JP2004137258A - 1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトール及びこれを用いた液晶化合物の製造方法 - Google Patents

1,7,8−トリフルオロ−2−ナフトール及びこれを用いた液晶化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 トリフルオロナフタレン系液晶材料の効率的な製造中間体である1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールおよびその誘導体を提供し、これを用いたトリフルオロナフタレン系液晶材料の効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】 一般式(I)
【化1】
Figure 2004137258

で表されるナフトール誘導体を提供し、これを原料として一般式(IV)、一般式(VI)及び一般式(VIII)
【化2】
Figure 2004137258

で表されるトリフルオロナフタレン化合物の製造方法を提供する。本願発明の製造方法により従来困難であったトリフルオロナフタレン骨格を有する液晶化合物が効率的に製造することが可能となった。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、液晶表示材料として有用なトリフルオロナフタレン化合物の製造方法及び、その製造中間体に関する。
 液晶表示素子としては、ねじれ構造を有するTN方式やSTN方式が主に使用されてきた。これらの方式に大きな役割をもつ正の誘電率異方性を有する多くの液晶化合物及び液晶組成物が開発されてきた。一方、上記のねじれ構造を有する表示方式の欠点の一つである視野角の狭さを改善する事を目的として、(1)液晶分子を垂直配向させる方法(VA方式;Vertical Alignment方式、特許文献1参照)や、(2)基板とほぼ平行する電界を印加して液晶分子を基板と平行な面内で回転させる方式(IPS方式;In-Plane Switching方式、特許文献2参照)などの表示方式が提案されている。これらの方式には、上記のねじれ構造を有する表示方式の必須化合物とされた正の誘電率異方性を有する液晶化合物及び液晶組成物に代わり、誘電率が負の液晶化合物及び液晶組成物が重要な役割を占めることとなり、誘電率異方性が負の液晶化合物及び液晶組成物の提案が行われてきた(特許文献3参照)。
 以上の目的のために、1,7,8-トリフルオロナフタレン-2,6-ジイル基を有する液晶化合物の開発が行われ、幾つかの化合物が開示されている(特許文献4および5参照)。
 しかしながら、当該化合物の開示された製造方法は必ずしも効率的ではなかった。特許文献4において、トリフルオロナフタレン誘導体は、以下に示す化合物
Figure 2004137258
(式中、Rはアルキル基等を表す。)を製造中間体として製造されている。
 一方、液晶組成物の組成設計に置いては化合物の析出を避けるために、液晶化合物骨格は同一で側鎖の異なるホモローグと呼ばれる化合物を幾つか使用することが多いことから、少量多品種生産を余儀なくされている。効率的な生産には、一度に生産する数量を増やすことが好ましい。そのためには、共通骨格の化合物を製造し、製造の最終段階で異なる部分を導入することが有利である。この中間体を用いた方法ではRが異なるのみである以下の二種のホモローグ
Figure 2004137258
を製造する場合にはトリフルオロナフタレン骨格を始めから製造し直さなくてはならないため、多数の中間体を必要とするため効率が悪かった。さらに、比較的収率の悪いトリフルオロナフタレン骨格の製造を、製造の最終段階で行うことから、コストの高い中間体の損失が大きくさらに効率を悪化させていた。
 また、特許文献5においては次のような経路でトリフルオロナフタレン誘導体を製造している。
Figure 2004137258
(Rはアルキル基等を表す。)
 この製造方法では、前述のホモローグ製造の際に、中間体を多数用意する必要がある上に、Rは酸素原子を介してナフタレン骨格と結合することはできず、本願発明の目的とする液晶化合物を製造することはできない。
 以上より、トリフルオロナフタレン骨格を先に形成し、後からそれ以外の骨格の導入が可能なトリフルオロナフタレン誘導体の開発及びこの中間体を用いた効率的なトリフルオロナフタレン誘導体の製造方法の開発が望まれていた。
特開平2−176625号公報 特開平5−505247号公報 特開平2−4725号公報 特開2001−31597号公報 独国特許出願公開第19522195号
 本発明の課題は、トリフルオロナフタレン系液晶材料の効率的な製造中間体である1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールおよびその誘導体を提供し、これを用いたトリフルオロナフタレン系液晶材料の効率的な製造方法を提供することにある。
 本件発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールおよびその誘導体を中間体として用いる製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
 すなわち本発明は、一般式(I)
Figure 2004137258
(式中、Xは水素原子、CF3SO2-または炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)で表される化合物を提供する。
 また、式(Ia)
Figure 2004137258
で表される化合物に、一般式(II)
Figure 2004137258
(式中、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物を触媒存在下に反応させることによる一般式(III)
Figure 2004137258
(式中、R1、Y、Aおよびnは一般式(II)におけるR1、Y、Aおよびnと同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法及び一般式(III)で表される化合物を提供する。
 さらに、式(Ia)
Figure 2004137258
で表される化合物に、一般式(II)
Figure 2004137258
(式中、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物を触媒存在下に反応させることにより一般式(III)
Figure 2004137258
(式中、R1、Y、Aおよびnは一般式(II)におけるR1、Y、Aおよびnと同じ意味を表す。)で表される化合物を得た後、これをアルキル化またはアルコキシル化することを特徴とする一般式(IV)
Figure 2004137258
(式中、R1、Y、Aおよびnは一般式(II)におけるR1、Y、Aおよびnと同じ意味を表し、R2は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基またはアルコキシル基を表す。)で表される化合物の製造方法を提供する。
 さらに、一般式(Ib)
Figure 2004137258
(式中、Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)で表される化合物の6位をリチオ化し、トリメトキシボランを作用させ、得られたボロン酸に、一般式(V)
Figure 2004137258
(式中、Zはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表し、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物を触媒存在下に反応させることを特徴とする、一般式(VI)
Figure 2004137258
(式中、XおよびR1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物の製造方法を提供する。
 さらに、一般式(Ib)
Figure 2004137258
(式中、Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)で表される化合物の6位をリチオ化し、一般式(VII)
Figure 2004137258
(式中、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表されるシクロヘキシルアセトアルデヒド誘導体を反応させた後、脱水し生成する二重結合を水素添加することによる、一般式(VIII)
Figure 2004137258
(式中、XおよびR3は炭素数1〜10の飽和アルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物の製造方法を提供する。
 本発明の、1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトール誘導体及びそれを用いた液晶化合物の製造方法を提供することにより、従来困難であったトリフルオロナフタレン骨格を有する液晶化合物が効率的に製造することが可能となった。
 一般式(I)で表される化合物は、7,8-ジフルオロ-2-ナフトールをフッ素化することによりX=Hの化合物を得ることができ、さらにこれをトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させてX=CF3SO2-の化合物を得ることができる。また、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム等の塩基存在下、対応するハロゲン化アルキルを作用させることによって、Xが炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す化合物を得ることができる。
 フッ素化はN-フルオロピリジニウムトリフラート、N-フルオロピリジニウムテトラフルオロボラート、N-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムトリフラート、N-フルオロ-2,6-ジクロロピリジニウムテトラフルオロボラート、N-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムトリフラート、N-フルオロ-2,4,6-トリメチルピリジニウムテトラフルオロボラート、N,N'-ジフルオロ-2,2'-ビピリジニウムビス(テトラフルオロボラート)、N-フルオロ-4,6-ジメチルピリジニウム-2-スルホナト等のフルオロピリジニウム類、1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボラート)等のフルオロアンモニウム類、フッ素ガス、三フッ化臭素、五フッ化ヨウ素などの求電子フッ素化剤を用いることができる。その際、目的とする1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトール(一般式(I)X=H)以外に1,1,7,8-テトラフルオロ-1,2-ジヒドロナフタレン-2-オンが生成することがあるが、その場合、水素等の還元剤を用いて還元することによって容易に1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールに変換できる。
 ここで、原料となる7,8-ジフルオロ-2-ナフトールは下式に示すように、2,3-ジフルオロフェニル酢酸を酸塩化物にした後、塩化アルミニウム存在下、エチレンと反応させることによって製造できる7,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンに臭素等の酸化剤を作用させることによって製造できる。
Figure 2004137258
 また、一般式(I)(Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す)で表される化合物において、Xとしてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、2-メチルブチル基等の飽和アルキル基、アリル基、クロチル基等の不飽和アルキル基があげられる。ここで、合成に用いるハロゲン化アルキルとしてはヨウ化メチル、ヨウ化ブチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシル、ヨウ化ヘプチル、ヨウ化オクチル、ヨウ化ノニル、ヨウ化デシル、ヨウ化2-メチルブチル、臭化メチル、臭化ブチル、臭化プロピル、臭化ブチル、臭化ペンチル、臭化ヘキシル、臭化ヘプチル、臭化オクチル、臭化ノニル、臭化デシル、臭化2-メチルブチル、塩化メチル、塩化ブチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化ペンチル、塩化ヘキシル、塩化ヘプチル、塩化オクチル、塩化ノニル、塩化デシル、塩化2-メチルブチル、臭化アリル、臭化クロチル、塩化アリル、塩化クロチル等があげられる。
 一般式(IV)で表される化合物の製造において、一般式(I)(X=CF3SO2-)のトリフラートと、一般式(II)のボロン酸を反応させ、一般式(III)で表される化合物を得るタイプの反応は、鈴木カップリングと呼ばれている。
 本反応には反応溶媒として水と有機溶媒との混合系(2相系)を用いることができる。その有機溶媒としては。反応溶媒としては、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等のベンゼン類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類などを単一または混合して用いることができるが、テトラヒドロフラン、トルエンまたはキシレンが好ましい。
 本反応は有機溶媒または水どちらかの常圧における沸点または共沸温度以上の温度で行うことができる。たとえば、水-THF2相系では80〜200℃が好ましく、90〜130℃が特に好ましい。
 本反応に用いる塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機塩基を用いることができるが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムが特に好ましい。
 本反応に用いる触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ〔ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕パラジウム、ジクロロ〔ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕パラジウム、ジクロロ〔ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン〕パラジウム、ジクロロ〔ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕パラジウム等のパラジウム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ〔ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕ニッケル、ジクロロ〔ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕ニッケル、ジクロロ〔ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン〕ニッケル、ジクロロ〔ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕ニッケル等のニッケル錯体を上げることができるが、パラジウム錯体が好ましい。
 さらにこの反応においては、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン又はキシレン及び水の2相系溶媒を用い、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム存在下、パラジウム触媒を用いて加熱還流する方法が特に好ましい。
 一般式(III)のアルキル化による一般式(IV)(R2がアルキル基の場合)で表されるフェニルナフタレン化合物の製造においてアルキル化は以下のように実施することができる。
 一般式(III)のナフタレン環の6位を選択的にリチオ化し、これにヨウ化アルキルを反応させるか、又はハロゲン化アリルを反応させることにより一般式(IV)で表されるフェニルナフタレン化合物を製造する。
 この反応において、リチオ化はブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等のアルキルリチウムまたはリチウムジイソプロポキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のリチウムアミドを用いることが好ましい。
 反応は有機溶媒中で行うことが好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン等の非水系の極性溶媒、ベンゼン、トルエン又はキシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系の溶媒が好ましい。
 ヨウ化アルキルの具体例としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル等が挙げられる。ハロゲン化アリルとしては塩化アリル、臭化アリル、塩化クロチル、臭化クロチル等を挙げることができる。
 一般式(III)のアルコキシル化による一般式(IV)(R2がアルコキシル基の場合)で表されるフェニルナフタレン化合物の製造においてアルコキシル化は以下のように実施することができる。
 一般式(III)のナフタレン環の6位を選択的にリチオ化し、トリメチルボランと反応させさらに過酸化水素を作用させることによって6位に水酸基を導入したナフトールを製造することができる。これに、ハロゲン化アルキル又はハロゲン化アリルを反応させることにより一般式(IV)で表されるフェニルナフタレン化合物を製造することができる。
 この反応において、リチオ化はブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等のアルキルリチウムまたはリチウムジイソプロポキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のリチウムアミドを用いることが好ましい。
 反応は有機溶媒中で行うことが好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン等の非水系の極性溶媒、ベンゼン、トルエン又はキシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系の溶媒が好ましい。
 ハロゲン化アルキルの具体例としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル等、ハロゲン化アリルの具体例としては、塩化アリル、臭化アリル、塩化クロチル、臭化クロチル等を挙げることができる。
 一般式(II)で表されるボロン酸は液晶製造中間体としてよく用いられているものであり、たとえば、一般式(Va)
Figure 2004137258
(式中、R1、Y、Aおよびnは一般式(II)におけるR1、Y、Aおよびnと同じ意味を表す。)で表されるフェニルブロミドにマグネシウムを反応させグリニャール反応剤として後、トリメトキシボランと反応させることによって容易に製造できる。
 一般式(VI)で表される化合物の製造において、一般式(I)(Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)の化合物6位を選択的にリチオ化した後、トリメトキシボランと反応させることによって容易に製造できるボロン酸に、一般式(V)で表される化合物を反応させる鈴木カップリングによって合成できる。
 鈴木カップリングについては上記の一般式(IV)で表される化合物の製造における反応条件をそのまま用いることができる。
 一般式(I)(Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)の化合物の6位の選択的リチオ化はブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等のアルキルリチウムまたはリチウムジイソプロポキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のリチウムアミドを用いることが好ましい。
 リチオ化反応は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン等の非水系の極性溶媒、ベンゼン、トルエン又はキシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系の溶媒を、単独または混合して行うことが好ましい。
 リチオ化反応温度は0℃以下、溶媒の凝固点までの範囲で行うことができるが、-20℃から-90℃の間が好ましく、-40℃から-78℃が特に好ましい。
 また、一般式(V)で表される化合物は液晶製造中間体としてよく用いられているものであり、その入手は容易である。
 一般式(VIII)で表される化合物の製造において、一般式(I)(Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)の化合物6位を選択的にリチオ化した後、一般式(VII)で表されるシクロヘキシルアセトアルデヒドを反応させることによって、一般式(IX)
Figure 2004137258
(式中、Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表されるアルコールを得、これを脱水することによって、一般式(X)
Figure 2004137258
(式中、X、R1、Y、Aおよびnは化合物(IX)に記載のX、R1、Y、Aおよびnと同じ意味を表す。)であらわされる化合物を得、さらにオレフィン部位を水素添加する製造方法をあげることができる。
 一般式(I)の化合物の6位の選択的リチオ化の条件は、一般式(VI)で表される化合物の製造方法のものと同様である。
 リチオ化後の一般式(VII)で表されるシクロヘキシルアセトアルデヒドとの反応は、リチオ化後そのままアルデヒドを同様な溶媒に溶解させ、加えればよい。その際の反応温度は室温から溶媒の凝固点までの範囲で行うことができるが、0℃から-60℃が好ましい。
 脱水反応は一般的によく知られている条件で問題はないが、たとえば、トルエン中、硫酸やp-トルエンスルホン酸などの酸触媒存在下、加熱還流する方法や、ピリジンなどの塩基存在化、塩化メシルや塩化トシルなどと反応させる方法が挙げられる。
 また、オレフィンの水素添加も、よく区知られているものであり、水素雰囲気下、または加圧下、パラジウム-炭素、ラネーニッケル等の触媒を用いることで簡単に行うことができる。
 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
 (実施例1)1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトール(一般式(I):X=水素原子)の製造
Figure 2004137258
 7,8-ジフルオロ-2-ナフトール(26 g)のアセトニトリル(240 ml)溶液に、N,N'-ジフルオロ-2,2'-ビピリジニウムビス(テトラフルオロボラート)(53 g)を加え、3.5時間加熱還流した。反応液を水にあけ、有機層を分取し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で2回洗浄し、濃縮し、残渣として1,1,7,8-テトラフルオロ-1,2-ジヒドロナフタレン-2-オンの粗生成物を得た。オートクレーブに先の残渣、5%パラジウム-炭素(50%含水、5 g)、シリカゲル(5 g)および酢酸エチル(200 ml)を加え、水素圧下(4 kg/cm2)、室温で4時間攪拌した。反応液をセライトでろ別し、ろ液を濃縮した。残渣をヘキサン/トルエン混合溶媒から再結晶し、1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトール(25 g)を淡黄色結晶として得た。
融点 91℃
1H NMR (CDCl3)δ 5.0-6.5 (broad, 1 H), 7.14-7.24 (m, 2 H), 7.45-7.55 (m, 2 H)
MS m/z:198 (M+, 100)
 (実施例2)1,7,8-トリフルオロナフタレン-2-イルトリフルオロメタンスルホナト(一般式(I):X=CFSO−)の製造
Figure 2004137258
 1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトール(10 g)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(10.3 ml)のジクロロメタン(60 ml)溶液に、氷冷下でピリジン(10 ml)をゆっくりと滴下し、さらに30分間攪拌した。反応液に水とジクロロメタンをゆっくりと加え、有機層を分取し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、水、10%塩酸、飽和炭化水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で精製し、1,7,8-トリフルオロナフタレン-2-イルトリフルオロメタンスルホナト(15 g)を淡黄色結晶として得た。
MS m/z:330 (M+), 169 (100)
 (実施例3)2-エトキシ-1,7,8-トリフルオロナフタレン(一般式(I):X=エチル基)の製造
Figure 2004137258
 1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトール(15 g)、炭酸カリウム(16 g)、ヨウ化エチエル(26 g)のアセトン(80 ml)溶液を室温で10時間攪拌した。これにトルエン(200 ml)を加え、有機層を分取し、水層をトルエンで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮した。残渣を減圧蒸留して、2-エトキシ-1,7,8-トリフルオロナフタレン(16 g)を得た。
融点 96.5−98.5℃
1H NMR (CDCl3)δ 1.48 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 4.27 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 7.15-7.35 (m, 2 H), 7.45-7.60 (m, 2 H)
MS m/z:226 (M+), 198 (100)
 (実施例4)2-(4-プロピルフェニル)-1,7,8-トリフルオロナフタレン(一般式(III):R=n−プロピル基、A=フェニル基、Y=単結合、n=1)の製造
Figure 2004137258
 オートクレーブに1,7,8-トリフルオロナフタレン-2-イルトリフルオロメタンスルホナト(15 g)、4-プロピルフェニルホウ酸(11.2 g)、炭酸カリウム(18.8 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1 g)、トルエン(50 ml)、テトラヒドロフラン(50 ml)、水(20 ml)を加え、窒素加圧下(2 kg/cm2)、90℃で4時間反応させた。反応液を水にあけ、有機層を分取し、水層をトルエンで抽出した。有機層を合わせ、10%塩酸、飽和食塩水で洗浄し、濃縮した。残渣を絡むクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)で精製し、2-(4-プロピルフェニル)-1,7,8-トリフルオロナフタレン(13 g)を得た。
MS m/z:300 (M+), 271 (100)
 (実施例5)3-メチル-7-(4-プロピルフェニル)-1,2,8-トリフルオロナフタレン(一般式(IV):R=n−プロピル基、A=フェニル基、Y=単結合、n=1、R=メチル基)の製造
Figure 2004137258
 2-(4-プロピルフェニル)-1,7,8-トリフルオロナフタレン(6.5 g)のテトラヒドロフラン(25 ml)溶液に-65℃で1.58 Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(16.4 ml)を滴下し、1時間攪拌した。これに、ヨウ化メチル(3.7 g)のテトラヒドロフラン(10 ml)溶液を30分かけて滴下し、その後室温まで昇温した。反応液に水を加え、攪拌後、少量の塩酸を加え中和し、有機層を分取した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、水、チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)で精製し、エタノールから再結晶(2回)して、3-メチル-7-(4-プロピルフェニル)-1,2,8-トリフルオロナフタレン(4.8 g)を無色針状晶として得た。
融点 99℃
1H NMR (CDCl3)δ 0.99 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.70 (sextet, J = 7.3 Hz, 2 H), 2.49 (s, 3 H), 2.66 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 7.2-7.6 (m, 7 H)
MS m/z:314 (M+), 285 (100)
 ヨウ化メチルに代えヨウ化エチルを用いる以外は同様にして6-メチル-2-(4-プロピルフェニル)-1,7,8-トリフルオロナフタレンを得た。
 この方法では、側鎖(この場合はメチル基)の異なる化合物を製造する場合に、最終工程に使用する原料を変更するのみで他の化合物を得ることができるため効率的である。
 (比較例1)3-メチル-7-(4-プロピルフェニル)-1,2,8-トリフルオロナフタレンの製造
Figure 2004137258
 7,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンを出発原料として、特許文献4に記載の方法で3-メチル-7-(4-プロピルフェニル)-1,2,8-トリフルオロナフタレンの製造を行った。この方法では、2-クロロ-6-メチル-7,8-ジフルオロナフタレンの収率が悪く、工程も長いため効率的な製造はできなかった。又、側鎖(この場合メチル基)が異なった化合物を製造する場合はあらかじめ側鎖の異なった中間体を製造する必要があり効率が悪かった。
 (実施例6)3-エトキシ-7-(4-プロピルフェニル)-1,2,8-トリフルオロナフタレン(一般式(IV):R=n−プロピル基、A=フェニル基、Y=単結合、n=1、R=エトキシ基)の製造
Figure 2004137258
 2-(4-プロピルフェニル)-1,7,8-トリフルオロナフタレン(6.5 g)のテトラヒドロフラン(25 ml)溶液に-65℃で1.58 Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(16.4 ml)を滴下し、1時間攪拌した。これに、トリメトキシボラン(2.7 g)のテトラヒドロフラン(10 ml)溶液を30分かけて滴下し、その後0℃まで昇温した。反応液に酢酸(1.85 ml)および30%過酸化水素(3 ml)を加え、しばらく攪拌した。反応液に水を加え、有機層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮し、6-(4-プロピルフェニル)-3,4,5-トリフルオロ-2-ナフトール(8.5 g)を得た。
MS m/z:316 (M+), 287 (100)
 水素化ナトリウム(60%油性、1.3 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(5 ml)懸濁液に、氷冷下、6-(4-プロピルフェニル)-3,4,5-トリフルオロ-2-ナフトール(8.5 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(30 ml)溶液を滴下した。これに、ヨウ化エチル(6.3 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(20 ml)溶液を30分かけて滴下し、さらに30分攪拌した。反応液を水にあけ、チオ硫酸ナトリウムを加えてしばらく攪拌した。有機層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出後、有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン)で精製し、エタノールから再結晶(3回)して、3-エトキシ-7-(4-プロピルフェニル)-1,2,8-トリフルオロナフタレン(3.8 g)を無色針状晶として得た。
融点 122℃
1H NMR (CDCl3)δ 0.99 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.55 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 1.72 (broad sextet, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.65 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 4.23 (q, J = 7.1 Hz, 2 H), 7.0-7.6 (m, 7 H)
MS m/z:344 (M+), 287 (100)
 (実施例7)7-エトキシ-3-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)フェニル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン(一般式(VI):R=n−プロピル基、A=シクロヘキシル基、Y=単結合、n=1、X=エチル基)の製造
Figure 2004137258
 2-エトキシ-1,7,8-トリフルオロナフタレン(16 g)のテトラヒドロフラン(80 ml)溶液を-60℃に冷却し、1.58 Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(47 ml)を滴下し、1時間攪拌した。これに、トリメトキシボラン(8.8 g)を30分かけて滴下し、その後室温まで昇温した。反応液を10%塩酸にあけ、有機層を分取し、水層をトルエンで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。オートクレーブに残渣(12 g)、4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブロモベンゼン(11.4 g)、炭酸カリウム(16.8 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1 g)、トルエン(80 ml)、テトラヒドロフラン(80 ml)、水(40 ml)を加え、窒素加圧下(2 kg/cm2)、90℃で5時間反応させた。反応液を水にあけ、有機層を分取し、水層をトルエンで抽出した。有機層を合わせ、10%塩酸、飽和食塩水で洗浄し、濃縮した。残渣を絡むクロマトグラフィー(アルミナ、トルエン/ヘキサン=1/3)で精製し、さらに再結晶(トルエン/ヘキサン=1/3)し、7-エトキシ-3-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)フェニル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン(6 g)を得た。
相転移温度 Cr 134 N 248 I
1H NMR (CDCl3)δ 0.92 (t, J = 7.1 Hz, 3 H), 1.00-1.15 (m, 2 H), 1.45 (m, 5 H), 1.45-1.60 (m, 5 H), 1.92 (t, J = 16.4 Hz, 4 H), 2.54 (t, J = 12.5 Hz, 1 H), 4.28 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 7.20-7.35 (m, 3 H) , 7.50-7.60 (m, 4 H)
MS m/z:426 (M+, 100)
 (実施例8)7-エトキシ-3-[2-[トランス-4-(トランス-4-ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]エチル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン(一般式(VIII):R=n−ブチル基、A=シクロヘキシル基、Y=単結合、n=1、R=エチル基)の製造
Figure 2004137258
 2-エトキシ-1,7,8-トリフルオロナフタレン(9.4 g)のテトラヒドロフラン(50 ml)溶液を-60℃に冷却し、1.58 Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(47 ml)を滴下し、2時間攪拌した。これにトランス-4-(トランス-4-ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシルアセトアルデヒド(13.2 g)のテトラヒドロフラン(50 ml)溶液を-50℃で滴下し、2時間攪拌後、0℃まで昇温した。反応液に10%塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、濃縮した。残渣を酢酸エチルから再結晶し、7-エトキシ-3-[2-[トランス-4-(トランス-4-ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]-1-ヒドロキシエチル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン(17 g)を得た。
 オートクレーブに7-エトキシ-3-[2-[トランス-4-(トランス-4-ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]-1-ヒドロキシエチル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン(16.2 g)、p-トルエンスルホン酸(0.6 g)のトルエン(100 ml)溶液を1時間加熱還流した。反応液を水および飽和食塩水で洗浄後、濃縮して、(E)-7-エトキシ-3-[2-[トランス-4-(トランス-4-ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]エテニル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン粗生成物(16.6 g)を得た。
 (E)-7-エトキシ-3-[2-[トランス-4-(トランス-4-ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]エテニル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン粗生成物(16.6 g)、5%パラジウム-炭素(50%含水)(3.1 g)、テトラヒドロフラン(100 ml)を入れ、室温、水素4気圧下で4時間反応させた。反応液をセライトでろ過し、ろ液を濃縮し、7-エトキシ-3-[2-[トランス-4-(トランス-4-ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]エチル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン粗生成物(15.4 g)を得た。さらにヘキサンから再結晶し、7-エトキシ-3-[2-[トランス-4-(トランス-4-ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]エチル]-1,2,8-トリフルオロナフタレン(9 g)を得た。
相転移温度 Cr 94 N 209 I
1H NMR (CDCl3)δ 0.82-0.89 (m, 5 H), 0.94-1.01 (m, 8 H), 1.12-1.27 (m, 8 H), 1.46 (t, J = 7.0 Hz, 3 H), 1.52-1.57 (m, 2 H), 1.67-1.75 (m, 6 H), 1.83-1.85 (m, 2 H), 2.74-2.78 (m, 2 H), 4.24 (q, J = 7.0 Hz, 2 H), 7.20 (dd, J = 9.0 and 6.6 Hz, 1 H), 7.29-7.30 (broad d, J = 8 Hz, 1 H), 7.24-7.44 (broad dt, J = 9.0 and 1.0 Hz, 1 H)
MS m/z:474 (M+, 100)

Claims (9)

  1. 一般式(I)
    Figure 2004137258
    (式中、Xは水素原子、CF3SO2-または炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)で表される化合物。
  2. Xが水素原子を表す請求項1記載の化合物。
  3. XがCF3SO2-を表す請求項1記載の化合物。
  4. Xが炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す請求項1記載の化合物。
  5. 式(Ia)
    Figure 2004137258
    で表される化合物に、一般式(II)
    Figure 2004137258
    (式中、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物を触媒存在下に反応させることによる一般式(III)
    Figure 2004137258
    (式中、R1、Y、Aおよびnは一般式(II)におけるR1、Y、Aおよびnと同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法。
  6. 一般式(III)
    Figure 2004137258
    (式中、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物。
  7. 式(Ia)
    Figure 2004137258
    で表される化合物に、一般式(II)
    Figure 2004137258
    (式中、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物を触媒存在下に反応させることにより一般式(III)
    Figure 2004137258
    (式中、R1、Y、Aおよびnは一般式(II)におけるR1、Y、Aおよびnと同じ意味を表す。)で表される化合物を得た後、これをアルキル化またはアルコキシル化することを特徴とする一般式(IV)
    Figure 2004137258
    (式中、R1、Y、Aおよびnは一般式(II)におけるR1、Y、Aおよびnと同じ意味を表し、R2は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基またはアルコキシル基を表す。)で表される化合物の製造方法。
  8. 一般式(Ib)
    Figure 2004137258
    (式中、Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)で表される化合物の6位をリチオ化し、トリメトキシボランを作用させ、得られたボロン酸に、一般式(V)
    Figure 2004137258
    (式中、Zはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表し、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物を触媒存在下に反応させることを特徴とする、一般式(VI)
    Figure 2004137258
    (式中、XおよびR1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物の製造方法。
  9. 一般式(Ib)
    Figure 2004137258
    (式中、Xは炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表す。)で表される化合物の6位をリチオ化し、一般式(VII)
    Figure 2004137258
    (式中、R1は炭素数1〜10の飽和または不飽和のアルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表されるシクロヘキシルアセトアルデヒド誘導体を反応させた後、脱水し生成する二重結合を水素添加することによる、一般式(VIII)
    Figure 2004137258
    (式中、XおよびR3は炭素数1〜10の飽和アルキル基を表し、Yは単結合、-CH2CH2-または-CH2O-を表し、Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、nは0または1を表す。)で表される化合物の製造方法。



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