JP2008290524A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イグニッションスイッチをオフ状態として所定の遅延時間が経過する前に再度イグニッションスイッチをオン状態としたときに、初期診断時間を短縮しながら異音の発生を防止することができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】操舵補助機構の電動モータを駆動制御する操舵補助制御手段と、少なくともイグニッションスイッチがオン状態となったときに前記操舵補助制御手段の電力遮蔽手段の診断を含む初期診断を行い、初期診断結果が前記操舵補助制御手段の作動に支障がない場合に、前記操舵補助制御手段を作動させるようにした自己診断手段(ステップS21〜S46)とを備えた電動パワーステアリング装置であって、前記自己診断手段は、前記操舵補助制御手段が作動してからイグニッションスイッチがオフ状態となるまでの間の診断結果に基づいて次回の初期診断で実施する診断項目を決定するように構成されている(ステップS45)。
【選択図】図6

Description

本発明は、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータを備えた操舵補助機構と、該操舵補助機構を駆動制御する操舵補助制御手段と、該操舵補助制御手段の作動開始時に電力遮蔽手段の診断を含む初期診断を行い、初期診断結果が前記操舵補助制御手段の作動に支障がない場合に、前記電力遮断手段を通電状態として前記操舵補助制御手段を作動させるようにした自己診断手段とを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置としては、従来、例えばイグニッションスイッチがオフされてから予め設定された遅延時間経過後に制御装置は電源リレー及びモータリレーを夫々オフするようにし、前記遅延時間経過前に再びイグニッションスイッチがオンされたとき制御装置はイニシャルチェックを行うことなく予め設定されたアシスト起動条件(エンジン回転数NE>470rpm)の入力待機状態とすることより、遅延時間経過前に再びイグニッションスイッチがオンされたとき、すぐにアシスト開始可能として再イグニッションスイッチオン後のアシスト開始遅れを防止するようにした電動パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−182598号公報(第1頁、図4)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、イグニッションスイッチがオフ状態となってから所定の遅延時間が経過する前にイグニッションスイッチが再度オン状態となったときに、イニシャルチェック(初期診断)を行うことなくアシスト起動条件の入力待機状態とするようにしているので、前回のイグニッションスイッチのオン状態での初期診断の後に発生した異常を検出することができないという未解決の課題がある。
この課題を解決するためには、イグニッションスイッチがオン状態となる毎に初期診断を行う必要があるが、この初期診断でリレー等の電力遮断手段の診断を行う場合には、電力遮断手段を一旦オフ状態としてからオン状態に復帰させて、導通状態を確認する必要があるが、この診断に時間を要すると共に、電力遮断手段をオン状態とする際に耳障りな衝撃音を発生することになり、商品性の悪化を招くという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、イグニッションスイッチをオフ状態として所定の遅延時間が経過する前に再度イグニッションスイッチをオン状態としたときに、初期診断時間を短縮しながら異音の発生を防止することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータを備えた操舵補助機構と、該操舵補助機構の電動モータを駆動制御する操舵補助制御手段と、少なくともイグニッションスイッチがオン状態となったときに前記操舵補助制御手段の電力遮蔽手段の診断を含む初期診断を行い、初期診断結果が前記操舵補助制御手段の作動に支障がない場合に、前記操舵補助制御手段を作動させるようにした自己診断手段とを備えた電動パワーステアリング装置であって、前記自己診断手段は、前記操舵補助制御手段が作動してからイグニッションスイッチがオフ状態となるまでの間の診断結果に基づいて次回の初期診断で実施する診断項目を決定するように構成されていることを特徴としている。
この請求項1に係る発明では、自己診断手段で、操舵補助制御手段の作動開始毎に、初期診断を行うが、この初期診断を行うときの診断項目を前回操舵補助制御手段が作動してからイグニッションスイッチがオフ状態となるまでの間の診断結果に基づいて決定するので、必要とする初期診断のみを行って初期診断時間を短縮することができる。
また、請求項2に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に係る発明において、前記自己診断手段は、前記イグニッションスイッチがオン状態となったときに、初期診断を行い、イグニッションスイッチがオフ状態となってから前記操舵補助制御手段を作動状態に維持する所定の遅延時間経過前に再度イグニッションスイッチがオン状態となった場合に、前記電力遮断手段の導通/遮断動作を伴う診断項目以外の診断項目について初期診断を実施するように構成されていることを特徴としている。
この請求項2に係る発明では、イグニッションスイッチがオフ状態となってから操舵補助制御手段を作動状態に維持する所定の遅延時間が経過する前に再度イグニッションスイッチをオン状態としたときに、リレー等の電力遮断手段の導通/遮断動作を伴う診断項目以外の診断項目について初期診断を実施するので、電力遮断手段の導通動作や遮断動作時に異音が発生することを確実に防止することができる。
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記電力遮断手段は、イグニッションスイッチからの電力供給系統以外に電力供給源からの電力供給系統を有する制御手段によって作動制御されていることを特徴としている。
この請求項3に係る発明では、電力遮断手段がイグニッションスイッチからの電力供給系統以外に電力供給源からの電力供給系統を有する制御手段によって作動制御されることにより、イグニッションスイッチがオフ状態となっても制御手段によって電力遮断手段の作動制御を継続することができる。
さらにまた、請求項4に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記操舵補助制御手段は、操舵トルク検出手段から入力される操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する演算処理装置と、該演算処理装置で演算された電流指令値に基づいて前記電動モータを駆動するモータ制御装置と、該モータ制御装置に電源装置からの電力を供給する電力遮断手段と、前記モータ制御手段及び前記電動モータ間に介装されたモータリレーと、前記演算処理装置に対して作動電力を供給するイグニッションスイッチを介して電力供給源に接続されていると共に、前記電力遮断手段及び前記モータ駆動制御装置間に接続された電源回路とを備えていることを特徴としている。
この請求項4に係る発明では、電源回路にイグニッションスイッチスイッチを介する電源系統と電力遮断手段を介する電源系統との2系統の電源系統があるので、電源遮断手段が電力遮断状態となるまで電源回路が作動して演算処理装置を駆動することができるので、この演算処理装置で初期診断手段に対応する初期診断処理を実行させることにより、請求項3と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、自己診断手段で、操舵補助制御手段の作動開始毎に、初期診断を行うが、この初期診断を行うときの診断項目を前回操舵補助制御手段が作動してからイグニッションスイッチがオフ状態となるまでの間の診断結果に基づいて決定するので、必要とする初期診断のみを行って初期診断時間を短縮することができるという効果が得られる。
また、イグニッションスイッチがオフ状態となってから操舵補助制御手段を作動状態に維持する所定の遅延時間が経過する前に再度イグニッションスイッチをオン状態としたときに、リレー等の電力遮断手段の導通/遮断動作を伴う診断項目以外の診断項目について初期診断を実施するようにすることで、イグニッションスイッチをオフ状態としてから所定の遅延時間が経過する前に再度イグニッションスイッチをオン状態としたときに、電力遮断手段の診断を割愛することにより、電力遮断手段の導通/遮断動作時の異音の発生を確実に防止することができ、商品性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。ここで、操舵トルクセンサ3は、メイントルクセンサ3mとサブトルクセンサ3sとで構成されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ機構8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ機構8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、操舵補助力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結した減速ギヤ11と、この減速ギヤ11に連結された操舵補助力を発生する電動機としての電動モータ13とを備えている。
操舵トルクセンサ3を構成するメイントルクセンサ3m及びサブトルクセンサ3sは、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を抵抗変化や磁気変化に変換して検出するように構成されている。
これらメイントルクセンサ3m及びサブトルクセンサ3sは、図2に示すように、入力される操舵トルクが零のときには、所定の中立電圧V0となり、この状態から右切りすると、操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0より増加する電圧となり、操舵トルクが零の状態から左切りすると操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0より減少する電圧となるトルク検出値Tm,Tsを出力するように構成されている。
これらメイントルクセンサ3m及びサブトルクセンサ3sから出力されるトルク検出値Tm及びTsは制御装置14に入力される。この制御装置14には、電力供給源としてのバッテリ15からイグニッションスイッチ16を介して電源が供給されていると共に、バッテリ15から直接電源が供給され、トルク検出値Tm及びTsの他に車速センサ17で検出した車速検出値Vs及び電動モータ13に流れる駆動電流検出値Imも入力され、入力されるトルク検出値Tm及び車速検出値Vsに応じた操舵補助力を電動モータ13で発生する操舵補助指令値Irefを算出し、算出した操舵補助指令値Irefとモータ電流検出値Imとにより、電動モータ13に供給する駆動電流をフィードバック制御する。
制御装置14は、図3に示すように、操舵トルクセンサ3を構成するメイントルクセンサ3m及びサブトルクセンサ3sのトルク検出信号が入力されてこれらトルク検出信号から中立電圧V0を減算して正負のトルク検出値Tm及びTsを算出するトルク検出回路21を有する。このトルク検出回路21は、両トルクセンサ3m及び3sに供給されるセンサ電圧が正常であるか否かを監視してセンサ電圧が異常であるときに例えば論理値"1"の電圧異常検出信号SAを出力するセンサ電圧監視部21aを内装している。
また、制御装置14は、トルク検出回路21から出力されるトルク検出値Tm,Ts及び電圧異常検出信号SAと車速検出値Vsとに基づいて所定の演算を行ってモータ制御信号Imrを出力する例えばCPUで構成される演算処理装置22を有する。この演算処理装置22には、バッテリ15からの電力がイグニッションスイッチ16を介して供給される電源系統と、後述する電源リレーの出力側から電力が供給される電源系統の2系統の電源系統を有する電源回路23で形成した制御電力が供給されている。
また、演算処理装置22は、通信インタフェース回路24を介してコントローラエリアネットワーク(CAN:Controller Area Network)を構成する伝送路としてのバス25に接続され、このバス25に接続された車速センサ17から車速検出値Vsを取得する。
さらに、演算処理装置22は、後述するHブリッジ回路に介挿されたシャント抵抗Rsの両端電位差に基づいてモータ電流を検出するモータ電流検出回路26が接続されていると共に、電動モータ13のモータ端子電圧を検出するモータ端子電圧検出回路27が接続され、さらに演算処理装置22近傍の温度を検出する温度検出回路28が接続されていると共に、後述する自己診断処理で検出した診断結果を格納する例えばEEPROMで構成される不揮発性メモリ29が接続され、なおさらに診断結果が操舵補助制御を実行不可能な異常である場合に警報音又は警報表示でなる警報を発する警報回路32が接続されている。
さらにまた、演算処理装置22は、メイン及びサブMCU(Micro Controller Unit)101及び102を有し、メインMCU101は、相互監視するために自己監視用のウォッチドッグタイマ(WDT)101m及びサブ用のウォッチドッグタイマ(WDT)101sを内蔵しており、サブMCU102も相互監視するために自己監視用のウォッチドッグタイマ(WDT)102s及びメイン用のウォッチドッグタイマ(WDT)102mを内装している。そして、サブMCU102はメイン用のウォッチドッグタイマ102mがタイムアップしたときにメインCPU101がプログラム暴走等による異常であると判断してモータ駆動禁止信号Mpを後述するFET駆動回路31に出力して電動モータ13の駆動を停止させると共に、電源リレー34をオフ状態とするリレー制御信号Cpを出力する。
メインMCU101及びサブMCU102は、共にトルク検出値Tm及びTs、車速検出値Vs、モータ電流検出値Im、モータ端子電圧Vmに基づいてモータ駆動信号Imrを生成するが、メインMCU101からのモータ駆動信号Imrのみが後述するFET駆動回路31に入力され、サブMCU102で算出されたモータ駆動信号Imrは監視用に使用される。このため、サブMCU102では、自己が算出したモータ駆動信号ImrとメインMCU101が算出したモータ駆動信号Imrとを比較して両者の偏差が所定範囲内であるときにはメインMCU101が正常であると判断するが、偏差が所定範囲外となったときにはメインMCU101が異常であると判断してモータ駆動禁止信号MpをFET駆動回路31に出力すると共に、電源リレー34にオフ信号を出力する。
ここで、メインMCU101には、図3に示すように、両MCUで実行する操舵補助制御処理プログラム、自己診断処理プログラム等を格納するROM(リードオンリメモリ)130と、トルク検出値Tm,Ts、車速検出値Vs、モータ電流検出値Imd及びモータ端子電圧検出値Vmd等の検出データや、MCUで実行する操舵補助制御処理及び自己診断処理の処理過程で必要とするデータや処理結果を記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)131とが少なくとも内蔵されている。また、サブMCU102には、操舵補助制御処理プログラム等を格納するROM130、MCUで実行する操舵補助制御処理等の処理過程で必要とするデータや処理結果を記憶するRAM131とが少なくとも内蔵されている。
また、メインMCU101及びサブMCU102で実行する操舵補助制御処理は、図4に示すように、先ず、ステップS1で、操舵トルク検出回路21からメイントルクセンサ3mで検出したトルク検出値Tm及び車速センサ17で検出した車速検出値Vsを読込み、次いでステップS2に移行して、モータ電流検出値Imd及びモータ端子電圧検出値Vmdを読込み、次いでステップS3に移行して、トルク検出値Tm及び車速検出値Vsに基づいて図5に示す操舵補助指令値算出マップを参照して、モータ電流指令値となる操舵補助指令値Irefを算出する。
ここで、操舵補助指令値算出マップは、図5に示すように、横軸にトルク検出値Tmをとり、縦軸に操舵補助トルク指令値Irefをとると共に、車速検出値Vsをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成され、トルク検出値Tmが“0”からその近傍の設定値Ts1までの間は操舵補助トルク指令値Irefが“0”を維持し、トルク検出値Tmが設定値Ts1を超えると最初は操舵補助指令値Irefがトルク検出値Tmの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらにトルク検出値Tmが増加すると、その増加に対して操舵補助トルク指令値Irefが急峻に増加するように設定され、この特性曲線が車速の増加に従って傾きが小さくなるように設定されている。
次いで、ステップS4に移行して、モータ電流検出値Imd及びモータ端子電圧検出値Vmdに基づいて下記(1)式の演算を行ってモータ角速度ωを算出する。
ω=(Vmd−Imd・Rm)/K0 …………(1)
ここで、Rmはモータ巻線抵抗、K0はモータの起電力定数である。
次いで、ステップS5に移行して、モータ角速度ωに慣性ゲインKiを乗算して、モータ慣性を加減速させるトルクを操舵トルクTmから排除し、慣性感のない操舵感覚を得るための慣性補償制御用の慣性補償値Ii(=Ki・ω)を算出すると共に、操舵補助指令値Irefの絶対値に摩擦係数ゲインKfを乗算して、動力伝達部や電動モータの摩擦が操舵力に影響することを排除するため摩擦補償制御用の摩擦補償値If(=Kf・Iref)を算出する。ここで、摩擦補償値Ifの符号はトルク検出値Tmの符号とこのトルク検出値Tmにより操舵の切り増し/切り戻しを判定する操舵方向信号とに基づいて決定する。
次いで、ステップS6に移行して、トルク検出値Tmを微分演算処理してアシスト特性不感帯での安定性確保、静摩擦の補償を行うセンタ応答性改善指令値Irを算出し、ステップS7に移行して、算出した慣性補償値Ii、摩擦補償値If及びセンタ応答性改善指令値Irを操舵補助指令値Irefに加算して操舵補助補償値Iref′(=Iref+Ii+If+Ir)を算出し、次いでステップS8に移行して、操舵補助補償値Iref′を微分してフィードフォワード制御用の微分値Idを算出する。
次いで、ステップS9に移行して、操舵補助補償値Iref′からモータ電流検出値Imdを減算して電流偏差ΔIを算出し、次いでステップS10に移行して、電流偏差ΔIを比例演算処理して比例補償制御用の比例値ΔIpを算出し、次いでステップS11に移行して、電流偏差ΔIを積分演算処理して積分補償制御用の積分値ΔIiを算出し、次いでステップS12に移行して、微分値Id、比例値ΔIp及び積分値ΔIiを加算することによりモータ駆動電流Imr(=Id+ΔIp+ΔIi)を算出してからステップS13に移行する。
このステップS13では、前記ステップS12で算出したモータ駆動電流Imrとこのモータ駆動電流Imrの正負の符号に応じた回転方向信号Dmを、電動モータ13を駆動するHブリッジ回路30を構成する電界効果トランジスタFET1〜FET4を制御するFET駆動回路31に出力する。
Hブリッジ回路30は、2つの電界効果トランジスタFET1及びFET2を直列に接続した直列回路と、この直列回路と並列に2つの電界効果トランジスタFET3及びFET4を直列に接続した直列回路とを有し、電界効果トランジスタFET1及びFET2の接続点と電界効果トランジスタFET3及びFET4の接続点との間にモータリレー33を介して電動モータ13が接続され、両直列回路の接続点の一方が電源リレー34を介してバッテリ15に接続され、他方がシャント抵抗Rsを介して接地されている。
FET駆動回路31は、メインMCU101からモータ駆動電流Imrと回転方向信号Dmとが入力されると、モータ駆動電流Imrにもとにパルス幅変調を行ってモータ駆動電流Imrに応じたデューティ比のパルス幅変調パルスPWMを形成すると共に、回転方向信号Dmに基づいてHブリッジ回路30の対角線上の電界効果トランジスタFET1及びFET4の組と電界効果トランジスタFET2及びFET3の組との何れを選択するかを決定し、選択した組の一方の電界効果トランジスタ例えばFET1又はFET3にオン状態に制御するオン状態信号を、他方の電界効果トランジスタFET2又はFET4にパルス幅変調信号PWMを供給する。
また、メインMCU101では、図6に示す自己診断処理を実行する。
この自己診断処理は、イグニッションスイッチ16をオン状態として電源回路23から演算処理装置22に電源が投入されたときに実行開始され、先ず、ステップS21で、初期診断が実行済みであるか否かを表す初期診断完了フラグFが初期診断完了を表す“1”にセットされているか否かを判定し、初期診断完了フラグFが“0”にリセットされているときには、ステップS22に移行して、予め設定された初期診断項目の全てを実行する。ここで、初期診断項目としては、トルク検出値Tm及びTsの偏差ΔTの絶対値|ΔT|を演算して、この絶対値|ΔT|が所定値ΔTs以上であるか否かを判定し、|ΔT|≧ΔTsであるときにトルクセンサ異常と判定すると共に、電圧異常検出信号SAが論理値“1”であるときにトルクセンサ異常と判定するトルクセンサ診断処理、電源回路23の電源電圧、バッテリ15のバッテリ電圧、イグニッションスイッチ16を介して入力されるバッテリ電圧の異常を検出する電源診断処理、サブMCU102によるメインMCU101の異常を検出するコントローラ診断処理、メインMCU101に接続された不揮発性メモリ29の異常を検出する不揮発性メモリ診断処理、温度検出回路28の温度検出値に基づいて演算処理装置22の近傍温度異常を検出する温度検出診断処理、モータ端子電圧検出回路27で検出するモータ端子電圧の異常を検出するモータ端子電圧診断処理、モータ電流検出回路26で検出するモータ電流検出値Imdの異常を検出するモータ電流診断処理、メインMCU101の診断処理、Hブリッジ回路30及びFET駆動回路31の地絡、天絡、短絡等の異常による過電流異常を検出する過電流診断処理、電動モータ13の異常を検出するモータ診断処理、モータリレー33及び電源リレー34の異常を検出するリレー診断処理及びCAN通信の異常を検出するCAN診断処理が設定されている。ここで、リレー診断処理は、モータリレー33及び電源リレー34に対するリレー制御信号Cm及びCpをオン状態及びオフ状態に制御して、モータリレー33及び電源リレー34を付勢状態及び非付勢状態としたときの出力電圧を夫々読込み、リレー接点の溶着状態を診断する。
この初期診断処理が完了すると、ステップS23に移行して、初期診断完了フラグFを“1”にセットし、次いでステップS24に移行して、初期診断結果が異常なしであるか否かを判定し、初期診断結果が異常なしである場合にはステップS29に移行し、初期診断結果が異常ありの場合にはステップS25に移行して、異常が生じた診断結果を不揮発性メモリ29に記憶してからステップS26に移行して、異常が生じた診断結果から操舵補助制御が可能であるか否かを判定し、操舵補助制御が不可能であるときにはステップS27に移行して、操舵補助制御が不可能である旨を表す重度の警報信号を警報回路32に出力してから自己診断処理を終了し、操舵補助制御が可能であるときにはステップS28に移行して、軽微な異常である旨を表す軽度の警報信号を警報回路32に出力してからステップS29に移行する。
ステップS29では、モータリレー33及び電源リレー34をオン状態とするリレー制御信号Cm及びCpを出力して操舵補助制御待機状態とし、次いでステップS30に移行して、所定の操舵補助開始条件が成立したか否かを判定する。この操舵補助開始条件としてはエンジン回転数が予め設定した所定値(例えば470rpm)以上となったか否かを判定し、操舵補助開始条件が成立したときにはステップS31に移行して、前述した図4の操舵補助制御処理を起動し、次いでステップS32に移行して、操舵補助制御処理の実行中を表す操舵補助制御処理中フラグFAを操舵補助制御処理中を表す“1”にセットしてからステップS36に移行する。
一方、ステップS30の判定結果が、操舵補助制御開始条件が成立していないときには、ステップS33に移行して、操舵補助制御処理中フラグFAが“1”にセットされているか否かを判定し、操舵補助制御処理中フラグFAが“0”にリセットされているときにはそのままステップS36に移行し、操舵補助制御処理中フラグFAが“1”にセットされているときにはステップS34に移行して操舵補助制御処理を終了させ、次いでステップS35に移行して操舵補助制御処理中フラグFAを“0”にリセットしてからステップS36に移行する。
ステップS36では、イグニッションスイッチ16がオフ状態となったか否かを判定し、イグニッションスイッチ16がオン状態を継続しているときには、ステップS37に移行して、操舵補助制御処理中フラグFAが“1”にセットされているか否かを判定し、操舵補助制御処理中フラグFAが“0”にリセットされているときにはそのまま前記ステップS30に戻り、操舵補助制御処理中フラグFAが“1”にリセットされているときにはステップS38に移行して、通常状態での異常診断処理を行ってからステップS39に移行する。この通常状態での異常診断処理は、前述した初期診断処理の診断項目のうちトルクセンサ診断処理、電源診断処理、コントローラ異常処理、モータ端子電圧診断処理、モータ電流診断処理、過電流診断処理及びモータ診断処理を行う。
ステップS39では、上記ステップS38での異常診断処理の診断結果が異常なしであるか否かを判定し、異常なしであるときには前記ステップS36に戻り、異常ありの場合には、ステップS40に移行して、異常結果を不揮発性メモリ29に記憶すると共に、図4の操舵補助制御処理を終了させてから後述するステップS43に移行する。
また、前記ステップS36の判定結果が、イグニッションスイッチ16がオフ状態となったときには、ステップS41に移行して、図4の操舵補助制御処理を終了させてからステップS42に移行して、イグニッションスイッチ16がオフ状態となってから予め設定した所定の遅延時間(例えば10分)が経過したか否かを判定し、所定の遅延時間が経過したときには前記ステップS43に移行してモータリレー33及び電源リレー34を共にオフ状態とするリレー制御信号Cm及びCpを出力してから自己診断処理を終了し、所定の遅延時間が経過していないときには、ステップS44に移行する。
このステップS44では、イグニッションスイッチ16が再度オン状態となったか否かを判定し、イグニッションスイッチ16がオフ状態を継続しているときには前記ステップS42に戻り、イグニッションスイッチ16が再度オン状態に復帰したときには前記ステップS21に戻る。
一方、前記ステップS20の判定結果が、初期診断完了フラグFが“1”にセットされているときには、ステップS45に移行して、前記ステップS21で実行するリレー診断処理及びコントローラ診断処理を除く残りの診断項目について初期診断処理を実行し、次いでステップS46に移行して、前述したステップS24〜ステップS28と同様の診断結果判断処理を行ってから診断結果に異常がないか又は異常があっても軽微な異常の場合には前記ステップS30に移行して操舵補助制御待機状態とし、操舵補助制御に影響を与える異常が発生したときにはその異常を不揮発性メモリ29に記憶すると共に、警報回路32に警報信号を出力してから前記ステップS43に移行する。
この図4の処理が操舵補助制御手段に対応し、図6の処理が自己診断手段に対応している。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、車両がイグニッションスイッチ16をオフ状態とすると共に、電源リレー34がオフ状態となって電源回路23にバッテリ15からの電力が供給されていない状態では、演算処理装置22のメイン及びサブMCU101及び102が作動停止状態にあり、メインMCU101で、図4の操舵補助制御処理及び図6の自己診断処理は実行されず、モータリレー33及び電源リレー34がオフ状態となって、Hブリッジ回路30へのバッテリ15から電力供給が遮断されると共に、電動モータ13へのモータ電流の供給も停止されている。
この状態から、車両に運転者が乗車してイグニッションスイッチ16をオン状態とすると、電源回路23にバッテリ15からの電力が供給されることにより、この電源回路23から演算処理装置22のメイン及びサブMCU101及び102に制御電力が供給されると共に、FET駆動回路31にも制御電力が供給される。
このため、演算処理装置22のメインMCU101で、初期化処理が実行されて、初期診断完了フラグFが“0”にリセットされると共に、演算処理に必要な各種設定値が設定される。
この初期化処理が終了すると、図6の自己診断処理が実行開始され、初期診断完了フラグFが“0”にリセットされていることから、ステップS21からステップS22に移行し、前述したトルクセンサ診断処理、電源診断処理、コントローラ診断処理、温度検出診断処理、モータ端子電圧診断処理、モータ電流診断処理、メインMCUの診断処理、過電流診断処理、モータ診断処理、リレー診断処理及びCAM診断処理でなる全ての初期診断項目の診断を行う初期診断処理が実行される。
そして、この初期診断処理が終了するとステップS24に移行して、初期診断完了フラグFが“1”にセットされ、次いでステップS24に移行して、初期診断結果が異常なしであるか否かを判定する。ここで、初期診断結果に異常がある場合に、異常が生じた診断結果を不揮発性メモリ29の異常を除いて不揮発性メモリ29に記憶し(ステップS25)、次いで操舵補助制御が可能であるか否かを判定し、トルクセンサ異常、電源異常、モータ端子電圧異常、モータ電流異常、メインMCU101の異常、過電流異常、モータ異常、リレー異常が検出された場合には、正常な操舵補助制御を行うことができないので、操舵補助制御不可能と判断し、ステップS27に移行して、操舵補助制御が不可能であることを表す異常警報信号を警報回路32に出力して、運転者に操舵補助制御が不可能である旨の警報を発してから自己診断処理を終了する。この場合には、図4の操舵補助制御処理が起動されないと共に、モータリレー33及び電源リレー34がオフ状態を維持するので、電動モータ13は駆動されることなく停止状態を維持し、ステアリングホイール1は運転者の操舵力のみによって操舵される。
また、初期診断結果が不揮発性メモリ29の異常、温度検出回路28の異常、CAN通信の異常等の軽微な異常である場合には、警報回路32に軽微異常である旨を表す軽微異常信号を警報回路に出力してからステップS29に移行する。
一方、ステップS24の判定結果が、初期診断結果が異常なしであるときには直接ステップS29に移行する。
そして、ステップS29では、予め設定された操舵補助制御開始条件が成立したか否かを判定し、操舵補助制御開始条件が成立していないときにはステップS33に移行して、操舵補助制御処理中フラグFAが“1”であるか否かを判定し、操舵補助制御が開始されておらず操舵補助制御処理中フラグFAが“0”にリセットされているので、直接ステップS36に移行して、イグニッションスイッチ16がオフ状態となったか否かを判定し、イグニッションスイッチ16がオン状態を継続している場合には、ステップS37に移行して補助操舵制御処理中フラグFAが“0”にリセットされているので、ステップS30に戻り、操舵補助制御待機状態を継続する。
その後、操舵補助制御開始条件が成立すると、ステップS30からステップS31に移行して、図4の操舵補助制御処理を起動し、次いでステップS32に移行して操舵補助制御処理中フラグFAを“1”にセットしてからステップS36に移行してイグニッションスイッチ16がオフ状態となったか否かを判定する。
このように図4の操舵補助制御処理が起動されると、操舵トルクセンサ3のメイントルクセンサ3mで検出したトルク検出値Tm及び車速センサ17で検出した車速検出値Vsを読込み(ステップS1)、次いでモータ電流検出値Imd及びモータ端子電圧検出値Vmdを読込み(ステップS2)、トルク検出値Tmと車速検出値Vsとに基づいて図5に示す操舵補助指令値算出マップを参照して操舵補助指令値Irefを算出する(ステップS3)。
一方、モータ電流検出値Imd及びモータ端子電圧検出値Vmdに基づいて前記(1)式の演算を行うことにより、モータ角速度ωを算出し(ステップS4)、このモータ角速度ωに基づいて慣性補償制御用の慣性補償値Iiを算出すると共に、摩擦補償制御用の摩擦補償値Ifを算出し(ステップS5)、さらに操舵トルクTmを微分演算してセンタ応答性改善指令値Irを算出し(ステップS6)、これら慣性補償値Ii、摩擦補償値If及びセンタ応答性改善補償値Irを操舵補助指令値Irefに加算して操舵補助補償値Iref′を算出する(ステップS7)。
そして、操舵補助補償値Iref′を微分演算処理してフィードフォワード制御における微分補償制御用の微分値Idを算出し(ステップS8)、次いで、操舵補助補償値Iref′からモータ電流検出値Imdを減算して電流偏差ΔIを算出し(ステップS9)、算出した電流偏差ΔIを比例演算処理して比例補償制御用の比例値ΔIpを算出すると共に、積分演算処理して積分補償制御用の積分値ΔIiを算出し(ステップS10,S11)、次いで、微分値Id、比例値ΔIp及び積分値ΔIiを加算してモータ駆動信号Imrを算出する(ステップS12)。
そして、算出したモータ駆動信号ImrをFET駆動回路31に出力することにより、FET駆動回路31からHブリッジ回路30の対角の電界効果トランジスタFET1及びFET4又はFET3及びFET2にオン状態の制御信号及びパルス幅変調パルスPWMを供給することにより、電動モータ13に駆動電流を供給して、この電動モータ13でステアリングホイール1に作用された操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させ、これを減速ギヤ11を介して出力軸2bに伝達する。
このとき、車両が停車している状態でステアリングホイール1を操舵する所謂据え切り状態では、図5に示す操舵補助指令値算出マップの特性線の勾配が大きいことにより、小さいトルク検出値Tmで大きな操舵補助指令値Irefを算出するので、電動モータ13で大きな操舵補助力を発生して軽い操舵を行うことができる。
一方、車両が発進して、所定車速以上となると、図5に示す操舵補助指令値算出マップの特性線の勾配が小さくなることにより、大きなトルク検出値Tmでも小さな操舵補助指令値Irefを算出するので、電動モータ13で発生する操舵補助力が小さくなり、ステアリングホイール1の操舵が軽くなりすぎることを抑制して最適な操舵を行うことができる。
この操舵補助制御状態でも、図6の自己診断処理におけるステップS38で通常の異常診断処理が行われており、異常診断結果が異常である場合には、異常結果が不揮発性メモリ29に記憶されると共に、操舵補助制御処理が終了され、且つモータリレー33及び電源リレー34を同時にオフ状態とするリレー制御信号Cm及びCpを出力することにより、電動モータ13の駆動が停止されると共に、電源回路23及び演算処理装置22への電力の供給が遮断される。
その後、運転者が車両を停車させて、イグニッションスイッチ16をオフ状態とすると、図6の自己診断処理で、ステップS36からステップS41に移行して、図4の操舵補助制御処理が終了され、次いでステップS42に移行して、所定の遅延時間が経過したか否かを判定し、所定の遅延時間が経過していないときにはステップS44に移行して、イグニッションスイッチ16が再度オン状態となったか否かを判定し、イグニッションスイッチ16がオフ状態のまま所定の遅延時間が経過すると、ステップS43に移行して、モータリレー33及び電源リレー34をオフ状態とするリレー制御信号Cm及びCpを出力することにより、モータリレー33及び電源リレー34をオフ状態として、電源回路23へのバッテリ15からの電力供給を遮断して、演算処理装置22、Hブリッジ回路30、FET駆動回路31及び電動モータ13への電力供給を遮断する。
ところが、イグニッションスイッチ16をオフ状態としてから所定の遅延時間が経過する前に、イグニッションスイッチ16を再度オン状態とすると、ステップS44からステップS20に戻り、初期診断完了フラグFが“1”にセットされているので、ステップS23に移行して、初期診断項目のうちリレー診断処理及びサブMCU102による電源リレー34をオフ状態として操舵補助を禁止する診断処理を除く診断項目の初期診断処理を実行してからステップS24に移行する。
このため、リレー診断処理を除いて操舵補助制御処理を開始できるか否かを判断するに必要な診断項目については再度初期診断が行われ、その診断結果が正常であるか又は異常であっても操舵補助制御が可能な状態であるときには、ステップS30に移行して、操舵補助制御開始条件が成立したか否かを判定し、操舵補助制御開始条件が成立したときにステップS30に移行し、操舵補助制御処理を起動して操舵補助制御状態に復帰する。
このとき、イグニッションスイッチ16を再度オン状態としたときには、ステップS23で実行される初期診断処理で、リレー診断処理が除かれているので、リレー診断処理によってモータリレー33及び電源リレー34が個別にオン・オフされて衝撃音となる異音が複数回発生することを確実に防止することができ、運転者に違和感を与えることを防止して、商品性を向上させることができると共に、時間がかかるリレー診断処理を除くことにより、初期診断時間を短縮することができる。しかも、リレー診断処理以外の診断項目については診断処理を行っており、初期診断時間を短縮しながら必要な初期診断を行うことができる。
このイグニッションスイッチ16をオフ状態としてから所定の遅延時間が経過する前に再度イグニッションスイッチ16をオン状態としたときの初期診断処理では、元々モータリレー33及び電源リレー34がオン状態を継続しており、最初の初期診断におけるリレー診断処理結果が正常である場合には、モータリレー33及び電源リレー34に異常が発生して操舵補助制御処理を再開する障害となることはなく、リレー診断処理を除いても問題がないものである。
なお、上記実施形態においては、イグニッションスイッチ16をオフ状態としてから所定の遅延時間が経過するまでの間にイグニッションスイッチ16を再度オン状態としたときに、初期診断処理が完了しているか否かを判定して、リレー診断処理を実施するか否かを判断するようにした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、イグニッションスイッチ16をオン状態としてからイグニッションスイッチ16をオフ状態とするまでの間に実施した診断結果に基づいてイグニッションスイッチ16を再度オン状態としたときの診断項目を決定するようにしてもよい。
すなわち、例えば図4の操舵補助制御処理が起動されて操舵補助制御が可能な操舵補助制御許可状態で、温度検出回路28の異常や不揮発性メモリ29の異常等の軽微な異常が検出されたときに、その時点で温度検出回路28の異常や不揮発性メモリ29の異常を表す異常検出フラグFTやFMを“1”としてRAM又は外部メモリの所定記憶領域に保存しておき、再度イグニッションスイッチ16をオン状態としたときに、ステップS23の初期診断処理で、RAM又は外部メモリの所定記憶領域を参照して、異常検出フラグFTやFMの有無を確認して、異常検出フラグが保存されている診断項目についてのみ初期診断するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、モータ駆動電流Imrを演算処理装置22で実行するソフトウェア処理によって算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、操舵補助指令値演算器、センタ応答性改善回路、慣性補償器、摩擦補償器、微分補償器、減算器、比例演算器、積分演算器、加算器等を組み合わせたハードウェアによってモータ駆動電流Imrを算出するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、不揮発性メモリ29としてEEPROMを適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、フラッシュメモリ等の任意の不揮発性メモリを適用することができる。
さらにまた、上記実施形態においては演算処理装置22をメインMCU101及びサブMCU102の2つで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1つのMCU又はこれに相当する演算処理装置で演算処理を行うようにしてもよい。
本発明の一実施形態を示す概略構成図である。 操舵トルクセンサで検出されるトルク検出信号の特性線図である。 図1のコントローラの具体的構成を示すブロック図である。 メイン及びサブMCUで実行する操舵補助制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 操舵補助指令値算出マップを示す特性線図である。 メインMCUで実行する自己診断処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、3m…メイントルクセンサ、3s…サブトルクセンサ、8…ステアリングギヤ機構、13…電動モータ、14…制御装置、15…バッテリ、16…イグニッションスイッチ、17…車速センサ、21…トルク検出回路、22…演算処理装置、23…電源回路、24…通信インタフェース回路、25…バス、26…モータ電流検出回路、27…モータ電圧検出回路、28…温度検出回路、29…不揮発性メモリ、30…モータ駆動回路、31…FET駆動回路、32…警報回路、33…モータリレー、34…電源リレー、101…メインMCU、102…サブMCU

Claims (4)

  1. 操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータを備えた操舵補助機構と、該操舵補助機構の電動モータを駆動制御する操舵補助制御手段と、少なくともイグニッションスイッチがオン状態となったときに前記操舵補助制御手段の電力遮蔽手段の診断を含む初期診断を行い、初期診断結果が前記操舵補助制御手段の作動に支障がない場合に、前記操舵補助制御手段を作動させるようにした自己診断手段とを備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記自己診断手段は、前記操舵補助制御手段が作動してからイグニッションスイッチがオフ状態となるまでの間の診断結果に基づいて次回の初期診断で実施する診断項目を決定するように構成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記自己診断手段は、前記イグニッションスイッチがオン状態となったときに、初期診断を行い、イグニッションスイッチがオフ状態となってから前記操舵補助制御手段を作動状態に維持する所定の遅延時間経過前に再度イグニッションスイッチがオン状態となった場合に、前記電力遮断手段の導通/遮断動作を伴う診断項目以外の診断項目について初期診断を実施するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記電力遮断手段は、イグニッションスイッチからの電力供給系統以外に電力供給源からの電力供給系統を有する制御手段によって作動制御されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記操舵補助制御手段は、操舵トルク検出手段から入力される操舵トルクに基づいて電流指令値を演算する演算処理装置と、該演算処理装置で演算された電流指令値に基づいて前記電動モータを駆動するモータ制御装置と、該モータ制御装置に電源装置からの電力を供給する電力遮断手段と、前記モータ制御手段及び前記電動モータ間に介装されたモータリレーと、前記演算処理装置に対して作動電力を供給するイグニッションスイッチを介して電力供給源に接続されていると共に、前記電力遮断手段及び前記モータ駆動制御装置間に接続された電源回路とを備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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