JP2004131436A - 香料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】4−メトキシスチレンを0.0001〜5質量%含有することを特徴とする香料組成物。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、香料組成物に関し、詳しくは、自律神経の中でも副交感神経を活性することができ、ストレスを解消するなどアロマテラピー効果を有する香料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現代社会には様々なストレスがあり、それらを解消するために様々な試みがなされている。香りの持つストレスを癒す効果についても着目され、近年香りの心理生理効果について様々な検討がなされている。
【0003】
これまでに天然精油及び単体の合成香料についてはこれまでに多くの心理生理測定が行われ、ストレス軽減や鎮静効果を持つものの探索が行われている(特許文献1〜11参照)。ところが、いずれも天然植物性香料や植物エッセンス、単品合成香料又は合成香料の併用、天然香料と合成香料の多種併用等、各香料原料の持つ鎮静効果やリフレッシュ効果等に関するものであり、その単独の香りの嗜好に関してはあまり芳しくないものが多かった。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−204473号公報
【特許文献2】
特開平7−305089号公報
【特許文献3】
特開平9−169993号公報
【特許文献4】
特開平9−20646号公報
【特許文献5】
特開平6−172781号公報
【特許文献6】
特開2000−86478号公報
【特許文献7】
特開平6−40906号公報
【特許文献8】
特開平7−316582号公報
【特許文献9】
特開平9−323918号公報
【特許文献10】
特開平5−286867号公報
【特許文献11】
特開2000−154394号公報
【0005】
例えば、植物から抽出される天然香料の香りは、香料の抽出過程において成分の構成比が変化し、また、回収しきれない香気成分や必要以上に抽出されてしまう成分が存在する。それ故、精油自体は依然として非常に貴重な香料素材として存在するが、自然に存在する植物から感じられる香りとは違った香りに変質してしまい、嗜好は劣る。また、単体の合成香料については、そのままでは薬品的な香りをもつものが多かった。
【0006】
このように従来の天然精油や合成香料の持つ心理生理効果に依存した香料組成物の香りは、たしかに効果はあるが、その香り自身の嗜好性がよいとは言えず、そのため効果を期待するために香りを強めると、嗜好に悪影響が多く、使用者によっては軽いストレスとなる場合があり、副交感神経を活性し、ストレスを解消するなどアロマテラピー効果を期待する目的とは相反する結果を招きかねない危惧があるのが実情であった。
【0007】
本発明は上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、合成単品香料でありながら嗜好性がよく受け入れられやすい香りであり、かつ副交感神経を活性することができ、ストレスを解消するなどアロマテラピー効果を有する香料組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記従来技術の課題について、多くの人に嗜好のよい香りであり、かつ副交感神経を活性することができ、ストレスを解消するなどアロマテラピー効果を有する香料組成物がないか鋭意検討を重ねてきた。その結果、アロマテラピー効果のあると言われ、かつ香りがすぐれていることより太古より珍重されているローズに注目し、数多くのローズ花の香気成分について検討を進めた。
【0009】
その結果、ある種のローズより得られた精油より単離された4−メトキシスチレンの香りが単独でも非常に嗜好がよいことを見出し、さらに副交感神経を活性することができ、ストレスを解消するなどアロマテラピー効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、4−メトキシスチレンを0.0001〜5質量%含有する副交感神経を活性することができ、ストレスを解消するなどアロマテラピー効果を有し、かつ香りの嗜好に優れた香料組成物にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について更に詳しく説明する。
【0012】
本発明で用いられる、4−メトキシスチレンは、ローズ花より水蒸気蒸留や溶剤抽出,冷媒によるヘッドースペースガス捕集方法,炭酸ガス超臨界抽出等色々な方法で製造された天然香料そのもの、またはその天然香料から単離された4−メトキシスチレン、または石炭,石油,天然ガス,油脂等から各種反応によって合成されるものを使用することができる。合成されるものが不純物を含んでいても使用できる。
【0013】
本発明に係る香料組成物の対象製品としては、例えば香水,オードパルファム,オードトワレ,コロン,デオドラント剤,制汗剤,シャンプー,リンス,ヘアートリートメント,ヘアースタイリングフォーム,ヘアースタイリングスプレー,ヘアースタイリングジェル,白髪または黒髪用ヘアーカラーリング剤、ヘアーリムーバー、石鹸,ボディシャンプー,粉末状入浴剤,液体入浴剤,フェイスローション,フェイスミルク,フェイスクリーム,ボディミルク,ボディイローション,ボディパウダー,日焼け防止剤等の人体用基礎化粧品、パウダーファンデーション,リキッドファンデーション,マスカラ,アイライナー,口紅,リップクリーム,ネイルカラー等の各種メイクアップ化粧品、衣料用洗剤,衣料用柔軟材,衣料用仕上げ剤,衣料用アイロン仕上げ剤,衣料用仕上げ用ノリ(スターチ)剤,ズボンプレッサー用仕上剤,ズボンプレッサー用消臭剤,衣料用消臭剤,衣料洗濯機用洗剤,衣料洗濯乾燥機用洗剤,衣料洗濯乾燥機用仕上剤,衣料乾燥機用仕上剤,靴用洗剤,寝具用洗剤,カーテン用洗剤等の衣料・布・皮用製品、アロマキャンドル,芳香剤,芳香消臭剤,香りつきトイレットペーパー,トイレ用洗剤,台所用食器洗剤,食器洗浄機用洗剤,生ごみ処理機専用消臭剤,住宅用洗剤,住宅清掃用不織布,住宅清掃用ワイパー,風呂用洗剤,トイレ用洗剤,掃除機専用消臭剤,掃除機専用ごみパック,車洗浄用洗剤,車用仕上げ剤(ワックス,コート剤),壁・天井用ペイント剤,壁・天井用クロス,カーペット,洋紙・和紙・ビニール・樹脂等の住居・車用製品、洋服、和服、衣類、肌着、寝具、カーテン、椅子用の布・皮革、車内装用の樹脂・布・皮革,室内用スリッパ,靴,帽子,手袋等の生活用品、または菓子類,飲料類,食用油などに用いる食品用のフレーバー等が挙げられる。好ましくは、香水,コロン,入浴剤,スキンローション,ボディローション等の人体への香りを主体とした製品である。そして、アロマテラピー用として特に有用である。
【0014】
4−メトキシスチレンの含有量は、香料組成物の用途、剤型により一概には規定できるものではないが、人体用として用いる化粧水や栄養クリーム等の化粧料であれば、香料組成物全量に対して0.0001〜1質量%程度が好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.1質量%が好ましい。また、コロンや香水等の化粧料であれば、香料組成物全量に対して0.001〜5質量%程度が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2質量%が好ましい。
【0015】
【実施例】
次に本発明を実施例で示し、本発明の効果等を具体的に説明する。
【0016】
(試験方法・副交感神経活性度試験方法)
本発明で用いた副交感神経の活性度試験方法を以下に記す。
【0017】
生体情報モニターにより心電図波形を検出し、それを大日本製薬社製の自律神経系活性解析ソフト「フラクレット」にて波形パラメータ認識を行い、心拍のゆらぎ変動解析を行なう。実験後、得られた心拍間隔より、ウエーブレット解析を用いたゆらぎ周波数解析を施し高周波領域成分(HF成分:0.24〜0.30Hz)のパワー値を算出した。副交感神経の活性度はHF成分の変化に示される。すなわち、10名の被験者において4−メトキシスチレン呈示前10分間と呈示後10分間のHF成分の変化を観察し、被験者10名にて、平均10%以上のHF成分の上昇が見られた場合、4−メトキシスチレンによって副交感神経の活性が上がったと判断した。測定の間被験者は閉眼でゆったりと上向きに横たわった態とした。被験者への香りの呈示は、7×140mmの細長いろ紙の先端に溶剤(トリエチルシトレート)にて10質量%に希釈した香料処方A,Bの溶液を0.05g塗布したものを被験者の鼻孔先10cmの位置に呈示した。呈示前条件では同様のろ紙にトリエチルシトレートを0.05g塗布したものを用いた。
【0018】
(試験方法・香り嗜好度試験方法)
嗜好に優れた香りであるかに関しては、香料をクエン酸トリエチルにて10質量%の濃度に薄め、所定の容器に入れ50名の被験者によりその香りについて、香りの好みを下記判定基準にて試験を行った。以下の判定基準の3以上、好ましくは4以上が本発明の効果を達成できるものである。
【0019】
(判定基準)
5:好ましい香りと答えた人数が45名以上
4:好ましい香りと答えた人数が33〜44名
3:好ましい香りと答えた人数が21〜32名
2:好ましい香りと答えた人数が11〜20名
1:好ましい香りと答えた人数が10名以下
【0020】
実施例1〜5, 比較例1〜3
表1に香料処方A、香料処方B、表2に実施例1〜5、比較例1〜3の香料組成物の処方を記す。尚、処方量は全て質量%で記してある。実施例1〜5、比較例1〜3の香料組成物をクエン酸トリエチルにて10質量%濃度に希釈し、試験に供した。
【0021】
表2に副交感神経活性度試験及び、香り嗜好度試験の結果を記す。表2からも明らかなように、実施例1〜5の香料組成物は、嗜好性のよい受け入れられやすい香りであり、かつ副交感神経を活性することができ、ストレスを解消するなどアロマテラピー効果を有することが確認できた。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
実施例6〜12
以下に実施例1〜5の香料組成物を使用した、シャンプー、ボディシャンプー、ヘアーコンディショナー、スキンクリーム、スキンミルク2種、スキンローション各組成物の処方を記す。尚、処方量は全て質量%で記してある。これら組成物を定法に従い調製し、副交感神経活性度試験及び、香り嗜好度試験を行なった結果、いずれにおいても優れた値を示した。
【0025】
実施例6(シャンプー組成物)
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン 30
ラウリン酸アミドプロピルベタイン液 15
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3
ポリオキシエチレン(3)牛脂アルキル 3
ヒドロキシミリスチルエーテル
カチオン化セルロース 0.4
水酸化ナトリウム 0.4
1,3−ブチレングリコール 2
実施例1の香料組成物 0.7
防腐剤 適 量
精製水 残 量
【0026】
実施例7(ボディシャンプー組成物)
N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン 6
N−ラウリルメチルタウリンナトリウム 3
ラウリン酸トリエタノールアミン 10
ミリスチン酸トリエタノールアミン 10
ラウリルイミダゾリニウムベタイン 5
ラウリン酸ジエタノールアミド 5
プロピレングリコール 7
実施例2の香料組成物 1
防腐剤 適量
キレート剤 適量
精製水 残量
【0027】
実施例8(ヘアーコンディショナー組成物)
セタノール 3.5
塩化アルキルトリメチルアンモニウム 2.5
実施例1の香料組成物 0.5
1,3−ブチレングリコール 2
アクリル樹脂・アミノ変性シリコーン縮合物 0.6
(シリコンFZ−3148;日本ユニカー社製)
精製水 残 量
【0028】
実施例9(スキンクリーム組成物)
流動パラフィン 15
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリド 5
ステアリン酸 2
セタノール 3
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 3
実施例3の香料組成物 0.1
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 1
カルボキシビニルポリマー 0.1
防腐剤 適 量
精製水 残 量
【0029】
実施例10(スキンミルク組成物)
ステアリン酸 1
イソステアリン酸コレステリル 2
ホホバ油 4
スクワラン 8
セスキオレイン酸ソルビタン 0.8
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.2
実施例4の香料組成物 0.05
1,3−ブチレングリコール 5
L−アルギニン 0.4
カルボキシビニルポリマー 0.2
防腐剤 適 量
精製水 残 量
【0030】
実施例11(スキンミルク組成物)
ステアリン酸 1.2
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 0.7
コレステリン 0.5
セタノール 0.1
ポリオキシエチレン(6)セチルエーテル 1.2
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル 0.9
流動パラフィン 12
濃グリセリン 4
水酸化カリウム 0.07
セチル硫酸ナトリウム 0.5
2%カルボキシビニルポリマー分散液 7.5
(カーボポール941;B.F.Goodrich社製)
実施例4の香料組成物 0.05
フェノキシエタノール 0.3
精製水 残 量
【0031】
実施例12(スキンローション組成物)
ジプロピレングリコール 3
濃グリセリン 3
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
実施例5の香料組成物 0.03
精製水 残 量
【0032】
【発明の効果】
本発明により、嗜好性のよい受け入れられやすい香りであり、かつ副交感神経を活性することができ、ストレスを解消するなどアロマテラピー効果を有する香料組成物が提供される。
Claims (3)
- 4−メトキシスチレンを0.0001〜5質量%含有することを特徴とする香料組成物。
- アロマテラピー用である請求項1記載の香料組成物。
- 4−メトキシスチレンからなる副交換神経活性剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002298380A JP2004131436A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 香料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002298380A JP2004131436A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 香料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004131436A true JP2004131436A (ja) | 2004-04-30 |
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ID=32287815
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JP2002298380A Pending JP2004131436A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 香料組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004131436A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008120713A1 (ja) | 2007-03-30 | 2008-10-09 | Suntory Holdings Limited | 副交感神経活動亢進作用を有する医薬組成物又は飲食物 |
WO2011152006A1 (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-08 | 株式会社資生堂 | 皮膚温度上昇剤、並びにそれを含有する化粧料、食品、及び雑貨 |
-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002298380A patent/JP2004131436A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008120713A1 (ja) | 2007-03-30 | 2008-10-09 | Suntory Holdings Limited | 副交感神経活動亢進作用を有する医薬組成物又は飲食物 |
WO2011152006A1 (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-08 | 株式会社資生堂 | 皮膚温度上昇剤、並びにそれを含有する化粧料、食品、及び雑貨 |
US20130149399A1 (en) * | 2010-05-31 | 2013-06-13 | Shiseido Company ,Ltd. | Skin temperature elevating agent, and cosmetic composition, food and sundry article containing the same |
JP5706889B2 (ja) * | 2010-05-31 | 2015-04-22 | 株式会社 資生堂 | 皮膚温度上昇剤 |
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