JP2004120283A - 超音波プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】感度のばらつきの小さい超音波プローブを提供する。
【解決手段】音響バッキング材と、音響バッキング材上に設けられ、圧電単結晶により形成される圧電体と、圧電体が音響バッキング材と対向する第1の面及びこの第1の面とは反対側の面である第2の面に夫々設けられる一対の電極とを有する圧電素子と、圧電素子の第2の面上に設けられ、音響インピーダンスが圧電体の音響インピーダンスの40%以上85%以下である固体無機物からなる第1の音響整合層と、第1の音響整合層上に設けられ、音響インピーダンスが第1の音響整合層よりも小さい第2の音響整合層とを具備し、圧電素子及び第1の音響整合層及び第2の音響整合層を含む複数の積層体が、音響バッキング材上に一次元若しくは二次元のアレイ状に配列されていることを特徴とする超音波プローブを提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
医用超音波診断装置や非破壊検査機器の分野においては、対象物の内部状態を画像化するために、超音波を対象物に向けて照射し、その対象物における音響インピーダンスの異なる界面からの反射エコーを受信する超音波プローブが用いられている。
【0003】
一般に、超音波プローブには、電圧を印加することで振動が生じる圧電振動子(圧電体)を用いる。圧電体としては、従来から、電気機械結合係数k33’が70%程度と高いことから電気的信号から機械的振動への変換効率の高い、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックが使用されてきた。
【0004】
これに対して近年、たとえば亜鉛ニオブ酸鉛とチタン酸鉛との固溶体からなるPb((Zn1/3Nb2/30.91Ti0.09)O圧電単結晶のような、電気機械結合定数k33’が約80%以上と非常に効率の高い圧電単結晶が開発されている(例えば、特許文献1参照)。また、圧電単結晶は圧電セラミックに比べて機械的強度が小さく、チッピングなどが頻発して信頼性や感度の低下を招くことから、チッピング防止層を設けているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、上述した圧電単結晶を用いて超音波プローブを作製した場合、チッピングやクラックの発生は改善されたものの、依然としてプローブの感度ばらつきが大きいという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平06−38963号公報(第3−13頁、第1図)
【0007】
【特許文献2】
特開2000−14672公報(第3−6頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感度のばらつきの小さい超音波プローブを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の実施形態に係る超音波プローブは、音響バッキング材と、音響バッキング材上に設けられ、圧電単結晶により形成される圧電体と、圧電体が音響バッキング材と対向する第1の面及びこの第1の面とは反対側の面である第2の面に夫々設けられる一対の電極とを有する圧電素子と、圧電素子の第2の面上に設けられ、音響インピーダンスが圧電体の音響インピーダンスの40%以上85%以下である固体無機物からなる第1の音響整合層と、第1の音響整合層上に設けられ、音響インピーダンスが第1の音響整合層よりも小さい第2の音響整合層とを具備し、圧電素子及び第1の音響整合層及び第2の音響整合層を含む複数の積層体が、音響バッキング材上に一次元若しくは二次元のアレイ状に配列されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、音響バッキング材と圧電素子との間に、フレキシブル印刷配線板を具備しても良い。
【0011】
また本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、圧電単結晶が、Pb(B1,B2)1−xTi(ただし、xの値は0.04≦x≦0.55であり、B1はZn、Mg、Ni、Sc、In及びYbよりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、B2はNb及びTaよりなる群から選ばれる少なくとも一種である)で表される組成からなっても良い。
【0012】
また本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、第1の音響整合層がSiO、MgO及びAlを含むセラミックスと、Si、AlN、Al及びZrOを含むセラミックスと、カルシウムシリケート及びリチウムアルミノシリケートを含むセラミックスと、フッ素金雲母セラミックスと、六方晶窒化ホウ素セラミックスとからなる群より選ばれる少なくとも一種のセラミックスを含んでも良い。
【0013】
また本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、アレイ状に配列された積層体間の空隙部分は、充填率が5体積%以下であっても良い。
【0014】
また本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、圧電素子は圧電体を複数層有し、圧電体間には電極を有してこれらが交互に積層される構成からなっても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態に係る超音波プローブについて、図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る超音波プローブを説明する断面図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る超音波プローブは、音響バッキング材2と、音響バッキング材2上に設けられ圧電単結晶により形成される圧電体1と、圧電体1が音響バッキング材2と対向する第1の面に設けられる第2の電極4と、圧電体1の第1の面とは反対側の面である第2の面に設けられる第1の電極5と、第1の電極5上に設けられる第1の音響整合層3aと、第1の音響整合層3a上に設けられる第2の音響整合層3bとを有する。ここで、本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、第1の音響整合層3aは固体無機物からなり、第1の音響整合層3aの音響インピーダンスは、圧電体1の音響インピーダンスの40%以上85%以下である。また、第2の音響整合層3bの音響インピーダンスは、第1の音響整合層3aの音響インピーダンスよりも小さい。また、第1の電極5及び第2の電極4とこれらで挟まれる圧電体1とからなる圧電素子と、第1の音響整合層3aと、第2の音響整合層3bとが積層された積層体は、複数に分割されていることから複数がアレイ状に配列された構成となっている。なお、図1においては第2の音響整合層3b上に音響レンズ8を設けた構成としているが、これに限られたものではない。例えば、圧電素子と、第1の音響整合層3aと、第2の音響整合層3bとを積層した積層体を二次元アレイ状に配列した構成とした場合には、音響レンズ8を設けなくとも、解像度や感度の著しい向上が可能となる。
【0017】
本発明の実施形態に係る超音波プローブは、音響整合層を複数層設け、圧電素子に接する側の第1の音響整合層3aとして、固体無機物からなり、圧電体1の音響インピーダンスの40%以上85%以下の音響インピーダンスを有するものである。複数の音響整合層を設けることにより音響インピーダンスの整合が取れ、第1の音響整合層3aとして上記の構成とすることにより、圧電体の不要な振動を抑えることが出来、誘電率のばらつきが低減することから、超音波プローブ中に、圧電素子や音響整合層で構成される積層体ごとの感度のばらつき、つまりチャンネル間の感度のばらつきを低減することが出来る。以下に本発明の実施形態に係る構成により、チャンネル間の感度のばらつきを低減できる機構を説明する。
【0018】
図2は、図1の圧電体1を一つ取り出した斜視図である。図2のk33’の矢印方向を上下方向(厚み方向)とした場合にこの圧電体1の上下面に第1の電極5及び第2の電極4が形成されるものとする。圧電体1が超音波を送受信する場合、圧電体1は、厚み方向(k33’モード)及びk31の矢印方向(長さ方向、k31モード)に振動する。また、圧電体1の厚み方向の振動の大きさで電気機械結合係数k33’が決まり、長さ方向の振動の大きさで電気機械結合係数k31が決まる。
【0019】
一方、圧電素子をアレイ状に配列された超音波プローブの感度は、高周波数での誘電率εS1S3に依存し、このεS1S3は電気機械結合係数(k31、k33’)及び低周波数(通常、1kHzとする)での誘電率εと関係があり、次に示す(1)式で表される。
【0020】
εS1S3=(1−k33’)×(1−k31 )×ε   (1)
本発明者らは、様々な方法により感度の向上を試みた結果、長さ方向の振動の大きさ、つまりのk31値がばらつくことにより、高周波数での誘電率εS1S3がばらつき、超音波プローブのチャンネル間の感度がばらつくことを見出した。そして、圧電体に近い側の第1の音響整合層として、固体無機物からなり、圧電体の音響インピーダンスの40%以上85%以下の音響インピーダンスを有するものを用いることにより、長さ方向の振動を抑えて圧電体の感度のばらつきを低減させるものである。固体無機物とは炭素を含まないものをいい、固体無機物を第1の音響整合層として用いることにより、圧電体を機械的に強固に固定することによって長さ方向の振動を抑えるという効果を得ることが出来る。また、第1の音響整合層の音響インピーダンスが、圧電体の音響インピーダンスの40%以上85%以下であることによって、圧電体と人体などの対象物との音響マッチングを取りつつ、かつ音響インピーダンスが大きいことから圧電体の長さ方向の振動を抑えるという効果を得ることが出来る。40%未満となると圧電体の長さ方向の振動を抑える効果が十分に得られず、チャンネル間のばらつきを抑えることが困難となる。また、85%を超えると例えば人体などの対象物との音響マッチングが取れず、超音波の送受信効率が著しく低下するおそれがある。このような音響インピーダンス特性を有する固体無機物としては、SiO、MgO及びAlを含むセラミックスや、Si、AlN、Al及びZrOを含むセラミックスや、カルシウムシリケート及びリチウムアルミノシリケートを含むセラミックスや、フッ素金雲母セラミックスや、六方晶窒化ホウ素セラミックス等があり、これらから選ばれる少なくとも一種を用いても良いし、複数種類を用いても良い。また、これらに添加元素を添加しても良い。この中でも特にSiO、MgO及びAlを含むセラミックスは加工性も良好でダイシング時の単結晶の損傷が少なく、かつ強度が高いために超音波プローブの機械的強度を向上できると言う効果もある。
【0021】
図1の超音波プローブにおいては、第1の電極5及び第2の電極4とこれらで挟まれる圧電体1とからなる圧電素子と、第1の音響整合層3aと、第2の音響整合層3bとが積層された積層体は複数に分割されており、積層体間は簡単のため空隙になっている。従来から、この空隙部分(溝)には圧電体の割れなどを防ぎ、機械的強度を保つために、有機樹脂などが充填されてきた。本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、積層体の間の溝の体積をD、溝への充填物の体積をEとした場合に、充填率(E/D)が5体積%以下であることが好ましい。本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、圧電素子に近い側に、上述したように固体無機物であり所定の音響インピーダンスを有する第1の音響整合層があることから、圧電体の機械的強度は十分に強い。また、充填物を減らすことにより、電気機械結合係数や誘電率の低下を防ぐことが出来ることから、圧電体の特性を十分に引き出すことが可能となる。充填率を5体積%以下とすることによって隣あった圧電体が密着せず、超音波の送受信に関係した厚み方向の振動を抑えることなく、超音波プローブの感度を高く保つことが出来る。充填物としては、シリコン系樹脂やエポキシ系樹脂を用いることが出来るが、シリコン系樹脂は軟らかいことから厚み方向の振動を抑え難く、より好ましい。また、充填率は3体積%以下であることがさらに好ましい。
【0022】
また、本発明の実施形態に係る超音波プローブにおいては、図3に示すように、第1の電極5及び第2の電極4とこれらで挟まれる圧電体1とからなる圧電素子と音響バッキング材2との間にフレキシブル印刷配線板(FPC)6を設けることが好ましい。圧電素子と音響バッキング材2との間にFPC6を設けることにより、圧電素子が第1の音響整合層5とFPC6とに挟まれることから、長さ方向の振動を抑えて圧電体1の感度のばらつきを低減させる効果が高まる。
【0023】
FPC6を圧電素子に接する側の面から見た構造を図4に示す。図4に示されるように、FPC6は、絶縁層6bと、その上に印刷された導電層6aとからなり、導電層6aの一本一本が各圧電素子に電気的に接続される。絶縁層6bはポリイミドなどからなる。圧電素子に接する導電層6a部分は、銅や金等の金属などからなり、音響インピーダンスの値が30〜40Mrayls程度であるため、第1の音響整合層5と同様に、圧電体1の長さ方向の振動を抑えることから、チャンネル間の感度のばらつきを低減する効果を高めることが出来るのである。FPC6と圧電素子とが接触する面積のうち、50%以上が導電層6aと圧電素子との接触であることが好ましく、このような範囲である場合に、圧電体1の長さ方向の振動を効果的に抑えることが出来る。また、その際に導電層6aの音響インピーダンスが圧電体1の音響インピーダンスの100%以上であることが好ましい。図3に示すように、超音波を送受信するために設けられ、導電層7aと絶縁層7bとからなるアース板7は第2の音響整合層3bに電気的に接続させるが、アース板7はFPCを用いなくとも良い。また、図3においては、アース板7上と音響レンズ8との間に第3の音響整合層3cを設けている。第3の音響整合層3cの音響インピーダンスは、第2の音響整合層3bの音響インピーダンスよりも小さいものとする。このように音響整合層を3層以上とすることにより、圧電体(音響インピーダンス:20〜30程度)と例えば人体などの対象物(人体の音響インピーダンス:1.5)との間の音響マッチングを取ることが容易となる。
【0024】
また、圧電単結晶としては、少なくともチタン酸鉛を含む固溶系圧電単結晶であることが望ましい。このような固溶系単結晶からなる圧電体を用いることにより、圧電セラミックからなる圧電体に比べて音速を遅くすることができるため、高感度な超音波プローブを得ることが可能になる。とくに亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛の固溶系圧電単結晶としては、チタン酸鉛のモル分率が20%以下の組成のものを用いることが望ましい。さらに前記圧電単結晶は、Pb(B1,B2)1−xTi(ただし、xの値は0.04≦x≦0.55であり、B1はZn、Mg、Ni、Sc、In及びYbよりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、B2はNb及びTaよりなる群から選ばれる少なくとも一種である)の一般式で表される組成からなることが望ましい。この一般式において、xを0.04未満にすると、圧電単結晶のキュリー温度が低くなり、圧電単結晶の切断時に脱分極する恐れがある。一方、xが0.55を越えると大きな電気機械結合係数が得られないばかりか、誘電率が低下して送受信を行う際に電気インピーダンスのマッチングが取りづらくなる恐れがある。
【0025】
また、圧電素子は圧電体を複数層有し、圧電体間に電極を有して圧電体と電極とが交互に積層される構成としても良い。通常、n層積層した圧電体においては、単層の圧電体と同一の共振周波数を得るために、1層あたりの圧電体の厚みを1/nとする。例えば、2層の圧電体を積層した場合には、1層の圧電体の厚みは1/2となり、3層の圧電体であれば1層の圧電体の厚みは1/3となる。さらに、積層する圧電体間には、金属等からなる電極(内部電極)層が(n−1)層存在することになる。例えば、2層の圧電体を有する場合には内部電極は1層となり、3層の圧電体を有する場合には内部電極は2層となる。これらの内部電極は金属等からなるため音響インピーダンスが30〜40Mraylsと高く、また伸び縮みもし難いため、第1の音響整合層による効果と同様な、圧電体の長さ方向の振動を抑える効果がある。したがって、圧電素子として圧電体を複数層設けることにより、圧電体の長さ方向の振動をより効果的に低減することが出来、超音波プローブの感度ばらつきを抑えることが出来る。
【0026】
本発明の実施形態に係る超音波プローブは、次のようにして用いることが出来る。図3に示すように、第1の電極5はアース板7を通じ、また第2の電極4はFPC6を通じて、図示しない超音波診断装置に接続されている。超音波診断装置からの駆動信号電圧を圧電体1に印加することで、圧電体1を振動させ音響レンズ8側から超音波を発信させる。また、受信時には、音響レンズ8側から受信した超音波を圧電体1によって電気信号に変換し、超音波診断装置中のビームフォーマにより各チャンネルの受信信号に所望の遅延をした後に超音波診断装置中の加算器で整相加算される。その後、基本波を測定する場合には超音波診断装置中の基本波通過型フィルタを通し、第2高調波を測定する場合には、超音波診断装置中にある、基本波成分を除去する高域通過型フィルタを通し、図示しないモニタにより映像化される。
【0027】
次に、本発明の実施形態に係る超音波プローブの作製方法を説明する。
【0028】
まず、圧電体として用いる圧電単結晶の製造方法を説明する。ここでは亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛の固溶系単結晶の製造方法を説明する。
【0029】
出発原料として化学的に高純度のPbO、ZnO、Nb、TiOを用い、これらを純度補正した後、亜鉛ニオブ酸(PZN)とチタン酸鉛(PT)とが所望のモル比になるように秤量し、さらにフラックスとしてPbOを添加する。この粉末に純水を添加し、例えばZrOボールが収納されたボールミルで所望時間混合する。得られた混合物の水分を除去した後、例えばライカイ機のような粉砕機で十分に粉砕し、さらにゴム型容器に入れ、所望の圧力でラバープレスを行う。ゴム型から取り出した固形物を例えば白金からなる所望容量の容器に入れ、所望の温度で溶解する。冷却後、さらに前記固形物を前記容器に入れ、例えば白金からなる蓋で密閉し、前記容器を電気炉の中心に設置する。前記溶解温度より高い温度まで昇温させ、所望の降温速度で溶解温度付近まで徐冷した後、室温まで冷却する。その後、前記容器に所望濃度の硝酸を添加し、煮沸して固溶系単結晶を取り出すことにより圧電単結晶を得る。
【0030】
亜鉛ニオブ酸−チタン酸鉛の固溶系単結晶は、上述したフラックス法の他に、例えばブリッジマン法やキロプーロス法、水熱育成法などによっても同様に製造することが可能である。ここでは、亜鉛ニオブ酸鉛−チタン酸鉛を一例として挙げたが、出発原料のZnOおよびNbを、他の元素に代えて得られるチタン酸鉛を含む固溶系圧電単結晶を製造することもできる。
【0031】
次に、このような圧電単結晶を用いた超音波プローブの製造方法を説明する。
【0032】
まず、図3に示すように、ブロック状の圧電単結晶を圧電体1として、これに導電膜をスパッタ法により蒸着し、選択エッチング技術により圧電体1の超音波送受信面および前記送受信面と反対側の面に夫々第1の電極5及び第2の電極4とを形成し、圧電素子を得る。つづいて、圧電素子の第1の電極5側に、全面に導電層(図示せず)を形成した第1の音響整合層3aを例えばエポキシ接着剤により接着する。第1の音響整合層3aは固体無機物からなり圧電体1の音響インピーダンスの40%以上85%以下の音響インピーダンスを有する。同様にして、第1の音響整合層3a上にめっきなどにより金属等からなる導電層(図示せず)を全面に形成した第2の音響整合層を接着する。第2の音響整合層3bの音響インピーダンスは、対象物との音響インピーダンスマッチングを取る為に、第1の音響整合層3aの音響インピーダンスよりも小さくする。次に、圧電素子の第2の電極4側に、絶縁層6b上に複数の導体層(ケーブル)6aを有するFPC6を、例えばエポキシ接着剤より接着する。この後、これらを音響バッキング材2上に、FPC6が音響バッキング材2と接するよう接着する。ブレードを用いて音響整合層からFPC6に亘って複数回切断することにより、前記音響バッキング材2上に圧電素子と音響整合層との積層体がアレイ状に配列され互いに分離された構成となる。次いで、第2の音響整合層3b上に、絶縁層7b上に導電層7aがメッキされたアース板7を例えばエポキシ接着剤により接着する。さらにアース板7上に第3の音響マッチング層3cをエポキシ接着剤により接着し、その上に音響レンズ8を形成することにより超音波プローブを得る。
【0033】
圧電素子として、圧電体と電極とを交互に複数層積層させた構造とするには、次のような工程により圧電素子を形成すればよい。例えば3層の圧電体を持つ圧電素子とする場合には、図5に示すように圧電体と電極とを、圧電体が全て電極に挟まれるように積層する。その際、電極は交互に、対向する2つの側面に延出させる。そして、その2つの側面にも電極を形成して積層した電極と接続することにより、側面に形成した電極と積層した1層おきの電極により第3の電極11もしくは第4の電極12が出来る。各々の電極を第3の電極もしくは第4の電極に選択的に接続するために、積層する電極とそれには接続しない側面の電極との間には、樹脂等を形成し、絶縁することが好ましい。そして、第3の電極11と第4の電極12との間に所定の電圧を印加することにより、図に矢印で示したように、隣り合う圧電体が逆向きに分極された圧電素子を形成することが可能となる。3層積層した場合でも、全体の厚みtは単層の圧電素子と同様である。また、積層圧電体では、例えば、図5において第3の電極の一番下側の電極が第1の電極となり、第4の電極の一番上側の電極が第2の電極となる。
【0034】
圧電体1として用いる圧電単結晶は、その結晶系が菱面体晶あるいは擬立方晶の場合、第1の電極5側である超音波送受信面が(001)面であることが望ましい。このような圧電体1は、圧電単結晶の[001]軸(C軸)に対して垂直に切り出すことにより作製される。また、圧電体1は、厚み方向の厚さが約200〜400μmであることが好ましい。
【0035】
第1の電極5や第2の電極4は、例えばTi/Au、Ni/AuもしくはCr/Auの二層導電膜、またはガラスフリットを含む銀焼付け等から形成される。
【0036】
また、音響マッチング層としては2層構造および3層構造を示したが、それ以上の多層構造でも良い。なお、2層目以上の音響マッチング層は固体無機物である必要はなく、圧電体から対象物に向けて、音響インピーダンスが順に小さくなっていればよい。
【0037】
アース板7は導電層をスパッタした第2の音響整合層3bに接着されるが、第2の音響整合層3b全体に接着する必要は無く、両端部のみに接着しても良い。また、アース板7は、第1の音響整合層3aに接着されても良い。
【0038】
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
【実施例】
(実施例1)
まず、亜鉛ニオブ酸鉛Pb(Zn1/3Nb2/3)O(PZN)とチタン酸鉛PbTiO(PT)とを91:9のモル比となるよう秤量し、PbOからなるPbフラックスとともに200ccの白金容器に入れ1200℃に昇温して溶解した後、室温まで冷却し固溶系圧電単結晶を育成した。その後、この圧電単結晶をラウエカメラを用いて<001>軸の方位を出し、この軸に垂直にカッターで切断して厚さ500μmのウェハとした。切断した圧電単結晶を、厚さ300μmに研磨して30mm×20mm×0.3mmの大きさの圧電体とした後、スパッタ法によりCr/Auからなる第1の電極及び第2の電極を形成し、圧電素子とした。この圧電素子に1kV/mmの電界を印加して分極処理を施した。この圧電素子の音響インピーダンスは22Mraylsであった。
【0040】
この圧電素子の第1の電極側に、Cr/Au電極をスパッタ法で全面に形成し音響インピーダンスが9Mraylsのケイ酸塩ガラスからなる第1の音響整合層をエポキシ系接着剤にて接着した。第1の音響整合層上には、スパッタしたCr/Auからなる電極を塗布することで導電性を付加したアルミナ粉末とエポキシ系樹脂の混合物からなる第2の音響整合層をエポキシ系接着剤にて接着した。第2の音響整合層の音響インピーダンスは5Mraylsであった。その後、圧電素子の第2の電極側に音響インピーダンスが35Mraylsの銅からなる導電層を有するFPCと音響バッキング材とを順にエポキシ系接着剤で接着した。FPCと圧電素子とが接触する面積のうち、50%が導電層と圧電素子との接触であった。次に、圧電素子と音響整合層とからなる積層体を、厚さ50μmのブレードを持つダイシングソーで、200μmピッチでアレイ状に切断した。その後、第2の音響整合層上全体に金からなるアース板をエポキシ接着剤で接着し、アース板上にシリコンゴムからなる音響レンズを接着した。アース板をエポキシ接着剤で接着したことから、積層体間の溝のうち、5体積%がエポキシ接着剤で充填されていた。完成した超音波プローブの圧電体の容量をFPCの端部から10MHz(反共振周波数の2倍の周波数)で測定し誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブに配列された、100チャンネルの圧電体の平均値は370であり、ばらつきは10%以下と良好な値であった。その後これに静電容量が110pF/mであり、長さが2mの同軸ケーブルをFPCに接続して診断装置に繋いで超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するとともにチャンネル間の感度ばらつきが7%以下と非常に小さかった。
【0041】
(実施例2)
第1の音響整合層として、音響インピーダンスが13MraylsのSiO、MgO及びAlを含むセラミックスを用い、アース板上にポリエチレンシートからなり音響インピーダンスが2Mraylsである第3の音響整合層を形成してから音響レンズを形成する他は実施例1と同様にして超音波プローブを作製した。実施例1と同様にして誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は350であり、ばらつきは8%以下と良好な値であった。また、実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するとともにチャンネル間の感度ばらつきが6%以下と非常に小さかった。
【0042】
(実施例3)
まず、インジウムニオブ酸鉛Pb(In1/2Nb1/2)O(PIN)とマグネシウムニオブ酸鉛Pb(Mg1/3Nb2/3)O(PMN)とチタン酸鉛PbTiO(PT)とを16:51:33のモル比となるよう秤量した混合粉0.16Pb(In1/2Nb1/2)O−0.51Pb(Mg1/3Nb2/3)O−0.33PbTiO(PIMNT16/51/33)と、フラックスとして用いるPbOと、Bとを、PIMNT16/51/33:PbO:B=50:40:10のモル比となるように200ccの白金容器に入れ1250℃に昇温して溶解した後、室温まで冷却し固溶系圧電単結晶を育成した。その後、この圧電単結晶をラウエカメラを用いて<001>軸の方位を出し、この軸に垂直にカッターで切断して厚さ600μmのウェハとした。切断した圧電単結晶を、厚さ400μmに研磨して30mm×20mm×0.4mmの大きさの圧電体とした後、スパッタ法によりCr/Auからなる第1の電極及び第2の電極を形成し、圧電素子とした。この圧電素子に1kV/mmの電界を印加して分極処理を施した。この圧電素子の音響インピーダンスは25Mraylsであった。
【0043】
この後、実施例2と同様にして超音波プローブを作製した。実施例1と同様にして誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は340pFであり、ばらつきは8%以下と良好な値であった。また、実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するとともにチャンネル間の感度ばらつきが7%以下と非常に小さかった。
【0044】
(実施例4)
第1の音響整合層として、音響インピーダンスが16Mraylsのフッ素金雲母セラミックスを用い、第2の音響整合層として、音響インピーダンスが7MraylsでありスパッタでCr/Auからなる電極と塗布したアルミナとエポキシ系樹脂の混合物を用い、第3の音響整合層として、音響インピーダンスが3Mraylsのエポキシ系樹脂を用いる他は実施例2と同様にして超音波プローブを作製した。実施例1と同様にして誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は300であり、ばらつきは6%以下と良好な値であった。また、実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するとともにチャンネル間の感度ばらつきが5%以下と非常に小さかった。
【0045】
(実施例5)
第2の音響整合層上にフィルム状接着剤を用いてアース板を接着する他は実施例2と同様にして超音波プローブを作製した。フィルム状接着剤を用いたことから、積層体間の溝は3体積%が接着剤で充填されていた。実施例1と同様にして誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は390であり、ばらつきは6%以下と良好な値であった。また、実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するとともにチャンネル間の感度ばらつきが5%以下と非常に小さかった。
【0046】
(実施例6,7)
圧電素子と音響整合層とからなる積層体を、ダイシングソーでアレイ状に切断する際に、積層体間の溝にシリコーン系樹脂接着剤からなる有機樹脂を充填率が夫々50体積%、95体積%となるよう充填した他は、実施例1,2と同一のプロセスで作製した超音波プローブを、夫々実施例6,7とする。
【0047】
実施例1と同様にして評価を行う。まず、実施例6について誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は330であり、ばらつきは8%以下と良好な値であった。また、実施例6について実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するとともにチャンネル間の感度ばらつきが7%以下と非常に小さかった。
【0048】
また実施例7について誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は310であり、ばらつきは7%以下と良好な値であった。また、実施例7について実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するとともにチャンネル間の感度ばらつきが6%以下と非常に小さかった。
【0049】
(実施例8)
圧電単結晶を実施例1と同様に形成し、このウェハを、厚さ150μmに研磨して30mm×20mm×0.15mmの大きさの圧電体を2枚形成した後、スパッタ法によりCr/Auからなる電極を両面に形成した。このとき、一方の面では一つの辺の端部に電極が形成されず、この面の反対側の面ではこの辺と点対称の辺の端部に電極が形成されないようにする。このような電極のパターニングは、圧電体にマスクを施してから電極を形成しても良いし、圧電体の両面全体に電極を形成してからダイシングによって電極の一部を削り取っても良い。そして、この2つの圧電体を電極が同じ形で重なるようにエポキシ系接着剤で接着した。エポキシ系接着剤で接着することにより、電極間は電気的に接続され、また電極を形成しない辺の端部はエポキシ系接着剤で充填され、対向する側面に交互に電極が出ている構成となった。そして、交互に電極が出ている2つの側面にも電極を形成することにより、圧電体に挟まれた電極とこれに接続する側面の電極からなる第3の電極と、圧電体を挟む2つの電極とこれらに接続する側面の電極からなる第4の電極とが出来た。そして、第3の電極と第4の電極との間に1kV/mmの電界を印加して分極処理を施したところ、この圧電素子の音響インピーダンスは22Mraylsであった。
【0050】
この後、実施例2と同様にして超音波プローブを作製した。実施例1と同様にして誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は1000であり、ばらつきは6%以下と良好な値であった。また、実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するとともにチャンネル間の感度ばらつきが5%以下と非常に小さかった。
【0051】
(比較例1)
音響整合層の作製方法を以下の方法とする他は実施例1と同様にして超音波プローブを作製した。
【0052】
圧電素子の第1の電極側に、Cr/Au電極をスパッタ法で全面に形成し、音響インピーダンスが7Mraylsであり、エポキシ系樹脂とアルミナとの混合物からなる第1の音響整合層をエポキシ接着剤で接着する。次に、第1の音響整合層上には、音響インピーダンスが3Mraylsであり、Cr/Au電極をスパッタ法で全面に形成することで導電性を付加したエポキシ系樹脂からなる第2の音響整合層をエポキシ接着剤で接着する。
【0053】
実施例1と同様にして誘電率εS1S3を算出したところ、100チャンネルの圧電体の平均値は360であり、ばらつきは25%以上と大きかった。これは、第1の音響整合層の音響インピーダンスの値が圧電体の音響インピーダンスの値の40%未満であり、かつ有機物からなる第1の音響整合層を用いていることから、長さ方向の振動を抑えることが出来ず、圧電体の誘電率のばらつきが大きくなっているものと考えられる。また、実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、高感度、広帯域を有するチャンネルは所々に見られるものの、チャンネル間の感度ばらつきが20%以上と非常に大きかった。このようなチャンネル間の感度ばらつきは診断装置に表示される断層像の画質に悪影響を与えた。
【0054】
(比較例2)
第1の音響整合層として、音響インピーダンスが9Mraylsの、エポキシ系樹脂とタングステン粉末との混合物を用いる他は実施例1と同様にして超音波プローブを作製した。実施例1と同様にして誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は340であり、ばらつきは20%以上と大きかった。これは、第1の音響整合層として、音響インピーダンスの値を圧電体の音響インピーダンスの値の40%以上としているものの、有機物を用いていることから、有機物が伸縮性を有するために長さ方向の振動を抑えることが出来ず、圧電体の誘電率のばらつきが大きくなっているものと考えられる。また、実施例1と同様にしてプローブ特性の評価を行ったところ、比較的良好な感度、帯域を示すチャンネルは所々に見られるものの、チャンネル間の感度ばらつきが15%以上と非常に大きかった。このようなチャンネル間の感度ばらつきは診断装置に表示される断層像の画質に悪影響を与えた。
【0055】
(比較例3)
第1の音響整合層として、音響インピーダンスが20Mraylsのメタニオブ酸鉛PbNbを用い、第2の音響整合層として、音響インピーダンスが7Mraylsであり、スパッタでCr/Auからなる電極を塗布した、アルミナとエポキシ系樹脂の混合物を用いる他は実施例2と同様にして超音波プローブを作製した。実施例1と同様にして誘電率εS1S3を算出したところ、1つの超音波プローブが有する100チャンネルの圧電体の平均値は300であり、ばらつきは5%以下と良好な値であった。しかしながら、実施例1と同様にして超音波プローブ特性の評価を行ったところ、音響インピーダンスが大きすぎて人体などの対象物と圧電体との音響マッチングが不十分であるために、得られた超音波プローブの周波数スペクトラムが揃わず、低感度、狭帯域特性を示した。診断装置に表示される断層像は、著しく劣った。
【0056】
以上に示すように、各実施例では、高感度で広帯域であり、感度のばらつきの小さい超音波プローブが得られるのに比べ、各比較例では、感度のばらつきの大きな、若しくは音響マッチングの不十分な超音波プローブとなってしまっている。
【0057】
特に、各実施例の中でも、音響整合層を3層以上とすることにより、より感度のばらつきの小さい超音波プローブを得られることが分かる。また、第1の音響整合層の音響インピーダンスの値を、圧電体の音響インピーダンスの値の40%以上85%以下とした中では、第1の音響整合層の音響インピーダンスが低いほど圧電体の誘電率を大きくすることが出来、高いほどチャンネル間の感度のばらつきを低減することが出来る。さらに、積層体間の樹脂などによる充填率を5体積%以下とすることにより圧電体の誘電率を大きくすることが出来、充填率を3体積%以下とすることによりその効果はさらに高まる。また、圧電素子として圧電体を複数含み、圧電体と電極とを複数積層した構造とすることにより、チャンネル間の感度のばらつきが低減できるのみならず、圧電体の誘電率を著しく上昇させることが可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、感度のばらつきの小さい超音波プローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波プローブを説明する斜視図である。
【図2】圧電体の振動方向を説明する斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る超音波プローブを説明する断面図である。
【図4】フレキシブル印刷配線板の構造を示す説明図である。
【図5】圧電体と電極とを交互に複数積層して構成した圧電素子を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1…圧電体
2…音響バッキング材
3a…第1の音響整合層
3b…第2の音響整合層
3c…第3の音響整合層
3…音響整合層
4…第2の電極
5…第1の電極
6a…導電層
6b…絶縁層
6…フレキシブル印刷配線板
7a…導電層
7b…絶縁層
7…アース板
8…音響レンズ
11…第3の電極
12…第4の電極

Claims (6)

  1. 音響バッキング材と、
    前記音響バッキング材上に設けられ、圧電単結晶により形成される圧電体と、前記圧電体が前記音響バッキング材と対向する第1の面及びこの第1の面とは反対側の面である第2の面に夫々設けられる一対の電極とを有する圧電素子と、
    前記圧電素子の前記第2の面上に設けられ、音響インピーダンスが前記圧電体の音響インピーダンスの40%以上85%以下である固体無機物からなる第1の音響整合層と、
    前記第1の音響整合層上に設けられ、音響インピーダンスが前記第1の音響整合層よりも小さい第2の音響整合層とを具備し、
    前記圧電素子及び前記第1の音響整合層及び前記第2の音響整合層を含む複数の積層体が、前記音響バッキング材上に一次元若しくは二次元のアレイ状に配列されていることを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記音響バッキング材と前記圧電素子との間に、フレキシブル印刷配線板を具備することを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ。
  3. 前記圧電単結晶が、Pb(B1,B2)1−xTi(ただし、xの値は0.04≦x≦0.55であり、B1はZn、Mg、Ni、Sc、In及びYbよりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、B2はNb及びTaよりなる群から選ばれる少なくとも一種である)で表される組成からなることを特徴とする請求項1もしくは2記載の超音波プローブ。
  4. 前記第1の音響整合層がSiO、MgO及びAlを含むセラミックスと、Si、AlN、Al及びZrOを含むセラミックスと、カルシウムシリケート及びリチウムアルミノシリケートを含むセラミックスと、フッ素金雲母セラミックスと、六方晶窒化ホウ素セラミックスとからなる群より選ばれる少なくとも一種のセラミックスを含むことを特徴とする請求項1もしくは2記載の超音波プローブ。
  5. アレイ状に配列された前記積層体間の空隙部分は、充填率が5体積%以下であることを特徴とする請求項1もしくは2記載の超音波プローブ。
  6. 前記圧電素子は前記圧電体を複数層有し、前記圧電体間には電極を有してこれらが交互に積層される構成からなることを特徴とする請求項1もしくは2記載の超音波プローブ。
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