JP2004122724A - インクジェット記録装置及びラミネート装置 - Google Patents

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安立 栄一
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Abstract

【課題】インク打ちこみ量にかかわらず、インクの不完全乾燥状態での転写定着系への搬送をなくし、ラミネート処理を美しく仕上げることのできるインクジェット記録装置及びラミネート装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録ヘッドによる記録位置よりも記録紙搬送方向下流側に配置され、前記記録紙にラミネート処理する定着手段と、前記記録ヘッドからのインク吐出による記録紙へのインク濃度密度を取得するインク密度検出手段と、前記記録媒体へのインク濃度が一定の値を超えたことを検出する濃度検出手段と、前記インク濃度が一定の値を超えたときに記録動作を制御するための記録制御手段とを有することを特徴とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタおよび通信機器等の各種情報機器に搭載あるいは接続されるインクジェット記録装置及びシートにラミネート処理を行うラミネート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録方法の1つとして、熱エネルギーによってインク中に気泡を形成し、この気泡の成長、収縮によりインクを記録媒体に飛翔させて画像を形成する方法が知られている。この方式による記録ヘッドは、周波数応答性に優れ、吐出口を多数設けられるため、記録速度を速くすることができるという特徴がある。近年、この特徴を生かして、吐出口がより多く実装されるヘッドが出現し、一回の記録走査で多くの行を記録可能になり、それと同時に、一回の走査で多量にインクの打ちこみを行うために、紙に対してインクの吸水性がより高いものを求められるようになっている。このため、紙の乾燥に時間がかかるようになってきている。
【0003】
一方、インクジェット記録装置には、記録紙の保護さらには耐水性、耐オゾン性などの保存性向上を図るために記録物の表面に樹脂フィルムを加熱溶融後硬化させる、あるいは樹脂フィルムに塗布された粘着物を加熱溶融後硬化させる方法等(ラミネート)によって、記録表面にラミネート層を形成し、長期保存を可能にする方法が実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インクジェット記録装置にあっては記録直後の記録物には、インク中に含まれる水分が大量に用紙表面に含まれるため、この水分が乾燥する前にラミネート加工を行うと以下のような不具合を生じる。
【0005】
(1)定着ローラが温度低下する。
【0006】
記録紙を定着ローラに通紙して加熱する場合、記録紙に含まれる水分が気化し、その気化熱で定着ローラの熱量が奪われ、記録紙の加熱に必要な熱量(温度)が不足し、十分な定着が行えない場合がある。
【0007】
(2)記録紙の比熱が増大する。
【0008】
インクに含まれる水分の比熱は、記録紙の比熱よりも大きいため、インクが大量に打ち込まれた記録紙の比熱は大きくなる。このため、記録紙を定着に必要な温度にするための熱量が不足し、十分な定着が行えない場合がある。
【0009】
(3)水蒸気が発生する。
【0010】
ラミネートのために記録紙を定着手段で加熱すると、記録紙に含まれる水分が気化する。この状態でラミネートフィルムにより記録紙表面を覆うと、行き場を失った水蒸気が記録紙とコーティング材の境界面に挟まれ、記録紙とラミネートフィルムが密着することを妨げる。すなわち十分な定着が行えない場合がある。
【0011】
つまり、もともと、記録画像と記録紙の保護をねらってラミネートフィルムを定着しようとしているにもかかわらず、水蒸気の気化による気泡により仕上がりが見苦しくなる。
【0012】
そこで、上記のような水分を多量に含んだ記録物にラミネートを施す際には、定着器の上流側に乾燥手段を備え、記録物に含まれる水分を短時間でラミネート可能な含水率以下に乾燥させ、その後にラミネートを行うようにしたものがある。その乾燥方法としては、加熱された2本のローラの間を通過させて用紙を急激に加熱することで乾燥させる、加熱ファンで熱風を用紙に吹き付けることで乾燥させる、といった方法を用いている。
【0013】
しかし、記録に際して画像によって打ち込まれるインク量が異なるため、記録後の記録紙の含水率は変化する。すなわち、打ち込まれたインク濃度密度が高い場合は含水率は高く、インク濃度密度が低い場合には含水率も低くなる。
【0014】
また、前記記録紙の含水率は記録環境(温度、湿度)により変化することが知られており、さらには用紙の種類によって異もなる。
【0015】
そのため一定の加熱量で乾燥を行うと、用紙の含水率が大きい場合は乾燥量が必要量に満たないおそれがある。逆に含水率が低い場合には加熱しすぎて記録紙自体を焦がしてしまうおそれがある。
【0016】
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、インク打ちこみ量にかかわらず、インクの不完全乾燥状態での転写定着系への搬送をなくし、ラミネート処理を美しく仕上げることのできるインクジェット記録装置及びそのためのラミネート装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドによる記録位置よりも記録媒体搬送方向下流側に配置され、前記記録媒体にラミネート処理する定着手段と、前記記録ヘッドからのインク吐出による記録媒体へのインク濃度密度を取得するインク密度検出手段と、前記記録媒体へのインク濃度が一定の値を超えたことを検出する濃度検出手段と、前記インク濃度が一定の値を超えたときに記録動作を制御するための記録制御手段とを有することを特徴とする。
【0018】
上記構成にあっては、記録媒体へのインク濃度密度が一定以上になると、記録媒体搬送速度を変化させ、あるいは記録速度を変化させる等の記録動作を制御することにより、記録後の記録媒体が定着手段へ至るまでの時間を制御し、インクの乾燥時間を変動させる。これにより、定着手段におけるインクの乾燥状態が一定になり、高品位の表面保護仕上げを行うことが行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置について図面を参照して説明する。
【0020】
〔第1実施形態〕
まず、図1を参照して本実施形態におけるインクジェット記録装置の概略を説明する。なお、図1はインクジェット記録手段と記録媒体の定着手段が一体となったインクジェット記録装置の模式説明図である。
【0021】
{装置の概略構成}
本実施形態では長尺状のロール紙を記録媒体として用いている。尚、記録媒体はロール紙に限らず、カット紙であってもよく、またプラスチックシート等の紙以外の材質であってもよい。
【0022】
記録媒体としての記録紙1を搬送ローラ2によって記録手段へと搬送する。記録手段はシリアル型のインクジェット記録方式を用いている。すなわち、記録ヘッド3が図示しないキャリッジに搭載され、このキャリッジがロール紙搬送方向と交差(本実施形態では直交)する方向に往復移動可能であり、この移動と同期して記録ヘッド3からインクを画信号に応じて吐出することにより、記録紙1にインク像を記録するものである。そのため、記録ヘッド3は微細な液体吐出口(オリフィス)、液路及びこの液路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段を備えている。
【0023】
このようなエネルギーを発生するエネルギー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた記録方法、レーザー等の電磁波を照射して発熱させ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法、あるいは発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等がある。
【0024】
その中でも熱エネルギーによって液体を吐出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するための液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列することができるために高解像度の記録をすることが可能である。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、高密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0025】
尚、本実施形態ではインクの吐出構成として、記録信号に応じて電気熱変換体に通電し、その熱エネルギーによってインクに生ずる膜沸騰を利用してインクに生ずる気泡の成長、収縮により、インクを吐出口から吐出して記録を行うように構成している。そして、記録が終了すると、ペーパーカッター4により記録紙1が所定長さで切り離される。
【0026】
次にカットされた記録紙1は図示しないガイドに沿ってスイッチバックローラ5へ送られ、このスイッチバックローラ5が記録紙1を所定量スイッチバック経路へ搬送した後に逆転駆動することで、記録後の記録紙1をラミネート手段である定着手段6へと搬送する。
【0027】
ここで、本実施形態における定着手段6はインク像が記録された記録紙表面にラミネートフィルムを転写定着するものであり、ラミネートフィルムの供給元となるドナーロール6aが、スイッチバックしてきた記録紙とともに、転写ローラ6b,6cに引き込まれ、ここで、高温圧着を行う。そして、ベースフィルムの剥離を行う剥離ローラ6dにより、転写後の残りであるベースフィルムの巻取ローラ6eが作動している。こうして、表面にラミネートフィルムが転写定着された記録紙が装置外へ排出される。
【0028】
{制御構成}
図2は上記インクジェット記録装置の制御手段の構成ブロックである。同図において、インクジェット記録装置に通常装備される部品や制御手段、例えば、ホストシステムから記録データを受け取るインターフェースであるセントロニクス・パラレルインターフェース部や本装置の電源部は省略している。
【0029】
マイクロプロセッサ等のCPU10は本記録装置全体の制御を管理するものであり、その管理制御のプログラム(一部を図3のフローチャートで示す)や各種データは、ROM11に格納されている。その際、作業用のメモリであるRAM12を実行時のワークエリアとして自由に使用できるものとする。
【0030】
記録紙の搬送を行う搬送ローラ2等を駆動する搬送モータ13を制御する搬送モータ制御部14と、記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録紙の搬送方向と垂直方向に移動させるキャリッジモータ15を制御するキャリッジモータ制御部16が装備され、このキャリッジモータ制御部16は、実際には記録ヘッド3からインクを吐出させるためのヘッド駆動周波数制御部17と連携して記録を行う。また、このとき、記録データは画像用メモリ18に格納されており、ヘッドのインク吐出周期にあわせて読み出され、記録ヘッド3内のシフトレジスタへ送られる。ここで、画像データをヘッドに送る際、実際にどれだけ記録を行うデータがあるのか(これを「ドットカウント値」という)の検出を行うドットカウント値測定部19が介在する。
【0031】
ここで、記録を行うとは、所定色のインクを吐出させるのか否かのことである。さらに、その行のドットカウントから適切な乾燥状態で定着手段に記録後の記録紙が送れるように、インク濃度の判定と実際の処置を選択する乾燥条件設定手段20と、乾燥制御の条件パラメータとして使用される環境温度、湿度を測定する温度湿度測定部21で構成される。
【0032】
{記録動作制御}
本実施形態のインクジェット記録装置にあっては、インク像が形成された記録紙から定着手段6に搬送されるまでに適切な乾燥状態となるように記録動作が制御される。次にそのための構成及び動作について説明する。
【0033】
情報処理装置から受信した各構成色ごとの画像データを画像用メモリ18に展開すると、ドットカウント値測定部19が実行されて、その記録行のドットカウントを計測する。この値は、乾燥条件設定手段20に渡されてRAM12に記憶される。また、温度湿度測定部21の測定結果も同様に乾燥条件設定手段20に渡されRAM12に記憶される。
【0034】
図3はインク濃度に応じて記録動作を制御する手順を示すフローチャートである。
【0035】
まず、ステップ100においてインク密度検出手段により記録濃度密度計算を行う。この濃度密度計算は、RAM12に格納されているドットカウント値から、全体行のすべてのノズルから吐出する場合を100%とし、どの程度の割合で吐出しようとしているかを算出する。ここでは、記録ヘッド3を構成するインク色の数に応じて、それぞれの密度を算出する。もし、黒、黄、濃シアン、淡シアン、濃マゼンタ、淡マゼンタの6色インクヘッドならば、この密度値は6個取得される。
【0036】
さらにステップ200で環境温度または湿度を取得する。どちらの条件に比重を取るかは、あらかじめ記録紙と採用されたインク原料で決定され、ROM11にデータとして保持されている。このとき、温度条件又は湿度条件に応じて、各色の濃度密度に補正量ΔTtまたはΔThをかけることにより(ステップ300)、環境条件も加味した濃度密度Teが得られる。なお、ΔTtは温度条件に応じて算出される補正量であり、ΔThは湿度条件に応じて算出される補正量である。
【0037】
そして、濃度検出手段により記録紙へのインク濃度が一定の値を超えたことを検出する。この検出は、前記6つの密度値のうち、どれか1つでも、あるしきい値Tを超える濃度をもつ色の行があるか否かで判定する(ステップ400)。
【0038】
しきい値Tは、それぞれの記録装置に採用される記録紙に応じて、実験的に導かれる。この補正した濃度密度Teの大きさにより、ステップ500の濃度別最適操作対象の取得として、最適な操作対象をテーブルから検索する。ここでの操作対象とは、搬送モータ13、キャリッジモータ15あるいは吐出周波数のことである。
【0039】
そして、インク濃度がしきい値を超えたときに記録紙が記録開始から定着手段6まで搬送される時間に一定の乾燥状態になるように、記録制御手段によって前記ステップ500で決定した操作対象に対して記録条件(搬送モータ13やキャリッジモータ15の速度、もしくは吐出周波数の変更)が決定される(ステップ600)。
【0040】
すなわち、しきい値Tが所定値以上になった場合には記録速度を低下させ、あるいは記録紙搬送速度を低下させることにより、記録後の記録紙が定着手段6に至るまでの時間を長くし、その間に自然乾燥させることにより不完全乾燥状態でラミネート処理が行われないように制御するものである。
【0041】
尚、さらに適切な乾燥状態にせしめるために、この定着手段6に至るまでの工程、具体的には記録後の記録紙が定着手段6に至るまでのスイッチバック工程において、より速く効率的な乾燥を行うための加熱乾燥手段を補助的に設けてもよい。
【0042】
上記補助的熱乾燥手段22(図2参照)は前述したようにインク濃度により記録動作を制御して記録紙の乾燥を均一にする工程をさらに均一な乾燥状態に仕上げるものである。ここで、補助的としたのは、本実施形態の記録装置は前述のように自然乾燥を利用しても主たる目的を達成できるものであり、あくまで本実施形態の主眼が記録の際の乾燥制御を同期的に行うことであるが、記録紙が定着手段6に搬送されるまでに、より速く、より均一な状態に仕上げる補助的なものだからである。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、定着手段6に記録直後の記録紙が搬送されるまでに、記録紙へのインク打ち込み量や記録環境によらず、適切な乾燥状態に仕上げることができ、ラミネートフィルムの破損や定着不良を防止でき、ラミネート処理を美しく仕上げることができる。
【0044】
〔第2実施形態〕
図4は本発明の第2実施形態のインクジェット記録装置の構成ブロック図である。この実施形態は前述した第1実施形態と制御構成が異なるのみで他は同一であるため、ここでは異なる部分について説明し、重複する説明は省略する。
【0045】
本実施形態の大きな特徴はプリンタCPU30が制御するブロック(これを「エンジン制御部」という)に対して、情報処理装置に代表される別のホストCPU40を持つ記録装置制御手段を擁するブロック(これを「コントローラ部」という)が別に接続されている点である。このコントローラ部は、本実施形態の記録装置に接続される情報処理装置であっても、エンジン部と装置内で物理的に接続されるものであってもかまわない。
【0046】
コントローラ部には、その制御を管理するマイクロプロセッサに代表されるホストCPU40があり、レンダリングおよびインク色分解を行う画像形成手段41とその画像データを格納する画像メモリ42を有する。この画像データはインターフェース制御手段43を通して、エンジン部に転送される。同様に、エンジン部に対して記録実行を制御する記録制御手段44よりコマンドとして前記インターフェース制御手段43を経由して、エンジン部を制御するものである。
【0047】
さらに、コントローラ部には、画像メモリ42中の2値化データを参照して、ページ全体のドットカウントを計測するドットカウント計測手段45と、環境温度又は湿度情報を取得する温度湿度測定手段46、並びにそのページ全体記録における乾燥条件等を決定する乾燥条件設定手段47を具備する。
【0048】
一方、エンジン部は、エンジン部を制御するプリンタCPU30とコントローラ部からのデータを受けるインターフェース制御手段32とそのデータを格納する画像メモリ31、コントローラから指定される条件で記録を行わせるための搬送モータ制御手段33、キャリッジモータ制御手段34、並びに吐出周波数制御手段35を具備している。また、前述した第1実施形態と同様に、補助的熱乾燥手段36を装備している。ただし、この実施形態でも熱乾燥手段自体はコントローラ部の乾燥条件設定手段により、その雰囲気温度を制御されている。ちなみに、記録ヘッド等各制御対象は図中には記載していない。
【0049】
この実施形態における上記構成からなる乾燥条件決定のための基本的なフローは第1実施形態で示したフローチャート(図3)とほぼ同様である。ただし、第1実施形態と処理の仕方が根本的に異なるのは、その記録行の濃度密度を前提条件として使用するのではなく、コントローラ部の画像形成手段が作成したページ全体の濃度密度を求めることにある。
【0050】
ページ全体の濃度密度Dpは、温度、湿度といった環境条件を加味されて補正濃度Deに置き換えられる。ここで、同様にページ全体の濃度に対するしきい値Tpを超える濃度をもつ色があるならば、乾燥条件設定手段47により、適切な乾燥条件にするために搬送モータやキャリッジモータ等の操作対象が検索されて、ページ全体としてどのように、記録すべきかを決定される。このとき、補助的熱乾燥手段36の雰囲気温度の設定も決定される。そして、ここで、決定された記録方法は、記録制御手段44によりコマンド定義され、インターフェース制御手段43を通して、エンジン部に通知される。この通知を受けたエンジン部は、このコマンドの指示どおりの記録設定を行い、画像の濃度密度の高低にかかわらず、通常の記録シーケンスを行う。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、情報処理装置においてページのデータを作成する際、記録面全体のドットカウントが取得できるので、記録紙全体としての濃度密度を把握することができ、環境温度、湿度計測手段による測定値を情報処理装置が取得することで、情報処理装置側で記録を始める前にその記録紙と環境に応じた、適切な記録速度をあらかじめ設定でき、ラミネートフィルムの仕上がりの向上に貢献できる。さらに、ページ全体が一定速度で記録されることで、すじムラ等の画質の低下をさけることができるという効果も期待できる。
【0052】
さらに、コントローラ部をパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で代用すれば、近年のマイクロプロセッサの高性能化に伴い、コントローラ部側の負荷は重くはなく、ハードウェア的な追加要素はないため、ソフトウェアですべて処理することが可能となり、高速化の期待もできる。さらに、エンジン部側が簡略化できるため、記録装置自体のコストダウンにもつながるという効果が得られる。
【0053】
〔第3実施形態〕
第3実施形態として、記録ヘッドがスキャンして記録するインク像を複数に分割し、分割パターンごとに記録を行う記録動作制御について説明する。尚、この第3実施形態では前述した第1実施形態で示した適切な乾燥状態にするための操作対象が搬送モータ制御手段のみに限られている以外は、構成する要素ブロックは同じである。これを図2において他の操作対象がないものとして使用する。
【0054】
まず、環境を考慮した補正濃度密度Teが決定されるまでは、第1実施形態と同じフローをとる。
【0055】
次に記録される、その第n番目の行のインク密度Teがあるしきい値Thより大きい場合、この第n番目の行のスキャンで記録される画像を1ブロックがm個に分割された複数のブロックの画像として、この複数のブロックを1度にm回のスキャンで記録することにし、この画像を分割する数およびスキャンする回数mを変化させることで、1度に記録されるインクの記録面積の調節、および第n番目の行の画像をスキャンする時間の調節を行う。
【0056】
図5は記録行を(a)および(b)のパターンに分割したもので、本実施形態の方法は第n番目の行の画像を図5のように(a)と(b)の2つのパターンに分けて、2回のスキャンで記録する。例えば、(a)のパターンを往路で記録し、(b)のパターンを復路で記録する。この条件設定によれば、画像の密度の高い部分は、画像が分割されて記録されるため、記録されるインクの面積は小さくなり、分割されない場合の画像に比べてインクの乾燥が早くなる。また、スキャン回数を増やすことにより、このn番目の行を記録する時間が長くなり、記録されたインクはこの時間内に乾燥する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、インクの打ちこみが多く記録されたインクが乾燥しにくい場合でも、記録速度を大幅に低下させることなく、少なくとも、定着手段にはいるまでに、適切な時間を経過させることができ、第1実施形態と同様な効果をあげることができる。
【0058】
〔第4実施形態〕
次に図6乃至図9を参照して本発明の第4実施形態に係るインクジェット記録装置として、ラミネート前に水分を強制的に乾燥させる装置について説明する。尚、図6は第4実施形態に係るインクジェット記録装置の模式説明図であり、図7はラミネート工程を示す説明図、図8はラミネート工程の模式斜視説明図、図9は定着ローラのクリーニング構成説明図である。
【0059】
{全体構成}
図6において、51は記録媒体にインクを吐出してインク像を形成するインクジェット記録ヘッド、52は記録紙を搬送するための搬送ローラ、53は記録媒体であるロール紙を収納した記録紙カートリッジ、54は記録紙を所定位置で切断するカッターである。また、55は記録後の記録紙を乾燥させるための乾燥手段、56は記録位置よりも記録紙搬送方向下流側に配置され、記録後の記録紙表面をラミネートしてインク像を定着するための定着手段、57は記録紙を冷却するための冷却手段、58は記録紙とラミネートベースフィルムとを分離する分離部、59は記録紙を排出する排紙ローラ、60は排出された記録紙を受ける排紙トレイである。
【0060】
記録紙カートリッジ53内部にロール状に巻かれている記録紙61は、搬送ローラ52によって精度良く間欠送りされ、インクジェット記録ヘッド51によりその表面に画像が形成される。尚、記録手段は前述した第1実施形態と同じシリアル型のインクジェット記録方式を用いている。
【0061】
記録終了後、記録紙61は後端がカッター54を通過する位置まで早送りされ、カットされる。カットされた記録紙61は不図示の搬送系により乾燥手段55に搬送される。同時に、ロール側の記録紙61は記録準備位置まで搬送ローラ52および記録紙61の逆回転により引き戻される。
【0062】
本実施形態におけるインクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッドでインクを打ち込まれた記録紙に、定着手段56において透明な樹脂をコーティングすることにより、光沢に富み耐候性に優れる記録物を制作することができる。しかし、インクには多量の水分が含まれているため、インクを大量に打ち込まれた記録紙を記録直後にラミネートするには、記録物を乾燥しなければならない。
【0063】
この問題点を解決するために、本実施形態では乾燥手段55を設けている。すなわち、インクを大量に打ち込まれた記録紙をコーティングする前に、記録紙中のインクに含まれる水分をラミネート可能に強制的に蒸発させるものである。
【0064】
{乾燥手段}
ここで、乾燥手段55の構成について具体的に説明する。図6において、55aは表面がシリコンゴム製の中空の乾燥加熱ローラ、55bは乾燥加熱ローラ55aに不図示の押圧機構によって押圧される表面がシリコンゴム製の乾燥加圧ローラ、55cは中空の乾燥加熱ローラ55aの中空部に挿入され、乾燥加熱ローラ55aを加熱する乾燥ヒータである。また、55dは搬送経路切替フラップであり、記録されてカットされた記録紙を乾燥手段55に導くときには記録手段と乾燥手段をつなぐ搬送経路を形成し、乾燥された記録紙を定着手段に導くときには乾燥手段と定着手段をつなぐ搬送経路を形成するように回動する。55eは乾燥加熱ローラ55aと乾燥加圧ローラ55bによって形成される乾燥ニップである。
【0065】
55fは加熱制御手段としてのヒータ温度制御器であり、装置環境温度及び湿度を測定するために装置内に設けられた温度計53aと湿度計53bにより測定された記録紙カートリッジ53内部の温度及び湿度に応じた用紙の含水量の算出、その値にさらにインクジェット記録ヘッド制御部62より得られるインク吐出量を加えた、記録直後の用紙の含水量を算出し、画質、用紙の品質を損なわない程度の温度、かつ、ラミネートに必要な乾燥量を得る表面温度になるよう、ヒータ温度を調節して加熱ローラ表面温度を制御している。
【0066】
ここでヒータ温度制御器55fの内部には、あらかじめ用紙サイズに応じて温度、湿度による用紙の含水量が入力されており、この値と現在のカートリッジ内部の温度、湿度とを照らし合わせることで、現在の用紙の含水量を算出している。また、インクジェット記録ヘッド制御部62では、一枚記録するごとにノズルからのインク吐出回数が測定されており、この吐出回数に一回あたりの吐出インク量を掛けることで用紙全体に対する吐出インク量を測定している。
【0067】
前述の如くカッター54でカットされた記録紙61は不図示の紙搬送系により、乾燥ニップ55eに挟持される。乾燥加熱ローラ55a及び乾燥加圧ローラ55bは加圧接触して回転しているので、共に乾燥ヒータ55cにより熱せられる。また乾燥ニップ55eの温度はヒータ温度制御器55fによって温度調整され、ラミネートに必要な乾燥量を得つつ、画質、用紙の品質を損なわない程度の温度に加熱されている。
【0068】
このため、記録紙61は乾燥ニップ55eを通過する際に加熱され、ニップ通過直後からインクに含まれる水分を急激に蒸発する。すなわち、両ローラ55a,55bによって加熱されている間は、記録紙は加熱される。そして、記録紙がゴムローラによるニップに挟まれているときは蒸気の逃げ場がないため蒸発できないが、記録紙がニップを通過すると記録紙およびインクに貯えられた熱エネルギーで急激に蒸発が行われる。この乾燥工程によってラミネート定着時において以下のような効果が得られる。
【0069】
すなわち、記録紙に含まれる水分量が少なくなるため、定着手段56において記録紙を高温にしても水蒸気の発生が少なく、気泡の発生が防げる。また、定着手段56で高温にしても気化熱で奪われる熱エネルギーが少なく、記録紙を定着ローラに近い温度まで加熱でき、ラミネート層を変性させるに十分な熱エネルギーを供給できる。言い換えると、同量の熱エネルギーを与えるのであれば、定着ローラをより低い温度で使用できる。さらに、記録紙の比熱(熱容量)が小さくなるために、記録紙を定着ローラに近い温度まで加熱でき、ラミネート層を変性さすに十分な温度を維持できる。
【0070】
また、乾燥ニップ通過後の記録紙の蒸気発生が少なくなるため、定着ニップで封止するとき水蒸気の閉じ込めが無くなり、記録紙と転写シートの密着性を損なわなくなる。
【0071】
さらに、記録紙が高温になっているために、定着手段56において記録紙が短時間で定着ローラに近い温度になり、ニップを通過する短い時間(例えば0.1〜0.3秒)でラミネート層を変性させるに十分な温度を確保できる。言い換えると、記録紙を同じ温度まで上昇させるのであれば、定着ローラをより低い温度で使用できる。
【0072】
{定着手段}
前記の如くして乾燥手段で水分が蒸発した記録媒体は定着手段56においてラミネート定着処理される。次にこの定着手段の構成について具体的に説明する。この定着手段(ラミネート手段)は記録紙にラミネート処理するラミネート装置として機能する。
【0073】
乾燥ニップ55eを通過した記録紙は、定着搬送系63を通り、先端が転写シート56aに当接する。転写シート56aは、図7及び図8に示すように、ベース材56a1上に表層材層56a2および粘着層56a3が製膜されており、記録紙61に粘着層56a3を圧接、加熱することにより記録紙61と一体化し、これを冷却手段57によって冷却後にベース材56a1を剥離することによって、記録紙表面を粘着層56a3を介し、表層材層56a2でコーティングするものである。
【0074】
転写シート56aは巻出しロール56bからガイドローラ56c、表面にシリコン系あるいはフッ素系の表面処置がされた定着加熱ローラ56dと表面がシリコンゴム製でフッ素系チューブで覆われている定着加圧ローラ56eからなる定着ニップ56fを介して巻取りロール56gに巻き取られる。56hは中空の定着加熱ローラ56dの中空部に挿入され、定着加熱ローラ56dを加熱する定着ヒータである。巻取りロール56gは転写シート56aを巻上げる方向の回転駆動が可能であると同時に、転写シート56aを巻き戻す方向に対して所定トルクでの回転規制かかかる構造となっている。これとは逆に、巻出しロール56bは転写シート56aを巻き戻す方向の回転駆動が可能であると同時に、転写シート56aを巻き上げる方向に対し所定トルクでの回転規制かかかる構造となっている。すなわち転写シート56aには巻き上げ、巻き戻し、いずれの方向にも張力が働き、シワの発生を防止している。転写シート56aの幅は記録紙61よりわずかに広くなっており、双方の幅方向位置が多少ずれても記録紙全面を覆うことができる。
【0075】
記録紙61はまず転写シート56aに当接した後、定着ニップ56fで転写シート56aと共に挿入され、加圧、加熱される。記録紙61をまず転写シート56aに当接することにより、記録紙先端が折れ曲がり、折り畳まった状態で加圧、加熱されることが防止される。記録紙61はその後、冷却手段57で冷却され、分離部58で曲率分離された後、排紙ローラ59によって排紙トレイ60に排紙される。
【0076】
次に定着工程における定着加圧ローラ56eのクリーニングについて述べる。定着ニップ56fに転写シート56aと共に記録紙61が挿入される場合は、記録紙に対向する部分の転写シート上の粘着層は記録紙に転写されるが、転写シート56aは記録紙61より幅が広いため、記録紙範囲外の粘着層56a3は定着加圧ローラ56eの表面に接触する。さらに、連続して記録紙61が挿入されたとしても、記録紙の重なりを防ぐことを考慮すると、紙間をゼロにすることはできず、紙間に相当する部分の粘着層56a3は定着加圧ローラ56eの表面に接触する。
【0077】
定着加圧ローラ表面はフッ素系チューブで覆われ、異物が付着し難く、付着しても除去しやすい表面性を持っているが、上記構成においては異物(粘着層56a3の一部が付着したものなど)の付着を完全に防ぐことはできない。定着加圧ローラ表面に異物が付着すると、ローラの回転に伴い異物が転写シート56aの粘着層56a3に転写し、最終的には記録紙表面に転写し、記録品位を損なう。
【0078】
そこで本実施形態では異物を拭き取るために、定着加圧ローラ56eの表面に不織布を当接させ、異物を拭き取るクリーニング手段を設けている。
【0079】
70はクリーニング手段で、70aはロール状に巻かれた不織布で、巻出しロール70bから押し当てローラ70cを介し、巻取りロール70dに巻き取られる。押し当てローラ70cは発泡ゴム製で不図示の加圧部材により定着加圧ローラ56eに押圧されている。よって、不織布70aは定着加圧ローラ56eの表面に押圧されている。定着加圧ローラ56eが回動すると、不織布70aは付着した異物を繊維質間に取り込み、定着加圧ローラ56eの表面の異物を拭き取る。巻取りロール70dは不図示の駆動機構により間欠回動可能で、定着加圧ローラ表面に当接している部分の不織布70aに異物が相当量付着した時点で回動し、新しい不織布面を定着加圧ローラ表面との当接部に引き出す。この機構により、定着加圧ローラ表面は常に異物の付着の無い状態に保たれる。
【0080】
上記クリーニング手段70は、乾燥手段55の乾燥加熱ローラ55a近傍にも同様の機構が設けられており、記録面のローラ表面への転写による汚れを除去している。
【0081】
このように記録紙カートリッジ53内部の温度、湿度を測定し、記録紙61の含水量を測定する。さらに記録時の吐出インク量を測定し、記録直後の含水量を測定することで、ラミネート可能な含水率にするための乾燥量を算出する。この乾燥量を得るべく乾燥手段55での加熱量を調整することで、記録紙の含水量が大きい際の乾燥量の不足や、含水量が少ない際の加熱し過ぎによる記録紙の品質低下といった問題点を解決することができる。
【0082】
〔第5実施形態〕
前述した第4実施形態においては、乾燥手段55にローラ対を用いた加熱加圧機構を用いたが、機構はこれに限定されることはない。第5実施形態では、図10に示すように、加熱ファンを用いた乾燥手段80の例について述べる。なお、乾燥手段80以外は前述した第4実施形態と同様なので説明を省略する。
【0083】
80aは加熱ファンであり、熱風が直接記録紙の記録面へと吹き付けられる。80bは乾燥トンネルであり、ある程度密閉した空間の中に熱風を通風させることで、効率のアップを図っている。80cは排気ダクトであり、加熱ファン80aから乾燥トンネル80bへ送風された空気を外部へと排出している。55dは搬送経路切替フラップであり、記録されてカットされた記録紙を乾燥手段80に導くときには記録手段と乾燥手段80をつなぐ搬送経路を形成し、乾燥された記録紙を定着手段56に導くときには乾燥手段80と定着手段56をつなぐ搬送経路を形成する如く回動する。
【0084】
55fはヒータ温度制御器であり、第4実施形態と同様、加熱ファン内部のヒーターを制御して送風する空気の温度を調整している。記録紙の搬送は第4実施形態と同様なので説明を省略する。
【0085】
前記乾燥手段80を用いた場合、加熱量の調整は熱風の温度を下げる、ファンの駆動時間を少なくする、といった方法が考えられ、ローラ乾燥に比べ比較的制御が容易である。
【0086】
〔第6実施形態〕
次に第6実施形態として、記録後の記録紙の重量を直接計測することで記録紙の含水量計測する例を図11を参照して説明する。また本実施形態では前述した第4実施形態のように、インクジェット記録ヘッド51、記録紙カートリッジ53及びカッター54が存在せず、ラミネート装置として独立した構成になっており、外部の記録機構で記録された記録物を持ち込み、これをラミネート処理するように構成している。また、乾燥手段55よりも記録紙の搬送方向上流側に用紙重量計測手段90が存在することを除き、他の部分は第4実施形態と同様である。
【0087】
90は用紙重量計測手段で、90aは記録紙トレイであり、外部より挿入された記録紙61は搬送ローラ90bにより記録紙トレイ90a上に搬送される。ここで挿入される用紙は用紙判別手段91において用紙判別センサ91aが専用用紙に設けられているマーカーを読み取ることで、あらかじめ指定されている用紙であるか、またそのサイズが判別されており、専用用紙以外や想定外のサイズの記録紙が挿入された場合は用紙判別手段91より、不図示の搬送ローラ制御部へ信号が送られ、搬送ローラ52が逆転して記録紙を外部へと排出する。記録紙61が記録紙トレイ90a上に到達後、搬送ローラ90bのニップは不図示のニップ解除機構により解除される。その後、90cの重量計測器により重量が測定され、測定値は前述ヒータ温度制御器55fへと送信される。ヒータ温度制御器55fでは送信された記録後の重量及び用紙判別手段91より送信される用紙サイズと、あらかじめ計測され、確認されている専用用紙及びサイズにおけるラミネートに必要な記録紙重量との比較を行い、乾燥すべき水分量を算出する。さらに画質、記録紙の品質を損なわない程度の温度、かつ、ラミネートに必要な乾燥量を得る表面温度にすべく、ヒータ温度を調節し、加熱ローラ表面温度を制御している。
【0088】
このような構成においても、前述した第4実施形態と同様、記録紙の画質や品質を損なうことなくラミネート可能な含水量以下に乾燥することができる。さらに記録手段を分離したことで、装置の小型化、他の記録装置での記録物もラミネートできるという利便性の向上が期待できる。
【0089】
〔第7実施形態〕
前述した第4及び第6実施形態においては、乾燥部にローラ対を用いた加熱加圧機構を用い、ヒータの温度制御を行うことで乾燥量の調整を行ったが、第7実施形態では乾燥部にローラ対を用いた加熱加圧機構において、加圧力を調整しニップ幅を変化させ乾燥量を制御する例について述べる。乾燥部以外は第4実施形態と同様なので省略する。図12に加圧機構のレイアウトを示す。
【0090】
55gは加圧ばねであり、55hの加圧ローラ軸受を加圧し乾燥加圧ローラ55bを乾燥加熱ローラ55aへ押圧している。55iは加圧調整板で加圧ばねに当接しており、不図示の加圧調整板可動機構により加圧ばね55gに対し上下に可動し、加圧ばね55gの長さを変化させ加圧力を調整することができる。この加圧力の変化に応じて乾燥ニップ55eのニップ幅も変動するため、加圧力を高めニップ幅を大きくすれば印刷紙61と乾燥加熱ローラ55aとの接触時間が増え乾燥量が増える。逆に加圧力を低くしニップ幅を小さくすることで乾燥量を減らすことができる。55jは加圧力制御器であり、実施例1におけるヒータ温度制御器55f同様、温度計53aと湿度計53bにより測定された用紙カートリッジ53内部の温度及び湿度に応じた用紙の含水量の算出、その値にさらにインクジェット記録ヘッド制御部62より得られるインク吐出量を加えた、印刷直後の用紙の含水量を算出し、画質、用紙の品質を損なわなずにラミネートに必要な乾燥量を得るよう、不図示の加圧調整板可動機構を介して加圧調整板55iを調節し加圧力を変化させ乾燥量を制御している。
【0091】
このように加圧力の調整により乾燥量を制御する方法でも、実施例1と同様の効果が期待できる。またヒータ温度の制御よって乾燥量の調整を行う場合は、ヒータ温度の変化に対しローラ表面温度の変化に遅れが生じるが、本実施形態の場合、そのような遅れはない。
【0092】
以上説明したように第4実施形態乃至第7実施形態に示した如く、記録後の記録媒体を乾燥手段によって強制的に乾燥することにより、インク中の水分が自然乾燥するまでの放置が不要になり、さらに、高速でのラミネートが可能となるので、生産性が向上する。
【0093】
また、乾燥手段での加熱量を最適にすべく調整を行うことで、記録後の記録紙含水量が少ない場合の過加熱、逆に含水量が多い際に乾燥量が少ないといった問題を回避することができ、ラミネート後の記録紙品質の低下を防ぐことができる。
【0094】
〔他の実施形態〕
前述した実施形態ではインク濃度がしきい値を超えたときに記録制御手段が制御するものとして、記録紙搬送速度、記録ヘッドによる記録速度を制御するようにした例を示したが、これらは記録紙搬送速度及び記録ヘッドによる記録速度のいずれか一方を制御する場合のみならず、双方を制御するようにしてもよい。
【0095】
また、前述した実施形態では記録紙の含水率を環境温度及び環境湿度の双方から検出するようにしたが、これは環境温度又は環境湿度のいずれか一方から含水率を検出するようにしてもよい。
【0096】
【発明の効果】
本発明は前述のように構成したために、インク打ちこみ量にかかわらず、インクの不完全乾燥状態での転写定着系への搬送をなくし、ラミネート処理を美しく仕上げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録手段と記録媒体の定着手段が一体となったインクジェット記録装置の模式説明図である。
【図2】インクジェット記録装置の制御手段の構成ブロックである。
【図3】インク濃度に応じて記録動作を制御する手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態のインクジェット記録装置の構成ブロック図である。
【図5】記録行をパターンに分割して記録する実施形態の説明図である。
【図6】第4実施形態に係るインクジェット記録装置の模式説明図である。
【図7】ラミネート工程を示す説明図である。
【図8】ラミネート工程の模式斜視説明図である。
【図9】定着ローラのクリーニング構成説明図である。
【図10】第5実施形態に係るインクジェット記録装置の模式説明図である。
【図11】第6実施形態に係る装置の模式説明図である。
【図12】第7実施形態に係る装置の模式説明図である。
【符号の説明】
1 記録媒体
2 搬送ローラ
3 記録ヘッド
4 ペーパーカッター
5 スイッチバックローラ
6 定着手段
6a ドナーロール
6b,6c 転写ローラ
6d 剥離ローラ
6e 巻取ローラ
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 搬送モータ
14 搬送モータ制御部
15 キャリッジモータ
16 キャリッジモータ制御部
17 ヘッド駆動周波数制御部
18 画像用メモリ
19 ドットカウント値測定部
20 乾燥条件設定手段
21 温度湿度測定部
22 補助的熱乾燥手段
30 プリンタCPU
31 画像メモリ
32 インターフェース制御手段
33 搬送モータ制御手段
34 キャリッジモータ制御手段
35 吐出周波数制御手段
36 補助的熱乾燥手段
40 ホストCPU
41 画像形成手段
42 画像メモリ
43 インターフェース制御手段
44 記録制御手段
45 ドットカウント計測手段
46 温度湿度測定手段
47 乾燥条件設定手段
51 記録ヘッド
52 搬送ローラ
53 記録紙カートリッジ
53a 温度計
53b 湿度計
54 カッター
55 乾燥手段
55a 乾燥加熱ローラ
55b 乾燥加圧ローラ
55c 乾燥ヒータ
55d 搬送経路切替フラップ
55e 乾燥ニップ
55f ヒータ温度制御器
55g 加圧ばね
55h 加圧ローラ軸受
55i 加圧調整板
55j 加圧力制御器
56 定着手段
56a 転写シート
56a1 ベース材
56a2 表層材層
56a3 粘着層
56b 巻出しロール
56c ガイドローラ
56d 定着加熱ローラ
56e 定着加圧ローラ
56f 定着ニップ
56g 巻取りロール
56h 定着ヒータ
57 冷却手段
58 分離部
59 排紙ローラ
60 排紙トレイ
61 記録紙
62 記録ヘッド制御部
63 定着搬送系
70 クリーニング手段
70a 不織布
70b 巻出しロール
70c 押し当てローラ
70d 巻取りロール
80 乾燥手段
80a 加熱ファン
80b 乾燥トンネル
80c 排気ダクト
90 用紙重量計測手段
90a 記録紙トレイ
90b 搬送ローラ
90c 重量計測器
91 用紙判別手段
91a 用紙判別センサ

Claims (15)

  1. 記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドによる記録位置よりも記録媒体搬送方向下流側に配置され、前記記録媒体にラミネート処理する定着手段と、
    前記記録ヘッドからのインク吐出による記録媒体へのインク濃度密度を取得するインク密度検出手段と、
    前記記録媒体へのインク濃度が一定の値を超えたことを検出する濃度検出手段と、
    前記インク濃度が一定の値を超えたときに記録動作を制御するための記録制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録制御手段は、記録媒体の搬送速度を制御することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録制御手段は、前記記録ヘッドによる記録速度を制御することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録制御手段は、環境温度及び環境湿度の少なくとも一方に応じて記録動作を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録ヘッドによる記録位置よりも記録媒体搬送方向下流側且つ前記定着手段よりも上流側に記録媒体を強制乾燥させる乾燥手段を設けたことを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録ヘッドは記録媒体の搬送方向と交差する方向へスキャン可能であり、前記インク密度検出手段は前記記録ヘッドのスキャン単位のインク濃度密度を取得することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録制御手段は、記録ヘッドがスキャンして記録するインク像を複数に分割し、分割パターンごとに記録を行うことを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
  8. 1ページ分の記録データを作成する際に、前記記録データからページ全体のインク吐出量を計算し、全体の濃度情報に応じて記録動作を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドによる記録位置よりも記録媒体搬送方向下流側に配置され、前記記録媒体にラミネート処理する定着手段と、
    前記記録ヘッドによる記録位置よりも記録媒体搬送方向下流側且つ前記定着手段よりも上流側に設けられ、記録媒体を加熱乾燥させる乾燥手段と、
    前記乾燥手段の加熱量を可変させる加熱制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 前記加熱制御手段は、環境温度及び環境湿度の少なくとも一方に応じて記録媒体の含水量を算出し、該含水量に応じて前記乾燥手段の加熱量を変化させることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記加熱制御手段は、記録時における記録ヘッドからのインク吐出量に応じて前記乾燥手段の加熱量を変化させることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記加熱制御手段は、記録後の記録媒体の重量の計測結果に応じて前記乾燥手段の加熱量を変化させることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記記録ヘッドが信号に応じて電気熱変換体に通電し、該電気熱変換体の発する熱エネルギーを利用してインクを吐出することを特徴とする請求項1又は請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  14. シートにラミネート処理を行うラミネート装置において、
    シートのラミネート処理を行うためのラミネート手段と、
    前記ラミネート手段よりもシート搬送方向上流側に設けられ、シートを加熱乾燥させる乾燥手段と、
    前記乾燥手段の加熱量を可変させる加熱制御手段と、
    を有することを特徴とするラミネート装置。
  15. 印刷物を加熱、加圧してラミネートを行うラミネート手段と、ラミネート手段に対しシート搬送方向上流側に設けられ、印刷物を加熱ローラと加圧ローラでニップし加熱乾燥させる乾燥手段と、前記加圧ローラの加圧量可変手段を備えた事を特徴とする請求項9〜14記載のラミネーター。
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