JP3759892B2 - 建築用接合金具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造建築物における木部材の建築用接合金具に関し、特に、柱材に横架材や筋かいを接合する建築用接合金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の建築用接合金具に関する技術が考案,提供されている。
これら建築用接合金具に関する技術のなかには、縦構造材と横構造材を接合する技術も多数含まれている。
縦構造材と横構造材を接合する技術として、たとえば、特開平10−169014号公報において開示された建築用接合金具の技術がある。
【0003】
(従来例)
図6は、特開平10−169014号における建築用接合金具の概略斜視図を示している。
この従来例の建築用接合金具100は、一対の差込みプレート102を連結プレート103により向かい合わせて連結し、かつ、連結プレート103の先端面106が縦構造材側差込み部104と横構造材側差込み部105との境界線上に位置する構成としてある。
【0004】
この建築用接合金具100は、縦構造材5′に形成した受け溝(図示せず)に差込みプレート102の縦構造材側差込み部104を差し込ませるとともに、連結プレート103の先端面106を縦構造材5′に当接させる状態で第1の係止部109をピン部材(図示せず)に係止させている。さらに、建築用接合金具100は、横構造材6′の受け溝(図示せず)に差込みプレート102の横構造材側差込み部105を差し込ませるとともに、連結プレート103で横構造材6′の下端面を支持した状態で第2の係止部115をピン部材(図示せず)に係止させて、縦構造材5′と横構造材6′とを接合する。
【0005】
建築用接合金具100を用いることにより、柱その他の縦構造材5′と梁、胴差しなどの横構造材6′との軸組作業の施工性を向上させ、さらに、木造軸組の接合強度を向上させることができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記建築用接合金具100は、縦構造材5′の相対向する面に横構造材4′を接合することはできるものの、縦構造材5′の直交する面に横構造材4′を接合する場合には使用することができなかった。
また、縦構造材5′に受け溝を形成する必要があり、構造材に複雑な仕口加工を行う必要があるといった問題があった。特に、縦構造材5′の中間に、所定の長さと幅を有する溝を加工するには多大の手数を要した。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、接合金具自体の構造が単純で、かつ、建築用接合材に複雑な仕口加工を行わなくてもよい建築用接合金具の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の請求項1記載の建築用接合金具は、横架材の端部に装着するための支持ボルト孔が穿設され、かつ、前記横架材の端面から突出する接合部に、ドッキングアンカーと接合ボルト孔が穿設された一対のドッキングプレートと、柱材の側面に固定するためのボルトが貫通するボルト孔を穿設した固定板から、前記ドッキングプレートと連結する一対の対向した連結板が突設され、かつ、前記連結板に、前記接合ボルト孔と対応してボルト孔が穿設され、さらに、前記ドッキングアンカーを係止する係止部材を設けた接合金具本体と、からなる構成としてある。
【0009】
このようにすると、柱材や横架材に複雑な仕口加工を行わなくてもすみ、かつ、建築用接合金具の構造を単純化することができる。
また、ドッキングアンカーを係止部材に係止させることができるので、高所で足場が悪い施工現場においても、接合作業の作業能率及び安全性を向上させることができる。
【0010】
また、本発明は、前記係止部材を前記連結板の下部に設け、かつ、前記ドッキングアンカーを、前記ドッキングプレートの接合部の下端に形成した切り欠きとした構成としてある。
このようにすると、横架材を柱材に容易に係止させることができるので、接合作業の安全性をより向上させることができる。
【0011】
また、本発明は、前記係止部材を、前記連結板ごとに別個に形成した構成としてある。
このようにすると、係止部材を含めた連結板の構造を単純化することができるとともに、係止部材を容易に形成することができる。
【0012】
また、本発明は、前記係止部材を、前記一対の連結板を貫通させて一体的に形成した構成としてある。
このようにすると、係止部材の両端が連結板に支持されるので、係止部材の支持強度を向上させることができる。
【0013】
また、本発明は、前記ドッキングプレートに、前記横架材の端面と当接し前記接合部の位置決めを行うストッパを形成した構成としてある。
このようにすると、ドッキングプレートを横架材に装着する際、接合部の位置出しを容易に行うことができ、かつ、装着後には、ドッキングプレートの位置ずれを防止することができる。
【0014】
また、本発明は、前記接合金具本体の少なくとも上部又は下部に、筋かい受金具を取り付けた構成としてある。
このようにすると、筋かい受け金具を柱材に簡単かつ強固に固定することができる。
【0015】
また、本発明は、前記筋かい受金具が、前記柱材の側面に固定するためのボルトが貫通するボルト孔を穿設した固定板と、この固定板から突設され、前記筋かいの端部に装着するための支持ボルト孔および前記接合金具本体の連結板と連結するためのボルトが貫通するボルト孔を穿設した一対の対向した側板とからなる構成としてある。
このようにすると、筋かいに複雑な仕口加工を行わなくてもすみ、かつ、筋かい受金具の構造を単純化することができる。
【0016】
また、本発明は、前記固定板を前記柱材の側面に固定するための前記固定板のボルト孔を、上下方向にずらして穿設した構成としてある。
このように、上下方向にずらしてボルト孔を穿設することにより、柱材の隣接する側面に接合金具本体を固定する場合であっても、接合金具本体を固定するためのボルトを干渉することなく直交して柱材に貫通させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の建築用接合金具の各実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る第一実施形態の建築用接合金具の構造を説明するための要部の概略斜視図を示している。
同図において、第一実施形態の建築用接合金具1は、接合金具本体2とドッキングプレート3からなっている。
まず、本発明に係る第一実施形態の建築用接合金具の接合金具本体の構造について説明する。
【0018】
[接合金具本体の構造]
図1において、接合金具本体2は、柱5の側面に固定するためのボルト21が貫通するボルト孔22を穿設した固定板23と、この固定板23から突設された一対の対向した連結板24とで構成してある。
なお、同図においては、理解しやすいように、正面方向から見て左側の胴差し並びに正面と背面側の胴差し及びドッキングプレートを省略してある。
【0019】
ここで、接合金具本体2は、一般的に、鉄などの金属板をプレス加工,鋳造,鍛造等により一体成形した構造とされるが、この構造に限定するものではなく、たとえば、別個の固定板23と連結板24を溶接する構造としてもよい。
【0020】
また、接合金具本体2の板厚や使用するボルトの大きさおよび個数は、横架材である胴差し6を接合するための接合強度に応じて決定される。
したがって、幅が広い胴差し6を接合する接合金具本体2は、ボルト21が水平方向に二本かつ垂直方向に三段使用され、計六本のボルト21で柱5に固定されているのに対し、幅が狭い胴差し(図示せず)を接合する接合金具本体2aは、ボルト21が水平方向に二本かつ垂直方向に二段使用され、計四本のボルト21で柱5に固定されている。
【0021】
なお、接合金具本体2,2aは、上記ボルト21の使用個数や接合ボルト28,貫通接合ボルト28aの使用個数に限定するものではなく、横架材を接合するために必要な接合力に応じて、決定されることは勿論である。
【0022】
ここで、固定板23を柱5の側面に固定するためのボルト孔22を、上下方向にずらして穿設した構成とするとよく、このようにすると、柱5の隣接する側面に接合金具本体2,2aを固定する場合であっても、接合金具本体2,2aを固定するためのボルト21を干渉することなく直交して柱5に貫通させることができる。
【0023】
また、連結板24は、接合されるドッキングプレート3の接合ボルト孔31と対応してボルト孔25が穿設され、さらに、ドッキングアンカー32を係止する係止部材26が配設してある。この係止部材26は、連結板24の下部に設けてある。
【0024】
ここで、好ましくは、図示してないが、背の異なる胴差しに装着されたドッキングプレートの接合ボルト孔とも対応するように、ボルト孔25を穿設するとよく、このようにすると、背の異なる胴差しに対して、接合金具本体2を共用化することができる。
【0025】
係止部材26は、ドッキングアンカー32を係止する位置に係止ボルト孔(図示せず)を穿設し、この係止ボルト孔に、ナット26aが連結板24の外側に位置し、ボルト頭部が内側に位置する状態でボルト26bを仮取り付けしてある。そして、ボルト26bの頭部と連結板24との間にドッキングアンカー32(32a)を落とし込んだ後、ナット26aを締め付けてドッキングプレート3を接合金具本体2に固定する。
このようにすると、一対の連結板24ドッキングプレート3とがそれぞれ固定されるので、全体として接合金具本体2とドッキングプレート3とが堅固に緊締される。
【0026】
また、係止部材27は、たとえば、ドッキングアンカー32を係止する位置に係止ボルト孔を穿設し、一対の連結板24の係止ボルト孔に貫通ボルト27bを貫通させナット27aで螺着する構造としてもよい。
つまり、係止部材27を、一対の連結板24を貫通させて一体的に形成した構成としてもよく、このようにすると、貫通ボルト27bの両端が連結板24に支持されるので、支持強度を向上させることができる。
【0027】
なお、係止部材26,27は、上記構造に限定するものではなく、たとえば、図示してないが、係止ボルト孔に挿入されたボルトのねじ部と連結板24を溶接する構造としたり、ドッキングアンカー32を係止する位置にプレス加工により凸部を形成する構造としてもよい。
【0028】
また、係止部材26,27をボルト26b,27bおよびナット26a,27aからなる構造とすることにより、ボルト26b,27bを締め付けることにより、ドッキングプレート3と連結板24を接合させることができ、接合強度を向上させることができる。
【0029】
連結板24は、ドッキングプレート3の接合ボルト孔31と対応する位置にボルト孔25が穿設してある。
また、ドッキングアンカー32を係止部材26に係止したとき、ボルト孔25が接合ボルト孔31と連通する位置に、ボルト孔25を穿設するとよく、このようにすると、接合ボルト28をボルト孔25と接合ボルト孔31に容易に挿入することができる。
【0030】
なお、接合ボルト28は、一枚のドッキングプレート3と連結板24を接合しているが、この構造に限定するものではなく、接合金具本体2aのように、貫通接合ボルト28aを用いて、一対のドッキングプレート3と連結板24をまとめて接合する構造としてもよく、このようにすると、作業工数が低減されるので、作業性を改善するとともに施工作業の安全性を向上させることができる。
【0031】
ここで、貫通接合ボルト28aが一対のドッキングプレート3と連結板24を貫通してナット28bと螺着する構造とする場合、図示してないが、対向するドッキングプレート3の間に鉄パイプ等のスリーブを嵌入し、このスリーブに接合ボルト28aを挿入する構造とするとよく、このようにすると、連結板24,ドッキングプレート3及びスリーブが接合ボルト28aの締め付け力を受けるので、ドッキングプレート3や連結板24を変形させずに、接合ボルト28aを強い力で締め付けることができ、柱5と胴差し6を強い接合力で接合することができる。
【0032】
[ドッキングプレートの構造]
次に、本発明に係る第一実施形態の建築用接合金具のドッキングプレートの構造について、図1を用いて説明する。
【0033】
ドッキングプレート3は、鉄などのほぼ矩形状の金属板に、胴差し6の端部に装着するための支持ボルト36が挿入される支持ボルト孔33が三箇所に穿設され、かつ、胴差し6の端面から突出する接合部34に、ドッキングアンカー32が形成され、さらに接合ボルト孔31が二箇所に穿設された構成としてある。
なお、ドッキングプレート3の板厚や大きさ、並びに、使用するボルトや引張ピン39の大きさ及び個数は、横架材である胴差し6を接合するための接合強度に応じて決定される。
【0034】
ここで、好ましくは、ドッキングアンカー32を、ドッキングプレート3の接合部34の下端に形成した切り欠き32aとした構成とするとよく、このようにすると、胴差し6を柱5に容易に係止させることができるので、接合作業の安全性を向上させることができる。
なお、切り欠き32aを下方に向かって切り欠き幅が広がるガイド面を有する形状とすることにより、係止作業の作業性をより改善することができる。
【0035】
また、ドッキングプレート3は、対向するドッキングプレート3の対向面側に、接合ボルト孔31と連通するように接合ナット35を溶接した構成とするとよく、このようにすると、接合ナット35がドッキングプレート3に固定されているので、接合ボルト28を締め付ける際、接合ナット35を保持しなくてもすむので、接合作業が容易となり、施工作業の安全性を向上させることができる。
【0036】
また、ドッキングプレート3に、胴差し6の端面と当接し接合部34の位置決めを行うストッパ37を形成した構成とするとよく、このようにすると、ドッキングプレート3を胴差し6に装着する際、接合部34の位置出しを容易に行うことができ、かつ、装着後には、ドッキングプレート3の位置ずれを防止することができる。このストッパ37は、接合部34の胴差し6側の上部と下部に、打ち抜き折曲加工を施すことにより形成してある。
なお、このストッパ37は、ストッパがなくても接合部34の位置出しを容易に行うことができる場合には、省略することができる。
【0037】
また、ドッキングプレート3は、胴差し6とドッキングプレート3の位置決めを行う引張ピン39が嵌入される引張ピン孔38を穿設する構造としてもよく、このようにすると、ドッキングプレート3と胴差し6の位置ずれをより確実に防止することができる。
【0038】
[建築用部材への加工]
次に、本実施形態の建築用接合金具が使用される建築用部材への加工について、図面を参照して説明する。
図2は、第一実施形態の建築用接合金具が使用される、建築用部材への加工について説明するための概略斜視図を示している。
同図において、柱5の胴差し6と対向する側面に、水平方向に二箇所かつ上下方向に三段の計六箇所にボルト孔51が穿設してあり、また、柱5の正面に、水平方向に二箇所かつ上下方向に二段の計四箇所にボルト孔52が穿設してある。
【0039】
このように、建築用接合金具1を用いる場合には、柱5に複雑な溝加工を施す必要がなく、ボルト孔51,52を穿設するだけよい。
また、柱5の同一高さの直交する側面に、胴差しを接合するための接合金具本体2,2aを固定する場合であっても、たとえば、ボルト孔51とボルト孔52の高さをずらして穿設することにより、ボルト孔51,52に貫通されるボルト21,21どうしが干渉するといった不具合を防止できる。
【0040】
胴差し6は、端面の二箇所に一対のドッキングプレート3が挿入される挿入スリット61が加工されており、また、端部側面に、ドッキングプレート3を装着するための支持ボルト36が挿入される支持ボルト孔62が三箇所に穿設され、さらに、胴差し6とドッキングプレート3の位置決めを行う引張ピン39が嵌入されるピン孔63が二箇所に穿設してある。
【0041】
このように、建築用接合金具1を用いることにより、胴差し6に複雑な仕口加工を施す必要がなく、加工費用のコストダウンを図ることができる。
また、二本の引張ピン39を用いることにより、ドッキングプレート3と胴差し6を精度良く位置決めすることができる。
【0042】
上記のような構成からなる建築用接合金具1は、次のようにして使用する。
胴差し6に装着されたドッキングプレート3は、接合金具本体2に対する水平方向の位置を合わせて下降させると、ドッキングアンカー32が係止部材26に係止される。そして、ドッキングプレート3の接合ボルト孔31と連結板24のボルト孔25に接合ボルト28を挿入し螺着することにより、ドッキングプレート3と連結板24を連結することができ、簡単かつ短時間の作業で胴差し6を柱5に接合することができる。
【0043】
また、胴差し6に装着された一対のドッキングプレート3の接合部34は、図3に示すように、接合金具本体2,2aの連結板24に嵌入される構造としてあり、このようにすると、接合ボルト28,28aを締め付けることにより、ドッキングプレート3と連結板24が面接触するので、接合力を向上させることができる。
なお、本発明は、接合部34が連結板24に嵌入される構造に限定するものではなく、接合金具本体の一対の連結板が、ドッキングプレートの接合部に嵌入される構造としてもよいことは、勿論である。
【0044】
上述したように、本実施形態の建築用接合金具1によれば、柱材および横架材への仕口加工を単純化することができる。
また、建築用接合金具1は、構造が単純なため容易に製造することができ、さらに、ボルトやナット等の市販品を部品として使用しているので、製造原価を低減することができる。
また、ドッキングアンカーを係止部材に係止させることができるので、高所で足場が悪い施工現場においても、作業能率及び安全性を向上させることができる。
【0045】
また、建築用接合金具1は、小型・軽量化された構造としてあるので、運送費用および梱包費用のコストダウンを図ることができ、かつ、大きな接合強度が必要な場合であっても、容易に対応することができる。
さらに、建築用接合金具1を小型・軽量化することにより、柱5や胴差し6に工場で接合金具本体2,2aやドッキングプレート3を装着してから、柱5や胴差し6を施工現場に搬入することができ、施工作業の能率を改善し、かつ、安全性を向上させることができる。
【0046】
また、軸組工法で最も重要な横架材の木口部分に、ドッキングプレートを差込み、支持ボルトを締め付けて木口部分の一体化を図ることができるので、木口の亀裂や反りを防止することができる。
【0047】
また、接合金具本体2,2aの固定板23は、上下方向にずらして二箇所にボルト孔22が穿設してあるので、いずれのボルト孔51,52にも対応することができ、接合金具本体の共用化を図ることができる。
【0048】
ところで、実際の軸組工法においては、柱材と横架材の接合部に筋かいを接合する場合がある。
本発明の建築用接合金具は、柱材と横架材を接合する上記第一実施形態の建築用接合金具の構成に限定するものではなく、柱材に横架材および筋かいを接合する構成とすることもできる。
【0049】
[第二実施形態]
次に、柱材に横架材および筋かいを接合する、第二実施形態の建築用接合金具について、図面を参照して説明する。
図4は、本発明に係る第二実施形態の建築用接合金具の構造を説明するための要部の概略図を示しており、(a)は正面図を、(b)は側面図を示している。同図において、建築用接合金具1aは、接合金具本体2の少なくとも上部又は下部に、筋かい受金具4を取り付け可能な構成としてある。なお、同図においては、理解しやすいように、筋かい7を省略し、かつ、筋かい受金具4を接合金具本体2に取り付ける前の状態を図示している。
【0050】
筋かい受金具4は、柱5の側面に固定するためのボルト47が貫通するボルト孔41を穿設した固定板42と、この固定板42から突設され、筋かい7の端部に装着するための支持ボルト孔43および接合金具本体2の連結板24と連結するためのボルト28,27bが貫通するボルト孔44を穿設した一対の対向した側板45とからなる構成としてある
【0051】
ここで、筋かい受金具4は、一般的に、鉄などの金属板をプレス加工,鋳造,鍛造等により一体成形した構造とされるが、この構造に限定するものではなく、たとえば、別個の固定板42と側板45を溶接する構造としてもよい。
【0052】
また、筋かい受金具4の板厚や使用するボルトの大きさおよび個数は、筋かい7を接合するための接合強度に応じて決定される。
一般的に、筋かい7は、胴差し6より細い木材を使用するので、筋かい受金具4は、水平方向に二本のボルト47を用い、柱5に固定する。
【0053】
ただし、筋かい7を接合するために大きな接合力を必要とするときは、接合力に応じて、たとえば、固定板42を長くし、かつ、ボルト47を水平方向に二本かつ垂直方向に二段使用し、計四本のボルト47で柱5に固定する構造としてもよい。
また、筋かい受金具4は、上記のボルト47の使用個数に限定するものではなく、筋かい7を接合するために必要な接合力に応じて、決定されることは勿論である。
【0054】
また、筋かい受金具4は、固定板42を柱5の側面に固定するためのボルト孔41を、上下方向にずらして穿設した構成とするとよく、このようにすると、柱5にボルト孔51,52を上下方向にずらして穿設することにより、筋かい受金具4を、柱5の同一高さの直交する側面に固定することができる。
【0055】
また、好ましくは、固定板42の接合金具本体側の端面46を接合金具本体2の上面と当接させたとき、ボルト孔44が接合金具本体2のボルト孔25と連通するように、端面46を形成するとよく、このようにすると、上方から筋かい7を接合する際、端面46を接合金具本体2の上面と当接させて筋かい受金具4を係止することができるので、筋かい7の接合作業を容易に行うことができ、また、筋かい受金具4の取り付けに、接合ボルト28と接合ナット35を共用することができる。
【0056】
なお、筋かい受金具4は、柱5が通し柱ではなく胴差し6より上方を継ぎ柱とした場合であっても、接合金具本体2と継ぎ柱を大きな接合力で接合することができるので、継ぎ柱工法を利用して柱の材料費を低減することができる。
また、図示してないが、筋かい受金具4は、上記構造に限定するものではなく、側板42と連結板24を別個の連結プレートで連結する構造としてもよいことは、勿論である。
【0057】
また、側板45は、筋かい7の端部に装着するための支持ボルト孔43が二箇所に穿設してあるが、筋かい7と筋かい受金具4の装着位置精度を向上させるために、引張ピン用のピン孔(図示せず)を穿設してもよいことは勿論である。
なお、その他の構造及び作用については、第一実施形態の建築用接合金具1と同様としてある。
【0058】
上記のような構成からなる建築用接合金具1aは、次のようにして使用する。図5は、第二実施形態の建築用接合金具が使用された状態を説明するための概略正面図を示している。
なお、同図においては、理解しやすいように、正面側の胴差し6,筋かい受金具4及び筋かい7を省略してある。
【0059】
同図において、接合金具本体2が柱5に固定され、続いて、下側の筋かい受金具4が、係止部材27である貫通ボルト27bを、ボルト孔44及び連結板24の係止ボルト孔(図示せず)に挿入しナット27aに締め付けることにより、接合金具本体2に取り付けられる。
【0060】
次に、胴差し6に装着されたドッキングプレート3が、接合金具本体2と接合される。この際、上側の筋かい受金具4は、接合ボルト28を、筋かい受金具4のボルト孔44及び連結板24のボルト孔25に挿入しドッキングプレート3に溶接された接合ナット35に締め付けることにより、接合金具本体2に取り付けられる。
【0061】
次に、ボルト47を筋かい受金具4のボルト孔41および柱5に穿設されたボルト孔51に挿入し、ナット48に締め付けることにより、筋かい受金具4を柱5に固定する。
【0062】
次に、一対の側板45に筋かい7を嵌入し、支持ボルト49を支持ボルト孔43に挿入しナット(図示せず)に締め付けて、筋かい7を柱5および胴差し6に接合する。
このように、建築用接合金具1aを用いることにより、柱5や筋かい7に複雑な仕口加工を施さなくても、筋かい7を接合することができる。
【0063】
また、柱5の同一高さの直交する側面に、筋かい7を接合するための筋かい受金具4を固定する場合であっても、ボルト孔51とボルト孔52を異なる高さ位置に穿設することにより、ボルト孔51,52に貫通されるボルト47,47どうしが干渉するといった不具合を防止できる。
また、固定板42には、上下方向にずらしてボルト孔41が穿設してあるので、柱5のいずれのボルト孔51,52にも対応することができ、筋かい受金具4を共用化することができる。
【0064】
上述したように、建築用接合金具1aを用いることにより、筋かい7を柱5に強固に接合することができる。
また、筋かい7に複雑な仕口加工を施す必要がないので、加工費用のコストダウンを図ることができ、かつ、筋かい受金具4の構造を単純化することができるので、建築用接合金具1aの製造原価を低減することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の建築用接合金具によれば、横架材や筋かいの接合強度を向上させることができるとともに、柱材、横架材、筋かい等への複雑な仕口加工を必要とせず仕口加工を単純化できるので、加工費用のコストダウンを図ることができる。
【0066】
また、本発明の建築用接合金具は、構造が単純化されているので、金具自体の製造コストを低減できる。
さらに、本発明の建築用接合金具を用いることにより、容易に接合作業を行うことができるので、高所で足場が悪い施工現場においても、接合作業の作業能率及び安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る第一実施形態の建築用接合金具の構造を説明するための要部の概略斜視図を示している。
【図2】図2は、第一実施形態の建築用接合金具が使用される、建築用部材への加工について説明するための概略斜視図を示している。
【図3】図3は、第一実施形態の建築用接合金具の構造を説明するための概略上面図を示している。
【図4】図4は、本発明に係る第二実施形態の建築用接合金具の構造を説明するための要部の概略図を示しており、(a)は正面図を、(b)は側面図を示している。
【図5】図5は、第二実施形態の建築用接合金具が使用された状態を説明するための概略正面図を示している。
【図6】図6は、従来例における建築用接合金具の概略斜視図を示している。
【符号の説明】
1,1a,100 建築用接合金具
2,2a 接合金具本体
3 ドッキングプレート
4 筋かい受金具
5 柱
5′ 縦構造材
6 胴差し
6′ 横構造材
7 筋かい
21 ボルト
22 ボルト孔
23 固定板
24 連結板
25 ボルト孔
26,27 係止部材
26a,27a ナット
26b ボルト
27b 貫通ボルト
28 接合ボルト
28a 貫通接合ボルト
28b ナット
31 接合ボルト孔
32 ドッキングアンカー
32a 切り欠き
33 支持ボルト孔
34 接合部
35 接合ナット
36 支持ボルト
37 ストッパ
38 引張ピン孔
39 引張ピン
41 ボルト孔
42 固定板
43 支持ボルト孔
44 ボルト孔
45 側板
46 端面
47 ボルト
48 ナット
49 支持ボルト
51,52 ボルト孔
61 挿入スリット
62 支持ボルト孔
63 ピン孔
102 差込みプレート
103 連結プレート
104 縦構造材側差込み部
105 横構造材側差込み部
106 先端面
109 第1の係止部
115 第2の係止部

Claims (8)

  1. 横架材の端部に装着するための支持ボルト孔が穿設され、かつ、前記横架材の端面から突出する接合部に、ドッキングアンカーと接合ボルト孔が穿設された一対のドッキングプレートと、
    柱材の側面に固定するためのボルトが貫通するボルト孔を穿設した固定板から、前記ドッキングプレートと連結する一対の対向した連結板が突設され、かつ、前記連結板に、前記接合ボルト孔と対応してボルト孔が穿設され、さらに、前記ドッキングアンカーを係止する係止部材を設けた接合金具本体と、
    からなることを特徴とした建築用接合金具。
  2. 前記係止部材を前記連結板の下部に設け、かつ、前記ドッキングアンカーを、前記ドッキングプレートの接合部の下端に形成した切り欠きとした請求項1記載の建築用接合金具。
  3. 前記係止部材を、前記連結板ごとに別個に形成した請求項1又は2に記載の建築用接合金具。
  4. 前記係止部材を、前記一対の連結板を貫通させて一体的に形成した請求項1又は2に記載の建築用接合金具。
  5. 前記ドッキングプレートに、前記横架材の端面と当接し前記接合部の位置決めを行うストッパを形成した請求項1〜4のいずれかに記載の建築用接合金具。
  6. 前記接合金具本体の少なくとも上部又は下部に、筋かい受金具を取り付けた請求項1〜5のいずれかに記載の建築用接合金具。
  7. 前記筋かい受金具が、前記柱材の側面に固定するためのボルトが貫通するボルト孔を穿設した固定板と、この固定板から突設され、前記筋かいの端部に装着するための支持ボルト孔および前記接合金具本体の連結板と連結するためのボルトが貫通するボルト孔を穿設した一対の対向した側板とからなる請求項6記載の建築用接合金具。
  8. 前記固定板を前記柱材の側面に固定するための前記固定板のボルト孔を、上下方向にずらして穿設した請求項1〜7のいずれかに記載の建築用接合金具。
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