JP4461791B2 - 1−フルオロ−2−ナフトール誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は1-フルオロ-2-ナフトール誘導体の製造方法に関する。
1-フルオロ-2-ナフトール誘導体は、例えば次に示すような種々の液晶化合物
Figure 0004461791
(式中、RおよびR'は独立的に炭素数1〜12のアルキル基または炭素数2〜12のアルケニル基を表し、R''は炭素数1〜12のアルキル基または炭素数2〜12のアルケニル基(これらの基中に存在する1個のCH2基はOに置換されてもよい。)を表し、Aはトランス-1,4-シクロへキシレン基または1,4-フェニレン基(FまたはClで置換されていてもよい)を表し、Zは-CH2CH2-または単結合を表し、bは1、2または3を表す。)の製造中間体として有用である。しかし、置換基の種類や位置によっては製造法が知られておらず、製造方法が知られているものについても以下のような複雑な工程を経由していた。(特許文献1)
Figure 0004461791
さらに、上記方法ではF-TEDA-BF4(AIR PRODUCTS製)、ACCUFLOR NFSi(AlliedSignal製)等の高価格なフッ素化剤を複数回用いなければならなかった。そのため1-フルオロ-2-ナフトール誘導体の簡便かつ安価な製造方法が求められていた。
特開2001−10995(2頁および3頁)
本発明が解決しようとする課題は、1-フルオロ-2-ナフトール誘導体の、簡便で安価な製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、テトラヒドロナフタレノン誘導体にフッ素を作用させた後還元することにより、対応する1-フルオロ-2-ナフトール誘導体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は一般式(1)
Figure 0004461791
(式中、R1はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はOおよび/またはSに置換されてもよく、またこれらの基中に存在する1個または2個以上の水素原子はFまたはClに置換されてもよく、
A1
(a) トランス-1,4-シクロへキシレン基(この基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個のCH2基はOおよび/またはSに置換されてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個または2個以上のCH基はNに置換されてもよい)
(c) 1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCN、FまたはClで置換されていてもよく、
Z1は-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-CF2O-、-OCF2-または単結合を表し、
aは0、1、2または3を表し、
L1 、L2およびL3はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子を表す。)
で表されるテトラヒドロナフタレノン誘導体にフッ素化剤を作用させ、一般式(2)
Figure 0004461791
(式中、R1、A1、Z1、L1、L2、L3およびaはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物または、一般式(2)および一般式(3)
Figure 0004461791
(式中、R1、A1、Z1、L1、L2、L3およびaはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物の混合物を製造した後還元することによる一般式(3)で表される1-フルオロ-2-ナフトール誘導体の製造方法を提供する。
本発明により、これまで製造工程が複雑であった1-フルオロ-2-ナフトール誘導体を、簡便で安価に製造できるようになった。
本製造法におけるフッ素化剤としてはフッ素ガスが好ましい。フッ素ガスはそのまま反応に用いることもできるが、反応制御の容易さから窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスと混合して使用することが好ましい。
本製造法におけるフッ素化工程には溶媒を用いることが好ましく、その溶媒としてはトリフルオロクロロメタン、フレオン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタンまたは1,1,2-トリクロロエタン等の含ハロゲン炭化水素、液体フッ化水素または酢酸などを単独でまたは混合して用いるのが好ましい。
本製造法のフッ素化工程における反応温度は溶媒の凝固点から溶媒還流温度で行うことができるが、-100℃から30℃が好ましく、-80℃から20℃が特に好ましい。
本製造法の還元剤としては、金属または金属錯体触媒存在下の水素、ヒドロキシメタンスルフィン酸塩または亜ジチオン酸塩が好ましいが、臭素原子を含む化合物の場合はヒドロキシメタンスルフィン酸塩または亜ジチオン酸塩がより好ましい。
一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)で表される化合物は多くの化合物を包含するものであるが、次に記載の化合物が好ましい。
一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)においてR1は、aが0の場合はフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子を表すことが好ましいが、それ以外の場合は炭素数1〜12のアルキル基を表すことが好ましく、炭素数1〜7のアルキル基がより好ましい。
A1はトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、フッ素置換された1,4-フェニレン基または1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基が好ましい。
Z1は-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-または単結合を表すことが好ましく、-CH2CH2-または単結合がより好ましい。
L1、L2およびL3はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子または水素原子を表すことが好ましい。
aは0、1または2を表すことが好ましく、0がより好ましい。
さらに詳述すると、本願発明により製造することが好適な化合物としては次に示す化合物を挙げることができる。
Figure 0004461791
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)等により確認した。
(実施例1)1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールの製造
Figure 0004461791
(1) 1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンの製造
5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンをフルオロトリクロロメタンに溶解し、-78℃に冷却した。激しく撹拌しながらフッ素/アルゴン(体積比1:9)の混合ガスをゆっくりバブリングにより加えた。1時間撹拌後、反応溶液を10%塩酸にあけて30分撹拌し、トルエンで抽出した。有機層を分取し飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンを得た。
(2) 1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールの製造
1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンをエタノールに溶解し、トリエチルアミンおよび5%パラジウム炭素(50%含水品)を加え、水素圧0.5 MPaで2時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、10%塩酸を加えて30分撹拌した後トルエンで抽出した。有機層を分取し、10%塩酸および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製して1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールを得た。
(比較例1)1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールの製造
Figure 0004461791
(1) 1,1-ジフルオロ-6-メトキシ-1H-ナフタレン-2-オンの製造
6-メトキシ-2-ナフトールのアセトニトリル溶液に室温でF-TEDA-BF4(1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニウムビシクロ[2,2,2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)、AIR PRODUCTS製)を3回に分けて15分おきに加えた。室温で5時間撹拌した後、反応混合物を氷水に加え、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和しトルエンで抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、1,1-ジフルオロ-6-メトキシ-1H-ナフタレン-2-オンを得た。
(2) 6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-ジヒドロナフタレンの製造
1,1-ジフルオロ-6-メトキシ-1H-ナフタレン-2-オンのTHF(テトラヒドロフラン)溶液にDAST(ジエチルアミノ三フッ化ほう素)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に加え、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和しヘキサンで抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-ジヒドロナフタレンを得た。
(3) 6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの製造
6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-ジヒドロナフタレンの酢酸エチル溶液をオートクレーブに加え、5%パラジウム炭素(50%含水品)、トリエチルアミン、シリカゲルを加え水素圧0.4 MPaで3時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、ろ液から溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを得た。
(4) 1,2-ジフルオロ-6-メトキシナフタレンの製造
6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンのTHF溶液に氷冷下、カリウム-t-ブトキシドを加えた後昇温し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に加え、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和しヘキサンで抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、1,2-ジフルオロ-6-メトキシナフタレンを得た。
(5) 6-メトキシ-1,2,3-トリフルオロナフタレンの製造
1,2-ジフルオロ-6-メトキシナフタレンをTHF/トルエン混合溶媒に溶解し、-40℃に冷却してブチルリチウム(1.5 Mヘキサン溶液)をゆっくり滴下した。-40度で1時間撹拌後ACCUFLOR NFSi(N-フルオロベンゼンスルフィンイミド、AlliedSignal製)を加えた後、室温まで徐々に昇温し室温で8時間撹拌した。反応混合物を氷水に加え、ヘキサン抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、6-メトキシ-1,2,3-トリフルオロナフタレンを得た。
(6) 5,6,7-トリフルオロ-2-ナフトールの製造
6-メトキシ-1,2,3-トリフルオロナフタレンのジクロロメタン溶液を-70℃に冷却し、三臭化ほう素のジクロロメタン溶液をゆっくり加えた。室温まで昇温後10時間撹拌し、反応混合物を水に加えた。有機層を分取し、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製し、5,6,7-トリフルオロ-2-ナフトールを得た。
(7) 1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンの製造
5,6,7-トリフルオロ-2-ナフトールをアセトニトリルに溶解し、加熱還流下MEC-31(N,N'-ジフルオロ-2,2'-ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボレート)、ダイキン製)をゆっくり加えて1時間撹拌した。反応混合物を10%塩酸にあけて30分撹拌し、トルエンで抽出した。有機層を分取し飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンを得た。
(8) 1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールの製造
1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンをエタノールに溶解し、トリエチルアミンおよび5%パラジウム炭素(50%含水品)を加え、水素圧0.5 MPaで2時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、10%塩酸を加えて30分撹拌した後トルエンで抽出した。有機層を分取し、10%塩酸および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製して1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールを得た。
特許文献1記載の製造法である比較例1は非常に工程数が長く、その上F-TEDA-BF4やACCUFLOR NFSiといった高価格のフッ素化剤を使用しなければならない。それに対し本発明の製造法である実施例1では、1工程で1-フルオロ-2-ナフトール誘導体を製造でき、また使用する反応剤も安価である。
(実施例2)1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールの製造
実施例1と同様な条件下、5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンの代わりに7,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンを用いて1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールを得た。
MS m/z : 198 (M+, 100)
融点 81.7 91.4℃
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)
δ: 5.0 6.5 (br, 1 H), 7.14 7.24 (m, 2H), 7.45 7.55 (m, 2 H)
(実施例3)6-ブロモ-1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールの製造
実施例1と同様な条件下、5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンの代わりに6-ブロモ-7,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンを用いて6-ブロモ-1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールを得た。
(実施例4)1,6,7,8-テトラフルオロ-2-ナフトールの製造
実施例1と同様な条件下、5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンの代わりに6,7,8-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンを用いて1,6,7,8-テトラフルオロ-2-ナフトールを得た。
本発明は、液晶化合物の中間体製造法として有用である。

Claims (21)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004461791
    (式中、R1はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はOおよび/またはSに置換されてもよく、またこれらの基中に存在する1個または2個以上の水素原子はFまたはClに置換されてもよく、
    aは0を表し、
    L1 、L2およびL3はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子を表す。)
    で表されるテトラヒドロナフタレノン誘導体にフッ素化剤を作用させ、一般式(2)
    Figure 0004461791
    (式中、R1、A1、Z1、L1、L2、L3およびaはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物または、一般式(2)および一般式(3)
    Figure 0004461791
    (式中、R1、A1、Z1、L1、L2、L3およびaはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物の混合物を製造した後還元することによる一般式(3)で表される1-フルオロ-2-ナフトール誘導体の製造方法。
  2. 一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)において、R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、水素原子または炭素数1〜7のアルキル基(この基中に存在する1個のCH2基はOに置換されてもよく、またこの基中に存在する1個または2個以上の水素原子はFまたはClに置換されてもよい。)であり、aが0である請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1における一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)において、R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子であり、L1 、L2およびL3がそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子または水素原子であり、aが0である請求項1記載の製造方法。
  4. フッ素化工程における反応溶媒の使用量が一般式(1)で表される化合物の質量の1〜50倍である請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
  5. フッ素化工程における反応溶媒として、含ハロゲン炭化水素、液体フッ化水素または酢酸を用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
  6. フッ素化工程における反応温度が-80℃〜20℃である請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
  7. 還元工程において還元剤として水素を用い、触媒として金属または金属錯体を用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
  8. 還元工程において還元剤としてヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩を用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
  9. 還元工程において還元剤として亜ジチオン酸またはその金属塩を用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
  10. フッ素化剤として、フッ素ガスを用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
  11. フッ素ガスを不活性ガスと混合して使用する請求項10記載の製造方法。
  12. 混合ガス中のフッ素ガスの含有量が0.5〜50体積パーセントである請求項11記載の製造方法。
  13. 一般式(1)
    Figure 0004461791
    (式中、R1はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基を表し、これらの基中に存在する1個のCH2基または隣接していない2個以上のCH2基はOおよび/またはSに置換されてもよく、またこれらの基中に存在する1個または2個以上の水素原子はFまたはClに置換されてもよく、
    aは0を表し、
    L1 、L2およびL3はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子を表す。)で表されるテトラヒドロナフタレノン誘導体にフッ素化剤を作用させることによる、一般式(2)
    Figure 0004461791
    (式中、R1、A1、Z1、L1、L2、L3およびaはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物または、一般式(2)および一般式(3)
    Figure 0004461791
    (式中、R1、A1、Z1、L1、L2、L3およびaはそれぞれ独立的に一般式(1)と同じ意味を表す。)で表される化合物の混合物の製造方法。
  14. 一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)において、R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、水素原子または炭素数1〜7のアルキル基(この基中に存在する1個のCH2基はOに置換されてもよく、またこの基中に存在する1個または2個以上の水素原子はFまたはClに置換されてもよい。)であり、aが0である請求項13記載の製造方法。
  15. 一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)において、R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子であり、L1 、L2およびL3がそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子または水素原子であり、aが0である請求項13記載の製造方法。
  16. 反応溶媒の使用量が一般式(1)で表される化合物の重量の1〜50倍である請求項13から15の何れかに記載の製造方法。
  17. 反応溶媒として、含ハロゲン炭化水素、液体フッ化水素または酢酸を用いる請求項13〜15記載の製造方法。
  18. 反応温度が-80℃〜20℃である請求項13から15の何れかに記載の製造方法。
  19. フッ素化剤として、フッ素ガスを用いる請求項13から15の何れかに記載の製造方法。
  20. フッ素ガスを不活性ガスと混合して使用する請求項19記載の製造方法。
  21. 混合ガス中のフッ素ガスの含有量が0.5〜50体積パーセントである請求項20記載の製造方法。
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