JP2004125471A - 周期性パターンのムラ検査方法及び装置 - Google Patents

周期性パターンのムラ検査方法及び装置 Download PDF

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Masahiko Soeda
添田 正彦
Atsushi Okazawa
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Abstract

【課題】ジャストフォーカスで対象物を画像入力して、モアレ縞の影響を受けることなく周期性パターンを高精度で検査できるようにする。
【解決手段】幅の狭いパターンが、幅方向に繰り返し形成されている対象物Wを検査する際、ラインセンサカメラ12の画素列方向と前記パターンの形成方向とを直交させ、ジャストフォーカスに設定し、撮像範囲内の各パターンを、全幅に亘って1画素の視野に収め、且つ、1画素の視野に、2つのパターンが部分的に含まれる場合と、一方のみが含まれる場合とで、輝度値が等しくならない光学条件下で、アスペクト比が1を超えるスキャンレートに設定して対象画像を撮像し、該画像を対象物を除いて撮像した光源画像で除算して透過率画像とし、該画像から各パターンの全幅の輝度値に当る画素のパターン画像を作成し、該画像を基に検査する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周期性パターンの検査方法及び装置、特にカラーテレビのブラウン管に用いられるアパーチャグリルやプラズマディスプレイパネル等の基板にパターンが周期的に形成されている製品における、該パターンの面積のズレやそのムラを検出する際に適用して好適な、周期性パターンの検査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
単位となる微細なパターンが繰り返されている周期性パターンを有する工業製品としては、カラーテレビのブラウン管に用いられるアパーチャグリル等がある。このような周期性パターンを有する工業製品では、個々のパターンは設計値に基づいて所定の形状と面積(大きさ)を持つと共に、その周囲に存在するパターンに対して、隣接する各パターンとの間に所定の間隔をおいて繰り返して配列されている。
【0003】
このような個々のパターンの面積(大きさ)は、試料全面(製品全体)において、(1)場所に関係なく常に同じ面積になるようにする、あるいは(2)試料内の場所によって徐々に変化させる(例えば、中心から周囲に向かっていくに従って面積が大きくなるようにする)等の、所定の配列規則に従って形成されているものがある。
【0004】
このような工業製品を製造した場合、設計値に対する個々のパターンの面積の狂い(面積ズレ)に関して以下の現象が生じている場合は、それを不良として除き、製品の品質を保証するために検査する必要がある。(1)限度レベルを超えた面積のズレが1つのパターンでも発生している場合。(2)個々のパターンについての評価では限度レベル内で正常とみなせる面積ズレであっても、それがある範囲内の複数のパターンに集中して局所的に発生している場合。なお、後者の局所的な発生の検出は、個々のパターンについては限度レベル内であっても、各パターンの面積には多少のバラツキがあることから、全体として見た場合に生じている各パターンの面積の不均一性(ムラ)を検査することを意味している。
【0005】
上述したようなパターンに生じている面積のズレや不均一性を検査する方法には、検査員が対象物を直接目視する方法がある。ところが、この目視検査方法は、同一の検査員が検査するようにしたとしても、欠陥検出の繰り返し精度を保つことが難しいことから、通常は発見できる欠陥であっても見逃すことがあったり、同じ程度の欠陥であっても良品と判定したり不良品と判定したりする場合がある。ましてや、検査員が異なる場合には、良否判定を同一の基準で行うことは更に難しい。
【0006】
そこで、対象物を撮像(画像入力)し、得られた対象画像(画像データ)を画像処理して欠陥の有無を判定する自動検査も行われている。図16は、このような自動検査に適用される検査装置の概略を示し、図示しない透過光源が内蔵された検査ステージ110と、該ステージ110上に該光源により裏面照明が可能な状態に載置されている対象物(製品)Wを撮像して対象画像(製品画像)を入力するCCD(Charge Coupled Device)カメラ112と、入力された製品画像を処理して対象物Wに形成されているパターンを検査する画像処理部114と、該対象物Wを撮像する際に前記CCDカメラ112を調整するカメラコントローラ116と、前記検査ステージ110内の透過光源を調整する光源コントローラ118と、これら画像処理部114、カメラコントローラ116及び光源コントローラ118を含む装置全体を制御する装置制御部120とを備えている。
【0007】
この検査装置で検査する場合、製品画像に含まれる光源の場所により明るさが異なるシェーディングの影響を除くために、製品Wを除いた状態で光源画像を撮像し、該光源画像により製品画像を除算して透過率画像を作成し、該透過率画像を処理して検査することが行われている。
【0008】
ところが、上記のような装置を使用する自動検査では、光学系のレンズをジャストフォーカスにして対象物を撮像する場合、周期性パターンの形成ピッチとCCDカメラの受光素子(画素)の配列ピッチの違いから、干渉によるモアレ縞が発生してしまう。このようなモアレ縞が発生している画像においては、欠陥の信号がモアレ縞の濃淡に埋もれてしまうので、検査することができないという問題が発生する。モアレ縞の発生を抑える有効な対策として、一般的にはレンズをデフォーカスに設定し、対象物をぼかして撮像する方法が採られている。
【0009】
一方、特開2002−148210号公報には、モアレ縞が発生することを前提に、CCDエリアセンサカメラを、その画素列方向と対象物のパターン形成方向とを合わせて配置し、且つ、前記撮像手段の光学系レンズをジャストフォーカスに設定し、撮像範囲に含まれる全てのパターンを、少なくとも一度は全幅に亘って1画素の視野に収めることができる光学条件と位置ずらし条件の下で、前記カメラと対象物との相対位置をずらしながら、複数枚の位置ずらし対象画像を撮像すると共に、全ての位置ずらし対象画像における同一座標の画素の中で最大の輝度値を、同画素の輝度値に設定して1枚の最大値画像を作成し、該最大値画像から前記対象物に形成されている各パターンの全幅の輝度値に対応する画素からなるパターン画像を作成し、該パターン画像を被検査画像として前記パターンを検査する技術が、本出願人により提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のように対象物をぼかして撮像する場合には、却って面積の小さいムラや濃淡差の少ないムラを可視化して画像で捉えることができなくなってしまうために、検査性能が低下するという別な問題がある。
【0011】
又、前記公報に提案されている技術は、モアレ縞の影響を受けることなく、確実に周期性パターンのムラを検査することができる意味で有効であるが、複数枚の画像を処理しなければならないために、検査に時間がかかるという問題がある。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、光学系のレンズをジャストフォーカスにして対象物を撮像した上で、モアレ縞の影響を受けることなく、しかも短時間で周期性パターンを高精度で検査することができる周期性パターンのムラ検査方法及び装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、幅の狭いパターンが、パターン間を介して幅方向を形成方向にして繰り返し形成されている対象物を、撮像手段により反射照明下又は透過照明下で撮像し、得られる画像を画像処理して前記パターンを検査する周期性パターンのムラ検査方法において、前記撮像手段としてラインセンサカメラを使用し、該撮像手段を、その画素列方向と前記対象物の形成方向とを直交させて配置し、且つ前記撮像手段の光学系レンズをジャストフォーカスに設定し、1画素の視野に1つのパターンを収めることができ、且つ、1画素の視野に、隣り合う2つのパターンが部分的に含まれる場合と、いずれか一方のみが含まれる場合とで、1画素の輝度値が等しくならない光学条件の下で、前記撮像手段と対象物とを前記形成方向に沿って相対的に移動させながら、該撮像手段によりアスペクト比が1を超えるスキャンレートに設定して撮像して、オーバサンプリングされた対象画像を取得すると共に、該対象画像から直接的又は間接的に、前記対象物に形成されている各パターンの全幅の輝度値に対応する画素からなるパターン画像を作成し、該パターン画像を被検査画像として前記パターンを検査することにより、前記課題を解決したものである。
【0014】
本発明は、又、幅の狭いパターンが、パターン間を介して幅方向を形成方向にして繰り返し形成されている対象物を、撮像手段により反射照明下又は透過照明下で撮像し、得られる画像を画像処理して前記パターンを検査する周期性パターンのムラ検査装置において、ラインセンサカメラからなる撮像手段と対象物とを相対的に移動させる移動手段と、前記撮像手段を、その画素列方向と前記対象物の形成方向とを直交させて配置する機能と、前記撮像手段の光学系レンズをジャストフォーカスに設定する機能と、1画素の視野に1つのパターンを収めることができ、且つ、1画素の視野に、隣り合う2つのパターンが部分的に含まれる場合と、いずれか一方のみが含まれる場合とで、1画素の輝度値が等しくならない光学条件の下で、前記撮像手段と対象物とを前記形成方向に沿って相対的に移動させながら、該撮像手段よりアスペクト比が1を超えるスキャンレートに設定して撮像し、対象画像を取得する機能とを有する撮像制御手段を備えているとともに、前記対象画像から直接的又は間接的に、前記対象物に形成されている各パターンの全幅の輝度値に対応する画素からなるパターン画像を作成する手段と、該パターン画像を被検査画像として前記パターンを検査する手段とを備えたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0015】
即ち、本発明においては、モアレ縞が発生することを前提に、反射照明下又は透過照明下に、ラインセンサカメラをジャストフォーカスに設定すると共に、前記光学条件とアスペクト比が1を超えるスキャンレートを設定するオーバスキャンの条件の下で撮像して得られる対象画像又は透過率画像からパターンの全幅が画像入力されている、パターンに対応する画素のみからなるパターン画像を作成し、これを被検査画像として検査するようにしたので、いずれの場合にもモアレ縞の影響を受けることなくパターンのムラを高精度で検査することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る一実施形態の周期性パターンのムラ検査装置の要部を示す概略側面図である。
【0018】
本実施形態の検査装置は、短冊状の幅の狭いパターンPが形成されているアパーチャグリル(対象物)Wを載置し、位置決めすると共に、図中矢印で示す流れ方向に移動させるコンベア(移動手段)10と、該対象物Wを後に詳述する条件の下で撮像するラインセンサからなるCCDカメラ(撮像手段)12と、該対象物Wを下方から照明する透過光源14とを備えている。又、上記CCDカメラ12はカメラカバー16により保護され、コンベア10と光源14は筐体18に収容されている。
【0019】
この検査装置の全体は、図2に示すように、装置各部の動作全体を管理し、制御する機能を有する装置制御部20、対象物を撮像し、画像データを取得する機能を有するデータ入力部30、取得した画像データから、画像処理によりムラを可視化して検査を行う機能を有するデータ処理部40、人間(オペレータ)に装置を操作するためのインターフェイスを提供するヒューマンインターフェイス部50、対象物のハンドリング及び外部機器との情報交換を行うための機能を有するマシンインターフェイス60の5つのサブシステムから構成されている。各サブシステムについては後に詳述する。
【0020】
本実施形態の検査装置は、後に特徴を詳述する、幅の狭いパターンPが、パターン間を介して幅方向を形成方向にして繰り返し形成されている対象物を、前記透過光源(照明)14の下でCCDカメラ12により撮像し、得られる透過光画像を画像処理して前記パターンを検査する機能を有している。
【0021】
そして、前記撮像手段を、その画素列方向と前記対象物の形成方向とを直交させて配置する機能と、前記撮像手段の光学系レンズをジャストフォーカスに設定する機能と、1画素の視野に1つのパターンを収めることができ、且つ、1画素の視野に、隣り合う2つのパターンが部分的に含まれる場合と、いずれか一方のみが含まれる場合とで、1画素の輝度値が等しくならない光学条件の下で、前記撮像手段と対象物とを前記形成方向に沿って相対的に移動させながら、該撮像手段によりアスペクト比が1を超えるスキャンレートに設定して撮像し、対象画像を取得する機能と、前記対象物を除いて光源画像を撮像する機能とを有する撮像制御手段が、前記CCDカメラ12からなるセンサ32、センサコントローラ34を含むデータ入力部30等により構成されている。
【0022】
又、本実形態の検査装置では、前記対象画像を、前記光源画像で除算して透過率画像を作成する手段と、該透過率画像から前記対象物に形成されている各パターンの全幅の輝度値に対応する画素からなるパターン画像を作成する手段と、該パターン画像を被検査画像として前記パターンを検査する手段とが、前記データ処理部40に含まれる、後述する画像処理部42においてソフトウェアにより実現されている。
【0023】
本実施形態の検査装置は、前記図2に示したように、大別すると前記5つのサブシステム20〜60により構成されている。その1つである前記装置制御部20は、他の各サブシステム30〜60に含まれる各機能部の動作全体を制御するようになっている。そして、上記データ入力部30は、機能部としてセンサ32、センサコントローラ34、光源36及び光源コントローラ38を含み、同様にデータ処理部40は、上記データ入力部30のセンサ部32により入力された画像データを処理する画像処理部42と、処理データを管理するデータ管理部44とを、ヒューマンインターフェイス部50は、上記データ処理部40により処理された結果等を表示する情報表示部52と、オペレータとの間で情報のやり取りを行なう対人操作部54とを、マシンインターフェイス部60は、対象物を搬送するベルトコンベア(図示せず)等の外部機械との間で情報のやり取りを行なう機械連動部62と、対象物の受け渡しを行う自動給排部64とを、それぞれ含んでいる。
【0024】
前記サブシステム及びその各機能部について詳述すると、装置制御部20としては、専用装置、汎用シーケンサ、パーソナルコンピュータ等が利用できる。
【0025】
又、データ入力部30に含まれるセンサ32は、対象物を撮像して画像データに変換するイメージセンサからなり、その1つが前記CCDラインセンサカメラ12である。又、イメージセンサ(撮像手段)としてはCCDに限らず、ラインセンサであればよい。
【0026】
センサ(カメラ)コントローラ34は、上記センサへ電源を供給したり、トリガ信号、スキャンレート、ゲイン、オフセット等の制御信号を供給したりする機能を有している。
【0027】
光源36は、撮像時に対象物を照明するもので、同軸落射照明、明視野照明、暗視野照明及び前記透過照明14等が利用できるようになっているが、ここでは透過照明を使用する。各照明の光源としては、蛍光灯、ハロゲンランプ、ストロボ光源及びLED光源等を利用でき、これらは光源制御装置(図示せず)により制御されるようになっている。
【0028】
光源コントローラ38は、光源を点灯するための電源であり、光源の光量をフォトダイオード等のセンサで検出し、光量を調整する機能を有する。
【0029】
又、データ処理部40に含まれる画像処理部42は撮像した画像データを画像処理するもので、専用画像処理装置やパーソナルコンピュータ等が利用できる。又、データ管理部44は、可視化した結果や検査した結果のデータや画像データを保管するもので、オペレータからの求めに応じて、保管しているデータを検索し、開示する機能を有しており、長期保管には、例えばハードディスクドライブ、DVDドライブ、MOドライブ等の補助記録装置を利用できる。
【0030】
又、ヒューマンインターフェイス部50に含まれる情報表示部52は、オペレータに対して情報を提供するもので、検査進行状況、検査結果、集計結果、過去の検査結果の履歴等を提示したり、撮像した画像や処理途中の画像あるいは処理後の画像を表示する機能を有し、これにはCRTモニタ、液晶モニタ、LEDアレイ等が利用できる。
【0031】
又、対人操作部54は、装置稼動に不可欠な情報について、オペレータからの入力操作を受け付ける。入力される情報としては、例えば対象物の特徴(サイズ、可視化し、検査を行う領域の座標値等)、画像入力における設定値(シャッタースピード、照明の明るさ等)、可視化や検査における画像処理の設定値(2値化の閾値等)を挙げることができる。これら情報の入力には、機械式ボタン、タッチパネル、キーボード、マウス等が利用できる。
【0032】
又、マシンインターフェイス部60に含まれる機械連動部62は、外部の装置から情報を入手する機能と、外部の装置へ情報を出力する機能とを有する。入力する情報としては、例えば対象物の特徴(サイズ等)、自動運転時における外部機器との連動命令(画像入力部への検査対象の供給終了タイミング等)を、又、出力する情報としては、例えば測定や検査結果の出力、装置の稼動実績、自動運転時における測定や検査結果に基づいた物流装置への命令(対象物の選別振り分け指示、装置への供給停止等)を挙げることができる。各機器間の情報交換には、LAN(イーサーネット)、RS−232C、RS−422、GPIB(General Purpose Interface Bus:IEEE488)、IEEE1394、パラレルI/O、リレー等が利用できる。
【0033】
又、自動給排部64は、外部装置から、データ入力部30に含まれる位置固定部36に対する対象物の受け渡しを行う働きをする。外部装置としては、前・後工程にある加工機や対象物専用のストッカがあり、具体的な給排機構としては磁気吸着ハンドや真空吸着ハンド等を利用できる。
【0034】
本実施形態について詳述すると、検査対象であるアパーチャグリル(対象物)Wとしては、図3(A)に一部を抽出してその特徴のイメージを示すように、白地で示す金属薄板に、網点部で示す幅の狭い短冊状(矩形)の貫通孔からなる幅Laのパターン(部)Pが、隣接する金属部分である幅Lbのパターン間を介して、図中矢印で示す形成方向(幅方向)に繰り返し形成されているものを挙げることができる。
【0035】
この対象物Wは、図示したような短冊状のパターンが一定方向(図中、短辺方向)に繰り返し形成され、その繰り返し方向と平行な上記形成方向に、短冊の幅の狭い側が繰り返えされている。そして、この形成方向にパターンを見た場合、パターンの幅La及びその形成間隔に当るパターン間の幅Lbはそれぞれ一定であるか、少なくとも一方が徐々に変化するように形成されている。又、形成方向に直交する方向(図中、長辺方向)にパターンを見た場合は、パターンの長辺は形成方向、即ち短辺に直角に形成されている。但し、本実施形態が適用可能な対象物Wには、同図(B)に示すように、パターンPの長辺が短辺方向にある一定の曲率で繰り返し形成されているものや、同図(C)に示すように、徐々に変化する曲率で形成されているものも含まれる。
【0036】
本実施形態の検査装置では、前述したようにセンサコントローラ(撮像制御手段)34により、前記CCDラインセンサカメラ12の光学系レンズをジャストフォーカスに設定すると共に、その1画素の視野に1つのパターンの全幅を収めることができ、且つ、1画素の視野に、隣り合う2つのパターンが部分的に含まれる場合と、いずれか一方のみが含まれる場合とで、1画素の輝度値が等しくならない、後述する光学条件に設定して、該CCDカメラ12に対して前記対象物Wを前記形成方向に沿って前記コンベア10により所定速度で移動させながら、該CCDカメラ12によりアスペクト比が1を超えるスキャンレートに設定して撮像し、対象画像を取得すると共に、該コンベア10上から対象物Wを除き、光源のみを撮像して光源画像を入力するようになっている。
【0037】
このように画像が入力されると、前記画像処理装置42では以下の画像処理が実行される。前記対象画像を、対応する光源画像で除算して透過率画像を作成する。次いで、透過率画像から前記対象物Wに形成されているパターンの全幅の輝度値に対応する画素を抽出してパターン画像を作成し、該画像に基づいてパターンの検査を行う。
【0038】
以下、本実施形態について具体例を挙げて更に詳述する。ここでは、検査対象物Wには、図4に一部を抽出してイメージを示すような繰り返し規則でパターンが形成されているとして説明する。但し、この図には、CCDカメラ12により透過照明下で撮像される対象画像に対応させて、前記図3の場合とは逆に、パターン部分(貫通孔)を網点を用いて、パターン間部分(金属)を斜線を付してそれぞれ示してある。又、長さの単位はμmであるとする。
【0039】
今、i番目の任意のパターンの組について、パターン(部)の幅をLa[i]、パターン間(部)の幅をLb[i]とすると、上記図4のパターンはパターン間の幅Lb[i]は一定の10μmであるが、パターン幅は最初のLa[0]=3から1つおきに1μmずつ増えていく繰り返し規則で形成されている。
【0040】
まず、前記CCDラインセンサカメラ12について、ライン状に配列された画素列(主走査方向)に直交する幅方向(副走査方向)の1画素の視野に1つのパターンの全幅を収めることができると共に、同じく1画素の視野に、隣り合う2つのパターンが部分的に含まれる場合と、いずれか一方のみが含まれる場合とで、この1つの画素の輝度値が等しくならない光学条件として、パターン抽出可能条件1、2を説明する。
【0041】
本実施形態では、前述したように光学系のレンズをジャストフォーカスに設定したCCDラインセンサカメラ12により対象物Wを撮像して対象画像を入力する。その際、H:カメラの分解能[μm/Pel]、La:形成方向のパターン幅[μm]、Lb:形成方向のパターン間の幅[μm]、N:撮像範囲内のパターンの数[個]、パターンとカメラの分解能Hとの間に下記のパターン抽出可能条件1、2の全てが成立していることによって、後述するパターン抽出処理によりムラを可視化することができる。なお、パターンの数Nは、撮像予定の対象物の全体又は一部に形成されているパターンの数である。
【0042】
<パターン抽出可能条件1>
CCDラインセンサカメラ12により、対象物Wを移動させながら撮像して対象画像を入力した場合に、前記のようにその副走査方向の撮像範囲内にN個のパターンが含まれるとすると、該カメラ12の同方向の分解能H[μm/Pel]が、N個のパターンの中で最大のパターンの幅(最大幅)以上であること。これは、副走査方向の1画素(Pel)の視野により、幅が最大のパターンであってもその全幅を画像入力できることを意味する。
【0043】
便宜上、前記図4のパターンを撮像する場合のラインセンサカメラの画素列とパターンが形成されている対象物との配置の関係のイメージを図5に示す。この図には、実線の矩形で示した1画素分の視野寸法、即ちラインセンサカメラの副走査方向の分解能HとパターンPとの対応関係のイメージを示した。この条件1は、次式(1)で表わすことができる。
【0044】
H≧max(La[i])         …(1)
i∈{0,1,・・・,N−1}
【0045】
<パターン抽出可能条件2>
CCDカメラ12の副走査方向分解能Hが、N個の各パターンについて、パターンの幅と上流側に隣接するパターン間の幅との和、及び、パターンの幅と下流側に隣接するパターン間の幅との和の中で最小のパターンとパターン間の幅(最小幅)未満であること。これは、任意のパターンと、その上流及び下流のパターン間とのそれぞれの組合せに関して、1画素の視野では、最も幅の小さいパターンの組(パターン+パターン間)でも、その組の全幅を撮像できないことを表わし、1画素の視野に隣り合う2つのパターンが含まれた状態で撮像した場合と、そのいずれか一方のパターンのみが含まれた状態で撮像した場合とで、輝度値が等しくならないようにすることを意味する。この条件2は、次の(2)式、(3)式で表わすことができる。
【0046】
H≦min(La[i]+Lb[i])   …(2)
且つ、
H≦min(La[i]+Lb[i−1]) …(3)
i∈{0,1,・・・,N−1}
【0047】
次に、上述した2つのパターン抽出可能条件1、2を全て満足するように設定して対象物Wを、前記図5では左方向に移動させながら、CCDラインセンサカメラ12により、アスペクト比が1を超えるスキャンレートで撮像することにより対象画像を入力すると共に、対象物Wをコンベア10上から除いて撮像して、光源画像を入力し、対象画像を対応する光源画像で除算して、透過率画像:TIを作成する。このように対象画像を透過率画像に変換することにより、ライン状の前記透過光源14にシェーディング(場所による明るさの差異)が存在する場合でも、その影響を除外することができることになる。
【0048】
ところで、従来はラインセンサのスキャンレートを、入力される画像の主走査方向と副走査方向のアスペクト比(縦横比)が1:1に(等しく)なる値に設定して対象物を撮像していたが、本発明では上述したように、スキャンレートを従来と比べて高い値に設定して対象物を撮像することにより、入力された画像のアスペクト比が主走査方向に対して副走査方向が大きくなる、オーバサンプリングされた縦長の対象画像を入力する。後述するように、スキャンレートは高ければ高いほど、1画素の視野でパターン幅の最も大きなパターンを画像入力できる確率が高くなるので好ましいが、実際には画像の入力処理や画像の変換処理にかかる時間および検出制度が装置運用上問題にならない範囲で、最適なスキャンレートを設定すれば良い。
【0049】
以上のようにして透過率画像が作成されたら、この画像の中から最終的にパターンを抽出してパターンに該当する画素のみからなるパターン画像(被検査画像)を作成する。
【0050】
このパターン抽出処理には、大別して(A)上記透過率画像からパターン(全幅)に該当する画素を抽出してパターン抽出画像を作成するパターン抽出フィルタ処理、(B)パターン抽出画像からパターンに該当する画素を連結してパターン画像を作成するパターン連結フィルタ処理がある。これを、Xは画像の横方向(形成方向)の画素数、Yは画像の縦方向の画素数、TI[x,y]は透過率画像におけるy行、x列目の画素の輝度値であるとして、以下に説明する。
【0051】
(A)のパターン抽出フィルタ処理では、前記透過率画像TI[x,y]において、注目画素を中心にして形成方向に隣り合う3つの画素の画素値を比較し、注目している中央の画素の輝度値Vが両隣りのいずれの画素の値より大きい場合と、右側とは等しいが左側より大きい場合に、パターン抽出画像の対応する画素の輝度値EI[x,y]を同じ値Vにし、それ以外は零にする。これは、以下の(4)式のパターン抽出条件1、又は(5)式のパターン抽出条件2を満たし、しかも(6)式のパターン抽出条件3を満たす画素の場合に、パターン抽出画像の画素については、EI[x,y]=TI[x,y]に、それ以外の画素については、EI[x,y]=0に、それぞれ輝度値を置き換える処理を行うパターン抽出フィルタを適用することにより実現できる。
【0052】
<パターン抽出条件1>
(TI[x,y]>TI[x−1,y])
且つ(TI[x,y]>TI[x+1,y])  …(4)
<パターン抽出条件2>
(TI[x,y]>TI[x−1,y])
且つ(TI[x,y]=TI[x+1,y])  …(5)
<パターン抽出条件3>
TI[x,y]≧閾値(実験的に決定)           …(6)
【0053】
即ち、このパターン抽出フィルタを適用することは、前記透過率画像の各画素について、横方向(X方向)の各画素列毎に、下流側と上流側にそれぞれ隣接する画素の輝度値をいずれも超えている(条件1)、上流側の輝度値とは等しいが下流側の輝度値を超えている(条件2)のいずれかの条件が成立ち、且つ所定の強度以上の輝度を有する(条件3)場合のみ、透過率画像の輝度値をパターン抽出画像EIの対応する画素に設定し、それ以外の画素には全て輝度値0を設定することを意味する。なお、条件3は、パターンの幅に比べてパターン間の幅が広い場合に、分解能の設定がパターン幅に近いと、パターン間だけを撮像した(暗い)画素が連続することになるため、このようなパターン間に相当する画素が抽出されないようにするために設定している。
【0054】
(B)のパターン連結フィルタ処理では、作成されたパターン抽出画像にパターン連結フィルタを適用する。このフィルタは、輝度値≠0の画素を残し、輝度値=0の画素を捨てる働きをする。上記のようにパターン抽出画像には、パターンの輝度値に該当する画素と該当しない輝度値=0の画素が混在していることから、このフィルタを適用することにより、パターンに該当する画素のみからなる画像、即ちパターン画像を作成することができる。
【0055】
以上のようにして作成されたパターン画像を被検査画像とし、該被検査画像に基づいて、各パターンのムラ、即ち画素の輝度値のムラを検査する。その方法としては、作成された被検査画像(パターン画像)自体をモニタ画面に表示し、検査員が表示された画像を見て目視検査によりムラの有無を判定するようにしても、あるいは、例えば特開平6−229736号公報に開示されている透過率画像に対して適用される検査処理と実質的に同じ処理を、上記パターン画像に適用して自動検査によりムラの有無を判定するようにしてもよい。
【0056】
この公報に開示されている自動検査について簡単に説明すると、作成された透過率画像に対して、発生が予想されるムラの形状を想定し、その形状毎に異なる2次微分フィルタ等の空間フィルタを適用する強調処理を行って強調画像を作成し、該画像を所定の閾値で2値化した2値画像上の2値の画素数(面積)等を基準に自動検査する方法である。
【0057】
次に、本実施形態の作用を、図6〜図9のフローチャートに従い、更に具体的に説明する。
【0058】
本実施形態では、図6に処理手順の概要を示すように、大別すると、初期化(ステップ10)、画像の入力(ステップ20)、画像の変換(ステップ30)、画像の解析(ステップ40)、画像の識別(ステップ50)、結果の出力(ステップ60)の順で自動検査を実行する。
【0059】
まず、ステップ10の初期化では、検査処理の実行に必要な各種パラメータの設定を行う。具体的には、装置の稼働に必要な各種パラメータの設定を行う。又、対象物Wの画像入力に関しては、対象物の特徴量(検査範囲)の設定、前述したパターン抽出可能条件を満たすための光学条件の調整(設定)、対象物Wの移動速度、ラインセンサカメラ12のスキャンレート等の条件の設定を行う。更に、対象物にムラの自動検査を適用するために、強調画像を得るための空間フィルタの種類、判定画像を得るための閾値、該判定画像から欠陥の有無を判定する条件等の検査パラメータの設定を行う。
【0060】
次いで、ステップ20の画像の入力では、光学的には、前記パターン抽出可能条件1、2の下で対象物Wを撮像する。これを、アスペクト比が1に設定されたスキャンレート(オーバサンプリングしない条件)で撮像する従来の場合について、パターンPと前記図5に示したような画素列の中から選択した1つの注目画素の視野(解像度)Hとの関係を、時刻i〜i+7までのスキャンニングに対応する経時的な変化を図10に示すと共に、図11に各時刻ごとに撮像される同画素の輝度値を対応させて示す。この図11に示されるように、上記注目画素によっては、パターン面積に応じた正しい輝度値が得られている時刻i+4に対応するもの(網かけ部分)と、正しい輝度値が得られていないもの(白抜き部分)とがある。即ち、ジャストフォーカスで撮像すると、1画素に1つのパターンの面積、即ち輝度を正確に反映させることができる利点があるが、その反面、中には2つの画素に跨がっているために、パターンの面積に応じた正しい輝度が得られないものも存在し、これが前述したモアレ縞発生の原因になり、検査精度を阻害している。しかも、このような従来の撮像方法においては、図10から分かるように一度も全幅が撮像されていないパターンが発生することもある。
【0061】
そこで、本実施形態では、図7に示す詳細な手順に従って画像入力を行う。まず、対象物Wを、前記図1に示した前記コンベア10の所定位置にロードする(ステップ202)。
【0062】
上記ロードが終わった後、コンベア10を駆動し、対象物Wの搬送(移動)を開始する(ステップ204)。次いで、製品画像(対象画像)の撮像を行う(ステップ206)。ここでは、対象物Wを所定の速度で移動させながら、後述するオーバサンプリングとなる前記スキャンレートに設定されているCCDラインセンサカメラ12により、ジャストフォーカスで撮像する。図12は、前記図4に特徴を示した対象物Wをこの条件下で撮像する場合の注目画素の視野と、該視野の近傍の対象物との位置関係を示す、前記図10に相当するイメージを示したものである。この図12に示されるように、同一のパターンについて時刻i+5とi+6の2回にわたってパターン全幅を画像入力することができていることが分る。従って、同様の条件で撮像を継続することにより、全てのパターンについてパターン全幅をそれぞれ2回以上画像入力することができることになる。
【0063】
上記対象物Wに対する撮像が終了したら、その搬送を終了し(ステップ208)、対象物Wを位置決めテーブル10から取り除き(ステップ210)、対象物Wがない状態で撮像を行い、光源画像を撮像する(ステップ212)。
【0064】
その後、前記図6のステップ30の画像の変換では、以上のようにして入力された画像から解析対象となる画像を生成するための処理を行う。この画像変換としては、図8に示す各処理が実行される。まず、上記図7のフローチャートに従って作成された対象画像と、対応する光源画像から、次式
TI=対象画像/光源画像          …(9)
により、シェーディング補正された透過率画像TIを作成する(ステップ302)。
【0065】
図13は、上記図12にパターンと視野との関係のイメージを示した注目画素により、撮像時に順次スキャンニングして入力される製品画像から得られる透過率画像について、前記図10に対する図11と同様に各画素に輝度値を対応させて示したものである。なお、この透過率画像は、光源のシェーディングが補正されている以外は、製品画像と実質的に同一である。
【0066】
上記のように作成された透過率画像には、白抜きで示したように1つのパターンの全幅に対応していない輝度値の画素も含まれている。そこで、このようなパターンの面積が反映されていないモアレ稿の原因となる画素を除外するために、前記(4)式で示したパターン抽出条件1と、(5)式で示したパターン抽出条件2のいずれかを満足すると共に、前記(6)式で示したパターン抽出条件3を満足する画素のみを抽出するために、パターン抽出フィルタを上記透過率画像に適用してパターン抽出画像を作成する(ステップ306)。図14は、このフィルタリング処理のイメージを示す。この抽出処理では、各画素に対して上記フィルタを適用することにより、同図(A)に再度示した上記図13の透過率画像から、○印を付した画素のみを抽出し、図14(B)に示した輝度値からなるパターン抽出画像を作成している。
【0067】
以上のようにしてパターンの面積が正しく反映された画素と輝度値0の画素からなる図14(B)に示したパターン抽出画像が作成されたら、図15にイメージを示すように、同図(A)に再掲載した該抽出画像にパターン連結フィルタを適用して輝度値0の画素を除外し、同図(B)に示すパターンに該当する輝度の画素のみからなるパターン画像を作成し、これを被検査画像とする。
【0068】
この被検査画像はモニタ画面に表示して検査員により目視検査するようにしてもよいが、ここでは、自動検査を行うために、更に前記図6のステップ40、50、60の各処理を行う。但し、以下の各処理で作成される画像の図示は省略する。
【0069】
ステップ40の画像の解析では、上で詳述したステップ30の画像の変換で生成した前記パターン画像(被検査画像)に対して、前記特開平6−229736公報等に開示されている2次微分フィルタ等の空間フィルタを適用して、該画像に輝度のムラが存在する場合には、それを強調する処理を行い、強調画像を作成する。
【0070】
ステップ50の画像の識別では、図9に詳細を示すように判定画像の作成(ステップ402)、形状測定(ステップ404)及び判定処理(ステップ406)の3つの処理を行う。ステップ402の判定画像の作成では、前記ステップ40で作成された強調画像に対して所定の閾値を設定して2値化し、欠陥候補画素を含む判定画像JIを作成する。この判定画像は、上記閾値より小さい画素には輝度値0を設定して背景とし、閾値以上の画素には例えば輝度値255を設定し、欠陥候補として抽出されるようにする。
【0071】
次のステップ404の形状測定では、上記判定画像に含まれる欠陥候補に関して特徴量を測定する。具体的には、判定画像に含まれる各欠陥候補をラベリング処理し、ラベリングされた各欠陥候補(画像領域)に関して面積や水平方向及び垂直方向の各フィレ径等を求めることにより、その大きさを測定する。
【0072】
次のステップ406の判定処理では、上で測定した欠陥候補の特徴量と、予め設定されている欠陥とすべきムラの特徴量とを比較して、例えば予め決められた閾値内ならばムラがあると判定する等によりムラ欠陥の有無を判定する。
【0073】
ステップ60の結果の出力では、以上のように判定処理が終了した後、最終的に対象物Wが良品か不良品かの判定結果を出力し、自動検査を終了する。
【0074】
以上詳述した本実施形態によれば、アパーチャグリル等の対象物に形成されている微細な短冊状のパターンを透過照明の下で撮像して検査する際、対象物をジャストフォーカスで撮像すると共に、1つの画素(CCDカメラの受光素子)が、必ず1つの周期性パターンだけを全幅に亘って画像入力できる撮像条件として、CCD分解能とオーバスキャンを保証することにより、得られた画像データから周期性パターンの1つ1つの面積(パターン幅)に比例した輝度信号のみを選択的に取出すことができるようにしたことにより、該パターンに生じている面積の小さいムラや濃淡差の少ないムラを画像化(可視化)して、従来より正確に、しかも短時間で検査ができるようになった。
【0075】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0076】
前記実施形態に示したように、光透過性の貫通孔からなるパターンが形成された対象物を透過照明下で撮像する場合に限定されず、反射照明下で撮像する非透過性のパターンが形成された対象物であってもよい。具体例としては、同じ対象物のアパーチャグリルの場合であっても、エッチングにより穿設された貫通孔ではなく、エッチングされないで残っている板材の平坦部分(表側)の幅のバラツキを検査する場合を挙げることができる。即ち、エッチング形成される貫通孔は材料表面に対して垂直に貫通しているわけではないので、上記平坦部分の幅にはバラツキが生じるが、このバラツキを検査する場合は、透過照明よりも反射照明が適している。このように反射照明することにより、アパーチャグリルの表側の平坦部を明るい画素として、それ以外、即ち孔の開口部と壁面部を暗い画素として画像入力すれば、透過照明の場合とは、パターンとパターン間の関係は逆になるが、同様にムラを可視化することが可能である。
【0077】
又、透過照明下で撮像する場合でも、照明が全体に均等であれば必ずしも透過率画像を作成しなくともよい。
【0078】
又、前記実施形態では、パターン間の幅が一定で、パターンの幅が1つおきに漸増する場合を示したが、逆に漸減する場合であってもよい。又、両方の幅ともそれぞれ一定である場合は勿論のこと、両方とも変化する場合であっても検査可能である。又、前記実施形態では長さの単位がμmの場合を示したが、これに限定されないことは言うまでもない。
【0079】
又、対象物としては、前記実施形態に示したアパーチャグリルに限らず、プラズマディスプレイパネル(PDP)であってもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、光学系のレンズをジャストフォーカスにして対象物を撮像した上で、モアレ縞の影響を受けることなく、周期性パターンを高精度で、しかも短時間で検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の検査装置の要部を示すブロック図を含む概略側面図
【図2】上記検査装置全体の概要を示すブロック図
【図3】本発明の検査対象となるパターンの種類とその特徴を示すイメージ図
【図4】本実施形態で検査対象とするパターンの特徴を示す説明図
【図5】対象物に形成されているパターンとラインセンサカメラの画素列の関係を示す説明図
【図6】本実施形態による検査手順の概要を示すフローチャート
【図7】本実施形態による画像入力の手順を示すフローチャート
【図8】本実施形態による透過率画像からパターン画像までの作成手順を示すフローチャート
【図9】本実施形態によるパターンの良否判定の手順を示すフローチャート
【図10】従来のアスペクト比で撮像されている対象物と注目画素との関係のイメージを示す説明図
【図11】従来のアスペクト比で撮像された透過率画像の輝度値の特徴を示す説明図
【図12】本発明のアスペクト比で撮像されている対象物と注目画素との関係のイメージを示す説明図
【図13】本発明のアスペクト比で撮像された透過率画像の輝度値の特徴を示す説明図
【図14】図13の透過率画像からパターン抽出画像を作成する処理のイメージを示す説明図
【図15】パターン抽出画像からパターン画像を作成する処理のイメージを示す説明図
【図16】従来の検査装置の要部を示すブロック図を含む概略斜視図
【符号の説明】
10…コンベア
12…CCDラインセンサカメラ
14…透過光源
20…装置制御部
42…画像処理部

Claims (10)

  1. 幅の狭いパターンが、パターン間を介して幅方向を形成方向にして繰り返し形成されている対象物を、撮像手段により反射照明下又は透過照明下で撮像し、得られる画像を画像処理して前記パターンを検査する周期性パターンのムラ検査方法において、
    前記撮像手段としてラインセンサカメラを使用し、該撮像手段を、その画素列方向と前記対象物の形成方向とを直交させて配置し、且つ前記撮像手段の光学系レンズをジャストフォーカスに設定し、
    1画素の視野に1つのパターンを収めることができ、且つ、1画素の視野に、隣り合う2つのパターンが部分的に含まれる場合と、いずれか一方のみが含まれる場合とで、1画素の輝度値が等しくならない光学条件の下で、
    前記撮像手段と対象物とを前記形成方向に沿って相対的に移動させながら、該撮像手段によりアスペクト比が1を超えるスキャンレートに設定して撮像して、オーバサンプリングされた対象画像を取得すると共に、
    該対象画像から直接的又は間接的に、前記対象物に形成されている各パターンの全幅の輝度値に対応する画素からなるパターン画像を作成し、
    該パターン画像を被検査画像として前記パターンを検査することを特徴とする周期性パターンのムラ検査方法。
  2. 前記対象画像から間接的に前記パターン画像を作成する場合、前記透過照明下で前記対象物を除いて光源画像を撮像し、前記対象画像を該光源画像で除算して透過率画像を作成し、該透過率画像から前記パターン画像を作成することを特徴とする請求項1に記載の周期性パターンのムラ検査方法。
  3. 前記光学条件として、前記対象物における形成方向のパターン幅をLa、同方向のパターン間の幅をLb、前記撮像手段により撮像する範囲内のパターンの数をN、iを0〜N−1の任意の整数とする場合、該撮像手段の分解能Hを、
    H≧max(La[i])
    H≦min(La[i]+Lb[i])
    H≦min(La[i]+Lb[i−1])
    の関係が全て成り立つように設定することを特徴とする請求項1に記載の周期性パターンのムラ検査方法。
  4. 前記対象画像又は透過率画像の各画素に対してパターンの全幅の輝度値は同値に、それ以外は0に設定してパターン抽出画像を作成し、該画像から輝度値0の画素を除く画素の連結処理を行って、前記パターン画像を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の周期性パターンのムラ検査方法。
  5. 前記対象画像又は透過率画像のy行、x列目の画素の輝度値をTI[x,y]とすると、
    <条件1>
    (TI[x,y]>TI[x−1,y])
    且つ(TI[x,y]>TI[x+1,y])
    <条件2>
    (TI[x,y]>TI[x−1,y])
    且つ(TI[x,y]=TI[x+1,y])
    のいずれかの条件が成り立ち、且つ、
    <条件3>
    TI[x,y]≧閾値
    である場合に、対応するパターン抽出画像の画素の輝度値EI[x,y]=TI[x,y]に、それ以外はEI[x,y]=0に置き換えることにより、前記パターン抽出画像を作成することを特徴とする請求項4に記載の周期性パターンのムラ検査方法。
  6. 幅の狭いパターンが、パターン間を介して幅方向を形成方向にして繰り返し形成されている対象物を、撮像手段により反射照明下又は透過照明下で撮像し、得られる画像を画像処理して前記パターンを検査する周期性パターンのムラ検査装置において、
    ラインセンサカメラからなる撮像手段と対象物とを相対的に移動させる移動手段と、
    前記撮像手段を、その画素列方向と前記対象物の形成方向とを直交させて配置する機能と、前記撮像手段の光学系レンズをジャストフォーカスに設定する機能と、1画素の視野に1つのパターンを収めることができ、且つ、1画素の視野に、隣り合う2つのパターンが部分的に含まれる場合と、いずれか一方のみが含まれる場合とで、1画素の輝度値が等しくならない光学条件の下で、
    前記撮像手段と対象物とを前記形成方向に沿って相対的に移動させながら、該撮像手段よりアスペクト比が1を超えるスキャンレートに設定して撮像し、対象画像を取得する機能とを有する撮像制御手段を備えているとともに、
    前記対象画像から直接的又は間接的に、前記対象物に形成されている各パターンの全幅の輝度値に対応する画素からなるパターン画像を作成する手段と、
    該パターン画像を被検査画像として前記パターンを検査する手段とを備えていることを特徴とする周期性パターンのムラ検査装置。
  7. 前記対象画像から間接的に前記パターン画像を作成する場合に使用する、前記透過照明下で前記対象物を除いて撮像した光源画像により、同照明下で撮像した前記対象画像を除算して透過率画像を作成する手段を備え、
    作成された透過率画像から前記パターン画像を作成することを特徴とする請求項6に記載の周期性パターンのムラ検査装置。
  8. 前記光学条件として、前記対象物における形成方向のパターン幅をLa、同方向のパターン間の幅をLb、前記撮像手段により撮像する範囲内のパターンの数をN、iを0〜N−1の任意の整数とする場合、該撮像手段の分解能Hを、
    H≧max(La[i])
    H≦min(La[i]+Lb[i])
    H≦min(La[i]+Lb[i−1])
    の関係が全て成り立つように設定することを特徴とする請求項6に記載の周期性パターンのムラ検査装置。
  9. 前記対象画像又は透過率画像の各画素に対してパターンの全幅の輝度値は同値に、それ以外は0に設定してパターン抽出画像を作成し、該画像から輝度値0の画素を除く画素の連結処理を行って、前記パターン画像を作成することを特徴とする請求項6又は7に記載の周期性パターンのムラ検査装置。
  10. 前記対象画像又は透過率画像のy行、x列目の画素の輝度値をTI[x,y]とすると、
    <条件1>
    (TI[x,y]>TI[x−1,y])
    且つ(TI[x,y]>TI[x+1,y])
    <条件2>
    (TI[x,y]>TI[x−1,y])
    且つ(TI[x,y]=TI[x+1,y])
    のいずれかの条件が成り立ち、且つ、
    <条件3>
    TI[x,y]≧閾値
    である場合に、対応するパターン抽出画像の画素の輝度値EI[x,y]=TI[x,y]に、それ以外はEI[x,y]=0に置き換えることにより、前記パターン抽出画像を作成することを特徴とする請求項9に記載の周期性パターンのムラ検査装置。
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