JP2004124076A - 遮吸音材用ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Abstract
【課題】特に2000Hz以上の高周波数領域での吸音率が良好な、遮吸音材用ポリウレタンフォームを得る。
【解決手段】コア密度が15〜39kg/m3 であり、反発弾性が17%以下である遮吸音材用ポリウレタンフォーム。
【選択図】 なし
【解決手段】コア密度が15〜39kg/m3 であり、反発弾性が17%以下である遮吸音材用ポリウレタンフォーム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遮吸音材用ポリウレタンフォームに関する。さらに詳しくは、自動車などの車両に好適な遮吸音材用ポリウレタンフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特定のポリオールを組み合わせることにより遮吸音材用ポリウレタンフォームの性能を向上させる手法が知られており、このようなフォーム並びに製造方法は、例えば下記特許文献に記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−262845号公報
【0004】
【特許文献1】
特開平5−186561号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ユーザーニーズの高度化にともない、遮吸音性能の高性能化の要求が強くなっている。しかしながら、上記のフォームでは、特に2000Hz以上の高周波数領域での吸音率が不充分であるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した末、特定のコア密度と反発弾性を有するポリウレタンフォームを見いだし、本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、下記(I)〜(III) である。
(I) コア密度が15〜39kg/m3 であり、反発弾性が17%以下である遮吸音材用ポリウレタンフォーム。
(II) 上記の遮吸音材用ポリウレタンフォームと表皮材からなる遮吸音材。
(III) ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A)および/またはポリオール(B)からなり、(a)および/または(B)中に、下記ポリオール(a1)および(a2)を含有する遮吸音材用ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分。
(a1):平均官能基数が2〜7であり、水酸基価が15〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ただし2種以上のポリオールからなり、官能基数が4以下のものと官能基数が5以上のものの質量比が、(60〜98):(2〜40)である。
(a2):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が100〜250mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が20質量%以下である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームは、15〜39kg/m3 のコア密度と17%以下の反発弾性を有する。ここで、反発弾性はJIS K 6400(1997年版)に記載の方法による。コア密度の下限は、好ましくは25kg/m3 、さらに好ましくは30kg/m3 であり、上限は、好ましくは38kg/m3 である。反発弾性の下限は、好ましくは1%、さらに好ましくは3%であり、上限は、好ましくは16%、さらに好ましくは15%である。コア密度が15kg/m3 未満だと引裂強度が低下し、39kg/m3 を超えると遮吸音性能が低下する。また、反発弾性が17%を超えると、遮吸音性能が低下する。
【0009】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームは、上記のコア密度と反発弾性の範囲のものであれば、組成上はとくに限定されない。コア密度は、例えば発泡剤(とくに水)の量により、反発弾性は、例えばポリマーポリオールの含量により調整することができる。
具体的には、例えば、下記ポリオール成分とポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤(D)、触媒(E)および整泡剤(F)の存在下に反応させて得ることができる。
ポリオール成分:ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A)および/またはポリオール(B)からなり、(a)および/または(B)中に、下記ポリオール(a1)および(a2)を含有するポリオール成分。
(a1):平均官能基数が2〜7であり、水酸基価が15〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ただし2種以上のポリオールからなり、官能基数が4以下のものと官能基数が5以上のものの質量比が、(60〜98):(2〜40)である。
(a2):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が100〜250mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が20質量%以下である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。
【0010】
上記(a1)において、官能基数が4以下のものと官能基数が5以上のものの質量比は、好ましくは(70〜95):(5〜30)である。なお、官能基数が4以下のものとしては、3が好ましく、5以上のものとしては、6〜8(とくに8)が好ましい。
(a1)は、下記ポリオール(a11)および(a12)からなるのが好ましい。
(a11):平均官能基数が4.5〜7であり、水酸基価が25〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜20質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(a12):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が15〜50mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が5〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
【0011】
上記のポリオール(a)および(B)は、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の水酸基を含有する化合物であり、例えば、多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等の活性水素化合物の、炭素数2〜8またはそれ以上のアルキレンオキシド(以下AOと記す)付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
【0012】
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フラクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)、およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0013】
上記多価フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール;およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0014】
上記アミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、ピペラジン、アミノエチルピペラジンおよび特公昭55−21044号公報記載のもの)およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0015】
ポリカルボン酸としては、コハク酸およびアジピン酸などの炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸およびトリメリット酸等の炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
これらの活性水素化合物は2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましくは多価アルコールである。
【0016】
炭素数2〜8またはそれ以上のAOとしては、エチレンオキシド(以下EOと記す)、プロピレンオキシド(以下POと記す)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシドならびにこれらの2種以上の併用(ブロック及び/又はランダム付加)が挙げられる。
【0017】
前記のポリオール(a11)としては、上記の活性水素化合物の、EOとPOからなるAO付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
活性水素化合物に付加するEOおよびPOの付加形式は、ブロック付加でもランダム付加でもよいが、好ましくはブロック付加〔とくにPO−EOの順序(チップド)〕である。
【0018】
(a11)の1分子あたりの平均官能基数は4.5〜7である。下限は好ましくは4.7、さらに好ましくは4.9であり、上限は好ましくは6、さらに好ましくは5.5である。この範囲外の官能基数のものが含まれていても、2種以上の活性水素化合物のAO付加物を用いて、その平均官能基数が4.5〜7となればよい(以下の平均官能基数についても同様)。ここで平均官能基数は、原料の活性水素化合物の平均官能基数から計算される理論値を、官能基数であると見なしたものである。水酸基価は25〜60(mgKOH/g、以下の水酸基価も同様)である。下限好ましくは30、さらに好ましくは35であり、上限好ましくは50、さらに好ましくは45である。オキシエチレン単位(以下EO単位と略記する。)の含有量は1〜20質量%(以下質量%は、単に%と記す)である。下限は好ましくは5%、さらに好ましくは7%であり、上限は好ましくは15%、さらに好ましくは12%である。
(a11)の平均官能基数が4.5以上だと圧縮永久歪み率が向上し、7以下だと伸び物性が向上する。水酸基価が25以上だとフォームの硬さが向上し、60以下だと伸び物性が向上する。EO単位の含量が1%以上だと硬化時間が短縮しキュア性が向上し、20%以下だと連通フォームが得られ、成形性良好なフォームが得られる。
【0019】
ポリオール(a12)としては、例えば、多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等の活性水素化合物のAO付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。活性水素化合物としては、具体的には前記のものが挙げられる。これらのものは2種以上併用してもよい。上記AOは、POおよびEOである。POおよびEOの付加形式は、ブロック付加でもランダム付加でもよいが、ブロック付加〔とくにPO−EOの順序(チップド)〕が好ましい。
【0020】
(a12)の1分子あたりの平均官能基数は2〜4である。下限好ましくは2.2、さらに好ましくは2.5であり、上限好ましくは3.8、さらに好ましくは3.5である。水酸基価は15〜50である。下限好ましくは20、さらに好ましくは25であり、上限好ましくは45、さらに好ましくは40である。EO単位の含有量は5〜30%である。下限は好ましくは10%、さらに好ましくは12%であり、上限は好ましくは25%、さらに好ましくは20%である。
(a12)の平均官能基数が2以上だと圧縮永久歪み率が向上し、4以下だと伸び物性が向上する。水酸基価が15以上だとフォームの硬さが向上し、50以下だと伸び物性が向上する。EO単位の含量が5%以上だと硬化時間が短縮し、キュア性が向上し、30%以下だと連通フォームが得られ、成形性良好なフォームが得られる。
【0021】
ポリオール(a2)としては、例えば、多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等の活性水素化合物のAO付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。活性水素化合物としては、具体的には前記のものが挙げられる。これらのものは2種以上併用してもよい。上記AOは、PO単独、またはEOとPOの併用である。併用する場合のEOおよびPOの付加形式は、ブロック付加でもランダム付加でもよいが、好ましくはブロック付加〔とくにPO−EOの順序(チップド)〕である。
【0022】
(a2)の1分子あたりの平均官能基数は2〜4である。下限好ましくは2.2、さらに好ましくは2.5であり、上限好ましくは3.8、さらに好ましくは3.5である。水酸基価は100〜250である。下限好ましくは120、さらに好ましくは145であり、上限好ましくは210、さらに好ましくは190である。EO単位の含有量は20%以下である。好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは0%である。
(a2)の平均官能基数が2以上だと圧縮永久歪み率が向上し、4以下だと伸び物性が向上する。水酸基価が100以上だとフォームの硬さが向上し、250以下だと伸び物性が向上する。EO単位の含量が20%以下だと連通フォームが得られ、成形性良好なフォームが得られる。
【0023】
また、ポリオール成分中に、上記以外の他のポリオールを1種以上併用してもよい。他のポリオールとしては、(a1)〔(a11)、(a12)が含まれる。〕と(a2)以外のポリエーテルポリオール(前記多価アルコール、多価フェノール、またはアミンの前記AO付加物等)、ポリエステルポリオール(前記多価アルコールと前記ポリカルボン酸との反応物等)、前記多価アルコールおよびアルカノールアミン等が挙げられる。
【0024】
本発明におけるポリマーポリオール(A)は、ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を通常の方法で重合して製造することができる。例えば、上記の(a11)、(a12)および(a2)から選ばれる少なくとも1種のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(b)を重合させ、安定分散したものが挙げられる。分散安定性が良好なことから、(a12)中で(b)を重合させたものが好ましい。重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書、特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
【0025】
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよび過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩および過ホウ酸塩等の無機過酸化物などが挙げられる。なお、これらは2種以上を併用できる。
【0026】
(b)としては、芳香族ビニル単量体(b1)、不飽和ニトリル類(b2)、(メタ)アクリル酸エステル類(b3)、その他のビニル単量体(b4)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
(b2)としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。
(b3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜30)エステル類;ヒドロキシポリアルキレンモノ(メタ)アクリレート類(例えばアルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000)等が挙げられる。
【0027】
その他のビニル単量体(b4)としては、ビニル基含有カルボン酸およびその誘導体〔(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド等〕、脂肪族もしくは脂環式炭化水素単量体〔エチレン、プロピレン、ノルボルネン等〕、フッ素含有ビニル単量体〔パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート等〕、上記以外の窒素含有ビニル単量体〔ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート等〕およびビニル変性シリコン等が挙げられる。
【0028】
これらの中では、(b1)および(b2)が好ましく、スチレンおよび/またはアクリロニトリルがさらに好ましい。
これらの質量比率は、要求されるポリウレタンの物性に応じて変えることができ、特に限定されないが、一例を示すと次の通りである。
(b1)および/または(b2)は、好ましくは50〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。(b1)と(b2)の質量比はとくに限定されないが、好ましくは0/100〜80/20である。(b3)は、好ましくは0〜50%、さらに好ましくは0〜20%である。(b4)は、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%である。
なお、(b)中に少量(好ましくは0.05%〜1%)の多官能(好ましくは2〜8官能)ビニル基含有モノマー〔ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート等〕を用いることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。
(A)中の(b)の重合体の含量は、好ましくは3〜50%、さらに好ましくは5〜45%である。
【0029】
本発明では(a)および(B)の合計質量に基づく含有率が、(a11)が1〜20%、(a12)が15〜60%、(a2)が25〜80%であること好ましい。(a11)の下限は、更に好ましくは5%、特に好ましくは7%であり、上限は、更に好ましくは18%、特に好ましくは15%である。(a12)の下限は、更に好ましくは20%、特に好ましくは25%であり、上限は、更に好ましくは50%、特に好ましくは45%である。(a2)の下限は、更に好ましくは35%、特に好ましくは45%であり、上限は、更に好ましくは70%、特に好ましくは65%である。なお、(a1)の含有率は20〜75%が好ましく、下限は、更に好ましくは30%、特に好ましくは35%であり、上限は、更に好ましくは65%、特に好ましくは55%である。これら以外の他のポリオールは、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下である。
(a11)が1%以上では圧縮永久歪みが良好な値を示し、20%以下では伸び物性が良好な値を示す。(a12)が15%以上では伸び物性が向上し、60%以下では反発弾性が良好な値を示す。(a2)が25%以上ではフォーム硬さが向上し、80%以下では伸び物性が向上する。
【0030】
本発明において、ポリオール成分中には、ポリマーポリオール(A)を含有するのが好ましい。また、ポリオール成分中の重合体の含量は、20%以下が好ましい。上限は好ましくは15%、さらに好ましくは10%であり、下限は好ましくは1%、さらに好ましくは5%である。20%以下であると適度な硬さのフォームが得られる。
【0031】
本発明におけるポリイソシアネート成分(C)としては、ポリウレタンに通常使用できるものが用いられる。例えば、炭素数(NCO基中の炭素数を除く)6〜20の芳香族ポリイソシアネート〔2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−もしくは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)等〕;炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート〔ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネート等〕;炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート〔イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート等〕;炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート〔キシリレンジイソシアネート等〕;これらのポリイソシアネートの変性物〔ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビュウレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物等〕およびこれら2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、TDI、MDI、粗製MDI、PAPI、カルボジイミド基含有変性MDI、およびこれら2種以上の併用である。さらに好ましくはMDI、粗製MDI、PAPI、カルボジイミド基含有変性MDI、およびこれら2種以上の併用である。ポリイソシアネート成分としてのNCO基含量は、20〜35%が好ましい。
【0032】
本発明における発泡剤(D)としては、通常水を使用する。
水の使用量は、ポリオール成分100質量部(以下質量部は単に部と略記する。)に対して、好ましくは2〜7部である。下限はさらに好ましくは3部であり、上限はさらに好ましくは6部である。
その他必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等が用いられる。
【0033】
水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤の具体例としてHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、およびHFC−365mfc)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、およびHFC−365mfcおよびこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール成分100部当たり、好ましくは50部以下、さらに好ましくは5〜45部である。
【0034】
低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。
低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール成分100部当たり、好ましくは30部以下、さらに好ましくは25部以下である。
【0035】
本発明における触媒(E)としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エ−テル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の三級アミンおよびそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート等のカルボン酸金属塩等の有機金属化合物;が挙げられる。
触媒の使用量は、ポリオール成分100部に対して、好ましくは0.05〜10部、さらに好ましくは0.1〜8部である。
【0036】
本発明における整泡剤(F)としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、ジメチルシロキサン系整泡剤〔例えば、トーレダウコーニングシリコーン(株)製の「SRX−253」等〕、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤〔例えば、日本ユニカー(株)製の「L−5309」、「SZ−1311」、東レダウコーニングシリコーン(株)製の「SF−2972」、「SF−2965」、「SRX−274C」等〕等のシリコーン整泡剤が挙げられる。整泡剤の使用量は、ポリオール成分100部に対して、好ましくは0.2〜3部、さらに好ましくは0.5〜2部である。
【0037】
本発明においては、必要により、以下に述べるような他の補助成分を用い、その存在下で反応させて得られるものでもよい。着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類等)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系等)等の公知の補助成分が挙げられる。ポリオール成分100部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1部以下である。難燃剤は、好ましくは5部以下、さらに好ましくは2部以下である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.5部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01部〜0.5部である。
【0038】
本発明において、ポリウレタンの製造に際してのイソシアネート指数(INDEX)〔(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100〕は、好ましくは65〜130、さらに好ましくは70〜120、とくに好ましくは90〜110である。イソシアネート指数が65以上であるとフォームの圧縮永久ひずみ率が良好であり、125以下であるとフォームのキュア時間を短縮できる。
【0039】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームの製造法の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール成分、発泡剤、触媒、整泡剤および必要により他の補助成分を所定量混合する。ついで、ポリウレタン低圧もしくは高圧注入発泡機または攪拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を表皮材をセットした密閉型もしくは開放型のモールド(金属製または樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。密閉型モールドに注入する場合のパック率は、100〜200%が好ましい。また、スプレー発泡、連続発泡してもポリウレタンフォームを得ることができる。
発泡前に型にセットする表皮材としては、エチレンプロピレンジエンモノマー重合物(EPDM)、ポリオレフィン(オレフィンの炭素数2〜8、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)およびポリ塩化ビニルなどが挙げられる。表皮材の厚みは、好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは1〜5mmである。
【0040】
本発明のポリウレタンフォームとしては、軟質ポリウレタンフォームが好ましい。また、フォームの見掛け密度(全密度)は、好ましくは15〜50kg/m3 、さらに好ましくは25〜48kg/m3 である。フォームの硬さ(25%ILD)は、好ましくは1〜200kgf/314cm2 、さらに好ましくは2〜150kgf/314cm2 である。また、フォームの吸音率は、2000Hzで70%以上(とくに75%以上)、3200Hzで80%以上(とくに90%以上)が好ましい。
【0041】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームと、表皮材からなる遮吸音材(例えば上記の方法で、フォームと表皮材が一体成形されているのが好ましい)は、車両用、とくに自動車用(例えばエンジンルームと座席間)遮吸音材として、好適に用いられる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例および比較例中においても、部および%は、とくに断りのないかぎり、それぞれ質量部および質量%を示す。
【0043】
実施例および比較例におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1)ポリオールa11−1:ショ糖とグリセリンの質量比5:2混合物(平均官能基数5)にPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量6700、水酸基価41.9、EO単位含量10%のチップドポリオール。
(2)ポリオールa2−1:グリセリンにPOを付加させて得られた、数平均分子量1000、水酸基価168のポリオール。
(3)ポリマーポリオールA−1:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量5000、水酸基価33.7、EO単位含量14%のチップドポリオール(a12−1)中で、アクリロニトリルを重合させて得られたポリマーポリオール(重合体含量20%)。
(4)ポリマーポリオールA−2:ペンタエリスリトールにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量8000、水酸基価28.1、EO単位含量14%のチップドポリオール(a12−2)中で、アクリロニトリルおよびスチレンを質量比2:1で重合させて得たポリマーポリオール(重合体含量30%)。
【0044】
(5)ポリオールa12−3:グリセリンにPOとEOをランダム付加後、PO−EOの順に付加して得られた、数平均分子量6000、水酸基価28.1、EO単位含量16%のチップドポリオール。
(6)ポリオールa12−4:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量4700、水酸基価35.8、EO単位含量16%のチップドポリオール。
(7)ポリオールa12−5:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量7000、水酸基価24.0、EO単位含量14%のチップドポリオール。
(8)ポリオールa12−6:プロピレングリコールにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量4000、水酸基価28.1、EO単位含量12%のチップドポリオール。
(9)ポリオールa2−2:プロピレングリコールにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量900、水酸基価125、EO単位含量10%のチップドポリオール
【0045】
(10)触媒E−1:トリエチレンジアミンのジプロピレングリコール溶液(東ソー(株)製TEDA−L33)
(11)触媒E−2:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルのジプロピレングリコール溶液(東ソー(株)製TOYOCAT−ET)
(12)触媒E−3:反応性触媒(東ソー(株)製TOYOCAT−HX70)
(13)触媒E−4:トリエタノールアミン(日本触媒(株)製)
(14)触媒E−5:ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤(株)製)
(15)触媒E−6:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルのギ酸塩のジプロピレングリコール溶液(東ソー(株)製TOYOCAT−ETF)
(16)触媒E−7:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(サンアプロ(株)製U−CAT 1000)
【0046】
(17)整泡剤F−1:整泡剤(東レダウコーニング・シリコーン(株)製SRX−274C)
(18)整泡剤F−2:整泡剤(日本ユニカー(株)製L−5309)
(19)整泡剤F−3:整泡剤(東レダウコーニング・シリコーン(株)製SF−2965)
(20)整泡剤F−4:整泡剤(日本ユニカー(株)製SZ−1311)
(21)イソシアネートC−1:ポリアリールポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製CEW−100x3)、NCO%=26.6
(22)イソシアネートC−2:TDI/粗製MDI=80/20(%)混合物(日本ポリウレタン工業(株)製CE−729)、NCO%=44.8
(23)イソシアネートC−3:MDI系プレポリマー(三洋化成工業(株)製MS−200イソ)、NCO%=21.5
【0047】
実施例1〜2および比較例1〜3
高圧発泡機(PEC社製MiniRIM機)を用いて、表1に示すP成分とI成分を25℃に温調した後、衝突混合させ、60℃に温調した200×200×50mmの密閉モールドに注入し成形した。
各フォームの物性値の測定結果を表1に示す。
ポリウレタンフォームのコア密度および反発弾性はJIS K 6400(1997年版)に準じて測定した。吸音率はASTM E 1050に準じて測定した。
【0048】
【表1】
【0049】
以上の結果から、本発明の実施例1〜2のフォームは、比較例1〜3のフォームに比べ、遮吸音性能に優れていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームは、従来のものに比べて非常に良好な遮吸音性能を有することから、車両用、とくに自動車用遮吸音材として著しい有用性を発揮する。
【発明の属する技術分野】
本発明は遮吸音材用ポリウレタンフォームに関する。さらに詳しくは、自動車などの車両に好適な遮吸音材用ポリウレタンフォームに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特定のポリオールを組み合わせることにより遮吸音材用ポリウレタンフォームの性能を向上させる手法が知られており、このようなフォーム並びに製造方法は、例えば下記特許文献に記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−262845号公報
【0004】
【特許文献1】
特開平5−186561号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ユーザーニーズの高度化にともない、遮吸音性能の高性能化の要求が強くなっている。しかしながら、上記のフォームでは、特に2000Hz以上の高周波数領域での吸音率が不充分であるという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した末、特定のコア密度と反発弾性を有するポリウレタンフォームを見いだし、本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、下記(I)〜(III) である。
(I) コア密度が15〜39kg/m3 であり、反発弾性が17%以下である遮吸音材用ポリウレタンフォーム。
(II) 上記の遮吸音材用ポリウレタンフォームと表皮材からなる遮吸音材。
(III) ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A)および/またはポリオール(B)からなり、(a)および/または(B)中に、下記ポリオール(a1)および(a2)を含有する遮吸音材用ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分。
(a1):平均官能基数が2〜7であり、水酸基価が15〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ただし2種以上のポリオールからなり、官能基数が4以下のものと官能基数が5以上のものの質量比が、(60〜98):(2〜40)である。
(a2):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が100〜250mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が20質量%以下である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームは、15〜39kg/m3 のコア密度と17%以下の反発弾性を有する。ここで、反発弾性はJIS K 6400(1997年版)に記載の方法による。コア密度の下限は、好ましくは25kg/m3 、さらに好ましくは30kg/m3 であり、上限は、好ましくは38kg/m3 である。反発弾性の下限は、好ましくは1%、さらに好ましくは3%であり、上限は、好ましくは16%、さらに好ましくは15%である。コア密度が15kg/m3 未満だと引裂強度が低下し、39kg/m3 を超えると遮吸音性能が低下する。また、反発弾性が17%を超えると、遮吸音性能が低下する。
【0009】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームは、上記のコア密度と反発弾性の範囲のものであれば、組成上はとくに限定されない。コア密度は、例えば発泡剤(とくに水)の量により、反発弾性は、例えばポリマーポリオールの含量により調整することができる。
具体的には、例えば、下記ポリオール成分とポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤(D)、触媒(E)および整泡剤(F)の存在下に反応させて得ることができる。
ポリオール成分:ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A)および/またはポリオール(B)からなり、(a)および/または(B)中に、下記ポリオール(a1)および(a2)を含有するポリオール成分。
(a1):平均官能基数が2〜7であり、水酸基価が15〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ただし2種以上のポリオールからなり、官能基数が4以下のものと官能基数が5以上のものの質量比が、(60〜98):(2〜40)である。
(a2):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が100〜250mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が20質量%以下である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。
【0010】
上記(a1)において、官能基数が4以下のものと官能基数が5以上のものの質量比は、好ましくは(70〜95):(5〜30)である。なお、官能基数が4以下のものとしては、3が好ましく、5以上のものとしては、6〜8(とくに8)が好ましい。
(a1)は、下記ポリオール(a11)および(a12)からなるのが好ましい。
(a11):平均官能基数が4.5〜7であり、水酸基価が25〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜20質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(a12):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が15〜50mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が5〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
【0011】
上記のポリオール(a)および(B)は、少なくとも2個(好ましくは2〜8個)の水酸基を含有する化合物であり、例えば、多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等の活性水素化合物の、炭素数2〜8またはそれ以上のアルキレンオキシド(以下AOと記す)付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
【0012】
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フラクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)、およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0013】
上記多価フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック);たとえば米国特許第3265641号明細書に記載のポリフェノール;およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0014】
上記アミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、ピペラジン、アミノエチルピペラジンおよび特公昭55−21044号公報記載のもの)およびこれらの2種以上の併用などが挙げられる。
【0015】
ポリカルボン酸としては、コハク酸およびアジピン酸などの炭素数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸およびトリメリット酸等の炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
これらの活性水素化合物は2種以上を併用してもよい。これらの中で好ましくは多価アルコールである。
【0016】
炭素数2〜8またはそれ以上のAOとしては、エチレンオキシド(以下EOと記す)、プロピレンオキシド(以下POと記す)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシドならびにこれらの2種以上の併用(ブロック及び/又はランダム付加)が挙げられる。
【0017】
前記のポリオール(a11)としては、上記の活性水素化合物の、EOとPOからなるAO付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
活性水素化合物に付加するEOおよびPOの付加形式は、ブロック付加でもランダム付加でもよいが、好ましくはブロック付加〔とくにPO−EOの順序(チップド)〕である。
【0018】
(a11)の1分子あたりの平均官能基数は4.5〜7である。下限は好ましくは4.7、さらに好ましくは4.9であり、上限は好ましくは6、さらに好ましくは5.5である。この範囲外の官能基数のものが含まれていても、2種以上の活性水素化合物のAO付加物を用いて、その平均官能基数が4.5〜7となればよい(以下の平均官能基数についても同様)。ここで平均官能基数は、原料の活性水素化合物の平均官能基数から計算される理論値を、官能基数であると見なしたものである。水酸基価は25〜60(mgKOH/g、以下の水酸基価も同様)である。下限好ましくは30、さらに好ましくは35であり、上限好ましくは50、さらに好ましくは45である。オキシエチレン単位(以下EO単位と略記する。)の含有量は1〜20質量%(以下質量%は、単に%と記す)である。下限は好ましくは5%、さらに好ましくは7%であり、上限は好ましくは15%、さらに好ましくは12%である。
(a11)の平均官能基数が4.5以上だと圧縮永久歪み率が向上し、7以下だと伸び物性が向上する。水酸基価が25以上だとフォームの硬さが向上し、60以下だと伸び物性が向上する。EO単位の含量が1%以上だと硬化時間が短縮しキュア性が向上し、20%以下だと連通フォームが得られ、成形性良好なフォームが得られる。
【0019】
ポリオール(a12)としては、例えば、多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等の活性水素化合物のAO付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。活性水素化合物としては、具体的には前記のものが挙げられる。これらのものは2種以上併用してもよい。上記AOは、POおよびEOである。POおよびEOの付加形式は、ブロック付加でもランダム付加でもよいが、ブロック付加〔とくにPO−EOの順序(チップド)〕が好ましい。
【0020】
(a12)の1分子あたりの平均官能基数は2〜4である。下限好ましくは2.2、さらに好ましくは2.5であり、上限好ましくは3.8、さらに好ましくは3.5である。水酸基価は15〜50である。下限好ましくは20、さらに好ましくは25であり、上限好ましくは45、さらに好ましくは40である。EO単位の含有量は5〜30%である。下限は好ましくは10%、さらに好ましくは12%であり、上限は好ましくは25%、さらに好ましくは20%である。
(a12)の平均官能基数が2以上だと圧縮永久歪み率が向上し、4以下だと伸び物性が向上する。水酸基価が15以上だとフォームの硬さが向上し、50以下だと伸び物性が向上する。EO単位の含量が5%以上だと硬化時間が短縮し、キュア性が向上し、30%以下だと連通フォームが得られ、成形性良好なフォームが得られる。
【0021】
ポリオール(a2)としては、例えば、多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等の活性水素化合物のAO付加物が挙げられ、2種以上を併用してもよい。活性水素化合物としては、具体的には前記のものが挙げられる。これらのものは2種以上併用してもよい。上記AOは、PO単独、またはEOとPOの併用である。併用する場合のEOおよびPOの付加形式は、ブロック付加でもランダム付加でもよいが、好ましくはブロック付加〔とくにPO−EOの順序(チップド)〕である。
【0022】
(a2)の1分子あたりの平均官能基数は2〜4である。下限好ましくは2.2、さらに好ましくは2.5であり、上限好ましくは3.8、さらに好ましくは3.5である。水酸基価は100〜250である。下限好ましくは120、さらに好ましくは145であり、上限好ましくは210、さらに好ましくは190である。EO単位の含有量は20%以下である。好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは0%である。
(a2)の平均官能基数が2以上だと圧縮永久歪み率が向上し、4以下だと伸び物性が向上する。水酸基価が100以上だとフォームの硬さが向上し、250以下だと伸び物性が向上する。EO単位の含量が20%以下だと連通フォームが得られ、成形性良好なフォームが得られる。
【0023】
また、ポリオール成分中に、上記以外の他のポリオールを1種以上併用してもよい。他のポリオールとしては、(a1)〔(a11)、(a12)が含まれる。〕と(a2)以外のポリエーテルポリオール(前記多価アルコール、多価フェノール、またはアミンの前記AO付加物等)、ポリエステルポリオール(前記多価アルコールと前記ポリカルボン酸との反応物等)、前記多価アルコールおよびアルカノールアミン等が挙げられる。
【0024】
本発明におけるポリマーポリオール(A)は、ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を通常の方法で重合して製造することができる。例えば、上記の(a11)、(a12)および(a2)から選ばれる少なくとも1種のポリオール中で、ラジカル重合開始剤の存在下、ビニルモノマー(b)を重合させ、安定分散したものが挙げられる。分散安定性が良好なことから、(a12)中で(b)を重合させたものが好ましい。重合方法の具体例としては、米国特許第3383351号明細書、特公昭39−25737号公報等に記載の方法が挙げられる。
【0025】
ラジカル重合開始剤としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよび過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩および過ホウ酸塩等の無機過酸化物などが挙げられる。なお、これらは2種以上を併用できる。
【0026】
(b)としては、芳香族ビニル単量体(b1)、不飽和ニトリル類(b2)、(メタ)アクリル酸エステル類(b3)、その他のビニル単量体(b4)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。
(b2)としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。
(b3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜30)エステル類;ヒドロキシポリアルキレンモノ(メタ)アクリレート類(例えばアルキレン基の炭素数2〜4、ポリオキシアルキレン鎖の数平均分子量200〜1000)等が挙げられる。
【0027】
その他のビニル単量体(b4)としては、ビニル基含有カルボン酸およびその誘導体〔(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド等〕、脂肪族もしくは脂環式炭化水素単量体〔エチレン、プロピレン、ノルボルネン等〕、フッ素含有ビニル単量体〔パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート等〕、上記以外の窒素含有ビニル単量体〔ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート等〕およびビニル変性シリコン等が挙げられる。
【0028】
これらの中では、(b1)および(b2)が好ましく、スチレンおよび/またはアクリロニトリルがさらに好ましい。
これらの質量比率は、要求されるポリウレタンの物性に応じて変えることができ、特に限定されないが、一例を示すと次の通りである。
(b1)および/または(b2)は、好ましくは50〜100%、さらに好ましくは80〜100%である。(b1)と(b2)の質量比はとくに限定されないが、好ましくは0/100〜80/20である。(b3)は、好ましくは0〜50%、さらに好ましくは0〜20%である。(b4)は、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%である。
なお、(b)中に少量(好ましくは0.05%〜1%)の多官能(好ましくは2〜8官能)ビニル基含有モノマー〔ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート等〕を用いることにより、重合体の強度をさらに向上させることができる。
(A)中の(b)の重合体の含量は、好ましくは3〜50%、さらに好ましくは5〜45%である。
【0029】
本発明では(a)および(B)の合計質量に基づく含有率が、(a11)が1〜20%、(a12)が15〜60%、(a2)が25〜80%であること好ましい。(a11)の下限は、更に好ましくは5%、特に好ましくは7%であり、上限は、更に好ましくは18%、特に好ましくは15%である。(a12)の下限は、更に好ましくは20%、特に好ましくは25%であり、上限は、更に好ましくは50%、特に好ましくは45%である。(a2)の下限は、更に好ましくは35%、特に好ましくは45%であり、上限は、更に好ましくは70%、特に好ましくは65%である。なお、(a1)の含有率は20〜75%が好ましく、下限は、更に好ましくは30%、特に好ましくは35%であり、上限は、更に好ましくは65%、特に好ましくは55%である。これら以外の他のポリオールは、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下である。
(a11)が1%以上では圧縮永久歪みが良好な値を示し、20%以下では伸び物性が良好な値を示す。(a12)が15%以上では伸び物性が向上し、60%以下では反発弾性が良好な値を示す。(a2)が25%以上ではフォーム硬さが向上し、80%以下では伸び物性が向上する。
【0030】
本発明において、ポリオール成分中には、ポリマーポリオール(A)を含有するのが好ましい。また、ポリオール成分中の重合体の含量は、20%以下が好ましい。上限は好ましくは15%、さらに好ましくは10%であり、下限は好ましくは1%、さらに好ましくは5%である。20%以下であると適度な硬さのフォームが得られる。
【0031】
本発明におけるポリイソシアネート成分(C)としては、ポリウレタンに通常使用できるものが用いられる。例えば、炭素数(NCO基中の炭素数を除く)6〜20の芳香族ポリイソシアネート〔2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−もしくは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)等〕;炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート〔ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネート等〕;炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート〔イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート等〕;炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート〔キシリレンジイソシアネート等〕;これらのポリイソシアネートの変性物〔ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビュウレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物等〕およびこれら2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、TDI、MDI、粗製MDI、PAPI、カルボジイミド基含有変性MDI、およびこれら2種以上の併用である。さらに好ましくはMDI、粗製MDI、PAPI、カルボジイミド基含有変性MDI、およびこれら2種以上の併用である。ポリイソシアネート成分としてのNCO基含量は、20〜35%が好ましい。
【0032】
本発明における発泡剤(D)としては、通常水を使用する。
水の使用量は、ポリオール成分100質量部(以下質量部は単に部と略記する。)に対して、好ましくは2〜7部である。下限はさらに好ましくは3部であり、上限はさらに好ましくは6部である。
その他必要により水素原子含有ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、液化炭酸ガス等が用いられる。
【0033】
水素原子含有ハロゲン化炭化水素系発泡剤の具体例としてHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHCFC−123、HCFC−141b、HCFC−22およびHCFC−142b);HFC(ハイドロフルオロカーボン)タイプのもの(例えばHFC−134a、HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、およびHFC−365mfc)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、およびHFC−365mfcおよびこれらの2種以上の混合物である。
水素原子含有ハロゲン化炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール成分100部当たり、好ましくは50部以下、さらに好ましくは5〜45部である。
【0034】
低沸点炭化水素は、通常沸点が−5〜70℃の炭化水素であり、その具体例としては、ブタン、ペンタン、シクロペンタンおよびこれらの混合物が挙げられる。
低沸点炭化水素を用いる場合の使用量は、ポリオール成分100部当たり、好ましくは30部以下、さらに好ましくは25部以下である。
【0035】
本発明における触媒(E)としては、ウレタン化反応を促進する通常の触媒はすべて使用でき、例として、トリエチレンジアミン、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エ−テル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の三級アミンおよびそのカルボン酸塩;酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート等のカルボン酸金属塩等の有機金属化合物;が挙げられる。
触媒の使用量は、ポリオール成分100部に対して、好ましくは0.05〜10部、さらに好ましくは0.1〜8部である。
【0036】
本発明における整泡剤(F)としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、例として、ジメチルシロキサン系整泡剤〔例えば、トーレダウコーニングシリコーン(株)製の「SRX−253」等〕、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤〔例えば、日本ユニカー(株)製の「L−5309」、「SZ−1311」、東レダウコーニングシリコーン(株)製の「SF−2972」、「SF−2965」、「SRX−274C」等〕等のシリコーン整泡剤が挙げられる。整泡剤の使用量は、ポリオール成分100部に対して、好ましくは0.2〜3部、さらに好ましくは0.5〜2部である。
【0037】
本発明においては、必要により、以下に述べるような他の補助成分を用い、その存在下で反応させて得られるものでもよい。着色剤(染料、顔料)、難燃剤(リン酸エステル類、ハロゲン化リン酸エステル類等)、老化防止剤(トリアゾール系、ベンゾフェノン系)、抗酸化剤(ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系等)等の公知の補助成分が挙げられる。ポリオール成分100部に対するこれらの補助成分の使用量に関しては、着色剤は、好ましくは1部以下である。難燃剤は、好ましくは5部以下、さらに好ましくは2部以下である。老化防止剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.5部以下である。抗酸化剤は、好ましくは1部以下、さらに好ましくは0.01部〜0.5部である。
【0038】
本発明において、ポリウレタンの製造に際してのイソシアネート指数(INDEX)〔(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100〕は、好ましくは65〜130、さらに好ましくは70〜120、とくに好ましくは90〜110である。イソシアネート指数が65以上であるとフォームの圧縮永久ひずみ率が良好であり、125以下であるとフォームのキュア時間を短縮できる。
【0039】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームの製造法の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリオール成分、発泡剤、触媒、整泡剤および必要により他の補助成分を所定量混合する。ついで、ポリウレタン低圧もしくは高圧注入発泡機または攪拌機を使用して、この混合物とポリイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を表皮材をセットした密閉型もしくは開放型のモールド(金属製または樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得る。密閉型モールドに注入する場合のパック率は、100〜200%が好ましい。また、スプレー発泡、連続発泡してもポリウレタンフォームを得ることができる。
発泡前に型にセットする表皮材としては、エチレンプロピレンジエンモノマー重合物(EPDM)、ポリオレフィン(オレフィンの炭素数2〜8、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)およびポリ塩化ビニルなどが挙げられる。表皮材の厚みは、好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは1〜5mmである。
【0040】
本発明のポリウレタンフォームとしては、軟質ポリウレタンフォームが好ましい。また、フォームの見掛け密度(全密度)は、好ましくは15〜50kg/m3 、さらに好ましくは25〜48kg/m3 である。フォームの硬さ(25%ILD)は、好ましくは1〜200kgf/314cm2 、さらに好ましくは2〜150kgf/314cm2 である。また、フォームの吸音率は、2000Hzで70%以上(とくに75%以上)、3200Hzで80%以上(とくに90%以上)が好ましい。
【0041】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームと、表皮材からなる遮吸音材(例えば上記の方法で、フォームと表皮材が一体成形されているのが好ましい)は、車両用、とくに自動車用(例えばエンジンルームと座席間)遮吸音材として、好適に用いられる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例および比較例中においても、部および%は、とくに断りのないかぎり、それぞれ質量部および質量%を示す。
【0043】
実施例および比較例におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1)ポリオールa11−1:ショ糖とグリセリンの質量比5:2混合物(平均官能基数5)にPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量6700、水酸基価41.9、EO単位含量10%のチップドポリオール。
(2)ポリオールa2−1:グリセリンにPOを付加させて得られた、数平均分子量1000、水酸基価168のポリオール。
(3)ポリマーポリオールA−1:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量5000、水酸基価33.7、EO単位含量14%のチップドポリオール(a12−1)中で、アクリロニトリルを重合させて得られたポリマーポリオール(重合体含量20%)。
(4)ポリマーポリオールA−2:ペンタエリスリトールにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量8000、水酸基価28.1、EO単位含量14%のチップドポリオール(a12−2)中で、アクリロニトリルおよびスチレンを質量比2:1で重合させて得たポリマーポリオール(重合体含量30%)。
【0044】
(5)ポリオールa12−3:グリセリンにPOとEOをランダム付加後、PO−EOの順に付加して得られた、数平均分子量6000、水酸基価28.1、EO単位含量16%のチップドポリオール。
(6)ポリオールa12−4:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量4700、水酸基価35.8、EO単位含量16%のチップドポリオール。
(7)ポリオールa12−5:グリセリンにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量7000、水酸基価24.0、EO単位含量14%のチップドポリオール。
(8)ポリオールa12−6:プロピレングリコールにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量4000、水酸基価28.1、EO単位含量12%のチップドポリオール。
(9)ポリオールa2−2:プロピレングリコールにPOを付加し、次いでEOを付加させて得られた、数平均分子量900、水酸基価125、EO単位含量10%のチップドポリオール
【0045】
(10)触媒E−1:トリエチレンジアミンのジプロピレングリコール溶液(東ソー(株)製TEDA−L33)
(11)触媒E−2:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルのジプロピレングリコール溶液(東ソー(株)製TOYOCAT−ET)
(12)触媒E−3:反応性触媒(東ソー(株)製TOYOCAT−HX70)
(13)触媒E−4:トリエタノールアミン(日本触媒(株)製)
(14)触媒E−5:ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤(株)製)
(15)触媒E−6:ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルのギ酸塩のジプロピレングリコール溶液(東ソー(株)製TOYOCAT−ETF)
(16)触媒E−7:N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(サンアプロ(株)製U−CAT 1000)
【0046】
(17)整泡剤F−1:整泡剤(東レダウコーニング・シリコーン(株)製SRX−274C)
(18)整泡剤F−2:整泡剤(日本ユニカー(株)製L−5309)
(19)整泡剤F−3:整泡剤(東レダウコーニング・シリコーン(株)製SF−2965)
(20)整泡剤F−4:整泡剤(日本ユニカー(株)製SZ−1311)
(21)イソシアネートC−1:ポリアリールポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製CEW−100x3)、NCO%=26.6
(22)イソシアネートC−2:TDI/粗製MDI=80/20(%)混合物(日本ポリウレタン工業(株)製CE−729)、NCO%=44.8
(23)イソシアネートC−3:MDI系プレポリマー(三洋化成工業(株)製MS−200イソ)、NCO%=21.5
【0047】
実施例1〜2および比較例1〜3
高圧発泡機(PEC社製MiniRIM機)を用いて、表1に示すP成分とI成分を25℃に温調した後、衝突混合させ、60℃に温調した200×200×50mmの密閉モールドに注入し成形した。
各フォームの物性値の測定結果を表1に示す。
ポリウレタンフォームのコア密度および反発弾性はJIS K 6400(1997年版)に準じて測定した。吸音率はASTM E 1050に準じて測定した。
【0048】
【表1】
【0049】
以上の結果から、本発明の実施例1〜2のフォームは、比較例1〜3のフォームに比べ、遮吸音性能に優れていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の遮吸音材用ポリウレタンフォームは、従来のものに比べて非常に良好な遮吸音性能を有することから、車両用、とくに自動車用遮吸音材として著しい有用性を発揮する。
Claims (8)
- コア密度が15〜39kg/m3 であり、反発弾性が17%以下である遮吸音材用ポリウレタンフォーム。
- 下記ポリオール成分とポリイソシアネート成分(C)とを、発泡剤(D)、触媒(E)および整泡剤(F)の存在下に反応させてなる請求項1記載の遮吸音材用ポリウレタンフォーム。
ポリオール成分:ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A)および/またはポリオール(B)からなり、(a)および/または(B)中に、下記ポリオール(a1)および(a2)を含有するポリオール成分。
(a1):平均官能基数が2〜7であり、水酸基価が15〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ただし2種以上のポリオールからなり、官能基数が4以下のものと官能基数が5以上のものの質量比が、(60〜98):(2〜40)である。
(a2):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が100〜250mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が20質量%以下である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。 - (a1)が、下記ポリオール(a11)および(a12)からなる請求項2記載の遮吸音材用ポリウレタンフォーム。
(a11):平均官能基数が4.5〜7であり、水酸基価が25〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜20質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(a12):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が15〜50mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が5〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。 - (a)および(B)の合計質量に基づく(a11)、(a12)、(a2)の含有率(質量%)が、(a11):(a12):(a2)=(1〜20):(15〜60):(25〜80)である請求項3記載の遮吸音材用ポリウレタンフォーム。
- 請求項1〜4のいずれか記載の遮吸音材用ポリウレタンフォームと表皮材からなる遮吸音材。
- 遮吸音材用ポリウレタンフォームと表皮材が一体成形されてなる請求項5記載の遮吸音材。
- ポリオール(a)中でビニルモノマー(b)を重合させて得られるポリマーポリオール(A)および/またはポリオール(B)からなり、(a)および/または(B)中に、下記ポリオール(a1)および(a2)を含有する遮吸音材用ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分。
(a1):平均官能基数が2〜7であり、水酸基価が15〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、ただし2種以上のポリオールからなり、官能基数が4以下のものと官能基数が5以上のものの質量比が、(60〜98):(2〜40)である。
(a2):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が100〜250mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が20質量%以下である(ポリオキシエチレン)ポリオキシプロピレンポリオール。 - (a1)が、下記ポリオール(a11)および(a12)からなる請求項7記載の遮吸音材用ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分。(a11):平均官能基数が4.5〜7であり、水酸基価が25〜60mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が1〜20質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
(a12):平均官能基数が2〜4であり、水酸基価が15〜50mg/KOHであり、オキシエチレン単位の含有量が5〜30質量%であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
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JP2006195055A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Asahi Rubber Kk | 防音材およびその製造方法 |
EP1876038B2 (en) † | 2005-04-28 | 2018-09-26 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Assembly of pneumatic tire and rim |
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