JP2004137795A - 木造建築の柱脚柱頭接合金物 - Google Patents
木造建築の柱脚柱頭接合金物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】柱に圧縮力が加わる際に、接合金物や接合具によって伝わるその力を軽減又は除去し、柱に不要な負担を強いることのない接合金物で、接合金物の嵌装に先がけて一部の接合具を貫通させることができる接合金物を提供する。
【解決手段】所定板厚の鋼板をＴ型に成形したもので、Ｔ型の両脇の下に抱え込むように接合具ｅを配すことで、柱ａに引抜力が働く場合は機能するが、圧縮力が働く場合には機能しない構造であり、接合金物ｃの嵌装は一部の接合具ｅの貫通の前後によらず可能となり、また、一部の接合具ｅの貫通が先行する場合においては接合金物ｃの嵌装が上下方向、左右方向ともに可能となる。
【選択図】 図２
【解決手段】所定板厚の鋼板をＴ型に成形したもので、Ｔ型の両脇の下に抱え込むように接合具ｅを配すことで、柱ａに引抜力が働く場合は機能するが、圧縮力が働く場合には機能しない構造であり、接合金物ｃの嵌装は一部の接合具ｅの貫通の前後によらず可能となり、また、一部の接合具ｅの貫通が先行する場合においては接合金物ｃの嵌装が上下方向、左右方向ともに可能となる。
【選択図】 図２
Description
【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は木造建築物の柱を土台、梁または桁等の下部横架材及び梁または桁等の上部横架材に緊結固定する金物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
木造建築物において、横架材と柱を緊結する手段として、柱側面に接合金物を設置し、横架材と接合金物、接合金物と柱脚柱頭をそれぞれ各種接合具によって接合する方法がある。
【０００３】
しかし、接合金物を柱側面に設置する方法は、接合金物及び接合具の露出を免れず、筋交い金物等の他の金物との干渉や窓枠部での施工不具合等の問題がある。
【０００４】
そこで、横架材と固定される接合金物基板部及び、基板部に直立形成された円筒状または角筒状ほぞパイプ部を有し、ほぞパイプ部を柱脚柱頭のほぞ孔に挿通させるようにして、ほぞパイプ部と柱脚柱頭が、柱脚柱頭側部から貫通される接合具によって固定される方法がある。
【０００５】
また、基板部を持たず、円筒状または角筒状ほぞパイプ部を柱脚柱頭のほぞ孔及び横架材に加工されたほぞ孔に挿通し、柱脚柱頭側部及び横架材側部からそれぞれ貫通される接合具によって、横架材を緊結する手段や、逆に、ほぞパイプ部を持たず、基板部に直立成形された鋼板を有し柱脚柱頭側部から貫通される接合具によって柱を緊結する手段がある。
【０００６】
これら先行技術は接合金物全部もしくは一部が柱内に挿通されるため、施工後に柱側面に金物類が突出せず、柱側面を面一となすことができるので、美観に優れ、化粧仕上げを施すにも都合がよい。
【０００７】
しかし、これら先行技術は、接合金物が有する取り付け孔を利用して、接合具によって、柱と接合金物の緊結を行うことが多い。取り付け孔を利用した緊結は、柱に引抜力が加わった際に、その力を接合具に伝えることで、接合金物の効果を発揮するが、柱に圧縮力が加わった際も同様に、その力を接合具に伝えてしまい、柱に不要な負担を強いるという問題がある。
【０００８】
また、接合金物を柱に取り付ける際、柱側取り付け孔を柱側先孔の軸心と一致するように接合金物を嵌装しなくてはならないため手間がかかり、接合金物を柱に嵌装させる方向も必然的に決まってしまうという問題もある。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、柱に圧縮力が加わる際に、接合金物や接合具によって伝わるその力を軽減又は除去し、柱に不要な負担を強いることのない接合金物で、接合金物の嵌装に先がけて一部の接合具を貫通させることができる接合金物を提供する。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は、接合金物において、柱と接合される所定板厚の鋼板部分を、Ｔ型に成形し、Ｔ型の両脇の下に抱え込むように接合具を配すことで、柱に引抜力が働く場合は機能するが、圧縮力が働く場合には機能しない構造であることを最も主要な特徴とする。
【００１１】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態として第１実施例を図１〜図４に、第２実施例を図５に、第３実施例を図６に基づいて説明する。
【００１２】
ａは柱、ｂはコンクリート基礎の上に乗載設置した土台であり、ｃは接合金物である。
【００１３】
接合金物ｃは、所定板厚の鋼板をＴ型に成形したｃ１と、ナットｃ２を溶接したものである。
【００１４】
接合金物ｃは、土台ｂを貫通するボルトｄとナットｃ２を介して螺合される。一方、柱側先孔１に接合具ｅを一本だけ貫通させ、土台ｂに設立固定された接合金物ｃに対して横方向から被挿用凹部２を嵌装し、柱側先孔１から残りの接合具ｅを貫通させることにより、接合金物ｃは柱ａと固定される。
【００１５】
上記実施例は、接合金物ｃの、土台に固定される部分ｃ２の形状をナットタイプとして説明したが、ビスタイプ、プレートタイプのものでも同様に実施することができる。
【００１６】
上記実施例は、柱脚における柱と土台の緊結について説明したが、柱脚における柱と梁等の横架材との緊結に対して、及び柱頭における柱と梁等の横架材との緊結に対しても同様に実施することができる。
【００１７】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の接合金物は、所定板厚の鋼板をＴ型に成形し、Ｔ型の両脇に接合具を配すことで、柱に引抜力が働く場合は機能するが、圧縮力が働く場合には機能しない構造であり、接合金物の嵌装は一部の接合具の貫通の前後によらず可能となり、また、一部の接合具の貫通が先行する場合においては接合金物の嵌装が上下方向、左右方向ともに可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明木造建築の柱脚柱頭接合金物の第１実施例の斜視図である。
【図２】同上の柱脚柱頭接合金物の透過斜視図である。
【図３】同上の柱脚柱頭接合金物の金物全様である。
【図４】同上の分解状態の斜視図である。
【図５】同上の柱脚柱頭接合金物の第２実施例の金物全様である。
【図６】同上の柱脚柱頭接合金物の第３実施例の金物全様である。
【符号の説明】
ａ 柱
ｂ 土台
ｃ 柱脚柱頭接合金物
ｃ１ Ｔ型鋼板
ｃ２ ナット
ｄ ボルト
ｅ 接合具
１ 柱側先孔
２ 被挿用凹部
【発明が属する技術分野】
本発明は木造建築物の柱を土台、梁または桁等の下部横架材及び梁または桁等の上部横架材に緊結固定する金物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
木造建築物において、横架材と柱を緊結する手段として、柱側面に接合金物を設置し、横架材と接合金物、接合金物と柱脚柱頭をそれぞれ各種接合具によって接合する方法がある。
【０００３】
しかし、接合金物を柱側面に設置する方法は、接合金物及び接合具の露出を免れず、筋交い金物等の他の金物との干渉や窓枠部での施工不具合等の問題がある。
【０００４】
そこで、横架材と固定される接合金物基板部及び、基板部に直立形成された円筒状または角筒状ほぞパイプ部を有し、ほぞパイプ部を柱脚柱頭のほぞ孔に挿通させるようにして、ほぞパイプ部と柱脚柱頭が、柱脚柱頭側部から貫通される接合具によって固定される方法がある。
【０００５】
また、基板部を持たず、円筒状または角筒状ほぞパイプ部を柱脚柱頭のほぞ孔及び横架材に加工されたほぞ孔に挿通し、柱脚柱頭側部及び横架材側部からそれぞれ貫通される接合具によって、横架材を緊結する手段や、逆に、ほぞパイプ部を持たず、基板部に直立成形された鋼板を有し柱脚柱頭側部から貫通される接合具によって柱を緊結する手段がある。
【０００６】
これら先行技術は接合金物全部もしくは一部が柱内に挿通されるため、施工後に柱側面に金物類が突出せず、柱側面を面一となすことができるので、美観に優れ、化粧仕上げを施すにも都合がよい。
【０００７】
しかし、これら先行技術は、接合金物が有する取り付け孔を利用して、接合具によって、柱と接合金物の緊結を行うことが多い。取り付け孔を利用した緊結は、柱に引抜力が加わった際に、その力を接合具に伝えることで、接合金物の効果を発揮するが、柱に圧縮力が加わった際も同様に、その力を接合具に伝えてしまい、柱に不要な負担を強いるという問題がある。
【０００８】
また、接合金物を柱に取り付ける際、柱側取り付け孔を柱側先孔の軸心と一致するように接合金物を嵌装しなくてはならないため手間がかかり、接合金物を柱に嵌装させる方向も必然的に決まってしまうという問題もある。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、柱に圧縮力が加わる際に、接合金物や接合具によって伝わるその力を軽減又は除去し、柱に不要な負担を強いることのない接合金物で、接合金物の嵌装に先がけて一部の接合具を貫通させることができる接合金物を提供する。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は、接合金物において、柱と接合される所定板厚の鋼板部分を、Ｔ型に成形し、Ｔ型の両脇の下に抱え込むように接合具を配すことで、柱に引抜力が働く場合は機能するが、圧縮力が働く場合には機能しない構造であることを最も主要な特徴とする。
【００１１】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態として第１実施例を図１〜図４に、第２実施例を図５に、第３実施例を図６に基づいて説明する。
【００１２】
ａは柱、ｂはコンクリート基礎の上に乗載設置した土台であり、ｃは接合金物である。
【００１３】
接合金物ｃは、所定板厚の鋼板をＴ型に成形したｃ１と、ナットｃ２を溶接したものである。
【００１４】
接合金物ｃは、土台ｂを貫通するボルトｄとナットｃ２を介して螺合される。一方、柱側先孔１に接合具ｅを一本だけ貫通させ、土台ｂに設立固定された接合金物ｃに対して横方向から被挿用凹部２を嵌装し、柱側先孔１から残りの接合具ｅを貫通させることにより、接合金物ｃは柱ａと固定される。
【００１５】
上記実施例は、接合金物ｃの、土台に固定される部分ｃ２の形状をナットタイプとして説明したが、ビスタイプ、プレートタイプのものでも同様に実施することができる。
【００１６】
上記実施例は、柱脚における柱と土台の緊結について説明したが、柱脚における柱と梁等の横架材との緊結に対して、及び柱頭における柱と梁等の横架材との緊結に対しても同様に実施することができる。
【００１７】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の接合金物は、所定板厚の鋼板をＴ型に成形し、Ｔ型の両脇に接合具を配すことで、柱に引抜力が働く場合は機能するが、圧縮力が働く場合には機能しない構造であり、接合金物の嵌装は一部の接合具の貫通の前後によらず可能となり、また、一部の接合具の貫通が先行する場合においては接合金物の嵌装が上下方向、左右方向ともに可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明木造建築の柱脚柱頭接合金物の第１実施例の斜視図である。
【図２】同上の柱脚柱頭接合金物の透過斜視図である。
【図３】同上の柱脚柱頭接合金物の金物全様である。
【図４】同上の分解状態の斜視図である。
【図５】同上の柱脚柱頭接合金物の第２実施例の金物全様である。
【図６】同上の柱脚柱頭接合金物の第３実施例の金物全様である。
【符号の説明】
ａ 柱
ｂ 土台
ｃ 柱脚柱頭接合金物
ｃ１ Ｔ型鋼板
ｃ２ ナット
ｄ ボルト
ｅ 接合具
１ 柱側先孔
２ 被挿用凹部
Claims (1)
- 所定板厚の鋼板をＴ型に成形したもので、Ｔ型の両脇の下に抱え込むように接合具を配すことで、柱に引抜力が働く場合は機能するが、圧縮力が働く場合には機能しない構造であり、接合金物の嵌装は一部の接合具の貫通の前後によらず可能となり、また、一部の接合具の貫通が先行する場合においては接合金物の嵌装が上下方向、左右方向ともに可能であることを特徴とする柱脚柱頭接合金物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002304432A JP2004137795A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 木造建築の柱脚柱頭接合金物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002304432A JP2004137795A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 木造建築の柱脚柱頭接合金物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004137795A true JP2004137795A (ja) | 2004-05-13 |
Family
ID=32451856
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002304432A Pending JP2004137795A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 木造建築の柱脚柱頭接合金物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004137795A (ja) |
-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002304432A patent/JP2004137795A/ja active Pending
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