JP2014185001A - 高弾性率糸条張力の調整方法、および高弾性率糸条を用いた高次加工製品の製造方法 - Google Patents

高弾性率糸条張力の調整方法、および高弾性率糸条を用いた高次加工製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の糸条の張力調整方法に比較して、糸条の張力調整効果が大きく、糸条の張力のレベルやばらつきを低下ないし軽減できる、糸条の張力を均一化する方法を提供すること、および、複数本の高弾性率繊維の張力を効率よく均一化する方法を提供すること。
【解決手段】引張弾性率50GPa以上の高弾性率繊維を、複数の駆動ローラを糸道の前後に配した装置によって移送するに際して、上流側の駆動ローラの周速度を、それより下流側の駆動ローラの周速度に対して高速で駆動し、高弾性率繊維を上流側の駆動ローラに接触させた後、下流側の駆動ローラに接触させることによって、下流側の駆動ローラ出の高弾性率繊維の張力ばらつきを軽減することを特徴とする糸条張力の調整方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高弾性率繊維の高次加工品を製造するに際し、高弾性率繊維をボビンなどから引き出した糸条の張力を各糸条間および長手方向に均一化する、糸条(すなわち、高弾性率繊維)の張力の調整方法に関する。特に本発明は、繊維強化複合材料の製造に使用される中間基材であるプリプレグの製造装置における樹脂含浸工程に供給する複数本の高弾性率繊維の張力や、織物の経糸に供給する複数本の高弾性率繊維の張力を均一化する、糸条張力の調整方法に関する。
高弾性率繊維、とくに引張弾性率が50GPa以上である糸条は、その高い機械性能を生かした種々の用途に使用されている。しかしながら、高弾性率繊維は剛性が高いために、糸条をボビンなどから解舒してローラを用いて搬送し高次加工製品を製造する次工程に供給するときに、糸条の張力の斑を生じると、糸条自身の伸びで張力を吸収することが困難であり、次工程にその張力の斑が拡大した形で伝達される問題があった。
かかる問題を解決するために、テンサーなどと呼ばれる種々の形状のガイドを使用する技術などが提案されているが、高弾性率繊維の場合、糸条の張力の絶対値が増加することで、毛羽の増加により品位が悪化する問題があった。
さらに、糸条が巻かれているボビンをトルクモーターなどで負荷をかけ、解舒される糸条に一定の張力を与える工夫がなされたり、ボビンを受けるシャフトにシャフト駆動用モーターを取り付け、このシャフトに軸支したボビンの自由回転を制御する摩擦付与手段を取り付けたりすることも提案されてはいたが、糸条の巻き径の変化に対応できない問題があるほか、同時に複数本の糸条を使用する場合には設備費用が高価であるという問題もあった(特許文献1)。
また、一定のトルクを有するフリーローラに捲回して、糸条の張力を一定にする方法も知られている(特許文献2)が、糸条の張力レベルが上がるため、糸条の毛羽品位などの低下が見られた。さらに、糸道にダンサーローラと呼ばれる、一種の動滑車を設置して糸条の張力を制御する方法が知られている(特許文献3)が、複数本の糸条一本一本の張力調整および微細な張力の変動に対応できない他、装置が大型化する問題があった。
なかでも、特に複数本の高弾性率繊維を、織物の経糸や、一方向プリプレグ用の強化繊維に用いる場合に効果的な糸条の張力を調整する方法が望まれていた。
特開平8−53247号公報 特開平8−2821号公報 特開2003−253547号公報
本発明は、従来の糸条の張力調整方法に比較して、糸条の張力調整効果が大きく、糸条の張力のレベルやばらつきを低下ないし軽減できる、糸条の張力を均一化する方法を提供することを課題とし、特に本発明は、複数本の高弾性率繊維の張力を効率よく均一化する方法を提供することを課題とする。
上記課題を達成するため、本発明は下記の構成からなる。
(1)引張弾性率50GPa以上の高弾性率繊維を、複数の駆動ローラを糸道の前後に配した装置によって移送するに際して、上流側の駆動ローラの周速度を、それより下流側の駆動ローラの周速度に対して高速で駆動し、高弾性率繊維を上流側の駆動ローラに接触させた後、下流側の駆動ローラに接触させることによって、下流側の駆動ローラ出の高弾性率繊維の張力ばらつきを軽減することを特徴とする糸条張力の調整方法。
(2)糸道に複数の高弾性率繊維を同時供給する、上記糸条張力の調整方法。
(3)上流側の駆動ローラの周速度(V)と下流側の駆動ローラの周速度(Vf)が下記関係式を満たす、上記糸条張力の調整方法。
V/Vf>1.25
(4)上流側の駆動ローラを複数配しており、かつそれらは実質的に等速で駆動しているとともに、該複数の上流側の駆動ローラの間にフリーローラを配している、上記糸条張力の調整方法。
(5)上流側の駆動ローラに高弾性率繊維が接触する接触角の合計を、1/2π以上3π未満(単位はrad)とする、上記糸条張力の調整方法。
(6)上流側の最下流の駆動ローラと、下流側の最上流の駆動ローラの間に1〜6個のフリーローラを配している、上記糸条張力の調整方法。
(7)高弾性率繊維は、弾性率が200GPa以上、強度が3.0GPa以上、フィラメント数1,000〜100,000の炭素繊維である、上記糸条張力の調整方法。
(8)上記の方法を適用した高弾性率繊維を、フィラメントワインド品、プルワインド品、およびプルトルージョン品からなる群から選択されるいずれかの成形品を製造する工程に直接供給する、成形品の製造方法。
(9)上記の方法を適用した複数本の高弾性率繊維を、プリプレグ製造装置における樹脂含浸工程に供給する、プリプレグの製造方法
(10)上記の方法を適用した複数本の高弾性率繊維を、一旦ビーム状に巻き取り、その後織物の経糸として供給するか、または、直接織物工程における織物の経糸として供給する、織物の製造方法。
本発明の糸条張力の調整方法によれば、比較的簡易な設備によって、高弾性率繊維の張力を低いレベルで一定に保つ(すなわち、ばらつきを軽減する)ことが可能になり、フィラメントワインドやプルトルージョンなどの高次加工時の取り扱い性を向上させることが可能になる。また、複数のボビンから糸を解舒する際に各々の糸条の張力を均一化することができるので、織物工程の経糸に供給したり、一方向プリプレグの製造装置における樹脂含浸工程前の引き揃え工程に供給したりすることによって、高弾性率繊維を加工する工程の操業性改善や、加工品の品位改善が可能になる。
また、本発明の糸条張力の調整方法を、糸条の開繊工程と組み合わせることによって、糸条の張力を均一化することにより、糸条を均一に拡幅することができる。
本発明の実施態様の一例に用いる、糸条張力を調整する装置を示す概略図である。
本発明は、弾性率50GPa以上の高弾性率繊維を、複数の駆動ローラを糸道の前後に配した装置によって移送するに際して、上流側の駆動ローラの周速度を、それより下流側の駆動ローラの周速度に対して高速で駆動し、高弾性率繊維を上流側の駆動ローラに接触させた後、下流側の駆動ローラに接触させることによって、下流側の駆動ローラ出の高弾性率繊維の張力ばらつきを軽減することを特徴とする。
ここで、上流側とは、高弾性率繊維をボビンから解舒したり、キャンから引き上げたりする側のことを意味し、下流側とは、高弾性率繊維を、駆動ローラを通した後に次の工程に移送する側(高次加工製品の製造工程、特にプリプレグ製造装置における樹脂含浸工程、ないし織物工程の存在する側)のことを意味する。
本発明に用いられる高弾性率繊維は、ボビンに巻かれた状態や、芯無しパッケージの状態から解舒するか、キャンなどに収納された状態から取り出され、適宜ガイドによって糸道を整えた後、前記した糸条張力を調整する工程に導入される。
すなわち、本発明では、ボビンに巻かれた状態の高弾性率繊維は、回転可能なスピンドルに支持され、スピンドルに一定のトルクを与える状態などでボビン軸に対して垂直方向に解舒されたり、ボビン軸に対して平行方向に解舒されたりして、必要な場合張力を付与するテンサーを通過した後、複数の駆動ローラを有する糸条張力を調整する工程に導入される。糸条張力を調整する工程に導入する糸条は1本でもよいし、同時供給され同じ糸道を通る複数本の走行糸条に適用して、それら複数本の糸条の張力を調整してもよい。
本発明で用いる高弾性率繊維とは、引張弾性率が50GPa以上の糸条である。なかでも引張強度が2.0GPa以上、破断伸びが5%以下のものが好ましい。これらの糸条の例としては、アラミド繊維、高強度ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、炭素繊維等があげられる。特に引張強度が3.0Ga以上、引張弾性率が200Ga以上で、フィラメント数が1,000〜100,000本の炭素繊維に好適に用いられる。
本発明について図1を用いて説明する。本発明では、上流側の駆動ローラ(2,4)は、その周速度が下流側の駆動ローラ(7、8)の周速度(糸の供給速度)よりも高速であることを特徴とする。
本発明において、ボビン(9)から引き出された糸条(高弾性率繊維)(13)は、最終的に一定速度で回転する下流側の駆動ローラ(7)に引き取られて、フィラメントワインド品、プルワインド品、プルトルージョン品などの高次加工製品(成形品)の製造工程、プリプレグ製造装置における樹脂含浸工程、ないし織物工程などの次工程に送られる。本発明では、張力測定のために、下流側の駆動ローラ(7)の出側に巻き取りローラ(8)を使用しており、下流側の駆動ローラ(7)と巻き取りローラ(8)の速度は実質的に等速である。また、駆動ローラ(7)はニップローラの形式で図示しているが、複数のローラを引き回す形式で糸条(13)を把持しても良い。
なお、図1では省略しているが、複数本の糸条(13)を一つのローラに同時供給しても良く、その場合は、糸条内の張力斑とともに糸条間の張力斑を減少させる効果が得られる。
本発明において、下流側の駆動ローラ(7)の上流側に配置される1つ以上の駆動ローラ(4)は、下流側の駆動ローラ(7)と同方向であるとよく、その周速度(V)を下流側の駆動ローラ(7)の周速度(Vf)に対して V/Vf>1.25 (式1) を満たすことが好ましい。
V/Vfが1.25を超えることによって、上流側の駆動ローラ(4)にて走行糸の送り出し量がより均一となり、下流側の駆動ローラ(7)出側の糸条(13)の張力のばらつきを低減させることが可能となる。また、V/Vfは、2.5以下が好ましい。V/Vfを2.5以下とすることによって、走行糸と上流側の駆動ローラ(4)の摩擦による毛羽発生の緩和および糸条の弛み解消が可能となる。
本発明は、図1の上流側の駆動ローラ(4)に加え、上流側の駆動ローラ(2)を併用するように、複数の上流側の駆動ローラを使用することが好ましく、これらを実質的に等速で駆動することや、その上流側の駆動ローラ(2、4)間にもフリーローラ(3)を使用することもさらに好ましい。
本発明において、上流側の駆動ローラ(2、4)に糸条(13)が接触する接触角は、全体で1/2π(単位はrad、以下接触角の単位について同様。)以上が好ましく、好ましくはπ以上である。1/2π以上とすることによって、走行糸と上流側の駆動ローラ(2、4)に適度な摩擦抵抗を付与することができ、複数の走行糸が均一に送り出されることにより、張力ばらつきを低減できる。一方、当該接触角を全体で3π未満とすることによって、走行糸と上流側の駆動ローラ(2、4)の過度の摩擦による毛羽発生の緩和および糸条の弛み解消が可能となる。
また、下流側の駆動ローラ(7)とそれより高速で回転する上流側の駆動ローラ(4)の間に少なくとも一つのフリーローラ(5)を配することが好ましい。このフリーローラ(5)を配することによって、上流側の駆動ローラ(4)と糸条(13)との接触角の調整が可能となるとともに、張力ばらつきを緩衝することができる。好ましいフリーローラ(5)の数は1〜6個であり、好ましくは3〜4個である。この位置でフリーローラ(5)を設けることによって上流側の駆動ローラ(4)と走行糸の接触角を調整し、動摩擦力による張力付与が可能となる。またフリーローラ(5)の数を6個以下とすることで、余分なローラが無く、設備が簡素化するので好ましい。
フリーローラ(5)に糸条(13)が接触する接触角は、全体で1/2π以上が好ましく、好ましくはπ以上である。1/2π以上とすることによって、走行糸とフリーローラのスリップを低減することができる。一方、当該接触角を、全体で3π未満とすることによって、糸条(13)への適度な摩擦力による張力付与が可能となる。
このような構成を取ることによって、高弾性率繊維が解舒されて、下流側の駆動ローラ(7)より高速度で、糸条(13)の進行方向に回転する上流側の駆動ローラ(2、4)に接触すると、糸条の張力が高い状態では、上流側の駆動ローラ(2、4)により、張力が低い状態に比較して、送り出しの摩擦力を大きく受けるため、糸条が高速となって、高速で回転する上流側の駆動ロール(2、4)の出側の張力を低下させるとともにそのばらつきを減少させる。そのため、全体として糸条の張力を減少させると共に、長手方向の張力斑を減らすことができる。
また、複数本の糸条を同一の糸条張力を調整する装置で、同一のローラに使用することによって、糸条の張力レベルを低下させるとともに、糸条間の張力斑を減少させることができる。
本発明に使用するフリーローラ(1)、(3)、(5)や上流側の駆動ローラ(2、4)については、通常の糸道に用いられるローラが使用可能であるが、その表面の材質は梨地クロムメッキ、鏡面クロムメッキ、クロムメッキにテトラフルオロエチレンを組み込んだものなどがあげられ、とくにフリーローラ(1)、(3)、(5)と下流側の駆動ローラ(7)、(8)には鏡面クロムメッキが好ましく、上流側の駆動ローラ(2、4)には梨地クロムメッキのものが好ましい。またその直径は20〜200mmのものが好ましく、特に50〜100mmのものが好ましい。その形状については、フラットローラ、溝付きローラ、鍔付きローラなどを使用することができ、糸条に余分の撚りや収束性を与えない形状が好ましい。
また、上記ローラ群と適当なガイド類を組み合わせて糸道の制御を計ることができ、例えば一方向プリプレグ製造装置のおける樹脂含浸工程の糸条導入部分に適用する場合は、糸道の適当な部分に櫛形ガイドによって糸条の位置を定めることが好ましい。
本発明の糸条張力の調整方法は、高弾性率繊維をボビンから引き出し、高次加工品の製造工程に使用する際に好適に適用される。本発明の糸条張力の調整方法を、高次加工工程に組み込んで、加工前の糸条に適用しても良いし、別工程として張力を調整し、一旦巻き取ってから高次加工工程に適用しても良い。
また、本発明の糸条張力の調整方法は、1本の糸条を用いて張力の低減とばらつきの低減を実施しても良いし、また好ましくは多数本の使用を同一の装置を用いて張力低減と、均一化、ばらつき低減を計っても良い。前者の例としては、1本の糸条に樹脂を含浸させるヤーンプリプレグやフィラメントワインドにおけるボビンなどからの解除工程、後者の例としては、フィラメントワインド、プルワインドやプルトルージョンなどの工程に複数の糸条を供給する際のボビンなどからの解舒工程、一旦ビーム状に巻き取り、その後織物工程における織物の経糸として供給する織物の整経工程、ないしボビンから直接経糸を織機に供給する工程や、一方向プリプレグの製造装置における樹脂含浸工程において、糸条を供給する際のボビンなどからの解舒工程などをあげることができる。また、本発明の糸条張力の調整方法を、開繊工程と組み合わせることによって、糸条の張力を均一化することにより、糸条を均一に拡幅することができる。
フィラメントワインドやプルトルージョンなどの工程の樹脂含浸前の糸条に本発明を適用すると、糸条の張力斑が減少するため、樹脂含浸時の樹脂付着量が均一化するほか、張力低下による糸傷みの減少が計れ、高次加工工程の安定化が可能になるほか、最終製品である成形品の品質・品位が向上する。
本発明を複数の糸条に適用する例として、織物の経糸では、糸張力斑による拡がり斑が低減し、織物の微細な膨れや糸条の目曲がり等が減少し、品位が向上する。同様に、本発明を複数の糸条に適用する例として、一方向プリプレグの製造装置のおける樹脂含浸工程では、糸条の張力を均一化することで、糸幅の均一化が達成され、割れ欠点の少ない高品位のプリプレグを得ることができる他、低張力で加工が可能となるため、高弾性率繊維の毛羽発生を防ぐことによる操業性改善と、製品品位向上が達成される。
以下、本発明を、実施例および図1を用いて説明する。
[実施例1]
東レ株式会社製の炭素繊維“トレカ”(東レ社登録商標、以下同じ)、M40SC−12K−50C(引張弾性率:382GPa、引張強度:4.8GPa、繊度:0.502g/m、フィラメント数:12,000本)の15本のボビン9を、各々クリールに掛け、張力均一化装置6を通して糸を解舒した。張力均一化装置6には直径70mmのローラを8本使い、そのうち2本の上流側ローラ2、4は駆動ローラとし、その他6本のローラ1、3、5はフリーローラとした。下流側の駆動ローラ(7、8)を2.5m/min、上流側の駆動ローラ(2、4)の駆動速度を3.2m/min、上流側の駆動ローラ(2、4)と走行糸との接触角を7/6πとして、入張力測定場所10、中張力測定場所11、出張力測定場所12の3箇所で糸の張力を測定した。張力測定結果の平均値とCVを表1に示す。なお表1は、15本の糸条のうち、1本おきに8本の張力を測定した結果である。
出張力は、入り張力に比較して小さくなり、またCV値で比較したそのばらつきも、入張力ばらつきより格段に小さくなっていた。
[実施例2]
駆動ローラ(7)(糸の解舒速度)を2.5m/min、駆動ローラ(2、4)の駆動速度を3.1m/minとした以外は実施例1と同様に張力測定した。その張力測定結果を表1に示す。出張力ばらつきは、入張力ばらつきに対して改善された。
[実施例3]
駆動ローラの数と糸道を変更し、糸条の接触する接触角が1/3πとした以外は実施例1と同様に張力測定した。その張力測定結果を表1に示す。出張力ばらつきは、入張力ばらつきに対して改善された。
[実施例4]
駆動ローラの数と糸道変更し、糸条の接触する接触角が4πとした以外は実施例1と同様に張力測定した。その張力測定結果を表1に示す。駆動ローラ(4)の出側で糸条の弛みがわずかに発生したが、出張力ばらつきは、入張力ばらつきに対して改善された。
[比較例1]
駆動ローラ(7)(糸の解舒速度)を3.0m/min、駆動ローラ(2、4)の駆動速度を2.5m/minとした以外は実施例1と同様に張力測定した。その張力測定結果を表1に示す。出張力ばらつきは、入張力ばらつきに比較して大きくなった。また、駆動ローラ(2,4)の摩擦による毛羽が発生した。
Figure 2014185001
本発明は、高弾性率糸をボビンから引き出す際に、糸条の張力を低下させるとともに、そのばらつきを小さくすることが可能となり、高弾性率糸の高次加工性の改善と加工品の品位改善が図れる。また、複数のボビンから解舒された、同じ糸道を辿る複数の走行糸状の張力を低レベルで均一化することができ、特に織物工程やプリプレグ工程に使用することによって、それらの高次加工性の改善と高次加工製品の品位改善が図れる。
1: フリーローラ
2: 駆動ローラ(上流側)
3: 上流側駆動ローラ間のフリーローラ
4: 駆動ローラ(上流側最終)
5: 上流側駆動ローラと下流側駆動ローラ間のフリーローラ
6: 張力均一化装置
7: 駆動ローラ(下流側)
8: 巻き取りローラ
9: ボビン
10: 入張力測定装置
11: 中張力測定装置
12: 出張力測定装置
13: 糸条(高弾性率繊維)

Claims (10)

  1. 引張弾性率50GPa以上の高弾性率繊維を、複数の駆動ローラを糸道の前後に配した装置によって移送するに際して、上流側の駆動ローラの周速度を、それより下流側の駆動ローラの周速度に対して高速で駆動し、高弾性率繊維を上流側の駆動ローラに接触させた後、下流側の駆動ローラに接触させることによって、下流側の駆動ローラ出の高弾性率繊維の張力ばらつきを軽減することを特徴とする糸条張力の調整方法。
  2. 糸道に複数の高弾性率繊維を同時供給する、請求項1に記載の糸条張力の調整方法。
  3. 上流側の駆動ローラの周速度(V)と下流側の駆動ローラの周速度(Vf)が下記関係式を満たす、請求項1または2に記載の糸条張力の調整方法。
    V/Vf>1.25
  4. 上流側の駆動ローラを複数配しており、かつそれらは実質的に等速で駆動しているとともに、該複数の上流側の駆動ローラの間にフリーローラを配している、請求項1〜3のいずれかに記載の糸条張力の調整方法。
  5. 上流側の駆動ローラに高弾性率繊維が接触する接触角の合計を、1/2π以上3π未満(単位はrad)とする、請求項1〜4のいずれかに記載の糸条張力の調整方法。
  6. 上流側の最下流の駆動ローラと、下流側の最上流の駆動ローラの間に1〜6個のフリーローラを配している、請求項1〜5のいずれかに記載の糸条張力の調整方法。
  7. 高弾性率繊維は、引張弾性率が200GPa以上、引張強度が3.0GPa以上、フィラメント数1,000〜100,000の炭素繊維である、請求項1〜6のいずれかに記載の糸条張力の調整方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法を適用した高弾性率繊維を、フィラメントワインド製品、プルワインド製品、およびプルトルージョン製品からなる群から選択されるいずれかの成形品を製造する工程に直接供給する、成形品の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法を適用した複数本の高弾性率繊維を、プリプレグ製造装置における樹脂含浸工程に供給する、プリプレグの製造方法
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法を適用した複数本の高弾性率繊維を、一旦ビーム状に巻き取り、その後織物の経糸として供給するか、または、直接織物工程における織物の経糸として供給する、織物の製造方法。
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