JP2004136865A - 作業車両のライト - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビンの有無に関わらず、かつ意匠性を損なうことなく作業灯を具備でき、また、前記作業灯が操向ハンドルの操向によって点灯されるようにして、該作業灯が左右操向用の補助ライトとして機能し、夜間運転の際の安全面や作業面の向上に寄与し作業者の注意力による負担を軽減できる作業車両のライトを提供する。
【解決手段】機体前部に前方を照らす前照灯18と前側方を照らす作業灯19L・19Rを設けた作業車両のライト20において、走行変速操作具または変速装置に低速変速を検知する手段を設けて前記作業灯と接続し、作業灯用スイッチ33をONした状態で、高速走行時には作業灯を消灯し、低速走行時には操向ハンドル13または前輪3の回動に連動して作業灯を点灯可能に構成した。
【選択図】図4

Description

 本発明は、トラクタ等の作業車両において、機体の前方周辺を照射するライトの構成に関する。
 従来から、トラクタ等の作業車両において、夜間走行のためのライトとして、機体前部、例えば、ボンネットまたはバンパーまたはフェンダー等の前部に走行用の前照灯が具備されている。また、キャビン仕様のトラクタ等では夜間の作業時等のため、必要に応じてキャビン前上部に作業灯が配設されている。
 また、夜間走行時において、機体旋回する方向にも前照灯により照射して安全走行ができるように、前照灯の照射方向を車両の転向方向に一致するように連動させるような構造のライトを機体に備えるものもある(例えば、特許文献1乃至3参照。)。
 また、機体の前部に直進用のライトと側方を照射する補助ライトを設けた技術も公知となっている(例えば、特許文献4参照。)。
実開昭49−83737号公報 実開昭52−7182号公報 実開昭52−66179号公報 特開平10−109588号公報
 しかし、従来の作業灯は、キャビン仕様でないトラクタ等では後付けで取り付ける必要性が生じ、作業効率や意匠的な外観が良くなかった。
 また、安全フレーム仕様の機体のように作業灯を具備しない機体では走行中等前方を照射するのは機体に一体的に設けられた前照灯のみであり、キャビン仕様の機体で該キャビンに作業灯が配設されている場合においても、該作業灯はキャビン上方から機体前方を照射するだけであるので、機体を旋回する場合、作業地と未作業地を見分けることが難しく、作業者の視野角度が限定され安全面や作業面での不具合が発生するおそれがあった。
 また、上述のような車輪の操向操作に合わせてリンク等を介して前照灯を回動する技術の場合、方向転換しようとする方向の機体の前方は照射されるという利点はあるが、機体前方は照射されなくなり、作業者の視野角度を完全には確保できる状態ではなかった。
 また、機体が旋回しようとする方向の補助ライトを点灯する技術は高速走行する場合には必要であるが、作業車両等路上走行において低速で走行するような車両ではあまり必要ではなく、作業時のみ必要することもある。また、農用トラクタによる耕耘作業等では、未耕地と既耕地との境界を見ながら作業する場合があり、この場合直進走行でも側方を照射したい場合がある。また、畝と畝の間を走行する場合には、両側方を照射しながら作業したい場合もある。
 そこで、本発明では、キャビンの有無に関わらず、かつ意匠性を損なうことなく作業灯を具備でき、部品点数の削減及び組立工程の簡略化や省コスト化が図れ、また、前記作業灯が操向ハンドルの操向操作に対応して点灯するようにして、或いは、必要に応じて左右の作業灯を点灯するようにして、夜間運転の際の安全面や作業面の向上に寄与し作業者の注意力による負担を軽減できる作業車両のライトを提供する。
 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
 即ち、請求項1においては、機体前部に前方を照らす前照灯と前側方を照らす作業灯を設けた作業車両のライトにおいて、走行変速操作具または変速装置に低速変速を検知する手段を設けて前記作業灯と接続し、作業灯用スイッチをONした状態で、高速走行時には作業灯を消灯し、低速走行時には作業灯を点灯可能に構成したものである。
 請求項2においては、機体前部に前方を照らす前照灯と前側方を照らす作業灯を設けた作業車両のライトにおいて、前記作業灯と機体の走行速度を検知する手段とを接続し、作業灯用スイッチをONした状態で、機体の走行速度が設定速度以上となると作業灯を消灯し、設定速度未満では作業灯を点灯可能に構成したものである。
 請求項3においては、機体前部に前方を照らす前照灯と前側方を照らす作業灯を設けた作業車両のライトにおいて、作業操作具またはPTO変速装置に設けた作業位置を検知する手段を前記作業灯と接続し、作業灯用スイッチをONした状態で、非作業時には該作業灯を消灯し、作業時には該作業灯を点灯可能に構成したものである。
 請求項4においては、前記作業灯を操向ハンドルまたは操向輪の回動部に設けた角度検知手段と接続して、操向ハンドルまたは操向輪を設定角度以上回動すると、左右両方の作業灯を点灯するように構成したものである。
 請求項5においては、前記作業灯を操向ハンドルまたは操向輪の回動部に設けた角度検知手段と接続して、操向ハンドルまたは操向輪を設定角度以上回動すると、旋回側の作業灯を点灯するように構成したものである。
 請求項6においては、前記作業灯を操向ハンドルまたは操向輪の回動部に設けた角度検知手段と接続して、操向ハンドルまたは操向輪を設定角度以上回動すると、左右両方の作業灯の点灯と、旋回側の作業灯の点灯とを選択可能に構成したものである。
 請求項7においては、機体前部に前方を照らす前照灯と前側方を照らす作業灯を設けた作業車両のライトにおいて、前照灯用スイッチと方向指示器の操作手段に連動される接点と前記作業灯と接続し、前照灯用スイッチをONした状態で、方向指示器の操作手段を操作した時に、方向指示器操作側の作業灯を点灯するように構成したものである。
 本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
 請求項1においては、前照灯を点灯させた状態で、走行操作具と連動したスイッチまたはセンサーから構成した切換スイッチによって、作業時を検知して作業灯を点灯することとなり、夜間作業をする場合、走行操作に応じて自動的に前輪近傍を照射することができ、操作性を向上でき、障害物等がある場合等予め察知することが容易となり、より安全で正確な運転が可能となる。また、道路上を走行する際等の非作業時には、作業灯を確実に消灯させることができる。
 請求項2においては、前照灯を点灯させた状態で、機体の走行速度を検知する手段と連動したスイッチまたはセンサーから構成した切換スイッチによって、作業時を検知し作業灯を点灯するようになり、夜間作業をする場合、作業操作に応じて自動的に前輪近傍を照射することができる。よって、既耕地と未耕地の区別や障害物の察知等を容易に行うことができ、安全性及び作業性の向上とともに、操向性の向上が図れる。また、非作業時には、作業灯を確実に消灯させて、走行することができる。
 請求項3においては、前照灯を点灯させた状態で、作業操作具と連動したスイッチまたはセンサーから構成した切換スイッチによって、作業時を検知し作業灯を点灯するようになり、夜間作業をする場合、作業操作に応じて自動的に前輪近傍を照射することができ、操作性を向上して、既耕地と未耕地の区別や障害物の察知等が容易に行え、安全性及び作業性の向上が図れる。また、非作業時には、作業灯を確実に消灯させることができる。
 請求項4においては、左右の作業灯が左右操向用の補助ライトとしての役割を果たし、操向ハンドルを操向させて機体を旋回させる場合、機体旋回側の前輪近傍を照射することができ、障害物等がある場合予め察知することが容易となり、夜間作業でのより安全で正確な運転が可能となるので作業者の注意力による負担を軽減することができる。
 請求項5においては、機体旋回時に作業灯の照射切り換えを行うことなく自動的に切り換えられ、作業性を向上することができる。また、操向方向と逆側の作業灯が点灯されない分のバッテリの電力の消費も抑えることができ、省エネ化が図れる。さらには、運転者以外の作業者等がいた場合、その作業者に対する方向指示的な機能も持たせることができる。また、非作業時には、通常作業灯を確実に消灯し、旋回時のみ旋回側の作業灯を点灯させることができるため、作業灯を方向指示器として利用することが可能となる。
 請求項6においては、夜間等において、作業の種類に対応した作業灯の点灯方法が選択でき、より安全な走行が可能となり、作業性の向上も図れる。
 請求項7においては、作業時ばかりでなく、道路上を走行する際等にも方向指示器の操作に合わせて旋回側の作業灯を点灯することが可能となり、旋回側前方を照らして視認性がよくなるため、安全な運転が可能となる。また、作業灯を方向指示器として利用することが可能となるため、周囲からの視認性がよくなり、安全性を向上することができる。
 次に、発明の実施の形態を説明する。
 図1は本発明に係る作業車両の一実施例であるトラクタの全体側面図、図2は本発明に係るライトを具備したトラクタの前部斜視図、図3はライト部の平面断面図、図4は第一実施例の制御回路図、図5は前輪支持部の前面一部断面図、図6は第二実施例の制御回路図、図7は第三実施例の制御回路図、図8は第四実施例の制御回路図、図9はライト部の変形例を示す平面断面図である。
 まず、本発明に係るトラクタ1の全体構成について、図1を用いて説明する。
 トラクタ1において、車体の前端部に車体フレーム21が設けられ、該車体フレーム21の前下部にフロントアクスルケース10(図2に図示)を介して操向輪となる前輪3・3が支承され、該車体フレーム21後端に固設されたミッションケース9にリアアクスルケースを介して後輪4・4が支承されている。
 該車体フレーム21の前部には、エンジン5が載置されており、該エンジン5の前方にラジエータ6及びバッテリ7が配置されて、これらのエンジン5やラジエータ6、バッテリ7等がボンネット16で被装され、該ボンネット16前部に後述する前照灯18と作業灯19L・19Rとからなるライト20が配置されている。また、車体フレーム21の後部にはクラッチハウジング等を介してミッションケース9が締結固定されており、該エンジン5と該ミッションケース9とがクラッチや伝動軸やユニバーサルジョイント等の動力伝達機構を介して連結されている。
 前記ボンネット16後方には運転部2が配置されている。該運転部2において、ボンネット16の後部にダッシュボード8が配置されており、該ダッシュボード8より後上方に操向ハンドル13が突出され、該ダッシュボード8の側面または後面に後述する前照灯用スイッチ32や作業等用スイッチ33、前または後作業灯用スイッチ47・48等が配置され、更にダッシュボード8下部の右側方にブレーキペダルが配置され、左側方にクラッチペダルが配置されている。また、前記操向ハンドル13近傍にアクセルレバーや前後進切換レバー等が配置され、該操向ハンドル13後方に座席14が配置され、該座席14側部に主変速レバーや副変速レバー43やPTO変速レバー44やポジションレバー等が配置されている。
 前記運転部2はキャビン12により覆われており、該キャビン12上部の前後両側にはそれぞれ左右一対の前作業灯45と後作業灯46とが配設されている。また、キャビン12下部の後側に方向指示器49が設けられている。
 次に、図1、図2、図3を用いて、本発明に係るライト20について説明する。
 ライト20は、前記ボンネット16前端のフロントグリル17上部の左右に配置され、フロントグリル17上部のボンネット16内に形成される空間に設けられている。但し、ライト20はフロントグリル17の上下中途部や下部に設けることも可能であり、機体前部位置に配設されるものであれば、取付け位置は限定するものではない。該ライト20の前外側に配置されるレンズ25は、平面視略U字状に形成された透明な合成樹脂またはガラスから構成されており、該レンズ25の内側の正面側に左右一対の前照灯用反射板22L・22Rが配置され、レンズ25内側の側面側に作業灯用反射板50L・50Rが固定されている。該前照灯用反射板22L・22Rは略半球状に形成されており、それぞれ略中央底部に前照灯用電球23L・23Rが配置されて前照灯18が構成される一方、前記作業灯用反射板50L・50Rの略中央に作業灯用電球24L・24Rが配置されて作業灯19L・19Rが構成されている。つまり、正面に前記前照灯18を配置してその左右両側に作業灯19L・19Rを配置し、これらを左右一体型のレンズ25で覆うことでライト20が構成されている。
 したがって、前記ボンネット16前方の中央部上方に前照灯18が配置され、該前照灯18の左右両側に作業灯19L・19Rが配置されて、前照灯18と作業等とが一体的に4灯配置される状態となり、前照灯18により前方を、作業灯により側方を照らすことが可能となっている。
 従来、例えばキャビン仕様のトラクタでは、作業灯を後付けでキャビンに取り付けていたが、夜間の作業時等では前輪3・3近傍や側方が見づらかった。しかし、上述のように構成することによって、ライト20として前照灯用電球23L・23Rと作業灯用電球24L・24Rとを、つまり前照灯18と作業灯19L・19Rとを一体的に構成することができ、外観を損なうことなく、前輪3・3近傍及び側方を照らすことができて夜間作業も容易に行うことができるようになる。そして、別構成で作業灯を追加するのに比べて、意匠性も良く、部品点数を削減でき、それに伴い組立工程の簡略化が図れ、コスト的にも優れたものとなる。なお、前記作業灯用電球24L・24Rの配置位置及び個数等は、前輪3・3近傍を照らされる位置であり、かつ意匠的な外観を損ねることがないならば、本実施例に限られるものではなく、例えば図9に示すように、作業用電球24L・24Rを前方に向けて配置してもよい。
 次に、ライト20の点灯制御について説明する。なお、説明上要部のみ挙げており、キースイッチやセーフティスイッチやのその他の電気機器等は省略してある。
 第一実施例の点灯回路は、図4に示すように、バッテリ7に前照灯用スイッチ32と方向指示器の操作手段となる操作スイッチ42に連動される接点42La・42Raが接続され、該前照灯用スイッチ32に前照灯18と作業灯用スイッチ33と二連の切換スイッチ41の一方の接点41aが並列に接続され、該作業灯用スイッチ33に切換スイッチ41の他方の接点41bが接続されている。該切換スイッチ41は後述するように、高速(路上走行)と低速、または、非作業状態と作業状態との切換操作により切り換えられ、または、その状態を検知して切り換えられる。該切換スイッチ41が以下、高速(路上)走行と低速(作業)走行により切り換えられる場合について説明すると、該切換スイッチ41の一方の接点41aは高速走行時にON(接続)して方向指示器スイッチに電力を供給可能とし、他方の接点41bは低速走行時にON(接続)してリミットスイッチ35L・35Rや前後の作業灯用スイッチ47・48に電力を供給可能としている。
 前記前作業灯用スイッチ47と後作業灯用スイッチ48とは切換スイッチ41の接点41bに対して並列に接続されており、前作業灯用スイッチ47をONすることで前作業灯45が点灯され、後作業灯用スイッチ48をONすることで後作業灯46が点灯される。
 前記方向指示器49の操作スイッチ42や前照灯用スイッチ32や作業灯用スイッチ33、前作業灯用スイッチ47、後作業灯用スイッチ48は前述のように運転部2に配置されるものであり、本実施例では操向ハンドル13近傍のダッシュボード8に配置されている。
 前記作業灯19L・19Rの点灯は、夜間の前照灯用スイッチ32をONした状態における、方向指示器49の操作スイッチ42、及び、作業灯用スイッチ33に接続された切換スイッチ41により走行操作具または作業操作具の操作に連動させることができる。走行操作具と連動させる場合には、副変速レバー43(図1に図示)の回動基部の高速変速位置に、または、ミッションケース9内の変速歯車の高速位置にスイッチまたはセンサーから構成した切換スイッチ41が配置される。こうして、前照灯18を点灯し、作業灯用スイッチ33をONした状態において、副変速レバー43が変速操作されて高速位置に位置すると、切換スイッチ41の接点41bがOFF(接点41aはON)となり、作業灯19L・19Rは消灯される。一方、副変速レバー43が高速位置以外であれば切換スイッチ41の接点41bがON(接点41aはOFF)となり、作業灯19L・19Rは点灯される。つまり、作業灯19L・19Rは作業灯用スイッチ33をONした状態で、高速走行時には消灯され、低速走行時には点灯できるように構成されているのである。
 また、前記切換スイッチ41は機体の走行速度検知手段とし、走行速度に連動させることもできる。この場合、切換スイッチ41は、機体の走行速度を検知するセンサー、例えば非接触式の回転数センサーやドップラー式等の車速センサーで構成され、機体の走行速度が設定速度以上となると、路上走行状態として切換スイッチ41が切り換えられるように構成されている。つまり、夜間に走行する場合、前照灯用スイッチ32をONすることにより前照灯18を点灯し、作業灯用スイッチ32をONした状態において、機体の走行速度が設定速度以上となると、センサーの接点41bがOFFとなり、作業灯19L・19Rは消灯される。一方、機体の走行速度が設定速度未満であればセンサーの接点41bがONとなり、作業灯19L・19Rは点灯される。
 また、作業操作具と連動させて、作業時に作業灯を点灯できるようにすることもできる。即ち、PTO変速レバー44の回動基部のニュートラル位置、または、ミッションケース9内のPTO変速装置の歯車のニュートラル位置にスイッチまたはセンサーで構成した切換スイッチ41が配置される。こうして、前照灯18を点灯して、作業灯用スイッチ33をONした状態において、PTO変速レバー44がニュートラルに位置すると、切換スイッチ41の接点41bがOFF(接点41aはON)となり、作業灯19L・19Rは消灯される。一方、PTO変速レバー44がニュートラル位置以外であれば切換スイッチ41がON(接点41aはOFF)となり、作業灯19L・19Rは点灯される。つまり、作業灯19L・19Rは作業灯用スイッチ33をONした状態で、非作業時には消灯され、作業時には点灯できるように構成されているのである。なお、前後の作業灯用スイッチ47・48も同様にON・OFFされる。
 このように構成することによって、夜間において、前照灯用スイッチ32をONすると前照灯18が点灯され、作業時に作業灯19L・19Rを点灯させる場合に、作業灯用スイッチ33をONすると、低速変速時または設定速度以下の低速時、または、PTOを駆動した作業時に、切換スイッチ41の接点41bがONして、作業灯19Lまたは19Rが点灯可能となる。そして、該接点41bには、後述する左右旋回を検知する手段となる左右のリミットスイッチ35L・35Rが並列に接続されて作業灯19L・19Rとそれぞれ接続されている。これにより、前照灯用スイッチ32と作業灯用スイッチ33がONされた状態で、切換スイッチ41の接点41bがONされ、且つリミットスイッチ35L・35RがONされたときに作業灯19L・19Rが点灯される。
 また、前記切換スイッチ41の接点41aには、方向指示器49の操作スイッチ42の接点42Lb・42Rbを介して作業灯19L・19Rと接続されており、夜間の路上走行時には方向指示器の操作と連動して旋回側の作業灯を点灯可能としている。なお、接点42La・42Raと接点42Lb・42Rbは連動される。
 すなわち、運転部2には方向指示器49の操作スイッチ42が配置され、該操作スイッチ42は2連の接点を有し連動され、バッテリ7には接点42La・42Raを介して方向指示器49L・49Rと接続されて、昼間においては、操作スイッチ42を操作することで、旋回側の方向指示器、つまり、接点42Laまたは42Raを介して方向指示器49Lまたは49Rを点滅させるようにしている。
 そして、夜間において、前照灯用スイッチ32をONして前照灯18を点灯し、路上走行(高速変速時または非作業時)の場合、切換スイッチ41の接点41aがONし、操作スイッチ42を操作すると、旋回側の接点42Lbまたは42RbがONして、旋回側の作業灯19Lまたは19Rが点灯するのである。なお、前照灯用スイッチ32と接点41aの間に切換スイッチを設けて、方向指示器の操作スイッチ42を操作しても作業灯19L・19Rが点灯しないようにすることもできる。また、接点42Lb・42Rbを所定時間ごとにON/OFFさせる駆動回路を設けることで、機体前部の作業灯19L・19Rを方向指示器として利用することも可能である。
 前記リミットスイッチ35L・35Rは、操向ハンドル13または前輪3の左右方向の角度が設定角度以上回動するとONするように構成されている。この具体的構成について、図5を用いて説明する。なお、リミットスイッチ35L・35Rは前記フロントアクスルケース10の左右両側に対称に配置され、左右略同じ構成となっているので、一側方(左側)について説明する。
 前記フロントアクスルケース10の左右両側には伝動ケース28が固設されており、該伝動ケース28を覆うように操向回動ケース29が回転自在に取り付けられている。該操向回動ケース29内にキングピン26が軸受等を介して回転自在に支持されている。また、該操向回動ケース29には車軸31が軸受等を介して回転自在に支持され、該車軸31に前輪3がボルト等によって固定されている。
 前記操向回動ケース29は図示しないナックルアームと連結されて、該ナックルアームからはリンク等を介して操向ハンドル13(図1に図示)と連動連結されて、或いは、パワステシリンダと連動連結されて、操向ハンドル13の回動によって前輪3を左右操向回動できるように構成されている。
 前記伝動ケース28の上部には固定部材40が固設され、該固定部材40の前記キングピン26の延伸上方位置に回転軸36が回転自在に挿通されている。該回転軸36の上部にはアーム38とカム37Lが固定され、該アーム38は正面視逆L字状に構成されて他端を操向回動ケース29に固設されている。こうして、カム37Lがアーム38を介して前輪3とともに回動するように構成されている。
 そして、前記伝動ケース28またはフロントアクスルケース10にリミットスイッチ35Lがカム37Lに対向するように固定されている。該リミットスイッチ35Lとカム37Lは、カバー34により覆われて、誤作動が生じないように雨水や泥土等から保護されている。
 前記カム37Lは、図4に示すように、回転軸36を中心として大径部と小径部が形成され、カム37Lの外周にリミットスイッチ35Lの接点が当接するように配設されている。よって、前記リミットスイッチ35Lは、カム37Lが回転軸36を中心に回動することにより、その接点がカム37Lの小径部に当接しているときにOFFし、大径部に当接しているときにONするようになる。
 このように構成することにより、操向ハンドル13を回動操作すると、ナックルアームを介して前記操向回動ケース29が回動し、前記アーム38を介してカム37Lが回動される。そして、該カム37Lが設定角度以上回動すると大径部にリミットスイッチ35Lが当接してONし、作業灯19Lが点灯される。
 なお、前記カム37Lの大きさや形状、または前記リミットスイッチ35Lを配置する位置等を調整することにより、操向ハンドル13を回動して前記作業灯19Lを点灯する設定角度を調整することができる。
 また、設定角度以上操向ハンドル13を回動したときに作業灯19L(または19R)を点灯するための構成は前記構成に限定するものではなく、リミットスイッチ35やカム37は伝動ケース28内に配置することもでき、操向ハンドル13とナックルアームの間の伝動機構に配置することもできる。また、アーム38が直接リミットスイッチ35をON・OFFする構成とすることもできる。また、操向ハンドル13または前輪3の左右回転角の検知手段として、ポテンショメータやロータリエンコーダ等のセンサーを用いることも可能である。
 以上のような構成にすることにより、前照灯用スイッチ32をONして前照灯18を点灯し、更に作業灯用スイッチ33をONした状態で、操作具を作業側、または、低速側に変速すると、例えば、副変速レバー43を低速側に変速すると、切換スイッチ41の接点41bがONとなる。この状態から、操向ハンドル13を設定角度以上回動すると、リミットスイッチ35がONし、回転した側の作業灯19L(または19R)が点灯される。
 したがって、機体旋回側の前輪3近傍を照射することができ、夜間作業をする際に、障害物等がある場合等予め察知することが容易となり、より安全な運転が可能となる。また、非作業走行時には、通常作業灯を確実に消灯し、旋回時のみ旋回側の作業灯を点灯させることができる。よって、旋回する際の周囲からの視認性がよくなり、安全性を向上することができる。
 次に、夜間の作業時(低速時)における作業灯19L・19Rを点灯制御する第二実施例について、図6を用いて説明する。
 この実施例の場合、操向ハンドル13を設定角度以上回動すると、左右両側の作業灯19L・19Rが点灯するようにしている。つまり、前記カム37を円板の外周の一部を略半月状に切除して、伝動ケース28の左右一側に設け、或いは操向ハンドル13を支持するハンドル軸に固設し、該カム37に対向してリミットスイッチ35を配置する。そして、該リミットスイッチ35を前記切換スイッチ41に直列に接続し、更に作業灯19L・19Rと並列に接続している。
 こうして、前照灯用スイッチ32をONして前照灯18を点灯し、更に、作業灯用スイッチ33をONした状態で、操作具を作業(低速)側に変速すると切換スイッチ41の接点41bがONとなる。この状態において、操向ハンドル13または操向輪3が直進位置にある場合、リミットスイッチ35の接点はカム37外周に当接せずOFFとなり、作業灯19L・19Rは消灯される。そして、直進位置から操向ハンドル13を設定角度以上回動すると、リミットスイッチ35の接点がカム37外周に当接してONとなり、左右両側の作業灯19L・19Rが点灯する。この旋回中、前照灯18及び作業灯19L・19Rが点灯するので、夜間作業時において、旋回機体周囲を照らすことができて、圃場端の様子が判り、切り返す場合など容易に周囲を判断することができる。また、左右一側のみまたはハンドル軸にのみカム37及びリミットスイッチ35を設ける構成であるので、部品点数を削減してコスト低減化を図ることができる。なお、カム37を伝動ケース28に設ける場合左右旋回時の回動角が異なるのでカム形状または固定位置は適宜変更する必要がある。
 次に、作業灯19L・19Rを点灯制御する第三実施例について、図7を用いて説明する。
 この実施例の場合、前記第一実施例の構成と第二実施例の構成と手動操作を選択できるようにしたものであり、前記切換スイッチ41に選択スイッチ39aが接続され、該選択スイッチ39aの選択される側の第一の端子には、前記リミットスイッチ35の代わりにセンサー52の接点52L・52Rを介して作業灯19L・19Rが接続される。該センサー52はポテンショメータ等で構成され、設定角度以上回動するとONするようになっている。これにより、操向ハンドル13を回動して、前輪3が設定角度以上回動されると、旋回側の作業灯19Lまたは19Rが点灯される。
 前記選択スイッチ39aの選択される側の第二の端子には、前記リミットスイッチ35の代わりにセンサー52の接点52aを介して作業灯19L・19Rが接続される。左右の作業灯19L・19Rは接点39bを介して接続されており、該接点39bは選択スイッチ39aが第二の端子と接続したときにONするように構成されている。また、接点52aはセンサー52が左右両方向に設定角度回転されるとONするように構成されている。よって、操向ハンドル13が設定角度以上回動されると、接点52aがONされ、作業灯19Lと、更に接点39bを介して作業灯19Rとが同時に点灯される。
 また、前記選択スイッチ39aの選択される側の第三の端子には、前記リミットスイッチ35の代わりに手動スイッチ51L・51Rを介して作業灯19L・19Rが接続される。こうして、前照灯用スイッチ32と作業灯用スイッチ33をONして、選択スイッチ39aを第三の端子に接続しておき、必要な時のみ手動スイッチ51Lまたは51RをONすることにより、必要な側の作業灯19L・19Rまたは両方を点灯させることができる。これにより、夜間作業時に常時点灯させることもできるし、旋回時のみ手動で点灯させることもできるし、確認のために直進走行時でも必要に応じて点灯させることもできる。
 次に、作業灯19L・19Rを点灯制御する第四実施例について、図8を用いて説明する。
 この場合、夜間作業時に片側の作業灯を常時点灯させるようにするためのものであり、第一実施例の切換スイッチ41にリミットスイッチ35L・35Rとラッチングリレー(キープリレー)54が接続されている。該リミットスイッチ35L・35Rとラッチングリレー54の接点54aとは並列に接続され、該接点54aの他側の二つの端子に作業灯19L・19Rがそれぞれ接続されている。リミットスイッチ35L・35Rは前述のようにカム37によりONする構成とすることもできるが、本実施例では左右のブレーキペダル53Lまたは53Rを踏むことによりONする構成としている。なお、リミットスイッチの代わりにセンサーを用いることもできる。
 このような構成において、前照灯用スイッチ32をONして前照灯18を点灯し、作業灯用スイッチ33をONして切換スイッチ41がONされた状態で、旋回するために左右一側(例えば左側)のブレーキペダル53Lを踏むと、リミットスイッチ35LがONされてラッチングリレー54が作動し、その接点54aが切り換えられて作業灯19Lが点灯される。そして、左側の作業灯19Lが点灯されたままの状態で、左旋回、続いて直進作業が行われ、機体が圃場端に至ると、未作業側は右側であるから、右ブレーキペダル53Rが踏まれて右旋回が行われる。このとき、リミットスイッチ35RがONされてラッチングリレー54が作動し、その接点54aが切り換えられて、左側の作業灯19Lが消灯され、右側の作業灯19Rが点灯される。なお、所望の側の作業灯19が点灯していない場合は、その側のブレーキペダル53を踏むことにより点灯できる。
 例えば、トラクタ1にロータリ耕耘装置を連結して夜間耕耘作業を行う場合、既耕地と未耕地の境界部分を目標に既耕地側を照らしながら操向して耕耘作業を行い、圃場端で未耕地側のブレーキペダルを踏んで未耕地側に旋回すると、未耕地側に作業灯を切り換えて照射することになり、その後、直進作業時においては既耕地側を照らして走行することとなる。したがって、枕地において旋回するときに作業灯の照射切り換えを行うことなく自動的に切り換えられ、作業性を向上することができるのである。
 但し、リミットスイッチ35は操向ハンドルの回転に連動させることも可能である。また、前記スイッチやリレーはトランジスタ等のスイッチング素子を用いることも可能である。また、これらをマイクロコンピューター等でソフトにより制御する構成とすることもできる。また、作業灯はボンネットや機体フレームやバンパーの左右に配置することもできる。また、第四実施例の構成を、更に第三実施例の選択スイッチで選択できるように構成することもできる。
本発明に係る作業車両の一実施例であるトラクタの全体側面図。 本発明に係るライトを具備したトラクタの前部斜視図。 ライト部の平面断面図。 第一実施例の制御回路図。 前輪支持部の前面一部断面図。 第二実施例の制御回路図。 第三実施例の制御回路図。 第四実施例の制御回路図。 ライト部の変形例を示す平面断面図。
符号の説明
 3  前輪
 13  操向ハンドル
 18  前照灯
 19L・19R  作業灯
 20  ライト
 32  前照灯用スイッチ
 33  作業灯用スイッチ
 35L・35R  リミットスイッチ
 41 切換スイッチ
 43  副変速レバー
 44  PTO変速レバー

Claims (7)

  1.  機体前部に前方を照らす前照灯と前側方を照らす作業灯を設けた作業車両のライトにおいて、走行変速操作具または変速装置に低速変速を検知する手段を設けて前記作業灯と接続し、作業灯用スイッチをONした状態で、高速走行時には作業灯を消灯し、低速走行時には作業灯を点灯可能に構成したことを特徴とする作業車両のライト。
  2.  機体前部に前方を照らす前照灯と前側方を照らす作業灯を設けた作業車両のライトにおいて、前記作業灯と機体の走行速度を検知する手段とを接続し、作業灯用スイッチをONした状態で、機体の走行速度が設定速度以上となると作業灯を消灯し、設定速度未満では作業灯を点灯可能に構成したことを特徴とする作業車両のライト。
  3.  機体前部に前方を照らす前照灯と前側方を照らす作業灯を設けた作業車両のライトにおいて、作業操作具またはPTO変速装置に設けた作業位置を検知する手段を前記作業灯と接続し、作業灯用スイッチをONした状態で、非作業時には該作業灯を消灯し、作業時には該作業灯を点灯可能に構成したことを特徴とする作業車両のライト。
  4.  前記作業灯を操向ハンドルまたは操向輪の回動部に設けた角度検知手段と接続して、操向ハンドルまたは操向輪を設定角度以上回動すると、左右両方の作業灯を点灯するように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の作業車両のライト。
  5.  前記作業灯を操向ハンドルまたは操向輪の回動部に設けた角度検知手段と接続して、操向ハンドルまたは操向輪を設定角度以上回動すると、旋回側の作業灯を点灯するように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の作業車両のライト。
  6.  前記作業灯を操向ハンドルまたは操向輪の回動部に設けた角度検知手段と接続して、操向ハンドルまたは操向輪を設定角度以上回動すると、左右両方の作業灯の点灯と、旋回側の作業灯の点灯とを選択可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のいずれか一項に記載の作業車両のライト。
  7.  機体前部に前方を照らす前照灯と前側方を照らす作業灯を設けた作業車両のライトにおいて、前照灯用スイッチと方向指示器の操作手段に連動される接点と前記作業灯と接続し、前照灯用スイッチをONした状態で、方向指示器の操作手段を操作した時に、方向指示器操作側の作業灯を点灯するように構成したことを特徴とする作業車両のライト。
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