JP2004137623A - シート状織編物の開繊方法及び開繊装置、並びにシート状織編物 - Google Patents

シート状織編物の開繊方法及び開繊装置、並びにシート状織編物 Download PDF

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Abstract

【課 題】織編物を構成する各繊維に大きな負荷を加えることなく、糸を良好に開繊でき、カバーファクターを高めるとともに糸を偏平化して織編物を薄くでき、しかも簡単な構成で安価に実施できるようにする。
【解決手段】シート状の織編物(13)を支持しながら所定方向へ案内する支持手段(15)と、この支持手段(15)の支持面(16)に沿って配置された押圧ロール(21)と、この押圧ロール(21)を往復移動させる往復駆動手段(18)とを備える。支持手段(15)上で案内される織編物(13)を押圧ロール(21)で支持手段(15)側へ押圧するとともに、押圧ロール(21)を織編物(13)上で転動させながら織編物(13)の案内方向に沿って往復移動させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アラミド繊維などの高機能繊維でシート状に製織・編組した織編物の開繊方法と開繊装置及びその開繊したシート状織編物に関する。
【0002】
【発明の背景】
アラミド繊維など、高い強度や耐熱性を備えたいわゆる高機能繊維からなるシート状の織編物には、高機能繊維を長さ方向に引き揃えて束ねた糸で製織あるいは編組したものがある。この織編物は、細い糸を用いて密に製織・編組すると薄く高強度のものが得られるが、例えばアラミド繊維のように、この種の高強度繊維にあっては、細い糸は太い糸に比べて重量あたりのコストがかなり割高である問題がある。一方、太い糸を用いると織編物が厚くなるうえ、密に製織・編組すると重くなり、目付け重量を制限すると糸間隔が広がってしまう問題がある。
【0003】
シート状織編物の各糸間の間隙が広いと繊維の有無による物性のばらつきを生じる等の問題があるので、上記の問題点を解消するため、例えば偏平状の糸を用いて織編物の面積に対する繊維の占める面積(以下、カバーファクターという)をできるだけ大きくするように製織・編組される場合がある。しかしながら、これらの織編物を偏平糸で製織・編組するだけではカバーファクターを80%以上にすることが困難であり、カバーファクターを更に高めるためには、通常、製織・編組したのちこの織編物の糸を開繊することが行われている。
【0004】
【従来の技術】
従来、上記の開繊方法としては、例えば、案内ロールを織編物の案内方向と直交方向へ往復移動させ、この案内ロールに接触する繊維を糸幅方向へ移動させる方法(以下、従来技術1という)や、空気や水などの流体を高速で噴き付けて、その流体圧力により各繊維を糸幅方向へ移動させる方法(以下、従来技術2という)がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−300738
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術1の開繊方法では、案内ロールの往復移動方向と平行に配置されている緯糸が容易に開繊されないうえ、織編物に対して案内ロールを織幅方向へ摺動移動させる際に、この案内ロールと織編物との間に摩擦力を生じるため、糸が幅方向にずれ動いて織目が不均一となる、いわゆる目ズレを生じる惧れがある。
【0007】
一方、上記従来技術2の開繊方法では、流体の噴出力が糸を構成する全ての繊維に加わるため、各繊維に加わる負荷が大きく、繊維に乱れを生じ易いうえ、ループ状に変形する繊維も生じ、この結果、織編物を構成する繊維の強度を充分に発揮できなくなる惧れがある。また、多量の流体を常時供給する必要があり、流体供給のための装置や配管などの設備コストに加えてランニングコストが高くつく。特に流体が水である場合は開繊後に織編物を乾燥する必要があり、工程が複雑となる問題もある。
【0008】
本発明は上記の問題点を解消し、織編物を構成する各繊維に大きな負荷を加えることなく、糸を良好に開繊してカバーファクターを高めるとともに、糸を偏平化して織編物を薄くでき、しかも簡単な構成で安価に実施できる開繊方法とその装置および開繊したシート状織編物を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するため、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図3に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
【0010】
即ち、請求項1に記載の発明はシート状織編物の開繊方法に関し、シート状の織編物(13)を支持手段(15)上で支持しながら所定方向へ案内し、押圧ロール(21)で上記の織編物(13)を支持手段(15)側へ押圧するとともに、この押圧ロール(21)を織編物(13)上で転動させながら織編物(13)の案内方向に沿って往復移動させることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明はシート状織編物の開繊装置に関し、シート状の織編物(13)を支持しながら所定方向へ案内する支持手段(15)と、この支持手段(15)の支持面(16)に沿って配置され、上記の織編物(13)を支持手段(15)側へ押圧する押圧ロール(21)と、この押圧ロール(21)を上記の織編物(13)上で転動させながらこの織編物(13)の案内方向に沿って往復移動させる往復駆動手段(18)とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明はシート状織編物に関し、高機能繊維を用いて製織または編組したシート状織編物であって、請求項1に記載の方法で開繊されたことを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明はシート状織編物に関し、高機能繊維を用いて製織または編組したシート状織編物であって、織編物を構成する糸の断面形状が、幅方向の中間部に比べて両端縁側ほど薄くなるように形成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明はシート状織編物に関し、高機能繊維を用いて製織または編組したシート状織編物であって、開繊処理によりカバーファクターが85%以上であり、織編物を構成する糸幅が糸の厚さに対して20倍以上であることを特徴とする。
【0015】
ここで、上記の高機能繊維とは強度や耐熱性などの何等かの物性に優れた繊維をいい、例えば耐熱性については、限界酸素指数が約25以上の難燃性と示差走査熱量測定法による熱分解温度が約400℃以上の耐熱性とを有する繊維が好ましい。なお、限界酸素指数は、JIS K7201:1999「酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法」により測定し、熱分解温度は、JIS K7120:1987「プラスチックスの熱重量測定方法」により測定する。
【0016】
上記の高機能繊維の具体例としては、例えばアラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維(例えば株式会社クラレ製、商品名ベクトラン)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(例えば東洋紡績株式会社製、商品名ザイロン)、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリアミドイミド繊維(例えばローヌプーラン社製、商品名ケルメル)、ポリイミド繊維などの合成繊維や、炭素繊維、ガラス繊維などの無機繊維が挙げられる。
【0017】
上記のアラミド繊維にはメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維がある。メタ系アラミド繊維としては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(デュポン社製、商品名ノーメックス)等のメタ系全芳香族ポリアミド繊維が挙げられる。パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レ・デュポン株式会社製、商品名ケブラー)及びコポリパラフェニレン−3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名テクノーラ)等のパラ系全芳香族ポリアミド繊維が挙げられる。
【0018】
上記の織編物は、平織、綾織、朱子織、斜子織、その他の織物や、編物であってもよい。また、この織編物は全ての糸を上記の高機能繊維で構成してもよく、あるいは、これを経糸と緯糸とで製織する場合に一方の糸のみを高機能繊維で構成し、他方の糸をポリアミド繊維やポリエステル繊維など他の繊維で構成してもよい。
【0019】
【作用】
シート状の織編物は、支持手段上で押圧ロールにより押圧されるが、この押圧力は織編物と押圧ロールとの接当部近傍に集中しており、押圧された繊維が動き易い。しかも押圧ロールの往復移動により複数回押圧されるので、織編物を構成する各糸はその配置方向に拘わらず、糸幅方向へ確実に押し広げられ、良好に開繊する。また、上記の押圧ロールは織編物上を転動するので、織編物との間に発生する摩擦力は小さく、この開繊処理で各糸が幅方向へ偏位することが防止され、目ズレの発生が抑制される。これらの結果、開繊後の織編物は、例えばカバーファクターが85%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上となり、織編物を構成する糸は、糸幅が厚さに対して20倍以上、好ましくは25倍以上、さらに好ましくは30倍以上となる。
なお、上記の押圧ロールの配置個数や往復速度は特に限定されないが、配置個数を多くしたり往復速度を早くすることで、各糸に対する押圧回数を多くすることができ、これにより一層良好に開繊することができる。
【0020】
上記の押圧ロールの押圧により、織編物の厚さが厚い部分には強い押圧力が加わるが、偏平化して薄くなった部分に加わる押圧力は弱い。例えば、経糸と緯糸との交点では、一方の互いに隣接する糸が他方の糸に対しそれぞれ上下に配置されるので、各糸の糸幅方向の端部で織編物の厚さが厚くなるが、この厚い部分は良好に押圧され偏平化する。このため各糸の断面形状は、例えば凸レンズの断面形状のように、幅方向の中間部に比べて両端縁側ほど偏平化され薄くなる。
【0021】
上記の各糸を構成する繊維には、押圧ロールの転動移動により線状または点状の押圧力が加わる。この押圧力は、押圧ロールが通過してしまうと直ちに除去される。また、上記の押圧力は織編物の厚い部分に加えられ、繊維が移動して偏平化するとその押圧力は弱まる。これらの結果、過剰な押圧力が各繊維に加わることが防止される。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1から図3は本発明の実施形態を示し、図1は開繊装置を備えた製織装置の斜視図であり、図2は開繊装置の概略構成図である。図3は開繊装置に用いる押圧装置の要部を示し、図3(a)は一部破断面図、図3(b)は図3(a)のB−B線矢視断面図である。
【0023】
図1に示すように、上記の製織装置(1)は、経糸供給部(2)と緯糸供給部(3)と製織部(4)と開繊装置(5)と巻取り部(6)とを備える。
経糸供給部(2)のクリール(7)から引き出された経糸(11)は、綜絖(8)を経て製織部(4)へ供給される。一方、緯糸供給部(3)のボビン(9)から引き出された緯糸(12)は、製織部(4)でレピア(10)により上記の経糸(11)間に挿入されて、シート状の織物(13)に製織される。この織物(13)は開繊装置(5)により経糸(11)と緯糸(12)がそれぞれ開繊・偏平化されたのち、巻取り部(6)のクロスビーム(14)に巻き取られる。
【0024】
図1及び図2に示すように、上記の開繊装置(5)は、上記の織物(13)を支持しながら巻取り部(6)へ案内する支持ロール(15)と、この支持ロール(15)の支持面(16)に沿って配置された押圧部(17)と、この押圧部(17)を織物(13)の案内方向に沿って往復移動させる往復駆動部(18)と、上記の押圧部(17)と織物(13)との間に保護シート(19)を供給する保護シート供給部(20)とを備える。
【0025】
上記の支持ロール(15)は織物(13)の織物面と平行に配置されており、その周面である支持面(16)は硬質ゴムや金属材料などの硬質材料で形成され、織物(13)の移動速度と同じ速度でゆっくりと回転する。
【0026】
上記の押圧部(17)は上記の支持面(16)と平行に配置され、回転自在に取り付けられた複数の押圧ロール(21)を備える。各押圧ロール(21)は上記の支持面(16)に支持された織物(13)を支持面(16)側へ押圧するようにしてある。なお、この押圧力は織物(13)に悪影響を生じることなく良好に開繊できるように加減するのが好ましく、各押圧ロール(21)には図示しない押圧力調整具や緩衝部材などが設けてある。
【0027】
図3(a)に示すように、上記の押圧ロール(21)の外周面は中央部の膨らんだ鼓状に形成してあり、さらに、図3(b)に示すように、この外周面は周方向に上下する凹凸面に形成してある。
上記の押圧ロール(21)は、織物(13)の全体を均等に押圧できるように、例えば20mm程度以下の長さのものを織幅方向へ直列状に並べてあり、さらに、押圧ロール(21)の各列を織幅方向へ互いにずらせて配置することで、各列の隣接する押圧ロール(21)間での織物(13)が、隣接する列の押圧ロール(21)で押圧されるように構成してある。
【0028】
図1及び図2に示すように、上記の押圧部(17)は支持ロール(15)の回転軸(22)の周囲を揺動する揺動アーム(23)を備えている。一方、前記の往復駆動部(18)は駆動モータ(24)と、この駆動モータ(24)で回転駆動される回転円板(25)と、連結ロッド(26)とを備えている。上記の連結ロッド(26)は回転円板(25)と上記の揺動アーム(23)とを連動連結してあり、これにより、回転円板(25)が回転すると揺動アーム(23)が支持ロール(15)の回転軸(22)の周りを往復揺動し、前記の押圧ロール(21)が織物(13)の案内方向に沿って往復移動する。
【0029】
前記の保護シート供給部(20)は、保護シート(19)を循環させる複数の案内ロール(27…)を備え、保護シート(19)は案内ロール(27…)の周囲を循環する途中で、上記の押圧ロール(21)と織物(13)との間に供給される。
上記の保護シート(19)は、本発明では必ずしも必要ではないが、上記の押圧ロール(21)による摩擦力が織物(13)に悪影響を与える惧れがある場合などに用いられる。従って、この保護シート(19)は、押圧ロール(21)の押圧力を織物に伝えることができ、且つ、押圧ロール(21)の摩擦力を低減できるものであればよく、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂で形成された、数10μmから0.2mm程度の範囲の厚さのもの等が用いられる。
【0030】
次に、上記の開繊装置で織物を開繊する操作について説明する。
前記の製織部(4)で製織された織物(13)は、開繊装置(5)の支持ロール(15)の周囲に沿って送り込まれ、支持面(16)に支持されながら巻取り部(6)側へ案内される。上記の支持面(16)上では、織物(13)の上面に前記の保護シート(19)が供給されたのち、織物(13)が押圧部(17)の押圧ロール(21)により保護シート(19)を介して押圧される。この押圧ロール(21)を備えた押圧部(17)は、前記の往復駆動部(18)の作動により織物(13)の案内方向に沿って往復移動する。その移動速度は、織物(13)の移動速度に比べてはるかに速く、押圧ロール(21)は保護シート(19)を介して織物(13)の上面を転動しながら移動する。これにより、織物(13)は押圧ロール(21)と保護シート(19)との接当部近傍が集中的に押圧され、しかも往復移動により繰り返し押圧されるので、織物(13)を構成する経糸(11)と緯糸(12)がそれぞれ良好に開繊される。そしてこの押圧部(17)を通過すると、保護シート(19)は織物(13)から離れて案内ロール(27…)の周囲を循環移動し、一方、シート状の織物(13)は巻取り部(6)側へ案内されていく。
【0031】
上記の製織機械により、例えば3000デニールのアラミド繊維を経糸と緯糸に用いて織成した場合、開繊装置で処理した織物は、各糸の糸幅が3.64mm、厚さが0.118mm、即ち、糸幅が糸の厚さに対して30倍以上であり、カバーファクターが99.5%であった。これに対し、同じアラミド繊維の糸を用い、上記の開繊装置を有しない製織機械で同様に製織した場合、糸幅が2.48mm、厚さが0.163mm、即ち、糸幅が糸の厚さに対して15倍程度であり、カバーファクターは80%以下であった。
【0032】
なお、上記の実施形態ではアラミド繊維を経糸と緯糸に用いたが、いずれか一方を炭素繊維など他の高機能繊維で構成してもよく、あるいは一方を高機能繊維とし、他方を他の合成樹脂製繊維などで構成してもよい。
上記の開繊処理を施した、アラミド繊維などの高機能繊維からなるシート状織編物は、振動減衰性能に優れているうえ薄く且つカバーファクターが高いため、例えばこれに樹脂を含浸させて、スピーカーコーンや、ゴルフシャフト、テニスのラケットなどを成形するのに適している。また、上記のシート状織編物は、強度が高くしかも薄いので、積層数を多くして衝撃吸収性能や強度を高くしたり、含浸する樹脂量を少なくして小形・軽量にできるので、防護服や衝撃吸収コンポジット、プレプリグ、プリント基板、建築用補強資材、気球や飛行船等の膜部材に好適であり、さらには航空機の一次構造部品などにも適用が可能である。
【0033】
上記の実施形態では偏平糸を用いて製織したのち開繊してもよく、あるいは予め偏平化していない糸を用いて製織したのち開繊し偏平化してもよい。
また、上記の実施形態では、往復駆動手段を回転円板と連結ロッドで構成したが、カムなど他の機構で構成してもよく、押圧部や支持手段など他の構成部材や製織機械等も上記の実施形態のものに限定されないことはいうまでもない。
さらに、上記の開繊装置は、製織機械の製織部と巻取り部との間に配置したので、製織と開繊処理とを連続的に行うことができ、好ましいが、本発明では開繊装置を製織機械から切離して設けても良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
【0035】
(1) シート状の織編物を、目ズレを生じることなく良好に開繊できるので、太い糸を用いて安価に製織・編組したものであっても、薄く且つカバーファクターの高い織編物にすることができる。
【0036】
(2) 繊維には過剰な押圧力が加わらず、開繊処理による繊維の乱れやループ状繊維の発生が低減されるので、高機能繊維の有する強度特性等を充分に発揮させることができる。
【0037】
(3) 開繊に用いる装置は、案内ロールなどの支持手段上で押圧ロールを往復移動させるだけの簡単な構成で済むうえ、前記の従来技術2で用いた流体が不要であり、安価に実施することができる。
【0038】
(4) 上記の押圧ロールと織編物との間に、織編物と共に移動する保護シートを配置した場合には、転動する押圧ロールと織編物とが直接接触しないので、織編物に対する摩擦力の発生が防止され、織編物の目ズレを一層良好に防止することができる。
【0039】
(5) 上記の押圧ロールの外周面を、中央部の膨らんだ鼓状に形成したり、周方向に上下する凹凸面に形成した場合には、押圧の各瞬間に織編物のより狭い範囲を集中的に押圧できるので、各繊維に対する負担を軽減しながら一層良好に開繊することができ、より好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す、開繊装置を備えた製織装置の斜視図である。
【図2】開繊装置の概略構成図である。
【図3】開繊装置に用いる押圧装置の要部を示し、図3(a)は一部破断面図、図3(b)は図3(a)のB−B線矢視断面図である。
【符号の説明】
5…開繊装置、
13…シート状織編物(織物)、
15…支持手段(支持ロール)、
16…支持面、
18…往復駆動手段(往復駆動部)、
19…保護シート、
21…押圧ロール。

Claims (15)

  1. シート状の織編物(13)を支持手段(15)上で支持しながら所定方向へ案内し、押圧ロール(21)で上記の織編物(13)を支持手段(15)側へ押圧するとともに、この押圧ロール(21)を織編物(13)上で転動させながら織編物(13)の案内方向に沿って往復移動させることを特徴とする、シート状織編物の開繊方法。
  2. 上記の押圧ロール(21)と織編物(13)との間に、織編物(13)と共に移動する保護シート(19)を配置した、請求項1に記載のシート状織編物の開繊方法。
  3. 上記の織編物(13)の案内速度よりも高速で、上記の押圧ロール(21)を往復移動させる、請求項1又は2に記載のシート状織編物の開繊方法。
  4. シート状の織編物(13)を支持しながら所定方向へ案内する支持手段(15)と、この支持手段(15)の支持面(16)に沿って配置され、上記の織編物(13)を支持手段(15)側へ押圧する押圧ロール(21)と、この押圧ロール(21)を上記の織編物(13)上で転動させながらこの織編物(13)の案内方向に沿って往復移動させる往復駆動手段(18)とを備えたことを特徴とする、シート状織編物の開繊装置。
  5. 上記の押圧ロール(21)と織編物(13)との間に、織編物(13)の案内速度と同速度で保護シート(19)を供給する保護シート供給手段(20)を備えた、請求項4に記載のシート状織編物の開繊装置。
  6. 上記の押圧ロール(21)の外周面を、中央部の膨らんだ鼓状に形成した、請求項4または5に記載のシート状織編物の開繊装置。
  7. 上記の押圧ロール(21)の外周面を、周方向に上下する凹凸面に形成した、請求項4から6のいずれか1項に記載のシート状織編物の開繊装置。
  8. 高機能繊維を用いて製織または編組したシート状織編物であって、請求項1に記載の方法で開繊されたことを特徴とする、シート状織編物。
  9. 高機能繊維を用いて製織または編組したシート状織編物であって、織編物を構成する糸の断面形状が、幅方向の中間部に比べて両端縁側ほど薄くなるように形成されたことを特徴とする、シート状織編物。
  10. 高機能繊維を用いて製織または編組したシート状織編物であって、開繊処理によりカバーファクターが85%以上であり、織編物を構成する糸幅が糸の厚さに対して20倍以上であることを特徴とする、シート状織編物。
  11. 請求項8から10のいずれか1項に記載のシート状織編物に合成樹脂を含浸させて形成したことを特徴とする、多層積層板。
  12. 請求項8から10のいずれか1項に記載のシート状織編物に合成樹脂を含浸させて形成したことを特徴とする、スピーカーコーン。
  13. 請求項8から10のいずれか1項に記載のシート状織編物を用いて形成したことを特徴とする、防護服。
  14. 請求項8から10のいずれか1項に記載のシート状織編物を用いて形成したことを特徴とする、膜部材。
  15. 請求項8から10のいずれか1項に記載のシート状織編物を用いて形成したことを特徴とする、建築用補強材。
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