JP2004129421A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メイン及びサブの2つのディジタル制御部(CPU又はMCU)を具備し、一方の制御部でパワーステアリングの制御を行い、他方の制御部で相互に監視するようにして制御性や安全性を一層向上した電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。
【解決手段】ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて演算された操舵補助力指令値と、モータの電流検出値とから演算した電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータを制御する第1の制御部及び第2の制御部を具備し、前記第1の制御部による前記操舵補助力指令値を、前記第2の制御部による前記操舵補助力指令値に基づいて監視する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にメイン(第1)及びサブ(第2)の2つの制御部(CPU又はMCU:Micro Controller Unit)を具備し、一方でモータ制御を行い、他方で駆動系の異常を監視するようにして制御性や安全性を向上した電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を、減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助トルク)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助力指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
【0003】
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図6に示して説明すると、操向ハンドル1の軸(ステアリングシャフト)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介して軸2に結合されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ14からイグニションキー11及びリレー13を経て電力が供給され、コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値Iに基いてモータ20に供給する電流を制御する。
【0004】
コントロールユニット30は主としてCPUで構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図7のようになる。例えば位相補償器31は独立したハードウェアとしての位相補償器を示すものではなく、CPUで実行される位相補償機能を示している。コントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力される。又、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに基づいてモータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定する。操舵補助指令値Iは減算器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償器34に入力され、減算器30Aの偏差(I−i)は比例演算器35に入力されると共に、フィードバック系の特性を改善するための積分演算器36に入力される。微分補償器34、比例演算器35及び積分演算器36の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算結果である操舵補助力指令値Eが、モータ駆動信号としてモータ駆動回路37に入力される。モータ20のモータ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流検出値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされる。モータ駆動回路37には、バッテリ14からイグニションキー11及びリレー13を経て電力が供給されている。
【0005】
上述のように、従来は1つのCPUでトルク信号(操舵トルクT)や電流検出値iに基づき操舵補助力指令値を演算し、その操舵補助力指令値に基づいてモータを駆動制御していた。この場合、決定したモータ電流駆動方向に対して、ハードロジックや別なCPUでトルク信号に基づいて操舵トルク方向信号を生成し、この操舵トルク方向信号とモータ駆動方向とが一致した場合のみモータを駆動していた。また、モータ駆動系の異常を検出する際に、検出してから異常を確定するまでの時間が一定であり、検出している故障の種類によって、しきい値や異常確定までの判断時間に差異を設けるといった実際の故障結果の重大性で、差別化した故障判断方法にはなっていなかった。
【0006】
また、従来は1つのCPUに外付けのWDT(Watch Dog Timer)を設けて、CPUからクリアパルスをWDTへ入力することにより、CPUの暴走を監視していた。もし、予め定められた時間内にクリアパルスが入力されない場合には、WDTよりリセット信号をCPUへ出力し、CPUを再起動させていた。更に、2つのCPUを使用したシステムではお互いに予め定められた周期のパルスを出力し合い、そのパルスの周期を相互に監視することで相手のCPUの暴走を監視していた。
【0007】
このような電動パワーステアリング装置では、モータの出力が大きくなるに従ってモータの慣性が大きくなり、操舵特性を確保するためにモータの慣性を補償する必要が出てきた。この慣性を補償する制御によって、従来行われていたトルク信号による方向と実際にモータ駆動される方向とが一致しなくなって来た。これにより、慣性補償機能の入った制御が正常に動作しているにも拘らず、もう一方の制御部がトルク信号に基づくトルク方向信号を出力することによって、モータ駆動が一時的に停止されるような不都合が生じていた。
【0008】
また、従来のように外付けのWDTを用いてCPUの暴走を監視する場合は、プログラムが正常に動作しないことによりCPUに暴走が発生し、WDTからのリセット信号により再起動するようにしている。しかし、再度同様な場所でプログラムが暴走を引き起こしてしまうような故障の場合、モータの出力状態と停止状態とが交互に発生し、ドライバの意図しない挙動が発生する可能性もあった。
【0009】
上述のような問題解決のため、2つのCPUを用いて相互にパルス信号を送受信してCPUの暴走を監視することが考えられるが、予想できない原因による異常で監視パルスだけが出力され続けるようなことがあると暴走を検出できなかったり、設計基準を超える一時的で過大な電磁波やノイズにさらされて、正常に出されているパルス信号を誤って計測して誤検出する場合を想定すると、その従来方式には限界があった。
【0010】
かかる問題を解決するものとして、特開2001−188940(特許文献1)がある。この特許文献1は、第1の制御部で操舵補助力を演算してモータ駆動制御し、モータに実際に流れた検出電流値と、第2の制御部が演算した操舵補助力指令値とを比較し、その差に基づいて第1の制御部及びモータ駆動回路を監視している。
【0011】
図8は特許文献1の構成を示すブロック図であり、トルクセンサ201からのトルク信号Tr及び車速センサ202からの車速信号VsはメインMCU101及びサブMCU102に入力され、メインMCU101で演算されたモータ駆動信号Irはモータ駆動回路110に入力され、モータ駆動信号Irに基づいてモータ駆動回路110はモータ200を駆動する。メインMCU101は相互監視するためにサブ用のWDT101S、メインMCU自己監視用WDT101Mを内蔵しており、サブMCU102も相互監視するためにメイン用のWDT102M、サブMCU自己監視用WDT102Sを内蔵している。バッテリ203の入力をON/OFFするリレー111は、メインMCU101から出力されるリレーON/OFF信号RS1及びサブMCU102から出力されるリレーON/OFF信号RS2によってON/OFF制御され、モータ200の電流はモータ電流検出回路112で検出され、その電流検出値Idはモータ端子電圧Vmと共にメインMCU101及びサブMCU102に入力され、サブMCU102から出力されるモータ駆動禁止信号Mpはモータ駆動回路110に入力されている。
【0012】
メインMCU101及びサブMCU102は、いずれもトルク信号Tr、車速信号Vs、電流検出値Id、モータ端子電圧Vmに基づいてモータ駆動信号(操舵補助力指令値)Irを生成するが、メインMCU101からのモータ駆動信号(操舵補助力指令値)Ir及びモータ駆動方向信号Dsがモータ駆動回路110に入力され、モータ駆動方向信号DsはサブMCU102に入力され、サブMCU102で算出された操舵補助力指令値Irは監視用に使用される。サブMCU102は自分が演算した操舵補助力指令値のモータ駆動方向を判定すると共に、メインMCU101がモータ駆動回路110へ出力したモータ駆動方向信号Dsを入力し、双方の方向を比較することでメインMCU101の演算が正常に行われたかを判断する。
【0013】
メインMCU101及びサブMCU102の機能構成は図9に示すようになっている。即ち、メインMCU101及びサブMCU102ではいずれもトルク信号Tr、車速Vs、モータ電流検出値Id、モータ端子電圧Vmに基づいて操舵補助力指令値Irを演算しており、モータ角速度推定部120、モータ慣性補償部121、収れん性制御部122、操舵補助指令値演算部123、センター応答性改善部124、ロバスト安定化補償部125、加算器130及び131で構成されている。モータ角速度推定部120はモータ電流検出値Id及びモータ端子電圧Vmからモータ200の逆起電圧を算出し、この逆起電圧からモータ角速度ωを推定している。推定されたモータ角速度ωはモータ慣性補償部121及び収れん性制御部122に入力され、モータ慣性補償部121の出力は加算器131に入力され、収れん性制御部122の出力は加算器130に入力される。操舵補助指令値演算部123はトルク信号Trを基にモータ操舵補助力指令値Irのベースとなる値を算出しており、センター応答性改善部124もトルク信号Trを基にモータ操舵補助力指令値Irのベースとなる値を算出しており、いずれの算出値も加算器130に入力されている。加算器130の加算値はロバスト安定化補償部125に入力され、その出力が加算器131に入力されている。
【0014】
メイン側では、加算器の加算値が補償された操舵補助力指令値Irmとして電流制御部に入力される。また、サブ側では、加算器131の加算値が補償された操舵補助力指令値Irsとして操舵補助力指令値異常監視部135に入力されている。メイン側の電流制御部はモータ200を制御し、サブ側の操舵補助力指令値異常監視部135は操舵補助力指令値Irs及びモータ電流Idに基づいて異常を判定し、異常の場合にはリレーON/OFF信号RS1、モータ駆動禁止信号Mpを出力する。
【0015】
収れん性制御部122及び操舵補助指令値演算部123は車速信号Vsをパラメータとしており、収れん性制御部122は車両のヨーの収れん性を改善するためにハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかけるようになっており、モータ慣性補償部121はモータ200の慣性や摩擦を補償している。また、センター応答性改善部124は、ステアリングの中立付近の制御の応答性を高め、滑らかでスムーズな操舵を実現するようになっており、ロバスト安定化補償部125は特開平8−290778号公報に示されている補償部であり、sをラプラス演算子とする特性式G(s)=(s+a1・s+a2)/(s+b1・s+b2)を有し、検出トルクに含まれる慣性要素とバネ要素から成る共振系の共振周波数のピーク値を除去し、制御系の安定性と応答性を阻害する共振周波数の位相のずれを補償している。なお、特性式G(s)のa1,a2,b1,b2は共振系の共振周波数により決定されるパラメータである。
【0016】
また、モータ角速度推定部120は特開平10−109655号に示されている手法で角速度推定を行っても良く、本出願人による特開平10−338152号に記述された角速度推定を行っても良い。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−18819
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の場合、第1の制御部の演算が異常であった場合に、第2の制御部で検出できるのは、実際にモータに電流が流れて第2の制御部で演算した操舵補助力指令値との差が大きくなってから、第2の制御部が異常と判断している。実際の車両の挙動を考えると、操舵中に予期しない電流がモータに流れてしまってから異常を検出したのでは、ドライバが予期しない挙動がステアリングに発生してしまう場合もある。また、第2の制御部が演算した操舵補助力指令値と検出されたモータ電流値との差を比較し、その差が大きいと第1の制御部の異常として検出している。つまり、故障の状態によって検出のしきい値や検出時間を切り分けておらず、全ての故障状態を想定して、誤検出がない範囲で車両挙動の少ないしきい値を設定している。
【0019】
しかし、操舵補助力の演算による異常を考えた場合、正常なアシスト特性に対して予期しない異常電流が過大アシスト側又は逆アシスト側に流れた場合は、車両挙動への影響が大きいため、短時間で異常を判別し、アシスト作用を停止させる必要がある。一方、正常なアシスト特性に対して予期しない異常電流が過小アシスト側の場合には、ドライバにとって操舵力が不足してステアリングが重いと感じるが、車両挙動への影響は過大アシスト側又は逆アシスト側の異常検出時と比較して小さいため、実際に故障が発生していないのに誤検出で故障を確定してしまうことを防止するための判断時間を設定することが可能となる。
【0020】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、メイン及びサブの2つのディジタル制御部(CPU又はMCU)を具備し、一方の制御部でパワーステアリングの制御を行い、他方の制御部で相互に監視するようにして制御性や安全性を一層向上した電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて演算された操舵補助力指令値と、モータの電流検出値とから演算した電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置に関するもので、本発明の上記目的は、前記モータを制御する第1の制御部及び第2の制御部を設け、前記第1の制御部による前記操舵補助力指令値を、前記第2の制御部による前記操舵補助力指令値に基づいて監視するすることによって達成される。
【0022】
また、本発明の上記目的は、前記第2の制御部で演算された操舵補助力指令値と、前記第1の制御部で演算された操舵補助力指令値との差に基づいて、前記第1の制御部で演算された操舵補助力指令値が正常か否かを判断し、異常が検出された場合にモータ駆動信号及びリレーの少なくと一方を遮断することにより、或いは前記第2の制御部の操舵補助力指令値に対して、第1の制御部の操舵補助力指令値が過大アシスト側又は逆アシスト側の異常に対して、過小アシスト側の異常より検出時間及び検出レベルを厳しく検出することにより、より効果的に達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明では、第1の制御部で演算された操舵補助力指令値を第2の制御部へ送り、第2の制御部で演算した操舵補助力指令値と比較し、その差に基づいて第1の制御部の異常を監視する。操舵補助力指令値同士を比較することで、実際に電流が流れる前に第1の制御部の異常を検出できるので、従来技術で実施していた方法より、より早く異常を検出することができ、車両の挙動影響を最小限に抑えることができる。
【0024】
また、本発明では、第1の制御部の操舵補助力指令値と、第2の制御部の操舵補助力指令値とを比較する際に、第2の制御部の操舵補助力指令値に対して、第1の制御部の操舵補助力指令値が過大アシスト側又は逆アシスト側に指示された場合は、車両挙動が小さくなるように検出時間や検出しきい値を厳しい方向で設定する。また、第1の制御部の操舵補助力指令値が、過小アシスト側に指示された場合には、誤検出がないような検出時間や検出しきい値を設定する。これによって、車両挙動への影響が大きい異常状態持続時間を可能な限り短縮できると共に、誤検出がないようにできる。
【0025】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
本発明の第1実施例を、図8に対応させて図1に示す。本発明ではメインMCU(第1の制御部)101とサブMCU(第2の制御部)102との間でシリアル通信を行い、メインMCU101から操舵補助力指令値の情報(Irm)をシリアル通信でサブMCU102へ送信し、サブMCU102でその差を監視している。この場合、シリアル通信でメインMCU101及びサブMCU102で相互に暴走監視も行っている。
【0027】
メインMCU101はモータ駆動制御を行っており、その過程での操舵補助力指令値IrmをサブMCU102へシリアル信号で送信し、サブMCU102の操舵補助力指令異常監視部へ入力する。サブMCU102では、操舵補助力指令値を演算する構成はメインMCUと同一であり、そこで演算された操舵補助力指令値Irsを操舵補助力指令値異常監視部135へ入力する。
【0028】
操舵補助力指令値異常監視部135は図2のフローチャートに従って、操舵補助力指令値Irの異常を監視する。即ち、サブMCU102は操舵補助力指令値Irsの演算を行っており(ステップS1)、操舵補助力指令値異常監視部135はサブMCU102による操舵補助力指令値Irsの読込みを行う(ステップS2)。また、メインMCU101も操舵補助力指令値Irmの演算を行っており(ステップS3)、メインMCU101による操舵補助力指令値Irmをシリアル通信で送信し(ステップS4)、操舵補助力指令値異常監視部135はメインMCU101による操舵補助力指令値Irmの読込みを行い(ステップS5)、図3の特性図に従って過大アシスト、つまり
Irm−Irs > Ierr1    …(1)
を判定する(ステップS10)。
【0029】
なお、図3は入力トルクと出力電流との関係を、サブMCU102が演算した操舵補助力指令値Irsについて示しており、左斜線域が過大アシストを、右斜線域が逆アシストを、網がけ域が過小アシストをそれぞれ示している。過大アシストの検出しきい値はIerr1で検出時間はT1、逆アシストの検出しきい値はIerr2で検出時間はT2、過小アシストの検出しきい値はIerr3及びIerr4で検出時間はT3である。
【0030】
上記ステップS10において過大アシストであると判定された場合には、所定時間(T1)が経過する前(ステップS20)は経過時間計数用カウンタのカウントアップをし(ステップS21)、上記ステップS1にリターンする。上記動作を繰り返し、所定時間(T1)が経過した時に(ステップS20)、モータ駆動禁止信号Mp及びリレーON/OFF信号RS2を出力してモータ200の駆動を停止する(ステップS26)。
【0031】
上記ステップS10で過大アシストではないと判定された場合には、逆アシストであるか否か、つまり
Irm−Irs < −Ierr2     …(2)
であるか否かを判定する(ステップS11)。そして、逆アシストである場合には、所定時間(T2)が経過する前(ステップS22)は経過時間計数用カウンタのカウントアップをし(ステップS23)、上記ステップS1にリターンする。上記動作を繰り返し、所定時間(T2)が経過した時に(ステップS22)、モータ駆動禁止信号Mp及びリレーON/OFF信号RS2を出力してモータ200の駆動を停止する(ステップS26)。
【0032】
上記ステップS11で逆アシストではないと判定された場合には、更に過小アシストであるか否か、つまり
Ierr3>Irm−Irs>Ierr4  …(3)
であるか否かを判定する(ステップS12)。そして、過小アシストである場合には、所定時間(T3)が経過する前(ステップS24)は経過時間計数用カウンタのカウントアップをし(ステップS25)、上記ステップS1にリターンする。上記動作を繰り返し、所定時間(T3)が経過した時に(ステップS24)、モータ駆動禁止信号Mp及びリレーON/OFF信号RS2を出力してモータ200の駆動を停止する(ステップS26)。
【0033】
上記ステップS12で過小アシストではないと判定された場合には、経過時間計数用カウンタをクリアし(ステップS13)、上記ステップS1にリターンする。
【0034】
ここのいて、図3に示すようにメインMCU101の操舵補助力指令値IrmがサブMCU102の操舵補助力指令値Irsに対して過大アシストされるような値であったり、逆アシストされるような値である場合には、車両挙動が最小限になるように検出しきい値(Ierr1,Ierr2,Ierr3,Ierr4)や検出時間(T1,T2、T3)を設定する。また、過小アシストとなるような値では、誤検出のないように検出しきい値(Ierr1,Ierr2,Ierr3,Ierr4)や検出時間(T1,T2、T3)を設定する。
【0035】
図4は本発明の第2実施例を図1に対応させて示しており、 メインMCU101の操舵補助力指令値Irmの監視を短時間の周期で行い、車両の挙動を最小限に抑えるために、メインMCU101から操舵補助力指令値Irmを専用の高速のシリアル通信でサブMCU102へ送信し、サブMCU102で操舵補助力指令値Irsとの差を監視している。また、これとは別に、シリアル通信(低速)でメインMCU101とサブMCU102で相互に暴走監視も行っている。
【0036】
また、図5は本発明の第3実施例を図1に対応させて示しており、メインMCU101から操舵補助力指令値IrmをD/A変換器でアナログ信号にしてサブMCU102へ送信し、サブMCU102で送信されてきたアナログ信号をA/D変換し、サブMCU102内部で演算した操舵補助力指令値Irsとの差を監視している。この場合、シリアル通信でメインMCU101とサブMCU102で相互に暴走監視を行っている。
【0037】
本発明は、コラム式及びピニオン式電動パワーステアリング装置に適用できることは勿論、ラックアシスト式電動パワーステアリング装置にも適用可能である。また、上述ではMCUについて説明したが、CPUについても全く同様である。
【0038】
【発明の効果】
本発明では、第1の制御部で演算された操舵補助力指令値を第2の制御部へ送り、第2の制御部で演算した操舵補助力指令値と比較し、その差に基づいて第1の制御部の異常を監視する。操舵補助力指令値同士を比較することで、実際に電流が流れる前に第1の制御部の異常を検出するようにしているので、制御性及び安全性が一層向上する。
【0039】
また、本発明では、第1の制御部の操舵補助力指令値と、第2の制御部の操舵補助力指令値とを比較する際に、第2の制御部の操舵補助力指令値に対して、第1の制御部の操舵補助力指令値が過大アシスト側又は逆アシスト側に指示された場合は、車両挙動が小さくなるように検出時間や検出しきい値を厳しい方向で設定すると共に、第1の制御部の操舵補助力指令値が過小アシスト側に指示された場合には、誤検出がないような検出時間や検出しきい値を設定している。これにより、車両挙動への影響が大きい異常状態持続時間を可能な限り短縮できると共に、誤検出がないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すブロック構成図である。
【図2】操舵補助力指令値異常監視部の動作例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施例を示すブロック構成図である。
【図5】本発明の第3実施例を示すブロック構成図である。
【図6】電動パワーステアリング装置の概略構成を示す構造図である。
【図7】電動パワーステアリング装置の制御装置の一例を示すブロック構成図である。
【図8】従来装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】従来装置の制御部における操舵補助力指令値演算部の機能構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1     操向ハンドル
2     操向ハンドル軸(ステアリングシャフト)
5     ピニオンラック機構
10、201   トルクセンサ
12、202   車速センサ
20、200   モータ
30    コントロールユニット
101   メインMCU
102   サブMCU
37、110   モータ駆動回路
111      リレー
38、112   モータ電流検出回路
120   モータ角速度推定部
121   モータ慣性補償部
122   収れん性制御部
123   操舵補助指令値演算部
124   センター応答性改善部
125   ロバスト安定化補償部
135   操舵補助力指令値異常監視部

Claims (3)

  1. ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて演算された操舵補助力指令値と、モータの電流検出値とから演算した電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記モータを制御する第1の制御部及び第2の制御部を具備し、前記第1の制御部による前記操舵補助力指令値を、前記第2の制御部による前記操舵補助力指令値に基づいて監視するようになっていることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記第2の制御部で演算された操舵補助力指令値と、前記第1の制御部で演算された操舵補助力指令値との差に基づいて、前記第1の制御部で演算された操舵補助力指令値が正常か否かを判断し、異常が検出された場合にモータ駆動信号及びリレーの少なくと一方を遮断するようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記第2の制御部の操舵補助力指令値に対して、第1の制御部の操舵補助力指令値が過大アシスト側又は逆アシスト側の異常に対して、過小アシスト側の異常より検出時間及び検出レベルを厳しく検出するようになっている請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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