JP2004124734A - 全系回転式スクロール圧縮機 - Google Patents

全系回転式スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2004124734A
JP2004124734A JP2002286606A JP2002286606A JP2004124734A JP 2004124734 A JP2004124734 A JP 2004124734A JP 2002286606 A JP2002286606 A JP 2002286606A JP 2002286606 A JP2002286606 A JP 2002286606A JP 2004124734 A JP2004124734 A JP 2004124734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
ring
driven
lubricant
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002286606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4142383B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Mihara
三原 宏之
Hideaki Ikeda
池田 英明
Kazutaka Suefuji
末藤 和孝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP2002286606A priority Critical patent/JP4142383B2/ja
Publication of JP2004124734A publication Critical patent/JP2004124734A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4142383B2 publication Critical patent/JP4142383B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】補助クランク機構の軸受を長期にわたり潤滑状態に保持するため、グリース等の潤滑剤が遠心力等の作用で軸受から漏洩するのを抑えるようにする。
【解決手段】補助クランク機構25の軸受28,29からグリースGが漏洩するのを防ぐために、駆動回転体15,従動回転体21の段付穴26,27内にリング状カバー31,32を嵌合して設ける。リング状カバー31,32の外径リング部31A,32Aは大径穴部26A,27A内に圧入して固定し、内径リング部31B,32Bは、クランク軸30のフランジ部30D,30Eに対してすきま嵌めで取付ける。補助クランク機構25のリング状カバー31,32と軸受28,29との間に形成される潤滑剤保持空間33,34を、軸受28,29を潤滑状態に保つために必要なグリースGの量よりも大きな容積に形成する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気等の気体または冷媒等を圧縮するのに好適に用いられる全系回転式スクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、全系回転式スクロール圧縮機としては、軸方向に延びる筒状のケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられ回転源により回転駆動される駆動スクロールと、該駆動スクロールに対向して前記ケーシング内に回転可能に設けられ該駆動スクロールとの間に複数の圧縮室を形成する従動スクロールと、該従動スクロールと駆動スクロールとの間に設けられ前記各圧縮室を連続的に縮小させるように該従動スクロールを駆動スクロールに対して相対回転させる補助クランク機構とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−145588号公報
【特許文献2】
特開平9−133087号公報
【0004】
この種の従来技術による全系回転式スクロール圧縮機は、電動モータ等の回転源により駆動スクロールを回転駆動すると、この回転が補助クランク機構を介して従動スクロールへと伝えられ、このときに従動スクロールと駆動スクロールとが一定の偏心寸法をもって相対的な旋回運動を行うことにより、両スクロール間の圧縮室を連続的に縮小させ、例えば空気等の流体を各圧縮室内で順次圧縮するものである。
【0005】
また、このような従来技術の全系回転式スクロール圧縮機に用いる補助クランク機構は、前記駆動スクロールと従動スクロールとにそれぞれ設けられた軸挿入穴と、軸方向の両側が該各軸挿入穴内にそれぞれ挿入されるクランク軸と、該クランク軸の軸方向の両側と前記各軸挿入穴との間に設けられ該クランク軸を前記各軸挿入穴内でそれぞれ回転可能に支持する軸受とにより構成され、それぞれの軸受にはグリース等の潤滑油が供給されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による全系回転式スクロール圧縮機は、駆動スクロールが回転駆動されると、これに従動して従動スクロールも回転する構成であるため、これらの両スクロール間に設けた補助クランク機構の軸受には、各スクロールの回転に伴った遠心力が作用し続けるものである。
【0007】
このため、補助クランク機構の軸受に供給したグリース等の潤滑剤は、遠心力の作用で軸受内から外部に漏れる傾向が強く、補助クランク機構の軸受を長期にわたって潤滑状態に保持するのが難しいという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、グリース等の潤滑剤が軸受から漏洩するのを抑え、補助クランク機構の軸受を長期にわたって潤滑状態に保持できると共に、耐久性、寿命等を向上できるようにした全系回転式スクロール圧縮機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、軸方向に延びる筒状のケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられ回転源により回転駆動される駆動スクロールと、該駆動スクロールに対向して前記ケーシング内に回転可能に設けられ該駆動スクロールとの間に複数の圧縮室を形成する従動スクロールと、該従動スクロールと駆動スクロールとの間に設けられ前記各圧縮室を連続的に縮小させるように該従動スクロールを駆動スクロールに対して相対回転させる補助クランク機構とを備えた全系回転式スクロール圧縮機に適用される。
【0010】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記補助クランク機構を、前記駆動スクロールと従動スクロールとにそれぞれ設けられた軸挿入穴と、軸方向の両側が該各軸挿入穴内にそれぞれ挿入されるクランク軸と、該クランク軸の軸方向の両側と前記各軸挿入穴との間に設けられ該クランク軸を前記各軸挿入穴内でそれぞれ回転可能に支持する軸受と、該各軸受を潤滑状態に保持するための潤滑剤が前記軸挿入穴から外部に漏洩するのを防ぐリング状カバーとにより構成し、該リング状カバーは、外周側を前記軸挿入穴内に圧入して固定し、内周側を前記クランク軸に対してすきま嵌めで取付ける構成としたことにある。
【0011】
このように構成したことにより、リング状カバーの外周側を軸挿入穴内に圧入して固定するため、軸受に供給した潤滑剤が遠心力の作用で軸受の外輪側、リング状カバーの外周側に片寄せられた状態でも、このときの潤滑剤がリング状カバーの外周側と軸挿入穴との間から外部に漏洩するのを防止できる。また、リング状カバーの内周側はクランク軸に対しすきま嵌めで取付けるため、クランク軸をリング状カバーに対して滑らかに回転させることができる。
【0012】
また、請求項2の発明によると、リング状カバーと軸受との間には、該軸受を潤滑状態に保つために必要な潤滑剤の量よりも大なる容積をもった潤滑剤保持空間を形成してなる構成としている。
【0013】
これにより、軸受に供給した潤滑剤が遠心力の作用で軸受の外輪側、リング状カバーの外周側に片寄せられた状態でも、大きな容積を有する潤滑剤保持空間内に潤滑剤を余裕をもって保持し続けることができる。
【0014】
また、請求項3の発明によると、リング状カバーは、外周側の外径リング部と、内周側の内径リング部と、該内径リング部と外径リング部との間を軸方向の一側で連結する環状連結部とにより断面コ字形状のリングとして形成し、潤滑剤保持空間は、前記内径リング部の接線と該接線の径方向外側に位置する前記外径リング部との間に形成される弓形状空間部の容積が軸受に必要な潤滑剤の量以上の容積となるように構成している。
【0015】
これにより、軸受に供給した潤滑剤が遠心力の作用で軸受の外輪側、リング状カバーの外周側に片寄せられた状態でも、このときの潤滑剤を潤滑剤保持空間の弓形状空間部内に保持し続けることができ、潤滑剤保持空間の潤滑剤がリング状カバーの内径リング部とクランク軸との間に形成される小さな隙間から外部に漏洩するのを防止できる。
【0016】
さらに、請求項4の発明によると、リング状カバーは、駆動スクロールと従動スクロールの素材と同等またはそれ以上の熱膨張率をもった材料を用いて形成している。これにより、圧縮運転による発熱等で駆動スクロールと従動スクロールが熱膨脹しても、リング状カバーは両スクロールと同等またはそれ以上に熱膨脹するので、リング状カバーと軸挿入穴との間に余分な隙間が形成されることはなく、潤滑剤の漏洩を防止し続けることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による全系回転式スクロール圧縮機を、空気圧縮機として用いた場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0018】
ここで、図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1はスクロール圧縮機の外枠を構成する筒状のケーシングで、該ケーシング1は、軸線O1 −O1 または軸線O2 −O2 を中心として略円筒状に形成されたケーシング本体2と、該ケーシング本体2の左,右両端側にそれぞれ固着して設けられた左,右の軸支持体3,4等とにより構成されている。
【0019】
この場合、ケーシング1のケーシング本体2は、図1中に示す如く軸方向中間部で左,右のケース体2A,2Bに2分割可能となっている。そして、これらのケース体2A,2Bは、後述の駆動スクロール14、従動スクロール20等の組付け後に図1に示す如くボルト等を用いて互いに一体化されるものである。
【0020】
また、ケーシング本体2の軸方向他側には、軸支持体4と軸方向で対向する位置に環状の蓋体5が設けられ、該蓋体5は、後述の従動軸17を軸支持体4との間で回転可能に支持している。そして、蓋体5には、その外側端面に後述の封止フランジ35が衝合して取付けられている。
【0021】
6は軸支持体3側でケーシング本体2の一側に設けられた回転源としての電動モータで、該電動モータ6は、ケーシング本体2の端部に固定され軸方向に延びた筒状のモータケース7と、該モータケース7の端部を閉塞した蓋体8と、モータケース7の内周側に設けられた筒状のステータ9と、該ステータ9の内周側に回転可能に配設された筒状のロータ10とにより構成されている。
【0022】
そして、電動モータ6は、ステータ9およびロータ10の軸線が後述する駆動軸11の軸線O1 −O1 と同一の軸線上に配置され、ロータ10を回転することにより駆動軸11を軸線O1 −O1 を中心として回転駆動するものである。
【0023】
11は電動モータ6の蓋体8と軸支持体3とに回転可能に設けられた回転軸としての駆動軸で、該駆動軸11は、電動モータ6のロータ10内に圧入等の手段を用いて嵌合された中実の軸体からなり、軸線O1 −O1 を中心としてロータ10と一体に回転するものである。
【0024】
そして、駆動軸11は、軸方向の一側(図1中の左端側)が電動モータ6の蓋体8に軸受12を介して支持され、軸方向の他側は軸支持体3に他の軸受13,13を介して回転可能に支持されている。この場合、軸受13は、ラジアル荷重とスラスト荷重を受承可能なアンギュラ玉軸受等を用いて構成されている。
【0025】
14は駆動軸11を介してケーシング本体2内に回転可能に設けられた駆動スクロールで、該駆動スクロール14は、図1に示すように駆動軸11の端部に固定して設けられた駆動回転体15と、該駆動回転体15に抜止め状態で取付けられ駆動回転体15と一体に回転する後述のスクロール部材16とにより構成されている。そして、駆動回転体15は、例えばアルミニウム等の金属材料を用いて形成されるものである。
【0026】
16は駆動側のスクロール部材で、該スクロール部材16は、図1に示す如く略円板状に形成され中心が駆動軸11の軸線O1 −O1 と一致するように駆動回転体15内に配設された鏡板16Aと、該鏡板16Aの表面に立設された渦巻状のラップ部16Bとにより構成されている。
【0027】
そして、駆動スクロール14は、駆動軸11の回転に伴って駆動回転体15が軸線O1 −O1 を中心として回転すると、スクロール部材16が駆動回転体15と一体に回転し、後述する従動側のスクロール部材22との間で各圧縮室23を連続的に縮小させるものである。
【0028】
17はケーシング本体2の他側で軸支持体4と蓋体5とに回転可能に設けられた他の回転軸としての従動軸で、該従動軸17は、軸方向に延びる軸穴17Aを有した中空な軸体として形成され、駆動軸11の軸線O1 −O1 に対して寸法δだけ偏心した軸線O2 −O2 上に配置されている。
【0029】
そして、従動軸17は、軸方向の一側が軸支持体4に軸受18,18を介して回転可能に支持され、軸方向の他側は蓋体5に他の軸受19を介して支持されている。また、従動軸17側の各軸受18は、ラジアル荷重とスラスト荷重を受承可能なアンギュラ玉軸受等を用いて構成されている。
【0030】
この場合、駆動軸11側の軸受13と従動軸17側の軸受18とは、図1に示すように組付け方向が逆向きとなって取付けられ、後述の圧縮室23内に発生する圧縮空気等の圧力で駆動軸11と従動軸17とが互いに逆向きのスラスト荷重を受ける場合でも、このスラスト荷重を軸支持体3,4を介して受承し、スクロール部材16,22間の軸方向ギャップをほぼ一定に保つものである。
【0031】
20は駆動スクロール14と軸方向で対向してケーシング本体2内に回転可能に設けられた従動スクロールで、該従動スクロール20は、図1に示すように従動軸17の端部に固定して設けられた従動回転体21と、該従動回転体21に抜止め状態で取付けられ従動回転体21と一体に回転する後述のスクロール部材22とにより構成されている。そして、従動回転体21は、駆動回転体15と同様の材料(例えば、アルミニウム等)を用いて形成されるものである。
【0032】
22は従動側のスクロール部材で、該スクロール部材22は、図1に示す如く略円板状に形成され中心が従動軸17の軸線O2 −O2 と一致するように従動回転体21内に配設された鏡板22Aと、該鏡板22Aの表面に立設された渦巻状のラップ部22Bとにより構成されている。
【0033】
ここで、従動スクロール20は、スクロール部材22のラップ部22Bが駆動スクロール14側のラップ部16Bと所定角度(例えば、180°)だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部16B,22B間には、外周側から内周側にわたって複数の圧縮室23,23,…が形成されるものである。
【0034】
また、従動スクロール20には、鏡板22Aの中心側に位置して吐出穴24が穿設され、該吐出穴24は、従動軸17の軸穴17Aと連通している。また、従動スクロール20の外周側には、各圧縮室23のうち最外周側の圧縮室23内に空気(外気)を吸込むための吸込口(図示せず)が設けられている。
【0035】
そして、駆動スクロール14と従動スクロール20とは、後述の補助クランク機構25を介して相対回転することにより両者間の各圧縮室23を連続的に縮小させ、前記吸込口から最外周側の圧縮室23に吸込んだ空気を内周側の圧縮室23に向けて漸次圧力を増大させるように導きつつ、高圧の圧縮空気を吐出穴24から従動軸17の軸穴17A内へと吐出させるものである。
【0036】
25,25,…は駆動スクロール14と従動スクロール20との間に設けられた複数の補助クランク機構で、該各補助クランク機構25は、駆動回転体15と従動回転体21の周方向に、例えば120°程度の間隔をもって合計3個配設されている。そして、補助クランク機構25は、駆動スクロール14と従動スクロール20との間で回転伝達を行うと共に、駆動スクロール14と従動スクロール20との間に相対的な旋回運動を発生させるものである。
【0037】
そして、補助クランク機構25は、図2に示すように駆動回転体15と従動回転体21の外周側にそれぞれ穿設された軸挿入穴としての段付穴26,27と、後述の軸受28,29、クランク軸30およびリング状カバー31,32等により構成されている。
【0038】
この場合、駆動回転体15の段付穴26は、図2に示す如く軸線O3 −O3 を中心とした円形の大径穴部26A、中径穴部26Bおよび小径穴部26Cにより構成され、大径穴部26Aと中径穴部26Bとの間の段部には、後述のグリースGを収容可能な環状凹溝26Dが形成されている。
【0039】
また、従動回転体21の段付穴27は、軸線O4 −O4 を中心とした円形の大径穴部27A、中径穴部27Bおよび小径穴部27Cにより構成され、大径穴部27Aと中径穴部27Bとの間の段部には、グリースGを収容可能な環状凹溝27Dが形成されている。
【0040】
そして、段付穴26の軸線O3 −O3 、段付穴27の軸線O4 −O4 は、駆動軸11の軸線O1 −O1 、従動軸17の軸線O2 −O2 と同様に寸法δだけ互いに偏心しているものである。また、段付穴26,27は、大径穴部26A,27Aがほぼ同一の穴径に形成され、中径穴部26B,27Bもほぼ同一の穴径に形成されているものである。
【0041】
28は駆動回転体15の段付穴26内に取付けられた駆動側の軸受で、該軸受28は、例えば図2に示すように玉軸受からなり、段付穴26の大径穴部26A内に嵌合された外輪28Aと、後述する軸部30Aの外周側に嵌合された内輪28Bと、該内輪28Bと外輪28Aとの間にそれぞれ転動可能に配置された複数の転動体となる球体28Cとにより構成されている。
【0042】
29は従動回転体21の段付穴27内に取付けられた従動側の軸受で、該軸受29は、駆動側の軸受28とほぼ同一の玉軸受からなり、段付穴27の大径穴部27A内に嵌合された外輪29Aと、後述する軸部30Bの外周側に嵌合された内輪29Bと、該内輪29Bと外輪29Aとの間にそれぞれ転動可能に配置された複数の転動体となる球体29Cとにより構成されている。
【0043】
ここで、これらの軸受28,29は、例えばグリースG等の潤滑剤が供給されることにより潤滑状態に保持される。そして、軸受28,29を潤滑状態に保つために必要な潤滑剤(グリースG)の量としては、例えば本出願人が先に特許第2950438号で提案した転動体の動空間容積(例えば、軸受28の外輪28Aと内輪28Bとの間における各球体28Cの動空間容積)に対して40〜60%の範囲に設定するのがよい。
【0044】
30は前記段付穴26,27内に軸受28,29を介して取付けられたクランク軸で、該クランク軸30は、図2に示す如く軸方向一側の軸部30Aと、軸方向他側の軸部30Bと、これらの軸部30A,30B間に位置する大径の環状板部30Cと、該環状板部30Cと軸部30Aとの間に一体形成された一側のフランジ部30Dと、環状板部30Cと軸部30Bとの間に一体形成された他側のフランジ部30Eとにより構成されている。
【0045】
そして、クランク軸30は、一側の軸部30A、環状板部30Cおよびフランジ部30Dが軸線O3 −O3 を中心とした円形状をなし、他側の軸部30Bおよびフランジ部30Eは、軸線O4 −O4 を中心とした円形状体として形成されている。また、クランク軸30の軸部30A,30Bは、ほぼ同一の外径をもって形成され、フランジ部30D,30Eもほぼ同一の外径寸法に形成されるものである。
【0046】
ここで、クランク軸30の軸部30Aは、駆動回転体15の段付穴26内に軸受28を介して回転可能に取付けられ、他側の軸部30Bは、従動回転体21の段付穴27内に軸受29を介して回転可能に取付けられている。そして、クランク軸30のフランジ部30D,30Eは、軸受28,29の内輪28B,29Bに当接することにより、段付穴26,27内で軸受28,29の抜止めを行うものである。
【0047】
31,32は段付穴26,27内に嵌合して設けられたリング状カバーで、該リング状カバー31,32は、例えばアルミニウム等の材料を用いて図2に示すように断面コ字形状のリングとして形成され、その熱膨張率は、駆動回転体15,従動回転体21の熱膨張率と同等となっている。
【0048】
そして、リング状カバー31は、図2、図3に示すように外周側の外径リング部31Aと、内周側の内径リング部31Bと、これらの内径リング部31Bと外径リング部31Aとの間を軸方向の一側で一体に連結する環状連結部31Cとにより構成されている。また、リング状カバー32についても、リング状カバー31と同様に外径リング部32A、内径リング部32Bおよび環状連結部32Cにより構成されている。
【0049】
そして、リング状カバー31,32は、駆動回転体15,従動回転体21の段付穴26,27内に図2に示す如く嵌合され、このときに外径リング部31A,32Aは、大径穴部26A,27A内に圧入して固定される。また、内径リング部31B,32Bは、クランク軸30のフランジ部30D,30Eに対してすきま嵌めで取付けられ、クランク軸30がリング状カバー31,32に対して滑らかに回転するのを補償している。
【0050】
33,34はリング状カバー31,32と軸受28,29との間に形成される潤滑剤保持空間で、該潤滑剤保持空間33,34は、段付穴26,27の環状凹溝26D,27Dと共に軸受28,29を潤滑状態に保つために必要なグリースGの量よりも十分に大なる容積をもった環状空間として形成されている。
【0051】
特に、潤滑剤保持空間33,34は、例えば図3中に斜線を付して示した弓形状空間部33A,34Aが前述した必要なグリースGの量と同等またはこれ以上の容積となるように形成されるものである。
【0052】
この場合、弓形状空間部33Aは、図3に例示するように内径リング部31Bの内周に点Pの位置で接する仮想の接線Sと、外径リング部31Aのうち接線Sの径方向外側に位置する外径リング部31Aの内周壁との間に弓形状をなして形成される空間部(図3中に斜線を付した部分)を指すものである。また、弓形状空間部34Aについても同様である。
【0053】
35は図1に示すように蓋体5に衝合して設けられた封止フランジで、該封止フランジ35は、蓋体5から突出する従動軸17の端部を径方向外側から取囲むことにより、従動軸17の突出端外周側を外部に対して封止すると共に、従動軸17が封止フランジ35内で円滑に回転するのを補償するものである。
【0054】
また、封止フランジ35には、軸線O2 −O2 上に位置して吐出口36が穿設され、該吐出口36は、従動軸17の軸穴17Aを介して従動スクロール20の吐出穴24と連通している。そして、この吐出口36は、配管等を介して外部の空気タンク(図示せず)に接続されるものである。
【0055】
本実施の形態によるスクロール圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0056】
まず、電動モータ6のステータ9側に給電してロータ10を回転駆動すると、該ロータ10と一体となった駆動軸11が、軸線O1 −O1 を中心として駆動スクロール14と一緒に回転する。そして、駆動スクロール14の回転は、複数の補助クランク機構25を介して従動スクロール20へと伝えられる。
【0057】
そして、従動スクロール20は、従動軸17と共に軸線O1 −O1 に対して寸法δだけ偏心した軸線O2 −O2 上に配置され、補助クランク機構25のクランク軸30も、軸線O3 −O3 上の軸部30Aと軸線O4 −O4 上の軸部30Bとが寸法δだけ偏心している。
【0058】
このため、従動スクロール20は、駆動スクロール14の回転が各補助クランク機構25を介して伝達されることにより、駆動スクロール14に対し寸法δの旋回半径をもった相対的な旋回運動を行いつつ、従動軸17と共に軸線O2 −O2 を中心とした従動回転を行うものである。
【0059】
これにより、駆動スクロール14と従動スクロール20との間に形成された複数の圧縮室23,23,…は、両スクロール14,20間の相対的な旋回動作に伴って連続的に縮小され、従動スクロール20の外周側に設けた吸込口(図示せず)から外気を吸込みつつ、この空気を各圧縮室23内で順次圧縮する。
【0060】
そして、駆動スクロール14と従動スクロール20との間の各圧縮室23内で圧縮された圧縮空気は、従動スクロール20の中心部に設けた吐出穴24から従動軸17の軸穴17A、封止フランジ35の吐出口36を介して外部へと吐出され、例えば空気タンク(図示せず)等に貯留される。
【0061】
また、補助クランク機構25の軸受28,29には、例えば本出願人が先に特許第2950438号で提案した転動体の動空間容積(軸受28の外輪28Aと内輪28Bとの間における各球体28Cの動空間容積)に対して40〜60%以上となる体積(油量)のグリースGが潤滑剤として供給され、その外輪28A,29A、内輪28B,29Bと各球体28C,29Cとの間をグリースGによって潤滑状態に保つことができるようにしている。
【0062】
ところで、全系回転式スクロール圧縮機にあっては、駆動スクロール14と従動スクロール20とが相対的な旋回運動を行いつつも、それぞれが図1に示す軸線O1 −O1 と軸線O2 −O2 とを中心にして速い速度で回転されるため、これらの駆動スクロール14と従動スクロール20には回転速度に応じた遠心力が発生し、この遠心力は補助クランク機構25の軸受28,29に供給したグリースGにも影響を与えるものである。
【0063】
即ち、駆動回転体15の段付穴26内に設けられた軸受28、リング状カバー31は、駆動回転体15の回転(図3中に例示する矢示A方向の回転)により矢示B方向の遠心力を受ける。このため、軸受28に供給したグリースG(潤滑剤)は、リング状カバー31の潤滑剤保持空間33内で遠心力の作用を受けることにより、外径リング部31Aに沿って矢示B方向に押上げられつつ、例えば図3中に斜線で示した弓形状空間部33Aに片寄せて集められることになる。
【0064】
このとき、軸受28に供給したグリースGの量が弓形状空間部33Aの容積よりも大となると、グリースGの一部は、図3中に示す点Pの近傍から内径リング部31Bの内周側へと溢れ出し、クランク軸30のフランジ部30Dとリング状カバー31の内径リング部31Bとの間の隙間(環状板部30Cと環状連結部31Cとの間の隙間)を通じて駆動回転体15の段付穴26から外部に漏洩することになる。
【0065】
しかし、本実施の形態にあっては、補助クランク機構25の軸受28,29からグリースGが漏洩するのを防ぐためにリング状カバー31,32を、駆動回転体15,従動回転体21の段付穴26,27内に嵌合して設け、このときに外径リング部31A,32Aを大径穴部26A,27A内に圧入して固定し、内径リング部31B,32Bは、クランク軸30のフランジ部30D,30Eに対してすきま嵌めで取付ける構成としている。
【0066】
そして、補助クランク機構25のリング状カバー31,32と軸受28,29との間に形成される潤滑剤保持空間33,34を、図3中に斜線で例示した弓形状空間部33A,34Aの容積が軸受28,29を潤滑状態に保つために必要なグリースGの量と同等またはこれ以上の容積となるように構成している。
【0067】
このため、補助クランク機構25のリング状カバー31,32と軸受28,29との間には、潤滑剤保持空間33,34の弓形状空間部33A,34A内において、軸受28,29を潤滑状態に保つために必要な量と同等またはそれ以上のグリースGを確保することができ、このグリースGによって軸受28,29を潤滑状態に保持することができる。
【0068】
従って、本実施の形態によれば、補助クランク機構25にリング状カバー31,32を設けることにより、軸受28,29からグリースGが漏洩するのを防止でき、補助クランク機構25の軸受28,29を長期にわたって潤滑状態に保持できると共に、耐久性、寿命等を確実に向上することができ、当該全系回転式スクロール圧縮機の信頼性を高めることができる。
【0069】
また、この場合のリング状カバー31,32は、駆動スクロール14の駆動回転体15、従動スクロール20の従動回転体21と同様の材料(例えば、アルミニウム等)を用いて形成しているので、圧縮運転による発熱等で駆動回転体15と従動回転体21が熱膨脹しても、両スクロール14,20の段付穴26,27とリング状カバー31,32との間に余分な隙間が形成されるのを防ぐことができ、グリースGの漏洩を長期にわたり防止することができる。
【0070】
次に、図4は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、駆動スクロールと従動スクロールの軸挿入穴内にリング状カバーと有底カバーとを設け、これらのカバー間に軸受を挟むように配置する構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0071】
図中、41は本実施の形態で採用した補助クランク機構で、該補助クランク機構41は、第1の実施の形態で述べた補助クランク機構25と同様に軸受28,29、クランク軸30を有する共に、後述の段付穴42,43、有底カバー44,45およびリング状カバー46,47等により構成されている。
【0072】
42,43は駆動回転体15,従動回転体21にそれぞれ穿設された軸挿入穴としての段付穴で、これらの段付穴42,43は、第1の実施の形態で述べた段付穴26,27とほぼ同様に、大径穴部42A,43A、中径穴部42B,43Bおよび小径穴部42C,43Cにより構成されている。
【0073】
しかし、この場合の中径穴部42B,43Bは、大径穴部42A,43Aに近い穴径、即ち軸受28,29の外輪28A,29Aの内径よりも大きく、外輪28A,29Aの外径よりも小さい穴径をもって形成されている。そして、駆動回転体15の段付穴42は、軸線O3 −O3 上に配置され、従動回転体21の段付穴43は、軸線O4 −O4 上に配置されている。
【0074】
44,45は段付穴42,43の中径穴部42B,43B内に嵌合して設けられた有底カバーで、該有底カバー44,45は、例えばアルミニウム等の材料を用いて有底筒状に形成され、その熱膨張率は、駆動回転体15,従動回転体21の熱膨張率と同等となっている。
【0075】
そして、有底カバー44,45は、外周側が中径穴部42B,43B内に圧入され、内周側がクランク軸30の軸部30A,30Bを外側から隙間をもって取囲む厚肉の筒部44A,45Aと、該筒部44A,45Aの端部を閉塞した薄肉の底部44B,45Bとにより構成されている。
【0076】
また、有底カバー44,45の筒部44A,45Aには、軸受28,29との当接面側にグリースGを収容可能な環状凹溝44C,45Cが設けられ、これらの環状凹溝44C,45Cは、第1の実施の形態で述べた環状凹溝26D,27Dとほぼ同様に形成されるものである。
【0077】
46,47は段付穴42,43内に嵌合して設けられたリング状カバーで、該リング状カバー46,47は、第1の実施の形態で述べたリング状カバー31,32と同様に構成され、その熱膨張率は、駆動回転体15,従動回転体21の熱膨張率と同等となっている。
【0078】
そして、リング状カバー46,47は、外径リング部46A,47A、内径リング部46B,47Bおよび環状連結部46C,47Cより構成され、段付穴42,43内の軸受28,29(特に、外輪28A,29A)を有底カバー44,45との間で軸方向両側から挟むように配置されている。
【0079】
48,49はリング状カバー46,47と軸受28,29との間に形成される潤滑剤保持空間で、該潤滑剤保持空間48,49は、第1の実施の形態で述べた潤滑剤保持空間33,34と同様に構成され、軸受28,29を潤滑状態に保つために必要なグリースGの量よりも十分に大なる容積をもった環状空間として形成されている。
【0080】
50,51は段付穴42,43の大径穴部42A,43Aと軸受28,29との間に設けられたシール部材としてのOリングで、これらのOリング50,51は、軸受28,29の外輪28A,29Aに外周側から弾性的に接触することによって、外輪28A,29Aと大径穴部42A,43Aとの間をシールすると共に、軸受28,29の外輪28A,29Aに対する抜止め機能も有するものである。
【0081】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に本実施の形態では、有底カバー44,45を段付穴42,43の中径穴部42B,43B内に嵌合して設けることにより、段付穴42,43の大径穴部42A,43A内に設けた軸受28,29の外輪28A,29Aを、有底カバー44,45とリング状カバー46,47との間で軸方向両側から挟持でき、グリースGの漏洩をより確実に防ぐことができる。
【0082】
なお、前記第1の実施の形態では、リング状カバー31,32を、駆動スクロール14の駆動回転体15、従動スクロール20の従動回転体21と同様の材料(例えば、アルミニウム等)を用いて形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばリング状カバー31,32を、駆動回転体15,従動回転体21の素材以上の熱膨張率をもった材料により形成してもよい。
【0083】
これにより、圧縮運転による発熱等で駆動回転体15と従動回転体21が熱膨脹しても、リング状カバー31,32は両回転体15,21以上に熱膨脹するので、リング状カバー31,32と段付穴26,27との間に余分な隙間が形成されることはなく、グリースG等の潤滑剤の漏洩を防止し続けることができる。この点は第2の実施の形態についても同様である。
【0084】
また、前記各実施の形態では、駆動スクロール14を駆動回転体15とスクロール部材16とにより構成し、従動スクロール20も従動回転体21とスクロール部材22とにより構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、これらの駆動回転体15とスクロール部材16(従動回転体21とスクロール部材22)は必ずしも別体で形成する必要はなく、これらを予め一体物として形成してもよいものである。
【0085】
さらに、前記各実施の形態では、全系回転式スクロール圧縮機としてスクロール空気圧縮機を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば空気以外の気体を圧縮してもよく、冷媒圧縮機等にも適用してもよいものである。
【0086】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、従動スクロールを駆動スクロールに対して相対回転させる補助クランク機構を、駆動スクロールと従動スクロールとにそれぞれ設けた軸挿入穴と、軸方向の両側が該各軸挿入穴内にそれぞれ挿入されるクランク軸と、該クランク軸の軸方向の両側と前記各軸挿入穴との間に設けられ該クランク軸を各軸挿入穴内でそれぞれ回転可能に支持する軸受と、該各軸受の潤滑剤が軸挿入穴から外部に漏洩するのを防ぐリング状カバーとによって構成し、このリング状カバーは、外周側を前記軸挿入穴内に圧入して固定し、内周側を前記クランク軸に対してすきま嵌めで取付ける構成としているので、軸受に供給した潤滑剤が遠心力の作用で軸受の外輪側、リング状カバーの外周側に片寄せられた状態でも、このときの潤滑剤がリング状カバーの外周側と軸挿入穴との間から外部に漏洩するのを防止でき、補助クランク機構の軸受を長期にわたって潤滑状態に保持できると共に、耐久性、寿命等を確実に向上することができる。
【0087】
また、請求項2に記載の発明によると、リング状カバーと軸受との間には、該軸受を潤滑状態に保つために必要な潤滑剤の量よりも大なる容積をもった潤滑剤保持空間を形成する構成としているので、軸受に供給した潤滑剤が遠心力の作用で軸受の外輪側、リング状カバーの外周側に片寄せられた状態でも、大きな容積を有する潤滑剤保持空間内に潤滑剤を余裕をもって保持し続けることができる。
【0088】
また、請求項3に記載の発明は、リング状カバーを外径リング部、内径リング部および環状連結部により断面コ字形状のリングとして形成し、潤滑剤保持空間は、前記内径リング部の接線と該接線の径方向外側に位置する前記外径リング部との間に形成される弓形状空間部の容積が軸受に必要な潤滑剤の量以上の容積となるように構成しているので、軸受に供給した潤滑剤が遠心力の作用で軸受の外輪側、リング状カバーの外周側に片寄せられた状態でも、このときの潤滑剤を潤滑剤保持空間の弓形状空間部内に保持し続けることができ、潤滑剤保持空間の潤滑剤がリング状カバーの内径リング部とクランク軸との間に形成される小さな隙間から外部に漏洩するのを防止できる。
【0089】
さらに、請求項4に記載の発明によると、リング状カバーは、駆動スクロールと従動スクロールの素材と同等またはそれ以上の熱膨張率をもった材料を用いて形成しているので、圧縮運転による発熱等で駆動スクロールと従動スクロールが熱膨脹しても、リング状カバーは両スクロールと同等またはそれ以上に熱膨脹することになり、リング状カバーと軸挿入穴との間に余分な隙間が形成されるのを防止でき、潤滑剤の漏洩を防止し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中の補助クランク機構を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2中の潤滑剤保持空間と内部に収容したグリースとの関係を示すリング状カバーの拡大正面図である。
【図4】第2の実施の形態によるスクロール圧縮機の補助クランク機構を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 ケーシング本体
3,4 軸支持体
6 電動モータ(回転源)
9 ステータ
10 ロータ
11 駆動軸
14 駆動スクロール
15 駆動回転体
16,22 スクロール部材
17 従動軸
20 従動スクロール
21 従動回転体
23 圧縮室
24 吐出穴
25,41 補助クランク機構
26,27,42,43 段付穴(軸挿入穴)
28,29 軸受
30 クランク軸
31,32,46,47 リング状カバー
31A,32A,46A,47A 外径リング部
31B,32B,46B,47B 内径リング部
31C,32C,46C,47C 環状連結部
33,34,48,49 潤滑剤保持空間
G グリース(潤滑剤)

Claims (4)

  1. 軸方向に延びる筒状のケーシングと、該ケーシング内に回転可能に設けられ回転源により回転駆動される駆動スクロールと、該駆動スクロールに対向して前記ケーシング内に回転可能に設けられ該駆動スクロールとの間に複数の圧縮室を形成する従動スクロールと、該従動スクロールと駆動スクロールとの間に設けられ前記各圧縮室を連続的に縮小させるように該従動スクロールを駆動スクロールに対して相対回転させる補助クランク機構とを備えた全系回転式スクロール圧縮機において、
    前記補助クランク機構は、前記駆動スクロールと従動スクロールとにそれぞれ設けられた軸挿入穴と、軸方向の両側が該各軸挿入穴内にそれぞれ挿入されるクランク軸と、該クランク軸の軸方向の両側と前記各軸挿入穴との間に設けられ該クランク軸を前記各軸挿入穴内でそれぞれ回転可能に支持する軸受と、該各軸受を潤滑状態に保持するための潤滑剤が前記軸挿入穴から外部に漏洩するのを防ぐリング状カバーとにより構成し、
    該リング状カバーは、外周側を前記軸挿入穴内に圧入して固定し、内周側を前記クランク軸に対してすきま嵌めで取付ける構成としたことを特徴とする全系回転式スクロール圧縮機。
  2. 前記リング状カバーと軸受との間には、該軸受を潤滑状態に保つために必要な潤滑剤の量よりも大なる容積をもった潤滑剤保持空間を形成してなる請求項1に記載の全系回転式スクロール圧縮機。
  3. 前記リング状カバーは、外周側の外径リング部と、内周側の内径リング部と、該内径リング部と外径リング部との間を軸方向の一側で連結する環状連結部とにより断面コ字形状のリングとして形成し、前記潤滑剤保持空間は、前記内径リング部の接線と該接線の径方向外側に位置する前記外径リング部との間に形成される弓形状空間部の容積が前記軸受に必要な潤滑剤の量以上の容積となるように構成してなる請求項2に記載の全系回転式スクロール圧縮機。
  4. 前記リング状カバーは、前記駆動スクロールと従動スクロールの素材と同等またはそれ以上の熱膨張率をもった材料を用いて形成してなる請求項1,2または3に記載の全系回転式スクロール圧縮機。
JP2002286606A 2002-09-30 2002-09-30 全系回転式スクロール圧縮機 Expired - Fee Related JP4142383B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002286606A JP4142383B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 全系回転式スクロール圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002286606A JP4142383B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 全系回転式スクロール圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004124734A true JP2004124734A (ja) 2004-04-22
JP4142383B2 JP4142383B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=32279627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002286606A Expired - Fee Related JP4142383B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 全系回転式スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4142383B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108757446A (zh) * 2018-07-03 2018-11-06 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 涡旋压缩机及具有其的车辆
WO2019069886A1 (ja) * 2017-10-02 2019-04-11 三菱重工業株式会社 両回転スクロール型圧縮機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019069886A1 (ja) * 2017-10-02 2019-04-11 三菱重工業株式会社 両回転スクロール型圧縮機
CN108757446A (zh) * 2018-07-03 2018-11-06 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 涡旋压缩机及具有其的车辆
CN108757446B (zh) * 2018-07-03 2023-10-27 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 涡旋压缩机及具有其的车辆

Also Published As

Publication number Publication date
JP4142383B2 (ja) 2008-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5075810B2 (ja) スクロール式流体機械
JP2009264370A (ja) スクロール式流体機械
KR101860009B1 (ko) 스크롤 유체 기계
KR100342467B1 (ko) 밀봉모터압축기용모터스페이서
WO2019069886A1 (ja) 両回転スクロール型圧縮機
WO2019039575A1 (ja) 両回転スクロール型圧縮機
JP4142383B2 (ja) 全系回転式スクロール圧縮機
JPH11247770A (ja) スクロール式流体機械
JP2006274927A (ja) 内接ギヤポンプ及びこれを用いた電動ポンプ
JPH0988849A (ja) スクロール式流体機械
CN110259680B (zh) 双旋转涡旋型压缩机
JP5037995B2 (ja) スクロール式流体機械
JP2003293966A (ja) スクロール式流体機械
JP2008256024A (ja) 転がり軸受装置
JP4865417B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2006207406A (ja) スクロール流体機械
JP2009085102A (ja) スクロール式流体機械
JPH0329589Y2 (ja)
JP2004278444A (ja) 電動内接ギヤポンプ
JP6004667B2 (ja) 圧縮機
JP2005139977A (ja) スクロール式流体機械
JP2002257057A (ja) スクロール式流体機械
JPH0953575A (ja) スクロール式流体機械
JP2002257064A (ja) スクロール式流体機械
JP5011237B2 (ja) スクロール式流体機械

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041129

A621 Written request for application examination

Effective date: 20050630

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050704

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20080610

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080612

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees