JP7325975B2 - 開放型圧縮機 - Google Patents
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Description
また、冷媒を回収することなく大気混入防止用のシールを交換することができる開放型圧縮機を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の一態様に係る開放型圧縮機は、ハウジングの内部にて回転自在に支持され、一端側がハウジングの外部に突出している駆動軸と、前記ハウジングの内部、かつ、前記駆動軸の他端側に設けられ、該駆動軸によって駆動されるとともに流体を圧縮する圧縮部と、前記ハウジングの内部に配置され、前記駆動軸の外周面に接触するとともに先端が前記圧縮部側に向いている、該駆動軸に沿った流体の漏出を防止する第1シール部材と、前記ハウジングの内部、かつ、前記駆動軸の軸線方向において前記第1シール部材と離間した位置に配置され、前記駆動軸の外周面に接触するとともに先端が前記ハウジングの外部側に向いている、該駆動軸に沿った流体の漏出を防止する第2シール部材とを備え、前記第1シール部材と前記第2シール部材とは、それぞれ独立して取外し可能に前記ハウジングに対して取り付けられている。
また、第1シール部材と第2シール部材とは、それぞれ独立して取外し可能にハウジングに対して取り付けられている。これによれば、開放型圧縮機から冷媒を回収することなく大気側に配置されている他のシール部材を交換することができる。これは、他のシール部材の交換時であっても、上述したように他のシール部材と独立した一のシール部材が圧縮部側に取り付けられていることによって冷媒がハウジング内部から漏出しないことによる。
さらに、大気側に配置されている他のシール部材にダストシールの役割を兼ねさせることで、ハウジングの外部(大気側)から内部へダストが入り込む現象が抑制され、圧縮部側に配置された一のシール部材の摩耗を抑制することができる。
また、第2シール部材よりも駆動軸の一端側に配置されるとともに第2シール部材の端面に接触あるいは近接する第2押さえ部材を備えている。これによって、第2シール部材の軸線方向の位置を1つの部材によって規制することができる。このため、例えば、第2シール部材の位置を規制するために取り付ける部品の点数の削減や、第2シール部材の位置を規制する部分をハウジングに形成するための工数を削減できる。
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図3を参照しながら説明する。
図1に示す開放型圧縮機1は、例えば、自動車のエンジンルーム内に設置され、エンジンからの動力によって駆動されるスクロール圧縮機である。
開放型圧縮機1は、例えば、冷蔵・冷凍輸送車に採用されて好適であるが、これに限らず、カーエアコン、居住空間空調、店舗等における冷蔵・冷凍システム、ヒートポンプ式給湯システム等にも広く適用することができる。
ハウジング2は、本体をなすハウジング本体2Aと、ハウジング本体2Aの一端に設けられた開口部を、気密状態を保持するために閉塞するようにボルト等で固定されるフロントケース2Bとから構成されている。ハウジング本体2Aの図示しない他端は閉塞されている。
ハウジング2の外周面には、圧縮される前の冷媒ガスが吸入される吸入ポート3と、スクロール圧縮機構4によって圧縮された冷媒ガスが吐出される吐出ポート(非図示)とが設けられている。
メイン軸受6としては、例えば、単列深溝玉軸受が用いられている。メイン軸受6は、フロントケース2Bの内部に圧入されている。
サブ軸受7としては、例えば、ニードル軸受が用いられている。サブ軸受7は、後述する軸穴8の内部に圧入されている。
なお、駆動軸5の軸線X1の方向と軸穴8の軸線方向とは一致している。
この構成によって、電磁コイル14が励磁されると、アマチュア板13がプーリ12側に引き付けられる。そうすると、アマチュア板13とプーリ12の外端面とが摩擦係合して、プーリ12の回転がアマチュア板13を介して駆動軸5に伝達され駆動軸5が回転される。
クランクピン5aは、ドライブブッシュ16及びドライブ軸受17を介してスクロール圧縮機構4が有する旋回スクロール18の背面に形成されたボス18aに嵌合されている。
このため、吸入ポート3からハウジング2の内部空間S1に吸入された冷媒ガスがスクロール圧縮機構4に吸入・圧縮されて吐出ポートから吐出され、図示しない凝縮器等に供給される。
なお、軸線X1を回転軸線としたクランクピン5aの回転運動によって生じる振動を抑制するために、ドライブブッシュ16には、バランスウェイト20が取り付けられている。
これによって、開放型圧縮機1の作動時には、潤滑油を含んだ冷媒ガスが内部空間S1からシール空間S2に流れ、サブ軸受7とシール機構30とが潤滑される。
このとき、第1シール部材31及び第2シール部材32は、それぞれ独立して軸穴8に嵌合されている。
第2シール部材32は、特に、ハウジング2の外部にある空気が、ハウジング2の外部から内部に入り込むことを抑制する大気混入防止用のシール部材である。
さらに、シールリップL21は、ダストシールの役割を兼ねるので、ハウジング2の外部から内部へのダストの進入が抑制される。これによって、第1シール部材31の摩耗を抑制することができる。
第1押さえ部材40は、対向し合う第1シール部材31と第2シール部材32との端面に接触あるいは近接するように配置されている。
第2押さえ部材50は、第2シール部材32の端面(第1シール部材31と反対側の端面)に接触あるいは近接するように配置されている。
凸部64は、例えば、軸線X1周りに環状とされている。このとき、凸部64は、軸線X1周りを連続して1周する完全な環状でなくてもよく、たとえば、軸線X1周りに断続的に形成されてもよい。また、第1環状部材41や第2環状部材51のように、対応した環状溝がフロントケース2Bに形成された環状部材(例えば、スナップリング)に代えることもできる。また、凸部64を省略することもできる。
また、上述の第1押さえ部材40及び第2押さえ部材50によって、第2シール部材32の軸線X1の方向に沿った位置が規制される。
駆動軸5に沿った流体の漏出を防止する第1シール部材31及び第2シール部材32を備えている。これによって、仮に第1シール部材31の摩耗が進行した場合であっても、大気側に配置されている第2シール部材32によって、ハウジング2内部にて発生し得る負圧への耐性を確保することができる。
以下、本発明の第2実施形態について、図4及び図5を参照しながら説明する。
なお、本実施形態は、第1実施形態に対して、第1押さえ部材40及び凸部64の形態が異なり、その他の点について同様である。したがって、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、その他は同一の符号を用いてその説明を省略する。
第1押さえ部材40を、フロントケース2Bと一体に形成された凸状押さえ部42としている。これによって、第1押さえ部材40としてフロントケース2Bと別体の部材を容易する必要がないので部品点数の削減をすることができる。
2 ハウジング
2A ハウジング本体
2B フロントケース
4 スクロール圧縮機構(圧縮部)
5 駆動軸
30 シール機構
31 第1シール部材
32 第2シール部材
40 第1押さえ部材
41 第1環状部材
42 凸状押さえ部
50 第2押さえ部材
51 第2環状部材
61 第1環状溝
62 第2環状溝
64 凸部
L11 シールリップ
L12 シールリップ
L21 シールリップ
S1 内部空間
S2 シール空間
Claims (8)
- ハウジングの内部にて回転自在に支持され、一端側が前記ハウジングの外部に突出している駆動軸と、
前記ハウジングの内部、かつ、前記駆動軸の他端側に設けられ、該駆動軸によって駆動されるとともに流体を圧縮する圧縮部と、
前記駆動軸を回転自在に支持する軸受よりも大気圧側に設けられ、前記ハウジングの内部に配置され、前記駆動軸の外周面に接触するとともに先端が前記圧縮部側に向いている、該駆動軸に沿った流体の漏出を防止する第1シール部材と、
前記軸受よりも大気圧側に設けられ、前記ハウジングの内部、かつ、前記駆動軸の軸線方向において前記第1シール部材と離間した位置に配置され、前記駆動軸の外周面に接触するとともに先端が前記ハウジングの外部側に向いている、該駆動軸に沿った流体の漏出を防止する第2シール部材と、
を備え、
前記第1シール部材と前記第2シール部材とは、それぞれ独立して取外し可能に前記ハウジングに対して取り付けられている開放型圧縮機。 - 前記第1シール部材と前記第2シール部材との間に配置されるとともに、前記軸線方向において対向し合う前記第1シール部材及び前記第2シール部材の各端面に接触あるいは近接する第1押さえ部材を備えている請求項1に記載の開放型圧縮機。
- 前記第1押さえ部材は、外周側面が前記ハウジングに対して嵌め合わされている環状部材とされた第1環状部材である請求項2に記載の開放型圧縮機。
- 前記第1環状部材は、スナップリングとされている請求項3に記載の開放型圧縮機。
- 前記第1押さえ部材は、前記ハウジングと一体に形成されている請求項2に記載の開放型圧縮機。
- 前記第2シール部材は、前記軸線方向において前記第1シール部材よりも前記駆動軸の前記一端側に配置され、
前記第2シール部材よりも前記駆動軸の前記一端側に配置されるとともに前記第2シール部材の端面に接触あるいは近接する第2押さえ部材を備えている請求項2から5のいずれかに記載の開放型圧縮機。 - 前記第2押さえ部材は、外周側面が前記ハウジングに対して嵌め合わされている環状部材とされた第2環状部材である請求項6に記載の開放型圧縮機。
- 前記第2環状部材は、スナップリングとされている請求項7に記載の開放型圧縮機。
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