JP2004126317A - 定着器の軸受け部に断熱材を用いた電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の電子写真装置は、芯金の周囲に形成した耐熱性とトナー離型性を兼ね備えたローラと、該ローラを側板に回転支持する転がり軸受けと、該ローラの内部に発熱体から構成される定着装置を備え、該定着器がローラの芯金内周面に円筒状の断熱部材を介して転がり軸受けの外輪を勘合し、該転がり軸受けの内輪を、側板に設けた円筒状のボス外周面に勘合固定してある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を利用した複写機やプリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の画像形成装置は例えば下記の特許文献1に記載がある。図9に、従来のカラープリンタやカラー複写機に用いられている定着装置の加熱ローラの断面形状と、転がり軸受けを用いて側板に該ローラを回転支持する構造の例を示す。加熱ローラ50は、内部にヒータ5を有し、芯金50aの表面には厚さ0.5〜2mmのトナー離径層50bが被覆されている。転がり軸受け51は、側板52に回転支持されている。また、転がり軸受け51の内輪51bは断熱部材53を介して芯金50aと勘合され、外輪51aは側板52に勘合固定されており、芯金から転がり軸受け51を介して側板に放熱される熱を低減する構成となっている。
【0003】
この構成において、一般に転がり軸受け51としては、単列深溝軸受けの内輪径φ20mm,外輪径φ32mm,呼び番号6804が広く用いられている。また、トナー離型層50bが被覆された部分のローラ芯金外径はφ30mm〜φ50mmになっており、そのため、本図に示すように、芯金形状は、両端を転がり軸受けの内輪51aにあわせて小径のボス部を有する絞り形状、あるいは図10に示すように、ストレートの芯金50aに小径のボス部を有するフランジ54を圧入する構成となっている。
【0004】
この構成は以下に述べる理由による。トナー離型層50bが被覆された部分のローラ芯金外径は、トナーと接し用紙にトナーを熱溶融するため、特に、印字速度が70〜100mm/s以上の高速の場合、内部ヒータからの輻射による芯金内面への受熱量を確保するために、芯金の内面積を大きくする必要があり、その結果φ30mm〜50mmとなる。一方、転がり軸受けにおいては、内径が大きくなると軸受け内部の玉数や玉の保持器が大きくなりコスト高となる。したがって、ローラの軸受け部は、前述したように、絞りあるいは小径のボス部を有するフランジ形状となっているのが通常であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−174978号公報(図3,図7)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、以下に述べる4つの問題があった。
【0007】
第1は、ローラの振れ精度が要求される一方で、芯金端部の絞りあるいはボスフランジの圧入などによりローラ形状が複雑なため、ローラ自体のコストがかかることである。
【0008】
第2は、芯金が絞り形状では芯金の薄肉化には限界があり、その結果ローラの熱容量を低減できず、ウォームアップ時間の短縮化は困難である。
【0009】
第3は、芯金の絞り部端面(あるいはフランジ圧入の場合はフランジの端面)からの放熱によりローラ端部の温度が低下し、その結果、ローラ軸方向の温度分布が不均一になる。
【0010】
第4は、側板には、転がり軸受けの外輪を勘合するための大きな穴が必要であり、そのため、側板の強度確保の点から、側板の小型化には限界があった。
【0011】
本発明の目的は、ウォームアップ時間の短縮,ローラ軸方向の温度の均一化,装置の小型化を実現する定着器を用いた電子写真装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子写真装置は、芯金の周囲に形成した耐熱性とトナー離型性を兼ね備えたローラと、該ローラを側板に回転支持する転がり軸受けと、該ローラの内部に発熱体から構成される定着器を備え、該定着器がローラの芯金内周面に円筒状の断熱部材を介して転がり軸受けの外輪を勘合し、該転がり軸受けの内輪を、側板に設けた円筒状のボス外周面に勘合固定してある。
【0013】
本発明の電子写真装置は、上記持つ定着器の該断熱部材を二重円筒形状とし、外側の円筒の外周面および内周面がそれぞれ芯金内面と転がり軸受けの外輪に勘合し、内側の円筒を、転がり軸受けの内輪と勘合固定された側板の円筒上のボスの内部に挿入した。
【0014】
本発明の電子写真装置は、上記定着器の断熱部材の側板と反対の面に、ローラ内部の発熱体の輻射を遮断する遮蔽部材を設けた。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳しく説明する。
【0016】
(実施例1)
本実施例の電子写真装置を図3を用いて説明する。図3において、装置中央部に中間転写装置11が配置されており、中間転写装置11の周辺には、感光装置12,転写装置13,用紙剥離手段14,中間転写装置清掃手段15が配置されている。また、感光装置12の周辺には、帯電器16,感光体清掃手段17,残像除去手段18が配置されている。4色の異なる色の微少着色粉体であるトナーを封入した現像装置19K,19Y,19M,19Cが重ねられて配置されており、その下方には露光手段20、また更にその下方には用紙を溜めておく用紙保持手段21,用紙供給装置22が配置されている。電子写真装置上部には、定着装置10,用紙排出装置23が配置されている。
【0017】
このような構成において、帯電器16は感光装置12の表面を一様に帯電し、次にパソコン,イメージスキャナ等による画像,文字の情報を露光手段20によりドット単位で露光し、感光装置12の表面に静電潜像を形成する。その後、静電潜像は、現像装置19K,19Y,19M,19Cのいずれかにより黒,イエロー,マゼンタ,シアンのトナーが供給,現像されることにより、トナー像として可視化され、第一転写位置T1へ搬送される。第一転写位置T1では、図示しない電源から供給される感光装置12と中間転写装置11との電位差により、トナー像が中間転写装置11の表面へ転写される。第一転写位置T1を通過した後、感光装置12の表面は残像除去手段18による光照射で電位を一定以下に落とされ、静電潜像が消去され、また、感光体清掃手段17により第一転写位置T1にて転写されずに残留した表面の残トナーが清掃され、次のトナー像の形成が可能な状態になる。
【0018】
上記工程を各現像装置19K〜19Cにより必要数繰返し、中間転写装置11の表面に、画像,文字の情報に見合うトナー像を形成する。その後、トナー像は第二転写位置T2で転写装置13によって、用紙供給装置22により用紙保持手段21から供給された用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、用紙剥離手段14により中間転写装置11より剥離され、定着装置10に運ばれ、トナー像を用紙に定着し、用紙排出装置23にて排出される。
【0019】
次に、本実施例の電子写真装置の定着器について、図2を用いて説明する。定着装置は、加熱ローラ1,加圧ベルト2,入口ガイド3,剥離ガイド4,側板
30から構成される。加熱ローラ1は、厚さ1mmのパイプ状のアルミ芯金1aの上に、厚さ0.8mm 、JIS硬度20度のシリコーンゴム層1bで被覆された外径φ40.4mm の弾性ローラであり、その表面にはトナーとの離型性を確保するため厚さ30μmのPFA(四弗化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)が被覆されている。また、内部にはヒータ5を有しており、この熱によってトナーを溶融する。また、加熱ローラ1は、後述する転がり軸受けにより、側板30に回転支持されており、図示していないギヤにより矢印A方向へ回転する。
【0020】
加圧ベルト2は、厚さ80μm,内径φ30mmのシームレスのポリイミドベルトであり、その表面にはトナーとの離型性を確保するため、厚さ30μmのPFAがコートされている。また、加圧ベルト2は、加圧部材6a,6bおよび加圧ローラ6cからなる加圧手段6によって懸架され、加圧アーム7と加圧バネ8によって加熱ローラ1に巻付き角度θで当接し、トナー9を溶融するための接触部hを形成している。また、加熱ローラ1の周囲には、加熱ローラ1の表面温度を検知してヒータ5の発熱を制御するサーミスタ31と加熱ローラ1の異常温度を検知するためのサーモスタット32を設けている。
【0021】
この構成により、未定着のトナー9が転写された用紙33は、矢印B方向へ搬送され、加熱ローラ1と接触部hで当接し、そこでトナー9が用紙に溶融定着されたのち、剥離ガイド4により加熱ローラ1から剥離されて排出される。
【0022】
次に、本実施例の加熱ローラ1の形状と側板30との支持手段について、図1を用いて説明する。図1は、加熱ローラ1の軸方向断面図である。加熱ローラ1の芯金1aはストレート形状の外径φ38.8mm,長さ240mmのアルミパイプである。転がり軸受け34は、外輪34aの外径がφ32mm、内輪34bの内径がφ25mm、呼び記号6705の単列深溝軸受けである。側板30は、厚さ1.2mmの鋼板であり、転がり軸受けの内輪34bと勘合するよう、外径φ25mmの円筒状のボスが形成されている。断熱部材35は二重円筒形状をしており、外側の円筒の外周面と芯金1aの内周面が勘合し、内側の円筒は側板30の円筒状のボスの内部に挿入する形状となっている。
【0023】
弾性体36は、側板30と転がり軸受け34の内輪と接するよう、加熱ローラのスラスト方向に対してある圧縮量を受けて、側板のボスに挿入されている。すなわち、この弾性変形による圧縮力にて、転がり軸受け34はローラのスラスト方向に位置決めされ、さらに、高温時における断熱部材35および加熱ローラ1のスラスト方向の熱膨張を吸収する構成となっている。本実施例では、SUS304−WPBによる波形リングとしたが、耐熱ゴム材によるリングでもかまわない。
【0024】
この構成により、加熱ローラ1は側板30と回転支持されるとともに、以下に述べる利点を有している。
【0025】
第1の利点は、芯金1aの形状を絞りではなくストレート形状とすることで、芯金の製造工程が簡素化できる点にある。すなわち、芯金がパイプ材の引き抜き加工のみで済み、その結果、寸法精度の確保が容易となり、加熱ローラ自体の低コスト化が実現できる。本実施例では、芯金材質をA6063の引き抜き材とした。
【0026】
第2の利点は、芯金の肉厚の薄肉化が容易であり、その結果、ウォームアップ時間の短縮化が図れることである。芯金が絞り形状の場合、絞り工程および研削工程における芯金の強度から、芯金厚さは2mm程度が限界であった。そのため、ウォームアップ時間も本実施例では、芯金厚さを1mmとすることで、ウォームアップ時間を30秒に低減することが可能となった。
【0027】
第3の利点は、軸方向の温度分布の均一化が図れることである。前述したように、従来用いられているローラの端部が絞り形状の場合では、芯金の絞り部端面(あるいはフランジ圧入の場合はフランジの端面)からの放熱によりローラ端部の温度が低下するのに対し、本発明ではローラ端面が芯金の熱伝導よりも小さい断熱部材により構成されるため、熱の放熱量が小さく、そのため、加熱ローラ端部の温度低下を抑え、軸方向の温度分布を均一化できる。
【0028】
なお、断熱部材35の材質は、ヒータからの輻射熱を直接受けるため、少なくとも200℃以上の耐熱性が必要である。また、放熱量を低減するためには、少なくとも熱伝導率が0.5[W/m/K] 以下の樹脂もしくはゴム材であることが望ましい。本実施例では、後述する線膨張率の理由とあわせ、1.82[MPa]の荷重における熱変形温度が260℃、熱伝導率が0.33[W/m/K] である東レ株式会社製のPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、型式A504を用いている。
【0029】
第4の利点は、定着器の側板の小型化と強度確保が実現できる点にある。すなわち、従来技術で用いられている端部が絞り形状のローラの場合では、転がり軸受けの外輪を勘合するために、側板には転がり軸受けの外輪と同じ大きさの穴が必要であり、そのため、側板の強度確保の点から、側板の小型化には限界があった。これに対し、本実施例では、側板は、転がり軸受けの内輪34bと同じ外径のボスと、ローラ内部のヒータ5を通す穴があればよく、側板の小型,強度の点で有利となる。具体的には、従来技術では側板にはφ32mmの穴が必要であったが、本実施例では、記号6705の転がり軸受けを用いることで、側板には外径φ25mm,内径φ23mmのボスを設けることで側板の大きさを約80%小さくすることができた。
【0030】
次に、本実施例の加熱ローラ,断熱部材,転がり軸受け,側板のボスのはめあい寸法について説明する。図4は、加熱ローラ1,断熱部材35,転がり軸受け34,側板30のそれぞれにおける内外径を示しており、加熱ローラの芯金内径をD4、断熱部材35の外側の円筒の内外径をD3,d3、転がり軸受け34の内外径をD2,d2、側板30のボス外径をd1としている。
【0031】
まず、転がり軸受け34の内径D2と側板30のボス外径d1との関係を説明する。転がり軸受け34と側板30の材質は、それぞれ高炭素クロム軸受鋼SUJ2(JIS G 4805)と冷間圧延鋼板SPCC(JIS G 3141)であり、線膨張率が同じであるため、D2およびd1の高温時(150〜230℃)における熱膨張による差はほとんどない。また、本実施例では転がり軸受け34は内輪が側板30のボス部に固定され、ラジアル荷重をうける構造となることから、D2とd1は中間あるいは、しまりばめによる勘合が望ましい。本実施例では、組立性を考慮し、中間ばめとした。
【0032】
次に断熱部材35の内外径D3,d3について説明する。断熱部材35に必要な機能は、先に述べた耐熱性と低熱伝導率のほかに、高温時(150〜230℃)における熱膨張による寸法変化も考慮しなければならない。すなわち、高温時
(150〜230℃)には断熱部材の熱膨張によって、加熱ローラ1の内径D4や転がり軸受け34の外径d2よりも大きくなるからである。さらに、断熱部材35と加熱ローラ1および転がり軸受け34は、高温時(150〜230℃)に中間あるいはしまりばめとなることが望ましく、また一方、常温時(15〜30℃)においては、組立性を容易にするため、おのおのが中間もしくは、すきまばめにあることが望ましい。そのため本実施例では、断熱部材35の線膨張率を1×10−6〜1×10−4[/℃]の範囲、好ましくは5×10−6〜5×10−5[/℃]にすることが望ましい。そこで本実施例では、先の耐熱性と低熱伝導率を考慮し、線膨張率が樹脂の流れ方向で2.3×10−5[/℃] である東レ株式会社製のPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、型式A504を採用した。さらに、図5に示す斜視図のように、断熱部材35の形状を、外周面に幅1〜8mmの切欠きがある二重円筒形にすることで、断熱部材35の熱膨張を厚さのみの変化で済むようにした。その結果、高温時においては断熱部材35の厚みが熱膨張に増大し、転がり軸受け34の外輪34aと芯金1aの内面を、しまりばめとすることができた。
【0033】
本実施例における組立分解性について説明する。図5に、本実施例の分解斜視図を示す。まず、側板30のボス部外径に弾性体36を介して、転がり軸受け
34の内輪を中間ばめにて勘合固定した側板ブクミ42を形成する。一方、加熱ローラ1の内径に、軸方向に少なくとも1箇所、幅1〜8mmの切欠きを有する二重円筒形状の断熱部材35を中間ばめもしくは、しまりばめにて勘合した加熱ローラブクミ41を形成する。次に側板ブクミ42における転がり軸受け34の外径と、加熱ローラブクミ41における断熱材の外側の円筒の内径を中間ばめもしくはすきまばめにて勘合し、定着器を形成する。本構造によれば、断熱部材35が勘合された加熱ローラブクミ41が容易に分解できるため、仮に加熱ローラが表面傷つきやトナーとの離型性低下などにより寿命となったとしても、定着器すべてを交換することなく、加熱ローラブクミさえ交換すれば、それ以外の構成部品を再利用できる。
【0034】
なお、本実施例では加圧ベルトを用いた定着器に適用しているが、これに限らず、本発明は加熱ローラと加圧ローラとを用いたローラ定着器にも適用できる。
【0035】
(実施例2)
図6に本実施例を示す。図6において、二重円筒形状の断熱部材35の外周面には幅2〜4mmの溝が設けられ、その溝にはフッ素ゴムによる耐熱性のOリングが勘合されている。また、断熱部材35はOリングを介して、加熱ローラの芯金1aと勘合されている。その他の構造は、先に述べた実施例と同じである。本構成において、フッ素ゴムの線膨張率は、約2×10−4[/℃]であるため、高温時におけるOリングの熱膨張による外径変化は、加熱ローラのアルミ芯金1aの熱膨張より大きく、その結果、断熱部材35と芯金1aとの勘合状態をより締まり易くする特徴をもつ。それゆえ、断熱部材の材質選定項目である耐熱性,低熱伝導率,線膨張率の三つのうち、耐熱許容温度を低減することができ、材料選択の幅を広げることができる。なお、本実施例では、Oリングとしてフッ素ゴムを用いたが、耐熱性で、かつ芯金材質よりも大きい線膨張率を有する弾性体であればよく、たとえばシリコーンゴムあるいはフッ素樹脂を用いてもよい。また、ゴム材によるOリングではなく、金属によるバネ材とし、高温時における芯金1aの熱膨張量を考慮して、高温時(150〜230℃)でも芯金1aと、あるしまり代をもって勘合状態になるよう、常温時(15〜30℃)に予め初期弾性変形を加えて勘合してもよい。
【0036】
(実施例3)
本実施例を、図7に示す。図7において、二重円筒上の断熱部材35には、側板30と反対の面、すなわち芯金1aの内面にある端面に、SUS304,厚さ0.3mm の円盤状の遮蔽部材38を勘合している。その他の構造は、先に述べた実施例と同じである。本構成により、遮蔽部材38がヒータ5の輻射熱、すなわち赤外線を反射するため、断熱部材35がその輻射熱を直接受けず、その結果、耐熱材の温度上昇を低減できる。それゆえ、断熱部材35の熱劣化が防止でき、断熱部材としての長寿命化が実現できる。なお、本実施例では、遮蔽部材38としてSUS304による金属板を用いたが、少なくとも200℃以上の耐熱性で、かつ、ヒータ5から生じる赤外線に対する吸収率が0.1 以下の材料であればよく、例えば、断熱部材35の表面を直接、ニッケルめっきしたり、アルミ蒸着してもかまわない。また、遮蔽部材38自体を耐熱性の樹脂とし、その表面にニッケルめっき、あるいはアルミ蒸着しても構わない。さらに、図8に示すように、遮蔽部材38を、断熱部材35とある空隙δをもって形成すると、断熱部材
35には、遮蔽部材38自体の熱が直接伝導されず、断熱部材35の温度低下がより効果的になり、その結果、断熱部材35の熱劣化がより防止できる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、定着器におけるローラ自体の低コスト化を図るとともに、ウォームアップ時間の短縮,ローラ軸方向の温度の均一化,装置の小型化を実現する電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電子写真装置の加熱ローラの概略断面図。
【図2】実施例1の電子写真装置の定着器の概略構成図。
【図3】実施例1の電子写真装置の概略構成図。
【図4】実施例1の電子写真装置の定着器の構成部品の勘合寸法図。
【図5】実施例1の電子写真装置の定着器の構成部品の分解斜視図。
【図6】実施例2の電子写真装置の加熱ローラの概略断面図。
【図7】実施例3の電子写真装置の加熱ローラの概略断面図。
【図8】実施例3の電子写真装置の加熱ローラの概略断面図。
【図9】従来技術の電子写真装置の定着ローラの説明図。
【図10】従来技術の電子写真装置の定着ローラの説明図。
【符号の説明】
1,50…加熱ローラ、2…加圧ベルト、3…入口ガイド、4…剥離ガイド、5…ヒータ、6…加圧手段、7…加圧アーム、8…加圧バネ、9…トナー、10…定着装置、11…中間転写装置、12…感光装置、13…転写装置、14…用紙剥離手段、15…中間転写装置清掃手段、16…帯電器、17…感光体清掃手段、18…残像除去手段、19K,19Y,19M,19C…現像装置、20…露光手段、21…用紙保持手段、22…用紙供給装置、23…用紙排出装置、30,52…側板、31…サーミスタ、32…サーモスタット、33…用紙、34,51…転がり軸受け、35,53…断熱部材、36…弾性体、37…Oリング、38…遮蔽部材、41…ローラブクミ、42…側板ブクミ、54…フランジ。
Claims (10)
- 静電潜像を保持し搬送する像形成装置と、該像形成装置上に静電潜像を形成する露光手段と、前記像形成装置上に微小着色粉体であるトナーを供給し、静電潜像を可視化してトナー像を形成する黒,イエロー,マゼンタ,シアンの各色のトナーがそれぞれ封入された複数の現像装置と、前記像形成装置に隣接し像形成装置上に形成されたトナー像を表面に順次重ね合わせて多色画像を形成する中間転写装置と、記録媒体を搬送し、記録媒体上に中間転写装置に形成された多色画像を転写する転写装置と、芯金の周囲に形成した耐熱性とトナー離型性を兼ね備えたローラと、該ローラを側板に回転支持する転がり軸受けと、該ローラの内部に配置される発熱体から構成され、前記ローラが未定着のトナー像が転写された用紙と接触して回転することで、トナー像を用紙に定着させるとともに用紙を搬送する定着器とを有する電子写真装置において、
前記ローラの芯金内周面に円筒状の断熱部材を介して転がり軸受けの外輪を勘合し、該転がり軸受けの内輪を、定着器の側板に設けた円筒状のボス外周面に勘合固定された定着器を有することを特徴とする電子写真装置。 - 請求項1記載の電子写真装置において、前記定着器の軸受け部に用いる断熱部材を二重円筒形状とし、外側の円筒の外周面および内周面がそれぞれ芯金内面と転がり軸受けの外輪に勘合し、内側の円筒が、転がり軸受けの内輪と勘合固定された側板の円筒上のボスの内部に挿入される定着器を有することを特徴とする電子写真装置。
- 請求項1記載の電子写真装置において、前記定着器の該断熱部材の側板と反対の面に、ローラ内部の発熱体の輻射を遮断する遮蔽部材を設けた定着器を有することを特徴とする電子写真装置。
- 請求項1記載の電子写真装置において、前記定着器の該断熱部材が200℃以上の耐熱性を有し、かつ熱伝導率が0.5[W/m/K] 以下の樹脂もしくはゴム材であることを特徴とする電子写真装置。
- 請求項1記載の電子写真装置において、前記定着器の該断熱部材の線膨張率が10−6〜10−4[/℃]であることを特徴とする電子写真装置。
- 請求項1記載の電子写真装置において、前記断熱部材の軸方向に、幅1〜8mmの切り欠きを少なくとも周方向に1箇所形成し、常温時には該断熱部材と芯金内面および転がり軸受け外輪とのはめあいが中間ばめもしくはすきまばめであり、加熱時には該断熱部材の熱膨張により、中間もしくはしまりばめである定着器を有することを特徴とする電子写真装置。
- 請求項1記載の電子写真装置において、前記定着器の側板とそれに勘合される転がり軸受けとの間に、該転がり軸受けの内輪と当接する弾性部材を有することを特徴とする電子写真装置。
- 請求項1記載の電子写真装置において、前記円筒状の断熱部材の周方向に耐熱性の弾性体を配し、該弾性体を介して、断熱部材の外周面とローラの芯金内面とが勘合される定着器を有することを特徴とする電子写真装置。
- 静電潜像を保持し搬送する像形成装置と、該像形成装置上に静電潜像を形成する露光手段と、前記像形成装置上に微小着色粉体であるトナーを供給し、静電潜像を可視化してトナー像を形成する黒,イエロー,マゼンタ,シアンの各色のトナーがそれぞれ封入された複数の現像装置と、前記像形成装置に隣接し像形成装置上に形成されたトナー像を表面に順次重ね合わせて多色画像を形成する中間転写装置と、記録媒体を搬送し、記録媒体上に中間転写装置に形成された多色画像を転写する転写装置と、芯金の周囲に形成した耐熱性とトナー離型性を兼ね備えたローラと、該ローラを側板に回転支持する転がり軸受けと、前記ローラの内部に発熱体から構成され、該ローラが未定着のトナー像が転写された用紙と接触して回転することで、トナー像を用紙に定着させるとともに用紙を搬送する定着器を有する電子写真装置において、
内部に断熱部材が勘合された前記ローラが、定着器の側板と分離し交換可能である定着器を有することを特徴とする電子写真装置。 - 請求項7記載の電子写真装置において、前記弾性体の形状が波型リングである定着器を有することを特徴とする電子写真装置。
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