JP2004138672A - トナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナー - Google Patents

トナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナー Download PDF

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Abstract

【構成】特定の数平均分子量、水酸基価を有するポリエステル(A1)由来の構造を有する部位(A)と、特定の数平均分子量、エポキシ当量を有するエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)と、特定の融点を示すワックス(C)とウレタン結合を有する構造単位(E)とからなるポリエステル樹脂(D)を含有することを特徴とするトナー用バインダー樹脂。トナー用バインダー樹脂として前記の樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナー。ポリエステル樹脂(D)の製造方法。
【効果】本発明のトナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた電子写真トナーは、定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性(保存性)に優れており、電子写真トナーとして優れた性能を有している。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真、静電印刷等において静電荷像を現像するために用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
オフィスオートメーションの発展に伴い、電子写真法を利用した複写機やプリンターの需要は急激に増加しており、それらの性能に対する要求も高度化している。一般に、複写機やプリンターに於ける電子写真法は、感光体上に静電気的潜像を形成し、ついで潜像を、トナーを用いて現像し、紙などの被定着シート上にトナー画像を転写した後、熱ロールで加熱圧着する方法(熱ロール定着方式)が行われている。この熱ロール定着方式においては、消費電力等の経済性の向上、複写速度の上昇、用紙等のカール防止等のため、より低温で定着可能な定着性の良好なトナーが要求されている。一方で、熱ロール定着方式においては、熱ロール表面とトナーが溶融状態で接触するため、トナーが熱ロール表面に付着転移し、次の被着シートにこれが再転移して汚す、所謂オフセット現象という問題が生じる。このオフセット現象を発生させないことも、重要なトナー性能への要求の一つである。さらには、複写機、プリンターの高速化に伴い、帯電部位の高性能化の要求も高まってきている。すなわちトナーに対し、より高度な耐久性が必要とされてきており、長期耐刷安定性が必要になりつつある。
【0003】
このような要求に対して、従来技術では、トナー用バインダー樹脂の分子量や分子量分布を改良したもの等の提案がなされている。具体的には、結着樹脂を低分子量化し、定着温度を低くしようとする試みがなされた。しかしながら、低分子量化することにより融点は低下するが、同時に樹脂の凝集力も低下するため、定着ロールへのオフセット現象が発生する。この問題を防ぐため、高分子量の樹脂と低分子量の樹脂を混合使用して分子量分布を広くしたものを該バインダー樹脂として用いる方法や、あるいは、さらにバインダー樹脂の高分子量部分を架橋させたりすることなどが行われている。
【0004】
上記手法を用いたトナー用バインダー樹脂としては、一般に、スチレン−アクリル系樹脂(例えば、特公昭55−6895号公報(特許文献1)、特公昭63−32180号公報(特許文献2)、米国特許第5,084,368号明細書等(特許文献3))やポリエステル樹脂(例えば、特開昭61−284771号公報(特許文献4)、特開昭62−291668号公報(特許文献5)、特公平7−101318号公報(特許文献6)、米国特許第4,833,057号明細書(特許文献7)等)やポリオール樹脂等(例えば、特開平11−189647号公報(特許文献8)等)が主として用いていられている。
【0005】
しかしながら、これらの方法では、熱定着ロールからの熱量が十分に伝わり難い高速複写機や小型複写機では十分な効果が得られていない。すなわち、オフセット現象を防止する目的で、重量平均分子量の高いものや、架橋を施したものを使用すると樹脂の粘度が高くなり、定着性が悪化する。
【0006】
このような要求を達成するためにトナー中にパラフィンワックス、低分子量ポリオレフィン等を離型剤として添加する方法がある。スチレン系の結着樹脂を使用する場合には特開昭49−65232号公報(特許文献9)、特開昭50−28840号公報(特許文献10)、特開昭50−81342号公報(特許文献11)等の技術が開示されている。しかしながら、オフセット現象を改善する反面、耐ブロッキング性(保存性)を悪化させトナーの使用時あるいは貯蔵時に粉体として安定して存在させることを難くしたり、現像性が悪化したりしていた。さらに、ポリエステル樹脂の場合には、同上の離型剤を適用しても効果は少なく、使用量を多くすると現像剤の劣化が早いことも確認されている。
【0007】
このように、充分な定着性、オフセット性を持ち、なおかつ、高画質の複写画像を提供することが可能な現像剤を提供するためには、上述の現像剤に十分な電子写真特性を付与する必要があり、現在までに、複写画像の高画質,高精細化を図るために、種々の手法が試みられてはいるものの、特に上述した欠点を全て改善することができる手段は現在までのところ得られていなかった。
【特許文献1】特公昭55−6895号公報
【特許文献2】特公昭63−32180号公報
【特許文献3】米国特許第5,084,368号明細書
【特許文献4】特開昭61−284771号公報
【特許文献5】特開昭62−291668号公報
【特許文献6】特公平7−101318号公報
【特許文献7】米国特許第4,833,057号明細書
【特許文献8】特開平11−189647号公報
【特許文献9】特開昭49−65232号公報
【特許文献10】特開昭50−28840号公報
【特許文献11】特開昭50−81342号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、熱ロール定着方式においてオフセット防止液を塗布することなくオフセットが防止され、かつより低い定着温度で定着でき、更には耐ブロッキング性(保存性)に優れたトナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナーを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような要望を満足させるのに十分な性能を有するトナーを製造する際に用いることのできる優れた特性を有するバインダー樹脂を開発すべく鋭意検討した結果、例えばポリエステル系樹脂とエポキシ基含有スチレン系重合体とワックスとを、ポリイソシアネートで反応させることにより得られる様なポリエステル由来の構造部位とエポキシ基含有スチレン系重合体由来の構造部位とワックスとウレタン結合を有する構造単位とからなるポリエステル樹脂が従来の技術では到達出来なかった優れたトナー用バインダー樹脂であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の第1の態様は、数平均分子量(Mn)が1000〜50000であり水酸基価が5〜100mg−KOH/gであるポリエステル(A1)由来の構造を有する部位(A)55〜99質量部と、数平均分子量(Mn)が1000〜30000でありエポキシ当量が1000〜30000g/当量でありスチレン単位が35〜99.5質量%であるエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)45〜1質量部と、融点が70〜155℃のワックス(C)をポリエステル(A1)由来の構造を有する部位(A)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)の総量100質量部に対して1〜13質量部と、ポリエステル(A1)の合計水酸基価1モル当量に対し0.1〜2.5モル当量のウレタン結合を有する構造単位(E)からなる変性ポリエステル樹脂(D)を含有することを特徴とするトナー用バインダー樹脂である。
【0010】
本発明の第2の態様は、樹脂(D)のガラス転移温度が40〜70℃であり、かつ、テトラヒドロフラン可溶分の分子量分布(重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値、すなわちMw/Mn)が3以上であるトナー用バインダー樹脂である。
【0011】
本発明の第3の態様は、上記、第1,第2の態様のトナー用バインダー樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナーである。
【0012】
本発明の第4の態様は、数平均分子量(Mn)が1000〜50000であり水酸基価が55〜100mg−KOH/gであるポリエステル(A1)55〜99質量部と、数平均分子量(Mn)が1000〜30000でありエポキシ当量が1000〜30000g/当量であり樹脂中のスチレン単位が35〜99.5質量%であるエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)45〜1質量部と、融点が70〜155℃のワックス(C)をポリエステル系樹脂(A1)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)の総量100質量部に対して1〜13質量部との混合物に、ポリエステル(A1)の合計水酸基価1モル当量に対しイソシアネート基として0.1〜2.5モル当量のポリイソシアネート(E1)を添加し100〜200℃でウレタン伸長することによりポリエステル樹脂(D)を製造する製造方法である。
【0013】
本発明においては重合と言う語に、共重合の意味が含まれることがあり、重合体と言う語に、共重合体の意味が含まれることがある。
【0014】
本発明においてポリエステル由来の構造を有する部位(A)は一般に対応するポリエステル(A1)に由来する部位であり、ポリエステル(A1)は、一般に、少なくとも一種のジオールと少なくとも一種のジカルボン酸とを主成分として、重縮合反応を行うことによって得られる樹脂である。更に、分子量分布やガラス転移温度などの調節などを目的として数種類のポリエステル系樹脂を組み合わせて使用することも出来る。上記の重縮合反応を行う際の温度は、一般に、150〜300℃、好ましくは180℃〜270℃、更に好ましくは180℃〜250℃である。反応温度が150℃未満の場合は反応時間が長くなるため好ましくなく、300℃を超える場合は分解が起こるため好ましくない。
【0015】
ポリエステル(A1)の原料として使用されるジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール(通称、プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらの中でもビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールが好ましく、更にはビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、トリエチレングリコール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールが好ましく用いられる。
【0016】
またポリエステル(A1)系樹脂のもう一方の原料として使用されるジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族飽和ジカルボン酸類, マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸, フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸, 前記の各種ジカルボン酸の無水物(例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸など)や炭素数1〜6の低級アルキルエステル(例えばコハク酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フタル酸ジヘキシルエステルなど)などが挙げられる。これらの中でもアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、更にはテレフタル酸、イソフタル酸が好ましく用いられる。
【0017】
更に、ポリエステル(A1)の原料として、必要によりグリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ソルビット、ソルビタンなどの3価以上の多価アルコール, オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸, 分岐や不飽和基を有する脂肪族モノカルボン酸, オクタノール、デカノール、ドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族モノアルコール, 安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの芳香族モノカルボン酸, トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸ならびにその酸無水物などを使用することができる。これらの中でもグリセリン、トリメチロールプロパン、ステアリン酸、トリメリット酸、安息香酸が好ましく、更にはトリメチロールプロパン、ステアリン酸、安息香酸が好ましく用いられる。
【0018】
特に、後工程であるポリイソシアネートでウレタン伸長する際に充分高分子化させるために、ポリエステル(A1)の原料として、前記した3価以上の多価アルコールを1種以上使用することが好ましい。3価以上の多価アルコールの使用量は、ポリエステル(A1)の原料である全アルコール成分(ジオールと3価以上の多価アルコールの合計量)の0.25〜25モル%の範囲が好ましく、更には0.5〜20モル%の範囲がより好ましい。3価以上の多価アルコールの使用量が0.25モル%未満の場合には、後述するポリイソシアネートでウレタン伸長する際に一般的に反応性が低く高分子量化し難い為、耐オフセット性や耐久性が不足することとがあり、また25モル%を超えるとポリエステル(A1)を製造する際にゲル化しやすくなり、重縮合反応を実施し難くなる問題が生じることがある。
【0019】
ポリエステル(A1)の水酸基価は、5〜100mg−KOH/gである。好ましくは5〜80mg−KOH/gである。水酸基価が5 mg−KOH/g未満の場合、後述するポリイソシアネートでウレタン伸長する際に一般的に反応性が低く高分子化し難いため、耐オフセット性が不充分となる場合がある。水酸基価が100mg−KOH/gを超えた場合、ポリイソシアネートでウレタン伸長する際にゲル分が多くなり過ぎ、定着性が不十分となる場合がある。また、ポリエステル(A1)の数平均分子量(Mn)は、1000〜50000が好ましい。より好ましくは1000〜20000である。数平均分子量が1000未満の場合、耐オフセット性や耐久性の面で好ましくない場合があり、50000を超えた場合は定着性の面で好ましくない。また、ポリエステル(A1)のガラス転移温度(Tg)は、30℃〜80℃が好ましい。更に好ましくは40〜70℃である。30℃未満の場合、ポリイソシアネートでウレタン伸長した後の変性ポリエステル樹脂(D)のTgが低くなり、耐ブロッキング性(保存性)が悪化する場合があり、80℃を超える場合はポリイソシアネートでウレタン伸長した後の変性ポリエステル樹脂(D)のTgが高くなりすぎて定着性が悪化する場合がある。また、ポリエステル(A1)の酸価は40mg−KOH/g以下が好ましく、より好ましくは30mg−KOH/g以下であり、更に好ましくは20mg−KOH/g以下である。酸価が40mg−KOH/gより大きい場合、耐ブロッキング性(保存性)が悪化することがあるため好ましくない。
【0020】
本発明においてエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)とは、一般的にエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)に由来する部位であり、エポキシ基含有スチレン系重合体(B1)は、通常スチレンと少なくとも1種以上のエポキシ基含有ビニル化合物と他の重合性化合物との共重合により得られる樹脂である。更に、エポキシ当量が30000g/当量を超えるスチレン系重合体とエポキシ当量が30000g/当量以下のスチレン系重合体を混合した場合であっても、その混合物のエポキシ当量が1000〜30000g/当量であり、数平均分子量(Mn)が1000〜30000であり、スチレン系重合体中のスチレン単位が35〜99.5質量%であれば、本発明のエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)として用いることが出来る。
【0021】
上記の重合方法としては溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合など公知の方法が採用できるが、有機溶剤中での溶液重合法がその簡便さから好適に用いられる。溶液重合では、溶剤としてベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、キュメン等の芳香族炭化水素の中から単独もしくは組み合わせて使用するが、他の溶剤も使用することができる。
【0022】
重合開始剤としては通常、ラジカル重合開始剤として使用可能なものはすべて使用することができる。例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、などのアゾ系開始剤, メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、などのケトンパーオキサイド類, 1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシ )−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ブチルパーオキシ )シクロヘキサン、などのパーオキシケタール類, t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、などのハイドロパーオキサイド類, ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、などのジアルキルパーオキサイド類, イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、などのジアシルパーオキサイド類, ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、などのパーオキシジカーボネート類, アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイドなどのスルホニルパーオキサイド類, t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、などのパーオキシエステル類等を示すことができる。それらは単独で用いることも、2種以上を併用することができる。その種類、量は反応温度、単量体濃度等により適宜選択して使用でき、通常、仕込単量体100質量部当たり 0.01〜10質量部使用される。
【0023】
エポキシ基含有ビニル単量体とは、例えばアクリル酸グリシジル、アクリル酸−β−メチルグリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、等が挙げられる。
【0024】
他の重合性化合物とは、スチレン(スチレンモノマー)以外の重合性二重結合を有する化合物であり、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フルフリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸エトキシル、アクリル酸ブトキシル、アクリル酸ジメチルアミノメチルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル等のアクリル酸エステル類, メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ジメチルアミノメチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル等のメタクリル酸エステル類, ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族ビニル化合物, マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマール酸ジブチル、フマール酸ジオクチル等の不飽和二塩基酸ジアルキルエステル類, 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類, アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド等の含窒素重合性化合物, ジビニルベンゼン、 (ポリ) エチレングリコールジアクリレート、(ポリ) エチレングリコールジメタクリレート等の2官能重合性化合物, ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等の共役ジエン化合物であり、これらのビニル単量体の少なくとも1種または2種以上を混合して用いられる。これらの中で特に好ましい重合性化合物としては、芳香族ビニル単量体類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、フマール酸ジアルキルエステル類、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。
【0025】
エポキシ基含有スチレン系重合体(B1)のエポキシ当量は、1000〜30000g/当量が好ましく、更には3000〜30000g/当量がより好ましい。1000 g/当量未満の場合、定着性が不充分となる場合があり好ましくなく、30000 g/当量を超える場合、耐オフセット性が不十分となる場合があるため好ましくない。
【0026】
また、エポキシ基含有スチレン系重合体(B1)中のスチレン単位は、35〜99.5質量%が好ましく、更には50〜90質量%がより好ましい。スチレン単位が35質量%未満の場合、Tgが低くなり耐ブロッキング性(保存性)が不十分となることがあるため好ましくない。また、エポキシ基含有スチレン系重合体(B1)の数平均分子量(Mn)は、1000〜30000が好ましく、更には3000〜25000がより好ましい。数平均分子量(Mn)が1000未満の場合、増粘しづらくなり耐オフセット性の面で好ましくない場合があり、30000を超えるとポリエステル系樹脂との相溶性が悪化し、増粘しにくくなる場合があるため好ましくない。エポキシ基含有スチレン系重合体(B1)のTgは30℃〜80℃が好ましい。30℃以下の場合、ウレタン伸長した後の樹脂のTgが低くなり、耐ブロッキング性(保存性)が悪化する場合があり、80℃以上の場合はウレタン伸長した後の樹脂のTgが高くなりすぎ、定着性が悪化する場合がある。更に好ましくは40〜70℃である。
【0027】
本発明におけるポリエステル(A1)由来の構造を有する部位(A)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)は、部位(A)が55質量部〜99質量部、好ましくは60質量部〜97質量部に対して、部位(B)が45質量部〜1質量部、好ましくは40質量部〜3質量部である。
【0028】
ワックス(C)は、融点が70〜155℃であればいずれを用いても良く、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類やセラミックワックス、ライスワックス、シュガーワックス、ウルシロウ、密鑞、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス等の天然ワックス、フィッシャートロプシュワックス及びこれらの変性物が上げられ、ワックス(C)としてこれらの中から少なくとも1種を用いる。ワックス(C)の融点が70℃未満の場合、ワックスの低融点成分が増加するせいか、ブロッキングを引き起こす場合があるため好ましくなく、155℃以上の場合ではワックスが溶融しにくくなり低温定着の面から好ましくない。また、これらのワックス(C)の使用量はポリエステル(A1)由来の構造を有する部位(A)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)の総量100質量部に対して1〜13質量部、特に、2〜10質量部が好ましい。1質量部未満では、低分子量ワックスの効果がほとんど期待できず、13質量部を越えると、低分子量体ワックスの軟性分が増加するせいか、定着ロールあるいは感光体の汚れが激しくなり、好ましくない。
【0029】
本発明のウレタン結合を有する構造単位(E)は、通常ポリイソシアネート(E1)と前記ポリエステル樹脂の水酸基やエポキシ基含有スチレン樹脂のエポキシ基由来の水酸基等と反応する(ウレタン伸長反応)ことによって形成される。本発明のポリイソシアネート(E1)とは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート, イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート, キシリレンジイソシアネート(XDI)などのアラルキル系ジイソシアネートなどによって代表される、1分子中に2個のイソシアネート基を含有するジイソシアネート化合物が挙げられる。また、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)などの1分子中に3個以上のイソシアネート基を含有するポリイソシアネートも用いることが出来る。更に、前記の各種ポリイソシアネート類をビウレット変性、アロファネート変性、イソシアヌレート変性、ウレタン変性などの種々の変性を行った変性ポリイソシアネート類も使用することが可能である。中でも芳香族ジイソシアネートは反応性に富み、また安価であるので、最も好適に使用し得るポリイソシアネートの1つである
本発明のトナー用バインダー樹脂の製造方法としては、ポリエステル(A1)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)とワックス(C)との混合物にポリイソシアネート(E1)を添加し、ウレタン伸長する方法が好ましく用いられる。
【0030】
本発明のトナー用バインダー樹脂の製造方法ににおいては、ポリエステル系樹脂(A1)の合計水酸基価1モル当量に対し、ポリイソシアネート(E1)はイソシアネート基として0.1〜2.5モル当量での量で用いられることが好ましく、更には0.2〜2.0モル当量であることがより好ましい。0.1モル当量未満であると耐オフセット性の面で好ましくなく、2.5モル当量を超えると製造されるポリエステル樹脂(D)中にポリイソシアネート(E1)がウレタン伸長反応に関わらずに残存する場合があり好ましくない。
【0031】
また、ポリエステル(A1)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)の合計100質量部に対するエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)の比率は、1〜45質量部であることが好ましく、更には3〜40質量部であることが好ましい。1質量部未満の場合、耐ブロッキング性(保存性)が不十分となる場合があり、45質量部を超えると、定着性が低下する場合がある為、好ましくない。
【0032】
また、本発明の上記トナー用バインダー樹脂の製造方法では、ポリエステル(A1)、エポキシ基含有スチレン系重合体(B1)、ワックス(C)の混合方法や、ポリイソシアネート(E1)との反応方法は、従来公知の方法、例えば反応容器中に原料を仕込み、溶液状態になるまで加熱し反応させる方法などで行うことが出来るが、ポリエステル系樹脂(A1)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)とワックス(C)との樹脂の混合物を二軸混練機に供給し、100〜200℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にポリイソシアネートを注入して溶融混練する方法が好適に用いられる。更には単軸押出機、スタティックミキサーも用いることができる。ウレタン伸長の反応温度は100〜200℃が好ましく、更に好ましくは140〜190℃である。100℃以下の場合、ウレタン伸長反応が不充分となり耐オフセット性が悪化する場合があり、200℃以上の場合、樹脂が熱により分解する場合があるため好ましくない。
【0033】
本発明のポリエステル樹脂(D)のガラス転移温度は、40〜70℃が好ましく、更には45〜65℃がより好ましい。40℃未満の場合、保存性が悪化するため好ましくなく、70℃を超えると定着性が悪化するため好ましくない。
【0034】
本発明のポリエステル樹脂(D)は通常テトラヒドロフラン可溶部と、テトラヒドロフラン不溶部とを有する。このうちテトラヒドロフラン不溶部の比率は50重量%以下、好ましくは35重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。テトラヒドロフラン不溶部が50重量%より多い場合、トナーの定着性が悪化することがあるため好ましくない。テトラヒドロフラン不溶部にはウレタン結合に由来する窒素がテトラヒドロフラン可溶部より多く含まれている
また、ポリエステル樹脂(D)のテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布(Mw/Mn)は、3以上であることが耐ホットオフセット性の面から好ましく、更に好ましくは6以上である。
【0035】
なお、本発明において水酸基価は樹脂1g中の水酸基をエステル化するのに必要な酸無水物を中和する為に必要な水酸化カリウムのmg数を言う。
【0036】
また、本発明において酸価は樹脂1gを中和する為に必要な水酸化カリウムのmg数を言う。
【0037】
また、本発明においてエポキシ当量はエポキシ基(エポキシ酸素)1グラム当量を含むエポキシ基含有樹脂の重量を言う。
【0038】
本発明のトナー用バインダー樹脂は、上記のポリエステル樹脂(D)単独か、もしくはその特性を損なわない範囲でポリエステル樹脂(D)に他の成分を加えた組成物であっても良い。他の成分として具体的にはバインダー樹脂として公知のものであればいずれでもよく、例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂等が挙げられる。
【0039】
本発明のトナーは、上記のポリエステル樹脂(D)を含むトナー用バインダー樹脂、帯電調整剤(CCA)、着色剤、表面処理剤、ワックスを含むものである。
【0040】
本発明のトナ−用バインダー樹脂の量は、トナー中に40〜95質量%であることが好ましい。
【0041】
以下、トナー用バインダー樹脂以外のものについて詳述する。
まず、着色剤について記すと、従来知られている染料及び顔料を使用することができ、具体的には例えばカーボンブラック、マグネタイト、フタロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエロー、ニグロシン染料(C.I.No. 50415),アニリンブルー(C.I.No. 50405),カルコオイルブルー(C.I.No.azoec Blue 3),クロームイエロー(C.I.No. 14090),ウルトラマリンブルー(C.I.No. 77103),デユポンオイルレツド(C.I.No. 26105),オリエントオイルレツド#330(C.I.No. 60505),キノリンイエロー(C.I.No. 47005),メチレンブルークロライド(C.I.No. 52015),フタロシアニンブルー(C.I.No. 74160),マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No. 42000),ランブブラツク(C.I.No. 77266),ローズベンガル(C.I.No. 45435),オイルブラツク,アゾオイルブラツク等を使用することができる。その添加量としては、トナー用バインダー樹脂100質量部に対して3〜35質量部、好ましくは3〜20質量部、さらにはトナー像の好適なOHPフィルムの透過性を考慮すると12質量部以下の範囲で使用されるのが好ましく、通常3〜9質量部であるのが最も好適である。
また、帯電調整剤としては、ニグロシン、4級アンモニウム塩や含金属アゾ染料をはじめとする公知の帯電調整剤を適宜選択して使用することができ、その使用量はトナー用バインダー樹脂組成物100質量部に対して、通常用いられる0.1〜10質量部である。
【0042】
また、本発明のトナーは、バインダー樹脂にワックスが含まれているが、必要に応じ、特性を損なわない範囲でトナー製造時に更にワックスを添加することができる。添加できるワックスとしては前記のワックスが上げられる。
【0043】
次に表面処理剤については、トナーに対して該表面処理剤を添加することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー相互の間に該表面処理剤が存在することになり、現像剤の粉体流動性が向上され、かつさらに現像剤の寿命をも向上させることが出来る。具体的な例示としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンクロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン超微粒子、シリコーンといった微粉末を挙げることが出来、商品名としては、AEROSIL 130、200、200V、200CF、200FAD、300、300CF、380、R972、R972V、R972CF、R974、R976、RX200、R200、R202、R805、R812、R812S、TT600、MOX80、MOX170、COK84、酸化チタンT805、酸化チタンP25(以上、日本アエロジル社、およびテグザ社製)、CAB−O−SIL L90、LM130、LM150、M5、PTG、MS55、H5、HS5、LM150D、M7D、MS75D、TS720、TS610、TS530(以上、CABOT社製)などであり、特に該表面処理剤の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m/g以上、特に50〜400m/gの範囲のものが良い。かかる該表面処理剤の添加量は、トナー用バインダー樹脂組成物100質量部に対して0.1〜20質量部で使用することが好適である。
【0044】
また、本発明のトナーは、その特性を損なわない範囲で他のトナー用バインダー樹脂を含有せしめることができる。含有させる事のできる他のトナー用バインダー樹脂としてはバインダー樹脂として公知のものであればいずれでもよく、例えばポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂などが挙げられる。
【0045】
これらの材料を含む本発明のトナーの製造方法としては、本発明のトナー用バインダー樹脂、着色剤、必要であればその他の添加剤を粉体混合機により充分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーといった混練機を用いて温度100〜200℃で溶融、混練して各構成成分を充分に混合する。これを冷却後、粉砕、分級を行なって、通常8〜20μmの範囲の粒子を集め、粉体混合法により表面処理剤をまぶして電子写真用トナーを得る。
【0046】
本発明により得られるトナーは種々の現像プロセス、例えばカスケード現像法、磁気ブラシ法、パウダー・クラウド法、タツチダウン現像法、キヤリアとして粉砕法によつて製造された磁性トナーを用いる所謂マイクロトーニング法、磁性トナー同士の摩擦帯電によつて必要なトナー電荷を得る所謂バイポーラー・マグネチックトナー法などに用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0047】
また,本発明により得られるトナーは種々の定着方法,例えば所謂オイルレスおよびオイル塗布ヒートロール法、フラツシユ法、オーブン法、圧力定着法などに用いることができる。
【0048】
更に、本発明のトナーは,種々のクリーニング方法、例えば、所謂フアーブラシ法、ブレード法などに用いることができる。
【0049】
【実施例】
次に実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。実施例、比較例の記載において「部」は特にことわらない限り質量部を意味する。また、各表中のデータの測定法及び判定法は次の通りであった。
ガラス転移温度(Tg)は示差走査型熱量測定法(DSC)に従い、DSC−20(セイコー電子工業社製)によって測定した。試料約10mgを−20℃から200℃まで10℃/分で昇温し、得られたカーブのベースラインと吸熱ピークの傾線の交点よりTgを求める。この昇温測定の前に一旦樹脂を200℃程度まで昇温し、5分間保持した後、即座に常温(25℃)まで降温する操作を行い、樹脂の熱履歴を統一することが望ましい。また、ワックスの融点もワックス吸熱ピークから求める。
水酸基価の測定方法は例えば酸無水物による逆滴定により行われるが、特に酸無水物に無水フタル酸、触媒にイミダゾールを使用する方法が好ましく、これら酸無水物、触媒を溶かす溶剤にはピリジンを用いて反応試薬とする。反応試薬と樹脂を反応させた後にこれらを希釈する溶剤に、ピリジン又はテトラヒドロフラン(THF)等、樹脂の溶解性に優れた溶剤を使用する必要性は言うまでも無い。酸価の測定方法は中和滴定により行われるが、樹脂の溶解性に優れた溶剤を使用する必要性は言うまでもなく、キシレン/ジメチルホルムアミド=1/1(重量比)の混合溶剤が特に好ましい。
エポキシ当量は樹脂試料0.2〜5gを精秤し、200mlの三角フラスコに入れた後、ジオキサン25mlを加えて溶解させる。1/5規定の塩酸溶液(ジオキサン溶媒)25mlを加え、密栓して充分混合後、30分間静置する。次にトルエン‐エタノール混合溶液(1:1容量比)50mlを加えた後、クレゾールレッドを指示薬として1/10規定水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。滴定結果に基づいて下記式にしたがってエポキシ当量(g/当量)を計算する。エポキシ当量(g/当量)=1000×W/[(B−S)×N×F] W:試料採取量(g)、B:空試験に要した水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)、S:試料の試験に要した水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)、N:水酸化ナトリウム水溶液の規定度、F:水酸化ナトリウム水溶液の力価。
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて求めた数平均分子量(Mn)である。測定は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準とし、以下の条件で行った。
【0050】
検出器  ;  SHODEX RI−71S
溶剤  ;   テトラヒドロフラン
カラム  ;  KF−G + KF−807L x 3 + KF800D
流速  ;    1.0ml/分
試料 ;  0.25%THF溶液
なお、測定の信憑性は上記の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン試料(Mw=288,000, Mn=137,000, Mw/Mn=2.11)のMw/Mnが、2.11±0.10となることにより確認し得る。
定着性は市販の電子写真複写機を改造した複写機にて未定着画像を作成した後、この未定着画像を市販の複写機の定着部を改造した熱ローラー定着装置を用いて定着させた。熱ロールの定着速度は190 mm/secとし、熱ローラーの温度を5℃ずつ変化させてトナーの定着を行った。得られた定着画像を砂消しゴム(トンボ鉛筆社製)により、1.0 Kgの荷重をかけ、10回摩擦させ、この摩擦試験前後の画像濃度をマクベス式反射濃度計により測定した。各温度での画像濃度の変化率が60%以上となった最低の定着温度をもって最低定着温度とした。なお、ここに用いた熱ローラ定着装置はシリコーンオイル供給機構を有しないものである。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。
○ ;              最低定着温度 ≦ 165℃
△ ;   185℃ ≧ 最低定着温度 > 165℃
× ;               最低定着温度 > 185℃
耐オフセット性の評価は、上記最低定着温度の測定に準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナー像を転写して上述の熱ローラー定着装置により定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該熱ローラ定着装置に送って転写紙上にトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記熱ローラー定着装置の熱ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度とした。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。
○ ;              オフセット発生温度 ≧ 240℃
△ ;        240℃ > オフセット発生温度 ≧ 220℃
× ;        220℃ > オフセット発生温度
耐ブロッキング性(保存性)の評価は、トナーを温度50℃、相対湿度85%の環境条件下に48時間放置後、150メッシュのふるいに5gのせ、パウダーテスター(細川粉体工学研究所)の加減抵抗機の目盛りを3にして、1分間振動を加える。振動後の150メッシュのふるいの上に残った重量を測定し、残存重量比を求めた。
○ ;     20%より小さい
△ ;       20%以上40%以下
× ;       40%より大きい
本発明ではポリエステル(A1)として以下の樹脂を用いた。
樹脂A−1;5リットルの四つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を取り付け、ポリオールKB300(三井化学株式会社製)24.0mol、エチレングリコール(EG)56.0mol、トリエチレングリコール(TEG)4.0mol、テレフタル酸(TPA)83.5mol、安息香酸(BenzA)18.3molを仕込みフラスコ内に窒素を導入しながら180〜240℃で脱水縮重合し樹脂A−1を得た。反応生成物のTgは45℃であり、水酸基価は22.0mg−KOH/gであり、酸価は2.1 mg−KOH/gであり、数平均分子量は2800であり、重量平均分子量は15600であった。
樹脂A−2;ポリオールKB300(三井化学株式会社製)を28.5mol、エチレングリコール(EG)を66.5mol、トリメチロールプロパン(TMP)5.0mol、テレフタル酸(TPA)を99mol、安息香酸(Benz A)20.0molとした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂A−2を得た。反応生成物のTgは56℃、水酸基価は2.2mg−KOH/gであり、酸価は20.9 mg−KOH/gであり、数平均分子量は2400であり、重量平均分子量は6900であった。
樹脂A−3;ポリオールKB300(三井化学株式会社製)22.0mol、トリメチロールプロパン(TMP)8.0mol、エチレングリコール(EG)50.0mol、トリエチレングリコール(TEG)20.0mol、テレフタル酸(TPA)86.0molとした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂A−3を得た。反応生成物のTgは33.6℃、水酸基価は56.3mg−KOH/gであり、数平均分子量は2700であり、酸価は1.9 mg−KOH/gであり、重量平均分子量は11000であった。
本発明ではポリスチレン系重合体(B1)として以下の樹脂を用いた。
樹脂B−1;窒素置換したフラスコにキシレン40.0質量部を仕込み、オイルバスにより加熱し還流下(内温138℃)においてスチレン77.0質量部とアクリル酸n−ブチル20.0質量部とグリシジルメタクリレート3.0質量部とジ−t−ブチルパーオキサイド0.5質量部を5時間かけて連続滴下し、その後、1時間反応を継続して重合後、内温を130℃に保ち、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5質量部を添加し2時間反応させて重合を終了した。得られた樹脂を190℃、10mmHgのベッセル中にフラッシュして溶剤を除去し、樹脂B−1を得た。反応生成物のエポキシ当量は4700 g/当量であり、Tgは58℃、数平均分子量は8300であった。
樹脂B−2;単量体組成をスチレン78.5質量部、アクリル酸n−ブチル21.0質量部、グリシジルメタクリレート0.5質量部とした以外は樹脂B−1と同様の方法で樹脂B−2を得た。反応生成物のエポキシ当量は28400 g/当量であり、Tgは58℃、数平均分子量は7900であった。
樹脂B−3;単量体組成をスチレン76.0質量部、アクリル酸n−ブチル16.0質量部、グリシジルメタクリレート8.0質量部とした以外は樹脂B−1と同様の方法で樹脂B−3を得た。反応生成物エポキシ当量は1800 g/当量であり、のTgは59℃、数平均分子量は6200であった。
樹脂D−1;上記のように得られた樹脂A−1;97質量部、樹脂B−1;3質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)2.3質量部を供給して更に混練して樹脂D−1を得た。得られた樹脂のTgは58.8℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−2;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−2を得た。得られた樹脂のTgは59.1℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−3;上記のように得られた樹脂A−1;60質量部、樹脂B−1;40質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.3質量部を供給して更に混練して樹脂D−3を得た。得られた樹脂のTgは59.2℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−4;上記のように得られた樹脂A−1;100質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)2.3質量部を供給して更に混練して樹脂D−4を得た。得られた樹脂のTgは58.2℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−5;上記のように得られた樹脂A−1;45質量部、樹脂B−1;55質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.1質量部を供給して更に混練して樹脂D−5を得た。得られた樹脂のTgは59.5℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−6;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)0質量部を供給して更に混練して樹脂D−6を得た。得られた樹脂のTgは56.6℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−7;上記のように得られた樹脂A−2;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−7を得た。得られた樹脂のTgは56.2℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−8;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−2;25質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−8を得た。得られた樹脂のTgは59.1℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−9;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−3;25質量部の混合物、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−9を得た。得られた樹脂のTgは60.0℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−10;上記のように得られた樹脂A−2;60質量部、A−3;15質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)0.9質量部を供給して更に混練して樹脂D−10を得た。得られた樹脂のTgは59.0℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−11;上記のように得られた樹脂A−2;80質量部、A−3;20質量部の混合物、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.2質量部を供給して更に混練して樹脂D−11を得た。得られた樹脂のTgは58.8℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−12;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−12を得た。得られた樹脂のTgは59.7℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−13;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);1質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−13を得た。得られた樹脂のTgは59.5℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−14;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);10質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−14を得た。得られた樹脂のTgは54.9℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−15;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてFT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);18質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−15を得た。得られた樹脂のTgは53.2℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−16;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてHNP−0190(日本精鑞株式会社製、融点84℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−16を得た。得られた樹脂のTgは57.8℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−17;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)としてNP105(三井化学株式会社製、融点148℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−17を得た。得られた樹脂のTgは59.4℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−18;上記のように得られた樹脂A−1;75質量部、樹脂B−1;25質量部、ワックス(C)として精製カルナバワックス1号粉末(日本ワックス株式会社製、融点86℃);3質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)1.8質量部を供給して更に混練して樹脂D−18を得た。得られた樹脂のTgは57.4℃であり、Mw/Mn>3であった。
樹脂D−19;上記のように得られた樹脂A−1;100質量部を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)2.3質量部を供給して更に混練して樹脂D−19を得た。得られた樹脂のTgは58.2℃であり、Mw/Mn>3であった。
実施例1
樹脂D−1を100部に対してカーボンブラック(MA−100・三菱化学社製)6部、帯電調整剤(BONTRON E−84;オリエント化学工業社製)1.5部をヘンシェルミキサーにて分散混合した後、二軸押出機・PCM−30(池貝鉄工社製)にて120℃で溶融混練して塊状のトナー組成物を得た。このトナー組成物をハンマーミルにて粗粉砕した。さらに、ジェット粉砕機(日本ニューマチック社製IDS2型)にて微粉砕し、ついで気流分級して平均粒径10μm(5μm以下3重量%、20μm以上2重量%)のトナー微粉末を得た。次いで、上記トナ−100部に対して、疎水性シリカ(R−972、アエロジル社製)を0.5部となる割合で外部から添加して、これをヘンシェルミキサーにより混合してトナ−を得た。このトナーを用いて、定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性(保存性)を調べた。それらの結果を表1に示す。
実施例2
樹脂D−2を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例3
樹脂D−3を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
比較例1
樹脂D−4を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
比較例2
樹脂D−5を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
比較例3
樹脂D−6を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
比較例4
樹脂D−7を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
評価結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 2004138672
スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)が1〜45質量部のポリエステル樹脂(D)は定着性、耐オフセット性、環境安定性に優れているのに対し、スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)が1質量部より少ない場合、耐ブロッキング性(保存性)に劣っており、逆に45質量部よりも多くなると定着性が悪化する事が確認された。また、ポリイソシアネートで鎖伸長しない場合及びポリエステル系樹脂(A1)の水酸基価が低い場合は増粘がほとんど起こらず、耐オフセット性及び耐ブロッキング性(保存性)が不十分となる事が確認された。
実施例4
樹脂D−8を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例5
樹脂D−9を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例6
樹脂D−10を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
比較例5
樹脂D−11を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
評価結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 2004138672
エポキシ当量が1000〜30000g/当量のスチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)を含むポリエステル樹脂(D)をバインダー樹脂として用いた電子写真用トナーは定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性(保存性)に優れている事が確認された。また、ポリエステル(A1)が2種類以上組み合わされていても、数平均分子量、水酸基価、含有量が請求項に示す範囲であればポリエステル樹脂(D)は優れた性能を示すことが確認された。
比較例6
樹脂D−12を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例7
樹脂D−13を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例8
樹脂D−14を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
比較例7
樹脂D−15を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
評価結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
Figure 2004138672
ワックス(C)をポリエステル(A1)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B)の総量100質量部に対して1〜13質量部とをポリイソシアネートでウレタン伸長したポリエステル樹脂(D)をバインダー樹脂として用いた電子写真用トナーは定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性(保存性)に優れている事が確認された。
実施例9
樹脂D−16を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例10
樹脂D−17を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
実施例11
樹脂D−18を用いて実施例1と同様の方法で試験を実施した。
【0054】
比較例8
樹脂D−19を100部に対してカーボンブラック(MA−100・三菱化学社製)6部、帯電調整剤(BONTRON E−84;オリエント化学工業社製)1.5部、FT−100(日本精鑞株式会社製、融点98℃);3質量部をヘンシェルミキサーにて分散混合した以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
【0055】
評価結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
Figure 2004138672
融点が70〜155℃のワックス(C)を含有するポリエステル樹脂(D)は定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性(保存性)に優れている事が確認された。
【0057】
【発明の効果】
本発明のトナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた電子写真トナーは、定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性(保存性)に優れており、電子写真トナーとして優れた性能を有している。

Claims (4)

  1. 数平均分子量(Mn)が1000〜50000であり水酸基価が5〜100mg−KOH/gであるポリエステル(A1)由来の構造を有する部位(A)55〜99質量部と、数平均分子量(Mn)が1000〜30000でありエポキシ当量が1000〜30000g/当量でありスチレン単位が35〜99.5質量%であるエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)45〜1質量部と、融点が70〜155℃のワックス(C)をポリエステル(A1)由来の構造を有する部位(A)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)由来の構造を有する部位(B)の総量100質量部に対して1〜13質量部と、ポリエステル(A1)の合計水酸基価1モル当量に対し0.1〜2.5モル当量のウレタン結合を有する構造単位(E)からなるポリエステル樹脂(D)を含有することを特徴とするトナー用バインダー樹脂。
  2. ポリエステル樹脂(D)のガラス転移温度が40〜70℃であり、かつ、テトラヒドロフラン可溶分の分子量分布(重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値、すなわちMw/Mn)が3以上である請求項1に記載のトナー用バインダー樹脂。
  3. トナー用バインダー樹脂として請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の樹脂を用いた静電荷現像用電子写真トナー。
  4. 数平均分子量(Mn)が1000〜50000であり水酸基価が5〜100mg−KOH/gであるポリエステル(A1)55〜99質量部と、数平均分子量(Mn)が1000〜30000でありエポキシ当量が1000〜30000g/当量であり樹脂中のスチレン単位が35〜99.5質量%であるエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)45〜1質量部と、融点が70〜155℃のワックス(C)をポリエステル(A1)とエポキシ基含有スチレン系重合体(B1)の総量100質量部に対して1〜13質量部との混合物に、ポリエステル(A1)の合計水酸基価1モル当量に対しイソシアネート基として0.1〜2.5モル当量のポリイソシアネート(E1)を添加し100〜200℃でウレタン伸長することにより請求項1乃至2に記載のポリエステル樹脂(D)を製造する製造方法。
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