JP2002257057A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JP2002257057A
JP2002257057A JP2001054987A JP2001054987A JP2002257057A JP 2002257057 A JP2002257057 A JP 2002257057A JP 2001054987 A JP2001054987 A JP 2001054987A JP 2001054987 A JP2001054987 A JP 2001054987A JP 2002257057 A JP2002257057 A JP 2002257057A
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drive shaft
casing
ring
scroll
inner ring
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JP2001054987A
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Susumu Sakamoto
晋 坂本
Katsushi Hidano
克史 肥田野
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシング、駆動軸にクリープによる摩耗、
焼付きが生じるのを防止して騒音や損傷を抑え、信頼
性、寿命を向上する。 【解決手段】 反負荷側玉軸受25は、外輪25Aをモ
ータケース2の軸受取付部2Eにしまりばめで取付け、
内輪25Bを駆動軸20の小径部20BにすきまGをも
ってすきまばめで取付けると共に、小径部20Bの外周
側には、内輪25Bに弾性的に当接するOリング26を
設ける構成としている。従って、駆動軸20を回転駆動
したときには、Oリング26は、駆動軸20と内輪25
Bとを一体的に回転させることができ、また駆動軸20
と内輪25Bとが接触するのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧縮機、真空
ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール式流体機械は、筒状
をなすケーシングと、該ケーシングに設けられた固定ス
クロールと、該固定スクロールと対向して前記ケーシン
グ内に旋回可能に設けられ、該固定スクロールとの間に
複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシ
ング内を軸方向に延び、先端側がクランクとなって該旋
回スクロールに連結された駆動軸と、該駆動軸を前記ケ
ーシングに回転可能に支持する転がり軸受とを備えたも
のが知られている。
【0003】ここで、転がり軸受は、ケーシング側に取
付けられる外輪と、駆動軸側に取付けられる内輪と、該
内輪と外輪との間に設けられた複数個の転動体とによっ
て構成されている。また、転がり軸受としては、転動体
として玉(鋼球)を用いた玉軸受、ころ(ローラ)を用
いたころ軸受等がある。
【0004】そして、転がり軸受を取付ける場合には、
内輪、外輪のうちいずれか一方を相手方部材に対して
「しまりばめ」とし、他方を相手方部材に対して「すき
まばめ」とする。これにより、ケーシング、駆動軸等の
加工公差、組立公差を許容し、無理のない組立を行なう
ことができる。
【0005】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械は、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロール
を固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回
運動させることにより、吸込口から吸込んだ空気等の流
体を固定スクロールと旋回スクロールとの間に画成され
る圧縮室内で順次圧縮し、吐出口からこの圧縮流体を外
部に向けて吐出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械では、外輪とケーシ
ングとの間または内輪と駆動軸との間にすきまを形成
し、このすきまによってケーシング、駆動軸の加工公
差、組立公差を許容している。
【0007】しかし、外輪とケーシングとの間または内
輪と駆動軸との間にすきまが形成されていると、外輪が
接するケーシングの表面または内輪が接する駆動軸の表
面にクリープが発生し、摩耗や焼付きを生じてしまう。
これにより、駆動軸の回転にがたつきが生じて騒音を発
生したり、ケーシング、駆動軸が損傷するという問題が
ある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、ケーシング、駆動軸に
クリープによる摩耗、焼付きが生じるのを防止して騒音
や損傷を抑え、信頼性、寿命を向上することができるよ
うにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるスクロール
式流体機械は、ケーシングと、該ケーシングに設けられ
た固定スクロールと、該固定スクロールと対向して前記
ケーシング内に旋回可能に設けられ、該固定スクロール
との間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前
記ケーシング内を軸方向に延び、先端側がクランクとな
って該旋回スクロールに連結された駆動軸と、該駆動軸
を前記ケーシングに回転可能に支持する転がり軸受とか
らなる。
【0010】そして、上述した課題を解決するために、
請求項1の発明が採用する構成の特徴は、転がり軸受
は、ケーシングにしまりばめで取付けられる外輪と、駆
動軸にすきまばめまたは中間ばめで取付けられる内輪
と、該内輪と外輪との間に設けられた複数個の転動体と
によって構成し、駆動軸と転がり軸受の内輪との間には
該駆動軸と内輪に弾性的に当接して回転を伝達する弾性
リングを設けたことにある。
【0011】このように構成したことにより、例えば外
輪を圧入等の手段によってケーシングにしまりばめし、
内輪に駆動軸を挿入する。このときに弾性リングは、駆
動軸と内輪との間で弾性変形し、ケーシング、駆動軸の
加工公差、組立公差による位置ずれを許容する。また、
弾性リングは、駆動軸と内輪とに弾性的に当接すること
により、すべらせることなく回転させる。
【0012】請求項2の発明によると、転がり軸受は、
旋回スクロールに接近した位置に配置された負荷側転が
り軸受と、旋回スクロールから離間した位置に配置され
た反負荷側転がり軸受とを備え、弾性リングは前記反負
荷側転がり軸受と駆動軸との間に設けたことにある。
【0013】このように構成したことにより、負荷側転
がり軸受は、圧縮運転を行なう旋回スクロールから駆動
軸を介して大きな荷重が作用する。これに比較し、反負
荷側転がり軸受は、運転時に小さな荷重が作用するだけ
であるから、弾性リングによる弾性力だけで駆動軸を回
転中心位置に支持することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を
例に挙げ、図1および図2に従って詳細に説明する。
【0015】1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成
するケーシングで、該ケーシング1は、軸線が水平状態
となるように横置きに配置されている。そして、ケーシ
ング1は、後述のモータケース2、油槽4およびスラス
ト受7によって構成され、モータケース2内には後述の
電動モータ17が内蔵されている。
【0016】2はケーシング1のモータケースで、該モ
ータケース2は、前,後方向(水平方向)に延びる略円
筒状の筒部2Aと、該筒部2Aの前側に取付けられた前
蓋部2Bと、前記筒部2Aの後側にボルト・ナット(図
示せず)等を用いて着脱可能に取付けられた後蓋部2C
とによって大略構成されている。また、前蓋部2Bに
は、後述する負荷側玉軸受24の外輪24Aが取付けら
れる短尺な筒状の軸受取付部2Dが設けられ、後蓋部2
Cには、後述する反負荷側玉軸受25の外輪25Aが取
付けられる短尺な有蓋筒状の軸受取付部2Eが設けられ
ている。また、軸受取付部2Dの前端部には、後述する
駆動軸20との間を液密にシールするシールリング3が
嵌着されている。
【0017】4はモータケース2の下部側に位置してケ
ーシング1に設けられた油槽で、該油槽4は、箱型状の
容器として形成され、内部には油液が溜められている。
また、油槽4の底板部4Aには、前,後方向に伸びて内
向きに突出する複数枚の冷却フィン5と、前,後方向に
伸びて外向きに突出する複数枚の放熱フィン6(いずれ
も1枚のみ図示)とが設けられている。
【0018】7はケーシング1を構成し、モータケース
2の前側に設けられた環状のスラスト受で、該スラスト
受7は、モータケース2、油槽4の前側に一体的に設け
られている。そして、スラスト受7の内周側には、前側
に向けて環状凹部7Aが形成され、該環状凹部7A内に
は、後述する旋回スクロール9の鏡板9Aが配設されて
いる。そして、スラスト受7の環状凹部7Aには、前記
鏡板9Aと摺接する環状の摺接面7Bが形成され、該摺
接面7Bは、旋回スクロール9に作用するスラスト荷重
を鏡板9Aとの間で受承する構成となっている。
【0019】8はケーシング1のスラスト受7の前側に
設けられた固定スクロールで、該固定スクロール8は、
略円板状に形成され中心が後述する駆動軸20の軸線と
一致するように配設された鏡板8Aと、該鏡板8Aの表
面に立設された渦巻状のラップ部8Bと、前記鏡板8A
の外周側から該ラップ部8Bを取囲むように軸方向に突
出した筒部8Cと、該筒部8Cの外周側から径方向外側
に突出し、スラスト受7に衝合して取付けられたフラン
ジ部8Dとによって構成されている。また、固定スクロ
ール8の鏡板8Aの背面側には、前側に突出して上,下
方向に延びる複数枚の放熱フィン8E(1枚のみ図示)
が設けられている。
【0020】9は固定スクロール8と対向してケーシン
グ1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋
回スクロール9は、円板状に形成された鏡板9Aと、該
鏡板9Aの表面側から軸方向に立設された渦巻状のラッ
プ部9Bとによって大略構成されている。また、旋回ス
クロール9の鏡板9Aには、その背面側の中央にボス部
9Cが突設され、該ボス部9Cには後述する駆動軸20
のクランク20Cが回転可能に取付けられている。そし
て、鏡板9Aは、その前面側が固定スクロール8のフラ
ンジ部8Dに摺接すると共に、背面側(裏面側)はスラ
スト受7に摺接する摺接面9Dとなっている。
【0021】そして、旋回スクロール9は、固定スクロ
ール8のラップ部8Bに対し例えば180度だけずらし
て重なり合うように配設され、両者のラップ部8B,9
B間には、複数の圧縮室10,10,…が画成される。
そして、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定ス
クロール8の外周側に設けた吸込口(図示せず)から外
周側の圧縮室10内に空気を吸込みつつ、この空気を旋
回スクロール9が旋回運動する間に各圧縮室10内で順
次圧縮し、最後に中心側の圧縮室10から固定スクロー
ル8の中心に設けた吐出口11を介して外部に圧縮空気
を吐出する。
【0022】12は油槽4内の油液を冷却、潤滑を必要
とする部位、例えばスラスト受7の摺接面7B、後述の
旋回軸受21等に供給する油液供給装置で、該油液供給
装置12は、後述の吸込通路13、給油ポンプ15およ
び吐出通路16によって大略構成されている。
【0023】13はスラスト受7に設けられた吸込通路
で、該吸込通路13は、一端側が油槽4内の油液中に開
口し、他端側は給油ポンプ15内に連通している。ま
た、吸込通路13の途中には、油液中に混入した摩耗
粉、破片等の異物を捕らえるストレーナ14が設けられ
ている。
【0024】15はスラスト受7と旋回スクロール9と
の間に設けられた給油ポンプで、該給油ポンプ15は、
例えば本出願人が先に出願した特開2000−2490
87号公報に記載された給油ポンプとほぼ同様に構成さ
れ、旋回スクロール9と一体に動くことにより油槽4内
の油液を吸込通路13から吸込みつつ後述の吐出通路1
6に向けて吐出するものである。
【0025】16は旋回スクロール9の鏡板9A内部に
径方向に設けられた吐出通路で、該吐出通路16は、そ
の一端側が給油ポンプ15内に連通し、他端側はスラス
ト受7の摺接面7Bと旋回スクロール9の摺接面9Dと
の間に開口している。また、吐出通路16の長さ方向中
間部は旋回スクロール9のボス部9C内に開口してい
る。
【0026】17はケーシング1のモータケース2内に
設けられた電動モータで、該電動モータ17は、モータ
ケース2の筒部2A内周側に固定して設けられた固定子
18と、該固定子18の内周側に回転可能に配置された
回転子19と、後述の駆動軸20とによって構成され、
前記回転子19は駆動軸20の外周側に固定して取付け
られている。そして、電動モータ17は、外部からの給
電によって回転子19が固定子18に対して回転するこ
とにより、駆動軸20を駆動するものである。
【0027】20は電動モータ17の一部を構成する駆
動軸で、該駆動軸20は、ケーシング1内を軸方向
(前,後方向)に延びて設けられ、その外周側には回転
子19が固定して取付けられている。また、駆動軸20
は、モータケース2の軸受取付部2Dに対応する先端側
が大径部20Aとなり、ケーシング1の軸受取付部2E
に対応する基端側が小径部20Bとなっている。また、
大径部20Aには、先端側に突出してクランク20Cが
設けられ、該クランク20Cは、その軸線が駆動軸20
の軸線に対して一定寸法だけ偏心している。さらに、小
径部20Bの外周側には、図2に示す如く、全周に亘っ
てリング装着溝20Dが設けられ、該リング装着溝20
Dには、後述のOリング26が装着される。
【0028】そして、駆動軸20は、後述する玉軸受2
4,25を介してモータケース2内に回転可能に支持さ
れ、クランク20Cは旋回軸受21を介して旋回スクロ
ール9のボス部9Cに回転可能に連結されている。これ
により、駆動軸20を回転されることにより、旋回スク
ロール9を旋回駆動することができる。
【0029】22は駆動軸20のクランク20C外周側
に設けられたバランスウエイトで、該バランスウエイト
22は旋回スクロール9に対して駆動軸20の回転バラ
ンスをとるものである。
【0030】また、23は駆動軸20のクランク20C
とバランスウエイト22に亘って設けられた戻し通路
で、該戻し通路23は、給油ポンプ15から旋回スクロ
ール9のボス部9C内に吐出された油液の一部をケーシ
ング1内に吐出し、油槽4内に戻すものである。
【0031】24はモータケース2の軸受取付部2Dと
駆動軸20の大径部20Aとの間に設けられた負荷側転
がり軸受としての負荷側玉軸受で、該玉軸受24は、旋
回スクロール9に接近した前側位置でモータケース2に
対し駆動軸20を回転可能に支持している。また、玉軸
受24は、軸受取付部2Dの内周側に取付けられる外輪
24Aと、大径部20Aの外周側に取付けられる内輪2
4Bと、外輪24Aと内輪24Bとの間に設けられた複
数個の転動体としての鋼球24C,24C(2個のみ図
示)とによって構成されている。ここで、負荷側玉軸受
24は、運転時に旋回スクロール9から作用する荷重を
受承するもので、大きな外径寸法を有している。
【0032】25はモータケース2の軸受取付部2Eと
駆動軸20の小径部20Bとの間に設けられた反負荷側
転がり軸受としての反負荷側玉軸受で、該玉軸受25
は、旋回スクロール9から離間した後側位置でモータケ
ース2に対し駆動軸20を回転可能に支持している。ま
た、反負荷側玉軸受25は、負荷側玉軸受24とは異な
り、運転時に旋回スクロール9からの荷重がほとんど作
用しないため、小さな外径寸法に形成されている。
【0033】ここで、反負荷側玉軸受25は、外輪25
A、内輪25Bおよび外輪25Aと内輪25Bとの間に
設けられた複数個の転動体としての鋼球25C,25C
(2個のみ図示)によって構成されている。また、外輪
25Aは、その外径寸法が軸受取付部2Eの内径寸法よ
りも締め代分だけ僅かに大きく形成されている。一方、
内輪25Bは、図2に示す如く、その内径寸法が小径部
20Bの外径寸法よりもすきまGだけ大きく形成されて
いる。
【0034】そして、反負荷側玉軸受25は、外輪25
Aがモータケース2の軸受取付部2E内に圧入、焼ばめ
等の手段により「しまりばめ」されている。また、内輪
25Bは、駆動軸20の小径部20BにすきまGをもっ
て「すきまばめ」され、これにより、反負荷側玉軸受2
5は、ケーシング1、駆動軸20等の加工公差、組立公
差を許容し、無理のない組立を行なうことができる。
【0035】26は駆動軸20の小径部20Bと反負荷
側玉軸受25の内輪25Bとの間に設けられた弾性リン
グとしてのOリングで、該Oリング26は、弾性を有す
るゴム材料等を用いて断面円形状の環状体として形成さ
れている。また、Oリング26は、小径部20Bに形成
されたリング装着溝20Dに装着され、このときの外径
寸法は内輪25Bの内径寸法よりも大きく形成されてい
る。
【0036】そして、Oリング26は、駆動軸20の小
径部20Bの外周側に内輪25Bを取付けたときに、内
輪25Bに弾性的に当接するものである。これにより、
Oリング26は、駆動軸20が回転したときに、該駆動
軸20の回転を内輪25Bに伝達すると共に、駆動軸2
0と内輪25Bとが接触するのを防止する。
【0037】なお、27,28はケーシング1等を上側
から覆うように設けられた前,後の上側ダクト、29,
30はケーシング1等を下側から覆うように設けられた
前,後の下側ダクトで、これら各ダクト27,28,2
9,30は、駆動軸20の基端側に取付けられた冷却フ
ァン31からの冷却風をケーシング1、油槽4、固定ス
クロール8等に導き、これらを外側から冷却するもので
ある。
【0038】本実施の形態によるスクロール式空気圧縮
機は、上述の如き構成を有するもので、次に、その圧縮
動作について説明する。
【0039】まず、電動モータ17により駆動軸20を
回転させると、旋回スクロール9は駆動軸20を中心と
して一定の旋回半径をもった円運動(旋回運動)を行
い、固定スクロール8のラップ部8Bと旋回スクロール
9のラップ部9Bとの間に画成された圧縮室10,1
0,…を連続的に縮小する。これにより、固定スクロー
ル8の吸込口から吸込んだ外気は、各圧縮室10で順次
圧縮されつつ、この圧縮空気は固定スクロール8の吐出
口11から外部の空気タンク等に貯留される。
【0040】ここで、駆動軸20の小径部20Bと反負
荷側玉軸受25の内輪25Bとの間には、ケーシング
1、駆動軸20等の加工公差、組立公差による位置ずれ
を許容するすきまGが形成されている。しかし、小径部
20Bと内輪25Bとの間にはOリング26が設けられ
ているから、このOリング26は、駆動軸20の回転を
内輪25Bに伝達することができ、該駆動軸20と内輪
25Bとを一体的に回転させることができる。また、駆
動軸20の回転時には、該駆動軸20の基端側が多少の
振れを生じるが、Oリング26は、その弾性力によって
駆動軸20が内輪25Bに接触するのを防止することが
できる。
【0041】以上のように、本実施の形態によれば、反
負荷側玉軸受25は、外輪25Aをケーシング1のモー
タケース2に設けられた軸受取付部2Eにしまりばめで
取付け、内輪25Bを駆動軸20の小径部20Bにすき
まGをもってすきまばめで取付けると共に、小径部20
Bの外周側には、内輪25Bに弾性的に当接するOリン
グ26を設ける構成としている。これにより、ケーシン
グ1に駆動軸20を組付けるときには、Oリング26を
弾性変形させることにより、すきまGによってケーシン
グ1、駆動軸20等の加工公差、組立公差による位置ず
れを許容し、無理のない組立を行なうことができる。
【0042】しかも、駆動軸20を回転駆動したときに
は、Oリング26によって駆動軸20と内輪25Bとを
一体的に回転させることができ、また駆動軸20と内輪
25Bとが接触するのを防止することができる。この結
果、駆動軸20の表面にクリープによる摩耗、焼付きが
生じるのを防止でき、信頼性、寿命を向上することがで
きる。
【0043】また、反負荷側玉軸受25に対してすきま
GとOリング26を設ける構成としているから、Oリン
グ26は、小さな荷重に耐えるだけでよく、弾性力によ
って駆動軸20の基端側を回転中心位置に支持すること
ができる。
【0044】また、反負荷側玉軸受25は、旋回スクロ
ール9から十分に離間した位置に配置されているから、
Oリング26を弾性変形させて駆動軸20の基端側が振
れを生じたとしても、この振れによって旋回スクロール
9の旋回軸心がずれるのを防止でき、圧縮性能を維持す
ることができる。
【0045】さらに、Oリング26は、冷却ファン3
1、モータケース2の後蓋部2Cを取外すだけで、容易
に交換することができ、メンテナンス時の作業性を向上
することができる。
【0046】なお、実施の形態では、駆動軸20の基端
側と反負荷側玉軸受25との間にすきまG、Oリング2
6を設けた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
に限るものではなく、駆動軸20の先端側と負荷側玉軸
受24との間にすきまG、Oリング26を設ける構成と
してもよい。
【0047】また、実施の形態では、駆動軸20の小径
部20Bにリング装着溝20Dを設け、該リング装着溝
20DにOリング26を装着した場合を例示したが、本
発明はこれに限らず、反負荷側玉軸受25の内輪25B
の内周側にリング装着溝を設け、このリング装着溝にO
リング26を装着する構成としてもよい。
【0048】また、実施の形態では、弾性リングとして
断面円形状のOリング26を用いた場合を例示したが、
本発明はこれに限らず、例えば断面多角形状、楕円形状
をなした弾性リングを用いてもよい。
【0049】また、実施の形態では、駆動軸20の小径
部20Bに反負荷側玉軸受25の内輪25Bをすきまば
めで取付けるものとして説明したが、これに替えて、例
えば駆動軸20の小径部20Bに反負荷側玉軸受25の
内輪25Bを中間ばめで取付ける構成としてもよい。
【0050】一方、実施の形態では、転がり軸受として
転動体に鋼球24C,25Cを用いた玉軸受24,25
を例に挙げて説明したが、これに替えて、例えば転動体
にころを用いたころ軸受等の他の転がり軸受に適用して
もよい。
【0051】また、実施の形態では、ケーシング1に電
動モータ17を内蔵したスクロール式空気圧縮機を例に
挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば外部
の動力源によって駆動軸を回転駆動する形式のスクロー
ル式空気圧縮機に適用してもよい。
【0052】また、実施の形態では、油槽4を備えた給
油式のスクロール式空気圧縮機に適用した場合を例に挙
げて説明したが、本発明はこれに限らず、無給油式のス
クロール式空気圧縮機に適用してもよい。
【0053】さらに、実施の形態では、スクロール式流
体機械としてスクロール空気圧縮機を例に挙げて説明し
たが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒
圧縮機等にも広く適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、駆動軸をケーシングに回転可能に支持する転がり
軸受は、ケーシングにしまりばめで取付けられる外輪
と、駆動軸にすきまばめまたは中間ばめで取付けられる
内輪と、該内輪と外輪との間に設けられた複数個の転動
体とによって構成し、駆動軸と転がり軸受の内輪との間
には該駆動軸と内輪に弾性的に当接して回転を伝達する
弾性リングを設けている。従って、例えば外輪を圧入等
の手段によってケーシングにしまりばめし、内輪に駆動
軸を挿入したときには、弾性リングは、駆動軸と内輪と
の間で弾性変形することにより、ケーシング、駆動軸等
の加工公差、組立公差による位置ずれを許容することが
でき、組立作業を無理なく簡単に行なうことができる。
【0055】しかも、弾性リングは、駆動軸と内輪とに
弾性的に当接しているから、駆動軸に対し内輪をすべら
せることなく回転させることができる。この結果、駆動
軸の表面にクリープによる摩耗、焼付きが生じるのを防
止でき、信頼性、寿命を向上することができる。
【0056】請求項2の発明によれば、転がり軸受は、
旋回スクロールに接近した位置に配置された負荷側転が
り軸受と、旋回スクロールから離間した位置に配置され
た反負荷側転がり軸受とを備え、弾性リングは前記反負
荷側転がり軸受と駆動軸との間に設けているので、圧縮
運転を行なう旋回スクロールから駆動軸を介して大きな
荷重が作用する負荷側転がり軸受に比較し、反負荷側転
がり軸受は、運転時に小さな荷重が作用するだけである
から、弾性リングは、その弾性力によって駆動軸を回転
中心位置に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用されるスクロール式
空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】ケーシングの軸受取付部、駆動軸、反負荷側玉
軸受、Oリングを拡大して示す要部拡大縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 モータケース 8 固定スクロール 9 旋回スクロール 10 圧縮室 20 駆動軸 20C クランク 24 負荷側玉軸受(負荷側転がり軸受) 24A,25A 外輪 24B,25B 内輪 24C,25C 鋼球(転動体) 25 反負荷側玉軸受(反負荷側転がり軸受) 26 Oリング(弾性リング) G すきま
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 義雄 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA23 AB02 AB06 BB21 BB44 BB50 CC09 CC16 CC17 3H039 AA02 AA04 AA12 BB02 BB04 BB25 CC12 CC33 CC34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングに設けられ
    た固定スクロールと、該固定スクロールと対向して前記
    ケーシング内に旋回可能に設けられ、該固定スクロール
    との間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前
    記ケーシング内を軸方向に延び、先端側がクランクとな
    って該旋回スクロールに連結された駆動軸と、該駆動軸
    を前記ケーシングに回転可能に支持する転がり軸受とか
    らなるスクロール式流体機械において、 前記転がり軸受は、前記ケーシングにしまりばめで取付
    けられる外輪と、前記駆動軸にすきまばめまたは中間ば
    めで取付けられる内輪と、該内輪と外輪との間に設けら
    れた複数個の転動体とによって構成し、前記駆動軸と転
    がり軸受の内輪との間には該駆動軸と内輪に弾性的に当
    接して回転を伝達する弾性リングを設けたことを特徴と
    するスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記転がり軸受は、前記旋回スクロール
    に接近した位置に配置された負荷側転がり軸受と、前記
    旋回スクロールから離間した位置に配置された反負荷側
    転がり軸受とを備え、前記弾性リングは前記反負荷側転
    がり軸受と駆動軸との間に設けてなる請求項1に記載の
    スクロール式流体機械。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009264345A (ja) * 2008-04-29 2009-11-12 Hitachi Ltd スクロール式流体機械
US9206804B2 (en) 2011-11-18 2015-12-08 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Compressor for vehicle with reduced vibrations
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