JP2004136646A - フッ素フィルム積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フッ素フィルムの一方の面に、厚み2μm以上の紫外線吸収層が設けられ、該層を介して流滴層が設けられた積層体であって、波長300〜350nmの紫外線領域における初期平均全光線透過率が5%以下であるフッ素フィルム積層体とする。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性フッ素フィルム積層体およびそれを用いた農業ハウス用基材フィルムに関し、更に詳しくは長期間、紫外線に曝されても紫外線吸収機能の低下が小さく、かつ流滴層との接着性および長期防曇機能に優れた耐候性フッ素フィルム積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フッ素フィルムは耐候性に優れた基材として屋外用、例えば農業ハウスの展張り用として広く適用されてきた。しかしフッ素フィルムは紫外線領域における光線の殆どを透過させるため、ハウス内の機材が劣化するという問題があった。またハウス内面に設けられる流滴層はフッ素フィルムとの密着性が不十分であることから長期的に安定した流滴機能を保持することが困難であった。
【0003】
例えば波長300〜330nmの光線透過率が50〜85%でかつ波長400nm以上の光線透過率が85%以上のフッ素樹脂フィルム(特許文献1および2参照)、フッ素フィルム上に各種の樹脂に紫外線吸収剤を混合した層を積層したもの(特許文献3参照)、フッ素樹脂フィルム上に防曇剤を含有した樹脂層を設けたもの(特許文献4参照)などが提案されている。
【0004】
しかしながら紫外線領域の光線が50〜85%透過する場合には、農業ハウス用として用いた場合、内部の機材の劣化は若干抑制されるものの長期的にみれば劣化は避けられない。
【0005】
また紫外線吸収剤を混合した積層膜は、紫外線吸収剤が経時的に表面に析出し、脱落するため長期的な機能という点において不十分である。さらに防曇剤を混合した積層膜のみでは本来の紫外線吸収機能はなく、フッ素フィルムを透過する紫外線によって防曇層の劣化が促進される。更に防曇層とフッ素フィルムの接着性を向上させる目的で接着層を介して防曇層を設けた場合には、接着層の紫外線による劣化により防曇層の脱落が発生するという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開平6−46683号公報
【0007】
【特許文献2】特開平6−90627号公報
【0008】
【特許文献3】特開平6−171036号公報
【0009】
【特許文献4】特開平7−1684号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決したフッ素フィルム積層体およびそれを用いた農業ハウス用基材フィルムを提供するものであり、劣化を促進させる波長350nm以下の紫外線の殆どを透過せず、かつハウス内部に適用される流滴層の密着性に優れたフッ素フィルム積層体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フッ素フィルムの一方の面に、厚み2μm以上の紫外線吸収層が設けられ、該層を介して流滴層が設けられた積層体であって、波長300〜350nmの紫外線領域における初期平均全光線透過率が5%以下であることを特徴とするフッ素フィルム積層体をその骨子とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明でいうフッ素フィルムとは、例えば4フッ化エチレン重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、2フッ化ビニリデン重合体、3フッ化エチレン重合体、1−フッ化エチレン重合体、塩化1フッ化エチレン重合体などを挙げることができる。これらの中でも機械特性、製膜性、加工適性などの点からエチレン−4フッ化エチレン共重合体フィルム(以下エチレン−4フッ化エチレン共重合フィルムをETFEフィルムと略称する)を用いるのが好ましい。該ETFEフィルムには本発明の効果を阻害しない範囲内において各種の添加剤を配合することができる。例えば耐熱安定剤、各種顔料、染料、有機または無機の微粒子、分散剤、充填剤などを用いても良い。
【0013】
ETFEフィルムは未延伸、一軸延伸、二軸延伸などいずれでも用いうる。ETFEフィルムの厚みは特に限定しないが、加工性やハウス用などに用いる場合には25μm〜500μm、好ましくは50μm〜250μmの範囲で使用するのが望ましい。またハンドリング性や滑り性を付与するために有機、無機の粒子を添加するのが望ましい。本発明においてETFEフィルムの片面に紫外線吸収層を設けるが、該層を設けるためにETFEフィルムの表面に各種の表面処理を施すのが塗布性、接着性等の点で好ましい。表面処理の方法としては、例えば空気、窒素、炭酸ガス雰囲気中でのコロナ放電処理、プラズマ処理、アルカリ金属溶液処理、高周波スパッタ処理などを挙げることができる。
【0014】
本発明ではフッ素フィルムの一方の面に紫外線吸収層が設けられ、該層を介して流滴層が設けられるものであり、例えば農業ハウスなどに使用する場合には、流滴層を内面として展張されるものである。両面に設けた場合には、屋外用途に使用した場合に砂塵などによる表面のキズおよび汚れ付着などが発生するので好ましくない。
【0015】
本発明で用いる紫外線吸収層を形成する材料は、特に限定するものではないが、以下の(a)〜(c)から構成される架橋性官能基を有する反応生成物樹脂および架橋剤からなる熱硬化性紫外線吸収層であるのが好ましい。
(a)ヒンダードアミン系光安定剤、
(b)紫外線吸収能を有するモノマー、
(c)アクリルモノマー
本発明のアクリルモノマーとしては例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ここで、アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、シクロヘキシルなどが好ましく例示される。架橋性官能基を有するモノマーの架橋性官能基としては例えばカルボキシル基、メチロール基、酸無水物基、スルホン酸基、アミド基、メチロール化されたアミド基、アミノ基、アルキロール化されたアミノ基、水酸基、エポキシ基などが例示される。
【0016】
上記架橋性官能基を有するモノマーを例示すると、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタクリルアミド、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、および上記アミノ基をメチロール化したもの、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、β−ヒドロキシビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。更に上記以外に次のような組成物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、ブチルビニルエーテル、マレイン酸およびイタコン酸のモノあるいはジアルキルエステル、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル基を有するアルコキシシラン、および不飽和結合を有するポリエステルなどを共重合成分として用いることもできる。
【0017】
これらと共重合される反応性を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−アクリロイルオキシエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−アクリロイルオキシエチルフェニルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−メタクリロキシエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−メタクリロキシエチルフェニルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−5−アクリロイルエチルフェニル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−5−アクリロイルエチルフェニルピペリジン重縮合物などを挙げることができる。更に上記組成物と共重合する紫外線吸収能を有するモノマーとしては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系が好ましく使用される。ベンゾトリアゾール系反応性モノマーとしては骨格にベンゾトリアゾールを有し、かつ不飽和結合を有するモノマーであれば特に限定されないが、好ましいモノマーを例示すると2−(2’−ヒドロキシ−5’−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−アクリロイルエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。またベンゾフェノン系反応性モノマーとしては、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2−2’−4、4’−テトラヒドロキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4、4’−ジメトキシ−5−アクリロイルオキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−5−アクリロイルエチルフェニルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−アクリロイルエチルフェニルベンゾフェノンなどを挙げることができる。
【0018】
アクリルモノマーと共重合される上記のヒンダードアミン系反応性組成物および紫外線吸収能を有するベンゾトリアゾール系反応性組成物、ベンゾフェノン系反応性組成物の共重合比率は特に限定しないがヒンダードアミン系反応性組成物が0.5重量%〜10重量%、ベンゾトリアゾール系反応性組成物および/またはベンゾフェノン系反応性組成物が5重量%以上50重量%以下の範囲で共重合されるのが耐候性、塗膜の強靱性、接着性の点で好ましい。これらの共重合体の分子量は特に定めるものではないが5000以上好ましくは2万以上であるのが塗膜形成後の強靱性の点で好ましい。これらの重合体は有機溶媒、水あるいはそれらの混合溶媒に溶解もしくは分散した形で使用される。
【0019】
本発明の紫外線吸収層は熱硬化型であるのが好ましく、上記の共重合体におけるアクリレート成分、反応性紫外線吸収モノマー成分が有する架橋性官能基、例えば水酸基、カルボン酸基、エポキシ基、メチロール基などを共重合体中に有するものが好ましく使用される。
【0020】
これらの架橋性官能基は、上記のアクリレートモノマー種を適宜選択することにより付与できる。このような共重合体としては、例えばユータブル(日本触媒化学工業(株)製)があり、詳しくはユーダブルUVシリーズが好適な材料である。
【0021】
熱によって架橋硬化させるためには、自己架橋であってもよいが、架橋剤を併用するのが好ましい。好ましい架橋剤としては、イソシアネート類、メラミン類、エポキシ類、オキサゾリン類などが好適であり、特にイソシアネート類を用いるのがフッ素フィルムとの密着性、流滴層との密着性の点で好ましい。紫外線吸収能を有する上記共重合体に対する架橋剤の添加量は特に限定しないが、固形分対比で3〜40重量部であるのが接着性、紫外線吸収機能の点から好ましい。
【0022】
本発明ではフッ層フィルムの上に紫外線吸収層を設け、該層を介して流滴層を設けることを特徴とするものであるが、ここで流滴層とは、農業ハウスに適用した場合に、ハウス内で結露した水滴付着による曇りを防止するための機能を有する層である。
【0023】
このような層を形成する材料としては、例えば水酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、アミド基およびこれらの金属塩、エステル化物などの親水性基を有する組成物が好適である。このような組成物を例示するとポリビニルアルコール、5−スルホイソフタル酸金属塩共重合ポリエステル、ポリアミド、ジアセテートおよびそのケン化物、セルロース類などを挙げることができる。これらの組成物の塗膜耐久性、接着性を向上させる目的でイソシアネート、メラミン、エポキシ、シラン化合物などの架橋剤を併用するとより好ましい。また流滴層中に紫外線吸収剤を含有させることもできる。例えば特開平7−171934号公報、特開平10−244637号公報に開示される親水性樹脂と無機親水性コロイド物質から構成される塗膜などを用いることができる。本発明において紫外線吸収層は2μm以上、好ましくは3μm以上とする必要がある。上限は特に設定する必要はないが機能面、経済性から勘案すると30μm以下、好ましくは20μm以下である。紫外線吸収層の厚みが2μm未満の場合には紫外線吸収機能が十分ではない。また流滴層の厚みは0.2〜5μm、好ましくは0.5〜3μmであるのが望ましい。
【0024】
上記2層を積層したフッ素フィルムの波長300〜350nmの紫外線領域での初期平均全光線透過率は5%以下であり、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下であるのが望ましい。また可視光波長域での代表波長である550nmでの全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上であるのが望ましい。紫外線領域での初期全光線透過率が5%を越える場合には、長期屋外展張りなどでの劣化による紫外線カット機能が不十分となり、ハウスなどに適用した場合、ハウス内の機材の劣化を招いたり、紫外線吸収層上に設けられた流滴層の劣化を早めたりする。
【0025】
長期の屋外暴露を想定したテスト方法としてアイスーパーSUV−F1型(岩崎電機(株)製)による劣化テストがあり、本願評価方法(2)に準じて行ったテストにおいて初期透過率を5%以下にすることにより20サイクル(屋外暴露8〜10年相当)後の透過率を15%以下に抑制することができる。
【0026】
また本発明のフィルムを農業ハウスに適用する場合には、流滴層をハウス内面となるように展張りするのが好ましく、これにより長期に渡り紫外線を遮断し、ハウスの汚れなどの外観不良を防止することができる。
【0027】
以下に本発明のフッ素フィルム積層体の製造方法について説明するが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0028】
市販のフッ素フィルム(例えば“トヨフロン”(東レ合成フィルム(株)製ETFEフィルム))の流滴層を設ける面をコロナ放電処理し、該表面に有機溶媒に溶解したヒンダードアミン系光安定剤と紫外線吸収能を有するモノマーとアクリルモノマーを含有する架橋性官能基を有する反応生成物樹脂溶液中にポリイソシアネートを溶解混合した塗液を作成する。この塗液をリバースグラビア方式で塗布し、100℃〜150℃で10秒〜1分間乾燥する。続いて該層上に水もしくは有機溶媒に溶解もしくは分散させた流滴層形成塗布液を同様の方法で塗布、乾燥する。更に必要に応じて常温〜80℃の温度で1日〜7日間保管し、本発明のフッ素フィルム積層体を得る。
【0029】
本発明の特性は以下の評価方法に準じて測定したものである。
(1)積層膜密着性
積層膜面に1mm格子のクロスカットを入れ、その上にセロハン粘着テープ(ニチバン(株)製No.405)を指で強く押しつけ、90度方向に急速に剥離した。この方法により、100個のクロスカット格子の剥離状態以下の基準で評価し、◎および○を接着性良好と判定した。
◎:95個以上残存
○:95個未満80個以上残存
△:80個未満50個以上残存
×:50個未満残存。
【0030】
(2)紫外線劣化テスト
紫外線劣化促進試験機“アイスーパー”SUV−F1型(岩崎電気(株)製)を用いて照射劣化テストを行った。評価は照射/結露/休止を各々8時間づつ行い、それを1サイクルとして評価した。評価フィルムは非積層面から照射した。評価は上記(1)の接着性、および以下の方法で波長350nm以下の紫外線透過率、波長550nmの可視光透過率、ヘイズの変化を測定した。
【0031】
(3)全光線透過率(紫外線、可視光線)
U−3410形自己分光光度計を用いて波長300nm〜750nmの範囲で連続的に透過率を測定し、波長300〜350nmの平均全光線透過率、波長550nmの全光線透過率を測定値とした。
【0032】
(4)ヘイズ
JIS−K−6714に準じて日本精密光学(株)製ヘイズメーターSEP−H−2型を用いた。
【0033】
(5)流滴持続性
上記紫外線劣化テストに用いたサンプルの流滴面の水との接触角をCA−D型接触角計(協和界面科学(株)製)を用いて測定し、持続性を評価した。
【0034】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明を説明する。
実施例1
厚み100μmのETFEフィルム(“トヨフロン”東レ合成(株)製)の一方の面に空気中でコロナ放電処理を行い、表面濡れ張力を45mN/mとした。該処理面にヒンダードアミン系光安定剤と紫外線吸収能を有するモノマーとアクリルモノマーからなる架橋性官能基を有する反応生成物樹脂として“ユーダブル”UV6010(日本触媒化学工業(株)製)を用い該樹脂成分100重量部に対し、固形分重量比で10重量部のポリイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)製スミジュールN−3200)を添加し、トルエン/メチルエチルケトン(1/1)の混合溶媒で希釈して固形分濃度20重量%の塗液を作成した。この塗液をリバースグラビア方式を用いてETFEフィルムのコロナ放電処理面に乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布し、130℃で1分間熱風乾燥した。該層の上に流滴層としてポリビニルアルコール(デンカポバールK−24E:電気化学工業(株)製)/コロイダルシリカ(スノーテックス−40:日産化学工業(株)製)/非イオン界面活性剤(ノニオンNS−210:日本油脂工業(株)製)を固形分重量比で(80/19.7/0.3)の組成で均一分散させた濃度7重量%の水性塗液を乾燥後の厚みで0.8μmとなるようにリバースグラビア装置を用いて塗布し、120℃で1分間乾燥させた。さらにこの積層フィルムを常温で1週間放置した後、評価を行った。表1に示すとおり本フィルム積層体は紫外線域の波長を殆ど透過させず、かつ可視光域の透過性に優れ、劣化促進テストにおいても積層膜の密着性、表面汚れによるヘイズ上昇の小さいものであった。
【0035】
比較例1
積層膜を全く設けないETFEフィルム(コロナ放電処理なし)を用いた。
本フィルムは紫外線を透過させ、かつ水との接触角が大きく、ハウスに適用した場合、内部の機材の劣化、液滴付着による曇りが懸念されるものである。
【0036】
比較例2
実施例1の紫外線吸収層のみを積層したフィルムを用いた。本積層体は流滴層を設けていないため、表面の汚れが大きくヘイズ上昇が見られた。
【0037】
比較例3
実施例1において紫外線吸収層を積層せず、ETFEフィルム上に直接流滴層のみを形成したフィルムを作成した。本フィルムは本発明の紫外線吸収層を設けなかったため、紫外線遮断効果がないばかりか基材フィルムとの密着性が不十分であり、劣化促進テストにおいて流滴持続性が低下した。
【0038】
実施例2〜5、比較例4
実施例1において紫外線吸収層の厚みを1μm(比較例4)、2μm(実施例2)、3μm(実施例3)、7μm(実施例4)、10μm(実施例5)とした以外は同様にしてフッ素フィルム積層体を作成した。本積層体は紫外線吸収層の厚みが本発明の範囲に満たないものは積層膜の密着性が不十分であり、劣化促進テストにおいて更に密着性が低下した。一方、本発明の範囲にあるものは十分な機能を備えており、特に紫外線吸収層の厚みが増した場合は極めて優れた特性を示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
本発明のフッ素フィルム積層体は、フッ素フィルムの一方の面に、厚み2μm以上の紫外線吸収層が設けられ、該層を介して流滴層が設けられた積層体であって、波長300〜350nmの紫外線領域における初期平均全光線透過率が5%以下であることを特徴とするものあり、以下の効果を有する。
紫外線をカットし、かつ流滴層の接着性、耐久性を向上させたものであり、例えば農業ハウスなどの屋外用途に該流滴層を内面にして展張することでハウス内部の機材の劣化を防止するとともに長期に渡ってハウス内部の結露を防止できるものである。
Claims (3)
- フッ素フィルムの一方の面に、厚み2μm以上の紫外線吸収層が設けられ、該層を介して流滴層が設けられた積層体であって、波長300〜350nmの紫外線領域における初期平均全光線透過率が5%以下であることを特徴とするフッ素フィルム積層体。
- 紫外線吸収層が下記(a)〜(c)から構成される架橋性官能基を有する反応生成物樹脂および架橋剤から形成された熱硬化型紫外線吸収層であることを特徴とする請求項1記載のフッ素フィルム積層体。
(a)ヒンダードアミン系光安定剤
(b)紫外線吸収能を有するモノマー
(c)アクリルモノマー - 農業ハウス用基材フィルムに用いられ、流滴層が内面になるように展張りされることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のフッ素フィルム積層体。
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