JP2004131121A - 長尺状部材の梱包体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡スチロール等の緩衝機能のある素材を使用しなくても確実にワークを固定出来るようにし、この際、ワークに損傷等が生じないようにする。
【解決手段】スキッド2上に固定される下段受け枠3に第1、第2固定ステー15、16からなる複数のワーク固定部17を設け、このワーク固定部17に長尺状部材Wを位置決め固定するとともに、長尺状部材Wの上部に飛び跳ね防止用バー5を設け、飛び跳ね防止用バー5と下段受け枠3の間に固定用ブラケット10を嵌め込んで両者を連結固定する。また、その上に上段受け材6a、6bを設けて上段受け材6a、6bの複数のワーク固定部17に長尺状部材Wを位置決めし、その上部に設けた飛び跳ね防止用バー7と上段受け材6a、6bの間に固定用ブラケット11を嵌め込んで両者を連結固定する。
【選択図】   図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のインパネパイプまたはステアリングハンガビーム等の長尺状部材を梱包する梱包体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車のインパネパイプやステアリングハンガビーム等の長尺状部材を梱包して輸送等を行う場合、発泡スチロール等の緩衝機能のある素材を使用してワークを固定し、輸送等を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、発泡スチロール等は輸送目的を果たした後に破棄されることが多いが、処分等の際に嵩張って輸送コストが嵩み、また埋め立てにも適しておらず、燃やせば高温となって有毒ガスを発生させる等の問題があった。
また、発泡スチロール等は有限の天然資源である石油を原料としているため、梱包資材としては出来るだけ避けることが好ましかった。
【0004】
そこで本発明は、発泡スチロール等の緩衝機能のある素材を使用しなくても確実にワークを固定出来るようにし、この際、ワークに損傷等が生じないようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、車両用の長尺状部材を梱包する梱包体において、スキッド上に位置決めされる下段受け枠と、この下段受け枠に設けられる複数のワーク固定部と、前記下段受け枠の四隅コーナ部に立設される支柱と、前記ワーク固定部に位置決め載置される複数の長尺状部材の上部に配設される飛び跳ね防止用バーと、前記支柱の上端部に取り付けられるビーム部材を設け、前記下段受け枠のワーク固定部として、長尺状部材の一端側が嵌め込まれる第1固定ステーと、ワークの他端側が嵌め込まれる第2固定ステーを設けるとともに、前記飛び跳ね防止用バーと下段受け枠との間には、嵌め込み式で両者を連結固定する固定用ブラケットを設けるようにした。
【0006】
そして、例えば下段受け枠のワーク固定部として、長尺状部材の種類等に応じてその形状に合致した嵌合凹部等を有する第1固定ステーと第2固定ステーを設け、この第1固定ステーと第2固定ステーに長尺状部材の所定部を嵌め込んで位置決めし、上部に配設した飛び跳ね防止バーで長尺状部材を押え付けるように固定すれば、長尺状部材がしっかりと定位置に固定され、動き回るような不具合を防止出来る。
そして、例えばこのような下段受け枠をワークの種類や形状等に合わせて複数種類準備しておき、一定規格のスキッド上に位置決め載置すれば、全体の梱包サイズの規格が統一されて輸送等を効率的に行えるようになる。
また、固定用ブラケットにより、飛び跳ね防止用バーと下段受け枠を嵌め込み式に連結すれば、固定操作が簡単になる。
【0007】
また本発明では、前記飛び跳ね防止用バーとビーム部材との中間部には、支柱に対して連結可能な左右一対の上段受け材を設け、この上段受け材には、前記下段受け枠と同様なワーク固定部を設けるとともに、このワーク固定部に位置決め載置される上段の長尺状部材の上部には上段の飛び跳ね防止用バーを配設し、この飛び跳ね防止用バーと前記上段受け材との間に、嵌め込み式で両者を連結固定する固定用ブラケットを設けるようにした。
【0008】
このように下段受け枠の上部に上段受け材を設けて、下段のみならず上段にも長尺状部材を位置決め固定することで、同時に多数の長尺状部材を梱包できるようになり、梱包効率を高めることが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る梱包体の分解斜視図、図2は下段受け枠をスキッドに固定した状態の説明図、図3は下段受け枠のワーク固定部に長尺状部材を搭載した状態の説明図、図4は第2固定ステーに長尺状部材の一端側を嵌め込んだ状態の拡大図、図5は飛び跳ね防止用部材と固定用ブラケットにより長尺状部材の上部を規制した状態図、図6は固定用ブラケットの説明図、図7は上段受け材を取り付けて上段の長尺状部材を固定した状態の説明図、図8は最終的な荷姿の説明図である。
【0010】
本発明に係る長尺状部材の梱包体は、自動車のインパネパイプやステアリングビーム等の長尺状部材を梱包するにあたり、発泡スチロール等の緩衝機能を有する素材を使用しなくても確実に、また損傷させることなくワークを固定出来るようにされている。
【0011】
すなわち、本発明に係る梱包体1は、図1に示すように、平面視で矩形状のスキッド2と、このスキッド2上に位置決め載置される下段受け枠3と、この下段受け枠3の四隅コーナ部に立設される支柱4と、下段受け枠3上に位置決め載置される長尺状部材Wの上部に配設される飛び跳ね防止用バー5と、上段搭載用の左右の上段受け材6a、6bと、上段に搭載される長尺状部材Wの上部に配設される上段用の飛び跳ね防止用バー7と、支柱4の上端部に取り付けられるビーム部材8を備えており、下段の下段受け枠3と飛び跳ね防止用バー5の間には、嵌め込み式で両者を連結する固定用ブラケット10が設けられるとともに、上段の上段受け材6と飛び跳ね防止用バー7の間にも、嵌め込み式で両者を連結する固定用ブラケット11が設けられている。
【0012】
前記下段受け枠3は、スキッド2上の所定位置に載置してスキッド2に固定できるようにされ、前後一対の断面L字型の支持バー12に取り付けられる合計4個の角パイプ状の支柱受け13と、この支柱受け13の上端側面に固着される左右一対の受け材14a、14bを備えている。そして、一方側の受け材14aの上部には、長尺状部材Wの一端側を嵌合せしめることの出来るコの字型の第1固定ステー15が所定間隔置きに複数取り付けられ、他方側の受け材14bの上部には、長尺状部材Wの他端側を嵌合せしめることのできる第2固定ステー16が所定間隔置きに複数取り付けられ、対向する位置の第1固定ステー15と第2固定ステー16により、ワーク固定部17が形成されている。
【0013】
ここで、本実施例では、長尺状部材Wの一端側が単なるパイプ状で、他端側が、側方にフランジが張出す形態であるため、第1固定ステー15はパイプ部を嵌合せしめることの出来るような単純なコの字型にされ、第2固定ステー16は、図4(a)にも示すように、フランジの張出し端部に係合して回り止めの作用を果たす折り返し係止部16kを、立壁部16tに対向して設けて幅広の略ワの字の嵌合部としている。
【0014】
前記支柱4は、断面L字型のフレームであり、この支柱4の下端部は、下段受け枠3の支柱受け13に挿し込むことが出来るようにされるとともに、ボルトにより支柱受け13に固定出来るようにされている。
また、この支柱4の中間部には、飛び跳ね防止用バー5、7や、上段受け材6a、6bや、ビーム部材8を固定するための複数のボルト挿通孔が設けられ、この挿通孔の裏側部分にナットが溶着されている。
【0015】
前記飛び跳ね防止用バー5は、角型パイプ状であり、両端部にL字型の取付け用フランジが溶着され、この取付け用フランジと前記支柱4がボルトで固定出来るようにされている。
因みに、上段の飛び跳ね防止用バー7も同様な構成にされている。
【0016】
前記上段受け材6a、6bは、下段受け枠3の受け材14a、14bとほぼ同様な構成であり、両端部に角型パイプが固着されてこの角型パイプを介して支柱4に連結可能にされるとともに、一方側の上段受け材6aには、複数の第1固定ステー15が所定間隔置きに取り付けられ、他方側の上段受け材6bには、複数の第2固定ステー16が所定間隔置きに取り付けられている。
そして、下段受け枠3の場合と同様に、第1固定ステー15と第2固定ステー16により、ワーク固定部17が形成されている。
【0017】
前記下段の固定用ブラケット10は、図6に示すように、両端部が略直角に折り曲げられた後、先端部分が更に内側に向けて部分的に突出する形態で折り返されており、両端部の折曲げ間隔が、下段受け枠3の受け材14a、14bと飛び跳ね防止用バー5の間隔に概略一致するとともに、下段受け枠3の受け材14a、14bと飛び跳ね防止用バー5に対して開口部側を向けて押し込むことにより弾性的に嵌め込まれて、両者を連結固定するようにされている。
尚、上段の固定用ブラケット11も同様な構成であり、両端部の折曲げ間隔が、上段受け材6a、6bと飛び跳ね防止用バー7の間隔に概略一致し、上段受け材6a、6bと飛び跳ね防止用バー7に対して開口部側を向けて押し込むことにより、弾性的に嵌め込まれるようにしている。
【0018】
以上のような梱包体1において、まず、図2に示すように、スキッド2上に下段受け枠3を載置して位置決め固定した後、図3に示すように、第1固定ステー15と第2固定ステー16上に長尺状部材Wを嵌め込んで位置決めし、支柱受け13に四本の支柱4を立設し、ボルトで固定する。
この際、長尺状部材Wの両端部は第1、第2固定ステー15、16に嵌め込まれて位置決めされ、また、第2固定ステー16側は、図4(b)に示すように、折り返し係止部16kによってフランジの一部が係止されるため、長尺状部材Wが軸廻りに回転するような不具合はない。
【0019】
次に、図5に示すように、左右の飛び跳ね防止用バー5が長尺状部材Wの部品等の隙間を通して本体上部にセットされ、両端部が支柱4にボルトで固定される。
その後、左右各二個の固定用ブラケット10が下段受け枠3の受け材14a、14bと飛び跳ね防止用バー5との間に嵌め込まれて両者を連結し、長尺状部材Wが上方に飛び跳ねようとする場合でも、それを確実に防止できるようにする。
【0020】
次いで、左右の上段受け材6a、6bを支柱4にボルト止めし、支柱4の上端部にビーム部材8をボルトで連結して支柱4の開きを防止するとともに、上段受け材6a、6bの第1、第2固定ステー15、16に長尺状部材Wを嵌め込んで位置決めする。
そして、その上に飛び跳ね防止用バー7をセットして両端部を支柱4のボルト止めし、固定用ブラケット11により上段受け材6a、6bと飛び跳ね防止用バー7を連結し、図7に示すような状態にする。
そして外装ケースを取り付ければ、図8に示すような状態の荷姿になる。
【0021】
以上のような梱包体において、発泡スチロール等の緩衝機能のある素材を使用しなくても第1、第2固定ステー15、16や、飛び跳ね防止用バー5、7や、固定用ブラケット10、11等により確実にワークを固定出来るようになり、また、上下に二段で長尺状部材Wを搭載できるため、効率良く梱包できる。
【0022】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば、長尺状部材Wの種類や、第1、第2固定ステー15、16の具体的形態等は例示である。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る長尺状部材の梱包体は、スキッド上に位置決めされる下段受け枠に複数のワーク固定部を設け、このワーク固定部に位置決めした長尺状部材の上部に飛び跳ね防止用バーを設けるとともに、飛び跳ね防止用バーと下段受け枠との間には、嵌め込み式で両者を連結固定する固定用ブラケットを設けるようにしたため、長尺状部材が定位置に確実に固定され、動き回るような不具合を防止出来る。
また、下段受け枠の上部に上段受け材を設けて、下段のみならず上段にも長尺状部材を位置決め固定するようにすれば、梱包効率を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る梱包体の分解斜視図
【図2】下段受け枠をスキッドに固定した状態の説明図
【図3】下段受け枠のワーク固定部に長尺状部材を搭載した状態の説明図
【図4】第2固定ステーに長尺状部材の一端側を嵌め込む際の拡大図で、(a)は嵌め込む前の状態図、(b)は嵌め込んだ後の説明図
【図5】飛び跳ね防止用部材と固定用ブラケットにより長尺状部材の上部を規制した状態図
【図6】固定用ブラケットの説明図で、(a)は側面図、(b)は正面図
【図7】上段受け材を取り付けて上段の長尺状部材を固定した状態の説明図
【図8】最終的な荷姿の説明図
【符号の説明】
1…梱包体、2…スキッド、3…下段受け枠、4…支柱、5…飛び跳ね防止用バー、6a、6b…上段受け材、7…飛び跳ね防止用バー、8…ビーム部材、10、11…固定用ブラケット、15…第1固定ステー、16…第2固定ステー、17…ワーク固定部。

Claims (2)

  1. 車両用の長尺状部材を梱包する梱包体であって、スキッド上に位置決めされる下段受け枠と、この下段受け枠に設けられる複数のワーク固定部と、前記下段受け枠の四隅コーナ部に立設される支柱と、前記ワーク固定部に位置決め載置される複数の長尺状部材の上部に配設される飛び跳ね防止用バーと、前記支柱の上端部に取り付けられるビーム部材を備え、前記下段受け枠のワーク固定部は、長尺状部材の一端側が嵌め込まれる第1固定ステーと、ワークの他端側が嵌め込まれる第2固定ステーを備えるとともに、前記飛び跳ね防止用バーと下段受け枠との間には、嵌め込み式で両者を連結固定する固定用ブラケットが設けられることを特徴とする長尺状部材の梱包体。
  2. 前記飛び跳ね防止用バーとビーム部材との中間部には、左右一対の上段受け材が前記支柱に対して連結可能となり、この上段受け材には、前記下段受け枠と同様なワーク固定部が設けられるとともに、このワーク固定部に位置決め載置される上段の長尺状部材の上部には上段の飛び跳ね防止用バーが配設され、この飛び跳ね防止用バーと前記上段受け材との間には、嵌め込み式で両者を連結固定する固定用ブラケットが設けられることを特徴とする請求項1に記載の長尺状部材の梱包体。
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