JP2004116947A - 空調運転管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、運転計画に基づいて省エネ且つ快適な空調運転を実施する空調運転管理システムを実現することを目的とする。
【解決手段】複数の空調端末の空調運転を管理するための空調運転管理システム10であって、運転区域毎に一定の期間内の、運転区域夫々に設置された空調端末の運転時間と運転条件とを設定した運転計画を記憶する記憶装置11と、運転計画を運転区域毎に時系列に一覧表示可能な表示手段12と、運転計画の設定用または修正用のデータを入力する入力手段13と、入力手段13よりデータを取得し、データに基づいて運転計画を作成または修正して記憶装置11に記憶する運転計画設定手段14と、運転区域に対応する空調端末の運転制御手段20に対し、運転計画に基づく運転指令を行う運転指令手段15と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の空調端末の空調運転を管理するための空調運転管理システム10であって、運転区域毎に一定の期間内の、運転区域夫々に設置された空調端末の運転時間と運転条件とを設定した運転計画を記憶する記憶装置11と、運転計画を運転区域毎に時系列に一覧表示可能な表示手段12と、運転計画の設定用または修正用のデータを入力する入力手段13と、入力手段13よりデータを取得し、データに基づいて運転計画を作成または修正して記憶装置11に記憶する運転計画設定手段14と、運転区域に対応する空調端末の運転制御手段20に対し、運転計画に基づく運転指令を行う運転指令手段15と、を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転計画に基づいて、複数の空調端末の相互関係を把握しながら空調運転を実施する空調運転管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷暖房、換気運転を実施する空調システムでは、各運転区域(例えば、リビング、キッチン、脱衣室、浴室、廊下等の領域であって、1の運転区域に対し1または複数の空調端末が対応する)夫々に対して設置された操作パネルを、利用者が個別に操作することにより空調運転を実施していた。尚、近年、建物の1ヵ所に設置された熱源機(温熱を供給する給湯器や、冷熱を供給する冷凍機等)により、建物全体に設置された複数の空調端末の空調運転を制御するセントラル空調システムが普及しつつある。セントラル空調システムでは24時間空調運転が実施され、各運転区域の運転条件(設定温度)を個別に設定可能である。
【0003】
尚、セントラル空調システムには、住宅の複数の部屋の空調空気吹き出し口と住宅の適所に設置した1つの空調装置本体とを夫々連通させ、空調装置本体に設けた送風手段で送風して空調空気を各部屋の空調空気吹き出し口に吹き出すと共に部屋の空気を空調装置本体に戻すように循環させるセントラル空調システムにおいて、空調装置本体に屋外との間で一部の空気を換気する換気部を設け、各部屋の空調のオンオフにより住宅に居る人数を割り出して換気部で換気する風量を制御する制御部を設けて成るものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、換気空調装置として、換気空調装置本体に、熱交換ユニットの給排気量や住宅内の温度を自立制御する制御装置と無線電波による送受信装置を組み込んだもので、装置本体とは無線電波で信号接続されたコントロールパネルにおいて少なくとも換気空調装置の運転状態と住居内外の環境状態に基づいて、換気空調装置の運転制御指令を行うための演算を行い、この演算結果に基づく前記運転制御指令を無線電波を介して装置本体に送信することにより換気空調装置の運転制御を可能としたものがある(例えば、特許文献2参照)。さらに、空気調和機には、該空気調和機の運転条件を入力する運転操作手段と、該運転操作手段により入力された運転条件によって一台の室外機で複数台の室内機を制御して複数間の部屋の冷暖房運転を制御する制御手段と、該制御手段の制御により複数間の部屋を同時冷房、同時暖房、同時冷暖房、個別冷房、個別暖房させるよう圧縮機を駆動させる圧縮機駆動手段と、運転操作手段により入力された運転条件によって制御手段から出力された制御信号を受けて冷媒の循環する流路を変更するよう四方弁を駆動制御する四方弁駆動手段と、運転操作手段により入力された運転条件により制御手段から出力された制御信号を受けて冷媒の循環する流路を開閉するようソレノイドバルブを駆動制御するソレノイドバルブ駆動手段とからなるものがある(例えば、特許文献3参照)。但し、これらの空調システムはいずれも、利用者の入力操作により予め設定された運転計画に沿って空調端末の制御を実施するものではない。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−141954号公報(第1−6頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−311590号公報(第3−8頁、第1図)
【特許文献3】
特開平08−110117号公報(第4−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
夏や冬に冷暖房された運転区域から、冷暖房されていない隣接区域(隣接運転区域、外部等)へ移動する際、急激な温度差による血圧変動、いわゆるコールドショック或いはヒートショックが健康上の問題となっている。暖かい区域より寒冷な区域に移動した場合、例えば、冬に暖房された部屋から脱衣室(浴室)に移動した場合には、急激な血圧上昇をもたらし、急激な血圧変動により心筋梗塞や脳出血・脳梗塞などでの突然死(溺死や病死)を引き起こしていると言われている。セントラル空調システムでは、建物全体を冷暖房するため、各運転区域に対応する領域(各部屋及び廊下、居室等)間やその隣接運転区域との寒暖の差が抑えられることにより、コールドショック或いはヒートショックの緩和を図ることができるが、建物全体に渡って24時間一律に空調運転が実施されるため、空調運転にかかるエネルギ消費量が多くなる。
【0007】
従来のセントラル空調システムは、運転時間や設定温度等の運転条件が個々に設定可能に構成されたものもあるが、複数の空調端末の個々の空調運転を一元管理するものではない。このため、利用者は、所定の運転区域についての空調運転の運転状況(運転中若しくは運転停止中、設定温度等)を知るために、当該運転区域まで利用者が出向いて確認しなければならなかった。更に、個々の空調端末(若しくは運転区域)毎に独自に空調運転を実施する構成であることから、複数の空調端末の運転状況を全体として把握することができず、エネルギ消費量やエネルギコストについて把握することは更に困難であった。
【0008】
空調システムの稼動開始時には、空調端末の何れか若しくは全部について立上げ運転を実施しなければならないが、一般的に、立上げ運転時間が長時間であるため空調システムの利便性及び快適性を悪化させている。具体的には、温水床暖房装置に於ける立上げ運転に要する時間は、温水床暖房装置の熱源機の最大暖房熱量200[W/m2]、立上げ運転を実施する運転区域の面積16[m2]、隣接区域の室温10[℃]の場合、約100[分]である。更に、複数の空調端末に対応する熱源機に於いて空調端末夫々の空調運転を制御する場合には、熱源機の空調能力の制限により、同時に立上げ運転を実施する空調端末の数に制限を設けるか、若しくは、立上げ運転時間を長くする等の対応を実施する必要が生じ、空調システムの利便性を悪化させている。
【0009】
近年、環境問題や省エネルギ(以下、省エネと略称する)に対する関心が高まっている。立上げ運転時間の比較的短い(数分程度までの)家電機器の場合には、家電機器の使用時間のみ電源をONにし、停止操作をこまめに実施することで省エネを図ることができるが、空調端末の立上げ運転には通常の空調運転と比較してより高い空調能力を必要とするため、運転停止操作をこまめに実施しても必ずしもエネルギ消費量を抑制できるとは限らず、場合によってはエネルギ消費量を増大させることとなる。
【0010】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者の特性に合わせて、省エネ及び快適性(健康上)に優れた空調運転を実施する空調運転管理システムを実現する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る空調運転管理システムの第一特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、複数の空調端末の空調運転を管理するための空調運転管理システムであって、運転区域毎に一定の期間内の、前記運転区域夫々に設置された前記空調端末の運転時間と運転条件とを設定した運転計画を記憶する記憶装置と、前記運転計画を前記運転区域毎に時系列に一覧表示可能な表示手段と、前記運転計画の設定用または修正用のデータを入力する入力手段と、前記入力手段より前記データを取得し、前記データに基づいて前記運転計画を作成または修正して前記記憶装置に記憶する運転計画設定手段と、前記運転区域に対応する前記空調端末の運転制御手段に対し、前記運転計画に基づく運転指令を行う運転指令手段と、を備える点にある。
【0012】
即ち、本発明に係る空調運転管理システムの上記第一特徴構成によれば、複数の空調端末を備える空調システムに於いて、複数の運転区域(例えば、リビング、キッチン、脱衣室、浴室、廊下等の領域であって、1の運転区域に対し1または複数の空調端末が対応する)に対応して運転計画を作成することができ、且つ、運転計画を運転区域毎に時系列に一覧表示することができ、且つ、運転計画に基づいて空調運転を実施することができる。また、個々の運転区域の運転計画の設定または修正を、全体の運転計画を確認しつつ実行できるため、計画的な空調運転の実施が容易となる。
【0013】
従来のセントラル空調システムは、一般的に、各運転区域の運転条件(設定温度)を個別に設定可能であるが、複数の空調端末の空調運転を一元管理するものではないため、各空調端末の運転状況の確認を各空調端末夫々に対応する運転区域で行わなければならず、各空調端末の運転状況を全体として把握することが難しかった。このため、運転計画を運転区域毎に時系列に一覧表示可能な表示手段を備えることにより、利用者は運転状況を全体として容易に把握することが可能になる。
【0014】
また、従来は、空調運転の開始・停止操作、運転条件設定について、利用者が直接夫々の運転区域に於いて実施する必要があり、更に、立上げ運転時間の長い空調システムに於いては、設定温度が実現されるまでの間、利用者は当該運転区域を快適に利用することができなかった。ここで、各運転区域毎の空調端末の運転時間は、利用者の生活習慣(起床時刻、入浴時刻等)によって決定されるが、利用者の生活習慣には一定のパターンがあると考えられる。このため、入力手段及び運転計画設定手段を用いて各運転区域毎の運転時間及び運転条件を設定した運転計画を作成し、運転指令手段を用いて運転計画に基づいた空調運転を実施する構成にすることにより、運転区域全体の空調運転を一元管理することが可能になり、更に、空調運転時間及び運転条件の設定にかかる手間及び時間を省力化することができる。
【0015】
また、セントラル空調システムでは、一般的に、全ての空調端末の空調運転を24時間一律に実施するため、コールドショック或いはヒートショックの緩和を図ることができるが、利用者が長時間使用しない操作区分についても空調冷暖房運転が実施される。近年の環境問題に対する利用者の関心の高まり等から、省エネ(省エネルギ)運転を実施することが望ましく、一般的に、24時間の内、所定の期間しか使用しない運転区域、例えば、浴室のように、通常、夕方から夜間にかけてのみ空調運転されていれば良く、昼間の空調運転は通常は必要ないと考えられるような運転区域等に於いては、利用者の使用が予想される時間帯に限って空調運転を実施することで省エネを図ることができると考えられる。
【0016】
従って、各運転区域毎の運転時間及び運転条件を設定した運転計画を作成し、これに基づいて各空調端末夫々の空調運転制御を実施することにより、複数の空調端末を一元管理可能に、且つ、空調端末夫々の運転状況を全体として把握することが容易になり、省エネ及び快適性に優れた空調運転を実施する空調運転管理システムを実現することができる。
【0017】
同第二特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一特徴構成に加えて、前記記憶装置は、相互に識別可能、且つ、各別に実行可能な複数の前記運転計画を記憶可能に構成されている点にある。
【0018】
即ち、同第二特徴構成によれば、複数の運転計画を記憶可能に構成し、利用者の指定する運転計画に基づいて空調運転を実施する。ここで、一般的に、各運転区域は1日の内の所定の同じ時間帯について使用されることが予想されることから、運転計画の設定は24時間(1日)周期で策定されることが望ましいと言える。また、一般的に、平日や休日の区別、曜日、季節や月の区別によって、利用者の生活パターンや外気温等は異なる。このため、利用者の生活パターンや外気温等に合わせて空調運転の運転時間及び運転条件を設定し、複数の運転計画を各別に策定可能に構成されていることが望ましいと言える。尚、運転計画を相互に識別可能、且つ、各別に実行可能にするために、平日用や休日用、曜日、運転実施に適した季節や月といった属性情報を、対応する運転計画と共に記憶する構成であることが望ましい。
【0019】
従って、複数の運転計画を指定して実行可能に構成することにより、利用者の複数の生活パターン、外気温等の条件に基づいて適切且つ快適に空調運転を実施する空調運転管理システムを実現する事が出来る。
【0020】
同第三特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第二特徴構成に加えて、前記記憶装置は、前記運転計画の標準計画を予め記憶している点にある。
【0021】
即ち、同第三特徴構成によれば、運転計画の標準設定が予め記憶装置内に記憶されている。利用者が運転計画の設定を行うには、運転区域毎に運転時間及び運転条件の設定を実施する必要があり、また、一般的に、運転区域は複数設定されており、運転区域の数に比例して手間及び時間がかかるため、利用者の負担を軽減する構成が求められる。尚、運転計画の設定に於いて、設定温度、風量等の運転条件は利用者が独自に判断することが難しい場合も有り得る。従って、運転計画の標準計画を予め記憶しておき、標準計画を修正して新たな運転計画を作成する構成にすることにより、利用者は、その生活習慣や生活様式に合わせた運転計画を容易に作成することが可能になり、利用者の入力操作にかかる負担を軽減することができる。
【0022】
同第四特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第三特徴構成に加えて、前記運転計画に従って空調運転を実施する場合に於ける前記複数の空調端末のエネルギ消費量の推定値を、前記記憶装置に記憶されている当該運転計画と前記運転区域の空間属性データに基づいて算出するエネルギ消費量予測手段を備え、前記表示手段は、前記エネルギ消費量予測手段の算出した前記推定値を表示可能に構成されている点にある。
【0023】
即ち、同第四特徴構成によれば、運転計画に基づいて所定の期間空調運転を実施した場合の空調端末全てのエネルギ消費量の推定値を、利用者に対し提供する事ができる。近年の環境問題や省エネ、エネルギコスト等に対する意識の高まりや関心等から、利用者が、策定した運転計画に対するエネルギ使用量を簡易に知ることが出来る構成になっていることが望ましいと考えられる。また、エネルギ使用量についての情報が提供されることにより、利用者は、各運転区域の使用目的や利用者の個人特性に合わせて、快適性または省エネの何れを優先させるかを運転区域毎、時間毎に設定することが可能になる。尚、一般的に、ガス、電気、水道等の料金の請求は一月毎に行われている為、エネルギ消費量の推定値の算出についても一月単位で実施することが望ましい。
【0024】
従って、利用者が策定した運転計画についてのエネルギ消費量の推定値を提示可能に構成することにより、利用者は、提示された推定値に基づいて、運転区域毎、時間毎に快適性及び省エネの何れを優先させるかを自由に設定して運転計画の修正を実施することが可能になる。
【0025】
同第五特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第四特徴構成に加えて、前記エネルギ消費量予測手段は、通信ネットワーク上の情報提供装置よりエネルギ単価データを取得して前記エネルギ消費量の推定値よりエネルギコストを算出可能に構成され、前記表示手段は、前記エネルギコストを表示可能に構成されている点にある。
【0026】
即ち、同第五特徴構成によれば、最新のエネルギ単価データに基づいてエネルギコストを算出する事ができる。ここで、一般的な空調システムの利用者は、エネルギ消費量よりエネルギコストに対して認識が容易である(理解度が高い)と考えられ、エネルギ消費量(推定値)だけでなく、エネルギコストについても関心があると考えられる。従って、利用者に対し、エネルギコストについても提示可能に構成することにより、利用者の本発明にかかる空調運転管理システムの利便性を向上させ、価値を高めることができる。
【0027】
また、エネルギ単価は、不定期に変更されることが予測されることから、エネルギコストの算出を正確に実施するためには、エネルギコストの算出を実施する際、最新のエネルギ単価データを入手する必要がある。従って、通信ネットワークに接続可能に構成し、エネルギコストの算出を実施する度に通信ネットワーク上の情報提供装置よりエネルギ単価データを取得する構成にすることにより、最新のエネルギ単価データに基づいて、より適切にエネルギコストの算出を行うことができる。
【0028】
同第六特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第四特徴構成から上記第五特徴構成に加えて、前記運転計画に従って実施された空調運転に要したエネルギ消費量の実績値を算出するエネルギ消費量算出手段を備え、前記エネルギ消費量予測手段は、前記推定値と前記実績値とを比較し、その比較結果に基づいて、前記エネルギ消費量の推定値の算出方法を修正する点にある。
【0029】
即ち、同第六特徴構成によれば、エネルギ消費量の推定値の算出にあたって、空調端末の設置環境の差により生じるエネルギ消費量の実績値と推定値との間の誤差を補正する。
【0030】
本発明システムにかかる空調端末の設置環境(例えば、日照量等)は様々であり、そのエネルギ消費量は、空調端末夫々の設置環境により異なると考えられる。エネルギ消費量の算出は画一的に実施されるため、エネルギ消費量の推定値と、実際の空調運転に於けるエネルギ消費量の実績値との間に誤差が生じる。このため、利用者に対しより正確なエネルギ消費量の推定値を提供するために、様々な設置環境に対応してエネルギ消費量の推定値の補正を実施可能な構成になっていることが望ましい。また、エネルギ消費量の実績値は、運転計画や外気温の差等により異なるため、所定の期間毎、例えば、1ヶ月毎の平均値を算出し、同じ月のデータ(例えば、1年前の同じ月のデータ、若しくは過去の同じ月のデータの平均)と比較することにより、より正確にエネルギ消費量の推定値を算出することができると考えられる。
【0031】
従って、エネルギ消費量算出手段を用いて、実際の空調運転に於いて消費されたエネルギ消費量の実績値を算出し、エネルギ消費量予測手段を用いて、推定値と実績値とを比較し、比較結果に基づいて次の推定値算出の際に補正を行う構成にすることにより、空調端末の様々な設置環境に対応してエネルギ消費量の推定値をより高精度に算出可能となり、エネルギ消費量算出に於ける算出精度を担保することが可能になる。
【0032】
同第七特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第六特徴構成に加えて、前記運転計画設定手段は、前記空調端末夫々の立上げ運転時間を、前記空調端末夫々に対応する前記運転区域を含む複数の運転区域の前記運転計画に基づいて算出し、設定された空調運転の開始時刻の前に前記立上げ運転時間を設定する点にある。
【0033】
即ち、同第七特徴構成によれば、立上げ運転を実施する運転区域及びその隣接区域の運転計画に基づき、相互関係を把握しながら立上げ運転時間を運転区域毎に算出することができる。ここで、所定の運転区域の立上げ運転時間は、立上げ運転を実施する運転区域及びその隣接区域(各部屋、天井、床等)に於ける条件、具体的には、外気温及び隣接する運転区域の空調運転の実施の有無、断熱性等によって異なる。
【0034】
利用者が、運転区域毎に設けられた操作パネルを個別に操作して空調運転を実施する際、立上げ運転時間が長期間であることが問題となっている。所定の運転区域を快適に利用するためには、当該運転区域の運転開始時刻(利用者の使用開始時刻)までに立上げ運転を終了させておく必要があり、立上げ運転時間を考慮して、予め空調運転を開始させておく必要がある。しかし、立上げ運転に要する時間は隣接する運転区域の条件(空調運転の有無、境界の断熱性、外気温)や、熱源機の空調能力によって変化することから、利用者自身が立上げ運転時間を導出することは困難である。
【0035】
従って、運転計画設定手段に於いて、立上げ運転にかかる時間を自動的に算出し、運転計画の運転開始時刻に基づいて、当該開始時刻までに立上げ運転が終了するように立上げ運転の開始時刻を自動的に設定する構成にすることにより、利用者にとって快適性の優れた空調運転を実施する空調運転管理システムを実現することができる。
【0036】
尚、運転計画に於いて、運転時間が複数設定され、その間の期間が立上げ運転にかかる期間よりも短い場合や、一度空調運転を停止し再度立上げ運転を実施することで、空調運転を継続して実施するよりエネルギ消費量が多くなると予想される場合等に於いては、空調運転を継続する設定にすることで、エネルギ消費量の増大を防ぐことができ、省エネに優れた空調運転管理システムを実現することができる。
【0037】
同第八特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項8に記載した如く、上記第七特徴構成に加えて、前記運転計画設定手段は、前記運転計画に於いて、複数の前記空調端末の立上げ運転時間が重複し、当該立上げ運転重複期間に於いて必要とされる全空調能力が所定の上限値を超える場合に、前記空調端末夫々の前記立上げ運転時間の開始時刻及び立上げ運転時間の少なくとも一方を調整し、前記立上げ運転を実施する前記空調端末の組合せ及び順序を再設定する点にある。
【0038】
即ち、同第八特徴構成によれば、運転計画に於いて、複数の空調端末の立上げ運転時間が重複する場合に、熱源機の空調能力を考慮して、各運転区域毎に、立上げ運転の開始時間と立上げ運転の運転時間とを再設定することができる。
【0039】
運転計画に於いて、起床時間帯等には複数の運転区域の空調運転の開始時刻が重複することが考えられるが、熱源機の空調能力には制限があることから、同時に立上げ運転を実施可能な空調端末の数には制約がある。このため、複数の空調端末の立上げ運転時間が重複し、当該期間に於いて必要とされる空調能力が熱源機の空調能力を超える場合には、熱源機の空調能力を考慮して、所定の優先順位に従って、立上げ運転を実施する空調端末の組合せ及び順序を設定する、若しくは、立上げ運転時間を長くする等の対策を実施する必要がある。空調端末夫々の立上げ運転時間は、対応する運転区域及びその隣接区域の気温や断熱性、空調運転の有無等によって変化することから、利用者が各運転区域の相互関係を把握しながら空調端末夫々の立上げ運転の再設定を実施することは困難である。
【0040】
従って、運転計画設定手段により、熱源機の空調能力を考慮して、各運転区域毎に、立上げ運転の開始時間と立上げ運転の運転時間とを自動的に再設定する構成にすることにより、立上げ運転時間の重複する空調端末が複数あり、当該立上げ期間に於いて必要とされる空調能力が熱源機の空調能力を超える場合に、熱源機の空調能力を考慮した適切な空調運転を自動的に実施する空調運転管理システムを実現することが出来る。
【0041】
同第九特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項9に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第八特徴構成に加えて、前記運転計画設定手段は、通信ネットワークを介して所定の端末よりアクセス可能に構成され、前記所定の端末からのアクセスに基づいて、前記運転計画を修正可能に構成されている点にある。
【0042】
即ち、同第九特徴構成によれば、所定の端末より通信ネットワークを介して、運転計画の修正を行うことができる。ここで、前記所定の端末としては、携帯電話やPHS等の携帯型通信装置が想定される。外出先より運転計画の変更を実施可能に構成することにより、本発明装置の適用範囲を広げ、利用者の利便性向上を図ることができる。
【0043】
同第十特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項10に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第九特徴構成に加えて、前記運転計画設定手段は、利用者により、前記運転区域毎に個別に設けられた操作パネルを用いて前記運転時間及び前記運転条件の少なくとも一方が変更され、前記運転計画への設定反映指示操作が実施された場合に、当該運転計画を修正する点にある。
【0044】
即ち、同第十特徴構成によれば、運転区域夫々に設けられた操作パネルによる運転時間若しくは運転条件の変更履歴の内容を、実施している運転計画に反映することができる。実際の空調運転に際しては、所定の運転区域を使用している利用者は、当該運転区域の実際の利用状況に基づいて不定期に快適性等を考慮して運転時間及び運転条件(温度設定、風量等)の設定変更を実施する。運転計画の設定は一括して実施されるが、実際の空調運転に際しての設定変更は、利便性及び容易性から運転区域夫々に設置された操作パネルを用いて実施されると考えられる。このため、運転計画中の特定の運転時間若しくは運転条件が恒常的に操作パネルより修正される場合には、操作パネルを用いて実施された運転計画の修正を簡易に実施できる構成であることが望ましい。
【0045】
従って、操作パネルを用いて変更された運転時間及び運転条件の設定の変更を、実施中の運転計画に反映させる機能を設けることにより、本発明にかかる空調運転管理システムの利便性を向上させることができる。
【0046】
この目的を達成するための本発明に係る空調運転管理プログラムの第一特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項11に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第十特徴構成のいずれかに記載の空調運転管理システムの各手段をコンピュータ上で各別に実現可能なプログラムを備えてなる点にある。
【0047】
即ち、本発明に係る空調運転管理プログラムの上記第一特徴構成によれば、所定のコンピュータ装置にインストールすることで、上記第一特徴構成から上記第十特徴構成のいずれかに記載の空調運転管理システムを当該コンピュータ上で実現する事が出来る。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明に係る空調運転管理システム(以下、適宜「本発明システム」と略称する)の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0049】
本発明システム10の第一実施形態は、図1に示すように、温水を循環させて暖房運転を実施する温水床暖房装置で用いられる空調運転管理システムであり、具体的には、空調運転管理システムを実現するためのソフトウェアをインストールされたパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)で実現され、LAN等を介して、全ての空調端末23への温水の流量及び温度の制御を実施する運転制御手段20とデータ通信可能に構成されている。PCには、一般的に普及しているブラウザソフトウェア(AOL Time Warner社製Netscape Navigator等)がインストールされ、HTML(HyperTextMarkupLanguage)形式やXML(eXtensibleMarkupLanguage)形式等のウェブページ記述用言語で記載されたデータを表示可能に構成されている。
【0050】
運転制御手段20は、後述する運転指令手段15からの指令に基づいて、熱源機22に対する運転停止・運転開始、温水の湯温調節、全ての空調端末23夫々に対する温水の流量の制御(運転区域21毎に、各空調端末への温水パイプに設けられた熱動弁の制御)を実施する温水床暖房の制御手段であり、既存の制御手段を用いて実現される。ここで、本実施形態では、1つの運転制御手段20で全ての空調端末23の制御を行うが、運転制御手段20は運転区域21毎に設けられていても良いし、空調端末23毎に設けられていても良い。ここで、運転区域21は、リビング、浴室、廊下等の領域であり、1または複数の空調端末23が設置されている。熱源機22はガス式の給湯機であり、全ての空調端末23に対して温水の供給を行う。空調端末23は、各運転領域に敷設される1または複数の温水床暖房端末であり、温水パイプ、放熱板、仕上げ材等より構成されている。
【0051】
次に、第一実施形態に於ける本発明システム10の一実施構成について図2を基に説明する。本実施構成の本発明システム10は、図2に示すように、記憶装置11、表示手段12、入力手段13、運転計画設定手段14、運転指令手段15を備えて構成される。ここで、記憶装置11は、PCに標準的に備えられているハードディスク等の記憶装置内の所定の領域に構成される。表示手段12は、運転計画設定手段14より運転計画のデータを取得して運転計画を表示させるためのデータ(HTML形式、XML形式等)を生成し、そのデータをブラウザソフトウェアによってPCに備えられている液晶ディスプレイや、CRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置に表示するように構成する。入力手段13は、PCに備えられているキーボードやマウス、タブレット等の入力装置、及び、PCに備えられている表示装置よりデータ(マウス、タブレットの座標データ等)を受信し、運転計画の設定及び修正内容等についてのデータを運転計画設定手段14に提供する。運転計画設定手段14、運転指令手段15は、本発明システム10を構成するコンピュータ上にインストールされたソフトウェアを実行することによって実現される。
【0052】
記憶装置11は、運転区域21毎に一定の期間内の、運転区域21夫々に設置された空調端末23の運転時間と運転条件とを設定した運転計画を記憶する。ここで、本実施形態に於ける運転計画は、24時間(1日)周期で策定する。運転時間の設定は、所定の時間単位(例えば5分単位、1分単位等)で設定可能に構成されている。運転条件は、設定温度や風量等であり、本発明システム10を備える機器が冷暖房機能及び乾燥機能を複合的に備える場合には、使用する機能についても設定可能に構成される。
【0053】
更に、本実施形態の記憶装置11は、運転計画の標準計画を予め記憶し、相互に識別可能、且つ、各別に実行可能な複数の運転計画を記憶可能に構成されている。ここで、本実施形態では、休日及び平日の区別、季節や月の区別等毎に複数の運転計画を策定可能に構成され、夫々の区別に対応する標準計画が予め記憶装置11に記憶されている。更に、運転計画毎に運転実施条件、ここでは、休日用や平日用、曜日設定、実施する季節若しくは月等を設定する。また、本実施形態の記憶装置11は、運転区域21毎、季節毎に標準または省エネの運転条件(設定温度、風量等)を備える。
【0054】
表示手段12は、表示装置の表示部に、運転計画を運転区域21毎に時系列に一覧表示させる。図3は、本実施形態の運転計画の画面表示の一例であり、図3(a)は、時間軸を横軸にして、各工程を所用時間に比例した長さの、時間軸と平行に並べた帯で表すガントチャートを用いて表示されている。運転区域21として、リビング、キッチン、脱衣所、浴室、廊下、トイレの各項目が設定され、各項目(運転区域21)毎に、午前6時から翌朝5時までの24時間の運転時間と設定温度とが設定されている。尚、本実施例では運転区域21として6項目を例示したが、これに限るものではなく、また、運転区域21の数が多く、全ての運転区域21を一度に表示可能ではない場合には、分割して表示する構成であってもよい。また、本実施例では、表示手段12はガントチャートを用いて運転計画を表示したが、他の表示方法を用いてもよく、運転計画を運転区域21毎に時系列に一覧表示可能に構成されていればよい。更に、本実施構成の運転計画の表示画面上には、運転計画を平日及び休日について切替えるためのモード選択ボタン103、設定温度を標準及び省エネについて切替えるための室温設定ボタン104、修正または策定した運転計画を、記憶装置11に記憶するための登録ボタン105が設けられている。図3(b)は、図3(a)の所定の空調運転設定の詳細設定及び微調整を実施する入力画面である。
【0055】
入力手段13は、図3(a)に示す運転計画の表示画面上で実施された、空調運転設定の帯や各種ボタンの選択操作、運転時間、設定温度の入力等のデータを取得し、運転計画の設定用または修正用のデータを生成して運転計画設定手段14に提供する。
【0056】
運転計画設定手段14は、入力手段13より運転計画の設定用または修正用データを取得し、そのデータに基づいて運転計画を作成または修正して記憶装置11に記憶する。ここで、本実施形態では、運転計画の設定または修正は、休日及び平日の区別、季節毎に予め記憶装置11に記憶されている標準計画、若しくは利用者により過去に策定され、記憶装置11に記憶されている運転計画を修正して実施する。運転計画の設定に於いて、運転計画設定手段14は、入力手段13からのアクセスに基づいて、修正を行う標準計画若しくは過去に作成された運転計画のデータを表示手段12に提供して表示画面上に表示させ、入力手段13からのデータに基づいてその運転計画を修正し、運転計画の実施条件(休日及び平日の区別、実施する季節等)と共に新たな運転計画として記憶装置11に記憶する。尚、運転計画の設定は、利用者が全て入力する構成であってもよいが、手間及び時間がかかるため、予め記憶されている標準計画、若しくは、過去に作成された運転計画を修正し、新たな運転計画として設定する構成にすることが望ましい。本実施形態の運転計画設定手段14は、利用者が運転計画を全て入力するか、予め記憶されている運転計画を修正して新たな運転計画とするかを、選択的に実施できる構成になっている。
【0057】
運転指令手段15は、運転計画に基づいて、運転制御手段20に対し運転指令を行う。本実施形態では、運転計画は運転実施条件と共に記憶装置11に記憶されており、運転指令手段15は、記憶装置11より、実施する日の属性(運転実施条件、休日及び平日の区別、季節等)に合致する運転条件を有する運転計画(若しくは最も適切であると判定された運転計画)を抽出する。続いて、抽出された運転計画に基づいて、運転制御手段20に対し、空調運転の運転時間及び運転条件(立上げ運転の開始、空調運転の停止、設定温度、風量等のデータ)についてのデータの送信を行う。運転制御手段20が複数ある場合には、運転制御手段20夫々に対応する運転区域21についての指令のみ送信する構成であることが望ましいが、全ての運転区域21についての指令を含むデータを送信する構成であってもよい。また、運転指令手段15は、運転制御手段20と一体化して設けられていても良い。
【0058】
次に、本実施構成に於ける、運転計画の設定手順について説明する。
本実施構成では、運転計画の設定または修正は、休日及び平日の区別、季節毎に予め記憶装置11に記憶されている標準計画、若しくは利用者により策定され、記憶装置11に記憶されている運転計画を修正して実施する。ここで、標準計画を表示させるには、表示画面上のモード選択ボタン103及び室温設定ボタン104を利用する。休日ボタン及び標準ボタンが選択されると、記憶装置11に予め記憶されている休日用の標準の運転計画(運転区域21毎、季節毎の、休日用の運転時間と標準の設定温度とが設定された運転計画)が表示画面上に表示される。休日ボタン及び省エネボタンが選択された場合も同様に、記憶装置11に予め記憶されている休日用の省エネの運転計画(運転区域21毎、季節毎の、休日用の運転時間と省エネの設定温度とが設定された運転計画)が表示画面上に表示される。尚、記憶装置11に、標準及び省エネの設定温度だけでなく他の運転条件についても予め記憶されている場合には、その運転条件についても当該運転時間の設定に反映される。ここで、表1は運転区域21毎の設定温度データの例であり、平均値±標準偏差で示しており、単位は℃である。標準ボタンが選択された場合には表1の平均値を、省エネボタンが選択された場合には表1の平均値より標準偏差の値を引いたものを設定温度として使用する。
【0059】
【表1】
【0060】
図3(b)は、運転時間及び設定温度についての入力画面であり、図3(a)に示す運転計画の何れかの空調運転設定の帯が選択されると、運転計画の表示画面と同じ画面上に表示され、当該空調運転設定の修正若しくは微調整可能に構成されている。既に設定温度等の設定温度が設定されている場合には、その設定温度が入力画面上に表示される。利用者は、PCに備えられた入力装置を用いて、入力画面上の空調運転の開始・停止時刻、室温等の値を修正することにより、空調運転設定の修正または微調整を行う。尚、運転時間及び設定温度に限らず、風量やスイングについても入力画面上に表示し、修正若しくは微調整可能に構成されていてよい。更に、本発明システム10が冷房機能や乾燥機能等を複合的に備える場合には使用する機能等についても選択的に設定可能に構成されていてよい。
【0061】
図3(a)に於いて登録ボタン105が選択されると、運転計画設定手段14は、表示画面上に表示されている運転計画を、新たな運転計画としてモード(平日、休日の区別)を指定して記憶装置11に記憶する。本実施構成では、平日及び休日の区別毎に1つの運転計画を策定可能に構成され、修正前の運転計画に上書きして記憶される。尚、運転計画を複数策定し、運転計画毎に運転条件を設定して記憶し、運転条件に基づいて実施する運転計画を判定する構成等であってもよい。この場合には、運転計画は、運転計画名や実施条件と共に記憶装置11に記憶される。
【0062】
次に、本実施形態の運転計画設定手段14は、空調端末23夫々の立上げ運転時間を、空調端末23夫々に対応する運転区域21を含む複数の運転区域21の運転計画に基づいて算出し、設定された空調運転の開始時刻の前に立上げ運転時間を設定する。立上げ運転時間は、立上げ運転を実施する運転区域21及びその隣接区域(運転区域21、天井、外気)の温度条件、空調運転(本実施形態では暖房運転)の有無等によって変化するため、隣接区域の運転計画に基づいて個別に算出を行う。
【0063】
立上げ運転時間について、以下に算出方法の一例を示す。
立上げ運転時間[s]は、立上げ運転時間の算出を実施する運転区域21の温度TR(t)[℃]が設定室温に達するまでの時間t[s]を、暖房熱量Q(t)[W]、室熱容量C[J/℃]、熱損失係数Kt[W/℃]、立上げ運転時間の算出を実施する運転区域21に隣接する空間(運転区域21の空調端末23の設置されている面を除いた面に接する空間、本実施例では、四方の壁と天井)夫々の気温T0(t)[℃]より、数1に示す非定常熱平衡式を用いて算出する。
【0064】
【数1】
【0065】
尚、本実施形態の運転計画設定手段14は、運転計画の同一運転区域21について、前の空調運転の停止時刻から次の空調運転の開始時刻までの間隔が所定の時間より短い場合(例えば、立上げ時間よりも短い場合や、空調運転を一度停止して立上げ運転を実施するより、継続して空調運転を実施した方が消費エネルギが低くなる場合)には、空調運転停止及び立上げ運転は実施せず、空調運転を継続して実施する。
【0066】
また、本実施形態の運転計画設定手段14は、運転計画に於いて、複数の空調端末23の立上げ運転時間が重複し、当該立上げ運転重複期間に於いて必要とされる全空調能力が所定の上限値を超える場合に、空調端末23夫々の立上げ運転時間の開始時刻及び立上げ運転時間の少なくとも一方を調整し、立上げ運転を実施する空調端末23の組合せ及び順序を再設定する。
【0067】
立上げ運転時間の開始時刻の再設定について、以下に一例をしめす。
運転計画に於いて、A室、B室、C室の立上げ運転の開始時刻及び運転計画の運転開始時刻が同時であり、A室、B室、C室は夫々、床面積10[m2]、立上げ運転の空調能力(暖房能力)100[W/m2]、定常運転の空調能力60[W/m2]、熱源機22の空調能力2200[W]とする。ここで、本実施例の熱源機22は、2室の同時立上げ運転中、他室に温水供給できない。尚、A室、B室、C室はこの順で配置されており、B室の隣接区域にA室、C室が夫々配置され、A室とC室とは接していないものとする。
【0068】
先ず、A室、B室、C室を任意に組合せ、立上げ運転に必要とされる空調能力の値が熱源機22の空調能力(2200[W])内で最も大きくなるものを選択する。ここで、本実施例では、A室、B室、C室の立上げ運転に必要とされる空調能力の値は等しく、夫々1000[W]であり、A室、B室、C室の内の任意の2室について同時に立上げ運転を実施可能である。また、隣接区域が暖房有の場合には、立上げ運転期間が短くなること、同時に立上げ運転可能な空調端末23の数が2台であることから、本実施例では、先にA室及びC室の立上げ運手を実施する。A室、B室、C室について、隣接区域が全て暖房無若しくは外気の場合の立上げ運転時間は約60分、2つの隣接区域が暖房有設定の場合には約30分であり、A室及びC室の立上げ運転時間は60分、B室の立上げ運転時間は30分になる。従って、本実施例では、B室の立上げ運転開始時刻は運転計画の空調運転の開始時刻の30分前に、A室、C室の立上げ運転開始時刻は運転計画の空調運転の開始時刻の90分前(B室の立上げ運転開始時刻の60分前)に設定される。
【0069】
尚、本実施例では、立上げ運転時間の開始時刻を再設定する例について示したが、これに限るものではなく、立上げ運転時間を再設定する構成、若しくは立上げ運転時間の開始時刻及び立上げ運転時間の両方を再設定する構成であってもよい。立上げ運転時間を再設定する構成の場合には、熱源機22の空調能力を全て用いて、A室、B室、C室の立上げ運転を同時に開始し、立上げ運転時間を長くすることが考えられる。
【0070】
本実施形態ではPCを用いて本発明システム10を実現したが、これに限るものではない。例えば、専用のハードウェアを用いて、壁面に取り付け可能な小型システムを構築する等してもよく、この場合には、記憶装置11は、フラッシュROM(Flash Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等の半導体メモリを使用しても良い。また、表示装置及び入力装置は、表示部と入力部とを備えた専用の操作パネルや、タッチパネル等、本発明システム10の表示手段12及び入力手段13を用いて制御可能な機器であればよい。
【0071】
本発明システム10の第二実施形態は、図7に示すように、第一実施形態と同様、温水床暖房装置で用いられる空調運転管理システムであり、空調運転管理システムを実現するためのソフトウェアをインストールされたPCで実現され、運転制御手段20とデータ通信可能に構成されている。更に、本実施形態の本発明システム10は、通信ネットワーク50を介して情報提供装置30と接続可能に構成されている。
【0072】
情報提供装置30は、後述するエネルギ消費量予測手段16に於いてエネルギコストを算出する際、エネルギ消費量予測手段16からのアクセスに基づき、通信ネットワーク50を介して最新のエネルギ単価データを提供するサーバである。ここで、本発明システム10に於いて用いられる熱源機22にはガス式や電気式、灯油式等があり、情報提供装置30は、ガスや電気、灯油等のユーティリティ別のエネルギ単価データを備え、エネルギ消費量予測手段16からのアクセスに基づいて所定のエネルギ単価データを提供する。尚、エネルギ単価データは、ユーティリティ毎に作成されるのではなく、様々な種類のエネルギ単価を複合的に有するデータであっても良い。また、情報提供装置30により本発明システム10に提供されるデータは、エネルギ単価データに限る必要はなく、外気温等のデータについても提供される構成であってもよい。通信ネットワーク50はインターネットやイントラネット、LAN等の有線若しくは無線のデータ通信手段であり、1または複数種類のデータ通信手段で実現される。
【0073】
本実施形態の運転制御手段20は、利用者により後述する操作パネル24に於いて、運転条件の変更操作が実施された場合に、変更操作に基づいて空調運転の運転条件の変更を実施し、当該運転条件の変更内容についてのデータを運転計画設定手段14に対し送信する。利用者により操作パネル24に於いて設定反映指示操作が実施された場合には、運転計画設定手段14に対し設定反映指示操作の実施を通知する。尚、運転計画設定手段14に対する運転条件の変更内容についてのデータの送信は、操作パネル24に於いて設定反映指示操作が実施された場合にのみ実施する構成等であっても良い。ここで、運転条件の変更内容及び設定反映指示についてのデータは、操作パネル24より直接、運転計画設定手段14に対し送信される構成にしてもよい。
【0074】
操作パネル24は、運転区域21毎に個別に設けられた操作パネルであり、空調運転の運転時間、運転条件の変更、例えば、運転開始操作及び運転停止操作、設定温度の変更、風量調節等の設定変更操作を実施する。更に、本実施形態では、操作パネル24による空調運転の運転時間若しくは運転条件の変更操作内容を当該運転計画に反映させるための設定反映指示ボタンが設けられている。
【0075】
次に、第二実施形態に於ける本発明システム10の一実施構成について図8を基に説明する。本実施構成の本発明システム10は、図8に示すように、第一実施形態の記憶装置11、表示手段12、入力手段13、運転計画設定手段14、運転指令手段15に加え、エネルギ消費量予測手段16、エネルギ消費量算出手段17を付加的に備えて構成されている。
【0076】
本実施形態の表示手段12は、後述するエネルギ消費量予測手段16の算出したエネルギコストを運転計画の表示画面上の所定の欄に表示させる。図3(a)に示すように、本実施形態の運転計画の表示画面上には、エネルギコストの表示のための表示指示ボタン107と表示欄108とが設けられている。尚、本実施形態ではエネルギコストについて表示するが、エネルギ消費量予測手段16により算出されたエネルギ消費量の推定値、及び、後述するエネルギ消費量算出手段17により算出されたエネルギ消費量の実績値についても表示する構成であってもよい。この場合には、エネルギ消費量の推定値若しくはエネルギコストを表示する際、エネルギコストと共に表示する構成にしても良いし、夫々個別に表示欄を設ける構成にしても良い。更に、本実施例に於ける運転計画表示画面には、操作パネル24の運転時間若しくは運転条件の変更操作を運転計画に反映させるための、設定反映ボタン106が設けられている。
【0077】
エネルギ消費量予測手段16は、運転計画に従って空調運転を実施する場合に於ける複数の空調端末23のエネルギ消費量の推定値を、記憶装置11に記憶されている当該運転計画と運転区域21の空間属性データに基づいて算出する。ここで、空間属性データは、運転区域21夫々とその隣接区域(建物全体)の配置、断熱性、外気温、空調運転の有無等である。
【0078】
更に、本実施形態のエネルギ消費量予測手段16は、通信ネットワーク50上の情報提供装置30よりエネルギ単価データを取得してエネルギ消費量の推定値よりエネルギコストを算出可能に構成されている。ここで、エネルギコストの算出は、電気、ガス、水道等の料金の請求が一月毎に行われているのにあわせて1ヶ月単位で実施する。尚、エネルギコストの算出は1ヶ月単位に限るものではなく、1日単位や、年単位等であってもよいし、所定の時間単位のエネルギコストを選択的に求める構成になっていてもよい。また、本実施例に於いて、情報提供装置30よりエネルギ消費量予測手段16に対し提供されるエネルギ単価データは、本発明システム10で用いられる熱源機22の種類に応じたエネルギ単価データである。尚、エネルギ単価データが様々な種類のユーティリティのエネルギ単価を複合的に有するデータである場合には、エネルギ単価データより必要なエネルギ単価の抽出を行う。また、エネルギ消費量予測手段16は、エネルギ消費量の推定値と、後述するエネルギ消費量算出手段17によって求められるエネルギ消費量の実績値とを比較し、その比較結果に基づいて、エネルギ消費量の推定値の算出方法を修正する。
【0079】
エネルギ消費量算出手段17は、運転計画に従って実施された空調運転に要したエネルギ消費量の実績値を算出する。ここで、実績値の算出方法は、エネルギ消費量予測手段16に於けるエネルギ消費量の推定値の算出の期間(本実施例では1ヶ月)や、季節毎、月毎等で算出方法が異なる場合には、推定値の算出算の時期等の算出の条件に合わせて実施する。尚、本実施例では、実績値の算出は、エネルギ消費量の推定値を算出した期間に於いて自動的に実施する。
【0080】
本実施形態の運転計画設定手段14は、利用者により、運転区域21毎に個別に設けられた操作パネル24を用いて運転時間及び運転条件の少なくとも一方が変更され、運転計画への設定反映指示操作が実施された場合に、当該運転計画を修正する。尚、設定反映指示操作は、本実施形態ではPC及び操作パネル24の両方で実施可能に構成されている。
【0081】
次に、本実施構成に於ける、エネルギ消費量の推定値及びエネルギコストの算出手順について説明する。
エネルギ消費量予測手段16は、図3(a)に示す表示画面のエネルギコストの表示指示ボタン107が選択操作されると、エネルギ消費量の推定値の算出を実施し、続いて、情報提供装置30よりエネルギ単価データを取得してエネルギコストを算出し、表示欄108に表示する。
【0082】
エネルギ消費量及びエネルギコストについて、以下に算出方法の一例を示す。本実施例では、エネルギコストの算出は1ヶ月単位で実施するものとし、簡略化のため、1ヶ月(30日)間同じ運転計画に沿って空調運転を実施した場合に於けるエネルギコストの算出を行う。エネルギコストはエネルギ消費量を用いて算出され、エネルギ消費量は、所定の期間(本実施例では1日)の空調運転の定常運転と立上げ運転とに要するエネルギ消費量の和で求められる。
【0083】
図5は、本実施例に於ける空間属性データの例であり、運転区域21の配置を示している。本実施例に於いてエネルギ消費量の算出を実施する運転区域21は、壁3(壁5)を介して配置された長方形状のA室及びB室と、A室の壁1、壁4とB室の壁8に接するL字型のC室とで構成され、A室の壁2及びB室の壁6、壁7は外気に接している。尚、図5の配置図は、建物の1Fの配置図であり、2F(A室及びB室の天井部分)には空調運転を実施しない運転区域が配置されているものとする。表2は、運転区域21の配置以外の他の空間属性データの例であり、空調運転を実施するA室及びB室夫々の床(天井)面積、壁面積、断熱性について示している。
【0084】
【表2】
【0085】
図6は、A室、B室、C室の空調運転計画を示している。A室は18時から22時までの4時間、B室は16時から22時までの6時間について空調運転を実施する。また、設定温度はA室、B室共に20℃、外気温は0℃である。
【0086】
定常運転のエネルギ消費量は、立上げ運転時間の算出を実施する運転区域21の境界(壁、天井、床)の面積Ai[m2]、熱還流率Ki[W/m2K]、運転区域21の設定温度Tr[℃]より、数2の導出式を用いて熱負荷W[W]を求め、1日の運転時間を乗算して求められる。
【0087】
【数2】
【0088】
ここで、熱還流率Ki[W/m2K]は、外壁の熱還流率Ki=a、内壁の熱還流率Ki=8a、天井の熱還流率Ki=5aとして、部屋の断熱性×床面積=Σi=1,5Ki×Aiよりaの値を算出することによって求めることができる。Tri[℃]は、隣接区域が外気でない場合、暖房有の場合には運転計画の設定温度、暖房無の場合には(設定室温−外気温)÷2、隣接区域が外気の場合には外気温を設定する。
【0089】
A室の熱負荷は、図5及び図6、表2の空間属性データを用いて、数2より、758.4[W]となり、A室のエネルギ消費量は、758.4[W]×(4×60×60)[s]=10921[kJ]になる。B室についても同様に算出する。立上げ運転時間の算出には、前述した運転計画設定手段14の立上げ運転時間算出方法を用いている。立上げ熱量は、立上げ運転に必要とされる空調能力を100[W/m2]として、立上げ運転時間[s]×100[W/m2]×床面積[m2]に1日の立上げ回数を乗算して求められる。表3は、1日の空調運転、本実施例では暖房運転に必要とされるエネルギ消費量を算出した結果を示している。
【0090】
【表3】
【0091】
従って、本実施例に於ける1ヶ月のエネルギコストは、熱源機22のエネルギ使用量から空調端末23の暖房熱量(床上放熱量)までの効率40[%]、熱源機22の発熱量46[MJ/m3N]、エネルギ単価95.88[円]とし、表3の結果に日数及び単価データを乗算し効率及び発熱量で除算して求められ、6889[円]になる。
【0092】
尚、本実施例では、1ヶ月(30日)間同じ運転計画に沿って空調運転を実施した場合に於けるエネルギコストを算出したが、実際の空調運転では複数の運転計画を組み合わせて実施するため、運転計画毎に運転を実施する日数を乗算し、運転計画毎のエネルギ消費量若しくはエネルギコストの和を求める。
【0093】
また、エネルギ消費量の推定値及びエネルギコストの算出は、本実施例では利用者からの要求、ここでは、表示指示ボタン107の選択操作に基づいて実施するが、運転計画を策定して記憶装置11に記憶する毎に、若しくは、運転計画の所定の設定が表示画面上で変更される度に、所定の期間空調運転を実施する場合について自動的に実施する構成であっても良い。運転計画の所定の設定が表示画面上で変更される毎にエネルギコストを算出する構成である場合には、算出の度に表示欄108のエネルギコストの値を切替える。運転計画を策定して記憶装置11に記憶する毎にエネルギコストを算出する構成である場合には、算出の度に表示を行う構成であっても良いし、運転計画と関連付けて記憶装置11に記憶しておき、利用者の要求により表示する構成等であってもよい。
【0094】
エネルギ消費量の推定値及びエネルギコストの算出条件(算出期間、1ヶ月、1年等)が変更された場合には、エネルギ消費量予測手段16は、変更後の算出条件に従って、表示画面上の運転計画について、エネルギ消費量の推定値及びエネルギコストの算出を再度実施し、表示画面上のエネルギコストの値を切替える。尚、エネルギコストだけでなく、エネルギ消費量の推定値についても表示可能に構成されていてよい。
【0095】
更に、エネルギ消費量予測手段16は、エネルギ消費量の推定値と実績値とを比較し、その比較結果に基づいて、エネルギ消費量の推定値の算出方法を修正する。本実施例では、エネルギ消費量の推定値に補正係数を乗算して修正する。補正係数には、エネルギ消費量の推定値と、エネルギ消費量算出手段17によって求められるエネルギ消費量の実績値との比を用いる。例えば、エネルギ消費量の推定値が50000[kJ]、実績値が60000[kJ]の場合には、補正係数αは1.2である。尚、エネルギ消費量は、季節(外気温)によって異なることから、補正係数についても季節若しくは月毎に算出することが望ましい。月毎に比較する場合には、一昨年の月毎の補正係数を用いる構成や、数年分の月毎の補正係数若しくはエネルギ消費量の推定値と実績値とを記憶装置11に記憶しておき、その平均の値を補正係数とする構成等が考えられる。
【0096】
次に、本実施構成に於ける操作パネル24の運転時間若しくは運転条件変更操作の運転計画への反映手順について説明する。
操作パネル24に於いて設定反映指示操作が実施されると、運転制御手段20は、設定反映指示を本発明システム10に対して通知する。運転計画設定手段14は、設定反映指示操作の直前に実施された運転時間若しくは運転条件の変更内容を当該運転計画に反映させ、修正した運転計画を記憶装置11に記憶する。ここで、操作パネル24に記憶装置が備えられ、空調運転の変更履歴を記憶可能に構成されている場合には、変更履歴の中から設定反映を行う運転計画を選択する構成であってもよい。本発明システム10に於いて設定反映指示操作を実施する場合には、操作パネル24による空調運転の変更履歴を所定の数記憶装置11に記憶しておき、利用者は、表示画面上に表示された変更履歴の一覧の中から設定反映を行う運転計画を選択する。運転計画設定手段14は、選択された変更履歴に基づいて運転計画を修正し、記憶装置11に記憶する。尚、空調運転の変更履歴は、操作パネル24、運転制御手段20、運転計画設定手段14若しくは記憶装置11や、その他、何れかの記憶装置に記憶可能に構成されていればよい。
【0097】
運転条件の変更の設定反映について、具体的には、所定の空調運転設定の運転条件の変更が実施された時刻と同時刻に運転条件を変更して空調運転を継続する構成、当該空調運転設定の次回の空調運転開始より変更された運転条件に基づいて空調運転を実施する構成等が考えられ、選択的に実施可能に構成される。
【0098】
続いて、運転時間の変更の設定反映について、具体的には、所定の運転区域21に対する利用者の運転時間変更操作に於いて、操作パネル24による空調運転の運転開始操作と運転停止操作とが既に設定されている空調運転設定と重複しない場合には、空調運転の運転開始操作時刻から運転停止操作時刻までを新たな運転時間として設定する。
【0099】
空調運転の運転開始操作が実施され、既に設定されている次の空調運転の開始時刻までに運転停止操作が実施されなかった場合には、次の空調運転の開始時刻が変更になったものとする。例えば、図3の運転計画に於いて、利用者の運転時間変更操作により、脱衣室の空調運転開始操作が、空調運転設定101の運転開始時刻の前、本実施例では17時に実施され、次の空調運転の運転開始時刻19時に至るまで運転停止操作が実施されなかった場合には、運転計画設定手段14は、運転開始時刻が19時より17時に変更されたものとして記憶装置11に変更内容を記憶する。但し、運転計画の新たに追加された部分、本実施例では17時から19時の空調運転設定102について、異なる運転条件が設定されている場合には、当該期間について空調運転が追加されたものとする(19時の時点で運転条件を変更して空調運転を継続する)。
【0100】
空調運転の運転開始時刻の変更の場合と同様に、既に設定されている空調運転の運転停止直後、所定の時間内(例えば、立上げ運転に要する時間や、空調運転を一度停止して立上げ運転を実施するより、継続して空調運転を実施した方が消費エネルギが低くなる時間等)に空調運転の運転開始操作が実施された場合には、運転停止時刻が変更になったものとする。例えば、図3の運転計画に於いて、利用者の運転時間変更操作により、脱衣室の空調運転開始操作が、空調運転設定101の運転停止時刻23時の直後に実施された場合には、運転計画設定手段14は、空調運転設定101の運転停止時刻が変更されたものとして記憶装置11に変更内容を記憶する。但し、運転計画の新たに追加された部分、本実施例では23時以降の部分について、異なる運転条件が設定されている場合には、当該期間について空調運転が追加されたものとする(23時の時点で運転条件を変更して空調運転を継続する)。
【0101】
本発明システム10の第三実施形態は、通信ネットワーク50上に設けられたサーバによって実現され、第一実施形態及び第二実施形態と同様、温水床暖房装置で用いられる空調運転管理システムであり、運転制御手段20とデータ通信可能に構成されている。本実施形態では、更に、通信ネットワーク50を介して情報提供装置30と利用者の端末40と接続可能に構成されている。
【0102】
利用者の端末40は、本実施形態では携帯電話やPHS等の携帯通信端末であり、通信ネットワーク50を介して本発明システム10にアクセスし、運転計画の修正を実施する。尚、端末40は携帯通信端末に限るものではなく、パーソナルコンピュータ等、運転計画を表示可能な表示部と運転計画の修正用データを入力可能な入力部とを備えた端末であればよい。
【0103】
本実施形態の運転計画設定手段14は、通信ネットワーク50を介して利用者の端末40とデータ通信可能に構成され、端末40からのアクセスに基づいて、運転計画を修正可能に構成されている。具体的には、端末40は、本発明システム10にアクセスし、本発明システム10の記憶装置11に記憶された運転計画の一覧を取得する。利用者の選択入力操作により、修正を実施する運転計画が選択されると、端末40は本発明システム10より当該運転計画のデータを取得し、修正実施後、修正された運転計画のデータを本発明システム10に送信する。
【0104】
尚、第一実施形態及び第二実施形態に於いて、PCが常時通信ネットワーク50よりアクセス可能に構成されている場合(グローバルアドレスを有し、通信ネットワーク50に常に接続されている場合)には、本実施形態と同様に、通信ネットワーク50を介して端末40より運転計画を修正可能に構成してもよい。この場合には、第一実施形態及び第二実施形態のPCは、アプリケーションサーバとしての機能を有する構成であってよい。
【0105】
尚、第一実施形態から第三実施形態では、温水を循環させて暖房運転を実施する温水床暖房について説明したが、本発明システム10はこれに限定されるものではなく、パネルヒータやクーラー(冷房機器)等の機器や、複数の機能を備える空調システムについて適用できる。尚、クーラー等の機器の場合には、運転計画の運転条件の設定に、風量やスイング等を設定可能に構成してもよい。また、本発明システム10は、第一実施形態及び第二実施形態では、本発明システムに係る機能を実現するソフトウェアをインストールされたPCを、第三実施形態では通信ネットワーク50上に設置されたサーバを用いたが、これに限るものではない。本発明システム10の各手段は本発明システム10を構成するコンピュータ上に設けられているが、所定の手段について、通信ネットワーク50や、任意のデータ通信可能な場所に設けられていてもよい。尚、記憶装置11については、1つの記憶装置に限ることなく、分散して設けられていてよい。何れの構成であっても、本発明にかかる空調運転管理システムの目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる空調運転管理システムの一実施形態を示す図
【図2】本発明システムの一実施構成を表すブロック図
【図3】本発明システムで用いられる運転計画の表示画面の一例を示す図
【図4】本発明システムの運転計画の立上げ運転期間設定の一例を示す図
【図5】本発明システムに於けるエネルギ消費量の算出を実施する運転区域の配置図
【図6】本発明システムに於けるエネルギ消費量の算出に用いられる運転計画の一例
【図7】本発明にかかる空調運転管理システムの一実施形態を示す図
【図8】本発明システムの一実施構成を表すブロック図
【符号の説明】
10:空調運転管理システム
11:記憶装置
12:表示手段
13:入力手段
14:運転計画設定手段
15:運転指令手段
16:エネルギ消費量予測手段
17:エネルギ消費量算出手段
20:運転制御手段
21:運転区域
22:熱源機
23:空調端末
24:操作パネル
30:情報提供装置
40:端末
50:通信ネットワーク
101、102:空調運転設定
103、104、105、106、107:ボタン
108:表示欄
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転計画に基づいて、複数の空調端末の相互関係を把握しながら空調運転を実施する空調運転管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷暖房、換気運転を実施する空調システムでは、各運転区域(例えば、リビング、キッチン、脱衣室、浴室、廊下等の領域であって、1の運転区域に対し1または複数の空調端末が対応する)夫々に対して設置された操作パネルを、利用者が個別に操作することにより空調運転を実施していた。尚、近年、建物の1ヵ所に設置された熱源機(温熱を供給する給湯器や、冷熱を供給する冷凍機等)により、建物全体に設置された複数の空調端末の空調運転を制御するセントラル空調システムが普及しつつある。セントラル空調システムでは24時間空調運転が実施され、各運転区域の運転条件(設定温度)を個別に設定可能である。
【0003】
尚、セントラル空調システムには、住宅の複数の部屋の空調空気吹き出し口と住宅の適所に設置した1つの空調装置本体とを夫々連通させ、空調装置本体に設けた送風手段で送風して空調空気を各部屋の空調空気吹き出し口に吹き出すと共に部屋の空気を空調装置本体に戻すように循環させるセントラル空調システムにおいて、空調装置本体に屋外との間で一部の空気を換気する換気部を設け、各部屋の空調のオンオフにより住宅に居る人数を割り出して換気部で換気する風量を制御する制御部を設けて成るものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、換気空調装置として、換気空調装置本体に、熱交換ユニットの給排気量や住宅内の温度を自立制御する制御装置と無線電波による送受信装置を組み込んだもので、装置本体とは無線電波で信号接続されたコントロールパネルにおいて少なくとも換気空調装置の運転状態と住居内外の環境状態に基づいて、換気空調装置の運転制御指令を行うための演算を行い、この演算結果に基づく前記運転制御指令を無線電波を介して装置本体に送信することにより換気空調装置の運転制御を可能としたものがある(例えば、特許文献2参照)。さらに、空気調和機には、該空気調和機の運転条件を入力する運転操作手段と、該運転操作手段により入力された運転条件によって一台の室外機で複数台の室内機を制御して複数間の部屋の冷暖房運転を制御する制御手段と、該制御手段の制御により複数間の部屋を同時冷房、同時暖房、同時冷暖房、個別冷房、個別暖房させるよう圧縮機を駆動させる圧縮機駆動手段と、運転操作手段により入力された運転条件によって制御手段から出力された制御信号を受けて冷媒の循環する流路を変更するよう四方弁を駆動制御する四方弁駆動手段と、運転操作手段により入力された運転条件により制御手段から出力された制御信号を受けて冷媒の循環する流路を開閉するようソレノイドバルブを駆動制御するソレノイドバルブ駆動手段とからなるものがある(例えば、特許文献3参照)。但し、これらの空調システムはいずれも、利用者の入力操作により予め設定された運転計画に沿って空調端末の制御を実施するものではない。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−141954号公報(第1−6頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−311590号公報(第3−8頁、第1図)
【特許文献3】
特開平08−110117号公報(第4−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
夏や冬に冷暖房された運転区域から、冷暖房されていない隣接区域(隣接運転区域、外部等)へ移動する際、急激な温度差による血圧変動、いわゆるコールドショック或いはヒートショックが健康上の問題となっている。暖かい区域より寒冷な区域に移動した場合、例えば、冬に暖房された部屋から脱衣室(浴室)に移動した場合には、急激な血圧上昇をもたらし、急激な血圧変動により心筋梗塞や脳出血・脳梗塞などでの突然死(溺死や病死)を引き起こしていると言われている。セントラル空調システムでは、建物全体を冷暖房するため、各運転区域に対応する領域(各部屋及び廊下、居室等)間やその隣接運転区域との寒暖の差が抑えられることにより、コールドショック或いはヒートショックの緩和を図ることができるが、建物全体に渡って24時間一律に空調運転が実施されるため、空調運転にかかるエネルギ消費量が多くなる。
【0007】
従来のセントラル空調システムは、運転時間や設定温度等の運転条件が個々に設定可能に構成されたものもあるが、複数の空調端末の個々の空調運転を一元管理するものではない。このため、利用者は、所定の運転区域についての空調運転の運転状況(運転中若しくは運転停止中、設定温度等)を知るために、当該運転区域まで利用者が出向いて確認しなければならなかった。更に、個々の空調端末(若しくは運転区域)毎に独自に空調運転を実施する構成であることから、複数の空調端末の運転状況を全体として把握することができず、エネルギ消費量やエネルギコストについて把握することは更に困難であった。
【0008】
空調システムの稼動開始時には、空調端末の何れか若しくは全部について立上げ運転を実施しなければならないが、一般的に、立上げ運転時間が長時間であるため空調システムの利便性及び快適性を悪化させている。具体的には、温水床暖房装置に於ける立上げ運転に要する時間は、温水床暖房装置の熱源機の最大暖房熱量200[W/m2]、立上げ運転を実施する運転区域の面積16[m2]、隣接区域の室温10[℃]の場合、約100[分]である。更に、複数の空調端末に対応する熱源機に於いて空調端末夫々の空調運転を制御する場合には、熱源機の空調能力の制限により、同時に立上げ運転を実施する空調端末の数に制限を設けるか、若しくは、立上げ運転時間を長くする等の対応を実施する必要が生じ、空調システムの利便性を悪化させている。
【0009】
近年、環境問題や省エネルギ(以下、省エネと略称する)に対する関心が高まっている。立上げ運転時間の比較的短い(数分程度までの)家電機器の場合には、家電機器の使用時間のみ電源をONにし、停止操作をこまめに実施することで省エネを図ることができるが、空調端末の立上げ運転には通常の空調運転と比較してより高い空調能力を必要とするため、運転停止操作をこまめに実施しても必ずしもエネルギ消費量を抑制できるとは限らず、場合によってはエネルギ消費量を増大させることとなる。
【0010】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者の特性に合わせて、省エネ及び快適性(健康上)に優れた空調運転を実施する空調運転管理システムを実現する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る空調運転管理システムの第一特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、複数の空調端末の空調運転を管理するための空調運転管理システムであって、運転区域毎に一定の期間内の、前記運転区域夫々に設置された前記空調端末の運転時間と運転条件とを設定した運転計画を記憶する記憶装置と、前記運転計画を前記運転区域毎に時系列に一覧表示可能な表示手段と、前記運転計画の設定用または修正用のデータを入力する入力手段と、前記入力手段より前記データを取得し、前記データに基づいて前記運転計画を作成または修正して前記記憶装置に記憶する運転計画設定手段と、前記運転区域に対応する前記空調端末の運転制御手段に対し、前記運転計画に基づく運転指令を行う運転指令手段と、を備える点にある。
【0012】
即ち、本発明に係る空調運転管理システムの上記第一特徴構成によれば、複数の空調端末を備える空調システムに於いて、複数の運転区域(例えば、リビング、キッチン、脱衣室、浴室、廊下等の領域であって、1の運転区域に対し1または複数の空調端末が対応する)に対応して運転計画を作成することができ、且つ、運転計画を運転区域毎に時系列に一覧表示することができ、且つ、運転計画に基づいて空調運転を実施することができる。また、個々の運転区域の運転計画の設定または修正を、全体の運転計画を確認しつつ実行できるため、計画的な空調運転の実施が容易となる。
【0013】
従来のセントラル空調システムは、一般的に、各運転区域の運転条件(設定温度)を個別に設定可能であるが、複数の空調端末の空調運転を一元管理するものではないため、各空調端末の運転状況の確認を各空調端末夫々に対応する運転区域で行わなければならず、各空調端末の運転状況を全体として把握することが難しかった。このため、運転計画を運転区域毎に時系列に一覧表示可能な表示手段を備えることにより、利用者は運転状況を全体として容易に把握することが可能になる。
【0014】
また、従来は、空調運転の開始・停止操作、運転条件設定について、利用者が直接夫々の運転区域に於いて実施する必要があり、更に、立上げ運転時間の長い空調システムに於いては、設定温度が実現されるまでの間、利用者は当該運転区域を快適に利用することができなかった。ここで、各運転区域毎の空調端末の運転時間は、利用者の生活習慣(起床時刻、入浴時刻等)によって決定されるが、利用者の生活習慣には一定のパターンがあると考えられる。このため、入力手段及び運転計画設定手段を用いて各運転区域毎の運転時間及び運転条件を設定した運転計画を作成し、運転指令手段を用いて運転計画に基づいた空調運転を実施する構成にすることにより、運転区域全体の空調運転を一元管理することが可能になり、更に、空調運転時間及び運転条件の設定にかかる手間及び時間を省力化することができる。
【0015】
また、セントラル空調システムでは、一般的に、全ての空調端末の空調運転を24時間一律に実施するため、コールドショック或いはヒートショックの緩和を図ることができるが、利用者が長時間使用しない操作区分についても空調冷暖房運転が実施される。近年の環境問題に対する利用者の関心の高まり等から、省エネ(省エネルギ)運転を実施することが望ましく、一般的に、24時間の内、所定の期間しか使用しない運転区域、例えば、浴室のように、通常、夕方から夜間にかけてのみ空調運転されていれば良く、昼間の空調運転は通常は必要ないと考えられるような運転区域等に於いては、利用者の使用が予想される時間帯に限って空調運転を実施することで省エネを図ることができると考えられる。
【0016】
従って、各運転区域毎の運転時間及び運転条件を設定した運転計画を作成し、これに基づいて各空調端末夫々の空調運転制御を実施することにより、複数の空調端末を一元管理可能に、且つ、空調端末夫々の運転状況を全体として把握することが容易になり、省エネ及び快適性に優れた空調運転を実施する空調運転管理システムを実現することができる。
【0017】
同第二特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一特徴構成に加えて、前記記憶装置は、相互に識別可能、且つ、各別に実行可能な複数の前記運転計画を記憶可能に構成されている点にある。
【0018】
即ち、同第二特徴構成によれば、複数の運転計画を記憶可能に構成し、利用者の指定する運転計画に基づいて空調運転を実施する。ここで、一般的に、各運転区域は1日の内の所定の同じ時間帯について使用されることが予想されることから、運転計画の設定は24時間(1日)周期で策定されることが望ましいと言える。また、一般的に、平日や休日の区別、曜日、季節や月の区別によって、利用者の生活パターンや外気温等は異なる。このため、利用者の生活パターンや外気温等に合わせて空調運転の運転時間及び運転条件を設定し、複数の運転計画を各別に策定可能に構成されていることが望ましいと言える。尚、運転計画を相互に識別可能、且つ、各別に実行可能にするために、平日用や休日用、曜日、運転実施に適した季節や月といった属性情報を、対応する運転計画と共に記憶する構成であることが望ましい。
【0019】
従って、複数の運転計画を指定して実行可能に構成することにより、利用者の複数の生活パターン、外気温等の条件に基づいて適切且つ快適に空調運転を実施する空調運転管理システムを実現する事が出来る。
【0020】
同第三特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第二特徴構成に加えて、前記記憶装置は、前記運転計画の標準計画を予め記憶している点にある。
【0021】
即ち、同第三特徴構成によれば、運転計画の標準設定が予め記憶装置内に記憶されている。利用者が運転計画の設定を行うには、運転区域毎に運転時間及び運転条件の設定を実施する必要があり、また、一般的に、運転区域は複数設定されており、運転区域の数に比例して手間及び時間がかかるため、利用者の負担を軽減する構成が求められる。尚、運転計画の設定に於いて、設定温度、風量等の運転条件は利用者が独自に判断することが難しい場合も有り得る。従って、運転計画の標準計画を予め記憶しておき、標準計画を修正して新たな運転計画を作成する構成にすることにより、利用者は、その生活習慣や生活様式に合わせた運転計画を容易に作成することが可能になり、利用者の入力操作にかかる負担を軽減することができる。
【0022】
同第四特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第三特徴構成に加えて、前記運転計画に従って空調運転を実施する場合に於ける前記複数の空調端末のエネルギ消費量の推定値を、前記記憶装置に記憶されている当該運転計画と前記運転区域の空間属性データに基づいて算出するエネルギ消費量予測手段を備え、前記表示手段は、前記エネルギ消費量予測手段の算出した前記推定値を表示可能に構成されている点にある。
【0023】
即ち、同第四特徴構成によれば、運転計画に基づいて所定の期間空調運転を実施した場合の空調端末全てのエネルギ消費量の推定値を、利用者に対し提供する事ができる。近年の環境問題や省エネ、エネルギコスト等に対する意識の高まりや関心等から、利用者が、策定した運転計画に対するエネルギ使用量を簡易に知ることが出来る構成になっていることが望ましいと考えられる。また、エネルギ使用量についての情報が提供されることにより、利用者は、各運転区域の使用目的や利用者の個人特性に合わせて、快適性または省エネの何れを優先させるかを運転区域毎、時間毎に設定することが可能になる。尚、一般的に、ガス、電気、水道等の料金の請求は一月毎に行われている為、エネルギ消費量の推定値の算出についても一月単位で実施することが望ましい。
【0024】
従って、利用者が策定した運転計画についてのエネルギ消費量の推定値を提示可能に構成することにより、利用者は、提示された推定値に基づいて、運転区域毎、時間毎に快適性及び省エネの何れを優先させるかを自由に設定して運転計画の修正を実施することが可能になる。
【0025】
同第五特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第四特徴構成に加えて、前記エネルギ消費量予測手段は、通信ネットワーク上の情報提供装置よりエネルギ単価データを取得して前記エネルギ消費量の推定値よりエネルギコストを算出可能に構成され、前記表示手段は、前記エネルギコストを表示可能に構成されている点にある。
【0026】
即ち、同第五特徴構成によれば、最新のエネルギ単価データに基づいてエネルギコストを算出する事ができる。ここで、一般的な空調システムの利用者は、エネルギ消費量よりエネルギコストに対して認識が容易である(理解度が高い)と考えられ、エネルギ消費量(推定値)だけでなく、エネルギコストについても関心があると考えられる。従って、利用者に対し、エネルギコストについても提示可能に構成することにより、利用者の本発明にかかる空調運転管理システムの利便性を向上させ、価値を高めることができる。
【0027】
また、エネルギ単価は、不定期に変更されることが予測されることから、エネルギコストの算出を正確に実施するためには、エネルギコストの算出を実施する際、最新のエネルギ単価データを入手する必要がある。従って、通信ネットワークに接続可能に構成し、エネルギコストの算出を実施する度に通信ネットワーク上の情報提供装置よりエネルギ単価データを取得する構成にすることにより、最新のエネルギ単価データに基づいて、より適切にエネルギコストの算出を行うことができる。
【0028】
同第六特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第四特徴構成から上記第五特徴構成に加えて、前記運転計画に従って実施された空調運転に要したエネルギ消費量の実績値を算出するエネルギ消費量算出手段を備え、前記エネルギ消費量予測手段は、前記推定値と前記実績値とを比較し、その比較結果に基づいて、前記エネルギ消費量の推定値の算出方法を修正する点にある。
【0029】
即ち、同第六特徴構成によれば、エネルギ消費量の推定値の算出にあたって、空調端末の設置環境の差により生じるエネルギ消費量の実績値と推定値との間の誤差を補正する。
【0030】
本発明システムにかかる空調端末の設置環境(例えば、日照量等)は様々であり、そのエネルギ消費量は、空調端末夫々の設置環境により異なると考えられる。エネルギ消費量の算出は画一的に実施されるため、エネルギ消費量の推定値と、実際の空調運転に於けるエネルギ消費量の実績値との間に誤差が生じる。このため、利用者に対しより正確なエネルギ消費量の推定値を提供するために、様々な設置環境に対応してエネルギ消費量の推定値の補正を実施可能な構成になっていることが望ましい。また、エネルギ消費量の実績値は、運転計画や外気温の差等により異なるため、所定の期間毎、例えば、1ヶ月毎の平均値を算出し、同じ月のデータ(例えば、1年前の同じ月のデータ、若しくは過去の同じ月のデータの平均)と比較することにより、より正確にエネルギ消費量の推定値を算出することができると考えられる。
【0031】
従って、エネルギ消費量算出手段を用いて、実際の空調運転に於いて消費されたエネルギ消費量の実績値を算出し、エネルギ消費量予測手段を用いて、推定値と実績値とを比較し、比較結果に基づいて次の推定値算出の際に補正を行う構成にすることにより、空調端末の様々な設置環境に対応してエネルギ消費量の推定値をより高精度に算出可能となり、エネルギ消費量算出に於ける算出精度を担保することが可能になる。
【0032】
同第七特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第六特徴構成に加えて、前記運転計画設定手段は、前記空調端末夫々の立上げ運転時間を、前記空調端末夫々に対応する前記運転区域を含む複数の運転区域の前記運転計画に基づいて算出し、設定された空調運転の開始時刻の前に前記立上げ運転時間を設定する点にある。
【0033】
即ち、同第七特徴構成によれば、立上げ運転を実施する運転区域及びその隣接区域の運転計画に基づき、相互関係を把握しながら立上げ運転時間を運転区域毎に算出することができる。ここで、所定の運転区域の立上げ運転時間は、立上げ運転を実施する運転区域及びその隣接区域(各部屋、天井、床等)に於ける条件、具体的には、外気温及び隣接する運転区域の空調運転の実施の有無、断熱性等によって異なる。
【0034】
利用者が、運転区域毎に設けられた操作パネルを個別に操作して空調運転を実施する際、立上げ運転時間が長期間であることが問題となっている。所定の運転区域を快適に利用するためには、当該運転区域の運転開始時刻(利用者の使用開始時刻)までに立上げ運転を終了させておく必要があり、立上げ運転時間を考慮して、予め空調運転を開始させておく必要がある。しかし、立上げ運転に要する時間は隣接する運転区域の条件(空調運転の有無、境界の断熱性、外気温)や、熱源機の空調能力によって変化することから、利用者自身が立上げ運転時間を導出することは困難である。
【0035】
従って、運転計画設定手段に於いて、立上げ運転にかかる時間を自動的に算出し、運転計画の運転開始時刻に基づいて、当該開始時刻までに立上げ運転が終了するように立上げ運転の開始時刻を自動的に設定する構成にすることにより、利用者にとって快適性の優れた空調運転を実施する空調運転管理システムを実現することができる。
【0036】
尚、運転計画に於いて、運転時間が複数設定され、その間の期間が立上げ運転にかかる期間よりも短い場合や、一度空調運転を停止し再度立上げ運転を実施することで、空調運転を継続して実施するよりエネルギ消費量が多くなると予想される場合等に於いては、空調運転を継続する設定にすることで、エネルギ消費量の増大を防ぐことができ、省エネに優れた空調運転管理システムを実現することができる。
【0037】
同第八特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項8に記載した如く、上記第七特徴構成に加えて、前記運転計画設定手段は、前記運転計画に於いて、複数の前記空調端末の立上げ運転時間が重複し、当該立上げ運転重複期間に於いて必要とされる全空調能力が所定の上限値を超える場合に、前記空調端末夫々の前記立上げ運転時間の開始時刻及び立上げ運転時間の少なくとも一方を調整し、前記立上げ運転を実施する前記空調端末の組合せ及び順序を再設定する点にある。
【0038】
即ち、同第八特徴構成によれば、運転計画に於いて、複数の空調端末の立上げ運転時間が重複する場合に、熱源機の空調能力を考慮して、各運転区域毎に、立上げ運転の開始時間と立上げ運転の運転時間とを再設定することができる。
【0039】
運転計画に於いて、起床時間帯等には複数の運転区域の空調運転の開始時刻が重複することが考えられるが、熱源機の空調能力には制限があることから、同時に立上げ運転を実施可能な空調端末の数には制約がある。このため、複数の空調端末の立上げ運転時間が重複し、当該期間に於いて必要とされる空調能力が熱源機の空調能力を超える場合には、熱源機の空調能力を考慮して、所定の優先順位に従って、立上げ運転を実施する空調端末の組合せ及び順序を設定する、若しくは、立上げ運転時間を長くする等の対策を実施する必要がある。空調端末夫々の立上げ運転時間は、対応する運転区域及びその隣接区域の気温や断熱性、空調運転の有無等によって変化することから、利用者が各運転区域の相互関係を把握しながら空調端末夫々の立上げ運転の再設定を実施することは困難である。
【0040】
従って、運転計画設定手段により、熱源機の空調能力を考慮して、各運転区域毎に、立上げ運転の開始時間と立上げ運転の運転時間とを自動的に再設定する構成にすることにより、立上げ運転時間の重複する空調端末が複数あり、当該立上げ期間に於いて必要とされる空調能力が熱源機の空調能力を超える場合に、熱源機の空調能力を考慮した適切な空調運転を自動的に実施する空調運転管理システムを実現することが出来る。
【0041】
同第九特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項9に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第八特徴構成に加えて、前記運転計画設定手段は、通信ネットワークを介して所定の端末よりアクセス可能に構成され、前記所定の端末からのアクセスに基づいて、前記運転計画を修正可能に構成されている点にある。
【0042】
即ち、同第九特徴構成によれば、所定の端末より通信ネットワークを介して、運転計画の修正を行うことができる。ここで、前記所定の端末としては、携帯電話やPHS等の携帯型通信装置が想定される。外出先より運転計画の変更を実施可能に構成することにより、本発明装置の適用範囲を広げ、利用者の利便性向上を図ることができる。
【0043】
同第十特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項10に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第九特徴構成に加えて、前記運転計画設定手段は、利用者により、前記運転区域毎に個別に設けられた操作パネルを用いて前記運転時間及び前記運転条件の少なくとも一方が変更され、前記運転計画への設定反映指示操作が実施された場合に、当該運転計画を修正する点にある。
【0044】
即ち、同第十特徴構成によれば、運転区域夫々に設けられた操作パネルによる運転時間若しくは運転条件の変更履歴の内容を、実施している運転計画に反映することができる。実際の空調運転に際しては、所定の運転区域を使用している利用者は、当該運転区域の実際の利用状況に基づいて不定期に快適性等を考慮して運転時間及び運転条件(温度設定、風量等)の設定変更を実施する。運転計画の設定は一括して実施されるが、実際の空調運転に際しての設定変更は、利便性及び容易性から運転区域夫々に設置された操作パネルを用いて実施されると考えられる。このため、運転計画中の特定の運転時間若しくは運転条件が恒常的に操作パネルより修正される場合には、操作パネルを用いて実施された運転計画の修正を簡易に実施できる構成であることが望ましい。
【0045】
従って、操作パネルを用いて変更された運転時間及び運転条件の設定の変更を、実施中の運転計画に反映させる機能を設けることにより、本発明にかかる空調運転管理システムの利便性を向上させることができる。
【0046】
この目的を達成するための本発明に係る空調運転管理プログラムの第一特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項11に記載した如く、上記第一特徴構成から上記第十特徴構成のいずれかに記載の空調運転管理システムの各手段をコンピュータ上で各別に実現可能なプログラムを備えてなる点にある。
【0047】
即ち、本発明に係る空調運転管理プログラムの上記第一特徴構成によれば、所定のコンピュータ装置にインストールすることで、上記第一特徴構成から上記第十特徴構成のいずれかに記載の空調運転管理システムを当該コンピュータ上で実現する事が出来る。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明に係る空調運転管理システム(以下、適宜「本発明システム」と略称する)の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0049】
本発明システム10の第一実施形態は、図1に示すように、温水を循環させて暖房運転を実施する温水床暖房装置で用いられる空調運転管理システムであり、具体的には、空調運転管理システムを実現するためのソフトウェアをインストールされたパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)で実現され、LAN等を介して、全ての空調端末23への温水の流量及び温度の制御を実施する運転制御手段20とデータ通信可能に構成されている。PCには、一般的に普及しているブラウザソフトウェア(AOL Time Warner社製Netscape Navigator等)がインストールされ、HTML(HyperTextMarkupLanguage)形式やXML(eXtensibleMarkupLanguage)形式等のウェブページ記述用言語で記載されたデータを表示可能に構成されている。
【0050】
運転制御手段20は、後述する運転指令手段15からの指令に基づいて、熱源機22に対する運転停止・運転開始、温水の湯温調節、全ての空調端末23夫々に対する温水の流量の制御(運転区域21毎に、各空調端末への温水パイプに設けられた熱動弁の制御)を実施する温水床暖房の制御手段であり、既存の制御手段を用いて実現される。ここで、本実施形態では、1つの運転制御手段20で全ての空調端末23の制御を行うが、運転制御手段20は運転区域21毎に設けられていても良いし、空調端末23毎に設けられていても良い。ここで、運転区域21は、リビング、浴室、廊下等の領域であり、1または複数の空調端末23が設置されている。熱源機22はガス式の給湯機であり、全ての空調端末23に対して温水の供給を行う。空調端末23は、各運転領域に敷設される1または複数の温水床暖房端末であり、温水パイプ、放熱板、仕上げ材等より構成されている。
【0051】
次に、第一実施形態に於ける本発明システム10の一実施構成について図2を基に説明する。本実施構成の本発明システム10は、図2に示すように、記憶装置11、表示手段12、入力手段13、運転計画設定手段14、運転指令手段15を備えて構成される。ここで、記憶装置11は、PCに標準的に備えられているハードディスク等の記憶装置内の所定の領域に構成される。表示手段12は、運転計画設定手段14より運転計画のデータを取得して運転計画を表示させるためのデータ(HTML形式、XML形式等)を生成し、そのデータをブラウザソフトウェアによってPCに備えられている液晶ディスプレイや、CRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置に表示するように構成する。入力手段13は、PCに備えられているキーボードやマウス、タブレット等の入力装置、及び、PCに備えられている表示装置よりデータ(マウス、タブレットの座標データ等)を受信し、運転計画の設定及び修正内容等についてのデータを運転計画設定手段14に提供する。運転計画設定手段14、運転指令手段15は、本発明システム10を構成するコンピュータ上にインストールされたソフトウェアを実行することによって実現される。
【0052】
記憶装置11は、運転区域21毎に一定の期間内の、運転区域21夫々に設置された空調端末23の運転時間と運転条件とを設定した運転計画を記憶する。ここで、本実施形態に於ける運転計画は、24時間(1日)周期で策定する。運転時間の設定は、所定の時間単位(例えば5分単位、1分単位等)で設定可能に構成されている。運転条件は、設定温度や風量等であり、本発明システム10を備える機器が冷暖房機能及び乾燥機能を複合的に備える場合には、使用する機能についても設定可能に構成される。
【0053】
更に、本実施形態の記憶装置11は、運転計画の標準計画を予め記憶し、相互に識別可能、且つ、各別に実行可能な複数の運転計画を記憶可能に構成されている。ここで、本実施形態では、休日及び平日の区別、季節や月の区別等毎に複数の運転計画を策定可能に構成され、夫々の区別に対応する標準計画が予め記憶装置11に記憶されている。更に、運転計画毎に運転実施条件、ここでは、休日用や平日用、曜日設定、実施する季節若しくは月等を設定する。また、本実施形態の記憶装置11は、運転区域21毎、季節毎に標準または省エネの運転条件(設定温度、風量等)を備える。
【0054】
表示手段12は、表示装置の表示部に、運転計画を運転区域21毎に時系列に一覧表示させる。図3は、本実施形態の運転計画の画面表示の一例であり、図3(a)は、時間軸を横軸にして、各工程を所用時間に比例した長さの、時間軸と平行に並べた帯で表すガントチャートを用いて表示されている。運転区域21として、リビング、キッチン、脱衣所、浴室、廊下、トイレの各項目が設定され、各項目(運転区域21)毎に、午前6時から翌朝5時までの24時間の運転時間と設定温度とが設定されている。尚、本実施例では運転区域21として6項目を例示したが、これに限るものではなく、また、運転区域21の数が多く、全ての運転区域21を一度に表示可能ではない場合には、分割して表示する構成であってもよい。また、本実施例では、表示手段12はガントチャートを用いて運転計画を表示したが、他の表示方法を用いてもよく、運転計画を運転区域21毎に時系列に一覧表示可能に構成されていればよい。更に、本実施構成の運転計画の表示画面上には、運転計画を平日及び休日について切替えるためのモード選択ボタン103、設定温度を標準及び省エネについて切替えるための室温設定ボタン104、修正または策定した運転計画を、記憶装置11に記憶するための登録ボタン105が設けられている。図3(b)は、図3(a)の所定の空調運転設定の詳細設定及び微調整を実施する入力画面である。
【0055】
入力手段13は、図3(a)に示す運転計画の表示画面上で実施された、空調運転設定の帯や各種ボタンの選択操作、運転時間、設定温度の入力等のデータを取得し、運転計画の設定用または修正用のデータを生成して運転計画設定手段14に提供する。
【0056】
運転計画設定手段14は、入力手段13より運転計画の設定用または修正用データを取得し、そのデータに基づいて運転計画を作成または修正して記憶装置11に記憶する。ここで、本実施形態では、運転計画の設定または修正は、休日及び平日の区別、季節毎に予め記憶装置11に記憶されている標準計画、若しくは利用者により過去に策定され、記憶装置11に記憶されている運転計画を修正して実施する。運転計画の設定に於いて、運転計画設定手段14は、入力手段13からのアクセスに基づいて、修正を行う標準計画若しくは過去に作成された運転計画のデータを表示手段12に提供して表示画面上に表示させ、入力手段13からのデータに基づいてその運転計画を修正し、運転計画の実施条件(休日及び平日の区別、実施する季節等)と共に新たな運転計画として記憶装置11に記憶する。尚、運転計画の設定は、利用者が全て入力する構成であってもよいが、手間及び時間がかかるため、予め記憶されている標準計画、若しくは、過去に作成された運転計画を修正し、新たな運転計画として設定する構成にすることが望ましい。本実施形態の運転計画設定手段14は、利用者が運転計画を全て入力するか、予め記憶されている運転計画を修正して新たな運転計画とするかを、選択的に実施できる構成になっている。
【0057】
運転指令手段15は、運転計画に基づいて、運転制御手段20に対し運転指令を行う。本実施形態では、運転計画は運転実施条件と共に記憶装置11に記憶されており、運転指令手段15は、記憶装置11より、実施する日の属性(運転実施条件、休日及び平日の区別、季節等)に合致する運転条件を有する運転計画(若しくは最も適切であると判定された運転計画)を抽出する。続いて、抽出された運転計画に基づいて、運転制御手段20に対し、空調運転の運転時間及び運転条件(立上げ運転の開始、空調運転の停止、設定温度、風量等のデータ)についてのデータの送信を行う。運転制御手段20が複数ある場合には、運転制御手段20夫々に対応する運転区域21についての指令のみ送信する構成であることが望ましいが、全ての運転区域21についての指令を含むデータを送信する構成であってもよい。また、運転指令手段15は、運転制御手段20と一体化して設けられていても良い。
【0058】
次に、本実施構成に於ける、運転計画の設定手順について説明する。
本実施構成では、運転計画の設定または修正は、休日及び平日の区別、季節毎に予め記憶装置11に記憶されている標準計画、若しくは利用者により策定され、記憶装置11に記憶されている運転計画を修正して実施する。ここで、標準計画を表示させるには、表示画面上のモード選択ボタン103及び室温設定ボタン104を利用する。休日ボタン及び標準ボタンが選択されると、記憶装置11に予め記憶されている休日用の標準の運転計画(運転区域21毎、季節毎の、休日用の運転時間と標準の設定温度とが設定された運転計画)が表示画面上に表示される。休日ボタン及び省エネボタンが選択された場合も同様に、記憶装置11に予め記憶されている休日用の省エネの運転計画(運転区域21毎、季節毎の、休日用の運転時間と省エネの設定温度とが設定された運転計画)が表示画面上に表示される。尚、記憶装置11に、標準及び省エネの設定温度だけでなく他の運転条件についても予め記憶されている場合には、その運転条件についても当該運転時間の設定に反映される。ここで、表1は運転区域21毎の設定温度データの例であり、平均値±標準偏差で示しており、単位は℃である。標準ボタンが選択された場合には表1の平均値を、省エネボタンが選択された場合には表1の平均値より標準偏差の値を引いたものを設定温度として使用する。
【0059】
【表1】
【0060】
図3(b)は、運転時間及び設定温度についての入力画面であり、図3(a)に示す運転計画の何れかの空調運転設定の帯が選択されると、運転計画の表示画面と同じ画面上に表示され、当該空調運転設定の修正若しくは微調整可能に構成されている。既に設定温度等の設定温度が設定されている場合には、その設定温度が入力画面上に表示される。利用者は、PCに備えられた入力装置を用いて、入力画面上の空調運転の開始・停止時刻、室温等の値を修正することにより、空調運転設定の修正または微調整を行う。尚、運転時間及び設定温度に限らず、風量やスイングについても入力画面上に表示し、修正若しくは微調整可能に構成されていてよい。更に、本発明システム10が冷房機能や乾燥機能等を複合的に備える場合には使用する機能等についても選択的に設定可能に構成されていてよい。
【0061】
図3(a)に於いて登録ボタン105が選択されると、運転計画設定手段14は、表示画面上に表示されている運転計画を、新たな運転計画としてモード(平日、休日の区別)を指定して記憶装置11に記憶する。本実施構成では、平日及び休日の区別毎に1つの運転計画を策定可能に構成され、修正前の運転計画に上書きして記憶される。尚、運転計画を複数策定し、運転計画毎に運転条件を設定して記憶し、運転条件に基づいて実施する運転計画を判定する構成等であってもよい。この場合には、運転計画は、運転計画名や実施条件と共に記憶装置11に記憶される。
【0062】
次に、本実施形態の運転計画設定手段14は、空調端末23夫々の立上げ運転時間を、空調端末23夫々に対応する運転区域21を含む複数の運転区域21の運転計画に基づいて算出し、設定された空調運転の開始時刻の前に立上げ運転時間を設定する。立上げ運転時間は、立上げ運転を実施する運転区域21及びその隣接区域(運転区域21、天井、外気)の温度条件、空調運転(本実施形態では暖房運転)の有無等によって変化するため、隣接区域の運転計画に基づいて個別に算出を行う。
【0063】
立上げ運転時間について、以下に算出方法の一例を示す。
立上げ運転時間[s]は、立上げ運転時間の算出を実施する運転区域21の温度TR(t)[℃]が設定室温に達するまでの時間t[s]を、暖房熱量Q(t)[W]、室熱容量C[J/℃]、熱損失係数Kt[W/℃]、立上げ運転時間の算出を実施する運転区域21に隣接する空間(運転区域21の空調端末23の設置されている面を除いた面に接する空間、本実施例では、四方の壁と天井)夫々の気温T0(t)[℃]より、数1に示す非定常熱平衡式を用いて算出する。
【0064】
【数1】
【0065】
尚、本実施形態の運転計画設定手段14は、運転計画の同一運転区域21について、前の空調運転の停止時刻から次の空調運転の開始時刻までの間隔が所定の時間より短い場合(例えば、立上げ時間よりも短い場合や、空調運転を一度停止して立上げ運転を実施するより、継続して空調運転を実施した方が消費エネルギが低くなる場合)には、空調運転停止及び立上げ運転は実施せず、空調運転を継続して実施する。
【0066】
また、本実施形態の運転計画設定手段14は、運転計画に於いて、複数の空調端末23の立上げ運転時間が重複し、当該立上げ運転重複期間に於いて必要とされる全空調能力が所定の上限値を超える場合に、空調端末23夫々の立上げ運転時間の開始時刻及び立上げ運転時間の少なくとも一方を調整し、立上げ運転を実施する空調端末23の組合せ及び順序を再設定する。
【0067】
立上げ運転時間の開始時刻の再設定について、以下に一例をしめす。
運転計画に於いて、A室、B室、C室の立上げ運転の開始時刻及び運転計画の運転開始時刻が同時であり、A室、B室、C室は夫々、床面積10[m2]、立上げ運転の空調能力(暖房能力)100[W/m2]、定常運転の空調能力60[W/m2]、熱源機22の空調能力2200[W]とする。ここで、本実施例の熱源機22は、2室の同時立上げ運転中、他室に温水供給できない。尚、A室、B室、C室はこの順で配置されており、B室の隣接区域にA室、C室が夫々配置され、A室とC室とは接していないものとする。
【0068】
先ず、A室、B室、C室を任意に組合せ、立上げ運転に必要とされる空調能力の値が熱源機22の空調能力(2200[W])内で最も大きくなるものを選択する。ここで、本実施例では、A室、B室、C室の立上げ運転に必要とされる空調能力の値は等しく、夫々1000[W]であり、A室、B室、C室の内の任意の2室について同時に立上げ運転を実施可能である。また、隣接区域が暖房有の場合には、立上げ運転期間が短くなること、同時に立上げ運転可能な空調端末23の数が2台であることから、本実施例では、先にA室及びC室の立上げ運手を実施する。A室、B室、C室について、隣接区域が全て暖房無若しくは外気の場合の立上げ運転時間は約60分、2つの隣接区域が暖房有設定の場合には約30分であり、A室及びC室の立上げ運転時間は60分、B室の立上げ運転時間は30分になる。従って、本実施例では、B室の立上げ運転開始時刻は運転計画の空調運転の開始時刻の30分前に、A室、C室の立上げ運転開始時刻は運転計画の空調運転の開始時刻の90分前(B室の立上げ運転開始時刻の60分前)に設定される。
【0069】
尚、本実施例では、立上げ運転時間の開始時刻を再設定する例について示したが、これに限るものではなく、立上げ運転時間を再設定する構成、若しくは立上げ運転時間の開始時刻及び立上げ運転時間の両方を再設定する構成であってもよい。立上げ運転時間を再設定する構成の場合には、熱源機22の空調能力を全て用いて、A室、B室、C室の立上げ運転を同時に開始し、立上げ運転時間を長くすることが考えられる。
【0070】
本実施形態ではPCを用いて本発明システム10を実現したが、これに限るものではない。例えば、専用のハードウェアを用いて、壁面に取り付け可能な小型システムを構築する等してもよく、この場合には、記憶装置11は、フラッシュROM(Flash Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等の半導体メモリを使用しても良い。また、表示装置及び入力装置は、表示部と入力部とを備えた専用の操作パネルや、タッチパネル等、本発明システム10の表示手段12及び入力手段13を用いて制御可能な機器であればよい。
【0071】
本発明システム10の第二実施形態は、図7に示すように、第一実施形態と同様、温水床暖房装置で用いられる空調運転管理システムであり、空調運転管理システムを実現するためのソフトウェアをインストールされたPCで実現され、運転制御手段20とデータ通信可能に構成されている。更に、本実施形態の本発明システム10は、通信ネットワーク50を介して情報提供装置30と接続可能に構成されている。
【0072】
情報提供装置30は、後述するエネルギ消費量予測手段16に於いてエネルギコストを算出する際、エネルギ消費量予測手段16からのアクセスに基づき、通信ネットワーク50を介して最新のエネルギ単価データを提供するサーバである。ここで、本発明システム10に於いて用いられる熱源機22にはガス式や電気式、灯油式等があり、情報提供装置30は、ガスや電気、灯油等のユーティリティ別のエネルギ単価データを備え、エネルギ消費量予測手段16からのアクセスに基づいて所定のエネルギ単価データを提供する。尚、エネルギ単価データは、ユーティリティ毎に作成されるのではなく、様々な種類のエネルギ単価を複合的に有するデータであっても良い。また、情報提供装置30により本発明システム10に提供されるデータは、エネルギ単価データに限る必要はなく、外気温等のデータについても提供される構成であってもよい。通信ネットワーク50はインターネットやイントラネット、LAN等の有線若しくは無線のデータ通信手段であり、1または複数種類のデータ通信手段で実現される。
【0073】
本実施形態の運転制御手段20は、利用者により後述する操作パネル24に於いて、運転条件の変更操作が実施された場合に、変更操作に基づいて空調運転の運転条件の変更を実施し、当該運転条件の変更内容についてのデータを運転計画設定手段14に対し送信する。利用者により操作パネル24に於いて設定反映指示操作が実施された場合には、運転計画設定手段14に対し設定反映指示操作の実施を通知する。尚、運転計画設定手段14に対する運転条件の変更内容についてのデータの送信は、操作パネル24に於いて設定反映指示操作が実施された場合にのみ実施する構成等であっても良い。ここで、運転条件の変更内容及び設定反映指示についてのデータは、操作パネル24より直接、運転計画設定手段14に対し送信される構成にしてもよい。
【0074】
操作パネル24は、運転区域21毎に個別に設けられた操作パネルであり、空調運転の運転時間、運転条件の変更、例えば、運転開始操作及び運転停止操作、設定温度の変更、風量調節等の設定変更操作を実施する。更に、本実施形態では、操作パネル24による空調運転の運転時間若しくは運転条件の変更操作内容を当該運転計画に反映させるための設定反映指示ボタンが設けられている。
【0075】
次に、第二実施形態に於ける本発明システム10の一実施構成について図8を基に説明する。本実施構成の本発明システム10は、図8に示すように、第一実施形態の記憶装置11、表示手段12、入力手段13、運転計画設定手段14、運転指令手段15に加え、エネルギ消費量予測手段16、エネルギ消費量算出手段17を付加的に備えて構成されている。
【0076】
本実施形態の表示手段12は、後述するエネルギ消費量予測手段16の算出したエネルギコストを運転計画の表示画面上の所定の欄に表示させる。図3(a)に示すように、本実施形態の運転計画の表示画面上には、エネルギコストの表示のための表示指示ボタン107と表示欄108とが設けられている。尚、本実施形態ではエネルギコストについて表示するが、エネルギ消費量予測手段16により算出されたエネルギ消費量の推定値、及び、後述するエネルギ消費量算出手段17により算出されたエネルギ消費量の実績値についても表示する構成であってもよい。この場合には、エネルギ消費量の推定値若しくはエネルギコストを表示する際、エネルギコストと共に表示する構成にしても良いし、夫々個別に表示欄を設ける構成にしても良い。更に、本実施例に於ける運転計画表示画面には、操作パネル24の運転時間若しくは運転条件の変更操作を運転計画に反映させるための、設定反映ボタン106が設けられている。
【0077】
エネルギ消費量予測手段16は、運転計画に従って空調運転を実施する場合に於ける複数の空調端末23のエネルギ消費量の推定値を、記憶装置11に記憶されている当該運転計画と運転区域21の空間属性データに基づいて算出する。ここで、空間属性データは、運転区域21夫々とその隣接区域(建物全体)の配置、断熱性、外気温、空調運転の有無等である。
【0078】
更に、本実施形態のエネルギ消費量予測手段16は、通信ネットワーク50上の情報提供装置30よりエネルギ単価データを取得してエネルギ消費量の推定値よりエネルギコストを算出可能に構成されている。ここで、エネルギコストの算出は、電気、ガス、水道等の料金の請求が一月毎に行われているのにあわせて1ヶ月単位で実施する。尚、エネルギコストの算出は1ヶ月単位に限るものではなく、1日単位や、年単位等であってもよいし、所定の時間単位のエネルギコストを選択的に求める構成になっていてもよい。また、本実施例に於いて、情報提供装置30よりエネルギ消費量予測手段16に対し提供されるエネルギ単価データは、本発明システム10で用いられる熱源機22の種類に応じたエネルギ単価データである。尚、エネルギ単価データが様々な種類のユーティリティのエネルギ単価を複合的に有するデータである場合には、エネルギ単価データより必要なエネルギ単価の抽出を行う。また、エネルギ消費量予測手段16は、エネルギ消費量の推定値と、後述するエネルギ消費量算出手段17によって求められるエネルギ消費量の実績値とを比較し、その比較結果に基づいて、エネルギ消費量の推定値の算出方法を修正する。
【0079】
エネルギ消費量算出手段17は、運転計画に従って実施された空調運転に要したエネルギ消費量の実績値を算出する。ここで、実績値の算出方法は、エネルギ消費量予測手段16に於けるエネルギ消費量の推定値の算出の期間(本実施例では1ヶ月)や、季節毎、月毎等で算出方法が異なる場合には、推定値の算出算の時期等の算出の条件に合わせて実施する。尚、本実施例では、実績値の算出は、エネルギ消費量の推定値を算出した期間に於いて自動的に実施する。
【0080】
本実施形態の運転計画設定手段14は、利用者により、運転区域21毎に個別に設けられた操作パネル24を用いて運転時間及び運転条件の少なくとも一方が変更され、運転計画への設定反映指示操作が実施された場合に、当該運転計画を修正する。尚、設定反映指示操作は、本実施形態ではPC及び操作パネル24の両方で実施可能に構成されている。
【0081】
次に、本実施構成に於ける、エネルギ消費量の推定値及びエネルギコストの算出手順について説明する。
エネルギ消費量予測手段16は、図3(a)に示す表示画面のエネルギコストの表示指示ボタン107が選択操作されると、エネルギ消費量の推定値の算出を実施し、続いて、情報提供装置30よりエネルギ単価データを取得してエネルギコストを算出し、表示欄108に表示する。
【0082】
エネルギ消費量及びエネルギコストについて、以下に算出方法の一例を示す。本実施例では、エネルギコストの算出は1ヶ月単位で実施するものとし、簡略化のため、1ヶ月(30日)間同じ運転計画に沿って空調運転を実施した場合に於けるエネルギコストの算出を行う。エネルギコストはエネルギ消費量を用いて算出され、エネルギ消費量は、所定の期間(本実施例では1日)の空調運転の定常運転と立上げ運転とに要するエネルギ消費量の和で求められる。
【0083】
図5は、本実施例に於ける空間属性データの例であり、運転区域21の配置を示している。本実施例に於いてエネルギ消費量の算出を実施する運転区域21は、壁3(壁5)を介して配置された長方形状のA室及びB室と、A室の壁1、壁4とB室の壁8に接するL字型のC室とで構成され、A室の壁2及びB室の壁6、壁7は外気に接している。尚、図5の配置図は、建物の1Fの配置図であり、2F(A室及びB室の天井部分)には空調運転を実施しない運転区域が配置されているものとする。表2は、運転区域21の配置以外の他の空間属性データの例であり、空調運転を実施するA室及びB室夫々の床(天井)面積、壁面積、断熱性について示している。
【0084】
【表2】
【0085】
図6は、A室、B室、C室の空調運転計画を示している。A室は18時から22時までの4時間、B室は16時から22時までの6時間について空調運転を実施する。また、設定温度はA室、B室共に20℃、外気温は0℃である。
【0086】
定常運転のエネルギ消費量は、立上げ運転時間の算出を実施する運転区域21の境界(壁、天井、床)の面積Ai[m2]、熱還流率Ki[W/m2K]、運転区域21の設定温度Tr[℃]より、数2の導出式を用いて熱負荷W[W]を求め、1日の運転時間を乗算して求められる。
【0087】
【数2】
【0088】
ここで、熱還流率Ki[W/m2K]は、外壁の熱還流率Ki=a、内壁の熱還流率Ki=8a、天井の熱還流率Ki=5aとして、部屋の断熱性×床面積=Σi=1,5Ki×Aiよりaの値を算出することによって求めることができる。Tri[℃]は、隣接区域が外気でない場合、暖房有の場合には運転計画の設定温度、暖房無の場合には(設定室温−外気温)÷2、隣接区域が外気の場合には外気温を設定する。
【0089】
A室の熱負荷は、図5及び図6、表2の空間属性データを用いて、数2より、758.4[W]となり、A室のエネルギ消費量は、758.4[W]×(4×60×60)[s]=10921[kJ]になる。B室についても同様に算出する。立上げ運転時間の算出には、前述した運転計画設定手段14の立上げ運転時間算出方法を用いている。立上げ熱量は、立上げ運転に必要とされる空調能力を100[W/m2]として、立上げ運転時間[s]×100[W/m2]×床面積[m2]に1日の立上げ回数を乗算して求められる。表3は、1日の空調運転、本実施例では暖房運転に必要とされるエネルギ消費量を算出した結果を示している。
【0090】
【表3】
【0091】
従って、本実施例に於ける1ヶ月のエネルギコストは、熱源機22のエネルギ使用量から空調端末23の暖房熱量(床上放熱量)までの効率40[%]、熱源機22の発熱量46[MJ/m3N]、エネルギ単価95.88[円]とし、表3の結果に日数及び単価データを乗算し効率及び発熱量で除算して求められ、6889[円]になる。
【0092】
尚、本実施例では、1ヶ月(30日)間同じ運転計画に沿って空調運転を実施した場合に於けるエネルギコストを算出したが、実際の空調運転では複数の運転計画を組み合わせて実施するため、運転計画毎に運転を実施する日数を乗算し、運転計画毎のエネルギ消費量若しくはエネルギコストの和を求める。
【0093】
また、エネルギ消費量の推定値及びエネルギコストの算出は、本実施例では利用者からの要求、ここでは、表示指示ボタン107の選択操作に基づいて実施するが、運転計画を策定して記憶装置11に記憶する毎に、若しくは、運転計画の所定の設定が表示画面上で変更される度に、所定の期間空調運転を実施する場合について自動的に実施する構成であっても良い。運転計画の所定の設定が表示画面上で変更される毎にエネルギコストを算出する構成である場合には、算出の度に表示欄108のエネルギコストの値を切替える。運転計画を策定して記憶装置11に記憶する毎にエネルギコストを算出する構成である場合には、算出の度に表示を行う構成であっても良いし、運転計画と関連付けて記憶装置11に記憶しておき、利用者の要求により表示する構成等であってもよい。
【0094】
エネルギ消費量の推定値及びエネルギコストの算出条件(算出期間、1ヶ月、1年等)が変更された場合には、エネルギ消費量予測手段16は、変更後の算出条件に従って、表示画面上の運転計画について、エネルギ消費量の推定値及びエネルギコストの算出を再度実施し、表示画面上のエネルギコストの値を切替える。尚、エネルギコストだけでなく、エネルギ消費量の推定値についても表示可能に構成されていてよい。
【0095】
更に、エネルギ消費量予測手段16は、エネルギ消費量の推定値と実績値とを比較し、その比較結果に基づいて、エネルギ消費量の推定値の算出方法を修正する。本実施例では、エネルギ消費量の推定値に補正係数を乗算して修正する。補正係数には、エネルギ消費量の推定値と、エネルギ消費量算出手段17によって求められるエネルギ消費量の実績値との比を用いる。例えば、エネルギ消費量の推定値が50000[kJ]、実績値が60000[kJ]の場合には、補正係数αは1.2である。尚、エネルギ消費量は、季節(外気温)によって異なることから、補正係数についても季節若しくは月毎に算出することが望ましい。月毎に比較する場合には、一昨年の月毎の補正係数を用いる構成や、数年分の月毎の補正係数若しくはエネルギ消費量の推定値と実績値とを記憶装置11に記憶しておき、その平均の値を補正係数とする構成等が考えられる。
【0096】
次に、本実施構成に於ける操作パネル24の運転時間若しくは運転条件変更操作の運転計画への反映手順について説明する。
操作パネル24に於いて設定反映指示操作が実施されると、運転制御手段20は、設定反映指示を本発明システム10に対して通知する。運転計画設定手段14は、設定反映指示操作の直前に実施された運転時間若しくは運転条件の変更内容を当該運転計画に反映させ、修正した運転計画を記憶装置11に記憶する。ここで、操作パネル24に記憶装置が備えられ、空調運転の変更履歴を記憶可能に構成されている場合には、変更履歴の中から設定反映を行う運転計画を選択する構成であってもよい。本発明システム10に於いて設定反映指示操作を実施する場合には、操作パネル24による空調運転の変更履歴を所定の数記憶装置11に記憶しておき、利用者は、表示画面上に表示された変更履歴の一覧の中から設定反映を行う運転計画を選択する。運転計画設定手段14は、選択された変更履歴に基づいて運転計画を修正し、記憶装置11に記憶する。尚、空調運転の変更履歴は、操作パネル24、運転制御手段20、運転計画設定手段14若しくは記憶装置11や、その他、何れかの記憶装置に記憶可能に構成されていればよい。
【0097】
運転条件の変更の設定反映について、具体的には、所定の空調運転設定の運転条件の変更が実施された時刻と同時刻に運転条件を変更して空調運転を継続する構成、当該空調運転設定の次回の空調運転開始より変更された運転条件に基づいて空調運転を実施する構成等が考えられ、選択的に実施可能に構成される。
【0098】
続いて、運転時間の変更の設定反映について、具体的には、所定の運転区域21に対する利用者の運転時間変更操作に於いて、操作パネル24による空調運転の運転開始操作と運転停止操作とが既に設定されている空調運転設定と重複しない場合には、空調運転の運転開始操作時刻から運転停止操作時刻までを新たな運転時間として設定する。
【0099】
空調運転の運転開始操作が実施され、既に設定されている次の空調運転の開始時刻までに運転停止操作が実施されなかった場合には、次の空調運転の開始時刻が変更になったものとする。例えば、図3の運転計画に於いて、利用者の運転時間変更操作により、脱衣室の空調運転開始操作が、空調運転設定101の運転開始時刻の前、本実施例では17時に実施され、次の空調運転の運転開始時刻19時に至るまで運転停止操作が実施されなかった場合には、運転計画設定手段14は、運転開始時刻が19時より17時に変更されたものとして記憶装置11に変更内容を記憶する。但し、運転計画の新たに追加された部分、本実施例では17時から19時の空調運転設定102について、異なる運転条件が設定されている場合には、当該期間について空調運転が追加されたものとする(19時の時点で運転条件を変更して空調運転を継続する)。
【0100】
空調運転の運転開始時刻の変更の場合と同様に、既に設定されている空調運転の運転停止直後、所定の時間内(例えば、立上げ運転に要する時間や、空調運転を一度停止して立上げ運転を実施するより、継続して空調運転を実施した方が消費エネルギが低くなる時間等)に空調運転の運転開始操作が実施された場合には、運転停止時刻が変更になったものとする。例えば、図3の運転計画に於いて、利用者の運転時間変更操作により、脱衣室の空調運転開始操作が、空調運転設定101の運転停止時刻23時の直後に実施された場合には、運転計画設定手段14は、空調運転設定101の運転停止時刻が変更されたものとして記憶装置11に変更内容を記憶する。但し、運転計画の新たに追加された部分、本実施例では23時以降の部分について、異なる運転条件が設定されている場合には、当該期間について空調運転が追加されたものとする(23時の時点で運転条件を変更して空調運転を継続する)。
【0101】
本発明システム10の第三実施形態は、通信ネットワーク50上に設けられたサーバによって実現され、第一実施形態及び第二実施形態と同様、温水床暖房装置で用いられる空調運転管理システムであり、運転制御手段20とデータ通信可能に構成されている。本実施形態では、更に、通信ネットワーク50を介して情報提供装置30と利用者の端末40と接続可能に構成されている。
【0102】
利用者の端末40は、本実施形態では携帯電話やPHS等の携帯通信端末であり、通信ネットワーク50を介して本発明システム10にアクセスし、運転計画の修正を実施する。尚、端末40は携帯通信端末に限るものではなく、パーソナルコンピュータ等、運転計画を表示可能な表示部と運転計画の修正用データを入力可能な入力部とを備えた端末であればよい。
【0103】
本実施形態の運転計画設定手段14は、通信ネットワーク50を介して利用者の端末40とデータ通信可能に構成され、端末40からのアクセスに基づいて、運転計画を修正可能に構成されている。具体的には、端末40は、本発明システム10にアクセスし、本発明システム10の記憶装置11に記憶された運転計画の一覧を取得する。利用者の選択入力操作により、修正を実施する運転計画が選択されると、端末40は本発明システム10より当該運転計画のデータを取得し、修正実施後、修正された運転計画のデータを本発明システム10に送信する。
【0104】
尚、第一実施形態及び第二実施形態に於いて、PCが常時通信ネットワーク50よりアクセス可能に構成されている場合(グローバルアドレスを有し、通信ネットワーク50に常に接続されている場合)には、本実施形態と同様に、通信ネットワーク50を介して端末40より運転計画を修正可能に構成してもよい。この場合には、第一実施形態及び第二実施形態のPCは、アプリケーションサーバとしての機能を有する構成であってよい。
【0105】
尚、第一実施形態から第三実施形態では、温水を循環させて暖房運転を実施する温水床暖房について説明したが、本発明システム10はこれに限定されるものではなく、パネルヒータやクーラー(冷房機器)等の機器や、複数の機能を備える空調システムについて適用できる。尚、クーラー等の機器の場合には、運転計画の運転条件の設定に、風量やスイング等を設定可能に構成してもよい。また、本発明システム10は、第一実施形態及び第二実施形態では、本発明システムに係る機能を実現するソフトウェアをインストールされたPCを、第三実施形態では通信ネットワーク50上に設置されたサーバを用いたが、これに限るものではない。本発明システム10の各手段は本発明システム10を構成するコンピュータ上に設けられているが、所定の手段について、通信ネットワーク50や、任意のデータ通信可能な場所に設けられていてもよい。尚、記憶装置11については、1つの記憶装置に限ることなく、分散して設けられていてよい。何れの構成であっても、本発明にかかる空調運転管理システムの目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる空調運転管理システムの一実施形態を示す図
【図2】本発明システムの一実施構成を表すブロック図
【図3】本発明システムで用いられる運転計画の表示画面の一例を示す図
【図4】本発明システムの運転計画の立上げ運転期間設定の一例を示す図
【図5】本発明システムに於けるエネルギ消費量の算出を実施する運転区域の配置図
【図6】本発明システムに於けるエネルギ消費量の算出に用いられる運転計画の一例
【図7】本発明にかかる空調運転管理システムの一実施形態を示す図
【図8】本発明システムの一実施構成を表すブロック図
【符号の説明】
10:空調運転管理システム
11:記憶装置
12:表示手段
13:入力手段
14:運転計画設定手段
15:運転指令手段
16:エネルギ消費量予測手段
17:エネルギ消費量算出手段
20:運転制御手段
21:運転区域
22:熱源機
23:空調端末
24:操作パネル
30:情報提供装置
40:端末
50:通信ネットワーク
101、102:空調運転設定
103、104、105、106、107:ボタン
108:表示欄
Claims (11)
- 複数の空調端末の空調運転を管理するための空調運転管理システムであって、
運転区域毎に一定の期間内の、前記運転区域夫々に設置された前記空調端末の運転時間と運転条件とを設定した運転計画を記憶する記憶装置と、
前記運転計画を前記運転区域毎に時系列に一覧表示可能な表示手段と、
前記運転計画の設定用または修正用のデータを入力する入力手段と、
前記入力手段より前記データを取得し、前記データに基づいて前記運転計画を作成または修正して前記記憶装置に記憶する運転計画設定手段と、
前記運転区域に対応する前記空調端末の運転制御手段に対し、前記運転計画に基づく運転指令を行う運転指令手段と、を備えることを特徴とする空調運転管理システム。 - 前記記憶装置は、相互に識別可能、且つ、各別に実行可能な複数の前記運転計画を記憶可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の空調運転管理システム。
- 前記記憶装置は、前記運転計画の標準計画を予め記憶していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空調運転管理システム。
- 前記運転計画に従って空調運転を実施する場合に於ける前記複数の空調端末のエネルギ消費量の推定値を、前記記憶装置に記憶されている当該運転計画と前記運転区域の空間属性データに基づいて算出するエネルギ消費量予測手段を備え、
前記表示手段は、前記エネルギ消費量予測手段の算出した前記推定値を表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空調運転管理システム。 - 前記エネルギ消費量予測手段は、通信ネットワーク上の情報提供装置よりエネルギ単価データを取得して前記エネルギ消費量の推定値よりエネルギコストを算出可能に構成され、
前記表示手段は、前記エネルギコストを表示可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の空調運転管理システム。 - 前記運転計画に従って実施された空調運転に要したエネルギ消費量の実績値を算出するエネルギ消費量算出手段を備え、
前記エネルギ消費量予測手段は、前記推定値と前記実績値とを比較し、その比較結果に基づいて、前記エネルギ消費量の推定値の算出方法を修正することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の空調運転管理システム。 - 前記運転計画設定手段は、前記空調端末夫々の立上げ運転時間を、前記空調端末夫々に対応する前記運転区域を含む複数の運転区域の前記運転計画に基づいて算出し、設定された空調運転の開始時刻の前に前記立上げ運転時間を設定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の空調運転管理システム。
- 前記運転計画設定手段は、前記運転計画に於いて、複数の前記空調端末の立上げ運転時間が重複し、当該立上げ運転重複期間に於いて必要とされる全空調能力が所定の上限値を超える場合に、前記空調端末夫々の前記立上げ運転時間の開始時刻及び立上げ運転時間の少なくとも一方を調整し、前記立上げ運転を実施する前記空調端末の組合せ及び順序を再設定することを特徴とする請求項7に記載の空調運転管理システム。
- 前記運転計画設定手段は、通信ネットワークを介して所定の端末よりアクセス可能に構成され、前記所定の端末からのアクセスに基づいて、前記運転計画を修正可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の空調運転管理システム。
- 前記運転計画設定手段は、利用者により、前記運転区域毎に個別に設けられた操作パネルを用いて前記運転時間及び前記運転条件の少なくとも一方が変更され、前記運転計画への設定反映指示操作が実施された場合に、当該運転計画を修正することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の空調運転管理システム。
- 請求項1から請求項10のいずれかに記載の空調運転管理システムの各手段をコンピュータ上で各別に実現可能なプログラムを備えてなる空調運転管理プログラム。
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