JP2004131592A - ビニル系化合物の懸濁重合用分散剤 - Google Patents

ビニル系化合物の懸濁重合用分散剤 Download PDF

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松岡 敏文
Akinobu Oharada
小原田 明信
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Abstract

【課 題】ビニル系化合物を懸濁重合してビニル系重合体を製造するに際し、重合を安定に行うことができ、かさ比重が高く、ポロシティが高い粒子構造を有し、粒度分布がシャープであって、加工性に優れたビニル系重合体粒子を与える懸濁重合用分散剤を提供すること。
【解決手段】20℃における4重量%水溶液粘度が1.5〜80mPa・sで、末端または分子鎖中にオキシアルキレン基を含有する水溶性ポリビニルエステル系樹脂からなることを特徴とするビニル系化合物の懸濁重合用分散剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニル系化合物の懸濁重合用分散剤に関する。さらに詳しくは、かさ比重が大きくかつ多孔性であり、可塑剤の吸収性能が高く、粒径分布がシャープなビニル系重合体粒子を製造することができるビニル系化合物の懸濁重合用分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル系樹脂などのビニル系重合体の製造は工業的には水溶性媒体中で分散剤の存在下にビニル系化合物を分散させ、油溶性触媒を用いて、重合を行う懸濁重合法が広く実施されている。一般に該樹脂の品質を支配する要因としては、重合率、水−モノマー比、重合温度、重合開始剤の量や仕込み時期、重合槽の形式、撹拌速度あるいは分散剤の種類、量等が挙げられるが、この中でも分散剤の影響が大きいと言われている。
【0003】
ビニル系化合物の懸濁重合用分散剤に要求される性能としては、(1)少量の使用で懸濁重合安定性に顕著に優れ、得られるビニル系重合体粒子の粒径分布をできるだけシャープにする働きがあること、(2)可塑剤の重合体粒子への吸収速度を大きくして重合体の加工性を容易にし、重合体粒子中に残存する塩化ビニルなどのモノマーの除去を容易にし、かつ成形品中のフィッシュアイなどの生成を防止するために、重合体粒子をできるだけ均一にし、さらに多孔性にする働きがあること、(3)かさ比重の大きい重合体粒子を形成する働きがあること、(4)重合槽などにスケールの付着がないことなどが挙げられるが、塩化ビニル樹脂においては、特に分散剤はその性能に対する重要な要因である。
【0004】
かかる分散剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記することがある)、セルロース誘導体、ゼラチン等の主分散剤が用いられている。中でも、主分散剤としてケン化度65〜99モル%のPVAが用いられ、また、ケン化度65モル%未満のPVAが分散助剤として多用されているが、上記の(1)〜(4)の性能はいまだ十分とは言えず、塩化ビニル樹脂の性能を高めるために、主分散剤および分散助剤についても様々な試みがなされている。
【0005】
例えば、側鎖にアミノ基、アンモニウム基、カルボキシル基、スルホン酸基を有するビニルエステル系重合体を分散質とするビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤を主分散剤と併用することが試みられ、具体的には、(I)カルボキシル基又はスルホン酸基を0.1〜10モル%、ケン化度70モル%以下のビニルエステル系重合体を懸濁重合用分散助剤として従来公知の主分散剤とともに併用する方法(例えば特許文献1参照)、または(II)側鎖及び/又は末端にイオン性基を有し、かつケン化度が70モル%以下で、更にケン化度(Yモル%)とブロックキャラクター(η)が特定の条件を満足するPVAからなる塩化ビニル懸濁重合用分散助剤を従来公知の主分散剤とともに併用する事によって塩化ビニル系樹脂の生産性と品質の向上とを同時に達成する方法(例えば特許文献2参照)が挙げられ、更に他の方法として、(III)エチレン単位の含有量が0.5〜20モル%、ケン化度が60モル%以上、かつ重合度が600以上のビニルアルコール系重合体(A)、ならびにエチレン単位の含有量が0.5〜20モル%、ケン化度が20〜80モル%、かつ重合度が100〜600のビニルアルコール系重合体(B)からなるビニル系化合物の懸濁重合用分散剤を用いる方法(例えば特許文献3参照)が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−154810号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2001−233904号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開2002−97208号公報(請求項1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の(I)〜(III)の方法では、ビニル系モノマー特に塩化ビニルの懸濁重合においては、重合槽にスケールが付着するといった問題や生産性は若干改善されるものの、得られる塩化ビニル樹脂の可塑剤吸収性や粒子径分布のシャープさは必ずしも十分に満足できるレベルには達していない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、20℃における4重量%水溶液粘度が1.5mPa・s以上で、好ましくは末端または分子鎖中にオキシアルキレン基単位を5〜50モル%含有するポリビニルエステル系樹脂からなることを特徴とする化合物をビニル系化合物を懸濁重合用分散剤として用いることが上記課題を達成するのに有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の懸濁重合用分散剤の使用は、分散助剤としての使用を含む。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)20℃における4重量%水溶液粘度が1.5〜80mPa・sで、末端または分子鎖中にオキシアルキレン基を含有する水溶性ポリビニルエステル系樹脂からなることを特徴とするビニル系化合物の懸濁重合用分散剤、
(2) オキシアルキレン基が一般式(1)
【化3】
Figure 2004131592
[但しnは1〜50の整数]
で示されるオキシエチレン基または、オキシアルキレン基が一般式(2)
【化4】
Figure 2004131592
[但しnは1〜50の整数]
で示されるオキシプロピレン基であり、かつ、オキシアルキレン基単位を5〜50モル%含有する水溶性ポリビニルエステル系樹脂からなることを特徴とする前記(1)記載のビニル系化合物の懸濁重合用分散剤、
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において用いられるポリビニルエステル系樹脂の20℃における4重量%水溶液粘度は1.5mPa・s以上、好ましくは2mPa・s以上である。上限値は通常80mPa・sでよい。重合度が1.5mPa・s未満の場合には分散安定効果が小さく、特に分散安定助剤として用いた場合、ビニル系重合体粒子の粒径分布をシャープにする働きが小さい。
【0011】
本発明で言うオキシアルキレン基とは、好ましくは一般式(3)
【化5】
Figure 2004131592
[但しR、Rは水素またはアルキル基(好ましくは、メチル基)を、Xは水素、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルアミド基、スルホン酸塩基またはカルボン酸塩基等の酸塩基を、nは1〜100の整数を示す。]で表される構造を有するものであり、なかでもnが1〜50、好ましくは3〜50のオキシエチレン基もしくはオキシプロピレン基が好適である。オキシアルキレン基を有する単位の含有量は5〜50モル%好ましくは6〜25モル%である。オキシアルキレン基単位の量が5モル%未満の場合にはポリ酢酸ビニル系樹脂の水溶性が低下して分散剤として使用できない。また、オキシアルキレン基単位の量が50モル%を超える場合にはポリ酢酸ビニル系樹脂の水溶性は向上するが曇点が無くなるため分散剤としての効果が小さくなる。
【0012】
以下本発明についてさらに詳しく説明する。本発明のオキシアルキレン基を含有するポリビニルエステル系樹脂は脂肪族ビニルエステルとオキシアルキレン基を含有する不飽和単量体とを共重合することによって得られる。本発明に用いる脂肪族ビニルエステルとしてはギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどがあげられるが、特に酢酸ビニルがコストの面からも好ましい。
【0013】
オキシアルキレン基を有する不飽和単量体としては、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等が挙げられるがこれに限らない。
【0014】
また、脂肪族ビニルエステルと、オキシアルキレン基を有する不飽和単量体とを共重合する際に、本発明を損なわない範囲で脂肪族ビニルエステルはそれと共重合可能な不飽和単量体、例えば、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド基含有単量体、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、イソプロペニルアリルアルコール等の水酸基含有単量体、アリルアセテート、ジメチルアリルアセテート、イソプロペニルアリルアセテート等のアセチル基含有単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルへキシル、アクリル酸−n−ブチル等のアクリル酸エステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル、トリメトキシビニルシラン、トリブチルビニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン等のビニルシラン類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、ダイアセトンアクリルアミド等と共重合してもかまわない。
【0015】
共重合の方法は公知の方法で良く、ラジカル重合法、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等により重合されるが、中でもメチルアルコール等の溶剤中でα,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系または、過酸化ベンゾイル、過酢酸、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート等の過酸化物系の開始剤を用いて重合する方法が一般的である。共重合に際しては、メルカプタン類、アルデヒド類、ハロゲン含有化合物等を添加して重合度を調整したり、分子鎖末端を変性したりすることも可能である。また、未反応の単量体の除去方法及び乾燥、粉砕方法等も公知の方法でよく、特に制限は無い。
【0016】
本発明のポリビニルエステル系樹脂は懸濁重合用の主分散剤または分散助剤として用いられる通常の分散剤と同様、水に溶解して用いられる。主分散剤として用いる場合には20℃における4重量%水溶液粘度が25〜60mPa・s程度のものがよく使用され、分散助剤として用いる場合には20℃における4重量%水溶液粘度が2〜10mPa・s程度のものが一般的に良く使用されるがこれに限られるものではない。また、本発明のポリビニルエステル系樹脂と通常使用される分散剤、例えば、重合度200〜3500、鹸化度60〜95モル%の部分鹸化または完全鹸化ポリビニルアルコール、その他、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーなどの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤などを併用してもよい。また、これら分散剤の添加量については特に制限はないが、ビニル系化合物100重量部あたり0.01〜1.0重量部が好ましい。
【0017】
本発明の分散剤を用いて懸濁重合できる単量体すなわちビニル系化合物としては、塩化ビニルを単独の他、塩化ビニルを主体とし、塩化ビニルと共重合可能なコモノマーを含有した単量体混合物(通常、塩化ビニルを50重量%以上含有)を使用することもできる。かかるコモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、エチレン、プロピレン等のオレフィン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン等を例示することができる。
【0018】
また、懸濁重合を行うに際しては、重合開始剤は従来塩化ビニル系の重合に使用されているものを使用でき、具体的にはt−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルネオヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカネート、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカネート等のパーエステル化合物;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;デカノイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、p−メタンハイドロパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物;α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、α,α’−アゾビス(2,4 −ジメチルバレロニトリル)、α,α’−アゾビス(4−メトシキ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物などの油溶性の重合開始剤の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、更には過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性重合開始剤と併用することもできる。
【0019】
重合開始剤は、水又は単量体の仕込み中、あるいは仕込み終了後に添加すれば良く、予め単量体に均一に混合して単量体と共に仕込んでも良く、更には水性エマルジョンとして水性媒体と共に仕込んでも良い。
【0020】
本発明において、懸濁重合を行う際の特に制限はないが通常、重合温度は50〜80℃の範囲である。また重合に際しては連鎖移動剤を使用しても良く、具体的には、例えば2−メルカプト−2−チアゾリン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド等の有機リン化合物などが使用される。その他の重合条件は通常の条件とすることができ、例えば、単量体の重合体成分を懸濁分散させるために使用する水性媒体の仕込み量は、単量体との仕込み比(水/単量体)が1.0〜1.5程度で良く、必要に応じて重合の途中で水を追加することができる他、重合調整剤(例えば重合禁止剤など)、pH調整剤、ゲル化改良剤、帯電防止剤、架橋剤、安定剤、充填剤、酸化防止剤、緩衝剤、スケール防止剤等を添加することも任意である。重合反応終了後、例えば生成した通常は粒状の共重合体を採取し、乾燥することによってビニル系重合体を取得できる。このようにして得られるビニル重合体は、例えば電気・電子機器部材、建築資材、農業資材等に使用されるため公知の方法に従って成型される。
【0021】
【実施例】
以下具体例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限り「重量%」および「重量部」を意味する。
【0022】
「ポリ酢酸ビニル系樹脂の分析」
<20℃における4%水溶液粘度>
ポリ酢酸ビニル系樹脂を濃度が4%になるよう水に溶解後、20℃の恒温水槽にて放置して液温を20℃にした後、B型回転粘度計にて粘度を測定した。
【0023】
「塩化ビニル系単量体の重合性および得られた塩化ビニル系重合体の特性評価」(1)粒径分布タイラーメッシュ基準の金網を使用して乾式篩分析により粒径分布を測定した。
(2)かさ比重JI S K6721に従って塩化ビニル系重合体のかさ比重を測定した。
(3)CPA(Cold Plasticizer Absorption:冷可塑剤吸収)ASTM−D3367−75に記載された方法より、23℃におけるジオクチルフタレートの吸収量を測定した。
【0024】
[実施例1]
<ポリビニルエステル系樹脂の製造>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、圧力計を備えた反応器を窒素置換した後、脱酸素した酢酸ビニルモノマー1800重量部、ヒドロキシビニルブチルエーテル−EO付加物(EOの付加数は10単位)1000重量部、メタノール1000重量部を仕込み攪拌下で昇温を開始し内温が60℃となったところで、別途メタノール50重量部に開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))0.7重量部を溶解した溶液を添加して重合を開始した。60℃で5時間重合した後、冷却して重合を停止した。このときの重合溶液中の固形分濃度は55.1%であった。得られた重合溶液を塔内に多孔板を多段数有する脱モノマー塔に供給して塔下部よりメタノール蒸気を吹き込んで重合溶液と接触させ未反応の酢酸ビニルモノマーを除去した。このときのポリ酢酸ビニル系樹脂−メタノール溶液の固形分濃度は42%であった。このポリ酢酸ビニル系樹脂−メタノール溶液を押し出し式乾燥機で乾燥した後粉砕を行い本発明のポリ酢酸ビニル系樹脂を得た。本発明の樹脂は、20℃における4%水溶液粘度が36mPa・sであった。得られた樹脂をここではC−1と称す。
【0025】
<塩化ビニルの重合>
グラスライニング製オートクレーブに、得られた本発明の分散剤[1]および表1に示した分散剤[2]を溶かした脱イオン水50部およびジイソプロピルパーオキシジカーボネートの70%トルエン溶液0.05部を仕込み、オートクレーブ内を0.0065MPaとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニル単量体38部を仕込み、攪拌下に57℃に昇温して重合を行った。重合開始時、オートクレーブ内の圧力は0.86MPaであったが、重合開始6時間後に0 .48MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニル単量体をパージし、内容物を取り出し脱水乾燥した。塩化ビニル重合体の重合収率は87%であり、平均重合度は1030であった。重合性および塩化ビニル重合体の特性を上記の方法により評価した。評価結果を表2に示す。
【0026】
[実施例2]
<ポリビニルエステル系樹脂の製造>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、圧力計を備えた反応器を窒素置換した後、脱酸素した酢酸ビニルモノマー2100重量部、ヒドロキシブチルビニルエーテル−PO付加物(POの付加数は5単位)1200重量部、メタノール600重量部を仕込み攪拌下で昇温を開始し内温が60℃となったところで、別途メタノール50重量部に開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))0.7重量部を溶解した溶液を添加して重合を開始した。60℃で5時間重合した後、冷却して重合を停止した。このときの重合溶液中の固形分濃度は55.1%であった。得られた重合溶液を塔内に多孔板を多段数有する脱モノマー塔に供給して塔下部よりメタノール蒸気を吹き込んで重合溶液と接触させ未反応の酢酸ビニルモノマーを除去した。このときのポリ酢酸ビニル系樹脂−メタノール溶液の固形分濃度は42%であった。このポリ酢酸ビニル系樹脂−メタノール溶液を押し出し式乾燥機で乾燥した後粉砕を行い本発明のポリ酢酸ビニル系樹脂を得た。得られた本発明の樹脂は、20℃における4%水溶液粘度が49mPa・sであった。得られた樹脂をここではC−2と称す。
【0027】
<塩化ビニルの重合>
グラスライニング製オートクレーブに、表1に示した分散[1]および表1に示した分散剤[2]を使用して実施例1と同様にして重合、未反応の塩化ビニル単量体をパージ、内容物を取り出し脱水乾燥した。塩化ビニル重合体の重合収率は85%であり、平均重合度は1050であった。重合性および塩化ビニル重合体の特性を上記の方法により評価した。評価結果を表2に示す。
【0028】
[実施例3〜5]
反応器への酢酸ビニルモノマーとメタノールとの仕込み組成および変性モノマー種を変化させて数種類の分散剤を作成した。変性モノマー種及び分散剤の物性を表1に示す。表1に示した分散剤を用いて実施例1と同様にして塩化ビニルを懸濁重合した際の評価結果を表2に示す。
【0029】
[比較例1]
20℃における4%水溶液粘度が46mPa・s、ケン化度が80モル%の未変性(変性モノマーとの共重合をしていない)ポリビニルアルコールを表1のように配合して、実施例1と同様にして塩化ビニルの重合を行い得られた塩化ビニル重合体の特性の評価を行った。重合機内にかなりの塊状物が発生したので評価を中止した。
【0030】
[比較例2]
20℃における4%水溶液粘度が46mPa・s、ケン化度が80モル%の未変性(変性モノマーとの共重合をしていない)ポリビニルアルコールおよび20℃における4%水溶液粘度が5.2mPa・s、ケン化度が70モル%のポリビニルアルコールを表1のように配合して、実施例1と同様にして塩化ビニルの重合を行い得られた塩化ビニル重合体の特性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0031】
[比較例3]
実施例1の分散剤C−1に代えて、20℃における4%水溶液粘度が26mPa・s、ケン化度が88モル%、エチレン含有量が2モル%のエチレン変性ポリビニルアルコールを用いた以外は実施例1と同様にして塩化ビニルを重合した。塩化ビニルの評価結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004131592
【0033】
【表2】
Figure 2004131592
Figure 2004131592
【0034】
【発明の効果】
本発明の懸濁重合用分散剤を用いることにより、安定に重合を行うことが出来、結果として、かさ比重が高く、ポロシティーが高い粒子構造を有すると共に、粒度分布がシャープで、かつ加工性に優れた平均重合度400〜850の塩化ビニル系重合体等のビニル系重合体を安定に製造することができる。

Claims (2)

  1. 20℃における4重量%水溶液粘度が1.5〜80mPa・sで、末端または分子鎖中にオキシアルキレン基を含有する水溶性ポリビニルエステル系樹脂からなることを特徴とするビニル系化合物の懸濁重合用分散剤。
  2. オキシアルキレン基が一般式(1)
    Figure 2004131592
    [但しnは1〜50の整数]
    で示されるオキシエチレン基または、オキシアルキレン基が一般式(2)
    Figure 2004131592
    [但しnは1〜50の整数]
    で示されるオキシプロピレン基であり、かつ、オキシアルキレン基単位を5〜50モル%含有する水溶性ポリビニルエステル系樹脂からなることを特徴とする請求項1記載のビニル系化合物の懸濁重合用分散剤。
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