JP4461791B2 - 1−フルオロ−2−ナフトール誘導体の製造方法 - Google Patents
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すなわち本発明は一般式(1)
A1は
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個または2個以上のCH基はNに置換されてもよい)
(c) 1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基および1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCN、FまたはClで置換されていてもよく、
Z1は-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-CF2O-、-OCF2-または単結合を表し、
aは0、1、2または3を表し、
L1 、L2およびL3はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子を表す。)
で表されるテトラヒドロナフタレノン誘導体にフッ素化剤を作用させ、一般式(2)
aは0、1または2を表すことが好ましく、0がより好ましい。
(実施例1)1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールの製造
5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンをフルオロトリクロロメタンに溶解し、-78℃に冷却した。激しく撹拌しながらフッ素/アルゴン(体積比1:9)の混合ガスをゆっくりバブリングにより加えた。1時間撹拌後、反応溶液を10%塩酸にあけて30分撹拌し、トルエンで抽出した。有機層を分取し飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンを得た。
1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンをエタノールに溶解し、トリエチルアミンおよび5%パラジウム炭素(50%含水品)を加え、水素圧0.5 MPaで2時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、10%塩酸を加えて30分撹拌した後トルエンで抽出した。有機層を分取し、10%塩酸および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製して1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールを得た。
(比較例1)1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールの製造
6-メトキシ-2-ナフトールのアセトニトリル溶液に室温でF-TEDA-BF4(1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニウムビシクロ[2,2,2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)、AIR PRODUCTS製)を3回に分けて15分おきに加えた。室温で5時間撹拌した後、反応混合物を氷水に加え、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和しトルエンで抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、1,1-ジフルオロ-6-メトキシ-1H-ナフタレン-2-オンを得た。
1,1-ジフルオロ-6-メトキシ-1H-ナフタレン-2-オンのTHF(テトラヒドロフラン)溶液にDAST(ジエチルアミノ三フッ化ほう素)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に加え、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和しヘキサンで抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-ジヒドロナフタレンを得た。
6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-ジヒドロナフタレンの酢酸エチル溶液をオートクレーブに加え、5%パラジウム炭素(50%含水品)、トリエチルアミン、シリカゲルを加え水素圧0.4 MPaで3時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、ろ液から溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを得た。
6-メトキシ-1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンのTHF溶液に氷冷下、カリウム-t-ブトキシドを加えた後昇温し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に加え、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で中和しヘキサンで抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、1,2-ジフルオロ-6-メトキシナフタレンを得た。
1,2-ジフルオロ-6-メトキシナフタレンをTHF/トルエン混合溶媒に溶解し、-40℃に冷却してブチルリチウム(1.5 Mヘキサン溶液)をゆっくり滴下した。-40度で1時間撹拌後ACCUFLOR NFSi(N-フルオロベンゼンスルフィンイミド、AlliedSignal製)を加えた後、室温まで徐々に昇温し室温で8時間撹拌した。反応混合物を氷水に加え、ヘキサン抽出した。有機層を水洗した後、溶媒を留去して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、6-メトキシ-1,2,3-トリフルオロナフタレンを得た。
6-メトキシ-1,2,3-トリフルオロナフタレンのジクロロメタン溶液を-70℃に冷却し、三臭化ほう素のジクロロメタン溶液をゆっくり加えた。室温まで昇温後10時間撹拌し、反応混合物を水に加えた。有機層を分取し、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製し、5,6,7-トリフルオロ-2-ナフトールを得た。
5,6,7-トリフルオロ-2-ナフトールをアセトニトリルに溶解し、加熱還流下MEC-31(N,N'-ジフルオロ-2,2'-ビピリジニウム ビス(テトラフルオロボレート)、ダイキン製)をゆっくり加えて1時間撹拌した。反応混合物を10%塩酸にあけて30分撹拌し、トルエンで抽出した。有機層を分取し飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンを得た。
1,1,5,6,7-ペンタフルオロ-1H-ナフタレン-2-オンをエタノールに溶解し、トリエチルアミンおよび5%パラジウム炭素(50%含水品)を加え、水素圧0.5 MPaで2時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、10%塩酸を加えて30分撹拌した後トルエンで抽出した。有機層を分取し、10%塩酸および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにて精製して1,5,6,7-テトラフルオロ-2-ナフトールを得た。
実施例1と同様な条件下、5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンの代わりに7,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンを用いて1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールを得た。
MS m/z : 198 (M+, 100)
融点 81.7 91.4℃
1H-NMR (400 MHz, CDCl3)
δ: 5.0 6.5 (br, 1 H), 7.14 7.24 (m, 2H), 7.45 7.55 (m, 2 H)
実施例1と同様な条件下、5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンの代わりに6-ブロモ-7,8-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンを用いて6-ブロモ-1,7,8-トリフルオロ-2-ナフトールを得た。
実施例1と同様な条件下、5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンの代わりに6,7,8-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンを用いて1,6,7,8-テトラフルオロ-2-ナフトールを得た。
Claims (21)
- 一般式(1)
aは0を表し、
L1 、L2およびL3はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子を表す。)
で表されるテトラヒドロナフタレノン誘導体にフッ素化剤を作用させ、一般式(2)
- 一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)において、R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、水素原子または炭素数1〜7のアルキル基(この基中に存在する1個のCH2基はOに置換されてもよく、またこの基中に存在する1個または2個以上の水素原子はFまたはClに置換されてもよい。)であり、aが0である請求項1記載の製造方法。
- 請求項1における一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)において、R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子であり、L1 、L2およびL3がそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子または水素原子であり、aが0である請求項1記載の製造方法。
- フッ素化工程における反応溶媒の使用量が一般式(1)で表される化合物の質量の1〜50倍である請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
- フッ素化工程における反応溶媒として、含ハロゲン炭化水素、液体フッ化水素または酢酸を用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
- フッ素化工程における反応温度が-80℃〜20℃である請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
- 還元工程において還元剤として水素を用い、触媒として金属または金属錯体を用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
- 還元工程において還元剤としてヒドロキシメタンスルフィン酸またはその金属塩を用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
- 還元工程において還元剤として亜ジチオン酸またはその金属塩を用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
- フッ素化剤として、フッ素ガスを用いる請求項1から3の何れかに記載の製造方法。
- フッ素ガスを不活性ガスと混合して使用する請求項10記載の製造方法。
- 混合ガス中のフッ素ガスの含有量が0.5〜50体積パーセントである請求項11記載の製造方法。
- 一般式(1)
aは0を表し、
L1 、L2およびL3はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子を表す。)で表されるテトラヒドロナフタレノン誘導体にフッ素化剤を作用させることによる、一般式(2)
- 一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)において、R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、水素原子または炭素数1〜7のアルキル基(この基中に存在する1個のCH2基はOに置換されてもよく、またこの基中に存在する1個または2個以上の水素原子はFまたはClに置換されてもよい。)であり、aが0である請求項13記載の製造方法。
- 一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)において、R1がフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子であり、L1 、L2およびL3がそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子または水素原子であり、aが0である請求項13記載の製造方法。
- 反応溶媒の使用量が一般式(1)で表される化合物の重量の1〜50倍である請求項13から15の何れかに記載の製造方法。
- 反応溶媒として、含ハロゲン炭化水素、液体フッ化水素または酢酸を用いる請求項13〜15記載の製造方法。
- 反応温度が-80℃〜20℃である請求項13から15の何れかに記載の製造方法。
- フッ素化剤として、フッ素ガスを用いる請求項13から15の何れかに記載の製造方法。
- フッ素ガスを不活性ガスと混合して使用する請求項19記載の製造方法。
- 混合ガス中のフッ素ガスの含有量が0.5〜50体積パーセントである請求項20記載の製造方法。
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