JP2004118326A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない部品点数でペダル操作のロック機能とフットレストとしての機能とを備えることにより、組立作業性、操作性を向上する。
【解決手段】パイロット弁12のペダル取付部材15には、ペダル取付部材15の揺動方向(A,A′方向)とほぼ直交する方向(B,B′方向)に回動可能な多機能ペダル17を設け、この多機能ペダル17は、操作位置では踏板21のペダル面部21Aによってペダル取付部材15を揺動操作可能とし、ロック位置ではパイロット弁12の側方に立設された2本のストッパボルト16に当接してペダル取付部材15の操作を中立位置でロックし、また踏板21のフットレスト面部21Bに足を乗せる構成としている。従って、操作ペダル装置11は、少ない部品点数で形成することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】パイロット弁12のペダル取付部材15には、ペダル取付部材15の揺動方向(A,A′方向)とほぼ直交する方向(B,B′方向)に回動可能な多機能ペダル17を設け、この多機能ペダル17は、操作位置では踏板21のペダル面部21Aによってペダル取付部材15を揺動操作可能とし、ロック位置ではパイロット弁12の側方に立設された2本のストッパボルト16に当接してペダル取付部材15の操作を中立位置でロックし、また踏板21のフットレスト面部21Bに足を乗せる構成としている。従って、操作ペダル装置11は、少ない部品点数で形成することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、運転席の前側に操作ペダル装置が配設された建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前側に設けられた作業装置とによって大略構成されている。また、上部旋回体には、旋回フレームの前部左側に位置して床板上に運転席が設けられ、該運転席の前側には、下部走行体を走行させるための走行レバー等が設けられている。また、運転席の前側または側方には、作業装置を操作するための作業レバー等が設けられている。
【0003】
一方、油圧ショベルには、側溝の掘削を容易に行なえるように作業装置が左,右方向にスイング動作またはオフセット動作できるようになったものがある。この種の油圧ショベルには、運転席の前側に位置して床板に作業装置を動作するための操作ペダル装置が設けられている(実開平6−59915号公報等)。
【0004】
ここで、操作ペダル装置は、揺動可能にペダル取付部材が取付けられたパイロット弁と、該パイロット弁のペダル取付部材に取付けられた作業ペダルとによって大略構成されている。また、作業装置は、掘削する側溝の位置に合わせて左,右方向に動作させると、通常側溝掘り作業が終了するまでは左,右方向に動かす必要がない。このため、操作ペダル装置には、作業ペダルを誤まって操作しないように該作業ペダル(ペダル取付部材)を中立位置で動きをロックするロック装置が設けられている。
【0005】
そして、ロック装置は、作業ペダルに形成された切欠部と、前記床板上に回動可能に設けられ、該切欠部に係合するロックレバーと、該ロックレバーを前記切欠部に向けて付勢するスプリングとによって大略構成されている。これにより、ロック装置は、作業ペダルを中立にした状態で切欠部にロックレバーを係合させることにより、この中立位置で作業ペダルの動きをロックして誤操作を防止することができる。一方、作業ペダルを揺動操作する場合には、スプリングの付勢力に抗してロックレバーを切欠部から離脱させることにより、作業ペダルのロックを解除することができる。
【0006】
また、他の従来技術として特開平11−336129号公報等に示すものがあり、この他の従来技術に用いられるロック装置は、作業ペダルを覆うペダルカバーと、該ペダルカバーを回動可能に支持するヒンジとからなるものがあり、このロック装置は、ペダルカバーによって作業ペダルを覆うことにより、該作業ペダルの誤操作を防止すると共に、足を載せるフットレストとして使用することができる。一方、ペダルカバーをヒンジを介して床板側に倒すことにより、作業ペダルを操作できるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した実開平6−59915号公報による操作ペダル装置は、ロック装置を、ロックレバー、該ロックレバーを回動可能に支持する部材、スプリング等によって構成しているから、部品点数が多くなり、組立作業性が低下する上に、足元のスペースが狭くなってしまい操作性が悪くなるという問題がある。
【0008】
しかも、ロック手段は、作業ペダルが中立な状態でロックレバーを切欠部に係合させる必要があるから、作業ペダルの切欠部とロックレバーとの位置調整作業に時間を要してしまうという問題がある。
【0009】
一方、特開平11−336129号公報によるロック装置は、作業ペダルを使用するときにはペダルカバーを床板側に倒すようにしているから、作業ペダルの周囲にペダルカバーを倒すためのスペースが必要になり、足元のスペースが狭くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、少ない部品点数でペダル操作のロック機能とフットレストとしての機能とを備え、組立作業性、操作性を向上することができるようにした建設機械を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による建設機械は、前側に作業装置が取付けられた自走可能な車体と、該車体の床板上に設けられた運転席と、該運転席の前側に位置して前記床板に取付けられ前記作業装置を駆動するために足踏み操作される操作ペダル装置とを備えている。
【0012】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、操作ペダル装置は、作業装置を駆動するための信号を出力する信号出力部と、該信号出力部に対して上,下方向に揺動可能に取付けられ、該信号出力部から信号を出力するように揺動操作されるペダル取付部材と、前記ペダル取付部材に回動可能に取付けられ、前記ペダル取付部材に載置させた操作位置では作業ペダルとして機能し、床板側に移動されたロック位置では前記ペダル取付部材の動きをロックすると共に足を載せるフットレストとして機能する多機能ペダルとによって構成したことにある。
【0013】
このように構成したことにより、多機能ペダルを回動して操作位置に配置すると、該多機能ペダルは作業ペダルとして機能するから、オペレータは、この多機能ペダルに足を載せて上,下方向に足踏み操作(揺動操作)することができる。これにより、ペダル取付部材は、信号出力部に対して上,下方向に揺動されるから、該信号出力部は信号を出力して作業装置を駆動することができる。
【0014】
一方、多機能ペダルを回動してロック位置に配置すると、該多機能ペダルはペダル取付部材の動きをロックすることができる。また、このロック位置では、多機能ペダルはフットレストとして機能するから、オペレータは多機能ペダルに足を載せながら作業を行なうことができる。
【0015】
これにより、1個の多機能ペダルは、作業ペダルとロック装置とフットレストとの3つの機能を有しているから、部品点数を少なくすることができる。また、多機能ペダルは、常時使用されているから、操作の邪魔にならない位置に移動する必要がなく、足元のスペースを広くすることができる。
【0016】
請求項2の発明によると、ペダル取付部材の近傍には、多機能ペダルがロック位置に配置されたときに、該多機能ペダルに当接して揺動操作を止めるストッパを設けたことにある。
【0017】
このように構成したことにより、多機能ペダルをロック位置に配置すると、該多機能ペダルはストッパに当接するから、該ストッパは多機能ペダルの揺動操作を止めることができる。
【0018】
請求項3の発明によると、多機能ペダルは、操作位置で上側に配置されるペダル面部と、該ペダル面部に対面して設けられロック位置で上側に配置されるフットレスト面部と、前記ペダル面部とフットレスト面部とを連結する連結部とによって略U字状に形成したことにある。
【0019】
このように構成したことにより、操作位置では多機能ペダルは、ペダル面部を上側に配置するから、オペレータは該ペダル面部を足踏み操作することができる。一方、ロック位置では多機能ペダルは、フットレスト面部を上側に配置するから、オペレータは該フットレスト面部に足を載せて作業を行なうことができる。そして、多機能ペダルは、ペダル面部、フットレスト面部、連結部を例えば1枚の板材を折曲げることによって略U字状に形成することができる。
【0020】
請求項4の発明によると、多機能ペダルはほぼ前,後方向に延びるように設け、ペダル面部とフットレスト面部とは互いに対面し後側から前側に向け離間寸法が大きくなるように斜めに形成したことにある。
【0021】
このように構成したことにより、ペダル面部とフットレスト面部とは、使用時に後側から前側に向けて高くなるように斜めに配置されるから、オペレータはこれらのペダル面部、フットレスト面部に自然な状態で足を載せることができる。
【0022】
請求項5の発明によると、ペダル取付部材は信号出力部に対して揺動軸を支軸として揺動可能に取付け、多機能ペダルは前記ペダル取付部材に前記揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを用いて回動可能に取付ける構成としたことにある。
【0023】
このように構成したことにより、多機能ペダルは、ペダル取付部材の揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを支軸として回動するから、該多機能ペダルの動きを止めるだけで簡単にペダル取付部材の動きをロックすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に適用される建設機械として小型の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図11に従って詳細に説明する。なお、本実施の形態では、操作ペダル装置は、作業装置をスイング(揺動)させるためのスイングシリンダ用の油圧式制御弁に油圧パイロット信号を出力する場合を例に挙げて説明する。
【0025】
1は本実施の形態に適用される建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルとして形成されている。また、油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体をなす上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4と、後述の排土板装置22とにより構成されている。ここで、上部旋回体3は、支持構造をなす旋回フレーム5を備え、該旋回フレーム5の後側にはエンジン(図示せず)が搭載され、該エンジンの外側にはカウンタウエイト6が取付けられている。
【0026】
また、作業装置4は、旋回フレーム5の前部に揺動可能に設けられたスイングポスト4Aと、該スイングポスト4Aに俯仰動可能に設けられたブーム4Bと、該ブーム4Bの先端側に俯仰動可能に設けられたアーム4Cと、該アーム4Cの先端側に回動可能に設けられたバケット4Dとによって大略構成されている。
【0027】
また、スイングポスト4Aとブーム4Bとの間にはブームシリンダ4Eが設けられ、ブーム4Bとアーム4Cとの間にはアームシリンダ4Fが設けられ、アーム4Cとバケット4Dとの間にはバケットシリンダ4Gが設けられている。
【0028】
さらに、作業装置4には、図2に示すように、旋回フレーム5とスイングポスト4Aとの間に位置してスイングシリンダ4Hが設けられている。そして、スイングシリンダ4Hは、伸長,縮小することによってスイングポスト4Aと一緒に作業装置4を左,右方向に揺動するもので、後述の操作ペダル装置11によって操作される。
【0029】
7はエンジンの前側に位置して設けられた運転席で、該運転席7の左,右両側には作業装置4を俯仰動させたり、上部旋回体3を旋回動作するための作業レバー8(左側のみ図示)が設けられている。
【0030】
9は運転席7の前側に位置して旋回フレーム5の上側に設けられた床板で、該床板9は、金属材料からなる平板によって形成され、上面はゴム材料等からなるフロアマット(図示せず)によって覆われている。また、床板9には、前側の中央に位置して後述の走行ペダル・レバー装置10が取付けられる取付穴(図示せず)と、前側の右側寄りに位置して後述の操作ペダル装置11が取付けられる取付穴9A(図3中に図示)が形成されている。
【0031】
10,10は床板9の前側中央に配設された左,右の走行ペダル・レバー装置で、該各走行ペダル・レバー装置10は、下部走行体2を走行させるときに操作するものである。また、走行ペダル・レバー装置10は、床板9に取付けられたパイロット弁(図示せず)と、該パイロット弁に前,後で揺動するように取付けられた走行ペダル10Aと、該走行ペダル10Aに連動するように取付けられた走行レバー10Bとによって大略構成されている。
【0032】
次に、11は運転席7の前側で走行ペダル・レバー装置10の右側に配置された例えばスイングペダル装置を構成する操作ペダル装置で、該操作ペダル装置11は、スイングシリンダ4Hを伸長,縮小して作業装置4を左,右方向にスイング(揺動)させるものである。また、操作ペダル装置11は、図2に示す如く、前側を僅かに右側に傾けるように前,後方向に延びて配設されている。そして、操作ペダル装置11は、図3ないし図11に示す如く、後述のパイロット弁12、ペダル取付部材15、ストッパボルト16、多機能ペダル17等によって大略構成されている。
【0033】
12は取付穴9Aに収まるように床板9に取付けられた信号出力部としての減圧弁型のパイロット弁で、該パイロット弁12は、作業装置4を左,右方向にスイングするための油圧パイロット信号を油圧制御弁(図示せず)に出力するものである。そして、パイロット弁12は、図5に示す如く、有底の箱体状に形成されたケーシング12Aと、該ケーシング12Aの上端に設けられた蓋体12Bと、該蓋体12B内に伸縮可能に設けられたプッシャ12C,12Cとによって大略構成されている。また、蓋体12Bには、前,後両側に突出してフランジ12Dが設けられ、パイロット弁12は、フランジ12Dが取付ボルト13によって床板9に取付けられている。
【0034】
ここで、パイロット弁12は、後述の多機能ペダル17の前部,後部を図3、図5中の矢示A,A′方向に踏込み操作(揺動操作)することにより、各プッシャ12Cが選択的に押動されて油圧パイロット信号を出力し、これにより作業装置4のスイングシリンダ4Hに操作に応じた圧油を給排するものである。また、パイロット弁12は、後述のペダル取付部材15がほぼ水平状態となる位置が中立位置となっている。
【0035】
14はパイロット弁12の一部を構成する揺動軸(図5参照)で、該揺動軸14は、各プッシャ12C,12C間に位置して左,右方向に延びるように蓋体12Bに取付けられている。
【0036】
15はパイロット弁12の上部側に取付けられたペダル取付部材で、該ペダル取付部材15は、揺動軸14を支軸とし、該揺動軸14を挟んだ前,後位置で上,下方向に揺動可能に取付けられている。そして、ペダル取付部材15は、上側に取付けられる後述の多機能ペダル17によって揺動されることにより、パイロット弁12のプッシャ12C,12Cを変位させ、該パイロット弁12から油圧パイロット信号を出力させるものである。
【0037】
16,16はパイロット弁12の右側近傍に位置して床板9に立設された2本のストッパボルトで、該各ストッパボルト16は、ほぼ垂直に延びる柱状体をなし、後述する多機能ペダル17の長さ方向に離間して配置されている。また、各ストッパボルト16は、多機能ペダル17を図8ないし図11に示すロック位置に配置したときに、該多機能ペダル17を構成する後述のヒンジ18が水平状態で当接するように、頭部16Aの高さ寸法がパイロット弁12のペダル取付部材15とほぼ同じ高さ寸法に設定されている(図11参照)。
【0038】
そして、各ストッパボルト16は、多機能ペダル17をロック位置に配置したときに、ヒンジ18を頭部16Aに当接させてパイロット弁12のペダル取付部材15を中立状態に保持し、かつ多機能ペダル17の踏板21に形成された切欠部21Dと係合することにより、多機能ペダル17(ペダル取付部材15)の動きをロックし、ペダル取付部材15の操作を規制するものである。
【0039】
17はパイロット弁12のペダル取付部材15に取付けられた多機能ペダルで、該多機能ペダル17は、パイロット弁12のペダル取付部材15の揺動方向(矢示A,A′方向)とほぼ直交する矢示B,B′(図6、図11中に図示)方向に回動可能に設けられ、操作ペダル機能とストッパ機能とフットレスト機能との3つの機能を兼ね備えている。そして、本実施の形態では多機能ペダル17は、後述のヒンジ18、取付板20、踏板21等によって大略構成されている。
【0040】
18はパイロット弁12のペダル取付部材15に取付けられたヒンジで、該ヒンジ18は、図3、図6に示す如く、ペダル取付部材15に取付ねじ19,19によって取付けられる固定板18Aと、後述の取付板20が取付けられる回動板18Bと、前記固定板18Aに対して回動板18Bを回動可能に連結する回動軸としての連結ピン18Cとによって構成されている。
【0041】
ここで、ヒンジ18の連結ピン18Cは、パイロット弁12の揺動軸14の伸長方向となる左,右方向と直交する前,後方向に延びて設けられ、これにより、回動板18Bは、後述の踏板21等をペダル取付部材15の操作方向(矢示A,A′方向)とほぼ直交する方向(矢示B,B′方向)に回動可能に支持している。従って、踏板21は、矢示B方向に回動されたときに図3ないし図6に示す操作位置に配置され、矢示B′方向に回動されたときに図8ないし図11に示すロック位置に配置される。
【0042】
20はヒンジ18に取付けられた取付板で、該取付板20は、図7等に示す如く、板体をL字状に折曲げて形成されている。そして、取付板20は、一端がヒンジ18の回動板18Bに溶接手段等を用いて固着され、他端が後述する踏板21のペダル面部21Aに溶接手段等を用いて固着されている。また、取付板20の他端は、図5に示す如く、ペダル面部21Aの傾きに対応して斜めに形成されている。
【0043】
21は取付板20に取付けられたU字状の踏板で、該踏板21は、前,後方向に延びるほぼ長方形状の板体からなるペダル面部21Aと、該ペダル面部21Aに対面して設けられ、該ペダル面部21Aとほぼ同様に前,後方向に延びるほぼ長方形状の板体からなるフットレスト面部21Bと、前記ペダル面部21Aとフットレスト面部21Bとを連結する連結部21Cと、前記ペダル面部21Aの長辺部に前,後方向に離間して設けられ、ストッパボルト16,16に係合する2個の切欠部21D,21DとによってU字型に形成されている。そして、踏板21のペダル面部21Aが取付板20に固着されている。
【0044】
また、ペダル面部21Aは、パイロット弁12のペダル取付部材15を操作するときにオペレータの足を載せる作業ペダルとして機能するものである。一方、フットレスト面部21Bは、パイロット弁12のペダル取付部材15を操作するとき以外に、オペレータの足を載せるフットレストとして機能するもので、オペレータに安定した運転姿勢を提供するものである。
【0045】
ここで、ペダル面部21Aとフットレスト面部21Bとは、後側から前側に向け漸次離間寸法が大きくなるように斜めに形成され、これに応じて連結部21Cは略三角形状に形成されている。また、ペダル面部21A、フットレスト面部21Bの傾斜角度は、パイロット弁12のペダル取付部材15が中立状態にあるとき、即ち水平面に対してほぼ同じ角度に設定されている。
【0046】
これにより、踏板21を操作位置としたときには、図3、図5等に示すようにペダル面部21Aは上側に配置され、その前側が高くなるから、足を載せ易く操作も良好に行なうことができる。一方、踏板21をロック位置としたときには、図8、図10等に示すようにフットレスト面部21Bが上側に配置され、その前側が高くなるから、オペレータは自然な運転姿勢で足を載せることができる。
【0047】
そして、操作ペダル装置11は、図3ないし図6に示すように、固定板18Aに回動板18Bを重ねるようにヒンジ18を折曲げ、多機能ペダル17を矢示B方向に回動させた操作位置では、パイロット弁12のペダル取付部材15上に多機能ペダル17の全体が載った状態になり、踏板21のペダル面部21Aが上側に配置される。これにより、オペレータは、ペダル面部21Aに右足を載せ、該ペダル面部21Aの前側または後側を踏み込むことにより、多機能ペダル17を介してパイロット弁12のペダル取付部材15を揺動操作することができる。
【0048】
また、操作ペダル装置11は、図8ないし図11に示すように、ヒンジ18を介して多機能ペダル17を矢示B′方向(ストッパボルト16側)に回動させると、図10、図11に示す如く、2本のストッパボルト16は、それぞれの頭部16Aによってヒンジ18の回動板18Bを下側から支持すると共に、踏板21の切欠部21Dに係合する。これにより、多機能ペダル17は、ロック位置に配置することができ、パイロット弁12の動きを中立位置でロックすることができる。
【0049】
しかも、多機能ペダル17をロック位置に配置したときには、踏板21のフットレスト面部21Bが上側に配置されるから、オペレータは、フットレスト面部21Bに右足を載せて作業を行なうことができる。
【0050】
さらに、多機能ペダル17は、操作位置からロック位置に回動したときには、踏板21のペダル面部21A上に堆積した土砂等を落とすことができ、また、ロック位置から操作位置に回動したときには、踏板21のフットレスト面部21B上に堆積した土砂等を落とすことができ、清浄に保つことができる。
【0051】
なお、22は下部走行体2の前側に設けられた作業装置としての排土板装置で、該排土板装置22は、地面を均すときに用いられるもので、排土シリンダ(図示せず)によって上,下方向に駆動されるものである。
【0052】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0053】
まず、オペレータは運転席7に着座し、走行ペダル・レバー装置10を操作することにより、下部走行体2を走行させる。また、作業レバー8を操作したときには、作業装置4を俯仰動させたり、上部旋回体3を旋回させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0054】
また、側溝掘り作業を行なう場合には、ロック位置に配置された多機能ペダル17を足先で引っ掛けて矢示B方向に回動し、操作位置に配置する。これにより、オペレータは、踏板21のペダル面部21Aに右足を載せることにより、パイロット弁12のペダル取付部材15を矢示A,A′方向に操作して、作業装置4を左,右方向にスイングさせることができる。
【0055】
さらに、作業装置4を側溝の位置に合わせてスイングさせたら、操作位置に配置された多機能ペダル17を足先で引っ掛けて矢示B′方向に回動し、ロック位置に配置する。これにより、パイロット弁12のペダル取付部材15の動きを中立位置でロックすることができ、作業装置4の誤操作を防止することができる。また、オペレータは、踏板21のフットレスト面部21Bに右足を載せた楽な姿勢で作業を行なうことができる。
【0056】
かくして、本実施の形態によれば、パイロット弁12の側方に2本のストッパボルト16を立設すると共に、パイロット弁12のペダル取付部材15には、該ペダル取付部材15の揺動方向(A,A′方向)とほぼ直交する方向(B,B′方向)に回動可能な多機能ペダル17を設け、該多機能ペダル17は、操作位置では踏板21のペダル面部21Aによってペダル取付部材15を揺動操作可能とし、ロック位置では各ストッパボルト16に係合して前記ペダル取付部材15の操作を中立位置でロックすると共に踏板21のフットレスト面部21Bに足を載せることができるようにしている。
【0057】
従って、1個の多機能ペダル17は、ストッパボルト16と協働して操作ペダル機能とロック機能とフットレスト機能との3つの機能を有している。これにより、操作ペダル装置11は、少ない部品点数で形成することができるから、組立作業性を向上することができる。また、足元のスペースを広くすることができ、操作性を向上することができる。
【0058】
また、2本のストッパボルト16は、パイロット弁12のペダル取付部材15と高さ寸法を揃えるだけで、該ペダル取付部材15を中立位置でロックすることができるから、中立位置を出すための調整作業を省略することができ、より一層作業性を向上することができる。
【0059】
また、操作位置では踏板21のペダル面部21Aを上側に配置することができるから、オペレータは該ペダル面部21Aを作業ペダルとして足踏み操作することができる。一方、ロック位置では踏板21のフットレスト面部21Bをフットレストとして上側に配置することができるから、オペレータは該フットレスト面部21Bに足を載せて作業を行なうことができる。また、踏板21は、1枚の板材を折曲げることによって容易にU字状に形成することができる。
【0060】
一方、多機能ペダル17を構成する踏板21のペダル面部21Aとフットレスト面部21Bとは、互いに対面し後側から前側に向け離間寸法が大きくなるように斜めに形成しているから、ペダル面部21Aとフットレスト面部21Bは、それぞれの使用時に斜めに配置でき、オペレータはこれらのペダル面部21A、フットレスト面部21Bに自然な状態で足を載せることができ、作業性を向上することができる。
【0061】
さらに、多機能ペダル17は、操作位置とロック位置とに回動するときに、踏板21に堆積した土砂等を落とすことができるから、清浄に保つことができ、清掃作業等を簡略化することができる。
【0062】
なお、実施の形態では、ストッパとして2本のストッパボルト16を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば頭部が前,後方向に延びた1本の柱状体によってストッパを形成してもよい。また、2本の柱状体の上部が連結されたコ字状の部材によってストッパを形成してもよい。
【0063】
また、実施の形態では、取付板20と踏板21とを別部材によって形成した場合を例示したが、これは加工上の都合であり、例えば図12に示す変形例のように、取付板を踏板21の一部として構成してもよい。即ち、踏板21にペダル面部21AからJ字状に折曲げられた取付板部21Eを設け、この取付板部21Eの先端部をヒンジ18の回動板18Bに固着してもよい。この場合には、多機能ペダル17は、ヒンジ18と踏板21とによって構成されている。
【0064】
また、例えば図13に示す他の変形例のように、取付板をヒンジ18の一部として構成してもよい。即ち、ヒンジ18の回動板18B′をL字状に折曲げ、この回動板18B′の先端部を踏板21のペダル面部21Aに固着してもよい。この場合も、多機能ペダル17は、ヒンジ18と踏板21とによって構成されている。
【0065】
また、実施の形態では、取付板20をL字状に形成し、該取付板20の一端をヒンジ18の回動板18Bに固着し、他端を踏板21のペダル面部21Aに固着した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図14に示す変形例のように、平板状の取付板20′を用い、該取付板20′の他端を踏板21の連結部21Cに固着してもよい。
【0066】
また、実施の形態では、信号出力部として油圧式制御弁に油圧パイロット信号を出力するパイロット弁12を用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ることなく、例えば機械信号、電気信号を出力する他の信号出力部を用いてもよい。
【0067】
即ち、制御弁が機械式制御弁である場合には、信号出力部は、多機能ペダル17によって操作されるリンク機構として構成され、該リンク機構の動きに応じた機械信号を出力する。一方、制御弁が電気式制御弁である場合には、信号出力部は、多機能ペダル17によって変位−電圧変換するポテンショメータにより構成され、該ポテンショメータから電気信号を出力する。
【0068】
また、実施の形態では、操作ペダル装置11を前,後方向に延びて配設した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限ることなく、例えば操作ペダル装置11を左,右方向に延びて配設する構成としてもよい。
【0069】
一方、実施の形態では、操作ペダル装置11は作業装置4を左,右方向にスイングさせるスイングペダル装置として用いた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば作業装置をアームが左,右方向に平行移動可能なオフセット式の作業装置とし、この作業装置のアームを左,右方向に動かすオフセットペダル装置として操作ペダル装置を用いてもよい。また、排土板装置22を上,下方向に駆動する排土板ペダル装置として操作ペダル装置を用いてもよい。
【0070】
さらに、実施の形態では、建設機械としてキャノピを備えた小型の油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばキャブボックスを備えた油圧ショベルに適用してもよい。また、油圧クレーン等の他の建設機械に適用してもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、操作ペダル装置は、作業装置を駆動するための信号を出力する信号出力部と、該信号出力部に対して上,下方向に揺動可能に取付けられ、該信号出力部から信号を出力するように揺動操作されるペダル取付部材と、前記ペダル取付部材に回動可能に取付けられ、前記ペダル取付部材に載置させた操作位置では作業ペダルとして機能し、床板側に移動されたロック位置では前記ペダル取付部材の動きをロックすると共に足を載せるフットレストとして機能する多機能ペダルとによって構成している。
【0072】
これにより、多機能ペダルを回動して操作位置に配置したときには、該多機能ペダルは作業ペダルとなるから、オペレータは、この多機能ペダルを足踏み操作することができる。一方、多機能ペダルを回動してロック位置に配置したときには、該多機能ペダルは足踏み操作をロックすることができる。また、このロック位置では、多機能ペダルはフットレストとして機能するから、オペレータは多機能ペダルに足を載せながら作業を行なうことができる。
【0073】
この結果、1個の多機能ペダルは、作業ペダルとロック装置とフットレストとの3つの機能を有しているから、部品点数を少なくすることができ、組立作業性を向上することができる。また、多機能ペダルは、常時使用されているから、操作の邪魔にならない位置に移動する必要がなく、足元のスペースを広くすることができ、操作性を向上することができる。
【0074】
請求項2の発明によれば、ペダル取付部材の近傍には、多機能ペダルがロック位置に配置されたときに、該多機能ペダルに当接して揺動操作を止めるストッパを設けているので、該ストッパは多機能ペダルの揺動操作を止めることができ、動きをロックすることができる。
【0075】
請求項3の発明によれば、多機能ペダルは、操作位置で上側に配置されるペダル面部と、該ペダル面部に対面して設けられロック位置で上側に配置されるフットレスト面部と、前記ペダル面部とフットレスト面部とを連結する連結部とによって略U字状に形成している。従って、操作位置では、オペレータは上側に配置された多機能ペダルのペダル面部を足踏み操作することができる。一方、ロック位置では上側に配置された多機能ペダルのフットレスト面部に足を載せて作業を行なうことができる。そして、多機能ペダルは、ペダル面部、フットレスト面部、連結部を例えば1枚の板材を折曲げることによって略U字状に形成することができる。
【0076】
請求項4の発明によれば、多機能ペダルはほぼ前,後方向に延びるように設け、ペダル面部とフットレスト面部とは互いに対面し後側から前側に向け離間寸法が大きくなるように斜めに形成している。従って、ペダル面部とフットレスト面部とは、使用時に後側から前側に向けて高くなるように斜めに配置されるから、オペレータはこれらのペダル面部、フットレスト面部に自然な状態で足を載せることができ、操作性を向上することができる。
【0077】
請求項5の発明によれば、ペダル取付部材は信号出力部に対して揺動軸を支軸として揺動可能に取付け、多機能ペダルは前記ペダル取付部材に前記揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを用いて回動可能に取付ける構成としている。従って、多機能ペダルは、ペダル取付部材の揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを支軸として回動するから、該多機能ペダルの動きを止めるだけで簡単にペダル取付部材の動きをロックすることができ、構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1の油圧ショベルを拡大して示す平面図である。
【図3】多機能ペダルが操作位置に配置された操作ペダル装置を拡大して示す外観斜視図である。
【図4】多機能ペダルが操作位置に配置された操作ペダル装置を拡大して示す平面図である。
【図5】操作ペダル装置を図4中の矢示V−V方向からみた断面図である。
【図6】操作ペダル装置を図4中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。
【図7】取付板と踏板を拡大して示す外観斜視図である。
【図8】多機能ペダルがロック位置に配置された操作ペダル装置を拡大して示す外観斜視図である。
【図9】多機能ペダルがロック位置に配置された操作ペダル装置を拡大して示す平面図である。
【図10】操作ペダル装置を図9中の矢示X−X方向からみた断面図である。
【図11】操作ペダル装置を図9中の矢示XI−XI方向からみた断面図である。
【図12】多機能ペダルの変形例を示す図6と同様の断面図である。
【図13】多機能ペダルの他の変形例を示す図6と同様の断面図である。
【図14】取付板の変形例を示す図6と同様の断面図である。
【符号の説明】
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
7 運転席
9 床板
11 操作ペダル装置
12 パイロット弁(信号出力部)
14 揺動軸
15 ペダル取付部材
16 ストッパボルト(ストッパ)
17 多機能ペダル
18 ヒンジ
20 取付板
21 踏板
21A ペダル面部
21B フットレスト面部
21C 連結部
21D 切欠部
22 排土板装置(作業装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、運転席の前側に操作ペダル装置が配設された建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前側に設けられた作業装置とによって大略構成されている。また、上部旋回体には、旋回フレームの前部左側に位置して床板上に運転席が設けられ、該運転席の前側には、下部走行体を走行させるための走行レバー等が設けられている。また、運転席の前側または側方には、作業装置を操作するための作業レバー等が設けられている。
【0003】
一方、油圧ショベルには、側溝の掘削を容易に行なえるように作業装置が左,右方向にスイング動作またはオフセット動作できるようになったものがある。この種の油圧ショベルには、運転席の前側に位置して床板に作業装置を動作するための操作ペダル装置が設けられている(実開平6−59915号公報等)。
【0004】
ここで、操作ペダル装置は、揺動可能にペダル取付部材が取付けられたパイロット弁と、該パイロット弁のペダル取付部材に取付けられた作業ペダルとによって大略構成されている。また、作業装置は、掘削する側溝の位置に合わせて左,右方向に動作させると、通常側溝掘り作業が終了するまでは左,右方向に動かす必要がない。このため、操作ペダル装置には、作業ペダルを誤まって操作しないように該作業ペダル(ペダル取付部材)を中立位置で動きをロックするロック装置が設けられている。
【0005】
そして、ロック装置は、作業ペダルに形成された切欠部と、前記床板上に回動可能に設けられ、該切欠部に係合するロックレバーと、該ロックレバーを前記切欠部に向けて付勢するスプリングとによって大略構成されている。これにより、ロック装置は、作業ペダルを中立にした状態で切欠部にロックレバーを係合させることにより、この中立位置で作業ペダルの動きをロックして誤操作を防止することができる。一方、作業ペダルを揺動操作する場合には、スプリングの付勢力に抗してロックレバーを切欠部から離脱させることにより、作業ペダルのロックを解除することができる。
【0006】
また、他の従来技術として特開平11−336129号公報等に示すものがあり、この他の従来技術に用いられるロック装置は、作業ペダルを覆うペダルカバーと、該ペダルカバーを回動可能に支持するヒンジとからなるものがあり、このロック装置は、ペダルカバーによって作業ペダルを覆うことにより、該作業ペダルの誤操作を防止すると共に、足を載せるフットレストとして使用することができる。一方、ペダルカバーをヒンジを介して床板側に倒すことにより、作業ペダルを操作できるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した実開平6−59915号公報による操作ペダル装置は、ロック装置を、ロックレバー、該ロックレバーを回動可能に支持する部材、スプリング等によって構成しているから、部品点数が多くなり、組立作業性が低下する上に、足元のスペースが狭くなってしまい操作性が悪くなるという問題がある。
【0008】
しかも、ロック手段は、作業ペダルが中立な状態でロックレバーを切欠部に係合させる必要があるから、作業ペダルの切欠部とロックレバーとの位置調整作業に時間を要してしまうという問題がある。
【0009】
一方、特開平11−336129号公報によるロック装置は、作業ペダルを使用するときにはペダルカバーを床板側に倒すようにしているから、作業ペダルの周囲にペダルカバーを倒すためのスペースが必要になり、足元のスペースが狭くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、少ない部品点数でペダル操作のロック機能とフットレストとしての機能とを備え、組立作業性、操作性を向上することができるようにした建設機械を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による建設機械は、前側に作業装置が取付けられた自走可能な車体と、該車体の床板上に設けられた運転席と、該運転席の前側に位置して前記床板に取付けられ前記作業装置を駆動するために足踏み操作される操作ペダル装置とを備えている。
【0012】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、操作ペダル装置は、作業装置を駆動するための信号を出力する信号出力部と、該信号出力部に対して上,下方向に揺動可能に取付けられ、該信号出力部から信号を出力するように揺動操作されるペダル取付部材と、前記ペダル取付部材に回動可能に取付けられ、前記ペダル取付部材に載置させた操作位置では作業ペダルとして機能し、床板側に移動されたロック位置では前記ペダル取付部材の動きをロックすると共に足を載せるフットレストとして機能する多機能ペダルとによって構成したことにある。
【0013】
このように構成したことにより、多機能ペダルを回動して操作位置に配置すると、該多機能ペダルは作業ペダルとして機能するから、オペレータは、この多機能ペダルに足を載せて上,下方向に足踏み操作(揺動操作)することができる。これにより、ペダル取付部材は、信号出力部に対して上,下方向に揺動されるから、該信号出力部は信号を出力して作業装置を駆動することができる。
【0014】
一方、多機能ペダルを回動してロック位置に配置すると、該多機能ペダルはペダル取付部材の動きをロックすることができる。また、このロック位置では、多機能ペダルはフットレストとして機能するから、オペレータは多機能ペダルに足を載せながら作業を行なうことができる。
【0015】
これにより、1個の多機能ペダルは、作業ペダルとロック装置とフットレストとの3つの機能を有しているから、部品点数を少なくすることができる。また、多機能ペダルは、常時使用されているから、操作の邪魔にならない位置に移動する必要がなく、足元のスペースを広くすることができる。
【0016】
請求項2の発明によると、ペダル取付部材の近傍には、多機能ペダルがロック位置に配置されたときに、該多機能ペダルに当接して揺動操作を止めるストッパを設けたことにある。
【0017】
このように構成したことにより、多機能ペダルをロック位置に配置すると、該多機能ペダルはストッパに当接するから、該ストッパは多機能ペダルの揺動操作を止めることができる。
【0018】
請求項3の発明によると、多機能ペダルは、操作位置で上側に配置されるペダル面部と、該ペダル面部に対面して設けられロック位置で上側に配置されるフットレスト面部と、前記ペダル面部とフットレスト面部とを連結する連結部とによって略U字状に形成したことにある。
【0019】
このように構成したことにより、操作位置では多機能ペダルは、ペダル面部を上側に配置するから、オペレータは該ペダル面部を足踏み操作することができる。一方、ロック位置では多機能ペダルは、フットレスト面部を上側に配置するから、オペレータは該フットレスト面部に足を載せて作業を行なうことができる。そして、多機能ペダルは、ペダル面部、フットレスト面部、連結部を例えば1枚の板材を折曲げることによって略U字状に形成することができる。
【0020】
請求項4の発明によると、多機能ペダルはほぼ前,後方向に延びるように設け、ペダル面部とフットレスト面部とは互いに対面し後側から前側に向け離間寸法が大きくなるように斜めに形成したことにある。
【0021】
このように構成したことにより、ペダル面部とフットレスト面部とは、使用時に後側から前側に向けて高くなるように斜めに配置されるから、オペレータはこれらのペダル面部、フットレスト面部に自然な状態で足を載せることができる。
【0022】
請求項5の発明によると、ペダル取付部材は信号出力部に対して揺動軸を支軸として揺動可能に取付け、多機能ペダルは前記ペダル取付部材に前記揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを用いて回動可能に取付ける構成としたことにある。
【0023】
このように構成したことにより、多機能ペダルは、ペダル取付部材の揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを支軸として回動するから、該多機能ペダルの動きを止めるだけで簡単にペダル取付部材の動きをロックすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に適用される建設機械として小型の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図11に従って詳細に説明する。なお、本実施の形態では、操作ペダル装置は、作業装置をスイング(揺動)させるためのスイングシリンダ用の油圧式制御弁に油圧パイロット信号を出力する場合を例に挙げて説明する。
【0025】
1は本実施の形態に適用される建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルとして形成されている。また、油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体をなす上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4と、後述の排土板装置22とにより構成されている。ここで、上部旋回体3は、支持構造をなす旋回フレーム5を備え、該旋回フレーム5の後側にはエンジン(図示せず)が搭載され、該エンジンの外側にはカウンタウエイト6が取付けられている。
【0026】
また、作業装置4は、旋回フレーム5の前部に揺動可能に設けられたスイングポスト4Aと、該スイングポスト4Aに俯仰動可能に設けられたブーム4Bと、該ブーム4Bの先端側に俯仰動可能に設けられたアーム4Cと、該アーム4Cの先端側に回動可能に設けられたバケット4Dとによって大略構成されている。
【0027】
また、スイングポスト4Aとブーム4Bとの間にはブームシリンダ4Eが設けられ、ブーム4Bとアーム4Cとの間にはアームシリンダ4Fが設けられ、アーム4Cとバケット4Dとの間にはバケットシリンダ4Gが設けられている。
【0028】
さらに、作業装置4には、図2に示すように、旋回フレーム5とスイングポスト4Aとの間に位置してスイングシリンダ4Hが設けられている。そして、スイングシリンダ4Hは、伸長,縮小することによってスイングポスト4Aと一緒に作業装置4を左,右方向に揺動するもので、後述の操作ペダル装置11によって操作される。
【0029】
7はエンジンの前側に位置して設けられた運転席で、該運転席7の左,右両側には作業装置4を俯仰動させたり、上部旋回体3を旋回動作するための作業レバー8(左側のみ図示)が設けられている。
【0030】
9は運転席7の前側に位置して旋回フレーム5の上側に設けられた床板で、該床板9は、金属材料からなる平板によって形成され、上面はゴム材料等からなるフロアマット(図示せず)によって覆われている。また、床板9には、前側の中央に位置して後述の走行ペダル・レバー装置10が取付けられる取付穴(図示せず)と、前側の右側寄りに位置して後述の操作ペダル装置11が取付けられる取付穴9A(図3中に図示)が形成されている。
【0031】
10,10は床板9の前側中央に配設された左,右の走行ペダル・レバー装置で、該各走行ペダル・レバー装置10は、下部走行体2を走行させるときに操作するものである。また、走行ペダル・レバー装置10は、床板9に取付けられたパイロット弁(図示せず)と、該パイロット弁に前,後で揺動するように取付けられた走行ペダル10Aと、該走行ペダル10Aに連動するように取付けられた走行レバー10Bとによって大略構成されている。
【0032】
次に、11は運転席7の前側で走行ペダル・レバー装置10の右側に配置された例えばスイングペダル装置を構成する操作ペダル装置で、該操作ペダル装置11は、スイングシリンダ4Hを伸長,縮小して作業装置4を左,右方向にスイング(揺動)させるものである。また、操作ペダル装置11は、図2に示す如く、前側を僅かに右側に傾けるように前,後方向に延びて配設されている。そして、操作ペダル装置11は、図3ないし図11に示す如く、後述のパイロット弁12、ペダル取付部材15、ストッパボルト16、多機能ペダル17等によって大略構成されている。
【0033】
12は取付穴9Aに収まるように床板9に取付けられた信号出力部としての減圧弁型のパイロット弁で、該パイロット弁12は、作業装置4を左,右方向にスイングするための油圧パイロット信号を油圧制御弁(図示せず)に出力するものである。そして、パイロット弁12は、図5に示す如く、有底の箱体状に形成されたケーシング12Aと、該ケーシング12Aの上端に設けられた蓋体12Bと、該蓋体12B内に伸縮可能に設けられたプッシャ12C,12Cとによって大略構成されている。また、蓋体12Bには、前,後両側に突出してフランジ12Dが設けられ、パイロット弁12は、フランジ12Dが取付ボルト13によって床板9に取付けられている。
【0034】
ここで、パイロット弁12は、後述の多機能ペダル17の前部,後部を図3、図5中の矢示A,A′方向に踏込み操作(揺動操作)することにより、各プッシャ12Cが選択的に押動されて油圧パイロット信号を出力し、これにより作業装置4のスイングシリンダ4Hに操作に応じた圧油を給排するものである。また、パイロット弁12は、後述のペダル取付部材15がほぼ水平状態となる位置が中立位置となっている。
【0035】
14はパイロット弁12の一部を構成する揺動軸(図5参照)で、該揺動軸14は、各プッシャ12C,12C間に位置して左,右方向に延びるように蓋体12Bに取付けられている。
【0036】
15はパイロット弁12の上部側に取付けられたペダル取付部材で、該ペダル取付部材15は、揺動軸14を支軸とし、該揺動軸14を挟んだ前,後位置で上,下方向に揺動可能に取付けられている。そして、ペダル取付部材15は、上側に取付けられる後述の多機能ペダル17によって揺動されることにより、パイロット弁12のプッシャ12C,12Cを変位させ、該パイロット弁12から油圧パイロット信号を出力させるものである。
【0037】
16,16はパイロット弁12の右側近傍に位置して床板9に立設された2本のストッパボルトで、該各ストッパボルト16は、ほぼ垂直に延びる柱状体をなし、後述する多機能ペダル17の長さ方向に離間して配置されている。また、各ストッパボルト16は、多機能ペダル17を図8ないし図11に示すロック位置に配置したときに、該多機能ペダル17を構成する後述のヒンジ18が水平状態で当接するように、頭部16Aの高さ寸法がパイロット弁12のペダル取付部材15とほぼ同じ高さ寸法に設定されている(図11参照)。
【0038】
そして、各ストッパボルト16は、多機能ペダル17をロック位置に配置したときに、ヒンジ18を頭部16Aに当接させてパイロット弁12のペダル取付部材15を中立状態に保持し、かつ多機能ペダル17の踏板21に形成された切欠部21Dと係合することにより、多機能ペダル17(ペダル取付部材15)の動きをロックし、ペダル取付部材15の操作を規制するものである。
【0039】
17はパイロット弁12のペダル取付部材15に取付けられた多機能ペダルで、該多機能ペダル17は、パイロット弁12のペダル取付部材15の揺動方向(矢示A,A′方向)とほぼ直交する矢示B,B′(図6、図11中に図示)方向に回動可能に設けられ、操作ペダル機能とストッパ機能とフットレスト機能との3つの機能を兼ね備えている。そして、本実施の形態では多機能ペダル17は、後述のヒンジ18、取付板20、踏板21等によって大略構成されている。
【0040】
18はパイロット弁12のペダル取付部材15に取付けられたヒンジで、該ヒンジ18は、図3、図6に示す如く、ペダル取付部材15に取付ねじ19,19によって取付けられる固定板18Aと、後述の取付板20が取付けられる回動板18Bと、前記固定板18Aに対して回動板18Bを回動可能に連結する回動軸としての連結ピン18Cとによって構成されている。
【0041】
ここで、ヒンジ18の連結ピン18Cは、パイロット弁12の揺動軸14の伸長方向となる左,右方向と直交する前,後方向に延びて設けられ、これにより、回動板18Bは、後述の踏板21等をペダル取付部材15の操作方向(矢示A,A′方向)とほぼ直交する方向(矢示B,B′方向)に回動可能に支持している。従って、踏板21は、矢示B方向に回動されたときに図3ないし図6に示す操作位置に配置され、矢示B′方向に回動されたときに図8ないし図11に示すロック位置に配置される。
【0042】
20はヒンジ18に取付けられた取付板で、該取付板20は、図7等に示す如く、板体をL字状に折曲げて形成されている。そして、取付板20は、一端がヒンジ18の回動板18Bに溶接手段等を用いて固着され、他端が後述する踏板21のペダル面部21Aに溶接手段等を用いて固着されている。また、取付板20の他端は、図5に示す如く、ペダル面部21Aの傾きに対応して斜めに形成されている。
【0043】
21は取付板20に取付けられたU字状の踏板で、該踏板21は、前,後方向に延びるほぼ長方形状の板体からなるペダル面部21Aと、該ペダル面部21Aに対面して設けられ、該ペダル面部21Aとほぼ同様に前,後方向に延びるほぼ長方形状の板体からなるフットレスト面部21Bと、前記ペダル面部21Aとフットレスト面部21Bとを連結する連結部21Cと、前記ペダル面部21Aの長辺部に前,後方向に離間して設けられ、ストッパボルト16,16に係合する2個の切欠部21D,21DとによってU字型に形成されている。そして、踏板21のペダル面部21Aが取付板20に固着されている。
【0044】
また、ペダル面部21Aは、パイロット弁12のペダル取付部材15を操作するときにオペレータの足を載せる作業ペダルとして機能するものである。一方、フットレスト面部21Bは、パイロット弁12のペダル取付部材15を操作するとき以外に、オペレータの足を載せるフットレストとして機能するもので、オペレータに安定した運転姿勢を提供するものである。
【0045】
ここで、ペダル面部21Aとフットレスト面部21Bとは、後側から前側に向け漸次離間寸法が大きくなるように斜めに形成され、これに応じて連結部21Cは略三角形状に形成されている。また、ペダル面部21A、フットレスト面部21Bの傾斜角度は、パイロット弁12のペダル取付部材15が中立状態にあるとき、即ち水平面に対してほぼ同じ角度に設定されている。
【0046】
これにより、踏板21を操作位置としたときには、図3、図5等に示すようにペダル面部21Aは上側に配置され、その前側が高くなるから、足を載せ易く操作も良好に行なうことができる。一方、踏板21をロック位置としたときには、図8、図10等に示すようにフットレスト面部21Bが上側に配置され、その前側が高くなるから、オペレータは自然な運転姿勢で足を載せることができる。
【0047】
そして、操作ペダル装置11は、図3ないし図6に示すように、固定板18Aに回動板18Bを重ねるようにヒンジ18を折曲げ、多機能ペダル17を矢示B方向に回動させた操作位置では、パイロット弁12のペダル取付部材15上に多機能ペダル17の全体が載った状態になり、踏板21のペダル面部21Aが上側に配置される。これにより、オペレータは、ペダル面部21Aに右足を載せ、該ペダル面部21Aの前側または後側を踏み込むことにより、多機能ペダル17を介してパイロット弁12のペダル取付部材15を揺動操作することができる。
【0048】
また、操作ペダル装置11は、図8ないし図11に示すように、ヒンジ18を介して多機能ペダル17を矢示B′方向(ストッパボルト16側)に回動させると、図10、図11に示す如く、2本のストッパボルト16は、それぞれの頭部16Aによってヒンジ18の回動板18Bを下側から支持すると共に、踏板21の切欠部21Dに係合する。これにより、多機能ペダル17は、ロック位置に配置することができ、パイロット弁12の動きを中立位置でロックすることができる。
【0049】
しかも、多機能ペダル17をロック位置に配置したときには、踏板21のフットレスト面部21Bが上側に配置されるから、オペレータは、フットレスト面部21Bに右足を載せて作業を行なうことができる。
【0050】
さらに、多機能ペダル17は、操作位置からロック位置に回動したときには、踏板21のペダル面部21A上に堆積した土砂等を落とすことができ、また、ロック位置から操作位置に回動したときには、踏板21のフットレスト面部21B上に堆積した土砂等を落とすことができ、清浄に保つことができる。
【0051】
なお、22は下部走行体2の前側に設けられた作業装置としての排土板装置で、該排土板装置22は、地面を均すときに用いられるもので、排土シリンダ(図示せず)によって上,下方向に駆動されるものである。
【0052】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0053】
まず、オペレータは運転席7に着座し、走行ペダル・レバー装置10を操作することにより、下部走行体2を走行させる。また、作業レバー8を操作したときには、作業装置4を俯仰動させたり、上部旋回体3を旋回させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0054】
また、側溝掘り作業を行なう場合には、ロック位置に配置された多機能ペダル17を足先で引っ掛けて矢示B方向に回動し、操作位置に配置する。これにより、オペレータは、踏板21のペダル面部21Aに右足を載せることにより、パイロット弁12のペダル取付部材15を矢示A,A′方向に操作して、作業装置4を左,右方向にスイングさせることができる。
【0055】
さらに、作業装置4を側溝の位置に合わせてスイングさせたら、操作位置に配置された多機能ペダル17を足先で引っ掛けて矢示B′方向に回動し、ロック位置に配置する。これにより、パイロット弁12のペダル取付部材15の動きを中立位置でロックすることができ、作業装置4の誤操作を防止することができる。また、オペレータは、踏板21のフットレスト面部21Bに右足を載せた楽な姿勢で作業を行なうことができる。
【0056】
かくして、本実施の形態によれば、パイロット弁12の側方に2本のストッパボルト16を立設すると共に、パイロット弁12のペダル取付部材15には、該ペダル取付部材15の揺動方向(A,A′方向)とほぼ直交する方向(B,B′方向)に回動可能な多機能ペダル17を設け、該多機能ペダル17は、操作位置では踏板21のペダル面部21Aによってペダル取付部材15を揺動操作可能とし、ロック位置では各ストッパボルト16に係合して前記ペダル取付部材15の操作を中立位置でロックすると共に踏板21のフットレスト面部21Bに足を載せることができるようにしている。
【0057】
従って、1個の多機能ペダル17は、ストッパボルト16と協働して操作ペダル機能とロック機能とフットレスト機能との3つの機能を有している。これにより、操作ペダル装置11は、少ない部品点数で形成することができるから、組立作業性を向上することができる。また、足元のスペースを広くすることができ、操作性を向上することができる。
【0058】
また、2本のストッパボルト16は、パイロット弁12のペダル取付部材15と高さ寸法を揃えるだけで、該ペダル取付部材15を中立位置でロックすることができるから、中立位置を出すための調整作業を省略することができ、より一層作業性を向上することができる。
【0059】
また、操作位置では踏板21のペダル面部21Aを上側に配置することができるから、オペレータは該ペダル面部21Aを作業ペダルとして足踏み操作することができる。一方、ロック位置では踏板21のフットレスト面部21Bをフットレストとして上側に配置することができるから、オペレータは該フットレスト面部21Bに足を載せて作業を行なうことができる。また、踏板21は、1枚の板材を折曲げることによって容易にU字状に形成することができる。
【0060】
一方、多機能ペダル17を構成する踏板21のペダル面部21Aとフットレスト面部21Bとは、互いに対面し後側から前側に向け離間寸法が大きくなるように斜めに形成しているから、ペダル面部21Aとフットレスト面部21Bは、それぞれの使用時に斜めに配置でき、オペレータはこれらのペダル面部21A、フットレスト面部21Bに自然な状態で足を載せることができ、作業性を向上することができる。
【0061】
さらに、多機能ペダル17は、操作位置とロック位置とに回動するときに、踏板21に堆積した土砂等を落とすことができるから、清浄に保つことができ、清掃作業等を簡略化することができる。
【0062】
なお、実施の形態では、ストッパとして2本のストッパボルト16を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば頭部が前,後方向に延びた1本の柱状体によってストッパを形成してもよい。また、2本の柱状体の上部が連結されたコ字状の部材によってストッパを形成してもよい。
【0063】
また、実施の形態では、取付板20と踏板21とを別部材によって形成した場合を例示したが、これは加工上の都合であり、例えば図12に示す変形例のように、取付板を踏板21の一部として構成してもよい。即ち、踏板21にペダル面部21AからJ字状に折曲げられた取付板部21Eを設け、この取付板部21Eの先端部をヒンジ18の回動板18Bに固着してもよい。この場合には、多機能ペダル17は、ヒンジ18と踏板21とによって構成されている。
【0064】
また、例えば図13に示す他の変形例のように、取付板をヒンジ18の一部として構成してもよい。即ち、ヒンジ18の回動板18B′をL字状に折曲げ、この回動板18B′の先端部を踏板21のペダル面部21Aに固着してもよい。この場合も、多機能ペダル17は、ヒンジ18と踏板21とによって構成されている。
【0065】
また、実施の形態では、取付板20をL字状に形成し、該取付板20の一端をヒンジ18の回動板18Bに固着し、他端を踏板21のペダル面部21Aに固着した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図14に示す変形例のように、平板状の取付板20′を用い、該取付板20′の他端を踏板21の連結部21Cに固着してもよい。
【0066】
また、実施の形態では、信号出力部として油圧式制御弁に油圧パイロット信号を出力するパイロット弁12を用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ることなく、例えば機械信号、電気信号を出力する他の信号出力部を用いてもよい。
【0067】
即ち、制御弁が機械式制御弁である場合には、信号出力部は、多機能ペダル17によって操作されるリンク機構として構成され、該リンク機構の動きに応じた機械信号を出力する。一方、制御弁が電気式制御弁である場合には、信号出力部は、多機能ペダル17によって変位−電圧変換するポテンショメータにより構成され、該ポテンショメータから電気信号を出力する。
【0068】
また、実施の形態では、操作ペダル装置11を前,後方向に延びて配設した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限ることなく、例えば操作ペダル装置11を左,右方向に延びて配設する構成としてもよい。
【0069】
一方、実施の形態では、操作ペダル装置11は作業装置4を左,右方向にスイングさせるスイングペダル装置として用いた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば作業装置をアームが左,右方向に平行移動可能なオフセット式の作業装置とし、この作業装置のアームを左,右方向に動かすオフセットペダル装置として操作ペダル装置を用いてもよい。また、排土板装置22を上,下方向に駆動する排土板ペダル装置として操作ペダル装置を用いてもよい。
【0070】
さらに、実施の形態では、建設機械としてキャノピを備えた小型の油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばキャブボックスを備えた油圧ショベルに適用してもよい。また、油圧クレーン等の他の建設機械に適用してもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、操作ペダル装置は、作業装置を駆動するための信号を出力する信号出力部と、該信号出力部に対して上,下方向に揺動可能に取付けられ、該信号出力部から信号を出力するように揺動操作されるペダル取付部材と、前記ペダル取付部材に回動可能に取付けられ、前記ペダル取付部材に載置させた操作位置では作業ペダルとして機能し、床板側に移動されたロック位置では前記ペダル取付部材の動きをロックすると共に足を載せるフットレストとして機能する多機能ペダルとによって構成している。
【0072】
これにより、多機能ペダルを回動して操作位置に配置したときには、該多機能ペダルは作業ペダルとなるから、オペレータは、この多機能ペダルを足踏み操作することができる。一方、多機能ペダルを回動してロック位置に配置したときには、該多機能ペダルは足踏み操作をロックすることができる。また、このロック位置では、多機能ペダルはフットレストとして機能するから、オペレータは多機能ペダルに足を載せながら作業を行なうことができる。
【0073】
この結果、1個の多機能ペダルは、作業ペダルとロック装置とフットレストとの3つの機能を有しているから、部品点数を少なくすることができ、組立作業性を向上することができる。また、多機能ペダルは、常時使用されているから、操作の邪魔にならない位置に移動する必要がなく、足元のスペースを広くすることができ、操作性を向上することができる。
【0074】
請求項2の発明によれば、ペダル取付部材の近傍には、多機能ペダルがロック位置に配置されたときに、該多機能ペダルに当接して揺動操作を止めるストッパを設けているので、該ストッパは多機能ペダルの揺動操作を止めることができ、動きをロックすることができる。
【0075】
請求項3の発明によれば、多機能ペダルは、操作位置で上側に配置されるペダル面部と、該ペダル面部に対面して設けられロック位置で上側に配置されるフットレスト面部と、前記ペダル面部とフットレスト面部とを連結する連結部とによって略U字状に形成している。従って、操作位置では、オペレータは上側に配置された多機能ペダルのペダル面部を足踏み操作することができる。一方、ロック位置では上側に配置された多機能ペダルのフットレスト面部に足を載せて作業を行なうことができる。そして、多機能ペダルは、ペダル面部、フットレスト面部、連結部を例えば1枚の板材を折曲げることによって略U字状に形成することができる。
【0076】
請求項4の発明によれば、多機能ペダルはほぼ前,後方向に延びるように設け、ペダル面部とフットレスト面部とは互いに対面し後側から前側に向け離間寸法が大きくなるように斜めに形成している。従って、ペダル面部とフットレスト面部とは、使用時に後側から前側に向けて高くなるように斜めに配置されるから、オペレータはこれらのペダル面部、フットレスト面部に自然な状態で足を載せることができ、操作性を向上することができる。
【0077】
請求項5の発明によれば、ペダル取付部材は信号出力部に対して揺動軸を支軸として揺動可能に取付け、多機能ペダルは前記ペダル取付部材に前記揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを用いて回動可能に取付ける構成としている。従って、多機能ペダルは、ペダル取付部材の揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを支軸として回動するから、該多機能ペダルの動きを止めるだけで簡単にペダル取付部材の動きをロックすることができ、構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1の油圧ショベルを拡大して示す平面図である。
【図3】多機能ペダルが操作位置に配置された操作ペダル装置を拡大して示す外観斜視図である。
【図4】多機能ペダルが操作位置に配置された操作ペダル装置を拡大して示す平面図である。
【図5】操作ペダル装置を図4中の矢示V−V方向からみた断面図である。
【図6】操作ペダル装置を図4中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。
【図7】取付板と踏板を拡大して示す外観斜視図である。
【図8】多機能ペダルがロック位置に配置された操作ペダル装置を拡大して示す外観斜視図である。
【図9】多機能ペダルがロック位置に配置された操作ペダル装置を拡大して示す平面図である。
【図10】操作ペダル装置を図9中の矢示X−X方向からみた断面図である。
【図11】操作ペダル装置を図9中の矢示XI−XI方向からみた断面図である。
【図12】多機能ペダルの変形例を示す図6と同様の断面図である。
【図13】多機能ペダルの他の変形例を示す図6と同様の断面図である。
【図14】取付板の変形例を示す図6と同様の断面図である。
【符号の説明】
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
7 運転席
9 床板
11 操作ペダル装置
12 パイロット弁(信号出力部)
14 揺動軸
15 ペダル取付部材
16 ストッパボルト(ストッパ)
17 多機能ペダル
18 ヒンジ
20 取付板
21 踏板
21A ペダル面部
21B フットレスト面部
21C 連結部
21D 切欠部
22 排土板装置(作業装置)
Claims (5)
- 前側に作業装置が取付けられた自走可能な車体と、該車体の床板上に設けられた運転席と、該運転席の前側に位置して前記床板に取付けられ前記作業装置を駆動するために足踏み操作される操作ペダル装置とを備えてなる建設機械において、
前記操作ペダル装置は、
前記作業装置を駆動するための信号を出力する信号出力部と、
該信号出力部に対して上,下方向に揺動可能に取付けられ、該信号出力部から信号を出力するように揺動操作されるペダル取付部材と、
前記ペダル取付部材に回動可能に取付けられ、前記ペダル取付部材に載置させた操作位置では作業ペダルとして機能し、前記床板側に移動されたロック位置では前記ペダル取付部材の動きをロックすると共に足を載せるフットレストとして機能する多機能ペダルとによって構成したことを特徴とする建設機械。 - 前記ペダル取付部材の近傍には、前記多機能ペダルがロック位置に配置されたときに、該多機能ペダルに当接して揺動操作を止めるストッパを設けてなる請求項1に記載の建設機械。
- 前記多機能ペダルは、前記操作位置で上側に配置されるペダル面部と、該ペダル面部に対面して設けられ前記ロック位置で上側に配置されるフットレスト面部と、前記ペダル面部とフットレスト面部とを連結する連結部とによって略U字状に形成してなる請求項1または2に記載の建設機械。
- 前記多機能ペダルはほぼ前,後方向に延びるように設け、前記ペダル面部とフットレスト面部とは互いに対面し後側から前側に向け離間寸法が大きくなるように斜めに形成してなる請求項3に記載の建設機械。
- 前記ペダル取付部材は前記信号出力部に対して揺動軸を支軸として揺動可能に取付け、前記多機能ペダルは前記ペダル取付部材に前記揺動軸と直交する方向に延びるヒンジを用いて回動可能に取付ける構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
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-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002277659A patent/JP2004118326A/ja active Pending
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