JP2004120847A - 電動機のシール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータハウジングの開口部をシールするシール部材の破断やよじれの発生を防止して、シール性能と耐久性の向上を図る。
【解決手段】モータハウジング15の後端部に形成された膨出部50の底部50aに、内部と連通する開口部51が形成されていると共に、前記膨出部50にキャップ52を圧入により被嵌して開口部をシールするシール装置である。前記キャップの底壁52aの中央に前記開口部の内周面に圧入して該開口部に固定される突部52bを形成すると共に、キャップの周壁52cの内周面に前記膨出部50の外周面に最適な圧力で当接して前記開口部をシールする弾性シール部材54を形成した。これによって、シール部材に対する圧入固定の大きな荷重の掛かりを防止した。
【選択図】 図1
【解決手段】モータハウジング15の後端部に形成された膨出部50の底部50aに、内部と連通する開口部51が形成されていると共に、前記膨出部50にキャップ52を圧入により被嵌して開口部をシールするシール装置である。前記キャップの底壁52aの中央に前記開口部の内周面に圧入して該開口部に固定される突部52bを形成すると共に、キャップの周壁52cの内周面に前記膨出部50の外周面に最適な圧力で当接して前記開口部をシールする弾性シール部材54を形成した。これによって、シール部材に対する圧入固定の大きな荷重の掛かりを防止した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電動パワーステアリング装置等に用いられる電動機のシール装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電動パワーステアリング装置に用いられる電動機としては仕様や大きさなどに応じて様々な構造のものが提供されており、その1つとして本出願人が先に出願した特願2001−383568に記載されたものがある。
【0003】
概略を説明すると、この電動機は、円筒状のモータハウジングの内部にモータ軸やアーマチュアコイルなどの各構成部品が収容されていると共に、モータハウジングの一端部から突出した前記モータ軸の回転によってウォーム歯車を介して出力軸側に駆動力を伝達するようになっている。また、前記モータハウジングの他端部には、前記モータ軸とほぼ同軸上に開口部が形成されている。この開口部は、電動機を電動パワーステアリング装置に組付けた際に、前記ウォーム歯車の各歯車間のバックラッシを調整するために、前記モータ軸を外部から所定の治具によって回転させて位置を調整するためのもので、位置調整が終了した後は、開口縁に一体に形成されたほぼ円筒状の凸部にキャップを被嵌状態に圧入して、モータハウジングの内部と外部との間をシールするようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電動機のシール装置にあっては、前記キャップを凸部に圧入するに際して、該キャップの外周側内周面に一体的に設けられたゴム製のシール部材を前記凸部の外周面に圧着して圧入固定を確保するようになっているため、該シール部材が圧入時に破断したり、よじれてしまうおそれがある。
【0005】
すなわち、開口部に対するキャップの固定状態をシール部材の圧着によって確保するようになっているため、キャップを凸部に圧入するに際し、シール部材が軸方向からの大きな荷重によって部分的に撓み変形して破断したり、よじれてしまうおそれがある。この結果、シール部材のシール性能や耐久性が著しく低下してしまう。
【0006】
そこで、凸部に対する圧入代を小さくして、シール部材の過度な変形を抑制することも考えられるが、今度は凸部に対するキャップの保持力が低下して、該キャップが不用意に脱落してしまうおそれがある。
【0007】
また、キャップの外周側をかしめて固定する場合にも、かかるかしめ力によって同じくシール部材が過度に圧縮変形してシール性能が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のシール装置の技術的課題に鑑みて案出したもので、開口部に対するキャップの固定時におけるシール部材の破損やよじれを防止して、シール部材のシール性能と耐久性の向上を図りうるシール装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、とりわけ、キャップを前記開口部の孔縁部に嵌着固定する固定部と、キャップと開口部との間をシールするシール部とを分離して設けたことを特徴としている。
【0010】
したがって、この発明によれば、固定部とシール部とを分離することによって、開口部に対してキャップを例えば圧入により固定する場合に、シール部は固定部に作用する荷重の影響を全く受けずに、シールに必要な圧接荷重のみを受けるだけであるから、該シール部による良好なシール性能を維持できると共に、耐久性の向上が図れる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記開口部の孔縁部に凸部を形成する一方、前記キャップの内周側に前記凸部内周縁に圧入して開口部に固定する前記固定部を形成すると共に、キャップの外周側に前記凸部の外周面に当接して前記開口部をシールする弾性シール部材を一体に設けたことを特徴としている。
【0012】
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、シール部材の配置の自由度が高くなると共に、シール部材をキャップに加硫接着などで一体に設けたことから、別体に設けた場合に比較してキャップの製造作業が容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる電動機のシール装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図4は電動機である電動モータMが適用された電動パワーステアリング装置のトルクセンサTSの縦断面、図5は電動モータMの縦断面図であって、前記電動モータMは、手動による操舵力を検出するトルクセンサTSからの信号に基づいて、図外のコントロールユニットに組み込まれたマイコンによりその駆動制御が行われ、これにより、手動による操舵力の補助制御が行われる。
【0015】
前記トルクセンサTSは、図4に示すように構成され、図中1はハウジング、2は入力軸、3は出力軸、4はトーションバー、5は被包囲部材、6はトルク検出側包囲部材、7は温度補償側包囲部材、8はトルク検出用コイル、9は温度補償用コイル、10はスペーサ、11はベース部材、12は皿ばね、13は出力軸側ウォームホイール、14はモータ軸側ウォームシャフトを示している。
【0016】
前記ハウジング1は、前記トルクセンサTC部分が主に収容される上部ハウジング110と、減速ギヤGが主に収容される中央ハウジング120と、ラックR&ピニオンP部分が主に収容される下部ハウジング130とに分割形成されて、それぞれ軸方向に組み付けることにより1つのハウジング1が構成されるようになっている。また、前記中央ハウジング120の端部には、図5に示すようにほぼ円筒状のモータハウジング15が設けられている。
【0017】
すなわち、中央ハウジング120の上部に備えた大径部120a内に上部ハウジング110の下端開口縁部121aを挿入すると共に、フランジ部121bを中央ハウジング120の開口部上端面に当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により上部ハウジング110と中央ハウジング120とが締結固定される。
【0018】
また、下部ハウジング130の上端部に備えた大径部130a内に中央ハウジング120の下部に備えた小径部120bを装着すると共に、大径部130aの上端面を中央ハウジング120における環状段差面120cに当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により中央ハウジング120と下部ハウジング130とが締結固定されるようになっている。
【0019】
前記入力軸2および出力軸3は、前記各ハウジング110、120、130内に軸受けベアリング1a、1b、1cを介してそれぞれ回転自在に支持された状態で、同軸上に配置されている。
【0020】
前記トーションバー4は、前記入力軸2の軸心穴2a内に回転可能に挿入され、その一端が軸心穴2aの奥側で入力軸2に対しピン2bで固定される一方、もう一端側は出力軸3の軸心穴3aにスプライン結合されている。
【0021】
また、前記入力軸2には、ステアリングホイールが連結されていて、このステアリングホイールの操舵力が、入力軸2とトーションバー4および出力軸3を経由し、出力軸3の下端に設けられたラックR&ピニオンPによりラックRの直線運動に変換され、左右の前輪に伝達されるようになっている。
【0022】
前記被包囲部材5は、前記トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で発生する磁界の磁路を構成するものであり、このためステンレス等の磁性材料で焼結加工により形成され、上部ハウジング110内において出力軸3の上端部(入力軸2側端部)に本体部31とは環状段差面32を形成して設けられた小径部33の外周に圧入結合されている。
【0023】
前記トルク検出用コイル8は、インピーダンス変化に基づいて入力軸2と出力軸3との間に作用するトルクを検出するためのもので、図4に示すように、被包囲部材5の入力軸2側の面と軸方向に対面する状態で、その下面以外を包囲するヨーク部材80を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材80を磁路とする磁界を発生させる。
【0024】
前記温度補償用コイル9は、前記トルク検出用コイル8でトルクを検出する際に温度変化に基づく検出値の変動を修正するためのもので、被包囲部材5の出力軸3側の面と軸方向に対面する状態で、その上面以外を包囲するヨーク部材90を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材90を磁路とする磁界を発生させる。
【0025】
前記スペーサ10は、非磁性体金属材であるアルミ合金材料によって形成され、トルク検出用コイル8側のヨーク部材80と温度補償用コイル9側のヨーク部材90との軸方向間隔を決定するために介装されるものである。
【0026】
前記ベース部材11は、その下端フランジ部11aを中央ハウジング120における大径部120aの内側に形成された係止段部120d上に係止させた状態で組み込まれるもので、その上端小径円筒部の内側にヨーク部材90における本体部を収容する環状凹部が形成されている。そして、前記小径円筒部が前記スペーサ10の下端開口部から挿入され、その上端面にヨーク部材90の固定フランジ部90dを当接係止させた状態で組み付けられる。すなわち、このベース部材11の軸方向長さにより、中央ハウジング120(ハウジング1)とトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9との軸方向位置関係が決定されることになる。
【0027】
そして、前記小径円筒部の外周面には、スペーサ10の軸方向突部が係合する切欠部が形成されている。なお、この切欠部に軸方向突部が係合した状態で、コイルハーネス9aの突出位置とベース部材11に形成されたハーネス引き出し溝11aとが周方向において一致するようになっている。
【0028】
前記固定フランジ部80dと上部ハウジング110の内部の軸方向中間部に形成された環状段部110bとの間に皿ばね12を介装させた状態で中央ハウジング120に対する上部ハウジング110の組み付けおよびボルト等による締結固定が行われることにより、皿ばね12の付勢力により両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の位置ずれを防止し、軸方向位置関係を維持させた状態でハウジング1への組み付けが行われる。
【0029】
前記トルク検出側包囲部材6は、導通性のある非磁性金属材であるアルミ合金材によって一体に形成され、内周側円筒部60を、該包囲部材6より線膨張係数の低い鉄系金属材によって形成された前記入力軸2の外周にかしめることにより、入力軸2に対して組み付け固定がなされている。
【0030】
すなわち、入力軸2は、下端部寄りの位置に形成された最大外径部2cの外周面に図外の周方向溝が形成されていると共に、最大外径部2cの軸方向に複数の図外の軸方向溝がそれぞれ形成されている。前記周方向溝は、最大外径部2cの長手方向のほぼ中央位置に一条形成されている一方、前記軸方向溝は、最大外径部2cの円周方向の120度の角度位置に3つ形成されている。また、この3つの軸方向溝は、その深さが周方向溝よりも深く設定されており、両溝の交差部位に凹部2dが形成されている。
【0031】
一方、トルク検出側包囲部材6は、ほぼ円盤状の本体6aと、該本体6aの中央に一体に有する内周側円筒部60とからなり、該内周側円筒部60が前記入力軸2の最大外径部2cの外周面に被嵌状態で嵌合していると共に、ポンチ等のかしめ具で前記両溝の交差部位に対応する位置、つまり凹部2dとその回りの周方向溝の一部内に打ち込むことによって、凹部2fに食い込み状態で嵌合固定することにより、入力軸2に対しトルク検出側包囲部材6が周方向および軸方向において位置決めされた状態で組み付け固定されている。
【0032】
そして、前記電動モータMは、図5に示すように、ブラシタイプDCモータであって、前記モータハウジング15は、前端部のフランジ部15aを介して複数のボルト21によって前記中央ハウジング120に固定されていると共に、円筒状のヨーク22と、ヨーク22の一端開口に取り付けられたフロントブラケット23などによって構成され、ヨーク22の内周には永久磁石24が固定されていると共に、中央軸方向にはモータ軸25がヨーク22の他端部22aとフロントブラケット23の中心部分に設けられたベアリング26、27によって回転自在に支持されている。
【0033】
前記モータ軸25は、永久磁石24の内周側に対向した位置にモータ軸25に回転力を発生させるアーマチュアコイル28がロータ29を介して固定されていると共に、前記フロントブラケット23から前方へ突出した先端部25aにウォームシャフト14が同軸上に連結されている。このウォームシャフト14は、先端部がベアリング40によって回転自在に支持されていると共に、外周に形成されたウォーム歯14aが前記前記ウォームホイール13の歯部13aに噛み合っている。
【0034】
また、前記アーマチュアコイル28には、モータ軸25と一体に回転すると同時にアーマチュアコイル28に通電するコミュテータ41が接続されている。このコミュテータ41に対する通電は、モータハウジング15に固定されたブラシホルダ42によって保持されてコミュテータ41と電気的な接触を保持する図外のブラシとコミュテータ方向に付勢力を与えるブラシスプリングとによって行われる。
【0035】
さらに、前記ヨーク22の他端部22aの中央位置には、図1〜図3に示すように、凸部である膨出部50が形成されていると共に、該膨出部50の底部50a中央に開口部51が貫通形成されており、前記膨出部50にキャップ52が被嵌状態に固定されている。
【0036】
具体的に説明すれば、前記膨出部50は、図1及び図2に示す有底円筒状に形成され、内周側に前記ベアリング26を収容保持しており、該ベアリング26の内周側に前記モータ軸25の後端部25bを回転自在に支持している。また、前記モータ軸25の後端部25bには、回転位置調整治具が係合する2つの係合穴53a、53bが軸芯位置と軸芯から偏心した位置にそれぞれ形成され、この各係合穴53a、53bを介して前記ウォームホイール13にウォームシャフト14を噛み合わせた際に、両者13、14間のバックラッシ隙間を均一に調整するようになっている。なお、前記ベアリング26は、外輪26aが膨出部50の底部50aとの間に弾装された皿ばね49によって軸方向へ弾持されている。
【0037】
一方、前記キャップ52は、図1及び図3に示すように、薄肉な金属材によってプレス成形によって前記膨出部50の外形に沿った碗状に形成され、底壁52aの中央に前記開口部51の内周面に圧入によって嵌合固定される固定部である断面ほぼコ字形状の突部52bが形成されていると共に、底壁52aの外周縁から直角に折曲された円環状の周壁52bの内周面にシール部であるゴム製の弾性シール部材54が加硫接着によって一体に設けられている。
【0038】
前記突部52bは、その外径dが開口部51の内径d1よりも若干大きく設定されて、十分大きな圧入代を有していると共に、その高さhは膨出部50の底部50aの肉厚とほぼ同一に設定されている。
【0039】
一方、前記シール部材54は、円筒状に形成され、内周側に前記膨出部50の外周面50bに弾接する2段状のリップ部54a、54aがモータハウジング22の内部方向へ向かって傾斜状に形成されていると共に、各リップ部54aと膨出部50の外周面50aとの弾接力は両者50a、54a間のシール性能を十分に確保できる程度の圧力となるように予め設定されている。
【0040】
したがって、この実施形態によれば、モータハウジング15の組み立て時に、図2に示すように、開口部51からモータハウジング15内へ図外の回転位置調整治具を挿入しながらモータ軸後端部25bの各係合穴53a、53b係合して、該モータ軸25を所定方向へ回転させてウォームシャフト13とウォームホイール14との間のバックラッシ隙間の調整を行う。
【0041】
その後、キャップ52を膨出部50に被嵌させるわけであるが、このとき、キャップ52の突部52bを開口部51の内周面に軸方向から圧入すると同時に、シール部材54を各リップ部54aを介して膨出部50の外周面50bに弾接させる。つまり、前記キャップ52は、前記突部52b外周面と開口部51の内周面との間の大きな摩擦抵抗によって膨出部50に強固に固定されると共に、シール部材54によって開口部51との間が効果的にシールされる。
【0042】
しかも、前記シール部材54は、固定部である突部52bとは分離されていることから、圧入による大きな圧縮荷重が掛からずに、最適な面圧で外周面50bに当接する。この結果、膨出部50の外周面50bへの嵌合時において破断やよじれなどの発生が確実に防止されて、良好なシール性能が発揮されると共に、耐久性の向上が図れる。
【0043】
特に、シール部材54は、二重のリップ部54aを有していることから、該各リップ部54aが外周面50bに対して最適圧で当接させることができるので、さらに効果的なシール性能を発揮させることができる。また、この各リップ部54aは、モータハウジング15内に向かって傾斜状に形成されていることから、水や埃等の侵入を効果的に遮断することができる。
【0044】
また、前記シール部材54は、キャップ52に加硫接着によって一体に設けられていることから、膨出部50に対する嵌合作業が容易になると共に、保守管理も容易になる。
【0045】
図6は本発明の第2の実施形態を示し、シール部材54をキャップ52とは別体に設けたものである。
【0046】
すなわち、前記膨出部50の底部50aの外面に、円環状の嵌着溝55を形成する一方、シール部材54を横断面円形状のリング状に形成して、前記嵌着溝55に予め嵌着保持した。
【0047】
一方、キャップ52は、シール部材54以外は第1の実施形態と同様であって、中央に圧入固定用の突部52bが形成されていると共に、周壁52cの内径が膨出部50の外径よりも若干小さく設定されて、この周壁52cも圧入固定用として機能させるようになっている。
【0048】
したがって、この実施形態によれば、キャップ52の圧入固定部が内外の2個所になっていることか、膨出部50に対するキャップ52のさらに強固な結合状態が得られると共に、膨出部50の外周面50bに対して周壁52cが密着状態に嵌合するため、この部位でのシール性も確保でき、二重シールによりさらに効果的なシール状態が得られる。
【0049】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0050】
例えば、シール部材54を開口部51にさらに近接した位置に設けることも可能であり、またシール部材54の構造をさらに変更してより効果的なシール機能を発揮させることも可能である。
【0051】
さらに、膨出部50に対してキャップ52を圧入ではなくかしめ固定する場合も含まれる。
【0052】
前記実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下に記載する。
(イ) 前記シール部材を前記キャップの内面に一体に形成したことを特徴とする請求項2に記載の電動機のシール装置。
【0053】
キャップにシール部材を一体成形したことから、該キャップの圧入作業が容易である。
(ロ) 前記シール部材は、内周にリップ部を有することを特徴とする請求項2に記載の電動機のシール装置。
【0054】
この発明によれば、リップ部によってより効果的なシール性能を発揮させることができる。
(ハ) 前記凸部の先端部に環状の嵌着溝を形成すると共に、該嵌着溝に前記シール部材を嵌着保持したことを特徴とする請求項2に記載の電動機のシール装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電動機のシール装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】本実施形態に供されるモータハウジングの開口部を示す断面図である。
【図3】本実施の形態に供されるキャップを示す断面図である。
【図4】本発明が適用される電動パワーステアリング装置の要部縦断面図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】本発明の第2の本実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
TS…電動パワーステアリング装置
1…ハウジング
2…入力軸
3…出力軸
8…トルク検出用コイル
9…温度補償用コイル
15…モータハウジング
50…膨出部(凸部)
50a…底部
50b…外周面
51…開口部
52…キャップ
52b…突部(固定部)
54…シール部材(シール部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電動パワーステアリング装置等に用いられる電動機のシール装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電動パワーステアリング装置に用いられる電動機としては仕様や大きさなどに応じて様々な構造のものが提供されており、その1つとして本出願人が先に出願した特願2001−383568に記載されたものがある。
【0003】
概略を説明すると、この電動機は、円筒状のモータハウジングの内部にモータ軸やアーマチュアコイルなどの各構成部品が収容されていると共に、モータハウジングの一端部から突出した前記モータ軸の回転によってウォーム歯車を介して出力軸側に駆動力を伝達するようになっている。また、前記モータハウジングの他端部には、前記モータ軸とほぼ同軸上に開口部が形成されている。この開口部は、電動機を電動パワーステアリング装置に組付けた際に、前記ウォーム歯車の各歯車間のバックラッシを調整するために、前記モータ軸を外部から所定の治具によって回転させて位置を調整するためのもので、位置調整が終了した後は、開口縁に一体に形成されたほぼ円筒状の凸部にキャップを被嵌状態に圧入して、モータハウジングの内部と外部との間をシールするようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電動機のシール装置にあっては、前記キャップを凸部に圧入するに際して、該キャップの外周側内周面に一体的に設けられたゴム製のシール部材を前記凸部の外周面に圧着して圧入固定を確保するようになっているため、該シール部材が圧入時に破断したり、よじれてしまうおそれがある。
【0005】
すなわち、開口部に対するキャップの固定状態をシール部材の圧着によって確保するようになっているため、キャップを凸部に圧入するに際し、シール部材が軸方向からの大きな荷重によって部分的に撓み変形して破断したり、よじれてしまうおそれがある。この結果、シール部材のシール性能や耐久性が著しく低下してしまう。
【0006】
そこで、凸部に対する圧入代を小さくして、シール部材の過度な変形を抑制することも考えられるが、今度は凸部に対するキャップの保持力が低下して、該キャップが不用意に脱落してしまうおそれがある。
【0007】
また、キャップの外周側をかしめて固定する場合にも、かかるかしめ力によって同じくシール部材が過度に圧縮変形してシール性能が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のシール装置の技術的課題に鑑みて案出したもので、開口部に対するキャップの固定時におけるシール部材の破損やよじれを防止して、シール部材のシール性能と耐久性の向上を図りうるシール装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、とりわけ、キャップを前記開口部の孔縁部に嵌着固定する固定部と、キャップと開口部との間をシールするシール部とを分離して設けたことを特徴としている。
【0010】
したがって、この発明によれば、固定部とシール部とを分離することによって、開口部に対してキャップを例えば圧入により固定する場合に、シール部は固定部に作用する荷重の影響を全く受けずに、シールに必要な圧接荷重のみを受けるだけであるから、該シール部による良好なシール性能を維持できると共に、耐久性の向上が図れる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記開口部の孔縁部に凸部を形成する一方、前記キャップの内周側に前記凸部内周縁に圧入して開口部に固定する前記固定部を形成すると共に、キャップの外周側に前記凸部の外周面に当接して前記開口部をシールする弾性シール部材を一体に設けたことを特徴としている。
【0012】
この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、シール部材の配置の自由度が高くなると共に、シール部材をキャップに加硫接着などで一体に設けたことから、別体に設けた場合に比較してキャップの製造作業が容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる電動機のシール装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図4は電動機である電動モータMが適用された電動パワーステアリング装置のトルクセンサTSの縦断面、図5は電動モータMの縦断面図であって、前記電動モータMは、手動による操舵力を検出するトルクセンサTSからの信号に基づいて、図外のコントロールユニットに組み込まれたマイコンによりその駆動制御が行われ、これにより、手動による操舵力の補助制御が行われる。
【0015】
前記トルクセンサTSは、図4に示すように構成され、図中1はハウジング、2は入力軸、3は出力軸、4はトーションバー、5は被包囲部材、6はトルク検出側包囲部材、7は温度補償側包囲部材、8はトルク検出用コイル、9は温度補償用コイル、10はスペーサ、11はベース部材、12は皿ばね、13は出力軸側ウォームホイール、14はモータ軸側ウォームシャフトを示している。
【0016】
前記ハウジング1は、前記トルクセンサTC部分が主に収容される上部ハウジング110と、減速ギヤGが主に収容される中央ハウジング120と、ラックR&ピニオンP部分が主に収容される下部ハウジング130とに分割形成されて、それぞれ軸方向に組み付けることにより1つのハウジング1が構成されるようになっている。また、前記中央ハウジング120の端部には、図5に示すようにほぼ円筒状のモータハウジング15が設けられている。
【0017】
すなわち、中央ハウジング120の上部に備えた大径部120a内に上部ハウジング110の下端開口縁部121aを挿入すると共に、フランジ部121bを中央ハウジング120の開口部上端面に当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により上部ハウジング110と中央ハウジング120とが締結固定される。
【0018】
また、下部ハウジング130の上端部に備えた大径部130a内に中央ハウジング120の下部に備えた小径部120bを装着すると共に、大径部130aの上端面を中央ハウジング120における環状段差面120cに当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により中央ハウジング120と下部ハウジング130とが締結固定されるようになっている。
【0019】
前記入力軸2および出力軸3は、前記各ハウジング110、120、130内に軸受けベアリング1a、1b、1cを介してそれぞれ回転自在に支持された状態で、同軸上に配置されている。
【0020】
前記トーションバー4は、前記入力軸2の軸心穴2a内に回転可能に挿入され、その一端が軸心穴2aの奥側で入力軸2に対しピン2bで固定される一方、もう一端側は出力軸3の軸心穴3aにスプライン結合されている。
【0021】
また、前記入力軸2には、ステアリングホイールが連結されていて、このステアリングホイールの操舵力が、入力軸2とトーションバー4および出力軸3を経由し、出力軸3の下端に設けられたラックR&ピニオンPによりラックRの直線運動に変換され、左右の前輪に伝達されるようになっている。
【0022】
前記被包囲部材5は、前記トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で発生する磁界の磁路を構成するものであり、このためステンレス等の磁性材料で焼結加工により形成され、上部ハウジング110内において出力軸3の上端部(入力軸2側端部)に本体部31とは環状段差面32を形成して設けられた小径部33の外周に圧入結合されている。
【0023】
前記トルク検出用コイル8は、インピーダンス変化に基づいて入力軸2と出力軸3との間に作用するトルクを検出するためのもので、図4に示すように、被包囲部材5の入力軸2側の面と軸方向に対面する状態で、その下面以外を包囲するヨーク部材80を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材80を磁路とする磁界を発生させる。
【0024】
前記温度補償用コイル9は、前記トルク検出用コイル8でトルクを検出する際に温度変化に基づく検出値の変動を修正するためのもので、被包囲部材5の出力軸3側の面と軸方向に対面する状態で、その上面以外を包囲するヨーク部材90を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材90を磁路とする磁界を発生させる。
【0025】
前記スペーサ10は、非磁性体金属材であるアルミ合金材料によって形成され、トルク検出用コイル8側のヨーク部材80と温度補償用コイル9側のヨーク部材90との軸方向間隔を決定するために介装されるものである。
【0026】
前記ベース部材11は、その下端フランジ部11aを中央ハウジング120における大径部120aの内側に形成された係止段部120d上に係止させた状態で組み込まれるもので、その上端小径円筒部の内側にヨーク部材90における本体部を収容する環状凹部が形成されている。そして、前記小径円筒部が前記スペーサ10の下端開口部から挿入され、その上端面にヨーク部材90の固定フランジ部90dを当接係止させた状態で組み付けられる。すなわち、このベース部材11の軸方向長さにより、中央ハウジング120(ハウジング1)とトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9との軸方向位置関係が決定されることになる。
【0027】
そして、前記小径円筒部の外周面には、スペーサ10の軸方向突部が係合する切欠部が形成されている。なお、この切欠部に軸方向突部が係合した状態で、コイルハーネス9aの突出位置とベース部材11に形成されたハーネス引き出し溝11aとが周方向において一致するようになっている。
【0028】
前記固定フランジ部80dと上部ハウジング110の内部の軸方向中間部に形成された環状段部110bとの間に皿ばね12を介装させた状態で中央ハウジング120に対する上部ハウジング110の組み付けおよびボルト等による締結固定が行われることにより、皿ばね12の付勢力により両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の位置ずれを防止し、軸方向位置関係を維持させた状態でハウジング1への組み付けが行われる。
【0029】
前記トルク検出側包囲部材6は、導通性のある非磁性金属材であるアルミ合金材によって一体に形成され、内周側円筒部60を、該包囲部材6より線膨張係数の低い鉄系金属材によって形成された前記入力軸2の外周にかしめることにより、入力軸2に対して組み付け固定がなされている。
【0030】
すなわち、入力軸2は、下端部寄りの位置に形成された最大外径部2cの外周面に図外の周方向溝が形成されていると共に、最大外径部2cの軸方向に複数の図外の軸方向溝がそれぞれ形成されている。前記周方向溝は、最大外径部2cの長手方向のほぼ中央位置に一条形成されている一方、前記軸方向溝は、最大外径部2cの円周方向の120度の角度位置に3つ形成されている。また、この3つの軸方向溝は、その深さが周方向溝よりも深く設定されており、両溝の交差部位に凹部2dが形成されている。
【0031】
一方、トルク検出側包囲部材6は、ほぼ円盤状の本体6aと、該本体6aの中央に一体に有する内周側円筒部60とからなり、該内周側円筒部60が前記入力軸2の最大外径部2cの外周面に被嵌状態で嵌合していると共に、ポンチ等のかしめ具で前記両溝の交差部位に対応する位置、つまり凹部2dとその回りの周方向溝の一部内に打ち込むことによって、凹部2fに食い込み状態で嵌合固定することにより、入力軸2に対しトルク検出側包囲部材6が周方向および軸方向において位置決めされた状態で組み付け固定されている。
【0032】
そして、前記電動モータMは、図5に示すように、ブラシタイプDCモータであって、前記モータハウジング15は、前端部のフランジ部15aを介して複数のボルト21によって前記中央ハウジング120に固定されていると共に、円筒状のヨーク22と、ヨーク22の一端開口に取り付けられたフロントブラケット23などによって構成され、ヨーク22の内周には永久磁石24が固定されていると共に、中央軸方向にはモータ軸25がヨーク22の他端部22aとフロントブラケット23の中心部分に設けられたベアリング26、27によって回転自在に支持されている。
【0033】
前記モータ軸25は、永久磁石24の内周側に対向した位置にモータ軸25に回転力を発生させるアーマチュアコイル28がロータ29を介して固定されていると共に、前記フロントブラケット23から前方へ突出した先端部25aにウォームシャフト14が同軸上に連結されている。このウォームシャフト14は、先端部がベアリング40によって回転自在に支持されていると共に、外周に形成されたウォーム歯14aが前記前記ウォームホイール13の歯部13aに噛み合っている。
【0034】
また、前記アーマチュアコイル28には、モータ軸25と一体に回転すると同時にアーマチュアコイル28に通電するコミュテータ41が接続されている。このコミュテータ41に対する通電は、モータハウジング15に固定されたブラシホルダ42によって保持されてコミュテータ41と電気的な接触を保持する図外のブラシとコミュテータ方向に付勢力を与えるブラシスプリングとによって行われる。
【0035】
さらに、前記ヨーク22の他端部22aの中央位置には、図1〜図3に示すように、凸部である膨出部50が形成されていると共に、該膨出部50の底部50a中央に開口部51が貫通形成されており、前記膨出部50にキャップ52が被嵌状態に固定されている。
【0036】
具体的に説明すれば、前記膨出部50は、図1及び図2に示す有底円筒状に形成され、内周側に前記ベアリング26を収容保持しており、該ベアリング26の内周側に前記モータ軸25の後端部25bを回転自在に支持している。また、前記モータ軸25の後端部25bには、回転位置調整治具が係合する2つの係合穴53a、53bが軸芯位置と軸芯から偏心した位置にそれぞれ形成され、この各係合穴53a、53bを介して前記ウォームホイール13にウォームシャフト14を噛み合わせた際に、両者13、14間のバックラッシ隙間を均一に調整するようになっている。なお、前記ベアリング26は、外輪26aが膨出部50の底部50aとの間に弾装された皿ばね49によって軸方向へ弾持されている。
【0037】
一方、前記キャップ52は、図1及び図3に示すように、薄肉な金属材によってプレス成形によって前記膨出部50の外形に沿った碗状に形成され、底壁52aの中央に前記開口部51の内周面に圧入によって嵌合固定される固定部である断面ほぼコ字形状の突部52bが形成されていると共に、底壁52aの外周縁から直角に折曲された円環状の周壁52bの内周面にシール部であるゴム製の弾性シール部材54が加硫接着によって一体に設けられている。
【0038】
前記突部52bは、その外径dが開口部51の内径d1よりも若干大きく設定されて、十分大きな圧入代を有していると共に、その高さhは膨出部50の底部50aの肉厚とほぼ同一に設定されている。
【0039】
一方、前記シール部材54は、円筒状に形成され、内周側に前記膨出部50の外周面50bに弾接する2段状のリップ部54a、54aがモータハウジング22の内部方向へ向かって傾斜状に形成されていると共に、各リップ部54aと膨出部50の外周面50aとの弾接力は両者50a、54a間のシール性能を十分に確保できる程度の圧力となるように予め設定されている。
【0040】
したがって、この実施形態によれば、モータハウジング15の組み立て時に、図2に示すように、開口部51からモータハウジング15内へ図外の回転位置調整治具を挿入しながらモータ軸後端部25bの各係合穴53a、53b係合して、該モータ軸25を所定方向へ回転させてウォームシャフト13とウォームホイール14との間のバックラッシ隙間の調整を行う。
【0041】
その後、キャップ52を膨出部50に被嵌させるわけであるが、このとき、キャップ52の突部52bを開口部51の内周面に軸方向から圧入すると同時に、シール部材54を各リップ部54aを介して膨出部50の外周面50bに弾接させる。つまり、前記キャップ52は、前記突部52b外周面と開口部51の内周面との間の大きな摩擦抵抗によって膨出部50に強固に固定されると共に、シール部材54によって開口部51との間が効果的にシールされる。
【0042】
しかも、前記シール部材54は、固定部である突部52bとは分離されていることから、圧入による大きな圧縮荷重が掛からずに、最適な面圧で外周面50bに当接する。この結果、膨出部50の外周面50bへの嵌合時において破断やよじれなどの発生が確実に防止されて、良好なシール性能が発揮されると共に、耐久性の向上が図れる。
【0043】
特に、シール部材54は、二重のリップ部54aを有していることから、該各リップ部54aが外周面50bに対して最適圧で当接させることができるので、さらに効果的なシール性能を発揮させることができる。また、この各リップ部54aは、モータハウジング15内に向かって傾斜状に形成されていることから、水や埃等の侵入を効果的に遮断することができる。
【0044】
また、前記シール部材54は、キャップ52に加硫接着によって一体に設けられていることから、膨出部50に対する嵌合作業が容易になると共に、保守管理も容易になる。
【0045】
図6は本発明の第2の実施形態を示し、シール部材54をキャップ52とは別体に設けたものである。
【0046】
すなわち、前記膨出部50の底部50aの外面に、円環状の嵌着溝55を形成する一方、シール部材54を横断面円形状のリング状に形成して、前記嵌着溝55に予め嵌着保持した。
【0047】
一方、キャップ52は、シール部材54以外は第1の実施形態と同様であって、中央に圧入固定用の突部52bが形成されていると共に、周壁52cの内径が膨出部50の外径よりも若干小さく設定されて、この周壁52cも圧入固定用として機能させるようになっている。
【0048】
したがって、この実施形態によれば、キャップ52の圧入固定部が内外の2個所になっていることか、膨出部50に対するキャップ52のさらに強固な結合状態が得られると共に、膨出部50の外周面50bに対して周壁52cが密着状態に嵌合するため、この部位でのシール性も確保でき、二重シールによりさらに効果的なシール状態が得られる。
【0049】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0050】
例えば、シール部材54を開口部51にさらに近接した位置に設けることも可能であり、またシール部材54の構造をさらに変更してより効果的なシール機能を発揮させることも可能である。
【0051】
さらに、膨出部50に対してキャップ52を圧入ではなくかしめ固定する場合も含まれる。
【0052】
前記実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下に記載する。
(イ) 前記シール部材を前記キャップの内面に一体に形成したことを特徴とする請求項2に記載の電動機のシール装置。
【0053】
キャップにシール部材を一体成形したことから、該キャップの圧入作業が容易である。
(ロ) 前記シール部材は、内周にリップ部を有することを特徴とする請求項2に記載の電動機のシール装置。
【0054】
この発明によれば、リップ部によってより効果的なシール性能を発揮させることができる。
(ハ) 前記凸部の先端部に環状の嵌着溝を形成すると共に、該嵌着溝に前記シール部材を嵌着保持したことを特徴とする請求項2に記載の電動機のシール装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電動機のシール装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】本実施形態に供されるモータハウジングの開口部を示す断面図である。
【図3】本実施の形態に供されるキャップを示す断面図である。
【図4】本発明が適用される電動パワーステアリング装置の要部縦断面図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】本発明の第2の本実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
TS…電動パワーステアリング装置
1…ハウジング
2…入力軸
3…出力軸
8…トルク検出用コイル
9…温度補償用コイル
15…モータハウジング
50…膨出部(凸部)
50a…底部
50b…外周面
51…開口部
52…キャップ
52b…突部(固定部)
54…シール部材(シール部)
Claims (2)
- モータハウジングの端部に形成されて内部と連通する開口部を、該開口部の孔縁部にキャップを嵌着固定してシールするシール装置において、
前記キャップを前記孔縁部に嵌着固定する固定部と、キャップと開口部との間をシールするシール部とを分離して設けたことを特徴とする電動機のシール装置。 - 前記開口部の孔縁部に凸部を形成する一方、前記キャップの内周側に前記凸部内周縁に圧入して開口部に固定する前記固定部を形成すると共に、キャップの外周側に前記凸部の外周面に当接して前記開口部をシールする弾性シール部材を形成したことを特徴とする請求項1に記載の電動機のシール装置。
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Date | Code | Title | Description |
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