JP2889194B2 - 耐弾織物の製織方法および装置 - Google Patents

耐弾織物の製織方法および装置

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JP2889194B2
JP2889194B2 JP8253548A JP25354896A JP2889194B2 JP 2889194 B2 JP2889194 B2 JP 2889194B2 JP 8253548 A JP8253548 A JP 8253548A JP 25354896 A JP25354896 A JP 25354896A JP 2889194 B2 JP2889194 B2 JP 2889194B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、銃から発射された
弾丸などから身体などを保護するいわゆる防弾チョッキ
などとして有利に実施することができる耐弾織物の製織
方法ならびに整経装置および開繊装置に関する。
【0002】
【従来の技術】2本以上のフィラメントを集束して構成
されるマルチフィラメント糸は、繊維の配列度がよく、
密度が高く、したがって引張強度および延び率が紡績糸
より優れているので、耐弾織物の用途に好適する。この
ようなマルチフィラメント糸は、製織工程およびその前
の製織準備工程で、糸道を決める案内部材に摩擦接触
し、また、おさなどに摩擦接触し、マルチフィラメント
糸を構成するフィラメントが切断しやすい。フィラメン
トが1本でも切断すると、毛羽立ち、運転を停止せざる
を得なくなる。
【0003】この問題を解決し、フィラメントの集束が
乱れて分繊することを防ぐために、適当な撚りをかけ、
または糸束の走行中に高圧空気を横から噴射してフィラ
メントを交絡して絡ませるなどし、フィラメント加工糸
を用いる。
【0004】わずかな撚りがかかったマルチフィラメン
ト糸およびフィラメント加工糸では、繊維の配列度が低
下し、したがって耐弾織物として必要な機械的性質が低
下してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐弾
織物の製織方法を提供し、さらにその製織のために用い
る整経装置および開繊装置を提供することである。
【0006】
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウォータジェ
ット織機を用い、たて糸は、マルチフィラメント糸を開
繊し、その開繊したマルチフィラメント糸を、糊付け
し、その後、乾燥してウォータジェット織機に仕掛け、
よこ糸は、マルチフィラメント糸を開繊することなくか
つ糊付けすることなく、ウォータジェット織機で水の噴
流によって飛走してよこ入れすることを特徴とする耐弾
織物の製織方法である。また本発明は、糊付けは、ポリ
ビニルアルコールまたはアクリル系糊材を含む糊を用い
ることを特徴とする。また本発明は、製織後に、糊抜き
をすることを特徴とする。また本発明は、水の噴流を調
整して、よこ糸の飛走中に、よこ糸が開繊した状態とす
ることを特徴とする。本発明に従えば、たて糸は、マル
チフィラメント糸を開繊し、すなわち全体の断面形状が
偏平になるようにフィラメントを上下に重なることな
く、またはフィラメントが部分的に上下に重なって並べ
た状態で、糊付けし、その後、乾燥してウォータジェッ
ト織機に仕掛けて織り付けをし、これに対してよこ糸
は、マルチフィラメント糸を、ウォータジェット織機に
おける水の噴流によって飛走して、織機に仕掛けられて
いるたて糸が上下に分けられて形成されたひ口に通入し
てよこ入れし、こうしてヘルド(綜絖)による開口運動
と、水の噴流によるよこ糸のよこ入れ運動と、おさによ
るおさ打ち運動とによって、織物の製織が行われる。本
発明に従えば、糊は、たとえばポリビニルアルコールま
たはアクリル系糊材、たとえばアクリル酸エステルなど
を用い、したがって製織後に、糊抜きなどの精練をする
ことが容易である。糊は、耐弾性能の向上には寄与せ
ず、本件耐弾織物が防弾チョッキなどの衣類として用い
られるとき、糊抜きは、重量を軽減するのに役立つ。本
発明に従えば、よこ糸はマルチフィラメント糸であって
撚りおよび捲縮などの加工が行われておらず、さらに開
繊することなく、かつ糊付けすることなく、ノズルから
水とともにひ口に通される。この水によって、各フィラ
メントの相互の間隔が大きくなってばらばらになること
を防ぎ、しかもたて糸と同程度の密度で開繊した状態に
することができる。このようによこ糸を開繊した状態に
するには、水の噴流の流量、速度およびよこ糸がひ口に
通入している動作に同期した水の噴射時間などによって
調整することによって可能である。水は、ひ口に通入す
るよこ糸の全長にわたって付着している。よこ糸は、よ
こ入れの飛走中に、フィラメント相互の間隔が大きくな
り、飛走後に上下のたて糸が交差してよこ糸が挟まれる
ことによって、そのよこ糸が偏平な横断面形状とされ、
こうしてよこ糸が開繊された状態で製織される。本発明
の考え方に従えば、ウォータジェット織機だけでなく、
エアジェット織機、レピア織機およびスルザで代表され
るグリッパシャトル織機などのシャトルレス織機を用い
てもよい。本発明の製織方法で生産された耐弾織物は、
全体の横断面形状が偏平になるようにフィラメントを並
べて開繊した無撚のマルチフィラメント糸を、たて糸お
よびよこ糸として用い、かつフィラメントの繊維軸をほ
ぼ直線状に保ったままで製織したことを特徴とする耐弾
織物である。また平織、綾織および朱子織のうちの1つ
であることを特徴とする。マルチフィラメント糸の全体
の横断面形状が偏平となるように、そのマルチフィラメ
ント糸を構成する複数のフィラメント糸を並べて開繊
し、このマルチフィラメント糸は撚りがかかっておら
ず、すなわち無撚であり、加工が施されていない。した
がって用いられるマルチフィラメント糸は、繊維の配列
度がよく、密度が高く、したがって耐弾性能を向上する
ための機械的性質が良好であり、たとえば引張強度およ
び引張初期弾性率が充分大きな値を有する。しかもこの
マルチフィラメント糸は無撚であって、交絡などの加工
が施されておらず、捲縮が生じていない。したがって織
物に銃から発射された弾丸が衝突した際に生じる衝撃波
がフィラメントを円滑に伝播し、弾丸の運動エネルギが
織物に広範囲に分散され、弾丸の運動エネルギがフィラ
メントの破断に効率よく変換されて消費される。フィラ
メントの繊維軸は、ほぼ直線状に保たれており、前述の
ように撚りおよび捲縮などは存在しないので、上述のよ
うに耐弾性能が向上されることになる。さらに横断面が
たとえばほぼ円形であるマルチフィラメント糸に比べ
て、たて糸およびよこ糸の交錯位置における隙間を小さ
くすることができ、このことによってもまた耐弾性能を
向上することができる。さらに製織後、マルチフィラメ
ント糸がほどけにくく、もとの形状を保ち、したがって
人体に装着した状態で使用しても、耐弾性能が低下して
しまうおそれはない。本発明によって製織された耐弾織
物によれば、マルチフィラメント糸を構成するフィラメ
ントの繊維軸をほぼ直線状に保ったままで製織したの
で、そのマルチフィラメント糸の機械的性質を有効に利
用し、すなわち引張強度および引張初期弾性率を低下さ
せることなく用いることができ、これによって銃から発
射される弾丸の運動エネルギを広範囲に伝播分散させ、
これによってたとえば身体を損傷させないように、繊維
破断のためのエネルギなどに短時間に変換することがで
きるようになる。こうして本件耐弾織物の耐弾性能が向
上される。本発明の耐弾織物によれば、その織物の面内
における全方向にわたって均一な耐弾性能を得ることが
できる。またマルチフィラメント糸の全体の横断面形状
は、開繊によって偏平であるので、たて糸とよこ糸との
交錯する位置での隙間が小さくなり、このことによって
もまた耐弾性能を向上することになる。さらに開繊した
マルチフィラメント糸をたて糸およびよこ糸として用い
ることによって、上述のように隙間が小さくなり、織っ
た後で、各マルチフィラメント糸がほどけにくくなり、
もとの織り組織を維持することができ、その耐弾織物を
たとえば防弾チョッキなどとして使用して実際に着用し
たときにおける形状が不所望に変形しにくくなる。平
織、綾織および朱子織のうちの1つとし、さらにはこれ
らの変形した組織とし、織り形状が崩れにくい。マルチ
フィラメント糸は、50〜1600デニールであり、そ
のマルチフィラメント糸を構成する複数の各フィラメン
トは、10デニール未満であることを特徴とする。たと
えば1〜10デニールのフィラメントを集束して50〜
1600デニールのマルチフィラメント糸を構成し、た
とえば195本のフィラメントによって200デニール
のマルチフィラメント糸を構成してもよい。マルチフィ
ラメント糸を構成するフィラメントは、同一寸法形状を
有する。マルチフィラメント糸は、たとえば約25本以
上、100本以上、さらには上述のように約200本以
上のフィラメントによって構成することによって、密度
を高くし、均斉な糸とすることができ、このことからも
耐弾性能の向上を図ることができる。さらに10デニー
ル未満の各フィラメントから成る50〜1600デニー
ルのマルチフィラメント糸を用い、上述のように繊維の
配列度をよくするように開繊して、密度を高めることが
でき、これによって引張強度および引張初期弾性率の向
上を図ることができる。
【0009】また本発明は、(a)無撚のマルチフィラ
メント糸を巻いた複数の各ボビンを支持するクリール
と、(b)ボビンから引き出されるマルチフィラメント
糸に張力を与える張力付与手段と、(c)張力付与手段
からのマルチフィラメント糸の全体の横断面が偏平にな
るようにフィラメントを並べる開繊装置と、(d)開繊
装置の下流側に配置され、開繊装置からのマルチフィラ
メント糸に糊付けをする糊付け装置と、(e)糊付け装
置の下流側に配置され、マルチフィラメント糸に付着し
た糊を乾燥する乾燥装置と、(f)乾燥装置によって乾
燥されたマルチフィラメント糸に張力を与えつつ巻き取
る巻き取り手段とを含むことを特徴とする整経装置であ
る。 また本発明は、(a)マルチフィラメント糸を巻いた複
数の各ボビンを支持するクリールと、(b)ボビンから
引き出されるマルチフィラメント糸に張力を与える張力
付与手段と、(c)開繊装置であって、張力付与手段か
らのマルチフィラメント糸の走行方向に、第1、第2お
よび第3の各案内ローラが配置され、第1、第2および
第3の各案内ローラは、軸線方向に一様な外径を有し、
前記走行方向に垂直な回転軸線を有し、第2案内ローラ
の軸線は、第1および第3案内ローラの軸線を含む一平
面に関して一方側にずれて配置され、マルチフィラメン
ト糸は、第1案内ローラに、前記一平面に関して他方側
で巻き掛けられ、第3案内ローラの前記一平面に関して
前記一方側でかつ前記一平面よりも遠去かった外周面に
巻き掛けられ、さらに、第3案内ローラに、前記一平面
に関して前記他方側で巻き掛けられ、第1、第2および
第3案内ローラの周速度V1,V2,V3を、 V1>V2>V3 となるように、第1、第2および第3案内ローラをそれ
ぞれ駆動する駆動手段が設けられる開繊装置と、(d)
開繊装置の下流側に配置される糊付け装置であって、糊
が貯留されるサイズボックスと、下部が糊に部分的に浸
漬され、水平な回転軸線を有する糊付けローラとを有
し、開繊装置からのマルチフィラメント糸が糊付けロー
ラの上部に接触して走行される糊付け装置と、(e)糊
付け装置の下流側に配置され、マルチフィラメント糸に
付着した糊を乾燥する乾燥装置と、(f)乾燥装置によ
って乾燥されたマルチフィラメント糸に張力を与えつつ
巻き取る巻き取り手段とを含むことを特徴とする整経装
置である。 また本発明は、クリールに支持されるボビンの軸線に垂
直方向にずれて、かつボビンの軸線方向に沿ってボビン
に巻かれたマルチフィラメントの糸の層の範囲内に、ボ
ビンからのマルチフィラメント糸を案内する案内部材が
設けられることを特徴とする。 本発明に従えば、クリールに支持された複数の各ボビン
からのマルチフィラメント糸は、張力付与手段と巻き取
り手段との間で張力が与えられ、その張力付与手段と巻
き取り手段との間に配置される開繊装置における特に第
2および第3案内ローラの外周面上で、各マルチフィラ
メント糸を構成するフィラメントが1本ずつ隣接して配
列され、こうして各マルチフィラメント糸は全体の横断
面形状が偏平となって開繊され、この状態で糊付け装置
に導かれて糊付けローラの上部の外周面に接触し、マル
チフィラメント糸に糊が付着され、その後、乾燥装置で
糊が乾燥される。こうして乾燥されたマルチフィラメン
ト糸は、ビームまたはドラムなどに、巻き取り手段によ
って巻き取られる。 従来では、生糸(なまいと)であるマルチフィラメント
糸を加撚、交絡などの加工を施した後、一旦、ボビン、
ドラム、ビームなどに巻き取り、その後、糊付けのため
に、前記巻き取られているマルチフィラメント加工糸を
引き出して走行して糊付けを行い、再び、ボビン、ドラ
ム、ビームなどに巻き取っている。したがって従来で
は、大きな労力と時間とを必要とし、生産性が悪い。本
発明では、マルチフィラメント糸を開繊し、その後、直
ちに糊付けを行って巻き取るので、生産性が良好であ
る。 本発明の他の考え方に従えば、単一本のボビンに単一本
のマルチフィラメント糸が巻かれ、この単一本のマルチ
フィラメント糸を、開繊、糊付けして巻き取るようにし
てもよい。 クリールにおいて、ボビンの軸線に垂直方向に、マルチ
フィラメント糸を案内する案内部材を設け、この案内部
材は、ボビンの軸線方向に沿ってボビンに巻かれたマル
チフィラメント糸の層の範囲内に配置され、こうしてボ
ビンからマルチフィラメント糸が引き出される際に、そ
のマルチフィラメント糸に撚りがかかるのを防ぐことが
できる。この案内部材は、マルチフィラメント糸を挿通
する案内孔を有する板であってもよく、その他の構成で
あってもよく、たとえば目配りなどであっもよい。案内
部材は、ボビンに巻かれたマルチフィラメント糸の層の
ボビン軸線方向中央位置に配置されて、マルチフィラメ
ント糸を円滑に引き出すようにすることができる。ボビ
ンは回転自在にクリールに設けられる。 本発明の他の考え方に従えば、案内部材は、ボビンの軸
線方向に間隔をあけてずれて配置されており、ボビンを
回転することなくマルチフィラメント糸を引き出すよう
に構成してもよい。このような構成では、マルチフィラ
メント糸にわずかに撚りがかかるけれども、開繊に大き
な悪影響を及ぼすことはない。
【0010】また本発明は、マルチフィラメント糸の走
行方向に、第1、第2および第3の各案内ローラが配置
され、第1、第2および第3の各案内ローラは、軸線方
向に一様な外径を有し、前記走行方向に垂直な回転軸線
を有し、第2案内ローラの軸線は、第1および第3案内
ローラの軸線を含む一平面に関して一方側にずれて配置
され、マルチフィラメント糸は、第1案内ローラに、前
記一平面に関して他方側で巻き掛けられ、第3案内ロー
ラの前記一平面に関して前記一方側でかつ前記一平面よ
りも遠去かった外周面に巻き掛けられ、さらに、第3案
内ローラに、前記一平面に関して前記他方側で巻き掛け
られ、第1、第2および第3案内ローラの周速度V1,
V2,V3を、 V1>V2>V3 となるように、第1、第2および第3案内ローラをそれ
ぞれ駆動する駆動手段が設けられ、第1案内ローラより
も前記走行方向上流側と、第3案内ローラよりも前記走
行方向下流側とに、フィラメント糸に張力を付与する張
力付与手段が設けられることを特徴とする開繊装置であ
る。 また本発明は、第1、第2および第3案内ローラは、フ
ッ素樹脂被覆層を有することを特徴とする。 また本発明は、第1案内ローラよりもマルチフィラメン
ト糸の走行方向上流側に、そのマルチフィラメント糸の
静電気を除去する手段が設けられることを特徴とする。 本発明に従えば、第1および第3の案内ローラの上流側
と下流側との間で張力が与えられたマルチフィラメント
糸は、第1案内ローラの外周面に部分的に、すなわち3
60度未満にわたって巻き掛けられ、さらに第2案内ロ
ーラの外周面に巻き掛けられ、その後第3案内ローラの
外周面に巻き掛けられて案内されて走行し、これらの第
1、第2および第3の各案内ローラは、軸線方向に一様
な外径を有し、すなわち直円柱状または直円筒状であ
り、マルチフィラメント糸の走行方向に垂直な回転軸線
を有し、たとえば第1および第3案内ローラの軸線はほ
ぼ一平面内にあり、第3案内ローラの軸線はこの一平面
に平行であってもよく、特に重要なことは、第1、第2
および第3案内ローラの周速度V1,V2,V3が、こ
の順序で小さく設定され、したがって第1、第2および
第3案内ローラの間でマルチフィラメント糸に作用する
張力が順次的に変化していることである。これによって
マルチフィラメント糸の各フィラメントの繊維軸に垂直
な方向に隣接するように変位して開繊し、各フィラメン
トが上下に重なることはなくなる。 さらに本発明に従えば、第1、第2および第3案内ロー
ラの各表面にはフッ素樹脂が被覆されており、フッ素樹
脂はたとえばポリテトラフルオロエチレンなどであって
もよく、テフロン(商品名)として商業的に入手容易で
ある。このような被覆層によって、マルチフィラメント
糸との摩擦係数を低減し、各フィラメントをその繊維軸
方向に円滑に開繊することができる。 さらに本発明に従えば、第1案内ローラよりも上流側に
静電気を除去する手段を設けてマルチフィラメント糸の
除電を行う。これによって第1、第2および第3の各案
内ローラにおいて複数の各フィラメントを、重なること
なく、均一に並べて開繊することができる。もしもマル
チフィラメント糸が静電気を帯びているとすれば、その
マルチフィラメント糸を構成する各フィラメントには静
電気による反撥力が作用するけれども、そのような静電
気は、マルチフィラメント糸の繊維軸に垂直方向に均一
ではなく、各フィラメント相互の間隔が、開繊後に不均
一になるおそれがある。本発明はこの問題を解決するた
めに、除電を行い、フィラメントを隣接し、または等間
隔をあけて、すなわち繊維軸に垂直方向の密度を均一に
して開繊させることが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の整
経装置1の側面図であり、図2はその整経装置1の平面
図である。クリール2からの複数(たとえば600)本
のマルチフィラメント糸3は、開繊装置4でその各マル
チフィラメント糸3の全体の横断面形状が偏平となるよ
うにフィラメントが並置され、その後、糊付け装置5で
糊付けされ、乾燥装置6でその糊が乾燥され、巻き取り
装置7でビーム8またはドラムに巻き取られる。
【0012】クリール2の近傍でマルチフィラメント糸
3の走行方向9の下流側には、マルチフィラメント糸3
の静電気を除去する除電手段10が設けられ、また開繊
装置4よりも走行方向9の上流側にはマルチフィラメン
ト糸3の静電気を除去する手段11が設けられ、さらに
乾燥装置6と巻き取り装置7との間にも同様に静電気を
除去する手段12が設けられる。これらの静電気を除去
する手段10,11,12は、空気をイオン化してマル
チフィラメント糸3を除電する。これによってマルチフ
ィラメント糸相互間およびその各マルチフィラメント糸
を構成する多数のフィラメント相互間の静電気による反
撥力および吸引力をなくし、開繊装置4における開繊動
作を正確に行うことができるようになるとともに、巻き
取り装置7におけるビーム8へのマルチフィラメント糸
3の巻き取り動作を正確に行うことが可能になる。
【0013】クリール2には水平軸線を有するボビン1
3が装着され、各ボビン13に巻かれたマルチフィラメ
ント糸3が引き出される。
【0014】図3は、クリール2におけるボビン13付
近の平面図である。ボビン13に巻かれたマルチフィラ
メント糸3は、参照符3aで示される。ボビン13は、
クリール2の本体に設けられたペッグ14に支持され、
ボビン13が回転可能に支持される。クリール2に固定
されている案内部材15の各案内孔16には、各マルチ
フィラメント糸3が挿通し、ボビン13から引き出され
るマルチフィラメント糸3に張力を与える張力付与手段
17を経て、静電気を除去する手段10に導かれる。案
内部材15の案内孔16は、ボビン13の鉛直な軸線1
8に垂直方向(図1および図3の左方)にずれて配置さ
れる。この案内孔16は、ボビン13の軸線18の方向
(図2および図3の上下方向)に沿ってそのボビン13
に巻かれたマルチフィラメント糸3aの層の範囲W1内
で、マルチフィラメント糸3が挿通して案内する。案内
孔16は、前記範囲W1の図3における上下方向の中央
位置に設けられる。図3の構成によって撚りを生じるこ
となく、マルチフィラメント糸3を円滑に引き出すよう
にされる。
【0015】図4は張力付与手段17の平面図であり、
図5はその側面図である。クリール2の本体には、直円
柱状の支持軸19が水平軸線を有して立設される。この
支持軸19には、同軸に、上下に一対のテンションワッ
シャ20,21が個別的に回転自在に挿通される。上の
テンションワッシャ20上には、重錘24が乗載され
る。重錘24を交換してその重量を変化することによっ
て、上下のテンションワッシャ20,21間を挿通する
各マルチフィラメント糸3に作用する重錘24などの重
力、したがって張力を調整することができる。テンショ
ンワッシャ20,21の外周部には、支持軸19に沿っ
て相互の離反方向に湾曲した外向き鍔22,23が形成
され、マルチフィラメント糸3の円滑な通過を可能にす
る。図3〜図5に示される構成によれば、ボビン13か
ら引き出されるマルチフィラメント糸3には撚りが全く
かからないという利点がある。
【0016】図6は、図3〜図5に示される構成に代わ
る本発明の実施の他の形態の側面図である。この実施の
形態では、ボビン13の軸線18に沿う方向に、案内部
材15が設けられ、張力付与手段17を介してマルチフ
ィラメント糸3が引き出される。マルチフィラメント糸
3は張力付与手段17の支持軸19を約90度巻き掛け
られて、静電気を除去する手段10に導かれる。ボビン
13は支持軸19に固定され、回転することはない。こ
の図6に示される構成では、ボビン13から引き出され
るマルチフィラメント糸3に撚りがわずかにかかるけれ
ども、実務上支障はなく、後続の開繊装置4におけるフ
ィラメントの開繊動作を正確に行うことができる。
【0017】図7は、開繊装置4の側面図である。この
開繊装置4において、案内ローラ93,94によって導
かれるマルチフィラメント糸3の走行方向9に、第1、
第2および第3の各案内ローラ25,26,27がこの
順序で配置される。これらの案内ローラ25,26,2
7は、水平な軸線方向(図1および図7の紙面に垂直方
向、図2の上下方向)に一様な外径を有し、すなわち直
円柱状または直円筒状であり、走行方向9に垂直な回転
軸線を有する。これらの各案内ローラ25,26,27
は、ステンレス鋼などの金属製ローラ本体の外周面に、
フッ素樹脂被覆層が形成されて構成され、これによって
その被覆層とマルチフィラメント糸3との摩擦係数を低
減し、マルチフィラメント糸3の円滑な走行を可能にす
る。フッ素樹脂は、たとえばポリテトラフルオロエチレ
ンなどであってもよく、テフロン(商品名)などであっ
てもよい。
【0018】案内ローラ25,26,27の回転軸線は
参照符29,30,31で示される。軸線30は、軸線
29,31を含む水平な一平面に関して一方側(図7の
下方)にずれて配置される。マルチフィラメント糸3
は、その上流側から下流側に、まず案内ローラ25の前
記一平面に関して他方側(図7の上方)で巻き掛けら
れ、次に、案内ローラ26の前記一平面に関して前記一
方側(図7の下方)でかつ前記一平面よりも遠去かった
図7の下方の外周面に巻き掛けられ、さらに、ローラ2
7に、前記一平面に関して前記他方側(図7の上方)で
巻き掛けられて導かれる。案内ローラ25,26の外径
は同一であり、案内ローラ27の外径を超える値に定め
られる。
【0019】各案内ローラ25,26,27には駆動手
段である直流モータ32,33,34がそれぞれ連結さ
れる。ローラ25,26,27の周速度をV1,V2,
V3とするとき、これらの直流モータ32,33,34
は、 V1>V2>V3 …(1) となるように、マルチフィラメント糸3の走行方向に順
方向に回転駆動される。
【0020】この開繊装置4の案内ローラ25よりも走
行方向9上流側には、クリール2において前述の張力付
与手段17が設けられる。開繊装置4の案内ローラ27
よりも走行方向9の下流側には、巻き取り装置7におい
て、複数のマルチフィラメント糸3の幅規制用おさ35
が設けられる。モータ32,33,34には、制御手段
36が接続され、これらの各モータ32,33,34の
速度を制御する。これによってローラ25,26間で
は、参照符3bで示されるマルチフィラメント糸の張力
がそれよりも上流側で低下し、さらにローラ26,27
間において参照符3cで示されるマルチフィラメント糸
の張力が低下し、これによって案内ローラ27の外周面
上では、そのマルチフィラメント糸3cを構成する各フ
ィラメントが上下に重なることなく1本ずつ隣接して、
または相互にわずかに間隔をあけて並置されて、開繊さ
れ、下流側の糊付け装置5に導かれる。
【0021】図8は、糊付け装置6の側方から見た縦断
面図である。液体の糊38は、サイズボックス39に貯
留され、供給管41から供給される糊38は、サイズボ
ックス39に形成されたオーバフロー孔40から溢流さ
れ、これによって糊38の液位が一定に保たれる。この
サイズボックス39には、糊付けローラ42,43がマ
ルチフィラメント糸3の走行方向9の上流側と下流側と
に間隔をあけて水平軸線を有して設けられる。これらの
糊付けローラ42,43は、それらの各軸線方向に一様
な外径を有する。ローラ42,43の下部は、糊38の
液位44よりも下方にあり、部分的に浸漬される。マル
チフィラメント糸3は、これらの糊付けローラ42,4
3の上部に接触して走行される。糊付けローラ42,4
3は直流モータ45,46によってその回転方向がマル
チフィラメント糸3と接触する上部でマルチフィラメン
ト糸3の走行方向9とはたとえば逆方向になるように周
速度V4,V5で回転駆動される。モータ45,46は
制御装置47によって制御される。
【0022】周速度V4,V5は、たとえばV4=V5
であり、マルチフィラメント糸3の繊度に応じて変化し
て設定され、さらにその回転方向もまた制御される。た
とえばマルチフィラメント糸3がたとえば1200デニ
ール以上、さらに1300デニール以上では、上述のよ
うに糊付けローラ42,43は、逆方向に回転駆動さ
れ、これによってマルチフィラメント糸3に糊38が確
実に付着される。これに対してマルチフィラメント糸3
の繊度が1200デニール未満では、たとえば600〜
1200デニールの範囲では、糊付けローラ42,43
の回転方向は、図8に示される矢符とは逆方向であり、
すなわちマルチフィラメント糸3と接触する上部におい
て走行方向9と順方向となるように回転駆動される。マ
ルチフィラメント糸3の繊度が大きくなるにつれて、そ
の順方向の周速度V4,V5を小さくして、さらには
零、または逆方向に大きくして、糊付けローラ42,4
3の周速度V4,V5とマルチフィラメント糸3の走行
速度V0との相対的な速度差を大きくして、糊38がマ
ルチフィラメント糸3に確実にかつ均一に付着させる。
糊付けローラ42の上流側および糊付けローラ43の下
流側には、マルチフィラメント糸3を案内するローラ5
0,51が設けられる。
【0023】図9は、乾燥装置6の側方から見た縦断面
図である。ハウジング54には、マルチフィラメント糸
3の入口52と出口43とが形成されて、マルチフィラ
メント糸3はこのハウジング54内を走行する。ハウジ
ング54内には、熱源55が設けられ、送風装置56に
よって空気が走行方向9の下流側から上流側に矢符57
で示されるように循環される。熱源55は、たとえば蒸
気が供給されて空気を間接熱交換する構成であってもよ
く、または電気ヒータが埋設されて赤外線放射体を加熱
する構成であってもよい。ハウジング54には、水平な
ピン99によって仮想線のように開閉可能な蓋58,5
9が形成され、乾燥時のマルチフィラメント糸3の切断
時などにおける保守点検を容易にし、さらに循環される
空気を部分的に大気放散して乾燥後の気体を排出する。
【0024】マルチフィラメント糸3に接触する空気の
温度は、たとえば40〜60℃であり、好ましくは40
〜50℃である。これによってそのマルチフィラメント
糸3が耐熱性の比較的低いポリエチレン繊維であって
も、糊の乾燥を行うことができる。乾燥装置6は、図9
に示される構成に限定されるものではなく、その他の構
成であってもよい。
【0025】再び図1を参照して、乾燥装置6で糊が乾
燥されたマルチフィラメント糸3は、静電気を除去する
手段12を経て巻き取り装置7でビーム8に巻き付けら
れる。このマルチフィラメント糸3は、ビーム8で張力
が付与され、ローラ58で案内され、そのローラ58の
下方にあるビーム8に巻き取られる。ビーム8は、直流
モータ59によって回転駆動される。クリール2には、
マルチフィラメント糸3が巻かれたボビン13が、たと
えば600本設けられ、これらの600本のマルチフィ
ラメント糸3が同時に、開繊装置4で開繊され、糊付
け、乾燥され、共通のビーム8に巻き取られる。
【0026】図10は、乾燥装置6によって乾燥されて
巻き取り装置7によってビーム8に巻き取られるマルチ
フィラメント糸3の簡略化した平面図である。各マルチ
フィラメント糸3は、前述のように195本のフィラメ
ントから成り、偏平な断面形状で糊付けされ、直円柱状
のビーム8にその軸線方向に隣接して間隔をあけて、参
照符3dで示されるようにして巻き取られる。
【0027】図11は、図1〜図10の構成によって得
られたビーム8に巻かれたマルチフィラメント糸3dお
よびそれと同様の構成を有するマルチフィラメント糸3
e〜3hをビーミング装置61によって、1つのワープ
ビーム62に合計3000(=600×5)本ビーム6
6の軸線方向に隣接して巻き取る装置を簡略化して示す
図である。ビーミング装置61において、前述のように
3000本の各マルチフィラメント糸3d〜3hは、ロ
ーラ63〜65によって案内され、ビーム66に各マル
チフィラメント糸が密に隣接して、後続の織機による製
織のために巻かれる。ビーム66は、直流モータによっ
て回転駆動され、そのドラム66に制動を加えて、マル
チフィラメント糸3d〜3h毎に適切な張力を与えて巻
き取る。
【0028】図12は、完成したワープビーム62の簡
略化した斜視図である。各マルチフィラメント糸3d〜
3hが軸線方向に密に隣接してドラム66に巻き取ら
れ、こうして製織準備工程が完了する。
【0029】ワープビーム62は、図13に示されるウ
ォータジェット織機68で耐弾織物に製織される。前述
の図1〜図11に示されるマルチフィラメント糸3は、
たて糸として用いられる。本件明細書中、参照符3は、
参照符3a〜3hを総括的に表し、これはまた、たて糸
として用いられるマルチフィラメント糸およびたて糸を
表すものとして用いる。
【0030】ウォータジェット織機68において、マル
チフィラメント糸であるよこ糸69は、ボビンに巻かれ
ており、無撚であり、開繊されることなくかつ糊付けさ
れていない。このよこ糸69は、ボビン60から測長ロ
ール70と押えローラ71とによって、よこ糸69の1
回分72の長さが決められてプーリングパイプ97内に
蓄えられ、適時に案内片73を経てウォータジェットノ
ズル74に入る。これとは別に、タンク75からの水
は、ジェットポンプ76からノズル74に入る。ノズル
74では、水とよこ糸69とが合流してその水の噴流に
よってよこ糸69が飛走して上下のたて糸3によって形
成された開口であるひ口(くち)によこ入れする。よこ
糸69は、織幅W2の両端部で切断手段91,92によ
って切断される。このような一連の動作が繰り返され
る。
【0031】図14は、プーリングパイプ97の一部分
とその基端部に連結される吹出しブロック98とを示す
断面図である。測長ロール70と押えローラ71とから
のよこ糸69は、ファン99から圧送される圧縮空気が
吹出しブロック98の空気室100に導かれ、そのよこ
糸69の一直線に沿う軸線に向けて下流側(図14の右
方)に傾斜されたノズル孔101から噴射される。この
ノズル孔101からの空気の噴射によって、よこ糸69
は、プーリングパイプ97内に引き込まれて貯留され
る。このプーリングパイプ97によこ糸69が引き込ま
れることによって、そのよこ糸69を構成する複数の各
フィラメントがばらばらになり、いわば開繊した状態と
なる。
【0032】図15は、プーリングパイプ97の軸線に
直角な断面図である。プーリングパイプ97の一側部に
は、そのプーリングパイプ97の軸線に沿って切欠き1
02が形成される。前述のノズル孔101からの圧縮空
気によってプーリングパイプ97内に引き込まれたよこ
糸69の1回分72は、切欠き102から取出されて、
前述の案内片73に導かれる。プーリングパイプ97内
で開繊したフィラメントは、後述のノズル74において
も開繊され、さらにたて糸によって各フィラメントが並
んで全体の形状が偏平となった横断面を有するマルチフ
ィラメント糸とされる。プーリングパイプ97の吹出し
ブロック98とは反対側の遊端部は、開放している。
【0033】図16は、ウォータジェットノズル74の
断面図である。よこ糸69は、部屋77内に通され、こ
こにはポンプ76から高圧力の水が供給され、ノズル孔
78からよこ糸69と水とがいっしょに参照符79で示
されるように噴射される。ノズル孔78の形状は、水が
集束して飛びやすいように構成され、その噴流の速度
は、水が水柱のままに保たれ、水が霧化しないように定
められる。この水の噴射は、よこ糸69の飛走の状態で
全長にわたって行い、または飛走の途中で終わらせ、そ
の後は、水の慣性と粘性とでよこ糸69の飛走を続けさ
せる。したがって噴流とよこ糸のずれが生じても、後方
からの突き上げが生じることはなく、よこ糸69の蛇行
を防ぐことができる。
【0034】本発明では、この水を用いて、よこ糸69
を飛走させるので、繊維の配列度が良好のままで、その
よこ糸69の飛走中に、よこ糸69が開繊した状態とな
り、フィラメント相互の間隔がわずかにあけられた状態
に保たれる。このように水の噴流の流量、速度、圧力、
噴射時間などが調整され、ポンプ76およびそれを駆動
するカムなどの駆動手段80が構成される。
【0035】図17は、ウォータジェット織機68の一
部を示す簡略化した斜視図である。織機68にワープビ
ーム62として仕掛けられたたて糸3は、ヘルド81に
よって上下に分けられ、よこ糸69を通すひ口82を作
る開口運動が行われ、このひ口82に、前述の図13に
関連して述べたウォータジェットによるよこ糸69がよ
こ入れされ、その後、おさ83が図17の右方に前進し
てよこ糸69を織り前に打ち寄せておさ打ち運動をす
る。
【0036】本件発明者の実験によれば、ウォータジェ
ット織機68において、ノズル74からのよこ糸は、4
30回/分の高速度でのよこ入れ運動による製織が可能
であることが確認された。
【0037】本発明では、ウォータジェット織機に代え
て、エアージェット織機、グリッパシャトル織機および
レピア織機などのシャトルレス織機が用いられてもよ
い。
【0038】図18は、前述の本発明の実施の形態によ
って製織された織物85の拡大した平面図である。たて
糸3とよこ糸69とは、平織されており、たて糸3およ
びよこ糸69は、開繊された状態となっている。この織
物を、糊抜きする。糊抜き剤を用いて、糊抜き作業を行
う。さらに織物の清浄化のために精練する。なお糊抜き
および精練は、行われなくてもよい。
【0039】たて糸として用いられる生糸(なまいと)
であるマルチフィラメント糸3は、たとえばポリエチレ
ン繊維から成り、引張り強度30g/d以上、引張り初
期弾性率900g/d以上であることが好ましい。その
マルチフィラメント糸を構成する前述のようにたとえば
195本の各フィラメントは、10デニール未満であ
る。これによって得られる単一本のマルチフィラメント
糸は、たとえば50〜1600デニールであり、たとえ
ば200デニールである。よこ糸69は、たて糸3と同
一材料から成ってもよい。前述のポリエチレン繊維は、
1本の分子の強さである理論強度372g/dであり、
1本の分子の長さである分子鎖長が長く、原料の分子量
は約400万または約500万であり、溶解と超延伸を
行って分子鎖の方向が揃っており、繊維軸の方向に大き
な強度を発揮し、耐摩耗性、耐疲労性、耐衝撃性および
耐光性にも優れている。
【0040】たて糸3およびよこ糸69として用いるポ
リエチレン繊維は、上述のように機械的性質が優れてい
るけれども、その軟化・溶融点がたとえば約80℃であ
って低い。このような問題は、たて糸3および横糸69
のいずれか一方としてポリエチレン繊維を用い、他方の
材料として熱的性質が優れた材料、たとえばケプラとし
て知られているアラミド繊維などを用いることによって
克服することができる。アラミド繊維は、その軟化・溶
融温度が約320℃〜570℃以上であって高く、また
機械的性質は、ポリエチレン繊維に比べて一般的にやや
劣るけれども、実用上、遜色はない。アラミド繊維から
成るマルチフィラメント糸は、引張り強度20g/d以
上であり、500g/d以上である。
【0041】本発明の実施の他の形態では、複数本のた
て糸3のうちの一部分の本数をポリエチレン繊維とし、
残余の本数をアラミド繊維とし、また同様によこ糸69
に関してもポリエチレン繊維とアラミド繊維との各マル
チフィラメント糸を混在して織物を製織してもよい。た
とえばたて糸は、ポリエチレン繊維から成る195本の
フィラメントを有する200デニールのマルチフィラメ
ント糸と、アラミド繊維から成る195本のフィラメン
トを有する200デニールのマルチフィラメント糸とを
1本ずつ交互に用い、よこ糸もたて糸と同様にポリエチ
レン繊維から成る195本のフィラメントを有する20
0デニールのマルチフィラメント糸と、アラミド繊維か
ら成る195本のフィラメントを有する200デニール
のマルチフィラメント糸とを1本ずつ交互に用いて平織
した構成としてもよい。
【0042】図19は、本発明の実施のさらに他の形態
の単一本のマルチフィラメント糸3の拡大平面図であ
る。このマルチフィラメント糸3は、混繊糸であって、
参照符86で示すフィラメントは、たとえばポリエチレ
ン繊維であり、参照符87で示すフィラメントはたとえ
ばアラミド繊維であってもよい。フィラメント86,8
7は、さらにそのほかの種類の化学繊維であってもよ
く、さらに3以上の種類の化学繊維から成るフィラメン
トの混繊糸によって1つのマルチフィラメント糸3が構
成されていてもよい。このマルチフィラメント糸3は、
たて糸として用いることができるけれども、さらによこ
糸として用いることもまた可能であり、たて糸3とよこ
糸69のいずれか一方または両者を混繊糸としてもよ
い。本件発明者の実験によれば、図18および図19に
示される各織物は、優れた耐弾性能を有するとともに、
機械的性質および熱的性質がいずれも優れていることが
確認された。
【0043】マルチフィラメント糸の材料としては、ポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(Poly(p・ph
enylene・2,6-benzobisoxazole))を液晶紡糸した繊維で
あってもよく、このようなマルチフィラメント糸がたて
糸およびよこ糸として用いられ、またはたて糸もしくは
よこ糸として用いられてもよく、その軟化溶融点は、約
600℃以上であって耐熱性、難燃性に優れているとと
もに、機械的性質が優れており、きわめてしなやかであ
り、柔らかい風合いを有している。このような材料から
成るマルチフィラメント糸が、前述のポリエチレン繊維
とともに、またはアラミド繊維とともに、前述のように
組合わされて用いられてもよい。
【0044】このようにして本発明では、複数種類の材
料から成る各マルチフィラメント糸の欠点を補完し合っ
て機械的および熱的性質が向上された織物が実現され
る。
【0045】本発明は、次の実施の各形態が可能であ
る。 (1)全体の断面形状が偏平になるようにフィラメント
を並べて開繊した無撚のマルチフィラメント糸を、たて
糸およびよこ糸として用い、かつフィラメントの繊維軸
をほぼ直線状に保ったままで製織し、たて糸およびよこ
糸のいずれか一方は、他方に比べて、機械的性質が優
れ、前記他方は前記一方に比べて熱的性質が優れている
ことを特徴とする織物である。 本発明に従えば、マルチフィラメント糸の全体の横断面
形状が偏平となるように、そのマルチフィラメント糸を
構成する複数のフィラメント糸を並べて開繊し、このマ
ルチフィラメント糸は撚りがかかっておらず、すなわち
無撚であり、加工が施されていない。したがって本発明
において用いられるマルチフィラメント糸は、繊維の配
列度がよく、密度が高く、したがって耐弾性能を向上す
るための機械的性質が良好であり、たとえば引張強度お
よび引張初期弾性率が充分大きな値を有する。しかもこ
のマルチフィラメント糸は無撚であって、交絡などの加
工が施されておらず、捲縮が生じていない。したがって
織物に銃から発射された弾が衝突した際に生じる衝撃波
がフィラメントを円滑に伝播し、弾丸の運動エネルギが
織物に広範囲に分散され、弾丸の運動エネルギがフィラ
メントの破断に効率よく変換されて消費される。 本発明に従えば、フィラメントの繊維軸は、ほぼ直線状
に保たれており、前述のように撚りおよび捲縮などは存
在しないので、上述のように耐弾性能が向上されること
になる。 さらに本発明に従えば、横断面がたとえばほぼ円形であ
るマルチフィラメント糸に比べて、たて糸およびよこ糸
の交錯位置における隙間を小さくすることができ、この
ことによってもまた耐弾性能を向上することができる。 さらに本発明に従えば、製織後、マルチフィラメント糸
がほどけにくく、もとの形状を保ち、したがって人体に
装着した状態で使用しても、耐弾性能が低下してしまう
おそれはない。 本発明に従えば、たて糸およびよこ糸の一方は機械的性
質が優れており、他方は熱的性質が優れているので、弾
丸の有している運動エネルギを、瞬時に広範囲に伝播分
散させ、身体などに損傷を与えない他のエネルギに変換
させることができるとともに、その熱的性質が優れた前
記他方のたて糸またはよこ糸によって高温度の条件下で
あっても、耐弾性能の維持が可能になる。機械的性質が
優れているというのは、引張強度および引張初期弾性率
が大きいことを意味し、さらにヤング率が大きいことを
意味する。また熱的性質が優れているというのは、軟化
点および溶融点が高いことを意味し、さらに熱分解温度
が高く、このように耐熱性が優れていることを意味し、
さらに熱疲労性が優れていることを意味する。さらに難
燃性に優れていることを意味する。
【0046】(2)前記一方は、ポリエチレン繊維であ
り、前記他方は、アラミド繊維であることを特徴とす
る。 本発明に従えば、ポリエチレン繊維を用いることによっ
て、織物の機械的性質が向上され、引張強度および引張
初期弾性率が大きくなる。さらにアラミド繊維を用いる
ことによって、耐熱性が向上され、軟化点および溶融点
が低いポリエチレン繊維の欠点が補われる。またポリエ
チレン繊維は、アラミド繊維よりも機械的性質が優れて
おり、このアラミド繊維の機械的性質を補う。ポリエチ
レン繊維は、約80℃で軟化・溶融するのに対してアラ
ミド繊維は、320〜570℃の融点を有し、耐熱性に
優れている。
【0047】(3)前記ポリエチレン繊維は、引張強度
30g/d以上、引張初期弾性率900g/d以上であ
ることを特徴とする。 本発明に従えば、ポリエチレン繊維は、引張強度30g
/d以上とし、引張初期弾性率を900g/d以上とす
ることによって、耐弾性能の確保が可能となり、銃の至
近距離から発射された運動エネルギを、身体に損傷を与
えることのない他のエネルギに変換することが可能であ
ることが確認された。引張強度は好ましくは約40g/
d以上、引張初期弾性率は好ましくは1.0g/d以上
である。
【0048】(4)マルチフィラメント糸は、50〜1
600デニールであり、そのマルチフィラメント糸を構
成する複数の各フィラメント糸は、10デニール未満で
あることを特徴とする。 本発明に従えば、1〜10デニール、好ましくは2〜9
デニールのフィラメントから成るマルチフィラメント糸
を、50〜1600デニール、好ましくは200〜10
00デニールとなるようにし、その繊維の配列度を良好
にし、高い密度で製織した織物を得ることによって、マ
ルチフィラメント糸の機械的性質を充分に発揮したたと
えば耐弾性能に優れた織物を実現することができる。
【0049】(5)全体の断面形状が偏平になるように
フィラメントを並べて開繊した無撚のマルチフィラメン
ト糸を、たて糸およびよこ糸として用い、かつフィラメ
ントの繊維軸をほぼ直線状に保ったままで製織し、たて
糸およびよこ糸の少なくともいずれか一方は、機械的お
よび熱的性質が異なる混繊糸であることを特徴とする織
物である。 本発明によれば、たて糸およびよこ糸の一方または両者
は、混繊糸であり、すなわちマルチフィラメント糸を構
成する複数の各フィラメントは、たとえばポリエチレン
繊維およびアラミド繊維から成り、これらの2種類のフ
ィラメントを1本ずつばらばらに混ぜ合わせて単一本の
マルチフィラメント糸を構成し、フィラメントは2種以
上であってもよい。 さらに本発明に従えば、交織織物であってもよく、すな
わちたて糸がポリエチレン繊維およびアラミド繊維から
成り、またよこ糸もポリエチレン繊維とアラミド繊維と
から成ってもよく、あるいはたて糸のみがポリエチレン
繊維またはアラミド繊維のいずれか一方であり、よこ糸
はポリエチレン繊維およびアラミド繊維のいずれか他方
である前述の構成であってもよい。 本発明は、耐弾織物として用いることができるだけでな
く、たとえば飛行船などのように強度と耐熱性とが要求
される用途および楽器、さらにはそのほかの用途に広範
囲に実施することができる。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【発明の効果】請求項1の製織方法によれば、たて糸は
開繊した状態で糊付けしたマルチフィラメント糸を乾燥
してウォータジェット織機に仕掛け、よこ糸は、そのよ
うな開繊も糊付けもすることなく、水の噴流によって飛
走してよこ入れするようにしたので、よこ糸は水によっ
て適切に開繊させることが容易である。
【0056】請求項2の本発明によれば、糊としてポリ
ビニルアルコールまたはアクリル系糊材を用い、これに
よってマルチフィラメント糸の開繊した状態を保持し、
しかも乾燥が容易である。
【0057】請求項3の本発明によれば、このような糊
を用いて糊抜きをすることによって、耐弾性能に影響を
及ぼさない糊を除去し、軽量化することができ、このこ
とは特に製織された織物を、たとえば防弾チョッキなど
の材料として用いるとき、重要なことである。
【0058】請求項4の本発明によれば、ウォータジェ
ット織機において、よこ糸を開繊するために水の噴流を
調整し、すなわちその水の流量および速度などを調整す
ることによって、よこ糸の飛走中にたて糸の繊維軸方向
によこ糸のフィラメントが並んで開繊させることが自動
的に可能である。これによって構成の大幅な簡略化が可
能となる。
【0059】請求項5および6の整経装置によれば、張
力付与手段と巻き取り手段との間で張力が付与されたマ
ルチフィラメント糸を、開繊装置によって開繊し、その
後、糊付け装置によって糊付けすることができ、さらに
その糊付け後に乾燥装置によって乾燥し、こうして自動
的に開繊した形状を保ったたて糸を整経することが可能
になる。
【0060】請求項7の本発明によれば、案内部材をボ
ビンの軸線に垂直方向にずらして配置し、そのボビンの
軸線方向に設ける構成ではないので、ボビンから引き出
すマルチフィラメント糸に撚りがかかることが防がれ、
これによって確実な開繊が可能になる。
【0061】請求項8の開繊装置によれば、第1、第2
および第3の各案内ローラ間におけるマルチフィラメン
ト糸の張力の変化によって、各フィラメント相互間の間
隔を均一にしてフィラメントを並置して開繊させること
が可能になる。
【0062】請求項9の本発明によれば、フッ素樹脂な
どの合成樹脂被覆層によってフィラメントとの摩擦係数
を低減して、均一な開繊がさらに可能になる。
【0063】請求項10の本発明によれば、フィラメン
ト糸を除電することによって、均一な開繊が可能にな
り、不均一な静電気の反撥力によって各フィラメント相
互間の間隔にばらつきが生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の整経装置1の側面図で
ある。
【図2】整経装置1の平面図である。
【図3】クリール2におけるボビン13付近の平面図で
ある。
【図4】張力付与手段17の平面図である。
【図5】張力付与手段17の側面図である。
【図6】図3〜図5に示される構成に代わる本発明の実
施の他の形態の側面図である。
【図7】開繊装置4の側面図である。
【図8】糊付け装置6の側方から見た縦断面図である。
【図9】乾燥装置6の側方から見た縦断面図である。
【図10】乾燥装置6によって乾燥されて巻き取り装置
7によって巻き取られるマルチフィラメント糸3の簡略
化した平面図である。
【図11】図1〜図10の構成によって得られたビーム
8に巻かれたマルチフィラメント糸3dおよびそれと同
様の構成を有するマルチフィラメント糸3e〜3hの対
応する糸毎に連続的に結んでビーミング装置61によっ
てワープビーム62に巻き返す装置を簡略化して示す図
である。
【図12】ワープビーム62の簡略化した斜視図であ
る。
【図13】ウォータジェット織機68の簡略化した一部
の斜視図である。
【図14】プーリングパイプ97の一部分とそのプーリ
ングパイプ97の基端部に連結される吹出しブロック9
8の構成を簡略化して示す断面図である。
【図15】プーリングパイプ97の軸線に直角な断面図
である。
【図16】ウォータジェットノズル74の断面図であ
る。
【図17】ウォータジェット織機68の一部を示す簡略
化した斜視図である。
【図18】前述の本発明の実施の形態によって製織され
た織物85の拡大した平面図である。
【図19】本発明の実施のさらに他の形態のマルチフィ
ラメント糸3の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 整経装置 2 クリール 3 マルチフィラメント糸 4 開繊装置 5 糊付け装置 6 乾燥装置 7 巻き取り装置 8 ビーム 10,11,12 除電手段 13 ボビン 15 案内部材 16 案内孔 17 張力付与手段 19 支持軸 20,21 テンションワッシャ 35 張力付与手段 38 糊 39 サイズボックス 42,43 糊付けローラ 50,51 ローラ 54 ハウジング 55 熱源 56 送風装置 61 ビーミング装置 62 ワープビーム 68 ウォータジェット織機 69 よこ糸 70 測長ロール 71 押えローラ 73 案内片 74 ウォータジェットノズル 75 タンク 76 ジェットポンプ 78 ノズル孔 80 駆動手段 81 ヘルド 82 ひ口 83 おさ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D03D 7/00 D03D 7/00 15/00 15/00 B D06B 1/14 D06B 1/14 (56)参考文献 特開 昭64−52865(JP,A) 特開 平8−337960(JP,A) 特開 昭62−276053(JP,A) 特開 昭63−196726(JP,A) 特開 平6−184878(JP,A) 特開 平8−504503(JP,A) 特開 平6−136632(JP,A) 実公 昭59−28838(JP,Y1) 米国特許4737401(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 23/00 B65H 51/005 D03D 1/00 D03D 15/00 D06B 1/00 - 1/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォータジェット織機を用い、 たて糸は、 マルチフィラメント糸を開繊し、 その開繊したマルチフィラメント糸を、糊付けし、その
    後、乾燥してウォータジェット織機に仕掛け、 よこ糸は、マルチフィラメント糸を開繊することなくか
    つ糊付けすることなく、ウォータジェット織機で水の噴
    流によって飛走してよこ入れすることを特徴とする耐弾
    織物の製織方法。
  2. 【請求項2】 開織したマルチフィラメント系の糊付け
    は、ポリビニルアルコールまたはアクリル系糊材を含む
    糊を用いることを特徴とする請求項1記載の耐弾織物の
    製織方法。
  3. 【請求項3】 製織後に、たて糸の糊抜きをすることを
    特徴とする請求項1または2記載の耐弾織物の製織方
    法。
  4. 【請求項4】 水の噴流を調整して、よこ糸の飛走中
    に、よこ糸が開繊した状態とすることを特徴とする請求
    項1記載の耐弾織物の製織方法。
  5. 【請求項5】 (a)無撚のマルチフィラメント糸を巻
    いた複数の各ボビンを支持するクリールと、 (b)ボビンから引き出されるマルチフィラメント糸に
    張力を与える張力付与手段と、 (c)張力付与手段からのマルチフィラメント糸の全体
    の横断面が偏平になるようにフィラメントを並べる開繊
    装置と、 (d)開繊装置の下流側に配置され、開繊装置からのマ
    ルチフィラメント糸に糊付けをする糊付け装置と、 (e)糊付け装置の下流側に配置され、マルチフィラメ
    ント糸に付着した糊を乾燥する乾燥装置と、 (f)乾燥装置によって乾燥されたマルチフィラメント
    糸に張力を与えつつ巻き取る巻き取り手段とを含むこと
    を特徴とする整経装置。
  6. 【請求項6】 (a)マルチフィラメント糸を巻いた複
    数の各ボビンを支持するクリールと、 (b)ボビンから引き出されるマルチフィラメント糸に
    張力を与える張力付与手段と、 (c)開繊装置であって、 張力付与手段からのマルチフィラメント糸の走行方向
    に、第1、第2および第3の各案内ローラが配置され、 第1、第2および第3の各案内ローラは、軸線方向に一
    様な外径を有し、前記走行方向に垂直な回転軸線を有
    し、 第2案内ローラの軸線は、第1および第3案内ローラの
    軸線を含む一平面に関して一方側にずれて配置され、 マルチフィラメント糸は、第1案内ローラに、前記一平
    面に関して他方側で巻き掛けられ、 第3案内ローラの前記一平面に関して前記一方側でかつ
    前記一平面よりも遠去かった外周面に巻き掛けられ、さ
    らに、 第3案内ローラに、前記一平面に関して前記他方側で巻
    き掛けられ、 第1、第2および第3案内ローラの周速度V1,V2,
    V3を、 V1>V2>V3 となるように、第1、第2および第3案内ローラをそれ
    ぞれ駆動する駆動手段が設けられる開繊装置と、 (d)開繊装置の下流側に配置される糊付け装置であっ
    て、 糊が貯留されるサイズボックスと、 下部が糊に部分的に浸漬され、水平な回転軸線を有する
    糊付けローラとを有し、 開繊装置からのマルチフィラメント糸が糊付けローラの
    上部に接触して走行される糊付け装置と、 (e)糊付け装置の下流側に配置され、マルチフィラメ
    ント糸に付着した糊を乾燥する乾燥装置と、 (f)乾燥装置によって乾燥されたマルチフィラメント
    糸に張力を与えつつ巻き取る巻き取り手段とを含むこと
    を特徴とする整経装置。
  7. 【請求項7】 クリールに支持されるボビンの軸線に垂
    直方向にずれて、かつボビンの軸線方向に沿ってボビン
    に巻かれたマルチフィラメントの糸の層の範囲内に、 ボビンからのマルチフィラメント糸を案内する案内部材
    が設けられることを特徴とする請求項5または6記載の
    整経装置。
  8. 【請求項8】 マルチフィラメント糸の走行方向に、第
    1、第2および第3の各案内ローラが配置され、 第1、第2および第3の各案内ローラは、軸線方向に一
    様な外径を有し、前記走行方向に垂直な回転軸線を有
    し、 第2案内ローラの軸線は、第1および第3案内ローラの
    軸線を含む一平面に関して一方側にずれて配置され、 マルチフィラメント糸は、第1案内ローラに、前記一平
    面に関して他方側で巻き掛けられ、 第3案内ローラの前記一平面に関して前記一方側でかつ
    前記一平面よりも遠去かった外周面に巻き掛けられ、さ
    らに、 第3案内ローラに、前記一平面に関して前記他方側で巻
    き掛けられ、 第1、第2および第3案内ローラの周速度V1,V2,
    V3を、 V1>V2>V3 となるように、第1、第2および第3案内ローラをそれ
    ぞれ駆動する駆動手段が設けられ、 第1案内ローラよりも前記走行方向上流側と、第3案内
    ローラよりも前記走行方向下流側とに、フィラメント糸
    に張力を付与する張力付与手段が設けられることを特徴
    とする開繊装置。
  9. 【請求項9】 第1、第2および第3案内ローラは、フ
    ッ素樹脂被覆層を有することを特徴とする請求項8記載
    の開繊装置。
  10. 【請求項10】 第1案内ローラよりもマルチフィラメ
    ント糸の走行方向上流側に、そのマルチフィラメント糸
    の静電気を除去する手段が設けられることを特徴とする
    請求項8または9記載の開繊装置。
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