JP4382210B2 - 周期性パターンの検査方法及び装置 - Google Patents

周期性パターンの検査方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色ムラ欠陥検査方法及び装置、特にカラーテレビのブラウン管に用いられるシャドウマスクや液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタ等の、基板に光透過性を有する周期性パターンが形成されている製品における、該パターンの均一性の乱れに起因する色ムラ欠陥を検出する際に適用して好適な、色ムラ欠陥検査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
単位となる微小な開口が繰り返し配列された周期性パターンが形成されている工業製品としては、カラーテレビのブラウン管に用いられるシャドウマスクや液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタ等がある。このような工業製品では、形成されている周期開口が均一であることが重要であることから、その周期性パターンの均一性を、その乱れに起因する色(輝度)ムラが生じているか否かにより検査することが行われている。
【0003】
このようなシャドウマスクやカラーフィルタ等に形成されている周期性開口パターンを検査する技術としては、対象物をCCDカメラや撮像管等の画像入力装置(撮像手段)により撮像し、得られた検査対象画像を画像処理することにより、その色ムラ欠陥を検出するものが、例えば特開平6−229736に提案されている。
【0004】
図12は、このような色ムラ欠陥検査に適用される検査装置の要部を示した概略正面図である。この検査装置は、ステージ10上に載置された試料(対象物・製品)Wの裏側に、光源12から拡散板14とこれに積層された拡散シート14Aを介して照明光を照射すると共に、該試料Wの表面側で透過光を撮像するCCDカメラ16を含む画像入力部18と、該カメラ16により入力される画像データを処理する画像処理部20とを備えている。
【0005】
図13は、前記検査装置全体の構成を示し、該検査装置は大別して検査処理部22、マン・マシンインターフェイス部24及びマシン・マシンインターフェイス部26を備え、且つ、これら各部22〜26に含まれる各機能部の動作全体を管理する装置制御部28とを備えている。そして、上記検査処理部22は、機能部として前記画像入力部18と、該画像入力部18により入力された画像データを処理する前記画像処理部20を含み、同様にマン・マシンインターフェイス部24は上記画像処理部20により処理された結果等を表示する情報表示部30と、オペレータとの間で情報のやり取りを行なう対人操作部32を、マシン・マシンインターフェイス部26は対象物を搬送するベルトコンベア(図示せず)等の外部機械との間で情報のやり取りを行なう機械連動部34をそれぞれ含んでおり、これら各機能部22〜26等は、上記のように装置制御部28により動作全体が管理されるようになっている。
【0006】
これら各機能部について詳述すると、画像入力部18が有するCCDカメラ16としては、エリアセンサカメラやラインセンサカメラを利用することができ、又、撮像手段としては、これ以外に撮像管等を利用することもできる。
【0007】
又、画像処理部20としては、専用画像処理装置やパーソナルコンピュータ等が利用できる。又、情報表示部30は、オペレータに対して検査進行状況、検査結果、集計結果、過去の検査結果の履歴等を提示したり、撮像した画像や処理途中の画像あるいは処理後の画像を表示する機能を有し、これにはCRTモニタ、液晶モニタ、LEDアレイ等が利用できる。
【0008】
又、対人操作部32は、(1)オペレータからの検査に必要な入力操作を受け付ける、(2)被検査物の特徴(サイズ等)を設定する、(3)画像処理部20の調整値(フィルタサイズ等)を設定する、(4)画像入力部18の調整値(シャッタースピード等)を設定する等の機能を有し、これには機械式ボタン、タッチパネル、キーボード、マウス等が利用できる。
【0009】
又、機械連動部34は、自動検査時の外部機器との同期、例えば画像入力部18への検査対象の供給終了タイミング等をとったり、検査結果によって検査対象の物流装置へ命令(検査対象の選別振分け指示、検査部への供給停止)等を発行する機能を有し、これにはRS−232C、RS−422、GPIB(General Purpose Interface Bus)、LAN(イーサーネット)、パラレルI/O、 リレー等が利用できる。そして、以上の各機能部22〜26の動作を管理する装置制御部28としては、専用装置、汎用シーケンサ、パーソナルコンピュータ等が利用できる。
【0010】
前記検査装置において、CCDカメラ16を用いて試料(被検査物)Wを撮像し、得られた画像データを画像処理することによって、該試料Wに形成されている周期性パターンの色ムラの有無を検査することが行われる。
【0011】
一般に、検査対象となる色ムラは、画像データにおいて微妙な階調の変化として表われる。そのため、検査対象画像の画像データをそのまま単純な2値化処理しただけでは、色ムラの有無が判定できない。そこで、従来は、検査対象画像の色ムラを強調するために画像データの強調処理を行い、その後該処理により色ムラが強調された画像に対して、単純な2値化処理を行って色ムラの有無を判定し、色ムラ欠陥の検出を行っている。
【0012】
ここで実行される上記強調処理は、微分フィルタ等の空間フィルタを用いて画像データをフィルタリング処理することにより実現できる。その際、検出しようとする色のムラの形状を想定し、予めそれぞれの形状毎にフィルタの形状を設定しておくことにより、検出性能を高めることができる。図14には、この強調処理の特徴を概念的に示した。
【0013】
図14(A)は、画像入力された縦Im画素、横In画素の大きさからなる検査対象画像を表し、便宜上白い色で示した領域は有効部(検査対象が存在する領域)Ipと、その外側周囲に網点を付した領域で示した無効部(検査対象が存在しない領域)Iqとで構成されている。
【0014】
上記有効部Ipに存在する色ムラを強調する際、例えば同図(B)にイメージを示したような強調処理用の空間フィルタを該有効部Ipに適用する。このフィルタは、縦2Km+1、横2Kn+1の各要素(画素)の大きさからなる2次微分フィルタであり、図15にはKm=3、Kn=2の場合の具体例を示した。
【0015】
このフィルタを使用する強調処理(フィルタリング処理)は、有効部Ip全体の各画素に対して該フィルタの各要素の数値を対応する画素の階調値に乗算し、その合計を中心画素の階調値に置き換える演算を実行することに当たる。
【0016】
ところが、検査対象画像においては、対象が存在する領域である有効部Ipが有限であるため、有効部Ipの外側の無効部Iqに対してフィルタリング処理に必要な縦Km画素、横Kn画素数分の領域を想定し、該領域の画素値を零値(階調値0)に仮定して、係数に負の値を持つ前記微分フィルタによる強調距離を行っている。そのため、このフィルタリング処理による強調処理は、微妙な色ムラを検査するためには効果が高いものの、有効部Ipの境界で画像データが不連続となっているため、図14(C)に二点鎖線で範囲を示すように、該有効部Ipの周縁領域に縦Km画素、横Kn画素の幅にリンギングと呼ばれる歪みRが発生し、この歪みRが発生した領域では正しい検査結果が得られないということになる。
【0017】
その対策として、従来は、上記のような歪みRが発生している範囲を検査対象から除外する処理を行っていた。以下、この除外処理を検査対象がシャドウマスクである場合について詳述する。図16は、この場合の判定画像作成までの処理手順の概略を示し、図17はそれに対応する主な画像処理の段階における画像のイメージを示している。
【0018】
前記図12に示した検査装置において、まずステップ11で、前記CCDカメラ16により試料(シャドウマスク)Wを撮像することにより、試料画像(透過光画像)データを得ると共に、ステップ12で、試料のない状態で光源のみを撮像することにより光源画像データを得る。
【0019】
次いで、ステップ13で、試料画像データを光源画像データで割ることにより、光源13自体に存在するシェーディングに影響されない透過率画像(検査対象画像)を作成する。図17(A)は、この透過率画像のイメージを示したもので、前記図14(A)に相当し、同様にIpは有効部、Iqは無効部である。この透過率画像について説明すると、試料のない状態で撮像した光源画像データをI1、試料を入れて撮像した試料画像データをI、CCDカメラ16の暗電流を表 す画像データをI0とすると、試料W上の点の透過率Tは次の(1)式で計算で きる。
【0020】
T=(I−I0)/(I1−I0) …(1)
【0021】
ここで、I、I0、I1はそれぞれ対応する位置の画素データであり、この計算を各画素について行うことにより、光源のシェーディングやその変動に影響を受けない透過率画像データを得ることができる。
【0022】
なお、通常のCCDカメラで透過率画像データを作成する場合は、電子シャッター内蔵のCCDカメラを用い、電子シャッターにより撮像条件設定方法としてシャッター開放の状態で試料を入れて撮像し、CCDカメラの飽和露光量に近くなるように光源輝度を調節し、次に試料を取り除き、光量がオーバーせず、しかも飽和露光量に近くなるまでシャッター時間を短くし、そのときのシャッター時間をtc、開放時のシャッター時間をtoとすると、次の(2)式で透過率画像を得ることができる。これらの演算は、画像処理部20により各画像データをフレームメモリに記録した後に画像間の演算で行われる。
【0023】
T={(I−I0)/(I1−I0)}×(tc/to) …(2)
【0024】
次いで、ステップ14では、上記ステップ13で作成した検査対象画像である透過率画像(データ)を所定の閾値で2値化し、有効部Ipが255、無効部Iqが0の階調値が設定された、それぞれ画素値が1、0の2値化画像からなる図17(B)に示すようなマスク画像を作成する。その一方で、前記ステップ3で作成した透過率画像に対して、微小変動(ノイズ)を除去するために平滑化処理(図示せず)を施し、その後、平滑化した該画像の色ムラを強調するために、ステップ15で前記空間フィルタによる2次微分処理を施し、前記図14(C)に相当する図17(C)に示すような強調画像を作成する。
【0025】
次いで、ステップ16では、前記ステップ14で作成した図17(B)のマスク画像の有効部側(画素値1)を、前記ステップ15で作成された強調画像に生じている歪み(リンギィング)領域Rを覆うことができるように収縮する。即ち、無効部Iqに相当するマスク領域Mを、同図(D)に示すように広げる。その後、ステップ17で、前記図17(C)の強調画像を、同図(D)の収縮されたマスク画像でマスク処理し、同図(E)に示す強調画像のマスキング画像を作成し、該マスキング画像について、次のステップ18で前述したと同様に単純な2値化処理を行って判定画像を作成し、色ムラ欠陥の検査を行う。
【0026】
以上詳述した従来の検査技術によれば、検査範囲がフィルタの次数(大きさ:Km、Kn)によって決まる歪み領域Rにより制限されることになるが、前記空間フィルタを用いるフィルタリング処理によって、色ムラを強調することができることから、色ムラの欠陥検査を有効に行うことができる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の検査技術では、前記フィルタリング処理を画像処理、即ち演算処理で実行しているために時間がかかり、特に検出する対象が大きくなると、それに応じた大きな次数の空間フィルタを使用することになるため、大きくなるに従って演算時間が長くなることから、色ムラ欠陥の検査に時間がかかるという問題がある。
【0028】
又、前述したように光源画像を用いて作成した透過率画像を基に検査する場合には、試料Wの裏面による反射光が拡散板14で再反射されてCCDカメラ16に入力される裏面反射の影響が出るため、検査精度が低下するという問題もある。
【0029】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、周期性パターンの不均一性に起因する色ムラ欠陥を迅速に且つ高精度に検査することができる周期性パターンの検査方法及び装置を提供することを課題とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明は、周期性パターンを有する対象物をエリアセンサカメラで撮像し、得られた画像を基に周期性パターンの不均一性に起因する色ムラ欠陥を検査する周期性パターンの検査方法において、前記エリアセンサカメラの光学系を、前記対象物の表面で目標寸法にピントが合う第1フォーカスに設定して、該カメラにより第1製品画像を撮像し、前記光学系を、第1フォーカスより短い第2フォーカスに設定して、同カメラにより第2製品画像を撮像し、前記第1製品画像から前記第2製品画像を減算して強調画像を作成し、該強調画像に基づいて前記目標寸法に対応する大きさの色ムラ欠陥を検出する際、前記第2製品画像を所定の閾値で2値化してマスク画像を作成し、該マスク画像により前記強調画像の周辺領域を検査領域から除外したマスク済強調画像を作成するようにしたことにより、前記課題を解決したものである。
【0031】
本発明は、又、周期性パターンを有する対象物をエリアセンサカメラで撮像し、得られた画像を基に周期性パターンの不均一性に起因する色ムラ欠陥を検査する周期性パターンの検査装置において、前記エリアセンサカメラの光学系を任意のフォーカスに設定するフォーカス設定手段と、前記光学系を前記対象物の表面で目標寸法にピントが合う第1フォーカスに設定して、該カメラにより撮像される第1製品画像から、前記光学系を第1フォーカスより短い第2フォーカスに設定して、同カメラにより撮像される第2製品画像を減算した強調画像を作成する強調画像作成手段と、該強調画像に基づいて前記目標寸法に対応する大きさの色ムラ欠陥を検出する検出手段と、を備え、且つ、前記エリアセンサカメラにより、フォーカスが長い方から順に撮像される製品画像を、交互に格納する2つの製品画像用メモリが設置されているとともに、これら両メモリから、長いフォーカスで撮像した方を第1製品画像として、短いフォーカスで撮像した方を第2製品画像としてそれぞれ選択し、前記強調画像作成手段に入力するようになっており、前記2つの製品画像用メモリのいずれかから選択した第2製品画像を所定閾値で2値化してマスク画像を作成する手段と、該マスク画像により前記強調画像の周辺領域を検査領域から除外したマスク済強調画像を作成する手段とが設置されているようにしたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0032】
本発明者は、より効果的な検査技術を開発するべく鋭意検討した結果、エリアセンサカメラの光学系について、検査したい欠陥の大きさに相当する領域(目標寸法)を集光できる(ピントが合う)第1フォーカスに設定し、対象物を撮像して第1製品画像を入力すると共に、該第1フォーカスより短い第2フォーカスに設定して同対象物を撮像して第2製品画像を入力し、前者から後者を減算すると、前記目標寸法に対応するムラが強調された画像、即ち強調画像を作成できることを知見した。
【0033】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、従来はフィルタリング処理で行っていたために時間がかかっていた色ムラの強調を、2つの異なるフォーカスをそれぞれ設定して撮像される2つの製品画像間で差分処理するだけで実現できるようにしたので、欠陥のサイズが大きい場合でも、光学的な条件を変えて撮像するだけで強調できるため、色ムラ欠陥を短時間で検査することができる。
【0034】
又、光源画像を用いない、即ち透過率画像を作成せず、透過光像である製品画像間の差分を取っているため、裏面反射の影響を排除できることから、高精度な検査ができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明に係る一実施形態の周期性パターンの検査装置の要部を示す概略説明図である。
【0037】
本実施形態の検査装置は、前記図13に示した装置制御部28からの指示(制御信号)に従って、エリアセンサカメラであるCCDカメラ16の光学系(図示せず)のフォーカスを任意の値に設定変更するカメラコントローラ40(フォーカス設定手段)が付設され、画像処理部20が以下に詳述する各機能部をも含んだ構成となっている。これ以外の基本的な機能は、前記図12、13等を用いて説明した従来の検査装置と実質的に同一であるので、同一の符号を使用し、その詳細な説明を省略する。
【0038】
本実施形態では、前記画像処理部20が、図2に示すような構成を有している。即ち、画像入力部18から入力される製品画像を受信する画像受信部42と、該受信部42が受信した製品画像を保存する2つの製品画像用の第1メモリ44、第2メモリ46と、設定するフォーカスが変更される毎に前記CCDカメラ16から受信される製品画像を、上記両メモリ44、46のいずれかに交互に上書きするために送信先を切換える第1セレクタ48が設置されている。そして、上記両メモリ44、46のいずれかを選択する第2セレクタ50と、選択されたメモリから入力される製品画像を基にマスク画像を作成するマスク画像作成部52と、作成されたマスク画像を保存するマスク画像メモリ54とが設置されている。
【0039】
上記第2セレクタ50は、後に詳述するが、マスク画像は設定されたフォーカスが小さい方の画像から作成するようになっているので、前記第1、第2メモリ44、46では上書きされる度に保存される製品画像のフォーカスの大小関係が逆転するため、格納されている画像のうちフォーカスの小さい方の画像、即ち第2製品画像をマスク画像作成部52に入力するための切換えを行うようになっている。
【0040】
又、前記第1、第2の両メモリ44、46のいずれから先に画像データを入力するかを選択する第3セレクタ56と、先に入力された第1製品画像から後の第2製品画像を減算して強調画像を作成する強調画像作成部58と、作成された画像データを保存する強調画像メモリ60とが設置されている。上記第3セレクタ56は、強調画像が、フォーカスの大きい方の第1製品画像からフォーカスの小さい方の第2製品画像を減算して作成するようになっていることから、上述したように前記第1、第2メモリ44、46は上書きされる度にフォーカスの大小関係が逆転するので、第1、第2メモリ44、46に格納されている画像を、フォーカスの大小関係を正しい順番にして強調画像作成部58に入力するための切換えを行っている。
【0041】
本実施形態では、上記強調画像メモリ60から入力される強調画像と、前記マスク画像メモリ54から入力されるマスク画像とからマスク済み強調画像を作成するマスク済み強調画像作成部62と、作成された画像データを格納するマスク済み強調画像メモリ64と、該メモリ64から読み出されたマスク済み強調画像の中で正側に強調されている画像データを2値化する正側2値画像作成部66と、逆に負側に強調されている画像データを2値化する負側2値画像作成部68と、それぞれの2値化画像を格納する正側、負側の各2値化画像メモリ70、72と、これら両メモリ70、72から読み出された正側、負側の2値画像から判定画像を作成する判定画像作成部74と、作成された画像データを格納する判定画像メモリ76と、該メモリ76から読み出された判定画像について、その2値化部を判定パラメータメモリ80から入力される判定基準を基に色ムラ欠陥とするか否かの判定を行う判定部78とが設置されている。
【0042】
なお、前記正側2値画像作成部66は、後述するように周期性パターンを構成する開口部の面積が正常値より大きいために白っぽく見える部分を、又、前記負側2値画像作成部68は、逆に開口部の面積が小さいために黒っぽく見える部分を、それぞれ2値化する働きをしている。但し、後述する具体例に示すように、絶対値をとって1つにまとめてもよい。
【0043】
次に、本実施形態の作用を、図3のフローチャートに従って説明する。
【0044】
まず、前記図1に示したように、光源12の上に配置した試料Wを、第1フォーカスFaに設定したCCDカメラ16により上方から撮像し、その透過光像を第1製品画像Iaとして撮像し、それを前記製品画像用第1メモリ44に格納する(ステップ1)。次いで、第1セレクタ48を切換え、上記CCDカメラ16の光学系の焦点を第2フォーカスFbに設定変更し、それ以外は同一の条件の下で該CCDカメラ16により第2製品画像Ibを撮像し、前記製品画像用第2メモリ46に格納する。
【0045】
このように、2つの製品画像を撮像する際に設定する第1、第2フォーカスFa、Fbは、図4(A)、(B)にそれぞれ設定1、設定2として概念的に示したように、Fa>Fbの関係にある。同図(A)に破線で範囲を示したように、CCDカメラ16によって試料Wの全体が撮像できるようになっているが、第1フォーカスFaでは、試料Wの表面で目標寸法Laにピントが合う、即ちこの寸法の範囲を明瞭に撮り込むことができるようになっており、第2フォーカスFbでは、寸法Laより大きなLbにピントが合うようになっている。従って、第2製品画像Ibでは、目標寸法Laの領域に対してはピンボケの状態になっている。
【0046】
次いで、前記強調画像作成部58で、前記第1メモリ44から読み込んだ第1製品画像Iaから、第2メモリ46から読み込んだ第2製品画像Ibを減算して、強調画像(画像間差分画像)Ieを作成する(ステップ3)と共に、前記マスク画像作成部52で第2製品画像Ibを2値化してマスク画像Imを作成し(ステップ4)、前記マスク済み強調画像作成部62で前者Ieと後者ImとのAND処理によりマスク済み強調画像Imeを作成する(ステップ5)。なお、各ステップで作成された画像データは、その都度それぞれ対応するメモリ54〜64に格納される。
【0047】
その後、前記正側、負側の両2値画像作成部66、68で前記マスク済み強調画像メモリ64から読み込んだマスク済み強調画像Imeについて、正側と負側に強調されている画像データをそれぞれ2値化し、正側2値画像Ibp、負側2値画像Ibmを作成し(ステップ6)、前記判定画像作成部74でこれら両画像のOR処理により判定画像Ijを作成し(ステップ7)、前記判定部78で該判定画像Ijに基づいて判定処理を行う(ステップ8)。この判定結果は、前記装置制御部28に出力される。
【0048】
以上のステップ1〜8に従って実行される処理の特徴を、イメージ図を用いて以下に説明する。
【0049】
ここで使用する検査対象物(試料)Wは、そのイメージを図5に示したように、均一な密度のドット(点)からなる正常部に比べて白っぽい色ムラと、黒っぽい色ムラとが存在し、しかもその中には不良として除かなければならない欠陥部と、除かなくてもよい非欠陥部とが混在している。
【0050】
便宜上、前記ステップ4で作成するマスク画像について先に説明する。図6には、(A)の上記検査対象物Wを撮像した(B)の第1製品画像Iaと、(C)の第2製品画像Ib、これらと(D)のマスク画像Imとの関係を概念的に示した。この図6(A)に示したように、上記検査対象物Wは、周期性パターンである検査対象が存在する有効部Ipと、それが存在しない枠部からなる無効部Iqとで形成されている。便宜上、ここでは、前記図14の検査対象画像の場合と同一の符号を使用している。
【0051】
第1製品画像Ia、第2製品画像Ibには、それぞれ周囲に無効部Iqがぼけて撮像されるために検査に適さない不良領域Ingが存在し、これは焦点距離が短くなるほど大きくなるので、第2製品画像Ibの方が広くなっている。そこで、この第2製品画像Ibを、不良領域より大きい輝度の閾値で2値化し、(D)のような2値のマスク画像を作成する。
【0052】
一方、前記図5の検査対象物Wで、SLで示した横方向の1ライン上における輝度のプロファイルを拡大して示すと、図7のようであった。便宜上、この図7では横方向が200画素で、輝度を256階調で表わしてある。なお、このプロファイルデータは、実際の画像データを想定して、スプレッドシート上でそのデータに対してデジタル的に処理を行って作成しており、以下の図8〜図10も同様である。
【0053】
前記第1製品画像Ia、第2製品画像Ibについて同様のプロファイルを作成したものが、それぞれ図8、図9である。そして、前記ステップ3で第1製品画像Iaから第2製品画像Ibを減算して作成する強調画像Ieは、図10のように得られる。但し、ここでは、分かり易くするために、差の絶対値を取ると共に、それを10倍に拡大して示してある。
【0054】
上記強調画像Ieをマスク処理して、それを2値化した画像が図11である。これが、前記ステップ6の2値化を絶対値を取ったImeについて行って作成したステップ7の判定画像Ijに相当する。因みに、この図11では、閾値40で2値化している。なお、第1フォーカスFaに対して設置する第2フォーカスFbの実際の値は、実験的に予め設定しておく。
【0055】
以上の説明では、第1製品画像、第2製品画像として、前記図4(A)、(B)に示した設定1、設定2で得られるIa、Ibを用いる検査処理を示したが、この組合せは任意に変更することができる。従って、更に同図(C)で設定3として併記したLcにピントが合うフォーカスFcと、同図(D)に設定4として併記したLdにピントが合うフォーカスFdを用い、寸法Lbの大きさに対応する欠陥を検査したい場合には、設定2と設定3の条件を採用し、寸法Lcの欠陥を検出したい場合は、設定3と設定4の条件を採用することにより、前記寸法Laより大きな色ムラ欠陥を順次検査することができる。因みに、前者ではFbが第1フォーカス、Fcが第2フォーカスであるとし、後者ではFcが第1フォーカス、Fdが第2フォーカスであるとして処理すると共に、前記図2に示した第1〜第3の各セレクタ48、50、56をそれぞれ適切に切換える。このようにすることにより、順次大きさの異なる欠陥の検査を行うことができる。
【0056】
以上詳述した本実施形態によれば、フィルタリング処理を行うことなく、色ムラを強調することができるので、周期性パターンの不均一性を迅速に検査することができる。又、フィルタリング処理の一部である積分処理を光学的に行っていることになるので、正確な検査を行なうことができる。又、複数のフォーカスの組合せにより、大きさの異なる欠陥を検出できることから、欠陥のサイズが大きくなっても、実質上同一の時間で処理できるため、短時間で検査することができる。更に、透過率画像のように、光源画像を使用しないため、裏面反射の影響が無いことから、検査精度の向上も図れる。
【0057】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0058】
例えば、本発明の検査装置の具体的構成は前記実施形態に示したものに限定されない。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、エリアセンサカメラに設定するフォーカスを変更するという光学的な処理により、任意の大きさの色ムラを強調することができるため、周期性パターンの不均一性を、迅速に且つ高精度に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の検査装置の要部構成を示す説明図
【図2】上記検査装置が備えている画像処理部が有する機能部を示すブロック図
【図3】実施形態の作用を示すフローチャート
【図4】CCDカメラに設定するフォーカスと検査対象物上の寸法との関係を示す説明図
【図5】検査対象物のイメージを示す説明図
【図6】第1、第2製品画像とマスク画像との関係を示す説明図
【図7】検査対象物の透過光画像における1ライン上の輝度のプロファイルを示す線図
【図8】第1製品画像における同ライン上の輝度のプロファイルを示す線図
【図9】第2製品画像における同ライン上の輝度のプロファイルを示す線図
【図10】強調画像における同ライン上の輝度のプロファイルを拡大して示す線図
【図11】上記強調画像を2値化した画像を示す線図
【図12】従来の検査装置の要部構成を示す説明図
【図13】従来の検査装置の全体構成の概略を示すブロック図
【図14】従来の検査対象画像の強調処理を示す説明図
【図15】空間フィルタの一例を示す説明図
【図16】従来の検査装置による処理手順を示すフローチャート
【図17】従来の検査装置による処理途中の画像の特徴を示すイメージ図
【符号の説明】
10…ステージ
12…光源
14…拡散板
14A…拡散シート
16…CCDカメラ
18…画像入力部
20…画像処理部
40…カメラコントローラ
W…試料(検査対象)

Claims (4)

  1. 周期性パターンを有する対象物をエリアセンサカメラで撮像し、得られた画像を基に周期性パターンの不均一性に起因する色ムラ欠陥を検査する周期性パターンの検査方法において、
    前記エリアセンサカメラの光学系を、前記対象物の表面で目標寸法にピントが合う第1フォーカスに設定して、該カメラにより第1製品画像を撮像し、
    前記光学系を、第1フォーカスより短い第2フォーカスに設定して、同カメラにより第2製品画像を撮像し、
    前記第1製品画像から前記第2製品画像を減算して強調画像を作成し、
    該強調画像に基づいて前記目標寸法に対応する大きさの色ムラ欠陥を検出する際、
    前記第2製品画像を所定の閾値で2値化してマスク画像を作成し、該マスク画像により前記強調画像の周辺領域を検査領域から除外したマスク済強調画像を作成することを特徴とする周期性パターンの検査方法。
  2. 請求項において、
    前記マスク済強調画像を、正側と負側にそれぞれ所定の閾値を設定して2値化し、得られた正側及び負側の2値画像からなる判定画像に基づいて色ムラ欠陥の有無を判定することを特徴とする周期性パターンの検査方法。
  3. 周期性パターンを有する対象物をエリアセンサカメラで撮像し、得られた画像を基に周期性パターンの不均一性に起因する色ムラ欠陥を検査する周期性パターンの検査装置において、
    前記エリアセンサカメラの光学系を任意のフォーカスに設定するフォーカス設定手段と、
    前記光学系を前記対象物の表面で目標寸法にピントが合う第1フォーカスに設定して、該カメラにより撮像される第1製品画像から、前記光学系を第1フォーカスより短い第2フォーカスに設定して、同カメラにより撮像される第2製品画像を減算した強調画像を作成する強調画像作成手段と、
    該強調画像に基づいて前記目標寸法に対応する大きさの色ムラ欠陥を検出する検出手段と、を備え、且つ、
    前記エリアセンサカメラにより、フォーカスが長い方から順に撮像される製品画像を、交互に格納する2つの製品画像用メモリが設置されているとともに、
    これら両メモリから、長いフォーカスで撮像した方を第1製品画像として、短いフォーカスで撮像した方を第2製品画像としてそれぞれ選択し、前記強調画像作成手段に入力するようになっており、
    前記2つの製品画像用メモリのいずれかから選択した第2製品画像を所定閾値で2値化してマスク画像を作成する手段と、
    該マスク画像により前記強調画像の周辺領域を検査領域から除外したマスク済強調画像を作成する手段とが設置されていることを特徴とする周期性パターンの検査装置。
  4. 請求項において、
    前記検出手段が、前記マスク済強調画像を、正側と負側にそれぞれ所定の閾値を設定して2値化する手段と、得られた正側及び負側の2値画像からなる判定画像に基づいて色ムラ欠陥の有無を判定する手段とを有していることを特徴とする周期性パターンの検査装置。
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