JP6004667B2 - 圧縮機 - Google Patents

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本発明は、駆動軸の一端がハウジングを貫通して外部に突出され、外部駆動源によって駆動される、いわゆる開放型の圧縮機に関するものである。
ハウジングの内部に圧縮機構が内蔵されている圧縮機において、圧縮機構を駆動する駆動軸の一端を、ハウジングを貫通して外部に突出させ、外部駆動源によって駆動するタイプの、いわゆる開放型圧縮機が、エンジンを備えた車両に搭載される空調機、冷凍機用の圧縮機として広範に利用されている。このタイプの圧縮機では、圧縮機構に連結された駆動軸をハウジング内に設置した軸受で回転自在に支持し、一端側をハウジング外部に貫通させているが、その貫通部位からハウジング内を流動するガスが外部に漏出しないように駆動軸の貫通部を軸封する必要があり、この軸封に、リップシールが用いられている。
リップシールは、一般に剛性の高い金属製の環状保形材の内外周に、弾性変形可能なゴム材等からなる環状のメインリップシールおよびサブリップシール等を設けた構成とされている。そして、保形材と対応しているメインリップシールの外周部をハウジング側のリップシール収容部に圧入し、メインリップシールおよびサブリップシールのリップ先端を回転軸の外周に圧接させて組み付けることより、回転軸の貫通部を軸封している。
一方、開放型圧縮機では、小型コンパクト化の観点からポンプによる強制給油方式は採用しておらず、冷媒によるミスト給油が一般的である。メイン軸受やリップシール等についても、それを吸入冷媒ガス雰囲気下に晒すことによって、冷媒ガスに含まれる油ミストで潤滑している。しかし、ハウジング内では、吸入ポートから吸い込まれる冷媒ガスの流れが一定ではないため、運転状況によっては、リップシールおよびメイン軸受等に対して給油不足が発生する場合があり、リップ先端の異常摩耗や軸受ボール、ころ等のフレーキングの原因となっていた。
そこで、メイン軸受によって支持されている駆動軸(クランク軸)の大径部に、外端面側から内端面側に向って次第に拡開する傾斜した貫通穴を設け、遠心力を利用して外端面側の空間から内端面側の空間に向う冷媒循環流れを生じさせ、冷媒ガスに含まれる油ミストでリップシールおよびメイン軸受等を潤滑するようにしたものが、特許文献1により提案されている。
特開平11−30188号公報
しかしながら、特許文献1に提示されたものは、駆動軸の大径部に外端面側から内端面側に向って拡開する傾斜した貫通穴を設け、遠心力によって冷媒の循環流れを生じさせるようにしたものであるが、十分傾斜が取れないことから、リップシール等に対して必要かつ十分な量の油を給油できるだけの冷媒流れを生じさせることが難しい。また、大径部に対して斜めに貫通穴を穿設しなければならず、加工がし難い等の課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、リップシールおよびメイン軸受に対して十分給油することができるとともに、加工、組み立てが容易な圧縮機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる圧縮機は、ハウジング内に圧縮機構が内蔵され、該圧縮機構を駆動する駆動軸が前記ハウジングに軸受を介して回転自在に支持されるとともに、前記駆動軸の一端が前記ハウジングを貫通して外部に突出され、そのハウジングを貫通する部位に該ハウジングの内外を軸封するリップシールが設けられている圧縮機において、前記駆動軸の内端側には、前記軸受を介して支持される大径部が設けられ、その大径部に軸方向に貫通する少なくとも1以上の貫通穴が設けられるとともに、前記大径部の前記リップシールと対向する外端面側に、前記貫通穴を介して内端面側の空間から油を含む冷媒ガスを吸引して強制的に循環させる羽根部材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、駆動軸の内端側に、軸受を介して支持される大径部が設けられ、その大径部に、軸方向に貫通する少なくとも1以上の貫通穴が設けられるとともに、該大径部のリップシールと対向する外端面側に、貫通穴を介して内端面側の空間から油を含む冷媒ガスを吸引して強制的に循環させる羽根部材が設けられているため、ハウジング内の吸入キャンバーに吸い込まれた油を含む低圧冷媒ガスの一部を、駆動軸の大径部の外端面側に設けられ、駆動軸と共に回転する羽根部材の吸引作用によって、大径部の内端面側の空間から貫通穴を経て大径部の外端面側の空間、更には軸受隙間へと強制循環させ、その冷媒ガスに含まれる油ミストでリップシールおよび軸受を潤滑することができる。従って、リップシールおよび軸受への給油量を十分に確保し、摩耗による温度上昇を抑制してリップ先端の異常摩耗を防止することができるとともに、軸受の玉、ころ等のフレーキングを防止することができ、リップシールおよび軸受の寿命を延長することができる。また、圧縮機の停止時、羽根部材が抵抗となることによる逆転の防止または低減効果、あるいはハウジング内が負圧になることによるリップシール部からの空気の吸込み防止効果等をも期待することができる。更に、駆動軸の大径部に貫通穴を設けるとともに、その外端面に羽根部材を取付けるだけでよく、加工、組み立てを容易化することができる。
さらに、本発明の圧縮機は、上記の圧縮機において、前記羽根部材は、前記貫通穴と連通する連通穴を備え、外周部に凹曲面状に欠損されている複数の括れ部が設けられている円板とされていることを特徴とする。
本発明によれば、羽根部材が、貫通穴と連通する連通穴を備え、外周部に凹曲面状に欠損されている複数の括れ部が設けられている円板とされているため、外周部に凹曲面状に欠損された複数の括れ部が設けられている円板が駆動軸と共に回転される際の吸引作用によって、油を含む低圧冷媒ガスの一部を大径部の内端面側の空間から貫通穴およびその穴に連通する連通穴を介して大径部の外端面側の空間に強制的に循環させ、その空間に面して設置されているリップシールおよび軸受に対し、遠心力をも利用して冷媒ガスに含まれる油ミストを跳ねかけることができる。従って、リップシールおよび軸受に対して必要かつ十分な量の油を給油することができ、リップシールの異常摩耗や軸受の玉、ころ等のフレーキングを確実に防止することができる。
さらに、本発明の圧縮機は、上記の圧縮機において、前記羽根部材は、前記貫通穴と連通する連通穴を備え、外表面側に羽根形状を形成する複数条の底面が傾斜した凹溝が設けられている円板とされていることを特徴とする。
本発明によれば、羽根部材が、貫通穴と連通する連通穴を備え、外表面側に羽根形状を形成する複数条の底面が傾斜した凹溝が設けられている円板とされているため、外表面側に羽根形状を形成する複数条の底面が傾斜した凹溝が設けられている円板が駆動軸と共に回転される際の吸引作用によって、油を含む低圧冷媒ガスの一部を大径部の内端面側の空間から貫通穴およびその穴に連通する連通穴を介して大径部の外端面側の空間に強制的に循環させ、その空間に面して設置されているリップシールおよび軸受に対し、遠心力をも利用して冷媒ガスに含まれる油ミストを跳ねかけることができる。従って、リップシールおよび軸受に対して必要かつ十分な量の油を給油することができ、リップシールの異常摩耗や軸受の玉、ころ等のフレーキングを確実に防止することができる。
さらに、本発明の圧縮機は、上記の圧縮機において、前記羽根部材は、前記大径部の前記外端面に設置された複数枚の羽根形状プレートとされていることを特徴とする。
本発明によれば、羽根部材が、大径部の外端面に設置された複数枚の羽根形状プレートとされているため、大径部の外端面に設置された複数枚の羽根形状プレートが駆動軸と共に回転される際の吸引作用によって、油を含む低圧冷媒ガスの一部を大径部の内端面側の空間から貫通穴を介して大径部の外端面側の空間に強制的に循環させ、その空間に面して設置されているリップシールおよび軸受に対し、遠心力をも利用して冷媒ガスに含まれる油ミストを跳ねかけることができる。従って、リップシールおよび軸受に対して必要かつ十分な量の油を給油することができ、リップシールの異常摩耗や軸受の玉、ころ等のフレーキングを確実に防止することができる。
さらに、本発明の圧縮機は、上述のいずれかの圧縮機において、前記羽根部材は、その軸方向寸法が、少なくとも前記大径部を支持している前記軸受の外端面よりも外側に突出される寸法とされていることを特徴とする。
本発明によれば、羽根部材の軸方向寸法が、少なくとも大径部を支持している軸受の外端面よりも外側に突出される寸法とされているため、羽根部材が駆動軸と共に回転される際の遠心力で遠心方向に跳ね飛ばされる油ミストが、軸受の内輪によって遮られることがなく、大径部の外端面側の空間に対して十分飛散させることができる。従って、大径部の外端面側空間に面して設置されているリップシールおよび軸受に対し、必要かつ十分な量の油を給油することができ、リップシールの異常摩耗や軸受の玉、ころ等のフレーキングを確実に防止することができる。
本発明によると、ハウジング内の吸入キャンバーに吸い込まれた油を含む低圧冷媒ガスの一部を、駆動軸の大径部の外端面側に設けられ、駆動軸と共に回転する羽根部材の吸引作用により、大径部の内端面側の空間から貫通穴を経て大径部の外端面側の空間、更には軸受隙間へと強制循環させ、その冷媒ガスに含まれる油ミストでリップシールおよび軸受を潤滑することができるため、リップシールおよび軸受への給油量を十分に確保し、摩耗による温度上昇を抑制してリップ先端の異常摩耗を防止することができるとともに、軸受の玉、ころ等のフレーキングを防止することができ、リップシールおよび軸受の寿命を延長することができる。また、圧縮機の停止時、羽根部材が抵抗となることによる逆転の防止または低減効果、あるいはハウジング内が負圧になることによるリップシール部からの空気の吸込み防止効果等をも期待することができる。更に、駆動軸の大径部に貫通穴を設けるとともに、その外端面に羽根部材を取付けるだけでよく、加工、組み立てを容易化することができる。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機の縦断面図(A)と、その循環用部材の正面および断面図(B)である。 本発明の第2実施形態に係る圧縮機の縦断面図(A)と、その循環用部材の正面および断面図(B)である。 本発明の第3実施形態に係る圧縮機の縦断面図(A)と、その循環用部材の正面、平面および側面図(B)である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る圧縮機の縦断面図(A)と、その循環用部材の正面および断面図(B)が示されている。なお、ここでは、スクロール圧縮機に適用した例について説明するが、本発明は、スクロール圧縮機に限定されるものではない。
スクロール圧縮機(圧縮機)1は、外殻を構成するダイカスト製のハウジング2を備えている。ハウジング2は、圧縮機構の収容空間を形成する一端側が開口されている有底円筒カップ形状をなすリアハウジング3と、軸受を設置する軸受収容部5,6を有し、リアハウジング3の開口部に嵌合装着されるフロントハウジング4とを複数本のボルト(図示省略)を介して一体に結合した構成とされている。
ハウジング2内には、一対の固定スクロール8および旋回スクロール9から構成されるスクロール圧縮機構(圧縮機構)7が内蔵されている。スクロール圧縮機構7は、公知の如く、端板の一面に渦巻き状ラップが立設された一対の固定スクロール8および旋回スクロール9をその中心を旋回半径分だけ離し、渦巻き状ラップの位相を180度ずらして噛み合わせることにより、スクロール中心を点対称にして一対の圧縮室10を形成したものである。固定スクロール8は、リアハウジング3の内面に複数本のボルト11を介して固定設置されている。一方、旋回スクロール9は、フロントハウジング4のスラスト軸受部12に端板の背面が支持され、後述する駆動機構および自転防止機構を介して固定スクロール8の周りに公転旋回駆動されるように設置されている。
ハウジング2の内部は、固定スクロール8および旋回スクロール9の周囲を取り囲む吸入チャンバー13側と、固定スクロール8の端板背面に形成される吐出チャンバー14側とに、シール部材15によって区画されている。吸入チャンバー13側には、リアハウジング3に設けられている吸入ポート16が開口され、吐出チャンバー14側には、固定スクロール8の端板に設けられている吐出ポート17が開口されており、スクロール圧縮機構7の駆動により吸入チャンバー13内の冷媒ガスを圧縮室10内に吸い込み、それを圧縮して高圧ガスとした後、吐出ポート17より吐出弁18を介して吐出チャンバー14内に吐き出す構成とされている。吐出チャンバー14内に吐き出された高圧ガスは、図示省略の吐出配管を介して外部に送出されるようになっている。
フロントハウジング4の軸受収容部5,6には、メイン軸受(軸受)19およびサブ軸受20が収容設置され、両軸受19,20によりクランク軸(駆動軸)21がその軸線L周りに回転自在に支持されている。クランク軸21の一端は、フロントハウジング4の軸穴22を貫通して外部に突出されており、その突出端には、電磁クラッチ付きプーリ23が結合され、その電磁クラッチのON/OFFによって外部駆動源からの動力が入力可能とされている。また、クランク軸21の他端側には、メイン軸受19によって支持される大径部24と、旋回スクロール9の旋回半径相当分だけ偏心されたクランクピン25が設けられている。
クランクピン25には、バランスウェイト26が一体に設けられているドライブブッシュ27がクランクピン25周りに揺動可能に嵌合され、更に、このドライブブッシュ27の外周に旋回軸受28を介して旋回スクロール12の端板背面に設けられている旋回ボス29が嵌合されている。これによって、旋回スクロール9の旋回半径を可変とする従動クランク機構が構成され、クランク軸21を介して旋回スクロール9が特定の半径で旋回駆動されるようになっている。
また、旋回スクロール9の端板背面と、フロントハウジング4のスラスト軸受部12との間には、旋回スクロール9の端板背面およびスラスト軸受部12の軸受面に設けられたキー溝に嵌合されたオルダムリングからなる自転阻止機構30が設けられ、旋回スクロール9の自転を阻止している。また、メイン軸受19とサブ軸受20との間には、ハウジング2の内部側と外気側とを軸封するためのリップシール31が設置されている。このリップシール31は、軸受収容部5,6間に設けられているリップシール収容部32に外部側から圧入され、スナップリング等で固定されており、そのリップ先端がクランク軸21の外周に圧接され、ハウジング2の内部側と外気側とをシールしている。
ハウジング2内の吸入チャンバー13側の空間に設置されている旋回スクロール9、メイン軸受19、駆動軸21、ドライブブッシュ27、旋回軸受28、自転阻止機構30およびリップシール31等の各部品およびその摺動部は、吸入チャンバー13内に吸い込まれる冷媒ガス中に含まれる油ミストにより潤滑されるようになっている。しかし、リップシール31の設置部位は、メイン軸受19および駆動軸21の大径部24によって遮られており、メイン軸受19の軸受隙間を経て冷媒ガスが廻るだけのため、リップシール31およびメイン軸受19の外面側に十分給油することができなかった。
そこで、本実施形態では、駆動軸21の大径部24に、複数の貫通穴33を設けるとともに、該大径部24の外端面側に、貫通穴33を介して内端面側の空間(吸入チャンバー13)から油を含む冷媒ガスの一部を吸引して強制循環させる羽根部材34を設けた構成としている。この羽根部材34は、複数本のボルト35を介して大径部24の外端面に締め付け固定されるものであり、図1(B)に示されるように、貫通穴33と連通する複数の連通穴36が設けられるとともに、外周部に凹曲面状に欠損されている複数の括れ部37が設けられ、括れ部37が設けられている以外の外周部の外面側にメイン軸受19の内輪に係合する鍔部38が設けられた円板39によって構成されている。
この円板39の厚さ、すなわち軸方向の厚さ寸法は、鍔部38の厚さ寸法に相当する分だけ、メイン軸受19の外面より外側に突出されるように設定されており、この部分で油ミストを遠心力で接線方向に跳ねかけられるように構成されている。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
圧縮機1は、外部の駆動源から動力の供給を受け、駆動軸21が回転されることによって作動される。駆動軸21が回転されると、スクロール圧縮機構7の旋回スクロール9が固定スクロール8の周りに公転旋回駆動され、一対の圧縮室10が外周側から中心側に向って容積を減少しつつ移動される。これによって、吸入チャンバー13から圧縮室10内に吸い込まれた低圧の冷媒ガスが圧縮され、高温高圧ガスとなって吐出ポート17より吐出チャンバー14内に吐出された後、吐出配管を介して圧縮機外部へと送り出される。
この間、吸入ポート16からハウジング2の吸入チャンバー13内に吸入された油ミストを含む冷媒ガスは、吸入チャンバー13内を適宜流動し、その際、油ミストが内部の駆動部分、摺動部分に接触、付着することにより、それらの部分を潤滑する。一方、この冷媒ガスは、リップシール31によって大気側への漏洩が阻止される。つまり、駆動軸21がハウジング2を貫通する部位に組み込まれているリップシール31は、そのリップ先端が駆動軸21の外周に圧接されることにより駆動軸21の周りを軸封し、駆動軸21の貫通部位が大気から完全に軸封する。
このリップシール31側には、メイン軸受19および駆動軸21の大径部24が壁となるため、冷媒ガスが流動し難いが、本実施形態では、大径部24に複数の貫通穴33を設けるとともに、大径部24の外端面側に羽根部材34である円板39を設けており、この円板39が駆動軸21と共に回転する際の吸引作用によって、吸入キャンバー13内を流動している油を含む冷媒ガスの一部を、大径部24の内端面側空間から貫通穴33、この貫通穴33と連通する連通穴36を介して大径部24の外端面側の空間、更にはメイン軸受19の軸受隙間へと強制的に循環させることができ、その冷媒ガスに含まれる油ミストでリップシール31およびメイン軸受19を潤滑することができる。
このため、リップシール31およびメイン軸受19への給油量を十分に確保し、摩耗による温度上昇を抑制してリップ先端の異常摩耗を防止することができるとともに、軸受の玉、ころ等のフレーキングを防止することができ、リップシール31およびメイン軸受19の寿命を延長することができる。また、圧縮機1の停止時、羽根部材34である円板39が抵抗となることによる逆転の防止または低減効果、あるいはハウジング2内が負圧になることによるリップシール31部からの空気の吸込み防止効果等をも期待することができる。更に、駆動軸21の大径部24に貫通穴33を設けるとともに、その外端面に羽根部材である円板39を取付けるだけでよく、加工、組み立てを容易化することができる。
また、羽根部材34である円板39の軸方向寸法、すなわち厚さ寸法が、少なくとも大径部24を支持しているメイン軸受19の外端面よりも外側に突出される寸法とされているため、羽根部材34である円板39が駆動軸21と共に回転される際の遠心力で遠心方向に跳ね飛ばされる油ミストが、メイン軸受19の内輪により遮られることがなく、大径部24の外端面側の空間に対して十分飛散させることができる。従って、大径部24の外端面側空間に面して設置されているリップシール31およびメイン軸受19に対し、必要かつ十分な量の油を給油することができ、リップシール31の異常摩耗やメイン軸受19の玉、ころ等のフレーキングを確実に防止することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、羽根部材34である円板43の構成が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図2(B)に示されるように、駆動軸21の大径部24の外端面に設置される羽根部材34を、貫通穴33と連通する複数の連通穴40を有するとともに、外表面側に羽根形状41を形成する複数条の底面が傾斜した凹溝42が設けられた円板43により構成している。なお、この円板43の厚さ、すなわち軸方向の厚さ寸法も、メイン軸受19の外面より外側に突出されるように設定されている。
羽根部材34を、上記の如く、貫通穴と連通する連通穴40を備え、外表面側に羽根形状41を形成する複数条の底面が傾斜した凹溝42が設けられた円板43により構成することによっても、外表面側に羽根形状41を形成する複数条の底面が傾斜した凹溝42が設けられている円板43が駆動軸21と共に回転される際の吸引作用によって、油を含む低圧冷媒ガスの一部を大径部24の内端面側の空間から貫通穴33およびその穴33に連通する連通穴40を介して大径部24の外端面側の空間に強制的に循環させ、その空間に面して設置されているリップシール31およびメイン軸受19に対し、遠心力をも利用して冷媒ガスに含まれる油ミストを跳ねかけることができる。
従って、本実施形態によっても、リップシール31およびメイン軸受19に対して必要かつ十分な量の油を給油することができ、リップシール31の異常摩耗やメイン軸受19の玉、ころ等のフレーキングを確実に防止することができる等、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1および第2実施形態に対して、羽根部材34である羽根形状プレート46の構成が異なっている。その他の点については、第1および第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図3(B)に示されるように、駆動軸21の大径部24の外端面に設置される羽根部材34を、取り付けフランジ44と羽根45とを有するL字形状に折り曲げた薄板製の羽根形状プレート46により構成し、該羽根形状プレート46を大径部24の外端面にビス等を介して複数枚設置した構成としている。なお、この羽根形状プレート46の高さ、すなわち軸方向の高さ寸法も、メイン軸受19の外面より外側に突出されるように設定されている。
このように、駆動軸21の大径部24の外端面に、複数枚の羽根形状プレート46を設置した構成とすることによっても、複数枚の羽根形状プレート46が駆動軸21と共に回転される際の吸引作用によって、油を含む低圧冷媒ガスの一部を大径部24の内端面側の空間から貫通穴33を介して大径部24の外端面側の空間に強制的に循環させ、その空間に面して設置されているリップシール31およびメイン軸受19に対し、遠心力をも利用して冷媒ガスに含まれる油ミストを跳ねかけることができる。従って、リップシール31およびメイン軸受19に対して必要かつ十分な量の油を給油することができ、リップシール31の異常摩耗やメイン軸受19の玉、ころ等のフレーキングを確実に防止することができる等、第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、スクロール圧縮機1に適用した例について説明したが、他形式の圧縮機にも適用できることは云うまでもない。また、羽根部材34についても、円板39,43および羽根形状プレート46で構成した実施形態として説明したが、冷媒ガスを吸引する羽根部材であれば、他の構成としてもよい。
1 スクロール圧縮機(圧縮機)
2 ハウジング
7 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
19 メイン軸受(軸受)
21 駆動軸
24 大径部
31 リップシール
33 貫通穴
34 羽根部材
36 連通穴
37 括れ部
39 円板
40 連通穴
41 羽根形状
42 凹溝
43 円板
46 羽根形状プレート

Claims (3)

  1. ハウジング内に圧縮機構が内蔵され、該圧縮機構を駆動する駆動軸が前記ハウジングに軸受を介して回転自在に支持されるとともに、前記駆動軸の一端が前記ハウジングを貫通して外部に突出され、そのハウジングを貫通する部位に該ハウジングの内外を軸封するリップシールが設けられている圧縮機において、
    前記駆動軸の内端側には、前記軸受を介して支持される大径部が設けられ、その大径部に軸方向に貫通する少なくとも1以上の貫通穴が設けられるとともに、
    前記大径部の前記リップシールと対向する外端面側に、前記貫通穴を介して内端面側の空間から油を含む冷媒ガスを吸引して強制的に循環させる羽根部材が設けられ、
    前記羽根部材は、前記貫通穴と連通する連通穴を備え、外周部に凹曲面状に欠損されている複数の括れ部が設けられている円板とされていることを特徴とする圧縮機。
  2. ハウジング内に圧縮機構が内蔵され、該圧縮機構を駆動する駆動軸が前記ハウジングに軸受を介して回転自在に支持されるとともに、前記駆動軸の一端が前記ハウジングを貫通して外部に突出され、そのハウジングを貫通する部位に該ハウジングの内外を軸封するリップシールが設けられている圧縮機において、
    前記駆動軸の内端側には、前記軸受を介して支持される大径部が設けられ、その大径部に軸方向に貫通する少なくとも1以上の貫通穴が設けられるとともに、
    前記大径部の前記リップシールと対向する外端面側に、前記貫通穴を介して内端面側の空間から油を含む冷媒ガスを吸引して強制的に循環させる羽根部材が設けられ、
    前記羽根部材は、前記貫通穴と連通する連通穴を備え、外表面側に羽根形状を形成する複数条の底面が傾斜した凹溝が設けられている円板とされていることを特徴とする圧縮機。
  3. 前記羽根部材は、その軸方向寸法が、少なくとも前記大径部を支持している前記軸受の外端面よりも外側に突出される寸法とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮機。
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