3を除去して第2の間隙13を形成し、この第2の間隙13に第1の絶縁体5を充填して第2の絶縁領域14を構成しているため、レーザービーム照射時の第1の導体層3への影響を回避することができる。
【0065】
ここでは、図6に図示の多層回路基板1を熱線式空気流量計における電子回路に適用した場合の例を示してあるが、これに限らず電子回路を利用した他の製品にも適用できることは勿論である。例えば、圧力センサ用の電子回路、自動車のエンジンコントロールユニットの電子回路等にも図1に図示の多層回路基板1を適用することは、可能である。
【0066】
図7は、本発明の熱線式空気流量計における多層回路基板の第4の実施の形態を示す断面構成図である。
図7に図示の多層回路基板の第4の実施の形態が、図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態と異なる点は、図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態が第2の絶縁体15の上に第2の抵抗体18と、この第2の抵抗体18を挟みこの第2の抵抗体18に接続して配置する第3の導体層16,17とを形成し、第2の抵抗体18をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第2のトリミング部19を形成して多層回路基板1を構成してあるのに対し、図7に図示の多層回路基板の第4の実施の形態は、第2の抵抗体18をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第2のトリミング部19を形成した後、第2の絶縁体15と第2の抵抗体18と第3の導体層16,17の上に回路パターン保護層20を形成している点である。
【0067】
したがって、図7に図示の多層回路基板の第4の実施の形態も、図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすのを防止する効果がある。
【0069】
また、本発明によれば、回路基板の厚みと重量を増大させることなく、材料費と加工工数の増大を招来することがない。
【0070】
さらに、本発明によれば、下層導体を保護し、トリミング工程を容易ならしめるとともに薄型、軽量そして安価な多層回路基板を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用される熱線式空気流量計における多層回路基板の第1の実施の形態を示す多層回路基板の断面構成図である。
【図2】図1に図示の多層回路基板の平面図である。
【図3】図1に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態を示す製造工程図である。
【図4】図1に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態を示す製造工程図である。
【図5】本発明の適用される熱線式空気流量計における多層回路基板の第2の実施の形態でを示す多層回路基板の断面構成図である。
【図6】本発明の適用される熱線式空気流量計における多層回路基板の第3の実施の形態を示す断面構成図である。
【図7】本発明の適用される熱線式空気流量計における多層回路基板の第4の実施の形態を示す断面構成図である。
【図8】本発明に係る多層回路基板を熱線式空気流量計に用いたときの熱線式空気流量計への取付例を示す図である。
【符号の説明】
1……………………多層回路基板
2……………………絶縁基板
3……………………第1の導体層
4……………………間隙
5……………………絶縁体(第1の絶縁体)
6……………………第1の絶縁領域
7,8………………第2の導体層
9……………………抵抗体(第1の抵抗体)
10…………………第1のトリミング部
12…………………回路パターン保護層
13…………………間隙
14…………………第2の絶縁領域
15…………………第2の絶縁体
16,17…………第3の導体層
18…………………第2の抵抗体
19…………………第2のトリミング部
20…………………回路パターン保護層
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器などに用いられる多層回路基板に係り、抵抗体をトリミングする際に、下層導体を保護してトリミング工程を容易ならしめると共に、トリミングの際に溶融した抵抗体の導電物質によって抵抗体と下層導体層がショートすることない多層回路基板、その製造方法、及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板においては、例えば、多層回路基板に取り付けた抵抗体にレーザービームを照射して抵抗値を調整している。この抵抗体にレーザービームを照射するに当たって、レーザービームの出力が低いと、抵抗体素子の切断が十分でなく高い信頼性が得られず、また、レーザービームの出力が高過ぎると、絶縁体を切断し、さらに下層の導体(グランド)を切断してしまうことがあった。このように絶縁体の切断深さは、レーザービームの出力の高低によって調整されるが、多層回路基板のように厚さが薄いため、レーザービームの出力を調整して微妙な切断深さ調節を行うことは難しい。
【0003】
このため、従来のトリミング工程は、多層回路基板のレーザービームの照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁層の表面に耐熱性表層部を設けることによりレーザービームが深くまで照射されるのを防ぎ、下層導体を保護し、トリミング工程を容易ならしめるものとなっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6―77665号公報(第4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のトリミング工程においては、多層回路基板の耐熱性表層部を設けるため回路の厚みと重量が増大し、また、材料費と加工工数が増大する問題があった。
【0006】
本発明の1つの目的は、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすことのない多層回路基板及び多層回路基板の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、回路基板の厚みと重量を増大させることなく、材料費と加工工数の増大を招来することのない多層回路基板及び多層回路基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、下層導体を保護し、トリミング工程を容易ならしめるとともに薄型、軽量そして安価な多層回路基板及び多層回路基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴の1つは、絶縁基板の上に配置された第1の導体層と、該第1の導体層の上に配置された絶縁体と、該絶縁体の上に配置された抵抗体と該抵抗体を挟み該抵抗体に接続される第2の導体層とからなり、前記抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板で,抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を絶縁領域で構成するようにしたものである。
【0010】
このように構成することにより、本発明によると、抵抗体にレーザービームを照射してトリミングして回路の電気的特性の調整を行うに当たって、レーザービームが照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁体の下層を絶縁領域で構成し、下層に導体を配設していないため、レーザービームの出力調整によって切断深さ調節を確実に行えず、レーザービームの照射によって切断深さが大きくなってしまっても、レーザービームによって下層の導体を切断することがない。
【0011】
また、本発明によると、レーザービームが照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁体の下層を絶縁領域で構成し、下層に導体を配設していないため、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすことを防止することができる。
【0012】
本発明の特徴の他の1つは、絶縁基板の上に第1の導体層を配置する第1の工程と、第1の導体層に間隙を形成する第2の工程と、第1の導体層の上と前記間隙に絶縁体を配置する第3の工程と、絶縁体の上に抵抗体と、この抵抗体を挟みこの抵抗体に接続して配置する第2の導体層とを配置する第4の工程と、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行いトリミング部を形成する第5の工程を備えた方法によって多層回路基板を製造するようにしたものである。
【0013】
このように構成することにより、本発明によると、抵抗体にレーザービームを照射してトリミングして回路の電気的特性の調整を行うに当たって、レーザービームが照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁体の下層を絶縁領域で構成し、下層に導体を配設していないため、レーザービームの出力調整によって切断深さ調節を確実に行えず、レーザービームの照射によって切断深さが大きくなってしまっても、レーザービームによって下層の導体を切断することのない多層回路基板を製造することができる。
【0014】
また、本発明によると、レーザービームが照射される部分に対応した位置(下層)の絶縁体の下層を絶縁領域で構成し、下層に導体を配設していないため、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすことを防止することのできる多層回路基板を製造することができる。
【0015】
本発明の他の特徴は、後述する実施の形態の中で記述する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、絶縁基板の上に配置された第1の導体層と、この第1の導体層の上に配置された絶縁体と、絶縁体の上に配置された抵抗体とこの抵抗体を挟みこの抵抗体に接続される第2の導体層とからなり、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板で、抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を絶縁領域で構成したものである。
【0017】
また、本発明は、抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を、マスクパターン印刷によって第1の導体層の印刷時に形成したものである。
【0018】
また、本発明は、抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を、第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成したものである。
【0019】
また、本発明は、絶縁領域を、第1の導体層と第2の導体層の間に配置する絶縁体と一体に形成したものである。
【0020】
また、本発明は、絶縁領域を、第1の導体層と第2の導体層の間に配置する絶縁体とは別体に形成したものである。
【0021】
また、本発明は、絶縁体、第2の導体層、抵抗体を覆うように回路パターン保護層を設けたものである。
【0022】
また、本発明は、絶縁基板の上に絶縁領域を設けて配置された第1の導体層と,第1の導体層の上に絶縁領域を埋めて配置された絶縁体と,絶縁体の上に配置された抵抗体とこの抵抗体を挟みこの抵抗体に接続する第2の導体層とで構成し,抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板を構成部品として含む電子機器である。
【0023】
また、本発明は、熱線に流れる電流を制御して、空気の流量を計測する熱線式空気流量計に多層回路基板を用いたものである。
【0024】
また、本発明は、絶縁基板の上に第1の導体層を配置する第1の工程と、第1の導体層に間隙を形成する第2の工程と、第1の導体層の上と間隙に絶縁体を配置する第3の工程と、絶縁体の上に抵抗体と、この抵抗体を挟みこの抵抗体に接続して配置する第2の導体層とを配置する第4の工程と、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行いトリミング部を形成する第5の工程とによって,多層回路基板を製造するようにしたものである。
【0025】
また、本発明は、第1の導体層に形成する間隙を、第1の導体層の印刷時にマスクパターン印刷によって形成するようにしたものである。
【0026】
また、本発明は、第1の導体層に形成する間隙を、第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するようにしたものである。
【0027】
また、本発明は、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行いトリミング部を形成した後に,第1の絶縁体と、第1の抵抗体と、第2の導体層との上に回路パターン保護層を配置する工程を設けたものである。
【0028】
また、本発明は、絶縁基板の上に配置された第1の導体層と、第1の導体層の上に配置された第1の絶縁体と、第1の絶縁体の上に配置された第1の抵抗体とこの第1の抵抗体を挟みこの第1の抵抗体に接続される第2の導体層と,第1の絶縁体と、第1の抵抗体と、第2の導体層との上に配置された第2の絶縁体と,第2の絶縁体の上に配置された第2の抵抗体とこの第2の抵抗体を挟みこの第2の抵抗体に接続される第3の導体と,第2の絶縁体と、第3の導体と、第2の抵抗体との上に配置された回路パターン保護層と,からなり、第1の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うと共に第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板であって,第1の抵抗体の第1のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を第1の絶縁領域で構成すると共に第2の抵抗体の第2のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を第2の絶縁領域で構成したものである。
【0029】
また、本発明は、第1の抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分及び第2の抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を、マスクパターン印刷によって第1の導体層の印刷時に形成するようにしたものである。
【0030】
また、本発明は、第1の抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分及び第2の抵抗体のトリミング部に対応する第1の導体層の部分を、第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するようにしたものである。
【0031】
また、本発明は、第1の絶縁領域及び第2の絶縁領域を、第1の導体層と第2の導体層の間に配置する絶縁体と一体に形成したものである。
【0032】
また、本発明は、第1の絶縁領域及び第2の絶縁領域を、第1の導体層と第2の導体層の間に配置する絶縁体とは別体に形成したものである。
【0033】
また、本発明は、絶縁基板の上に配置された第1の導体層と,第1の導体層の上に配置された第1の絶縁体と、この第1の絶縁体の上に配置された第1の抵抗体とこの第1の抵抗体を挟みこの第1の抵抗体に接続される第2の導体層と,第1の絶縁体と、第1の抵抗体と、第2の導体層との上に配置された第2の絶縁体と,第2の絶縁体の上に配置された第2の抵抗体とこの第2の抵抗体を挟みこの第2の抵抗体に接続される第3の導体と,第2の絶縁体と、第2の抵抗体と、第3の導体との上に配置された回路パターン保護層と,からなり、第1の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うと共に第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板であって,抵抗体と第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行ってなる多層回路基板を電子機器の構成部品に用いたものである。
【0034】
また、本発明は、熱線に流れる電流を制御して、空気の流量を計測する熱線式空気流量計に多層回路基板を用いたものである。
【0035】
また、本発明は、絶縁基板の上に第1の導体層を配置する第1の工程と,第1の導体層に第1の間隙と第2の間隙を形成する第2の工程と,第1の導体層の上と第1の間隙と第2の間隙に第1の絶縁体を配置する第3の工程と,第1の絶縁体の上に第1の抵抗体と、この第1の抵抗体を挟みこの第1の抵抗体に接続して配置する第2の導体層とを配置する第4の工程と,抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成する第5の工程と,第2の導体層の上に第2の絶縁体を配置する第6の工程と,第2の絶縁体の上に第2の抵抗体と、この第2の抵抗体を挟みこの第2の抵抗体に接続して配置する第3の導体とを配置する第7の工程と,第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成する第8の工程によって多層回路基板を製造するようにしたものである。
【0036】
また、本発明は、第1の導体層に第1の間隙と第2の間隙を形成する工程を、第1の導体層の印刷時にマスクパターン印刷によって形成するようにしたものである。
【0037】
また、本発明は、第1の導体層に第1の間隙と第2の間隙を形成する工程を、第1の工程において第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するようにしたものである。
【0038】
また、本発明は、第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成した後に,第1の絶縁体と、第2の抵抗体と、第3の導体との上に回路パターン保護層を配置する工程を設けて多層回路基板を製造するようにしたものである。
【0039】
本発明の多層回路基板は、民生用やコンピュータ用など電子工業に用いられるもので、セラミック基板の上に低抵抗導体(グランド層)をベタ配線し、絶縁層を印刷し、導体を印刷し、表面に高精度の電気的特性を有する薄膜抵抗導体を印刷した高密度多層回路基板である。この本発明に係る多層回路基板としては、熱線式空気流量計における電子回路に適用した場合を例にとって以下、説明する。
【0040】
図1には、本発明の第1の実施の形態である熱線式空気流量計における多層回路基板の断面構成図、図2には、図1に図示の多層回路基板の平面図が示されている。
多層回路基板1は、図1、図2に示す如き構成を有している。すなわち、図1、図2において、絶縁基板2の上には、第1の導体層3が形成されている。この絶縁基板2は、例えば、アルミナセラミクスによって構成されている。そして、この絶縁基板2の上に形成される第1の導体層3は、絶縁基板2の上にベタ貼りされて、グランド層(ベタグランド)を構成している。このグランド層は、面積が多いほど外部からの電磁ノイズ遮蔽に有効である。また、第1の導体層3は、印刷工程によって形成される。この第1の導体層3には、部分的に所定幅で第1の導体層3を除去した間隙4が形成されている。この間隙4は、第1の導体層3の印刷時にマスクパターン印刷によって予め第1の導体層3を除去する箇所をマスキングして形成する方法、または、第1の導体層3をベタ印刷(マスキングしないで印刷)した後にトリミング(例えば、サンドトリミング、レーザートリミング)によって形成する方法によって形成される。
【0041】
また、この間隙4は、グランド層としての電磁ノイズ遮蔽性から、面積を極力小さくする必要がある。そのため、トリミングする際のレーザービームの幅、および設定したレーザービーム幅のばらつき、第1の導体層3の印刷精度などを考慮して、下層導体を予め配置しない間隙4の幅は、例えば、600ミクロン程度に設定している。
【0042】
このレーザートリミングによって間隙4を形成した第1の導体層3の上には、絶縁体5を所定厚さに積層する。この絶縁体5は、第1の導体層3の上に印刷工程によって形成される。そして、この絶縁体5は、例えば、絶縁ガラスによって構成されており、この絶縁体5の積層する厚さは、20〜100ミクロン程度である。この絶縁体5は、絶縁性を確保するために2層以上の絶縁ガラスで形成してもよい。この絶縁体5を第1の導体層3の上に積層すると、第1の導体層3の上には、絶縁体5が積層されることは勿論であるが、第1の導体層3に形成された間隙4にも絶縁体5が充填される。この絶縁体5の充填によって、間隙4には、第1の絶縁領域6が形成される。この第1の絶縁領域6は、図2に示す導体層除去エリア11に相当している。
【0043】
この第1の絶縁領域6を形成している間隙4(導体層除去エリア11)に充填される絶縁体は、本実施の形態においては、第1の導体層3の上に積層される絶縁体5が充填されているとしてあるが、第1の絶縁領域6の絶縁体は、絶縁体5と同一材料で形成せずに、異種材料で形成することもできる。この本実施の形態のように第1の導体層3の上に積層される絶縁体5と同一の材料が充填される場合でも、絶縁体5を印刷工程で形成するのと同時に印刷形成される場合と、絶縁体5を印刷工程で形成するのとは別々に印刷形成される場合がある。
【0044】
この絶縁体5の上には、所定幅離して2本の第2の導体層7,8が形成されている。この2本の第2の導体層7,8は、絶縁体5の上に印刷工程によって形成される。そして、この2本の第2の導体層7,8を接続するように抵抗体9が形成されている。この抵抗体9は、第2の導体層7,8同様、絶縁体5の上に印刷工程によって形成される。この第2の導体層7と第2の導体層8の間に形成される所定幅は、第2の導体7,8を絶縁体5の上に印刷工程する際にマスクによって形成される。この抵抗体9の配置位置は、第1の導体層3の上にレーザートリミングによって形成した間隙4の上方に当たる位置となっている。
【0045】
このようにして形成された多層回路基板1は、その回路の電気的特性を調整するため、多層回路基板1の表面に配置された抵抗体9をレーザービームによりトリミングする。この抵抗体9をトリミングすることによって、多層回路基板1には、第1のトリミング部(トリミングによって生じる溝)10が形成される。この抵抗体9をトリミングするに当たって、抵抗体9の表面からレーザービームを照射する訳であるが、レーザービームによるトリミング深さは、レーザービーム1照射当たり、例えば、20ミクロン程度である。このレーザービームの照射は、その回路の電気的特性の調整の仕方により同一箇所に複数回、レーザービームを照射することもあり、トリミング部(トリミングによって生じる溝)10が絶縁基板2の表層まで達することもある。
【0046】
したがって、図1、図2に図示の多層回路基板の第1の実施の形態においては、第1の導体層3の第1のトリミング部10に対応する部分の導体を除去して間隙4を形成し、この間隙4に絶縁体5を充填して第1の絶縁領域6を構成しているため、レーザービーム照射時の第1の導体層3への影響を回避することができる。この第1の絶縁領域6は、図2において、第1のトリミング部(トリミングによって生じる溝)10の付近の第1の導体層3を除去した導体層除去エリア11として示してある。
【0047】
この多層回路基板1を熱線式空気流量計における電子回路に適用した状態が図8に示されている。図8においては、熱線式空気流量計100の内部に多層回路基板1が収納されている。ここでは、図1に図示の多層回路基板1を熱線式空気流量計における電子回路に適用した場合の例を示してあるが、これに限らず電子回路を利用した他の製品にも適用できることは勿論である。例えば、圧力センサ用の電子回路、自動車のエンジンコントロールユニットの電子回路等にも図1に図示の多層回路基板1を適用することは、可能である。
【0048】
図3には、図1に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態が示されている。
まず、図3(A)においては、例えば、アルミナセラミクスによって構成されている絶縁基板2をセットする。次に、この図3(B)においては、絶縁基板2の上に第1の導体層3を配置する。この第1の導体層3は、印刷工程によって形成し、絶縁基板2の一方の面(図で上面)にベタ貼りしてベタグランド層を形成する。この絶縁基板2の上に第1の導体層3を配置(積層)すると、第1の導体層3に部分的に所定幅で第1の導体層3を除去した間隙4を形成する。この間隙4は、第1の導体層3の印刷時にマスクパターン印刷によって予め第1の導体層3を除去する箇所をマスキングして形成する方法によって、幅600ミクロン程度に形成する。
【0049】
この第1の導体層3に間隙4を形成すると、図3(C)においては、第1の導体3の上に、例えば、絶縁ガラスによって構成される絶縁体5を厚さ20〜100ミクロン程度に印刷工程によって形成する。この第1の導体層3の上に絶縁体5を配置(積層)することによって、間隙4にも絶縁体5が充填され、第1の絶縁領域6が形成される。この第1の絶縁領域6の絶縁体(間隙4に充填する絶縁体)は、絶縁体5と同一材料で形成しても、絶縁体5とは異種材料で形成することもできる。絶縁体5とは異種材料で形成する場合は、図3(B)において第1の導体層3に間隙4を形成した後、この間隙4に絶縁体5とは異種材料を充填し、しかる後、第1の導体層3の上に絶縁体5を形成することになる。
【0050】
このように第1の導体層3の上に絶縁体5を形成し、間隙4にも絶縁体5が充填して絶縁領域6を形成すると、図3(D)においては、絶縁体5の上に所定幅離して2本の第2の導体層7,8を印刷工程によって形成する。この第2の導体層7と第2の導体層8の間に形成される所定幅は、第2の導体層7,8を絶縁体5の上に印刷工程する際にマスクによって形成している。
【0051】
この絶縁体5の上に所定幅離して2本の第2の導体層7,8を形成すると、図3(E)においては、2本の第2の導体層7,8に接続して絶縁体5の上に抵抗体9を印刷工程によって形成する。このように抵抗体9を形成すると、2本の第2の導体層7,8は、抵抗体9と、この抵抗体9を挟みこの抵抗体9に接続して配置されることになる。このように配置する抵抗体9は、第1の導体層3の上にレーザートリミングによって形成した間隙4の上方に当たる位置に形成される。
【0052】
この絶縁体5の上に抵抗体9を2本の第2の導体層7,8に接続して配置すると、図3(F)においては、抵抗体9をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第1のトリミング部10を形成する。この抵抗体9をトリミングするに当たっては、レーザービーム1照射当たり、例えば、20ミクロン程度のトリミング深さで行う。
【0053】
したがって、図3に図示の多層回路基板の製造方法の実施の形態においては、第2の導体層7,8の第1のトリミング部10に対応する部分の第1の導体層3を除去して間隙4を形成し、この間隙4に絶縁体5を充填して第1の絶縁領域6を構成する多層回路基板を製造することができ、レーザービーム照射時の第1の導体層3への影響を回避することができる。
【0054】
図4には、図1に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態が示されている。
図4に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態が、図3に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態と異なる点は、図3に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態がアルミナセラミクスによって構成されている絶縁基板2をセットし、絶縁基板2の上に第1の導体層3を形成する際に、第1の導体層3の印刷時にマスクパターン印刷によって予め第1の導体層3を除去する間隙4をマスキングして形成しているのに対し、図4に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態が、図3に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態がアルミナセラミクスによって構成されている絶縁基板2をセットし、絶縁基板2の上に第1の導体層3を形成する際に、第1の導体層3をベタ印刷(マスキングしないで印刷)した後にトリミング(例えば、サンドトリミング、レーザートリミング)によって第1の導体層3を除去する間隙4を形成している点である。その他の点は、図3(C)が図4(D)に、図3(D)が図4(E)に、図3(E)が図4(F)に、図3(F)が図4(G)にそれぞれ対応している。
【0055】
したがって、図4に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態も、図3に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
図5には、本発明の第2の実施の形態である熱線式空気流量計における多層回路基板の断面構成図が示されている。
図5に図示の多層回路基板の第2の実施の形態が、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態と異なる点は、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態が絶縁体5の上に抵抗体9と、該抵抗体9を挟み該抵抗体9に接続して配置する第2の導体層7,8とを形成し、抵抗体9をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第1のトリミング部10を形成して多層回路基板1を構成してあるのに対し、図5に図示の多層回路基板の第2の実施の形態は、抵抗体9をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第1のトリミング部10を形成した後、第1の絶縁体5と第1の抵抗体9と第2の導体層7,8の上に回路パターン保護層12を形成している点である。
【0057】
したがって、図5に図示の多層回路基板の第2の実施の形態も、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
図6は、本発明の熱線式空気流量計における多層回路基板の第3の実施の形態を示す断面構成図である。
図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態が、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態と異なる点は、図1に図示の多層回路基板の第1の実施の形態が第1の導体層3の上層に2本の第2の導体層7,8を形成する導体が2層の例であるのに対し、図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態が、2本の第2の導体層7,8の上に更に2本の第2の導体を形成する導体が3層で有る点が異なる。
【0059】
すなわち、図6において、絶縁基板2の上には、第1の導体層3が形成されており、この第1の導体層3には、部分的に所定幅で第1の導体層3を除去した2つの間隙4、13が形成されている。そして、このレーザートリミングによって間隙4、13を形成した第1の導体層3の上には、第1の絶縁体5が所定厚さに積層され、第1の導体層3に形成された第1の間隙4と第2の間隙13にも第1の絶縁体5が充填され、第1の間隙4には第1の絶縁領域6が形成され、第2の間隙13には第2の絶縁領域14が形成される。
【0060】
この第1の絶縁体5の上には、所定幅離して2本の第2の導体層7,8が形成されており、この2本の第2の導体層7,8を接続するように第1の抵抗体9が形成されている。この第1の抵抗体9の配置位置は、第1の導体層3の上にレーザートリミングによって形成した第1の間隙4の上方に当たる位置となっている。
【0061】
このようにして形成された第1の抵抗体9の抵抗値を調整するため、レーザービームによりトリミングする。この第1の抵抗体9をトリミングすることによって、第1の抵抗体9には、第1のトリミング部(トリミングによって生じる溝)10が形成される。
【0062】
この第1の絶縁体5と2本の第2の導体層7,8と第1の抵抗体9の上には、第2の絶縁体15が所定厚さに積層され、第1のトリミング部(トリミングによって生じる溝)10に充填される。この第2の絶縁体15の上には、所定幅離して2本の第3の導体16,17が形成されており、この2本の第3の導体16,17を接続するように第2の抵抗体18が形成されている。この第2の抵抗体18の配置位置は、第1の導体層3の上にレーザートリミングによって形成した第2の間隙13の上方に当たる位置となっている。
【0063】
このようにして形成された多層回路基板1は、その回路の電気的特性を調整するため、多層回路基板1の表面に配置された第2の抵抗体18をレーザービームによりトリミングする。この第2の抵抗体18をトリミングすることによって、多層回路基板1には、第2のトリミング部(トリミングによって生じる溝)19が形成される。
【0064】
したがって、図6に図示の多層回路基板の第2の実施の形態においては、第1の絶縁体5の第1のトリミング部10に対応する部分の第1の導体層3を除去して第1の間隙4を形成し、この第1の間隙4に第1の絶縁体5を充填して第1の絶縁領域6を構成しているため、レーザービーム照射時の第1の導体層3への影響を回避することができる。また、第2の絶縁体15の第2のトリミング部19に対応する部分の第1の導体層3を除去して第2の間隙13を形成し、この第2の間隙13に第1の絶縁体5を充填して第2の絶縁領域14を構成しているため、レーザービーム照射時の第1の導体層3への影響を回避することができる。
【0065】
ここでは、図6に図示の多層回路基板1を熱線式空気流量計における電子回路に適用した場合の例を示してあるが、これに限らず電子回路を利用した他の製品にも適用できることは勿論である。例えば、圧力センサ用の電子回路、自動車のエンジンコントロールユニットの電子回路等にも図1に図示の多層回路基板1を適用することは、可能である。
【0066】
図7は、本発明の熱線式空気流量計における多層回路基板の第4の実施の形態を示す断面構成図である。
図7に図示の多層回路基板の第4の実施の形態が、図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態と異なる点は、図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態が第2の絶縁体15の上に第2の抵抗体18と、この第2の抵抗体18を挟みこの第2の抵抗体18に接続して配置する第3の導体層16,17とを形成し、第2の抵抗体18をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第2のトリミング部19を形成して多層回路基板1を構成してあるのに対し、図7に図示の多層回路基板の第4の実施の形態は、第2の抵抗体18をトリミングして回路の電気的特性の調整を行い第2のトリミング部19を形成した後、第2の絶縁体15と第2の抵抗体18と第3の導体層16,17の上に回路パターン保護層20を形成している点である。
【0067】
したがって、図7に図示の多層回路基板の第4の実施の形態も、図6に図示の多層回路基板の第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、抵抗体をトリミングして回路の電気的特性を調整する際に、溶融した抵抗体の導電物質が下層導体に達しショートを起こすのを防止する効果がある。
【0069】
また、本発明によれば、回路基板の厚みと重量を増大させることなく、材料費と加工工数の増大を招来することがない。
【0070】
さらに、本発明によれば、下層導体を保護し、トリミング工程を容易ならしめるとともに薄型、軽量そして安価な多層回路基板を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用される熱線式空気流量計における多層回路基板の第1の実施の形態を示す多層回路基板の断面構成図である。
【図2】図1に図示の多層回路基板の平面図である。
【図3】図1に図示の多層回路基板の製造方法の第1の実施の形態を示す製造工程図である。
【図4】図1に図示の多層回路基板の製造方法の第2の実施の形態を示す製造工程図である。
【図5】本発明の適用される熱線式空気流量計における多層回路基板の第2の実施の形態でを示す多層回路基板の断面構成図である。
【図6】本発明の適用される熱線式空気流量計における多層回路基板の第3の実施の形態を示す断面構成図である。
【図7】本発明の適用される熱線式空気流量計における多層回路基板の第4の実施の形態を示す断面構成図である。
【図8】本発明に係る多層回路基板を熱線式空気流量計に用いたときの熱線式空気流量計への取付例を示す図である。
【符号の説明】
1……………………多層回路基板
2……………………絶縁基板
3……………………第1の導体層
4……………………間隙
5……………………絶縁体(第1の絶縁体)
6……………………第1の絶縁領域
7,8………………第2の導体層
9……………………抵抗体(第1の抵抗体)
10…………………第1のトリミング部
12…………………回路パターン保護層
13…………………間隙
14…………………第2の絶縁領域
15…………………第2の絶縁体
16,17…………第3の導体層
18…………………第2の抵抗体
19…………………第2のトリミング部
20…………………回路パターン保護層
Claims (23)
- 絶縁基板の上に配置された第1の導体層と、該第1の導体層の上に配置された絶縁体と、該絶縁体の上に配置された抵抗体と該抵抗体を挟み該抵抗体に接続される第2の導体層とからなり、前記抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板であって,
前記抵抗体のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分を絶縁領域で構成したことを特徴とする多層回路基板。 - 請求項1に記載の多層回路基板において,
前記抵抗体のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分は、マスクパターン印刷によって前記第1の導体層の印刷時に形成するものである多層回路基板。 - 請求項1に記載の多層回路基板において,
前記抵抗体のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分は、前記第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するものである多層回路基板。 - 請求項1、2又は3に記載の多層回路基板において,
前記絶縁領域は、前記第1の導体層と前記第2の導体層の間に配置する絶縁体と一体に形成したものであることを特徴とする多層回路基板。 - 請求項1、2又は3に記載の多層回路基板において,
前記絶縁領域は、前記第1の導体層と前記第2の導体層の間に配置する絶縁体とは別体に形成されて挿入配置されているものであることを特徴とする多層回路基板。 - 請求項1、2、3、4又は5に記載の多層回路基板において,
前記絶縁体、前記第2の導体層、前記抵抗体を覆うように回路パターン保護層を設けたことを特徴とする多層回路基板。 - 絶縁基板の上に絶縁領域を設けて配置された第1の導体層と,
前記第1の導体層の上に前記絶縁領域を埋めて配置された絶縁体と,
前記絶縁体の上に配置された抵抗体と該抵抗体を挟み該抵抗体に接続する第2の導体層と,
からなり、前記抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行ってなる多層回路基板を構成部品として含むことを特徴とする電子機器。 - 請求項7に記載の電子機器において,
前記多層回路基板を構成部品として含む電子機器は、熱線に流れる電流を制御して、空気の流量を計測する熱線式空気流量計であることを特徴とする電子機器。 - 絶縁基板の上に第1の導体層を配置する第1の工程と、
前記第1の導体層に間隙を形成する第2の工程と、
前記第1の導体層の上と前記間隙に絶縁体を配置する第3の工程と、
前記絶縁体の上に抵抗体と、該抵抗体を挟み該抵抗体に接続して配置する第2の導体層とを配置する第4の工程と、
前記抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行いトリミング部を形成する第5の工程と,
からなる多層回路基板の製造方法。 - 請求項9に記載の多層回路基板の製造方法において,
前記第2の工程は、前記第1の工程において第1の導体層の印刷時にマスクパターン印刷によって形成するものである多層回路基板の製造方法。 - 請求項9に記載の多層回路基板の製造方法において,
前記第2の工程は、前記第1の工程において第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するものである多層回路基板の製造方法。 - 請求項9、10又は11に記載の多層回路基板の製造方法において,
前記抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行いトリミング部を形成する第5の工程の後,
前記第1の絶縁体と、前記第1の抵抗体と、前記第2の導体層との上に回路パターン保護層を配置する第6の工程を設けたことを特徴とする多層回路基板の製造方法。 - 絶縁基板の上に配置された第1の導体層と、該第1の導体層の上に配置された第1の絶縁体と、該第1の絶縁体の上に配置された第1の抵抗体と該第1の抵抗体を挟み該第1の抵抗体に接続される第2の導体層と,
前記第1の絶縁体と、前記第1の抵抗体と、前記第2の導体層との上に配置された第2の絶縁体と,
前記第2の絶縁体の上に配置された第2の抵抗体と該第2の抵抗体を挟み該第2の抵抗体に接続される第3の導体と,
前記第2の絶縁体と、前記第3の導体と、前記第2の抵抗体との上に配置された回路パターン保護層と,
からなり、前記第1の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うと共に前記第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板であって,
前記第1の抵抗体の第1のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分を第1の絶縁領域で構成すると共に前記第2の抵抗体の第2のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分を第2の絶縁領域で構成したことを特徴とする多層回路基板。 - 請求項13に記載の多層回路基板において,
前記第1の抵抗体のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分及び前記第2の抵抗体のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分は、マスクパターン印刷によって前記第1の導体層の印刷時に形成するものである多層回路基板。 - 請求項13に記載の多層回路基板において,
前記第1の抵抗体のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分及び前記第2の抵抗体のトリミング部に対応する前記第1の導体層の部分は、前記第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するものである多層回路基板。 - 請求項13、14又は15に記載の多層回路基板において,
前記第1の絶縁領域及び第2の絶縁領域は、前記第1の導体層と前記第2の導体層の間に配置する絶縁体と一体に形成したものであることを特徴とする多層回路基板。 - 請求項13、14又は15に記載の多層回路基板において,
前記第1の絶縁領域及び第2の絶縁領域は、前記第1の導体層と前記第2の導体層の間に配置する絶縁体とは別体に形成してあることを特徴とする多層回路基板。 - 絶縁基板の上に配置された第1の導体層と,
前記第1の導体層の上に配置された第1の絶縁体と、該第1の絶縁体の上に配置された第1の抵抗体と該第1の抵抗体を挟み該第1の抵抗体に接続される第2の導体層と,
前記第1の絶縁体と、前記第1の抵抗体と、前記第2の導体層との上に配置された第2の絶縁体と,
前記第2の絶縁体の上に配置された第2の抵抗体と該第2の抵抗体を挟み該第2の抵抗体に接続される第3の導体と,
前記第2の絶縁体と、前記第2の抵抗体と、前記第3の導体との上に配置された回路パターン保護層と,
からなり、前記第1の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うと共に前記第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行う多層回路基板であって,
前記抵抗体と前記第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行ってなる多層回路基板を構成部品として含むことを特徴とする電子機器。 - 請求項18に記載の電子機器において,
前記多層回路基板を構成部品として含む電子機器は、熱線に流れる電流を制御して、空気の流量を計測する熱線式空気流量計であることを特徴とする電子機器。 - 絶縁基板の上に第1の導体層を配置する第1の工程と,
前記第1の導体層に第1の間隙と第2の間隙を形成する第2の工程と,
前記第1の導体層の上と前記第1の間隙と第2の間隙に第1の絶縁体を配置する第3の工程と,
前記第1の絶縁体の上に第1の抵抗体と、該第1の抵抗体を挟み該第1の抵抗体に接続して配置する第2の導体層とを配置する第4の工程と,
前記抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成する第5の工程と,
前記第2の導体層の上に第2の絶縁体を配置する第6の工程と,
前記第2の絶縁体の上に第2の抵抗体と、該第2の抵抗体を挟み該第2の抵抗体に接続して配置する第3の導体とを配置する第7の工程と,
前記第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成する第8の工程と,
を備えたことを特徴とする多層回路基板の製造方法。 - 請求項20に記載の層回路基板の製造方法において,
前記第2の工程は、前記第1の工程において第1の導体層の印刷時にマスクパターン印刷によって形成するものである多層回路基板の製造方法。 - 請求項20に記載の層回路基板の製造方法において,
前記第2の工程は、前記第1の工程において第1の導体層をベタ印刷した後にトリミングによって形成するものである多層回路基板の製造方法。 - 請求項20、21又は22に記載の層回路基板の製造方法において,
前記第2の抵抗体をトリミングして回路の電気的特性の調整を行うトリミング部を形成する第8の工程の後,
前記第1の絶縁体と、前記第2の抵抗体と、前記第3の導体との上に回路パターン保護層を配置する第9の工程を設けたことを特徴とする多層回路基板の製造方法。
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