JP2004122612A - 木材用水性難燃剤とそれを用いる木材の難燃化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によれば、
(A)ホウ酸1モル部と尿素1〜5モル部とリン酸0.05〜1モル部とを90〜160℃の温度に加熱して得られる反応生成物からなる水性無機難燃剤及び
(B)シランカップリング剤
をホウ素/ケイ素モル比2.5〜20の範囲で含むことを特徴とする木材用水性難燃剤が提供される。また、本発明によれば、上記木材用水性難燃剤を木材に塗布、含浸させることを特徴とする木材の難燃化方法が提供される。更に、本発明によれば、上記木材用水性難燃剤で木材を処理してなる難燃化木材が提供される。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材の難燃化に関し、詳しくは、耐水性にすぐれる難燃性を木材に付与し得る木材用水性難燃剤とそれを用いる木材の難燃化方法とそれを用いて得られる難燃化木材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木材を難燃化するために、ハロゲン系難燃剤、ガラス系難燃剤、リン系難燃剤等を含む水性難燃剤を木材に塗布、含浸させる方法が知られている。しかしながら、ハロゲン系難燃剤を用いた場合には、木材が燃焼時に有害なガスを発生する問題がある。また、水性難燃剤は、耐水性に劣るので、木材に適用した後、溶出して、木材の難燃性が経時的に低下する問題もある。
【0003】
そこで、ホウ酸トリエチルのような加水分解性の金属アルコキシドを木材に含浸させ、加水分解させて、木材内で不燃性の金属酸化物に変える方法や(特許文献1参照)、同様に、テトラエトキシシランやテトラエトキシチタン等の金属アルコキシドの溶液を木材に含浸させ、加水分解させて、木材の細胞空隙内で不燃性の金属酸化物を生成させる方法等が知られている(特許文献2を参照)。また、上記金属アルコキシドにアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を組み合わせた水性難燃剤を用いることも提案されている(特許文献3参照)。更に、リンやホウ素を含む特殊なメチルシロキサンオリゴマーを木材に含浸させる難燃化方法も知られている(特許文献5及び6参照)。
【0004】
しかし、このように、金属アルコキシドを用いる難燃化処理においては、一般に、難燃剤を木材に減圧注入、加圧注入等の方法によって、木材中に注入、含浸させるので、例えば、刷毛塗りやスプレー塗布せざるを得ない文化財等の建築物をはじめ、一般の既存の建築物には適用し難い。更に、金属アルコキシド、特に、シランカップリング剤のみを難燃剤として木材に適用すると、残炎時間や残じん時間が長くなるので、難燃化が不十分である。しかも、一般に、金属アルコキシドは高価であるので、実用し難い問題がある。
【0005】
水性難燃剤による木材の難燃性の耐水性を改善するために、難燃剤を木材に塗布し、乾燥させた後、その木材の表面にシリコーン樹脂からなる被覆層を形成させる方法も知られているが(特許文献4参照)、2段階の処理を必要とするうえに、依然として、処理費用が高く、実用性に難がある。
【0006】
【特許文献1】特開平05−278008号公報
【特許文献2】特開2002−103308号公報
【特許文献3】特開2001−252908号公報
【特許文献4】特開平11−105011号公報
【特許文献5】特開平09−038915号公報
【特許文献6】特開平09−300312号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、木材の難燃化における上述した問題を解決するためになされたものであって、耐水性にすぐれる難燃性を木材に低廉に且つ容易に付与し得る水性難燃剤とそれを用いる木材の難燃化方法とそれを用いて得られる難燃化木材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(A)ホウ酸1モル部と尿素1〜5モル部とリン酸0.05〜1モル部とを90〜160℃の温度に加熱して得られる反応生成物からなる水性無機難燃剤及び(B)シランカップリング剤
をホウ素/ケイ素モル比2.5〜20の範囲で含むことを特徴とする木材用水性難燃剤が提供される。また、本発明によれば、上記木材用水性難燃剤を木材に塗布、含浸させることを特徴とする木材の難燃化方法が提供される。更に、本発明によれば、上記木材用水性難燃剤で木材を処理してなる難燃化木材が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による木材用水性難燃剤は、
(A)ホウ酸1モル部と尿素1〜5モル部とリン酸0.05〜1モル部とを90〜160℃、好ましくは、100〜140℃の温度に加熱して得られる反応生成物からなる水性無機難燃剤及び
(B)シランカップリング剤
をホウ素/ケイ素モル比2.5〜20の範囲で含むものである。
【0010】
ホウ酸と尿素とリン酸とを加熱して、反応させる際に、ホウ酸1モル部に対して、1モル部より少ない量の尿素を用いるときは、得られる反応生成物の水溶性が低下するので好ましくない。他方、ホウ酸1モル部に対して、5モル部より多い量の尿素を用いるときは、得られる反応生成物をシランカップリング剤と組み合わせて難燃剤としたとき、十分な難燃性を木材に付与することができない。リン酸については、ホウ酸1モル部に対して、0.05モル部より少ない量のリン酸を用いるときは、得られる反応生成物の難燃性が低下するので好ましくない。他方、ホウ酸1モル部に対して、1モル部より多い量のリン酸を用いるときは、得られる反応生成物の水溶性が低下して、シランカップリング剤と組合わせて難燃剤としたとき、十分な難燃性を木材に付与することができない。
【0011】
ホウ酸と尿素とリン酸を加熱、反応させるには、通常、常圧下に10〜90分程度、加熱すればよい。必要に応じて、加熱下に加熱、反応させてもよい。また、ホウ酸と尿素とリン酸とを加熱、反応させる際に、反応溶剤として水や、水と少量の水溶性有機溶剤、例えば、アセトン、エーテル、メタノール、エタノール等との混合物を用いてもよい。従って、本発明による水性難燃剤は、少量のそのような水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。
【0012】
本発明によれば、このようにして、ホウ酸と尿素とリン酸とを加熱して、反応させ、得られた反応生成物に水を加え、水に溶解させて、水性無機難燃剤を得る。従って、本発明によれば、ホウ酸と尿素とリン酸とを加熱し、反応させて得られた反応生成物は水溶性である。そして、例えば、このようにして得られた水性無機難燃剤とシランカップリング剤との水溶液を混合すれば、本発明による木材用水性難燃剤を得ることができる。
【0013】
本発明において、シランカップリング剤は、特に限定されるものではないが、しかし、好ましくは、例えば、一般式(I)
【0014】
【化1】
【0015】
(式中、R1 は反応性基又は反応性基を有するアルキル基を示し、R2 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R3 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、a及びbはそれぞれ独立に0、1又は2である。)
で表されるものが好ましく用いられる。
【0016】
上記反応性基R1 としては、例えば、ビニル基を挙げることができ、また、反応性基を有するアルキル基としては、例えば、γ−グリシドキシプロピル基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)基等を挙げることができる。上記アルキル基R2 又はR3 としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を挙げることができ、炭素原子数3以上のアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。しかし、好ましくは、上記アルキル基R2 又はR3 はメチル基又はエチル基である。
【0017】
従って、本発明において用いる好ましいシランカップリング剤として、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の反応性基を有するシランカップリング剤を挙げることができる。
【0018】
なかでも、本発明によれば、光反応性基を有するシランカップリング剤、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が好ましく用いられる。
【0019】
更に、本発明によれば、難燃剤は、従来より知られている薬剤を含んでいてもよい。そのような薬剤として、例えば、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸亜鉛、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリブチル等の亜リン酸エステル、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸グアニジン、ホウ素やチタンのアルコキシド等を挙げることができる。但し、薬剤は、これら例示したものに限定されるものではない。
【0020】
シランカップリング剤の水溶液は、好ましくは、シランカップリング剤の水への溶解を容易にするために、酢酸や木酢液を溶解助剤として含むことが好ましい。
【0021】
本発明によれば、上述した木材用水性難燃剤を木材に塗布、含浸させた後、乾燥させることによって、木材を難燃化することができる。難燃剤を木材に塗布、含浸させるための手段、方法は特に限定されるものではなく、例えば、難燃化の対象が建築物の場合であれば、刷毛、スプレー、ロールコーター等を用いて塗布すればよい。難燃剤の木材への塗布量は、固形分換算で、通常、10〜60g/m2 程度であるが、しかし、これに限定されるものではない。他方、難燃化の対象が建築物に組み込まれる前の段階の材料であるときは、難燃剤を減圧注入や加圧注入によって木材に含浸させてもよい。
【0022】
本発明によれば、水性難燃剤を木材に塗布、含浸させた後、乾燥させることによって、木材に難燃性を付与することができる。ここに、水性難燃剤を木材に塗布、含浸させた後、乾燥させるには、通常、常温で数日間、放置すればよいが、しかし、必要に応じて、加熱して、乾燥させてもよい。
【0023】
特に、本発明に従って、難燃剤中のシランカップリング剤成分として、前述したような光反応性のシランカップリング剤を用いた場合には、難燃剤を木材に塗布、含浸させた後、紫外線を照射することによって、水性無機難燃剤の溶出を防いで、一層、耐水性にすぐれた難燃性を木材に付与することができる。このように、難燃剤中のシランカップリング剤成分として、光反応性のシランカップリング剤を用いることによって、水性無機難燃剤の溶出を防くことができる理由は、必ずしも明確ではなく、また、本発明は、そのような理由によっては何ら制約を受けるものではないが、光反応性のシランカップリング剤が光照射によって水性無機難燃剤中の成分と反応して、これを水不溶性とするからであるとみられる。
【0024】
このようにして、木材に本発明による難燃剤を塗布、含浸させることによって、シランカップリング剤は木材中で加水分解し、縮合して、不燃性のケイ素酸化物からなるゲルを形成すると共に、上述したように、水性無機難燃剤の溶出を防ぐので、水性無機難燃剤と共に木材に耐水性ある難燃性を付与し、かくして、本発明による難燃化木材を得ることができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0026】
実施例1
ホウ酸2モル、尿素4モル及びリン酸(85重量%水溶液)0.2モルをセパラブルフラスコに仕込み、攪拌しながら、110℃まで昇温した後、この温度で1時間反応させて、実質的に粉状の反応生成物を得た。この反応生成物に水を加え、溶解させて、固形分33重量%の水溶性無機難燃剤を得た。別に、6重量%酢酸水溶液50gに攪拌下にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50g(0.2モル)を添加し、酢酸水溶液中に溶解させて、シランカップリング剤水溶液を得た。そこで、上記水溶性無機難燃剤とシランカップリング剤水溶液とを混合して、ホウ素/シランカップリング剤のケイ素モル比が10/1である本発明による水性難燃剤を得た。
【0027】
この水性難燃剤を杉板(110mm×290mm、厚み15mm、以下、同じ。)の表面に乾燥重量にて20g/m2 の割合で塗布、含浸させた後、1週間、常温で放置し、乾燥させて、難燃性を評価するための初期試験片とした。別に、この初期試験片を水(30℃)に3時間浸漬し、50℃で16時間乾燥させた後、常温まで放置して、難燃剤の耐水性を試験するための耐水性試験片とした。
【0028】
実施例2
実施例1において、6重量%酢酸水溶液を一部、木酢液(1重量%)に置換した以外は、実施例1と同様にして、本発明による水性難燃剤を得、これを用いて、実施例1と同様にして、初期試験片と耐水性試験片とを調製した。
【0029】
実施例3
実施例1において調製した水性難燃剤を杉板の表面に乾燥重量にて20g/m2 の割合で塗布、含浸させた後、紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製UVC−1212)で紫外線を20秒間照射して、初期試験片とした。別に、このように紫外線を照射して4時間後に試験片を水(30℃)に3時間浸漬し、50℃で16時間乾燥させた後、常温まで放置して、難燃剤の耐水性を試験するための耐水性試験片とした。
【0030】
実施例4
実施例1において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代えて、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明による水性難燃剤を得、これを用いて、実施例1と同様にして、初期試験片と耐水性試験片とを調製した。
【0031】
実施例5
実施例1において、水溶性無機難燃剤のホウ素/シランカップリング剤のケイ素モル比が10/2となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、水性難燃剤を調製し、これを用いて、初期試験片と耐水性試験片とを調製した。
【0032】
実施例6
ホウ酸2モル、尿素8モル及びリン酸(80重量%水溶液)1モルをセパラブルフラスコに仕込み、攪拌しながら、110℃まで昇温した後、この温度で1時間反応させて、実質的に粉状の反応生成物を得た。この反応生成物に水を加え、溶解させて、固形分35重量%の水溶性無機難燃剤を得た。別に、6重量%酢酸水溶液50gに攪拌下にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン50g(0.2モル)を添加し、酢酸水溶液中に溶解させて、シランカップリング剤水溶液を得た。
【0033】
上記水溶性無機難燃剤50重量部とシランカップリング剤水溶液10重量部と45重量%リン酸グアニジン水溶液50重量部とを混合して、本発明による水性難燃剤を調製した。この水性難燃剤において、水溶性無機難燃剤のホウ素/シランカップリング剤のケイ素モル比は5であり、リン酸グアニジン固形分の割合は20重量%であった。
【0034】
この水性難燃剤を用いた以外は、実施例1と同様にして、初期試験片と耐水性試験片を調製した。
【0035】
比較例1
杉板に何らの難燃処理も施すことなく、1週間、常温で放置し、乾燥させて、初期試験片とし、別に、この初期試験片を水(30℃)に3時間浸漬し、50℃で16時間乾燥させた後、常温まで放冷して、耐水性試験片とした。
【0036】
比較例2
実施例1において得られた水溶性無機難燃剤を杉板の表面に乾燥重量にて20g/m2 の割合で塗布、含浸させた後、1週間、常温で放置し、乾燥させて、初期試験片とした。別に、この初期試験片を水(30℃)に3時間浸漬し、50℃で16時間乾燥させた後、常温まで放置して、耐水性試験片とした。
【0037】
比較例3
実施例1において、上記水溶性無機難燃剤の固形分/シランカップリング剤重量比が10/5となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、水性難燃剤を調製し、これを用いて、初期試験片と耐水性試験片とを調製した。
【0038】
比較例4
リン酸グアニジン水溶液(50重量%)を難燃剤として用いた以外は、実施例1と同様にして、初期試験片と耐水性試験片とを調製した。
【0039】
比較例5
実施例1において調製したシランカップリング剤水溶液を杉板の表面に乾燥重量にて20g/m2 の割合で塗布、含浸させた後、1週間、常温で放置し、乾燥させて、初期試験片とした。
【0040】
上記実施例及び比較例で調製した初期試験片と耐水性試験片について、消防法45度燃焼性試験に従って、消防法施行規則に定める「展示用合板」のメッケルバーナー法にて難燃性を試験した。結果を表1及び表2に示す。初期試験片の試験においては、残炎時間が10秒以下、残じん時間が30秒以下、多環面積が70cm2 以下のときを合格とし、この基準に満たないときは不合格とした。耐水性試験片の試験においては、三つの試験片についてすべて、残炎時間が10秒以下、残じん時間が30秒以下、炭化面積が70cm2 以下のときを合格とし、一つの試験片についてでも、この基準に満たないときは不合格とした。但し、比較例5については、初期試験片2つを用いて試験を行い、上記と同様にして合否を判定した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ホウ酸と尿素とリン酸とを加熱させ、反応させて得られた無機難燃剤をホウ素/ケイ素モル比が2.5〜20の範囲となるように少量のシランカップリング剤と組み合わせることによって、耐水性ある難燃性を木材に付与することができる木材用水性難燃剤を得ることができる。しかも、このような水性難燃剤を木材に適用するに際して、刷毛塗りやスプレー塗布によることができ、既存の建築物に組み込まれた木材も容易に難燃化することができる。
Claims (5)
- (A)ホウ酸1モル部と尿素1〜5モル部とリン酸0.05〜1モル部とを90〜160℃の温度に加熱して得られる反応生成物からなる無機難燃剤及び
(B)シランカップリング剤
をホウ素/ケイ素モル比2.5〜20の範囲で含むことを特徴とする木材用水性難燃剤。 - シランカップリング剤がエポキシ基及び(メタ)アクリロキシ基から選ばれる光反応性官能基を有するものである請求項1に記載の木材用水性難燃剤。
- 請求項1に記載の木材用水性難燃剤を木材に塗布、含浸させることを特徴とする木材の難燃化方法。
- 請求項2に記載の木材用水性難燃剤を木材に塗布、含浸させた後、紫外線を照射することを特徴とする木材の難燃化方法。
- 請求項1又は2に記載の木材用水性難燃剤で木材を処理してなる難燃化木材。
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