JP2002294735A - 掘削機械 - Google Patents

掘削機械

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JP2002294735A
JP2002294735A JP2001093428A JP2001093428A JP2002294735A JP 2002294735 A JP2002294735 A JP 2002294735A JP 2001093428 A JP2001093428 A JP 2001093428A JP 2001093428 A JP2001093428 A JP 2001093428A JP 2002294735 A JP2002294735 A JP 2002294735A
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lifting
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Takeshi Kumano
武士 熊野
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Original Assignee
KUMANO TAKESHI KENSETSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、障害物の下側を掘り進むような状況
の作業に適した掘削機械を提供する。 【解決手段】本発明の掘削機械は、旋回体4に組付くア
ーム機構18の昇降ブーム10の曲り部10aの付近
に、該部分からアーム機構18の先端側を当該昇降ブー
ム10の軸線回りに旋回させる回動機構25を設け、こ
の回動機構25の旋回動作により、アーム機構25の先
端部のバケット20が横方向に向く横堀り姿勢に切換え
られるようにし、当該横堀り姿勢への切換えにより、掘
り下げる量を抑えながら掘削作業が進める体制が形成さ
れるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば曳家工法の
際の土砂処理に用いられる掘削機械に関する。
【0002】
【従来の技術】ビルなど建物では、区画整理などによ
り、現在地から近い地点へ、移転が余儀なくされること
がある。
【0003】こうした建物の移転の際、コスト的な負担
が少なくてすむという理由から、移転先で建物を新たに
建築するのではなく、現在ある建物をそのまま、現在地
から移転先の地点まで移動させるという、曳家工法と称
される建物の移動工法が用いられることがある。特に堅
牢な鉄筋コンクリートのビルは、移転先が近い場合、移
動工法が多く採用される。
【0004】通常、移動工法で行われる建物の移動は、
建物下にレールを敷設して行われる。
【0005】ところで、この工法を採用するに際し、移
動する建物の対象が鉄筋コンクリートのビルのときは、
レールの敷設を行うために、ビルの基礎部分を埋めてい
る土砂や建物の1Fのフロア下を埋めている土砂を取り
除いて、ビルの土中に有る下側部分を土中から切り離す
作業が行われる。
【0006】この作業には、通称、ユンボと呼ばれるバ
ケットがアーム機構の先端部に付いた車両型の小形の掘
削機械を用いて、ビルの回りの地面からビル下を掘り下
げ、土中に有るビルの1Fや近階のスラブや基礎を外部
に露出させて、地面からビルの土中部分を切り離す作業
が用いられる。
【0007】ところが、バケット式の掘削機械は、上下
方向沿いくの字に曲がる昇降ブームの先端部に傾動アー
ムを連結してなるアーム機構の先端部、具体的には傾動
アームの先端部にアタッチメントとしてバケットを組付
けて、縦堀り、すなわちバケットが縦に向く掘削姿勢で
掘削を行う機械なので、アーム機構の動きを許容するた
めのスペース、具体的には高さ方向のスペースが十分に
確保されないと、掘削作業がスムーズに進められない。
【0008】このため、バケット式の掘削機械で用い
て、ビルのスラブや基礎の下側の通過させる掘削作業を
行うと、障害物となるスラブや基礎から掘削機械の干渉
を避けるために、かなり地面を掘り下げながら土砂を掻
き出して、掘削機械をビルのスラブや基礎の下側に通過
させることになる。
【0009】これでは、かなり地面を掘り下げなければ
ならず、掘削作業の無駄が多い(掻き出す土砂量が多す
ぎる)。
【0010】そこで、従来、スラブ下や基礎下の通過作
業には、人手作業、いわゆる手堀り作業に頼って、でき
るだけ地面の堀り下げる量を抑えつつスラブ下や基礎下
を掘削して、スラブや基礎を土中から切り離すことが行
われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、人手作業
は、作業性の点に難点があり、効率よく掘削作業が進め
られなかった。
【0012】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、障害物の下側を掘り進む
ような状況の作業に適した掘削機械を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の掘削機械は、旋回体に組付くアーム機構を
構成する昇降ブームのうち、昇降ブームのくの字形に曲
がる曲り部あるいはその付近に、該部分からアーム機構
の先端側を当該昇降ブームの軸線回りに回動させる回動
機構を設け、この回動機構の回動動作により、バケット
が横方向に向く横向きの掘削姿勢を設定可能にした。
【0014】バケットが横方向に向く横向きの掘削姿勢
のときは、昇降ブームの曲り部付近から、アーム機構の
先端側の各部、すなわち昇降ブーム部分、傾動アーム、
バケットが横向きになる。そして、昇降ブームによりバ
ケット位置を作業位置に配置してから、横方向で掻き出
し動作を行えば、旋回体の正面の土砂の壁が横に向いた
バケットで掘削される。
【0015】この横堀りは、アーム機構の全高が低く抑
えられるだけでなく、傾動アーム、バケットの水平方向
の動きで掻き出し動作が進められるので、縦堀りのとき
とは異なり、掘り下げる量を抑えながら掘削作業が進め
られる。
【0016】それ故、スラブや基礎など天井側(上側)
に障害物が有り、この障害物の下側を掻き出しながら通
過するような場合には、地面を掘り下げる量が少なくて
すみ、能率良く掘削作業が進められる。
【0017】請求項2に記載の掘削機械は、上記目的に
加え、さらに簡単な構造で、横堀り機能が実現されるよ
う、回動機構には、昇降ブームがくの字形に曲がる曲り
部あるいはその付近から分割された分割ブームを用い、
これら分割ブームの端部同士を連結部で該ブームの軸線
回りに回動可能に連結し、分割した一方に軸線回りに沿
ってリングギヤを組付け、他方にリングギヤを駆動する
駆動機構を組付ける構成を採用した。
【0018】請求項3に記載の掘削機械は、上記目的に
加え、さらに横堀り作業の際、反力で、掘削機械本体が
動くのを抑えるために、昇降駆動される排土板が組付い
た台車を用い、その台車に有る排土板の裏面側に、くい
部材を、先端部が排土板の下端から突き出る姿勢と先端
部が排土板の裏面側に退避する姿勢とに変位可能に組付
ける構成を採用して、排土板の下端から突き出るくい部
材を、排土板の下降動作を利用して、地中へ打ち込み、
掘削機本体が動かないようにすることにある。
【0019】請求項4に記載の掘削機械は、上記目的に
加え、さらに安全性を確保しつつ、できるだけ地面を掘
り下げる量を抑えながら横堀り作業が行えるよう、掘削
機械本体には、離れた地点から当該機械本体の掘削動作
および走行動作が操作可能な遠隔操作部を有した構造を
採用し、運転席は、分離可能なキャノピーで覆う構造、
さらにはシートクッション上に折り畳みが可能なシート
バックを採用した構造を採用して、横向きの掘削姿勢の
ときには、キャノピーの分離、シートバックの折り畳み
により掘削機械本体の全高を最も低くした上で、遠隔操
作により、運転席に作業員がいない状態(無人)で掘削
作業が行えるようにした。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図5に
示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0021】図1は、本発明を適用した掘削機械の全体
を示している。この掘削機械は、例えばユンボと呼ばれ
る小形の掘削機械で、図中1は掘削機械本体(以下、単
に本体という)を示している。
【0022】この本体1は、例えば左右両側に走行輪と
して一対のキャタピラー2,2を有したキャタピラー走
行が可能な台車3を備えている。台車3の上部には、例
えば台車3の中央を支点に水平方向に旋回可能な旋回体
4が組付けてある。なお、旋回体4は、油圧モータ(図
示しない)を駆動源とした駆動ユニット5により旋回駆
動され、キャタピラー2,2は台車3に組込まれたエン
ジンユニット6で駆動されるようにしてある。台車3の
前方側(キャタピラー2,2の走行方向片側)には、台
車3に組付けてある油圧シリンダ(図示しない)からの
出力で昇降方向に駆動される排土板7が組付けてある。
なお、図1中、8はその油圧シリンダの出力を昇降方向
の動きに変えるリンク機構の一部をなすアーム部材を示
している。
【0023】旋回体4の前部からは、上下方向沿いにほ
ぼくの字形に曲がる昇降ブーム10が延びている。昇降
ブーム10は、根元側の端部がヒンジ、例えば上下方向
の回動を許す上下方向用のヒンジ部11と、左右方向の
回動を許す左右方向ヒンジ部12との2つのヒンジを介
して、旋回体4の前部に支持され、根元部を支点とした
昇降ブーム10の昇降や昇降ブーム10の左右方向の回
動を可能にしている。そして、昇降ブーム10は、昇降
ブーム10の根元側に沿わせて組付けた昇降用の油圧シ
リンダ13の伸縮動作により昇降したり、旋回体4に組
付けた回動用の油圧シリンダ14(図1中、一部しか図
示せず)の伸縮動作により左右に振れる回動が行えるよ
うにしてある。
【0024】昇降ブーム10の先端部からは、傾動アー
ム15が延びている。傾動アーム15の根元側の端部
は、昇降ブーム10の昇降向きと同方向に回動するヒン
ジ部16で、昇降ブーム先端に連結してある。この傾動
アーム15は、昇降ブーム10の先端側に沿わせて組付
けた傾動用の油圧シリンダ17の伸縮動作により、ヒン
ジ部16を支点として傾動するようにしてある。そし
て、昇降ブーム10と傾動アーム15との組合わせか
ら、掘削に必要な動きを得るアーム機構、つまり傾動ア
ーム先端が、昇降したり、前後に振れたり、左右に振れ
たりするアーム機構18を構成している。
【0025】この傾動アーム15の先端部(アーム機構
18の先端部)には、アタッチメントとして例えばバケ
ット20が、傾動アーム15の傾動向きと同方向に回動
するヒンジ部21で回動自在に連結してある。このバケ
ット20の基部には、傾動アーム15に沿わせて組付け
てあるバケット用の油圧シリンダ22が、リンク機構2
2aを介して連結されている。そして、この油圧シリン
ダ22の伸縮により、バケット20を回動させて、地面
を掘ったり、掘った土砂をバケット内部から払い出せる
ようにしてある。
【0026】また昇降ブーム10のうち、くの字形に曲
がる曲り部10aあるいは曲り部10aの近くの部分、
ここでは曲り部10aの近い根元寄りの地点には、同地
点から先端側のアーム機構部分を昇降ブームの軸線回り
に回動させる回動機構25が組付けられている。この回
動機構25には、昇降ブーム6の中央から前方側を回転
自在とする機構と、この前方側の部分に軸線回りの駆動
力を与える機構とを組合わせた構造が用いられている。
【0027】具体的には、前方側を回転自在とする機構
には、図3に示されるように昇降ブーム10を、曲り部
10aから若干、根元寄りに離れた地点から前後に分割
し、分割した前側のブーム体26(分割ブームに相当)
の端部と後側のブーム体27(分割ブームに相当)の端
部とを(端部同士)、継ぎ手部材(連結部に相当)、例
えば長筒形のロータリバルブ28を用いて、ブーム軸線
回り、詳しくは中心軸回りに回動可能に連結した構造が
用いられる。
【0028】駆動力を与える機構には、例えば図3に示
されるようにブーム体26,27の端部外周に互いに向
き合う取付板29,30を組付け、これら取付板29,
30を用いて駆動機器を組付ける構造が用いられてい
る。具体的には、取付板29,30は、いずれもブーム
体26,27の軸線から直角となる向きで、ブーム体外
周から張り出る板部材から構成されている。このうち前
側のブーム体26に取付けた取付板29の外周部には、
リングギヤ31がブーム体26の軸線と同軸をなして取
着してある。またブーム体27に取付けた取付板30に
は、リングギヤ31を挟む両側の地点に、それぞれ駆動
部、例えば出力軸にピニオンギヤ32aが取着された一
対の油圧モータ32が組付けてある。これら油圧モータ
32は、ピニオンギヤ32aがリングギヤ31の外周部
に形成されている噛合い歯と噛合うように据付けられて
いて、油圧モータ32が作動すると、リングギヤ31を
通じて、前側のブーム体26が軸心回りに回動されるよ
うにしてある。つまり、油圧モータ32で行われる駆動
により、継ぎ手部材から前側のアーム機構18部分、す
なわちブーム体26、傾動アーム15、バケット20
が、ブーム体13aの軸線回りに旋回(回動)できるよ
うにしてある。この旋回により、バケット20を含むア
ーム機構18の先端側の姿勢が、図1に示されるような
縦堀りに適したバケット20が縦に向く掘削姿勢(掘削
作業に必要なスペースを垂直方向で確保する姿勢)か
ら、図2に示されるような横堀りに適したバケット20
が横に向く掘削姿勢(掘削作業に必要なスペースを水平
方向で確保する姿勢)に切換えられるようにしている。
なお、リングギヤ31の周りはカバー31aで覆ってあ
る。
【0029】また排土板7の左右両側の裏面(片側しか
図示せず)には、一対のくい部材23が組付けられてい
る。くい部材23は、例えば図4に示されるように基端
側が、排土板7の裏面に取着されたブラケット23aお
よびボルト部材23bを用いて、排土板7の面方向に沿
って回動自在に支持されている。このボルト部材23b
を支点とした、くい部材23の回動変位により、くい部
材23の姿勢が、図4中の実線で示す横向きの姿勢や二
点鎖線で示す先端が排土板7の下端から突き出す縦向き
の姿勢に変われるようにようにしている。また排土板7
の裏面のうち、横向き姿勢のくい部材23の直下と、縦
向き姿勢のくい部材23を挟んだ排土板7の側縁部7a
とは反対側の部位には、それぞれねじ孔(図示しない)
が形成されていて、くい部材23を縦向きに変位させ
て、側縁部7aと反対側にあるねじ孔に位置決め用のボ
ルト部材24をねじ込めば、先端が排土板7の下端から
突き出る姿勢のままでくい部材23は保持され、くい部
材23を横向きに変位させて、直下のねじ孔に位置決め
用のボルト部材24をねじ込めば、先端が排土板7の下
端から退避した姿勢のままでくい部材23は、排土板7
の裏面側に格納されるようにしてある。そして、くい部
材23の縦向き姿勢にして、排土板7を待機位置(地面
から離れた位置)から下降させると、排土板7の下降動
作を利用して、くい部材23の先端部が地中へ打ち込め
るようにしてある。
【0030】一方、旋回体4の中央上部には、運転台が
形成されている。この運転台には、前方側に向く姿勢で
運転席35が組付けてある。この運転席35は、作業員
(図示しない)が着座するシートクッション35aと、
このシートクション35aの背部から立ち上がるシート
バック35bとを組合わせてある。このうちシートバッ
ク35bは、図1に示す起立した背凭れ位置から図2に
示すシートクッション35aと重なるまで折り畳まる折
り畳み式(前倒れ式)が採用してある。また運転席35
の上方には、着脱式のキャノピー36が組付けてある。
具体的には、図2に示されるようにキャノピー36は、
運転席の上方を覆う天蓋部37とこの天蓋部37の外周
周部から立ち下がる支持アーム38とを有している。そ
して、支持アーム38の下端部が、着脱構造、例えば複
数のボルト39のねじ込みにより、運転席35の周囲の
旋回体上面に着脱可能に固定させてある。これで、ボル
ト39を取り外すと、図2に示されるように支持アーム
38ごと天蓋部37が取り外せるようにしている。
【0031】また運転台の前部には、掘削作業に必要な
操作を入力するための各種操作機器が設けてある。具体
的には、台車3を目的とする地点へ移動させるのに必要
な台車3の操作を行うレバー類40やペダル類(図示し
ない)、排土板7を昇降させる操作を行うレバー類(図
示しない)、旋回体4を旋回させる操作や昇降ムーブ1
0の操作や傾動アーム15の操作やバケット20の操作
を行う各種レバー類41、バケット20を縦向き〜横向
き姿勢に変える操作ノブ42が設けてある。そして、こ
れら各操作機器は、旋回体4に収めたコントローラ43
(マイクロコンピュータなどで構成される)に接続され
ている。さらにこのコントローラ43は、油圧コントロ
ールユニット43aを介して、各油圧シリンダ13,1
4,17,22、ロータリバルブ28,油圧モータ32
などに接続されていて、入力される操作情報に応じて、
本体1の各部が入力された通りに動くようにしてある。
【0032】他方、コントローラ43には、該コントロ
ーラ43から延びる長尺なケーブル44(有線)を介し
て、リモートコントローラ45(以下、リモコン45と
いう:遠隔操作部に相当)が接続されている。リモコン
45の操作面45aには、運転台の各種操作機器と同じ
機能が設定された各種のレバー類46、ノブ類47、ボ
タン類48、さらにはリモコン切換え用のボタン49が
設けられている。コントローラ43には、ボタン49の
切換信号から操作信号の受付けを運転台からリモコン4
5に切り替える機能、各レバー類46、ノブ類47、ボ
タン類48から入力される各種操作情報から、各油圧シ
リンダ13,14,17,22、ロータリバルブ28,
油圧モータ32などを駆動させる機能が設定されてい
て、リモコン43からの操作で、本体1の各部が入力さ
れた操作情報の通りに動くようにしてある。
【0033】つぎに、このように構成された掘削機械の
作用について説明する。
【0034】例えば掘削機械を用いて、鉄筋コンクリー
トのビルの移動工法の際、レールの敷設のため、図5に
示されるビル50の基礎部分51やスラブ52を埋めて
いる土砂、1Fのフロア53下を埋めている土砂を取り
除くとする。
【0035】始めは、図1に示されるような縦堀り姿勢
に定めた掘削機械の運転席35に作業員が乗り込んで、
運転台の各種操作機器を操作して、キャタピラー2、昇
降ブーム10、傾動アーム15、バケット20を動か
し、ビル50の回りの地面を掘り下げる。このときに
は、キャノピー36は運転席35の上方に有り、くい部
材36は排土板7の裏面側に格納され、リモコン45は
運転台の一部にしまい込んである。
【0036】ビル回りの掘り下げを終え、ビル50のス
ラブ下、基礎部分51の下の土砂を取り除く作業(通過
作業)に入るとする。
【0037】このときには、掘削機械は、横堀りの姿勢
で、さらには最も全高を低くした姿勢にして、無人、す
なわちリモコン45による遠隔操作で掘削作業を行う。
【0038】具体的には、回転機構25を操作して、図
2に示されるようにブーム体26,27の連結部を支点
に、バケット20が横方向に向くまでアーム機構18の
先端側を旋回させる。この姿勢を保ったまま、根元側の
ブーム体27を寝かせて、バケット位置を作業位置まで
下げる。これにより、図2に示されるようにアーム機構
18の全高は、寸法H2まで下げられる。
【0039】さらに図2に示されるように旋回体4から
キャノピー36を取り外し、運転席35のシートバック
35bを背凭れ位置からシートクッション35a上に折
り畳む。これにより、旋回体1の上面から突き出る部分
が抑えられ(突出量:小)、旋回体1の全高は、最も低
い寸法H1まで下げられる。
【0040】また排土板7の両側に有るくい部材23を
縦向きの姿勢に切換える。
【0041】こうした各部の切換えにより、掘削機械
は、横方向から掘削が行える体制(掘削作業に必要なス
ペースを水平方向で確保する体制)が整う。
【0042】この後、運転台に格納されていたリモコン
45を取り出して、これを掘削機械や基礎部分51など
から離れた安全な地点にまで運ぶ。そして、同地点で、
周りの状況を見ながら、リモコン45で、運転席に作業
員がいない無人の掘削機械を操作して、基礎部分51下
の掘削作業を行う。
【0043】具体的には、例えばリモコン45の操作に
より、まず、横堀りの姿勢が整っている掘削機械を、基
礎部分51の下側に有る土砂の壁の近くの掘削しやすい
地点に誘導する。ついで、図5に示されるように待機位
置の排土板7を下降させて、排土板7の両側から突き出
ているくい部材23を地中に打ち込み、掘削機械を固定
する。この後、リモコン45により、傾動アーム15、
バケット20を操作して、図5に示されるように基礎部
分51の下側の土砂を、横に向いたバケット20で、横
方向に掻き出して掘削する。そして、昇降ブーム27や
傾動アーム15の左右方向の振れ、旋回体4の旋回とい
った横方向の動きで、バケット20内の掻き出した土砂
を土砂処理しやすい地点に移し、続いてバケット20を
払い出し側に回動するというバケット20の横方向の動
きで、バケット20内の土砂を払い出す。
【0044】掘削機械の据付け位置を変えしながら、こ
うした横堀り作業を繰り返し行うことにより、図5に示
されるように基礎部分51の下側の土砂が、横方向から
掘り下げながら掻き出される。
【0045】こうした掘削作業により、掘削機械は、基
礎部分51の下側を通過していき、ビルの基礎部分51
やスラブが土中から切り離される。
【0046】この横堀りは、掘削作業に必要なスペース
が横方向ですむという、アーム機構18の全高が低く、
傾動アーム15、バケット20の動作方向が横向きとな
る掘削作業なので、縦堀りのときとは異なり、地面を掘
り下げる量を抑えながら、掘削作業が進められる。
【0047】これにより、少ない堀り下げ量で、スラブ
下や基礎部分51の下を掘削して、スラブや基礎部分5
1を土中から切り離すことができ、能率良く掘削作業を
進めることができる。
【0048】それ故、障害物の下側を掘り進むような状
況の作業に適した掘削機械が提供できる。
【0049】しかも、横堀りに切換える構造は、昇降ブ
ーム10を曲り部10aやその付近で分割し、これに、
両者を回動自在に連結する構造、分割した先端側のブー
ム体26を回動させる構造を設けた構造なので、簡単な
構造で横堀り機能が実現できる。
【0050】そのうえ、くい部材23で本体1を地面に
固定するので、横堀り作業の際に生じる反力で、掘削機
械が無用に動くことはなく、安定した横堀り作業が約束
される。さらにくい部材23は、排土板7の動きを利用
して、地中に打ち込む構造なので、簡単な構造ですむ。
【0051】特に横堀り作業の際、旋回体1自身の全高
をできるだけ低く抑え(キャノピー36の取り外し、運
転席35の折り畳みによる)、遠隔操作により、無人で
作業を行えるようにしたので、安全性を確保(直接の作
業場所に人がいないから)しながら、一層、地面の掘り
下げ量をできる限り少なくした掘削作業ができる。
【0052】加えて、掘削機械は、図2に示す横堀り姿
勢から図1に示す縦堀り姿勢に切換えられるから、掘削
機械が、1Fのフロア53下にまで到達した後、フロア
53下で、再び縦堀り姿勢に戻せば、面倒な機械の入れ
替え作業を必要とせずに、縦堀り作業で、上側の土砂、
すなわちフロア53下の土砂を掻き出して、同フロア5
3を切り離す作業を行えばよく、作業現場の状況に応じ
た姿勢切換えにより、後の作業も能率良く行える利点も
ある。
【0053】なお、本発明は上述した一実施形態に限定
されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種
々変更して実施しても構わない。例えば一実施形態で
は、回動機構を昇降ブームの曲り部付近に設けた例を挙
げたが、曲り部に設けるようにしてもよい。もちろん、
油圧モータやリングギヤを用いたギヤ機構でなく、他の
機構、他の手段でアーム機構の先端側をブーム軸線回り
に旋回させるようにしても構わない。また一実施形態で
は、ビルの移動工法で、基礎部分の下側を掘り進む作業
に掘削機械を使用した例を挙げたが、これに限らず、障
害物の下側を掻き出しながら通過するような場合の作業
には有効である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、障害物の下側を掘削しながら通過するよう
なときは、横堀り姿勢に切換えることにより、掘り下げ
る量を抑えながら掘削作業が進めることができ、無駄な
掘り下げ作業を抑えた能率的な掘削作業が行える。
【0055】それ故、障害物の下側を掘り進むような状
況の作業に適した掘削機械が提供できる。
【0056】請求項2に記載の発明によれば、上記効果
に加え、簡単な構造で、横堀り機能が実現できるといっ
た効果を奏する。
【0057】請求項3に記載の発明によれば、上記効果
に加え、横堀り作業の際、掘削機械が、反力で不用意に
動くのを抑えることができ、安定した横堀り作業ができ
るといった効果を奏する。
【0058】請求項4に記載の発明によれば、上記効果
に加え、横堀りの際には、安全性を確保しながら、一
層、地面を掘り下げる量を抑えた作業ができるといった
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の掘削機械の構成を、縦堀
り姿勢と共に示す斜視図。
【図2】同掘削機械を横堀り姿勢に切換えた状態を示す
斜視図。
【図3】図1中のA−A線に沿う回動機構の構造を示す
平断面図。
【図4】同掘削機械の排土板の裏面に格納されているく
い部材の構造を示す斜視図。
【図5】同同掘削機械で、ビルの基礎部分下を掘削しな
がら通過するときの作業を説明をする斜視図。
【符号の説明】
1…掘削機械本体 3…台車 4…旋回体 7…排土板 10…昇降ブーム 15…傾動アーム 18…アーム機構 20…バケット 23…くい部材 25…回動機構 26,27…ブーム体(分割ブーム) 28…ロータリバルブ(連結部) 31…リングギヤ 32,32a…油圧モータ,ピニオンギヤ(駆動ギヤ機
構) 35a,35b…シートクッション,シートバック(運
転席) 36…キャノピー 45…リモートコントローラ(遠隔操作部)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車に水平方向回りに旋回可能な旋回体
    および運転席が設けられ、かつ前記旋回体にはくの字形
    の昇降ブーム、傾動アームが順に連結してなるアーム機
    構が設けられ、さらに前記傾動アームの先端部にはバケ
    ットが組付けて構成される掘削機械本体と、 前記昇降ブームのくの字形に曲がる曲り部あるいはその
    付近に設けられ、該部分から前記アーム機構の先端側を
    当該昇降ブームの軸線回りに回動させる回動機構とを有
    し、 前記回動機構の回動動作により、前記バケットが横方向
    に向く横向きの掘削姿勢に設定可能としてなることを特
    徴とする掘削機械。
  2. 【請求項2】 前記回動機構は、前記昇降ブームがくの
    字形に曲がる曲り部あるいはその付近から分割された分
    割ブームと、これら分割ブームの端部同士を該ブームの
    軸線回りに回動可能に連結する連結部と、分割した分割
    ブームの一方に軸線回りに沿ってリングギヤを有し、他
    方に前記リングギヤを駆動する駆動ギヤ機構を有して構
    成されることを特徴とする請求項1に記載の掘削機械。
  3. 【請求項3】 前記台車は、昇降駆動される排土板を有
    し、この排土板の裏面側には、くい部材が、先端部が前
    記排土板の下端から突き出る姿勢と、先端部が前記排土
    板の下端から退避する姿勢とに変位可能に組付けられ、
    先端部が前記排土板の下端から突き出るくい部材の先端
    部が、前記排土板の下降動作により、地中へ打ち込まれ
    るようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の掘削機械。
  4. 【請求項4】 前記掘削機械本体は、離れた地点から当
    該機械の掘削動作および走行動作が操作可能な遠隔操作
    部を有して構成され、 前記運転席の上側は、分離可能なキャノピーで覆われ、
    かつ運転席はシートクッションとこのシートクッション
    上に折り畳みが可能なシートバックとを有して構成さ
    れ、 前記横向きの掘削姿勢のとき、前記キャノピーの分離、
    前記シートバックの折り畳みにより旋回体を低全高に
    し、かつ運転席に作業員がいない状態から、遠隔操作で
    掘削作業を可能にしてなることを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の掘削機械。
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