JP2004121602A - バックル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラッチ等のロック部材の係合及び係合解除を確実に検出できるバックルスイッチを有するバックル装置を得る。
【解決手段】本バックル装置10では、挿入されたタングプレート130によりイジェクタ34が押圧されてスライドすると、イジェクタ34に連結されたラック166がその長手方向にスライドしてピニオン158を略180度回転させる。ピニオン158にはマグネット164が取り付けられており、ピニオン158が180度回転することで磁極の向き(N極からS極への向き)が反転する。タングプレート130挿入前の状態では、マグネット158のN極にホール素子172が対向しているため、反転するとS極がホール素子172に対向する。このため、タングプレート34の挿入前後でホール素子172で生じるホール電圧が大きく変化し、タングプレート34が挿入されたか否かを確実に判定できる。
【選択図】 図1
【解決手段】本バックル装置10では、挿入されたタングプレート130によりイジェクタ34が押圧されてスライドすると、イジェクタ34に連結されたラック166がその長手方向にスライドしてピニオン158を略180度回転させる。ピニオン158にはマグネット164が取り付けられており、ピニオン158が180度回転することで磁極の向き(N極からS極への向き)が反転する。タングプレート130挿入前の状態では、マグネット158のN極にホール素子172が対向しているため、反転するとS極がホール素子172に対向する。このため、タングプレート34の挿入前後でホール素子172で生じるホール電圧が大きく変化し、タングプレート34が挿入されたか否かを確実に判定できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートベルト装置を構成し、ウエビングベルトに取り付けられたタングプレートを保持するためのバックル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の座席に着座した乗員の身体を拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビングベルトは、その長手方向一端が、例えば、座席側方に設けられた巻取装置の巻取軸に係止されており、他端がこの巻取装置の近傍に設けられたアンカプレートに固定されている。また、ウエビングベルトの長手方向中間部は巻取装置の上方、例えば、車両のセンタピラーの上端側に設けられたスルーアンカの挿通孔を貫通して下方側へ折り返されている。
【0003】
このスルーアンカでの折り返し部分と他端との間でウエビングベルトはタングプレートに形成された挿通孔を貫通しており、タングプレートを引っ張ることで巻取装置の巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出される。このウエビングベルトの引出状態で座席を介して巻取装置とは反対側に設けられたバックル装置にタングプレートを挿入して連結させることで、ウエビングベルトの装着状態となる。
【0004】
一方、上記のタングプレートが連結されるバックル装置には、所謂「バックルスイッチ」を設けた構造のものがあり、このようなバックルスイッチの構造の一例が下記特許文献1に開示されている。以下、特許文献1に開示されているバックルスイッチに関して簡単に説明する(詳細に関しては特許文献1を参照されたい)。
【0005】
この特許文献1に開示されているバックルスイッチは、スイッチスプリングの付勢力により先端のラッチ検出部がロックピンに圧接されたアーム部を備えている。アーム部の基端部には一対のマグネット部材が互いに接した状態で一体的に固定されている。一対のマグネット部材は磁界の方向が反対方向となるように設けられており、更に、マグネットに対向してICホール素子が設けられている。
【0006】
スイッチスプリングの付勢力に抗してアーム部がスイッチケースの内部に入り込んだ状態では、一対のマグネットの一方がICホール素子に対向し、スイッチスプリングの付勢力によりアーム部がスイッチケースから突出した状態では一対のマグネットの他方がICホール素子に対向する。
【0007】
一方、ロックピンはスライダに保持されており、更に、スライダを介してスライダスプリングによりロック位置側へ付勢され、これにより、常にラッチ(ラッチ部材)の上面に当接している。ラッチがラッチ解除位置からラッチ位置へ移動するとスライダスプリングの付勢力でロックピンがロック解除位置からロック位置へ移動し、更に、ロックピンが移動するとスイッチスプリングの付勢力でアーム部がスイッチケースから突出する構造となっている。
【0008】
すなわち、ラッチ解除位置とラッチ位置との間でのラッチの移動に連動したアーム部の移動により、ICホール素子と対向するマグネットが一方から他方に切り替わる。このように、ICホール素子と対向するマグネットが切り替わってICホール素子に加わる磁界の向きが変わることで、ICホール素子における起電力の電流の向きが逆になり、マグネットが切り替わったこと、すなわち、ラッチが移動してラッチがタングプレート(タング)に係合し、又は、係合が解除されたことを検出できる構造となっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−157603公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されたバックルスイッチの構造では、隣接して設けられた一対のマグネットが互いの磁界に影響を及ぼすため、各マグネットが形成する磁界が厳密には逆向きならず、ICホール素子でアーム部の移動、すなわち、ラッチの移動を検出することが難しい。
【0011】
また、一対のマグネットの各々が形成する磁界が互いに逆向きにならないまでもアーム部の移動に伴うマグネットの移動によりICホール素子における磁界が変化するため、この磁界の変化をICホール素子で検出することが考えられる。
【0012】
しかしながら、ICホール素子での磁界の強さは、アーム部の移動に伴うマグネットの移動距離やマグネットの磁気の強さ(保磁力)のみならずICホール素子とマグネットとの間隔の大きさにも影響されるため、ラッチの係合及び係合解除を確実に検出することが難しい。
【0013】
本発明は、上記事実を考慮して、ラッチ等のロック部材の係合及び係合解除を確実に検出できるバックルスイッチを有するバックル装置を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、装置本体内に挿入されたタングプレートに対して接離移動可能なロック部材を有し、前記タングプレートの挿入状態で前記ロック部材が前記タングプレートに対して接近して係合することにより、前記装置本体内で前記タングプレートを保持するバックル装置であって、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入及び前記装置本体からの前記タングプレートの離脱に連動して回転する回転体と、前記回転体の回転半径方向外側で前記回転体に対向して設けられ、前記回転体の回転位置を検出する検出手段と、を含めて構成したバックルスイッチを有する、ことを特徴としている。
【0015】
上記構成のバックル装置によれば、シートベルト装置を構成するウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが装置本体に挿入され、この状態で、装置本体内に設けられたロック部材がタングプレートに接近してタングプレートに係合すると、ロック部材によりタングプレートが保持される。これにより、装置本体への挿入方向とは反対方向へのタングプレートの移動が規制される。したがって、この状態で、例えば、乗員の身体にウエビングベルトが装着されていれば、ウエビングベルトにより乗員の身体が保持される。
【0016】
一方、上記のようにタングプレートが装置本体内に挿入されると、装置本体内でのタングプレートの移動(すなわち、挿入移動)に連動して、装置本体内に設けられた回転体が回転する。さらに、この回転体の回転位置は、回転体の回転半径方向外側で回転体に対向して設けられた検出手段により検出され、これにより、タングプレートが装置本体内に挿入されたか否かを検出できる。
【0017】
ここで、本バックル装置のバックルスイッチでは、装置本体内にタングプレートが挿入され、又は、装置本体からタングプレートが抜き取られると、回転体が回転してその向きを変える。このように、単純にスライドする部材のスライド量を検出する構成ではなく、向きの変化を検出する構造とすることで、装置本体内にタングプレートが挿入されたか否かを確実に検出できる。
【0018】
請求項2記載の本発明は、装置本体内に挿入されたタングプレートに対して接離移動可能なロック部材を有し、前記タングプレートの挿入状態で前記ロック部材が前記タングプレートに対して接近して係合することにより、前記装置本体内で前記タングプレートを保持するバックル装置であって、磁極の向きに沿った方向に対して交差する方向を軸方向として、前記磁極の向きに沿った方向の略中央を中心に回転可能に設けられ、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入及び前記装置本体からの前記タングプレートの離脱に連動して回転するマグネットと、前記マグネットの回転半径方向外方側で前記マグネットに対向して設けられ、前記マグネットの磁気を検出する磁気センサと、を含めて構成したバックルスイッチを有する、ことを特徴としている。
【0019】
上記構成のバックル装置によれば、シートベルト装置を構成するウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが装置本体に挿入され、この状態で、装置本体内に設けられたロック部材がタングプレートに接近してタングプレートに係合すると、ロック部材によりタングプレートが保持される。これにより、装置本体への挿入方向とは反対方向へのタングプレートの移動が規制される。したがって、この状態で、例えば、乗員の身体にウエビングベルトが装着されていれば、ウエビングベルトにより乗員の身体が保持される。
【0020】
一方、上記のようにタングプレートが装置本体内に挿入されると、装置本体内でのタングプレートの移動(すなわち、挿入移動)に連動して、装置本体内に設けられたマグネットが回転する。ここで、マグネットは、磁極の向き(N極からS極への方向及びその反対方向)に沿った方向に対して交差する方向を軸方向として、磁極の向きに沿った方向の略中央を中心に回転するため、タングプレートの挿入量(若しくは離脱量)に伴い、磁極の向きが変わる。
【0021】
さらに、このようにして回転するマグネットの回転半径方向外方には、磁気センサが設けられており、マグネットの磁気が磁気センサにより検出される。ここで、上記のようにマグネットが回転することで磁極の向きが変わると、当然磁気センサが検出する磁気が大きく変化する。このため、磁気センサが検出した磁気の変化に基づき、タングプレートが装置本体内に挿入されたか否か、ひいては、本バックル装置に対応した座席に着座した乗員がウエビングベルトを装着したか否かを確実に検出できる。
【0022】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載のバックル装置において、前記装置本体内への前記タングプレートを挿入する前の状態に対し、前記装置本体内で前記タングプレートが保持された状態での前記マグネットが前記回転中心周りに略180度回転する、ことを特徴としている。
【0023】
上記構成のバックル装置によれば、装置本体内にタングプレートが挿入されることで、タングプレートの挿入前に比べてマグネットが180度回転する(すなわち、タングプレートの挿入前後で磁極の向きが反転する)。このため、磁気センサが検出する磁気が大きく変化し、磁気センサが検出した磁気の変化に基づき、タングプレートが装置本体内に挿入されたか否かをより一層確実に検出できる。
【0024】
請求項4記載の本発明は、請求項2又は請求項3記載のバックル装置において、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入前及び挿入後の少なくとも何れか一方の状態での前記マグネットのN極又はS極に前記磁気センサを対向配置させた、ことを特徴としている。
【0025】
上記構成のバックル装置では、装置本体内にタングプレートを挿入する前及び挿入した後の少なくとも何れか一方の状態でのマグネットのN極又はS極に対し、磁気センサが対向している。
【0026】
これにより、タングプレートを挿入する前及び挿入した後の何れか一方の状態で磁気センサが検出する磁気に対して、何れか他方の状態で検出する磁気を大きく変化させることができる。このため、磁気センサが検出した磁気の変化に基づき、タングプレートが装置本体内に挿入されたか否かを、より一層確実に検出できる。
【0027】
なお、請求項4記載の本発明は、請求項2又は請求項3記載の本発明に従属するが、上述したように、請求項3記載の本発明では、装置本体内にタングプレートを挿入する前と挿入した後とでマグネットが略180度回転する。
【0028】
したがって、請求項4記載の本発明が請求項3記載の本発明に従属する場合は、当然、装置本体内にタングプレートを挿入する前の状態でマグネットのN極及びS極の何れか一方の磁極に磁気センサが対向し、装置本体内にタングプレートを挿入した後の状態でと何れか他方の磁極に磁気センサが対向する構造になる。
【0029】
このような構造の場合には、基本的に磁気センサが検出する磁気を構成する磁力線の向きが反転するため、磁気センサは、更に確実に磁気の変化を検出できる。
【0030】
請求項5記載の本発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のバックル装置において、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入方向及びその反対の抜取方向にスライド可能に前記装置本体内の前記タングプレートの移動軌跡上に設けられ、前記装置本体内に挿入された前記タングプレートにより前記挿入方向に押圧されるイジェクタと、前記装置本体内に設けられ、前記挿入方向とは反対方向へ前記イジェクタを付勢する付勢手段と、所定の解除操作により前記ロック部材によるロック状態を解除する解除手段と、前記装置本体内に設けられて直線的な往復運動を所定の軸心周りの回転運動に変換すると共に、前記往復運動側が前記イジェクタに連結され、前記回転運動側に前記回転体又は前記マグネットが直接或いは間接的に取り付けられた運動伝達手段と、を備えることを特徴としている。
【0031】
上記構成のバックル装置では、装置本体内にタングプレートを挿入すると、タングプレートが装置本体内に設けられたイジェクタに当接する。この状態から更に装置本体内にタングプレートを挿入すると、装置本体内に設けられた付勢手段の付勢力に抗して装置本体内へのタングプレートの挿入方向にタングプレートがイジェクタを押圧してイジェクタをスライドさせる。
【0032】
また、解除手段を解除操作することで、ロック部材による装置本体内でのタングプレートの保持状態が解除されると、付勢手段の付勢力によりイジェクタが上記の挿入方向とは反対の離脱方向へ押圧されてスライドさせられる。このように離脱方向へスライドするイジェクタは、タングプレートを押圧して離脱方向へ移動させ、これにより、装置本体からタングプレートが抜け出る。
【0033】
一方、本バックル装置では、装置本体内に運動伝達手段が設けられ、装置本体内に挿入されるタングプレートに押圧されたイジェクタのスライド、すなわち、直線的な往復運動の内の往動が運動伝達手段により回転運動に変換され回転体又はマグネット(請求項5記載の本発明が請求項1記載の本発明に従属しているのであれば回転体、請求項2乃至請求項4の何れか1項に従属しているのであればマグネット)に伝えられ、回転体又はマグネットが回転させられる。
【0034】
ここで、本バックル装置では、上記のように、イジェクタ及び運動伝達手段を介してタングプレートの移動に回転体やマグネットを連動させている。したがって、タングプレートに回転体やマグネットを装置本体内で直接係合させなくてもよく、また、タングプレートにマグネットや回転体を回転させるための特別な構造を付加しなくてもよいため汎用性が向上する。
【0035】
【発明の実施の形態】
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るバックル装置10の構造が分解斜視図により示されており、図2には本バックル装置10の構造が断面図により示されている。
【0036】
(バックル装置10の全体構成)
図2に示されるように、バックル装置10はケース14を備えている。ケース14は長手方向両端が開口した箱形の筒状部材とされており、その長手方向一端側の開口はアンカ挿入口16とされ、長手方向他端側の開口はタング挿入口18とされている。また、ケース14の内側には装置本体を構成するベース20が収容されている。
【0037】
図1及び図2に示されるように、ベース20はケース14の長手方向に沿って長手とされた平板状の底板22を備えている。底板22の長手方向一端側にはアンカ部材としての略板状のアンカプレート24が重ね合わされており、底板22に形成された透孔26と底板22の長手方向に沿って長手とされたアンカプレート24に形成された長孔28とを貫通するリベット30により底板22とアンカプレート24とが機械的に連結されている。アンカプレート24はその他端側が車両の座席の側方で車体(何れも図示省略)に固定されており、これにより本バックル装置10が車両に取り付けられている。
【0038】
一方、底板22の幅方向両端部からは底板22の厚さ方向に側壁32が立設されており、側壁32の間にはイジェクタ34が配置されている。イジェクタ34の一部は底板22に形成されたガイド孔36に係合しており、ガイド孔36に沿って底板22の長手方向に所定範囲スライド可能とされている。
【0039】
また、図4に示されるように、底板22の長手方向一方の側でのガイド孔36の端部からは、係合突起38が突出形成されており、圧縮コイルスプリング40の一端が係止されている。圧縮コイルスプリング40の他端はイジェクタ34の一端へ圧接されており、圧縮コイルスプリング40の付勢力によりイジェクタ34は底板22の長手方向他端側へ付勢されている。
【0040】
一方、図1及び図2に示されるように、バックル装置10は特許請求の範囲で言うところのロック部材に相当するラッチ50を備えている。ラッチ50は基部52を備えている。ラッチ50の姿勢にもよるが、基部52は概ね両側壁32の対向方向に沿って長手方向で、底板22の長手方向に沿って厚さ方向とされた平板状に形成されており、その長手方向両端部は両側壁32に形成された支持部としての支持孔54に入り込んでいる。基部52(すなわち、ラッチ50)は支持孔54の内周部に干渉されるまで基部52の長手方向を軸方向として所定角度回動可能に支持されている。
【0041】
また、基部52の長手方向中間部側の幅方向一端からは、基部52の幅方向一方へ向けて平板状の連結部56が延出されており、更に、連結部56の基部52とは反対側からは、底板22側へ向けて係合片58が延出されている。
【0042】
係合片58の先端部(より詳細に言えば、連結部56との連結部分側とは反対側の端部)は、底板22に形成された貫通孔60に対応しており、ラッチ50が変位することによって、図3に示されるように、係合片58が貫通孔60に入り込むことができる。
【0043】
図1及び図2に示されるように、ラッチ50の係合片58の先端部に対応して上述したイジェクタ34の厚さ方向一方(底板22とは反対側)の面には、載置片62が一体的に設けられている。上述したように、イジェクタ34には圧縮コイルスプリング40の付勢力が作用している。
【0044】
但し、基本的に圧縮コイルスプリング40の付勢力以外の外力が作用していない状態での到達位置にイジェクタ34が位置している状態で、概ね、底板22の厚さ方向に沿って係合片58の先端部と対向するように載置片62が設けられており、係合片58の先端部との対向状態で載置片62は係合片58の先端部に干渉して底板22へ接近する方向への係合片58の移動(すなわち、ラッチ50の移動)を規制する。
【0045】
また、基部52の長手方向両端側からはストッパ64が延出されている。ストッパ64は、先端側が圧縮コイルスプリング40の付勢力に抗したイジェクタ34のスライド軌跡上に位置するように形成されており、圧縮コイルスプリング40の付勢力に抗してイジェクタ34が所定距離スライドするとイジェクタ34がストッパ64に当接する。
【0046】
さらに、ラッチ50の連結部56を介してベース20の底板22とは反対側にはロック部材70が配置されている。ロック部材70は基部72を備えている。基部72は両側壁32の対向方向に沿って長手方向とされた略角棒状とされている。
【0047】
基部72の両端部は両側壁32に形成された係合孔74に入り込んでいる。係合孔74は貫通孔60よりも側壁32の長手方向他端側に形成されており、基部72は自らの長手方向を軸周りに回動可能に側壁32に支持されている。基部52の長手方向両端側には一対の略扇状のロック片76が形成されている。ロック片76は連結部56(ラッチ50)の幅方向両端部から延出された当接片78に対応しており、ロック片76は当接片78に当接している。
【0048】
また、基部72の長手方向中間部には当接部80が形成されている。当接部80は、ラッチ50の係合片58が底板22から離間した状態で係合片58に当接する。
【0049】
一方、バックル装置10は解除手段としての解除ボタン90を備えている。解除ボタン90は操作用の押圧部92を備えている。押圧部92は押圧面が底板22の長手方向他端側へ向いた板状で、両側壁32の対向方向に沿って長手方向とされている。
【0050】
押圧部92の長手方向両端近傍からは底板22の長手方向一端側へ向けて側壁94が延出されている。これらの側壁94は上述した側壁32の対向方向に沿って互いに対向していると共に、底板22とは反対側の端部が上壁96により連結され、全体的には底板22へ向けて開口した凹形状とされている。
【0051】
両側壁94の押圧部92とは反対側の端部からは、それぞれアーム98が側壁94の対向方向に沿って互いに対向するように延出されている。両アーム98の先端部には、他方のアーム98へ向けて係合突起100が形成されており、側壁32に形成されたガイド孔102に入り込んでいる。ガイド孔102は底板22の長手方向に沿って長手の長孔とされている。係合突起100はガイド孔102の内周部によって底板22の長手方向に沿って所定範囲変位可能とされており、これにより、ガイド孔102によって解除ボタン90の移動方向が底板22の長手方向に規制されている。
【0052】
また、押圧部92とロック部材70との間には、ストッパ110が配置されている。ストッパ110は、側壁94の対向方向に沿って長手方向とされた板状の基部112を備えている。基部112の長手方向両端側には、基部112の長手方向に沿ってみた場合に底板22へ向けて開口した凹形状の一対の係合片114が形成されており、これらの係合片114が上述したロック部材70の基部72に係合することでストッパ110がロック部材70に支持されている。
【0053】
さらに、ストッパ110の両係合片114の近傍には、上述した解除ボタン90の係合突起100へ干渉可能に干渉部116が形成されている。
【0054】
また、ストッパ110と解除ボタン90の押圧部92との間には、圧縮コイルスプリング118が配置されており、その一端は押圧部92の押圧面とは反対側へ当接している。これに対して圧縮コイルスプリング118の他端はストッパ110の基部112に当接しており、これによって、ストッパ110を押圧部92から離間させる方向へ付勢している。
【0055】
(タングプレート130の構成)
一方、上述した側壁32の間には底板22の長手方向他端側からタングプレート130が挿入される。図1に示されるように、タングプレート130は金属板材により形成された基部132を備えている。基部132にはタングプレート130が側壁32の間に挿入された状態で側壁32の対向方向に沿って長手となるスリット孔134が形成されており、長尺帯状のウエビングベルト140の長手方向中間部が挿通される。
【0056】
ウエビングベルト140はその基端部が図示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止されており、ウエビングベルト140を巻き取る方向へ巻取軸を付勢するための渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力がウエビングベルト140に作用している。
【0057】
また、基部132には挿入板部136が形成されている。挿入板部136は幅寸法が側壁32の間隔よりも小さく、実際にはタングプレート130のうち、挿入板部136が側壁32の間に挿入されることになる(図3参照)。
【0058】
挿入板部136には厚さ方向に貫通した貫通孔138が形成されており、挿入板部136が側壁32の間で底板22の長手方向一端側の所定位置に達した状態では、上述した係合片58が貫通可能となり、貫通孔138に係合片58が貫通することで、バックル装置10からのタングプレート130の抜き出しが規制されるようになっている。
【0059】
ここで、図2及び図3に示されるように、上述したイジェクタ34の先端部近傍で且つ底板22側には、導電性を有する接点部材142が設けられている。これに対応して、底板22には、一対(図2及び図3では一方のみを図示)の接点部材144が設けられている。接点部材144は、上記のタングプレート130の貫通孔138にラッチ50の係合片58が入り込みことができる位置までタングプレート130の挿入板部136が本バックル装置10の内部に挿入された状態でのイジェクタ34の位置で、接点部材142に摺接するように設けられており、接点部材142に接点部材144が摺接することで接点部材142と接点部材144とが電気的に導通する。また、接点部材142は、後述する制御部176又は他の検知手段(判定手段)に電気的に接続されており、接点部材142と接点部材144との導通及び導通解除は制御部176又は他の検知手段により検知される構成となっている。
【0060】
(バックルスイッチ150の構成)
一方、図1に示されるように、本バックル装置10はバックルスイッチ150を備えている。バックルスイッチ150は一対の支持板152を備えている。支持板152は正面視(底板22の長手方向から見た状態)で略L字形状に屈曲した板状部材で、底板22の厚さ方向に沿って厚さ方向とされた各支持板152の固定部154はアンカプレート24上に固定されている。
【0061】
一方、底板22の幅方向内方側の各固定部154の端部から上方(底板22とは反対側)に延出された支持部156は、底板22の幅方向に沿って所定距離離間した状態で互いに対向している。また、両支持部156の間には、運動伝達手段を構成するピニオン158が配置されている。ピニオン158は、外周部に複数の外歯が形成された歯車で、その回転軸方向が両支持部156の対向方向、すなわち、底板22の幅方向に沿っている。
【0062】
また、各支持部156には、軸受孔160(図1では一方の軸受孔160のみを図示している)が形成されている。一方の支持部156に形成された軸受孔160と、他方の支持部156に形成された軸受孔160とは互いに同軸とされていると共に、アンカプレート24の上面から軸受孔160の軸心までの底板22の厚さ方向に沿った距離は、上記のピニオン158の外径寸法(歯先までの半径寸法)よりも充分に長い。これらの軸受孔160には、ピニオン158の軸方向両端から同軸的に突出形成された軸部162(図1では一方の軸部162のみを図示している)が回転自在に軸支されている。
【0063】
さらに、一方の支持部156とピニオン158との間には、回転体としてのマグネット(永久磁石)164が設けられている。本実施の形態においてマグネット164はその厚さ方向がピニオン158の軸方向に平行な略直方体形状に形成され、その長手方向中央部よりも一端側でN極、他端側でS極とされている。マグネット164の長手方向及びは幅方向の略中央部では、厚さ方向に軸部162が貫通しており、マグネット164と軸部162、ひいてはピニオン158とが一体に結合されている。
【0064】
一方、ピニオン158とアンカプレート24との間には、ピニオン158と共に運動伝達手段を構成するラック166が配置されている。ラック166は、底板22の長手方向に沿って長手方向とされた略角棒形状に形成されており、ピニオン158と対向する側の側面には、長手方向に沿って断続的に歯が形成されている。
【0065】
ラック166に形成された歯は、上記のピニオン158の外歯に噛合可能であり、ラック166がその長手方向に沿ってスライドすることでピニオン158が回転する所謂「ラック&ピニオン機構」を構成している。また、ラック166の歯は、ラック166のスライドによるピニオン158の回転量の上限が180度になるように、その総数が設定されている。
【0066】
また、ラック166の長手方向一端側には、連結バー168が形成されており、その先端側は、ラッチ50の基部52の長手方向両端側に形成された切欠部53の一方を通過し、イジェクタ34に固定されている。これにより、ラック166はイジェクタ34に一体的に連結され、イジェクタ34のスライドに連動してその長手方向にスライドする。
【0067】
上述したマグネット164は、イジェクタ34に圧縮コイルスプリング40の付勢力以外の外力が作用していない状態、すなわち、イジェクタ34が最もタング挿入口18側に位置した状態でのピニオン158の回転位置で、長手方向が底板22の厚さ方向に沿い、長手方向一端側(すなわち、N極)が底板22とは反対側(すなわち、上方)を向くように軸部162に固定されている。
【0068】
一方、マグネット164を介して底板22とは反対側、すなわち、マグネット164の上方には、検出手段又は磁気センサとしてのホール素子172が配置されており、マグネット164の長手方向が底板22の厚さ方向に沿った状態ではマグネット164の磁極(N極やS極)にホール素子172が対向する。図2に示されるように、ホール素子172は制御部176に電気的に接続されていると共に、制御部176を介して車両に搭載されたバッテリー178に接続されている。制御部176によりホール素子172には一定の電圧で電流が流されていると共に、ホール素子172において生じたホール電圧が制御部176により検出されている。
【0069】
制御部176は、例えば、車両のインパネに設けられたインジケータ(図示省略)に電気的に接続されており、ホール素子172で生じたホール電圧の大きさ等に基づきインジケータを点灯させ、又は、消灯する構造となっている。
【0070】
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0071】
(バックル装置10の基本動作)
本バックル装置10では図2に示される非装着状態でタングプレート130の挿入板部136をケース14のタング挿入口18から挿入すると、図3に示されるように、挿入板部136の先端部がイジェクタ34の端部に当接して押圧し、圧縮コイルスプリング40の付勢力に抗してイジェクタ34を底板22の長手方向一端側へスライドさせる。
【0072】
イジェクタ34が底板22の長手方向一端側へ所定量スライドすると、イジェクタ34の載置片62とラッチ50の係合片58との対向状態が解除されると共に、イジェクタ34がラッチ50のストッパ64を押圧して、ラッチ50を回動させる。
【0073】
これにより、係合片58の先端部が底板22へ接近移動する。また、この状態では、挿入板部136の貫通孔138と、底板22に形成された貫通孔60とが重なり合う。したがって、この状態では図3に示されるように、回動した係合片58が挿入板部136の貫通孔138と底板22の貫通孔60を貫通する。
【0074】
また、ラッチ50が回動することで、ラッチ50の係合片58とロック部材70の当接部80との当接状態が解除される。ここで、ロック片76はストッパ110を介して圧縮コイルスプリング118の付勢力を受けるため、ラッチ50の回動に連動するように圧縮コイルスプリング118の付勢力でロック部材70が回動し、ロック片76がラッチ50の当接片78に当接する。このため、係合片58が底板22から離間する方向へのラッチ50の回動が規制され、これにより、バックル装置10に対するタングプレート130の装着状態となる。
【0075】
このタングプレート130の装着状態が、座席に着座した乗員の前方にウエビングベルト140が位置するように巻取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力に抗してウエビングベルト140を引っ張ってからのタングプレート130の装着状態であれば、これはウエビングベルト140による「身体拘束状態」となり、乗員の身体がウエビングベルト140により拘束される。
【0076】
(バックルスイッチ150の作用、効果)
一方、上記のように、タングプレート130の挿入板部136をケース14のタング挿入口18から挿入してイジェクタ34をアンカ挿入口16側へスライドさせると、連結バー168を介してイジェクタ34に一体的に固定されたラック166がその長手方向に沿ってアンカ挿入口16側へイジェクタ34と共にスライドする。
【0077】
ラック166がその長手方向にスライドすると、ラック166に噛み合っているピニオン158が軸部162周りに回転し、更に、ピニオン158に固定されているマグネット164がピニオン158と共に一体的に回転する。
【0078】
ここで、上述したように、ラック166のスライドに連動したピニオン158の回転量の上限が180度となるようにラック166の歯の総数が設定されている。このため、タングプレート130の貫通孔138にラッチ50の係合片58が入り込む位置までタングプレート130がアンカ挿入口16側へスライドし、更に、これに伴い、イジェクタ34がアンカ挿入口16側へスライドすると、マグネット164は軸部162周りに180度回転して、それまで底板22とは反対側(すなわち、上方)へ向いていたマグネット164のN極が底板22側(すなわち、下方)へ向き、これとは反対に、それまで底板22側(すなわち、下方)へ向いていたマグネット164のS極が底板22とは反対側(すなわち、上方)へ向いてホール素子172と対向する。
【0079】
このように、ホール素子172と対向していたマグネット164の磁極がN極からS極に変わることで、ホール素子172を通過していた磁束の向きが概ね反転する。これにより、ホール素子172において生じるホール電圧が大きく変化する。
【0080】
このホール電圧の変化は制御部176により検出され、ホール電圧の変化に基づいてホール素子172と対向するマグネット164の磁極がS極に変わったと制御部176が判定すると、制御部176はそれまで点灯していた上記のインジケータを消灯する。このインジケータの消灯を確認することで乗員はタングプレート130が本バックル装置10に装着されたこと、すなわち、ウエビングベルト140の装着状態になったことを確認できる。
【0081】
また、本バックル装置10では、上記のように、タングプレート130が挿入されていない状態では、ホール素子172にマグネット164のN極が対向し、ラッチ50の係合片58がタングプレート130の貫通孔138に入り込むまでタングプレート130が挿入されると、マグネット164が略180度回転して、S極がホール素子172に対向する。このように、ホール素子172に対向するマグネット164の磁極が反転することで、ホール素子172にて生じるホール電圧は大きく変化する(概ね反転する)。
【0082】
このため、本バックル装置10では、タングプレート130が挿入されていない状態でのホール電圧と、ラッチ50の係合片58がタングプレート130の貫通孔138に入り込むまでタングプレート130が挿入された状態でのホール電圧とを確実に差別化でき、上記の状態の何れであるかを確実に検出できる。
【0083】
なお、本実施の形態では、磁気センサとしてホール素子172を適用した構成であるが、請求項2乃至請求項5記載の本発明における磁気センサがホール素子172に限定されるものではなく、ホール素子172に代えて、例えば、磁気抵抗素子や巨大磁気抵抗素子を適用しても構わない。
【0084】
また、本実施の形態では、回転体にマグネット164を適用し、検出手段にホール素子172を適用した構成であるが、請求項1記載の本発明の観点からすれば、回転体の回転位置を検出手段が検出する構成であれば、マグネット164とホール素子172のような磁気の変化に基づく回転位置検出でなくてもよい。
【0085】
さらに、本実施の形態では、タングプレート130が挿入されていない状態と、ラッチ50の係合片58がタングプレート130の貫通孔138に入り込むまでタングプレート130が挿入された状態とで、マグネット164が略180度回転する構成であったが、請求項2記載の本発明の観点からすれば、このように、マグネット164が180度回転する構成でなくてもよい。
【0086】
さらに、本バックル装置10のバックルスイッチ150は、単にインパネに設けられたインジケータを点灯又は消灯してウエビングベルト140の装着を促すために用いられているが、これ以外にも、例えば、エアバッグ装置の制御等にバックルスイッチ150を適用してもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、回転体若しくはマグネットの回転に基づき装置本体内にタングプレートが挿入されたか否かを確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るバックル装置の分解斜視図である。
【図2】タングプレートが挿入される前の状態を示すバックル装置の断面図である。
【図3】タングプレートが挿入された後の状態を示すバックル装置の断面図である。
【図4】ベースの裏面図である。
【符号の説明】
10 バックル装置
20 ベース(装置本体)
34 イジェクタ
40 圧縮コイルスプリング(付勢手段)
50 ラッチ(ロック部材)
90 解除ボタン(解除部材)
130 タングプレート
140 ウエビングベルト
150 バックルスイッチ
158 ピニオン(運動伝達機構)
164 マグネット(回転体)
166 ラック(運動伝達機構)
172 ホール素子(検出手段、磁気センサ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートベルト装置を構成し、ウエビングベルトに取り付けられたタングプレートを保持するためのバックル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の座席に着座した乗員の身体を拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビングベルトは、その長手方向一端が、例えば、座席側方に設けられた巻取装置の巻取軸に係止されており、他端がこの巻取装置の近傍に設けられたアンカプレートに固定されている。また、ウエビングベルトの長手方向中間部は巻取装置の上方、例えば、車両のセンタピラーの上端側に設けられたスルーアンカの挿通孔を貫通して下方側へ折り返されている。
【0003】
このスルーアンカでの折り返し部分と他端との間でウエビングベルトはタングプレートに形成された挿通孔を貫通しており、タングプレートを引っ張ることで巻取装置の巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出される。このウエビングベルトの引出状態で座席を介して巻取装置とは反対側に設けられたバックル装置にタングプレートを挿入して連結させることで、ウエビングベルトの装着状態となる。
【0004】
一方、上記のタングプレートが連結されるバックル装置には、所謂「バックルスイッチ」を設けた構造のものがあり、このようなバックルスイッチの構造の一例が下記特許文献1に開示されている。以下、特許文献1に開示されているバックルスイッチに関して簡単に説明する(詳細に関しては特許文献1を参照されたい)。
【0005】
この特許文献1に開示されているバックルスイッチは、スイッチスプリングの付勢力により先端のラッチ検出部がロックピンに圧接されたアーム部を備えている。アーム部の基端部には一対のマグネット部材が互いに接した状態で一体的に固定されている。一対のマグネット部材は磁界の方向が反対方向となるように設けられており、更に、マグネットに対向してICホール素子が設けられている。
【0006】
スイッチスプリングの付勢力に抗してアーム部がスイッチケースの内部に入り込んだ状態では、一対のマグネットの一方がICホール素子に対向し、スイッチスプリングの付勢力によりアーム部がスイッチケースから突出した状態では一対のマグネットの他方がICホール素子に対向する。
【0007】
一方、ロックピンはスライダに保持されており、更に、スライダを介してスライダスプリングによりロック位置側へ付勢され、これにより、常にラッチ(ラッチ部材)の上面に当接している。ラッチがラッチ解除位置からラッチ位置へ移動するとスライダスプリングの付勢力でロックピンがロック解除位置からロック位置へ移動し、更に、ロックピンが移動するとスイッチスプリングの付勢力でアーム部がスイッチケースから突出する構造となっている。
【0008】
すなわち、ラッチ解除位置とラッチ位置との間でのラッチの移動に連動したアーム部の移動により、ICホール素子と対向するマグネットが一方から他方に切り替わる。このように、ICホール素子と対向するマグネットが切り替わってICホール素子に加わる磁界の向きが変わることで、ICホール素子における起電力の電流の向きが逆になり、マグネットが切り替わったこと、すなわち、ラッチが移動してラッチがタングプレート(タング)に係合し、又は、係合が解除されたことを検出できる構造となっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−157603公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されたバックルスイッチの構造では、隣接して設けられた一対のマグネットが互いの磁界に影響を及ぼすため、各マグネットが形成する磁界が厳密には逆向きならず、ICホール素子でアーム部の移動、すなわち、ラッチの移動を検出することが難しい。
【0011】
また、一対のマグネットの各々が形成する磁界が互いに逆向きにならないまでもアーム部の移動に伴うマグネットの移動によりICホール素子における磁界が変化するため、この磁界の変化をICホール素子で検出することが考えられる。
【0012】
しかしながら、ICホール素子での磁界の強さは、アーム部の移動に伴うマグネットの移動距離やマグネットの磁気の強さ(保磁力)のみならずICホール素子とマグネットとの間隔の大きさにも影響されるため、ラッチの係合及び係合解除を確実に検出することが難しい。
【0013】
本発明は、上記事実を考慮して、ラッチ等のロック部材の係合及び係合解除を確実に検出できるバックルスイッチを有するバックル装置を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、装置本体内に挿入されたタングプレートに対して接離移動可能なロック部材を有し、前記タングプレートの挿入状態で前記ロック部材が前記タングプレートに対して接近して係合することにより、前記装置本体内で前記タングプレートを保持するバックル装置であって、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入及び前記装置本体からの前記タングプレートの離脱に連動して回転する回転体と、前記回転体の回転半径方向外側で前記回転体に対向して設けられ、前記回転体の回転位置を検出する検出手段と、を含めて構成したバックルスイッチを有する、ことを特徴としている。
【0015】
上記構成のバックル装置によれば、シートベルト装置を構成するウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが装置本体に挿入され、この状態で、装置本体内に設けられたロック部材がタングプレートに接近してタングプレートに係合すると、ロック部材によりタングプレートが保持される。これにより、装置本体への挿入方向とは反対方向へのタングプレートの移動が規制される。したがって、この状態で、例えば、乗員の身体にウエビングベルトが装着されていれば、ウエビングベルトにより乗員の身体が保持される。
【0016】
一方、上記のようにタングプレートが装置本体内に挿入されると、装置本体内でのタングプレートの移動(すなわち、挿入移動)に連動して、装置本体内に設けられた回転体が回転する。さらに、この回転体の回転位置は、回転体の回転半径方向外側で回転体に対向して設けられた検出手段により検出され、これにより、タングプレートが装置本体内に挿入されたか否かを検出できる。
【0017】
ここで、本バックル装置のバックルスイッチでは、装置本体内にタングプレートが挿入され、又は、装置本体からタングプレートが抜き取られると、回転体が回転してその向きを変える。このように、単純にスライドする部材のスライド量を検出する構成ではなく、向きの変化を検出する構造とすることで、装置本体内にタングプレートが挿入されたか否かを確実に検出できる。
【0018】
請求項2記載の本発明は、装置本体内に挿入されたタングプレートに対して接離移動可能なロック部材を有し、前記タングプレートの挿入状態で前記ロック部材が前記タングプレートに対して接近して係合することにより、前記装置本体内で前記タングプレートを保持するバックル装置であって、磁極の向きに沿った方向に対して交差する方向を軸方向として、前記磁極の向きに沿った方向の略中央を中心に回転可能に設けられ、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入及び前記装置本体からの前記タングプレートの離脱に連動して回転するマグネットと、前記マグネットの回転半径方向外方側で前記マグネットに対向して設けられ、前記マグネットの磁気を検出する磁気センサと、を含めて構成したバックルスイッチを有する、ことを特徴としている。
【0019】
上記構成のバックル装置によれば、シートベルト装置を構成するウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが装置本体に挿入され、この状態で、装置本体内に設けられたロック部材がタングプレートに接近してタングプレートに係合すると、ロック部材によりタングプレートが保持される。これにより、装置本体への挿入方向とは反対方向へのタングプレートの移動が規制される。したがって、この状態で、例えば、乗員の身体にウエビングベルトが装着されていれば、ウエビングベルトにより乗員の身体が保持される。
【0020】
一方、上記のようにタングプレートが装置本体内に挿入されると、装置本体内でのタングプレートの移動(すなわち、挿入移動)に連動して、装置本体内に設けられたマグネットが回転する。ここで、マグネットは、磁極の向き(N極からS極への方向及びその反対方向)に沿った方向に対して交差する方向を軸方向として、磁極の向きに沿った方向の略中央を中心に回転するため、タングプレートの挿入量(若しくは離脱量)に伴い、磁極の向きが変わる。
【0021】
さらに、このようにして回転するマグネットの回転半径方向外方には、磁気センサが設けられており、マグネットの磁気が磁気センサにより検出される。ここで、上記のようにマグネットが回転することで磁極の向きが変わると、当然磁気センサが検出する磁気が大きく変化する。このため、磁気センサが検出した磁気の変化に基づき、タングプレートが装置本体内に挿入されたか否か、ひいては、本バックル装置に対応した座席に着座した乗員がウエビングベルトを装着したか否かを確実に検出できる。
【0022】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載のバックル装置において、前記装置本体内への前記タングプレートを挿入する前の状態に対し、前記装置本体内で前記タングプレートが保持された状態での前記マグネットが前記回転中心周りに略180度回転する、ことを特徴としている。
【0023】
上記構成のバックル装置によれば、装置本体内にタングプレートが挿入されることで、タングプレートの挿入前に比べてマグネットが180度回転する(すなわち、タングプレートの挿入前後で磁極の向きが反転する)。このため、磁気センサが検出する磁気が大きく変化し、磁気センサが検出した磁気の変化に基づき、タングプレートが装置本体内に挿入されたか否かをより一層確実に検出できる。
【0024】
請求項4記載の本発明は、請求項2又は請求項3記載のバックル装置において、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入前及び挿入後の少なくとも何れか一方の状態での前記マグネットのN極又はS極に前記磁気センサを対向配置させた、ことを特徴としている。
【0025】
上記構成のバックル装置では、装置本体内にタングプレートを挿入する前及び挿入した後の少なくとも何れか一方の状態でのマグネットのN極又はS極に対し、磁気センサが対向している。
【0026】
これにより、タングプレートを挿入する前及び挿入した後の何れか一方の状態で磁気センサが検出する磁気に対して、何れか他方の状態で検出する磁気を大きく変化させることができる。このため、磁気センサが検出した磁気の変化に基づき、タングプレートが装置本体内に挿入されたか否かを、より一層確実に検出できる。
【0027】
なお、請求項4記載の本発明は、請求項2又は請求項3記載の本発明に従属するが、上述したように、請求項3記載の本発明では、装置本体内にタングプレートを挿入する前と挿入した後とでマグネットが略180度回転する。
【0028】
したがって、請求項4記載の本発明が請求項3記載の本発明に従属する場合は、当然、装置本体内にタングプレートを挿入する前の状態でマグネットのN極及びS極の何れか一方の磁極に磁気センサが対向し、装置本体内にタングプレートを挿入した後の状態でと何れか他方の磁極に磁気センサが対向する構造になる。
【0029】
このような構造の場合には、基本的に磁気センサが検出する磁気を構成する磁力線の向きが反転するため、磁気センサは、更に確実に磁気の変化を検出できる。
【0030】
請求項5記載の本発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のバックル装置において、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入方向及びその反対の抜取方向にスライド可能に前記装置本体内の前記タングプレートの移動軌跡上に設けられ、前記装置本体内に挿入された前記タングプレートにより前記挿入方向に押圧されるイジェクタと、前記装置本体内に設けられ、前記挿入方向とは反対方向へ前記イジェクタを付勢する付勢手段と、所定の解除操作により前記ロック部材によるロック状態を解除する解除手段と、前記装置本体内に設けられて直線的な往復運動を所定の軸心周りの回転運動に変換すると共に、前記往復運動側が前記イジェクタに連結され、前記回転運動側に前記回転体又は前記マグネットが直接或いは間接的に取り付けられた運動伝達手段と、を備えることを特徴としている。
【0031】
上記構成のバックル装置では、装置本体内にタングプレートを挿入すると、タングプレートが装置本体内に設けられたイジェクタに当接する。この状態から更に装置本体内にタングプレートを挿入すると、装置本体内に設けられた付勢手段の付勢力に抗して装置本体内へのタングプレートの挿入方向にタングプレートがイジェクタを押圧してイジェクタをスライドさせる。
【0032】
また、解除手段を解除操作することで、ロック部材による装置本体内でのタングプレートの保持状態が解除されると、付勢手段の付勢力によりイジェクタが上記の挿入方向とは反対の離脱方向へ押圧されてスライドさせられる。このように離脱方向へスライドするイジェクタは、タングプレートを押圧して離脱方向へ移動させ、これにより、装置本体からタングプレートが抜け出る。
【0033】
一方、本バックル装置では、装置本体内に運動伝達手段が設けられ、装置本体内に挿入されるタングプレートに押圧されたイジェクタのスライド、すなわち、直線的な往復運動の内の往動が運動伝達手段により回転運動に変換され回転体又はマグネット(請求項5記載の本発明が請求項1記載の本発明に従属しているのであれば回転体、請求項2乃至請求項4の何れか1項に従属しているのであればマグネット)に伝えられ、回転体又はマグネットが回転させられる。
【0034】
ここで、本バックル装置では、上記のように、イジェクタ及び運動伝達手段を介してタングプレートの移動に回転体やマグネットを連動させている。したがって、タングプレートに回転体やマグネットを装置本体内で直接係合させなくてもよく、また、タングプレートにマグネットや回転体を回転させるための特別な構造を付加しなくてもよいため汎用性が向上する。
【0035】
【発明の実施の形態】
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るバックル装置10の構造が分解斜視図により示されており、図2には本バックル装置10の構造が断面図により示されている。
【0036】
(バックル装置10の全体構成)
図2に示されるように、バックル装置10はケース14を備えている。ケース14は長手方向両端が開口した箱形の筒状部材とされており、その長手方向一端側の開口はアンカ挿入口16とされ、長手方向他端側の開口はタング挿入口18とされている。また、ケース14の内側には装置本体を構成するベース20が収容されている。
【0037】
図1及び図2に示されるように、ベース20はケース14の長手方向に沿って長手とされた平板状の底板22を備えている。底板22の長手方向一端側にはアンカ部材としての略板状のアンカプレート24が重ね合わされており、底板22に形成された透孔26と底板22の長手方向に沿って長手とされたアンカプレート24に形成された長孔28とを貫通するリベット30により底板22とアンカプレート24とが機械的に連結されている。アンカプレート24はその他端側が車両の座席の側方で車体(何れも図示省略)に固定されており、これにより本バックル装置10が車両に取り付けられている。
【0038】
一方、底板22の幅方向両端部からは底板22の厚さ方向に側壁32が立設されており、側壁32の間にはイジェクタ34が配置されている。イジェクタ34の一部は底板22に形成されたガイド孔36に係合しており、ガイド孔36に沿って底板22の長手方向に所定範囲スライド可能とされている。
【0039】
また、図4に示されるように、底板22の長手方向一方の側でのガイド孔36の端部からは、係合突起38が突出形成されており、圧縮コイルスプリング40の一端が係止されている。圧縮コイルスプリング40の他端はイジェクタ34の一端へ圧接されており、圧縮コイルスプリング40の付勢力によりイジェクタ34は底板22の長手方向他端側へ付勢されている。
【0040】
一方、図1及び図2に示されるように、バックル装置10は特許請求の範囲で言うところのロック部材に相当するラッチ50を備えている。ラッチ50は基部52を備えている。ラッチ50の姿勢にもよるが、基部52は概ね両側壁32の対向方向に沿って長手方向で、底板22の長手方向に沿って厚さ方向とされた平板状に形成されており、その長手方向両端部は両側壁32に形成された支持部としての支持孔54に入り込んでいる。基部52(すなわち、ラッチ50)は支持孔54の内周部に干渉されるまで基部52の長手方向を軸方向として所定角度回動可能に支持されている。
【0041】
また、基部52の長手方向中間部側の幅方向一端からは、基部52の幅方向一方へ向けて平板状の連結部56が延出されており、更に、連結部56の基部52とは反対側からは、底板22側へ向けて係合片58が延出されている。
【0042】
係合片58の先端部(より詳細に言えば、連結部56との連結部分側とは反対側の端部)は、底板22に形成された貫通孔60に対応しており、ラッチ50が変位することによって、図3に示されるように、係合片58が貫通孔60に入り込むことができる。
【0043】
図1及び図2に示されるように、ラッチ50の係合片58の先端部に対応して上述したイジェクタ34の厚さ方向一方(底板22とは反対側)の面には、載置片62が一体的に設けられている。上述したように、イジェクタ34には圧縮コイルスプリング40の付勢力が作用している。
【0044】
但し、基本的に圧縮コイルスプリング40の付勢力以外の外力が作用していない状態での到達位置にイジェクタ34が位置している状態で、概ね、底板22の厚さ方向に沿って係合片58の先端部と対向するように載置片62が設けられており、係合片58の先端部との対向状態で載置片62は係合片58の先端部に干渉して底板22へ接近する方向への係合片58の移動(すなわち、ラッチ50の移動)を規制する。
【0045】
また、基部52の長手方向両端側からはストッパ64が延出されている。ストッパ64は、先端側が圧縮コイルスプリング40の付勢力に抗したイジェクタ34のスライド軌跡上に位置するように形成されており、圧縮コイルスプリング40の付勢力に抗してイジェクタ34が所定距離スライドするとイジェクタ34がストッパ64に当接する。
【0046】
さらに、ラッチ50の連結部56を介してベース20の底板22とは反対側にはロック部材70が配置されている。ロック部材70は基部72を備えている。基部72は両側壁32の対向方向に沿って長手方向とされた略角棒状とされている。
【0047】
基部72の両端部は両側壁32に形成された係合孔74に入り込んでいる。係合孔74は貫通孔60よりも側壁32の長手方向他端側に形成されており、基部72は自らの長手方向を軸周りに回動可能に側壁32に支持されている。基部52の長手方向両端側には一対の略扇状のロック片76が形成されている。ロック片76は連結部56(ラッチ50)の幅方向両端部から延出された当接片78に対応しており、ロック片76は当接片78に当接している。
【0048】
また、基部72の長手方向中間部には当接部80が形成されている。当接部80は、ラッチ50の係合片58が底板22から離間した状態で係合片58に当接する。
【0049】
一方、バックル装置10は解除手段としての解除ボタン90を備えている。解除ボタン90は操作用の押圧部92を備えている。押圧部92は押圧面が底板22の長手方向他端側へ向いた板状で、両側壁32の対向方向に沿って長手方向とされている。
【0050】
押圧部92の長手方向両端近傍からは底板22の長手方向一端側へ向けて側壁94が延出されている。これらの側壁94は上述した側壁32の対向方向に沿って互いに対向していると共に、底板22とは反対側の端部が上壁96により連結され、全体的には底板22へ向けて開口した凹形状とされている。
【0051】
両側壁94の押圧部92とは反対側の端部からは、それぞれアーム98が側壁94の対向方向に沿って互いに対向するように延出されている。両アーム98の先端部には、他方のアーム98へ向けて係合突起100が形成されており、側壁32に形成されたガイド孔102に入り込んでいる。ガイド孔102は底板22の長手方向に沿って長手の長孔とされている。係合突起100はガイド孔102の内周部によって底板22の長手方向に沿って所定範囲変位可能とされており、これにより、ガイド孔102によって解除ボタン90の移動方向が底板22の長手方向に規制されている。
【0052】
また、押圧部92とロック部材70との間には、ストッパ110が配置されている。ストッパ110は、側壁94の対向方向に沿って長手方向とされた板状の基部112を備えている。基部112の長手方向両端側には、基部112の長手方向に沿ってみた場合に底板22へ向けて開口した凹形状の一対の係合片114が形成されており、これらの係合片114が上述したロック部材70の基部72に係合することでストッパ110がロック部材70に支持されている。
【0053】
さらに、ストッパ110の両係合片114の近傍には、上述した解除ボタン90の係合突起100へ干渉可能に干渉部116が形成されている。
【0054】
また、ストッパ110と解除ボタン90の押圧部92との間には、圧縮コイルスプリング118が配置されており、その一端は押圧部92の押圧面とは反対側へ当接している。これに対して圧縮コイルスプリング118の他端はストッパ110の基部112に当接しており、これによって、ストッパ110を押圧部92から離間させる方向へ付勢している。
【0055】
(タングプレート130の構成)
一方、上述した側壁32の間には底板22の長手方向他端側からタングプレート130が挿入される。図1に示されるように、タングプレート130は金属板材により形成された基部132を備えている。基部132にはタングプレート130が側壁32の間に挿入された状態で側壁32の対向方向に沿って長手となるスリット孔134が形成されており、長尺帯状のウエビングベルト140の長手方向中間部が挿通される。
【0056】
ウエビングベルト140はその基端部が図示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止されており、ウエビングベルト140を巻き取る方向へ巻取軸を付勢するための渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力がウエビングベルト140に作用している。
【0057】
また、基部132には挿入板部136が形成されている。挿入板部136は幅寸法が側壁32の間隔よりも小さく、実際にはタングプレート130のうち、挿入板部136が側壁32の間に挿入されることになる(図3参照)。
【0058】
挿入板部136には厚さ方向に貫通した貫通孔138が形成されており、挿入板部136が側壁32の間で底板22の長手方向一端側の所定位置に達した状態では、上述した係合片58が貫通可能となり、貫通孔138に係合片58が貫通することで、バックル装置10からのタングプレート130の抜き出しが規制されるようになっている。
【0059】
ここで、図2及び図3に示されるように、上述したイジェクタ34の先端部近傍で且つ底板22側には、導電性を有する接点部材142が設けられている。これに対応して、底板22には、一対(図2及び図3では一方のみを図示)の接点部材144が設けられている。接点部材144は、上記のタングプレート130の貫通孔138にラッチ50の係合片58が入り込みことができる位置までタングプレート130の挿入板部136が本バックル装置10の内部に挿入された状態でのイジェクタ34の位置で、接点部材142に摺接するように設けられており、接点部材142に接点部材144が摺接することで接点部材142と接点部材144とが電気的に導通する。また、接点部材142は、後述する制御部176又は他の検知手段(判定手段)に電気的に接続されており、接点部材142と接点部材144との導通及び導通解除は制御部176又は他の検知手段により検知される構成となっている。
【0060】
(バックルスイッチ150の構成)
一方、図1に示されるように、本バックル装置10はバックルスイッチ150を備えている。バックルスイッチ150は一対の支持板152を備えている。支持板152は正面視(底板22の長手方向から見た状態)で略L字形状に屈曲した板状部材で、底板22の厚さ方向に沿って厚さ方向とされた各支持板152の固定部154はアンカプレート24上に固定されている。
【0061】
一方、底板22の幅方向内方側の各固定部154の端部から上方(底板22とは反対側)に延出された支持部156は、底板22の幅方向に沿って所定距離離間した状態で互いに対向している。また、両支持部156の間には、運動伝達手段を構成するピニオン158が配置されている。ピニオン158は、外周部に複数の外歯が形成された歯車で、その回転軸方向が両支持部156の対向方向、すなわち、底板22の幅方向に沿っている。
【0062】
また、各支持部156には、軸受孔160(図1では一方の軸受孔160のみを図示している)が形成されている。一方の支持部156に形成された軸受孔160と、他方の支持部156に形成された軸受孔160とは互いに同軸とされていると共に、アンカプレート24の上面から軸受孔160の軸心までの底板22の厚さ方向に沿った距離は、上記のピニオン158の外径寸法(歯先までの半径寸法)よりも充分に長い。これらの軸受孔160には、ピニオン158の軸方向両端から同軸的に突出形成された軸部162(図1では一方の軸部162のみを図示している)が回転自在に軸支されている。
【0063】
さらに、一方の支持部156とピニオン158との間には、回転体としてのマグネット(永久磁石)164が設けられている。本実施の形態においてマグネット164はその厚さ方向がピニオン158の軸方向に平行な略直方体形状に形成され、その長手方向中央部よりも一端側でN極、他端側でS極とされている。マグネット164の長手方向及びは幅方向の略中央部では、厚さ方向に軸部162が貫通しており、マグネット164と軸部162、ひいてはピニオン158とが一体に結合されている。
【0064】
一方、ピニオン158とアンカプレート24との間には、ピニオン158と共に運動伝達手段を構成するラック166が配置されている。ラック166は、底板22の長手方向に沿って長手方向とされた略角棒形状に形成されており、ピニオン158と対向する側の側面には、長手方向に沿って断続的に歯が形成されている。
【0065】
ラック166に形成された歯は、上記のピニオン158の外歯に噛合可能であり、ラック166がその長手方向に沿ってスライドすることでピニオン158が回転する所謂「ラック&ピニオン機構」を構成している。また、ラック166の歯は、ラック166のスライドによるピニオン158の回転量の上限が180度になるように、その総数が設定されている。
【0066】
また、ラック166の長手方向一端側には、連結バー168が形成されており、その先端側は、ラッチ50の基部52の長手方向両端側に形成された切欠部53の一方を通過し、イジェクタ34に固定されている。これにより、ラック166はイジェクタ34に一体的に連結され、イジェクタ34のスライドに連動してその長手方向にスライドする。
【0067】
上述したマグネット164は、イジェクタ34に圧縮コイルスプリング40の付勢力以外の外力が作用していない状態、すなわち、イジェクタ34が最もタング挿入口18側に位置した状態でのピニオン158の回転位置で、長手方向が底板22の厚さ方向に沿い、長手方向一端側(すなわち、N極)が底板22とは反対側(すなわち、上方)を向くように軸部162に固定されている。
【0068】
一方、マグネット164を介して底板22とは反対側、すなわち、マグネット164の上方には、検出手段又は磁気センサとしてのホール素子172が配置されており、マグネット164の長手方向が底板22の厚さ方向に沿った状態ではマグネット164の磁極(N極やS極)にホール素子172が対向する。図2に示されるように、ホール素子172は制御部176に電気的に接続されていると共に、制御部176を介して車両に搭載されたバッテリー178に接続されている。制御部176によりホール素子172には一定の電圧で電流が流されていると共に、ホール素子172において生じたホール電圧が制御部176により検出されている。
【0069】
制御部176は、例えば、車両のインパネに設けられたインジケータ(図示省略)に電気的に接続されており、ホール素子172で生じたホール電圧の大きさ等に基づきインジケータを点灯させ、又は、消灯する構造となっている。
【0070】
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0071】
(バックル装置10の基本動作)
本バックル装置10では図2に示される非装着状態でタングプレート130の挿入板部136をケース14のタング挿入口18から挿入すると、図3に示されるように、挿入板部136の先端部がイジェクタ34の端部に当接して押圧し、圧縮コイルスプリング40の付勢力に抗してイジェクタ34を底板22の長手方向一端側へスライドさせる。
【0072】
イジェクタ34が底板22の長手方向一端側へ所定量スライドすると、イジェクタ34の載置片62とラッチ50の係合片58との対向状態が解除されると共に、イジェクタ34がラッチ50のストッパ64を押圧して、ラッチ50を回動させる。
【0073】
これにより、係合片58の先端部が底板22へ接近移動する。また、この状態では、挿入板部136の貫通孔138と、底板22に形成された貫通孔60とが重なり合う。したがって、この状態では図3に示されるように、回動した係合片58が挿入板部136の貫通孔138と底板22の貫通孔60を貫通する。
【0074】
また、ラッチ50が回動することで、ラッチ50の係合片58とロック部材70の当接部80との当接状態が解除される。ここで、ロック片76はストッパ110を介して圧縮コイルスプリング118の付勢力を受けるため、ラッチ50の回動に連動するように圧縮コイルスプリング118の付勢力でロック部材70が回動し、ロック片76がラッチ50の当接片78に当接する。このため、係合片58が底板22から離間する方向へのラッチ50の回動が規制され、これにより、バックル装置10に対するタングプレート130の装着状態となる。
【0075】
このタングプレート130の装着状態が、座席に着座した乗員の前方にウエビングベルト140が位置するように巻取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力に抗してウエビングベルト140を引っ張ってからのタングプレート130の装着状態であれば、これはウエビングベルト140による「身体拘束状態」となり、乗員の身体がウエビングベルト140により拘束される。
【0076】
(バックルスイッチ150の作用、効果)
一方、上記のように、タングプレート130の挿入板部136をケース14のタング挿入口18から挿入してイジェクタ34をアンカ挿入口16側へスライドさせると、連結バー168を介してイジェクタ34に一体的に固定されたラック166がその長手方向に沿ってアンカ挿入口16側へイジェクタ34と共にスライドする。
【0077】
ラック166がその長手方向にスライドすると、ラック166に噛み合っているピニオン158が軸部162周りに回転し、更に、ピニオン158に固定されているマグネット164がピニオン158と共に一体的に回転する。
【0078】
ここで、上述したように、ラック166のスライドに連動したピニオン158の回転量の上限が180度となるようにラック166の歯の総数が設定されている。このため、タングプレート130の貫通孔138にラッチ50の係合片58が入り込む位置までタングプレート130がアンカ挿入口16側へスライドし、更に、これに伴い、イジェクタ34がアンカ挿入口16側へスライドすると、マグネット164は軸部162周りに180度回転して、それまで底板22とは反対側(すなわち、上方)へ向いていたマグネット164のN極が底板22側(すなわち、下方)へ向き、これとは反対に、それまで底板22側(すなわち、下方)へ向いていたマグネット164のS極が底板22とは反対側(すなわち、上方)へ向いてホール素子172と対向する。
【0079】
このように、ホール素子172と対向していたマグネット164の磁極がN極からS極に変わることで、ホール素子172を通過していた磁束の向きが概ね反転する。これにより、ホール素子172において生じるホール電圧が大きく変化する。
【0080】
このホール電圧の変化は制御部176により検出され、ホール電圧の変化に基づいてホール素子172と対向するマグネット164の磁極がS極に変わったと制御部176が判定すると、制御部176はそれまで点灯していた上記のインジケータを消灯する。このインジケータの消灯を確認することで乗員はタングプレート130が本バックル装置10に装着されたこと、すなわち、ウエビングベルト140の装着状態になったことを確認できる。
【0081】
また、本バックル装置10では、上記のように、タングプレート130が挿入されていない状態では、ホール素子172にマグネット164のN極が対向し、ラッチ50の係合片58がタングプレート130の貫通孔138に入り込むまでタングプレート130が挿入されると、マグネット164が略180度回転して、S極がホール素子172に対向する。このように、ホール素子172に対向するマグネット164の磁極が反転することで、ホール素子172にて生じるホール電圧は大きく変化する(概ね反転する)。
【0082】
このため、本バックル装置10では、タングプレート130が挿入されていない状態でのホール電圧と、ラッチ50の係合片58がタングプレート130の貫通孔138に入り込むまでタングプレート130が挿入された状態でのホール電圧とを確実に差別化でき、上記の状態の何れであるかを確実に検出できる。
【0083】
なお、本実施の形態では、磁気センサとしてホール素子172を適用した構成であるが、請求項2乃至請求項5記載の本発明における磁気センサがホール素子172に限定されるものではなく、ホール素子172に代えて、例えば、磁気抵抗素子や巨大磁気抵抗素子を適用しても構わない。
【0084】
また、本実施の形態では、回転体にマグネット164を適用し、検出手段にホール素子172を適用した構成であるが、請求項1記載の本発明の観点からすれば、回転体の回転位置を検出手段が検出する構成であれば、マグネット164とホール素子172のような磁気の変化に基づく回転位置検出でなくてもよい。
【0085】
さらに、本実施の形態では、タングプレート130が挿入されていない状態と、ラッチ50の係合片58がタングプレート130の貫通孔138に入り込むまでタングプレート130が挿入された状態とで、マグネット164が略180度回転する構成であったが、請求項2記載の本発明の観点からすれば、このように、マグネット164が180度回転する構成でなくてもよい。
【0086】
さらに、本バックル装置10のバックルスイッチ150は、単にインパネに設けられたインジケータを点灯又は消灯してウエビングベルト140の装着を促すために用いられているが、これ以外にも、例えば、エアバッグ装置の制御等にバックルスイッチ150を適用してもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、回転体若しくはマグネットの回転に基づき装置本体内にタングプレートが挿入されたか否かを確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るバックル装置の分解斜視図である。
【図2】タングプレートが挿入される前の状態を示すバックル装置の断面図である。
【図3】タングプレートが挿入された後の状態を示すバックル装置の断面図である。
【図4】ベースの裏面図である。
【符号の説明】
10 バックル装置
20 ベース(装置本体)
34 イジェクタ
40 圧縮コイルスプリング(付勢手段)
50 ラッチ(ロック部材)
90 解除ボタン(解除部材)
130 タングプレート
140 ウエビングベルト
150 バックルスイッチ
158 ピニオン(運動伝達機構)
164 マグネット(回転体)
166 ラック(運動伝達機構)
172 ホール素子(検出手段、磁気センサ)
Claims (5)
- 装置本体内に挿入されたタングプレートに対して接離移動可能なロック部材を有し、前記タングプレートの挿入状態で前記ロック部材が前記タングプレートに対して接近して係合することにより、前記装置本体内で前記タングプレートを保持するバックル装置であって、
前記装置本体内への前記タングプレートの挿入及び前記装置本体からの前記タングプレートの離脱に連動して回転する回転体と、
前記回転体の回転半径方向外側で前記回転体に対向して設けられ、前記回転体の回転位置を検出する検出手段と、
を含めて構成したバックルスイッチを有する、
ことを特徴とするバックル装置。 - 装置本体内に挿入されたタングプレートに対して接離移動可能なロック部材を有し、前記タングプレートの挿入状態で前記ロック部材が前記タングプレートに対して接近して係合することにより、前記装置本体内で前記タングプレートを保持するバックル装置であって、
磁極の向きに沿った方向に対して交差する方向を軸方向として、前記磁極の向きに沿った方向の略中央を中心に回転可能に設けられ、前記装置本体内への前記タングプレートの挿入及び前記装置本体からの前記タングプレートの離脱に連動して回転するマグネットと、
前記マグネットの回転半径方向外方側で前記マグネットに対向して設けられ、前記マグネットの磁気を検出する磁気センサと、
を含めて構成したバックルスイッチを有する、
ことを特徴とするバックル装置。 - 前記装置本体内への前記タングプレートを挿入する前の状態に対し、前記装置本体内で前記タングプレートが保持された状態での前記マグネットが前記回転中心周りに略180度回転する、
ことを特徴とする請求項2記載のバックル装置。 - 前記装置本体内への前記タングプレートの挿入前及び挿入後の少なくとも何れか一方の状態での前記マグネットのN極又はS極に前記磁気センサを対向配置させた、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のバックル装置。 - 前記装置本体内への前記タングプレートの挿入方向及びその反対の抜取方向にスライド可能に前記装置本体内の前記タングプレートの移動軌跡上に設けられ、前記装置本体内に挿入された前記タングプレートにより前記挿入方向に押圧されるイジェクタと、
前記装置本体内に設けられ、前記挿入方向とは反対方向へ前記イジェクタを付勢する付勢手段と、
所定の解除操作により前記ロック部材によるロック状態を解除する解除手段と、
前記装置本体内に設けられて直線的な往復運動を所定の軸心周りの回転運動に変換すると共に、前記往復運動側が前記イジェクタに連結され、前記回転運動側に前記回転体又は前記マグネットが直接或いは間接的に取り付けられた運動伝達手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のバックル装置。
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2002
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