JP2014089766A - 省エネ診断装置およびそれを用いた省エネ診断システム - Google Patents

省エネ診断装置およびそれを用いた省エネ診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を容易に確認可能な省エネルギ診断装置およびそれを用いた省エネ診断システムを提供する。
【解決手段】比較評価部28は、スケジュール設定部25にてスケジュール制御情報が変更された時点を評価モードの開始時点とする。比較評価部28は、評価モードが開始すると、評価モードの開始時点よりも前の一定期間(たとえば日、週、月、年単位)分の使用情報を基準データとし、開始時点よりも後の一定期間分の使用情報を実績データとして両者を比較する。比較評価部28は、比較結果を表示管理部22に出力して利用者端末3に表示させることにより、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を利用者端末3に表示させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の制御対象の各動作によって発生する資源の使用時間を監視する省エネ診断装置およびそれを用いた省エネ診断システムに関する。
従来から、複数の制御対象を制御するコントローラは種々提案されている。このようなコントローラは、予め決められたスケジュール制御情報に従って、所定時刻になると制御コマンドを各制御対象に出力することによって、制御対象を動作させたり、制御対象の動作を停止させたりする。このようなコントローラは、各制御対象との通信に時分割多重伝送方式を用いており、複数の制御対象と順に通信することによって、制御対象を動作させるための制御コマンドを送信したり、制御対象の状態を取得したりすることができる。
また、近年、資源の省エネルギ化の取り組みが建物や施設単位でも活発になっている。資源の省エネルギ化の取り組みとしては、資源の一つである電力の使用が許可されている期間(使用許可期間)を設定することが考えられる。使用許可期間が設定された場合、制御対象の電力使用時間を監視する省エネ診断システムは、制御対象の動作による電力使用が使用許可期間内であるか否かを判定し、判定結果に基づいて、電力使用を、使用許可期間であるか否かを区別して表示する。これにより、利用者に対して、使用許可期間以外での制御対象の動作による資源の使用をやめさせて、使用許可期間での使用を促進することができる。
さらに、上述したようなコントローラを用いれば、利用者は、省エネ診断システムの表示に従って、使用許可期間以外で資源が使用されている場合に、使用時間が使用許可期間内に収まるようにスケジュール制御情報を変更することも可能である。その結果、使用許可期間以外での制御対象の動作による資源の使用がなくなり、資源の省エネルギ化を図ることができる。このように利用者がコントローラを用いてスケジュール制御情報を変更した場合、スケジュール制御情報の変更によりどの程度の省エネルギ化の効果があったのかを利用者に確認させることができれば、利用者に対して、更なる省エネルギ化を促進することができる。
これに対して、制御対象(電気機器)による電力使用量(電気使用量)のデータを時系列で逐次記憶し、異なる一定期間における電力使用量を比較して表示することにより、省エネルギ化の効果を確認可能としたシステムが考えられている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1記載のシステムでは、利用者により比較結果を要求するための操作が為された時点から一定期間が経過した時点で、操作時点の前の一定期間における電力使用量と、操作時点の後の一定期間における電力使用量とが比較される。
特開2008−202985号公報
しかし、特許文献1の構成では、利用者は比較結果を要求する操作を行った時点の前後で電気使用量がどのように変化したのかを把握できるものの、スケジュール制御情報の変更に伴う電力使用量の変化を確認することはできない。すなわち、利用者がコントローラを用いてスケジュール制御情報を変更したとしても、その後の利用者の操作に応じて表示される比較結果は、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を直接表すものではない。
なお、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を確認する方法として、利用者が、スケジュール制御情報の変更前の資源の使用時間のデータを予め記録しておいて、スケジュール制御情報の変更後のデータと比較し、比較結果を評価することも考えられる。ただし、この方法では、利用者にとって省エネルギ化の効果を確認することは簡単でないため、スケジュール制御情報を変更したことによる効果を利用者に確認させて更なる省エネルギ化を促進することは難しい。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を容易に確認可能な省エネルギ診断装置およびそれを用いた省エネ診断システムを提供することを目的とする。
本発明の省エネ診断装置は、複数の制御対象の各動作によって発生する資源の使用時間を監視する省エネ診断システムであって、予め決められたスケジュール制御情報に従って所定時刻になると制御コマンドを前記制御対象に出力することによって複数の前記制御対象の動作を制御する制御部と、前記資源の使用状態に関する情報を使用情報として定期的に取得する情報取得部と、前記使用情報を当該使用情報が取得された日時と対応付けて時系列に記憶する情報記憶部と、前記制御部において前記制御対象の制御に用いられる前記スケジュール制御情報を設定するスケジュール設定部と、評価モードに設定されると前記評価モードの開始時点の前後で前記使用情報を比較する比較評価部とを備え、前記比較評価部は、前記スケジュール設定部により前記スケジュール制御情報が変更された時点を前記評価モードの前記開始時点とし、前記開始時点より前の一定期間分の前記使用情報を基準データとし、前記開始時点より後の前記一定期間分の前記使用情報を実績データとして前記実績データと前記基準データとを比較することを特徴とする。
この省エネ診断装置において、前記比較評価部は、前記情報記憶部に記憶されている前記使用情報から、前記資源の使用時間が平常時と異なる特日の前記使用情報を除いて前記基準データを生成することが望ましい。
この省エネ診断装置において、前記情報記憶部は、前記使用情報と共に、当該使用情報が取得された日が前記特日か否かを表す特日情報を記憶することがより望ましい。
この省エネ診断装置において、前記比較評価部は、前記情報記憶部に記憶されている前記使用情報から、データが欠損している前記使用情報を除いて前記基準データを生成することがより望ましい。
この省エネ診断装置において、前記スケジュール設定部は、前記資源の使用時間を減らすように前記スケジュール制御情報が変更された場合に、前記評価モードを自動的に開始することがより望ましい。
この省エネ診断装置において、前記比較評価部は、前記実績データが取得された季節と同じ季節の前記使用情報を前記基準データとすることがより望ましい。
本発明の省エネ診断システムは、上記の省エネ診断装置と、前記比較評価部による比較結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
本発明は、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を容易に確認可能になるという利点がある。
実施形態1に係る省エネ診断システムについて、(a)は全体構成を示す概略図、(b)はコントローラの構成を示す概略ブロック図である。 同上に係る利用者端末の表示画面を示す図である。 同上に係る利用者端末の他の表示画面を示す図である。 同上に係る利用者端末のさらに他の表示画面を示す図である。 同上の説明に用いるカレンダを表す図である。 同上の説明に用いるカレンダを表す図である。 同上の説明に用いるカレンダを表す図である。 同上の動作を示すシーケンス図である。 同上のコントローラの動作を示すシーケンス図である。
(実施形態1)
本実施形態の省エネ診断システムは、複数の制御対象の各動作によって発生する資源の使用時間を監視するシステムである。以下、一例として省エネ診断システムがスーパーマーケットのような店舗に用いられており、資源が電力である場合について説明する。
この省エネ診断システム1は、図1(a)に示すように、省エネ診断装置としてのコントローラ2と、利用者端末3とを備えている。省エネ診断システム1には、設備システム5が接続されている。
設備システム5は、複数の制御対象51から構成されている。各制御対象51は、リレーを具備する制御端末器52と照明負荷53との組み合わせである。各照明負荷53は、制御端末器52のリレーのオンオフにしたがって点灯および消灯を行う。なお、ここでは設備システム5の制御対象51として照明負荷53が用いられているが、照明負荷53以外の負荷、たとえば空調設備などが制御対象として用いられていてもよい。
利用者端末3は、たとえば店舗管理者が管理するパーソナルコンピュータなどのコンピュータであり、表示画面31を備えている。詳しくは後述するが、利用者端末3は、コントローラ2で収集された各照明負荷53の点灯状態を、たとえばWebブラウザなどで表示画面31に表示する。
コントローラ2は、図1(b)に示すように、端末側通信部21と、表示管理部22と、制御部23と、負荷側通信部24と、スケジュール設定部25と、記憶部26と、情報取得部27と、比較評価部28と、タイマ29とを備えている。コントローラ2は、時分割多重伝送方式によって、各制御対象51の制御端末器52との間で通信する。なお、コントローラ2および複数の制御端末器52に対してローカル制御コントローラ(図示せず)が接続され、コントローラ2−制御端末器52間のデータの授受をローカル制御コントローラにて集中的に管理するシステム構成が採用されていてもよい。
制御部23は、予め設定されたスケジュール制御情報で指定した制御端末器52のリレーをオンオフ制御して照明負荷53を点灯制御する。スケジュール制御情報は、記憶部26のうち、スケジュール記憶部を構成する設定保持領域に予め設定されている。スケジュール制御情報は、指定時刻と制御対象と制御内容(リレーのオン、オフ)とを互いに対応付けて1組とする情報である。
すなわち、制御部23は、記憶部26内のスケジュール制御情報に従って、タイマ29が計時する現在時刻が指定時刻(所定時刻)になると、制御内容に応じて対象の制御端末器52のリレーのオンオフを切り替えるための制御コマンドを生成する。制御コマンドは、電力の使用開始または使用終了となる動作を制御対象51に実行させるためのコマンドである。制御コマンドを生成した制御部23は、負荷側通信部24を用いて対象の制御端末器52に制御コマンドを送信する。これにより、制御対象51は、スケジュール制御情報に従って動作が制御される。
情報取得部27は、負荷側通信部24を用いて各制御端末器52と定期的に通信することによって、各制御端末器52から各リレーのオンオフ状態を定期的に取得する。つまり、情報取得部27は、定期的に各制御端末器52のオンオフ状態の情報を取得し、各リレーのオンオフ状態を定常的に監視している。
制御端末器52のリレーのオンオフ状態は、照明負荷53の点灯状態と連動しているから、情報取得部27は、各リレーのオンオフ状態を監視することによって、各照明負荷53の点灯状態を監視することになる。これにより、情報取得部27は、各制御対象51の動作による電力の使用状態に関する情報を使用情報として定期的に取得し、各制御対象51の電力使用時間を監視することができる。
取得された使用情報は、記憶部26のうち、情報記憶部を構成するデータ保持領域に取得された日時の情報と対応付けて制御対象51ごとに時系列に記憶される。
また、情報取得部27は、各制御端末器52から収集した各リレーのオンオフ状態つまり各照明負荷53の点灯状態の情報を表示管理部22に出力する。
表示管理部22は、各制御端末器52のリレーのオンオフ状態の情報が制御部23から入力されると、各リレーのオンオフ状態の情報を利用者端末3で表示させるためのデータを生成する。表示管理部22は、端末側通信部21を用いて、生成したデータを利用者端末3に送信する。
端末側通信部21は、イーサネット(登録商標)を用いて外部ネットワークであるインターネット6に接続されており、同様にインターネット6に接続されている利用者端末3との間で通信可能に構成されている。これにより、表示管理部22は、インターネット6を介して利用者端末3から要求を受け、生成したデータを利用者端末3の表示画面31上に表示させる。
ここで、表示管理部22は、電力の使用が予め許可されている期間を使用許可期間とし、取得した使用情報に対応する電力の使用が使用許可期間内であるか否かを区別して利用者端末3に表示させることができる。使用許可期間は、制御対象51ごとに予め予め設定され、記憶部26の設定保持領域に記憶されている。
つまり、利用者端末3は、情報取得部27が取得した使用情報を用いて、図2に示すように電力の使用時間を、使用許可期間内であるか否かを区別して表示する。なお、図2において32は使用許可期間での使用を表わし、33は使用許可期間外での使用を表わしている。
利用者端末3は、所定期間(たとえば10分間)ごとに電力の使用状態を表示する。たとえば所定期間が10分間である場合、所定期間である10分間のうち少し(たとえば1分間)でも電力が使用されていれば、利用者端末3には、対象の所定期間の全体で電力が使用されたように表示される。つまり、少しの時間しか電力が使用されなかった場合も、10分間継続して電力が使用された場合も、利用者端末3には、対象の所定期間の箇所に同じように表示される。
スケジュール設定部25は、制御部23にて制御対象51の制御に用いられるスケジュール制御情報を設定する機能を持つ。本実施形態では、スケジュール設定部25は、図2に示すような利用者端末3の表示画面31上で設定されたスケジュール制御情報を、記憶部26に反映するように構成されている。
すなわち、図2においては、各制御対象51ごとにオンする指定時刻を表すオン制御点34と、オフする指定時刻を表すオフ制御点35とでスケジュール制御情報が設定されている。これにより、制御部23は、各制御対象51をオン制御点34とオフ制御点35との間の期間にオン状態(点灯状態)に制御する。
オン制御点34、オフ制御点35は、利用者端末3の表示画面31上で、マウス等を用いて時間軸方向にスライド可能であり、これらの制御点の位置を調節することによってスケジュール制御情報が調節する。スケジュール設定部25は、表示画面31上の登録ボタン(図示せず)が押下されると、その時点でのオン制御点34、オフ制御点35の位置に従って記憶部26内のスケジュール制御情報を更新する。
このようにスケジュール設定部25を設けたことにより、利用者は利用者端末3において電力の使用が使用許可期間内に収まっているか否かを確認しながら、簡単にスケジュール制御情報を変更することが可能である。なお、スケジュール制御情報の変更方法は上述した方法に限るものではなく、たとえば図2の下段に表示されている表中でスケジュール制御の開始、終了の各時刻をキーボードで入力する方法であってもよい。
比較評価部28は、評価モードに設定されると評価モードの開始時点の前後で電力の使用時間を比較する機能を持つ。比較評価部28での比較結果は表示管理部22に出力され、端末側通信部21により利用者端末3に送信されて表示画面31上に表示される。つまり、利用者端末3は、比較評価部28による比較結果を表示する表示部としての機能を有する。
本実施形態の省エネ診断システム1においては、比較評価部28は、スケジュール設定部25にてスケジュール制御情報が変更された時点を評価モードの開始時点とする。具体的には、表示管理部22は、表示画面31上でオン制御点34、オフ制御点35の位置が調節され、登録ボタンが押下されてスケジュール制御情報が変更されたとき、図3に示すようなダイアログを表示画面31上に表示させる。
図3に例示するダイアログは、評価モード(以下、「エコチャレンジ」ともいう)を実施するか否かを確認する画面であって、制御対象(負荷ポイント名称)51ごとに実施するか否かを確認するためのチェック欄36を有している。このとき、いずれかのチェック欄36にチェックが付けられた状態で登録ボタン37が押下されると、比較評価部28は、チェックが付けられた制御対象51について評価モード(エコチャレンジ)を開始する。評価モードが開始された日時は、記憶部26の設定保持領域に記憶される。
比較評価部28は、評価モードが開始すると、評価モードの開始時点よりも前の一定期間(たとえば日、週、月、年単位)分の使用情報を基準データとし、開始時点よりも後の一定期間分の使用情報を実績データとして両者を比較する。ここで、比較評価部28は、使用情報が時系列に記憶されている記憶部26のデータ保持領域から、基準データの対象となる期間分の使用情報を読み出して基準データとし、実績データの対象となる期間分の使用情報を読み出して実績データとする。
たとえば、評価モードの基準データとなる一定期間が1週間に設定されている場合、比較評価部28は、評価モードの開始日の1週間前から評価モードの開始日の前日までの1週間分の使用情報を基準データとする。この場合、比較評価部28は、評価モードの開始日以降の1週間分の使用情報を実績データとして、この実績データと基準データとを比較し、その比較結果を利用者端末3に表示させる。
これにより、利用者端末3は、たとえば図4に示すように、制御対象51を表す負荷ポイント41と、評価モードの開始日を表すチャレンジ設定日42と、比較結果43と、比率44とを制御対象51ごとに表にして表示する。なお、図4では1つの制御対象51についてのみ比較結果43等が表示されているが、実際には、複数の制御対象51のそれぞれについて同様に比較結果43等が表示される。
比較結果43は、基準データに対応する電力使用時間を基準時間、実績データに対応する電力使用時間を実績時間として、実績時間/基準時間の形式で表示される。比率44は、基準データが表す電力使用時間に対する実績データが表す電力使用時間の割合を数値で表している。さらにチャレンジ設定日42の横には評価モードを実施中か否かを示すチャレンジマーク45が表示され、比率44の横には電力使用時間の増減を表す増減表示46が表示されている。
比率44は実績時間を基準時間で除することにより算出され、ここでは百分率(%)表示されている。つまり、実績時間が基準時間よりも減少していれば比率44は100(%)未満となり、逆に実績時間が基準時間よりも増加していれば比率44は100(%)を超える値となる。
ここで、比較評価部28は、比率44の算出時において最下位(小数点第1位)の値を切り上げる。これにより、実績時間が基準時間よりも短く、たとえば実績時間/基準時間=97.5(%)となる場合、表示される比率44は98(%)となるため、利用者にとってはエネルギが過剰に削減されて見えることがない。一方、実績時間が基準時間よりも長く、たとえば実績時間/基準時間=103.4(%)となる場合、表示される比率44は104(%)となるため、利用者にとっては電力使用時間の増加分が少なく見積もられることはない。要するに、比率44の算出時における最下位の値が切り捨てあるいは四捨五入される場合に比べると、利用者に省エネルギ化の効果が過剰に見られたり、電力使用時間の増加分が少なく見られたりすることがないという利点がある。
増減表示46は、評価モードの開始時点の前後での電力使用時間の増減を矢印の向きにより表す。ここで、増減表示46の向きを決めるための閾値が比率44に対して設定されており、閾値はたとえば100(%)の±3(%)に設定されている。この場合、増減表示46は、比率44が103(%)より大きければ電力使用時間の増加を示す上向きの矢印となり、比率44が97(%)より大きければ電力使用時間の減少をしめす下向きの矢印となる。比率44が100±3(%)の範囲内にあれば、増減表示46は横向き(右向き)の矢印となる。コントローラ2は、増減表示46の向きを決めるための閾値が利用者端末3からの操作入力により任意に設定できる構成であってもよい。
すなわち、利用者は、利用者端末3の表示画面31上で図4のような表示を確認することにより、評価モードの開始時点の前後において、電力使用時間がどのように変化したかを確認することができる。ここで、表示モードの開始時点はスケジュール制御情報の変更時点であるので、結果的に、利用者はスケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を確認することができる。しかも、比率44は省エネルギ化の効果を定量的に表し、増減表示46は省エネルギ化の効果を定性的に表しているため、利用者にとって省エネルギ化の効果を理解しやすいという利点がある。
また、図4では制御対象51ごとに実績データと基準データとが比較され、比較結果が表示される例を示したが、複数の制御対象51をグループとして、グループごとに実績データと基準データとが比較され、比較結果が表示される構成であってもよい。グループは、たとえば同一エリアに設置されている複数の制御対象51を1グループとするように予め設定され、グループごとに付加されたグループ名(たとえば「売り場エリア」など)によって指定される。
なお、同一の制御対象51について、評価モードの設定が複数回為された場合には、比較評価部28は、最新の評価モードの開始時点の前後で電力使用時間の比較を行う。
次に、比較評価部28で比較される基準データと実施データとの関係について詳しく説明する。
通常、1週間分の電力使用時間を比較する場合、比較結果の閲覧日の1週間前から前日までの1週間分の電力使用時間を実施データとし、そのさらに1週間前の1週間分の電力使用時間を基準データとして両者を比較することが一般的である。
つまり、図5に示すように、比較結果の閲覧日D1が6月4日であって5月28日〜6月3日の1週間が実施データの取得期間D2となるならば、その前週に当たる5月21日〜5月27日の1週間が基準データの取得期間D3となる。同様に、1日分の電力使用時間を比較する場合、6月3日を実施データの取得期間D4とすれば、その1週前の5月27日が基準データの取得期間D5となり、5月29日を実施データの取得期間D4とすれば5月22日が基準データの取得期間D5となる。
これに対し本実施形態では、1週間分の電力使用時間を比較する場合、比較評価部28は、比較結果(図4参照)の閲覧日に関わらず、評価モードの開始日の1週間前から評価モードの開始日の前日までの1週間分の電力使用時間を基準データとする。
つまり、図6に示すように、評価モードの開始日D0が5月28日であれば、比較結果の閲覧日D1によらず、開始日D0の前週に当たる5月21日〜5月27日の1週間が基準データの取得期間D3となる。一方、比較結果の閲覧日D1が6月16日であれば、その前週の6月9日〜6月15日の1週間が実施データの取得期間D2となる。同様に、1日分の電力使用時間を比較する場合、6月10日を実施データの取得期間D4とすれば、評価モードの開始日(5月28日)D0より前で6月10日と同じ曜日である5月27日が基準データの取得期間D5となる。また、6月15日を実施データの取得期間D4とすれば、評価モードの開始日(5月28日)D0より前で6月15日と同じ曜日である5月25日が基準データの取得期間D5となる。
なお、評価モードの継続期間D6の長さは予め設定されており、図6の例では評価モードの開始日D0から4週間後の6月25日が評価モードの終了日D7となる。比較評価部28は、評価モードの継続期間D6内の任意の期間を実施データの取得期間とすることが可能である。
また、比較評価部28は、評価モードに設定されている間に図6に示すようなルールで動作し、評価モードに設定されていない間には図5に示すような一般的なルールで基準データ、実施データを生成する通常モードで動作する構成であってもよい。この場合、利用者は、スケジュール制御情報の変更時に、図3に示すようなダイアログでチェック欄36にチェックを付けるか否かにより、比較評価部28を評価モードと通常モードとのどちらで動作させるかを選択することができる。
ところで、基準データとなる使用情報に、特日(たとえば店舗の休業日や、営業時間が平常時とは異なる日など)の使用情報やデータが欠損している使用情報が含まれている場合、基準データの信頼性が低くなる。データの欠損は、たとえばコントローラ2と制御端末器52との間の通信エラーや停電などによるシステムの停止に起因して生じ得る。すなわち、特日やデータに欠損が生じた日の電力使用時間は、平常時の電力使用時間とは大きく異なるため、基準データは、このような特日やデータが欠損している期間の使用情報を除いて生成されることが望ましい。
そこで本実施形態では、比較評価部28は、記憶部26に記憶されている使用情報から、特日の使用情報およびデータが欠損している使用情報を除いて基準データを生成する。具体的に説明すると、比較評価部28は、基準データの取得対象となる日(以下、「デフォルト日」という)が特日あるいはデータの欠損が生じた日であれば、その1週間前に遡って基準データを取得する。また、デフォルト日の1週間前も特日あるいはデータの欠損が生じた日であれば、比較評価部28は、さらにその1週間前に遡って基準データを取得する。
比較評価部28は、同様の動作を所定の上限回数繰り返すことにより、特日およびデータの欠損が生じた日の使用情報を除いて基準データを生成する。なお、繰り返しの上限回数は、記憶部26のデータ保持領域に記憶可能な使用情報の日数によって決められている。
たとえば、図7に示すように比較結果の閲覧日D1が5月28日であってその前日の5月27日が実施データの取得期間D5となる場合、その1週前の5月20日がデフォルト日D8となる。デフォルト日D8が特日あるいはデータの欠損が生じた日であれば、比較評価部28は、さらにその1週間前の5月13日の使用情報を用いて基準データとする。5月13日も特日あるいはデータの欠損が生じた日であれば、比較評価部28は、さらに1週間前の5月6日、4月29日に順次遡って基準データを取得する。
ただし、デフォルト日から上限回数まで遡った日がいずれも特日であれば、比較評価部28は、デフォルト日の使用情報を基準データとし、基準データが特日の情報であることを表す特日フラグをセットする。また、デフォルト日から上限回数まで遡った日がいずれもデータの欠損が生じた日であれば、比較評価部28は、対象日なしとして基準データを生成せず、エラーフラグをセットする。
比較評価部28は、特日フラグあるいはエラーフラグがセットされている場合、上述した比率44と増減表示46との少なくとも一方について、異常値であることを示す警告表示を利用者端末3に行わせる。具体的には、比較評価部28は、比率44および増減表示46を正常時とは異なる色で表示したり、「−」を表示したりすることにより警告表示を行う。これにより、信頼性の低いデータを利用者がそのまま信用することにより、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果が利用者に誤って認識されることを回避できる。
なお、比較評価部28は、特日の使用情報とデータが欠損している使用情報との両方を除いて基準データを生成する構成に限らず、特日の使用情報と、データが欠損している使用情報とのいずれか一方のみを除いて基準データを生成する構成であってもよい。
また、本実施形態では、情報取得部27が使用情報を取得した日が特日か否かを表す特日情報が、記憶部26のデータ保持領域に対して使用情報と共に記憶されている。これにより、比較評価部28は、記憶部26に記憶されている特日情報によって特日か否かを判断することができるので、特日の使用情報を除いて基準データを生成する処理が簡単になる。
ここで、記憶部26の設定保持領域には特日が日付や曜日と対応付けて設定されたカレンダ情報が予め記憶されており、比較評価部28は、このカレンダ情報を用いても使用情報に対応する日付が特日か否か判断可能である。ただし、比較評価部28は、記憶部26に記憶されている特日情報を用いて特日か否かを判断した方が、カレンダ情報が変更された場合でも特日か否かを正しく判断できるという利点がある。たとえば以前は店舗の休業日が毎月10日であったが、店舗の休業日が毎月20日に変更された場合、比較評価部28は、休業日の変更前の10日に取得された使用情報についても、対応する特日情報から特日と正しく判断できる。
次に、本実施形態に係る省エネ診断システム1の動作について図8を参照して説明する。
まず、利用者端末3は、利用者からの操作入力を受け、スケジュール制御情報のオン制御点34、オフ制御点35を含むスケジュールチャート(図2参照)を表示画面31に表示させる(S1)。このとき、利用者端末3は、コントローラ2に対して上記表示を行うためのデータを要求し、コントローラ2からの返信を受ける。
利用者端末3は、スケジュールチャートを表示した状態で、利用者からの操作入力を受けてスケジュール制御情報の変更(改善)を行い(S2)、変更内容をコントローラ2に送信して登録する(S3)。このとき、利用者端末3はダイアログ(図3参照)を表示し、エコチャレンジ(評価モード)を実施するか否かを利用者に選択させ、その結果をコントローラ2に送信する(S4)。
エコチャレンジの実施が選択された場合(S5)、利用者端末3からコントローラ2にエコチャレンジを開始させるための登録設定コマンドが送信される。エコチャレンジの非実施が選択された場合(S6)、利用者端末3からコントローラ2にエコチャレンジを終了させるための解除設定コマンドが送信される。
その後、利用者端末3は、利用者からの操作入力を受け、図4に例示したようなエコチャレンジによる比較評価部28の比較結果を表す省エネフロント画面を表示画面31に表示する(S7)。このとき、利用者端末3は、コントローラ2に対して上記表示を行うためのデータを要求し、コントローラ2からの返信を受ける。コントローラ2は、利用者端末3からデータの要求を受け、制御対象51ごとにエコチャレンジの実施の有無を判定し(S8)、利用者端末3に表示させるデータを整理する(S9)。
これにより、利用者は、利用者端末3の表示画面上でエコチャレンジによる比較評価部28の比較結果を確認することにより、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を確認することができる(S10)。なお、省エネルギ化の効果があれば、そのままのスケジュール制御情報を用いればよいが、省エネルギ化の効果がなければ、さらに処理S1に戻ってさらにスケジュール制御情報を変更させることが望ましい。
次に、コントローラ2が利用者端末3からデータの要求を受けて行う処理S8,S9の詳細について図9を参照して説明する。
まず、比較評価部28は、記憶部26の設定保持領域から、エコチャレンジが開始された日付を読み出し(S11)、記憶部26のデータ保持領域から、実績データとなる使用情報を読み出す(S12)。また、比較評価部28は、エコチャレンジの開始日に基づいて、記憶部26のデータ保持領域から、基準データとなる使用情報を読み出す(S13)。このとき、比較評価部28は、基準データとなる使用情報に、特日の使用情報あるいはデータが欠損している使用情報が含まれているか確認し、含まれていれば所定期間前に遡って基準データを取得する(S14)。
実績データ(Result)と基準データ(Standard)とが取得されると、比較評価部28は両者の比率(実績データ/基準データ)を計算し(S15)、計算結果を利用者端末3に送信する(S16)。
以上説明した構成によれば、本実施形態の省エネ診断システム1では、比較評価部28は、スケジュール制御情報が変更された時点を評価モードの開始時点とし、評価モードの開始時点であるスケジュール制御情報の変更時点の前後で電力使用時間を比較する。すなわち、比較評価部28は、比較結果の閲覧日にかかわらず、スケジュール制御情報の変更時点より前の一定期間分の使用情報を基準データとして用いる。したがって、利用者は利用者端末3の表示画面31上で、評価モードの開始時点の前後において電力使用時間がどのように変化したかを確認することにより、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を容易に確認することができる。
また、比較評価部28は、記憶部26に記憶されている使用情報から、特日の使用情報およびデータが欠損している使用情報を除いて基準データを生成するので、平常時の電力使用時間と大きく異なる使用情報が基準データに反映されることがない。その結果、基準データの信頼性が高くなり、比較評価部28の比較結果の信頼性も向上する。
ところで、本実施形態では、図3のようなダイアログにおいてチェック欄36にチェックが付けられた状態で登録ボタン37が押下されると、評価モードが開始する例を示したが、省エネ診断システム1は自動で評価モードが開始する構成であってもよい。すなわち、スケジュール設定部25は、電力使用時間を減らすようにスケジュール制御情報が変更された場合に、図3のようなダイアログを表示するまでもなく、スケジュール制御情報が変更された制御対象51について評価モードを自動的に開始する。スケジュール制御情報が電力使用時間を減らすように変更された場合とは、たとえばオン制御点34が遅らされた場合、オフ制御点35が早められた場合、制御対象51のオフ期間が増えた場合などである。
このように自動的に評価モードが開始する構成とすることにより、スケジュール制御情報が電力使用時間を減らすように変更された場合には、利用者が意識することなく、スケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を利用者に確認させることができる。
また、比較評価部28は、実績データが取得された日付に応じて、この日付と同じ季節に属する期間の中から基準データを取得する構成であってもよい。これにより、たとえば屋外の照明負荷のように季節によって稼働時間が変化する負荷に関しても、比較評価部28によりスケジュール制御情報の変更に伴う省エネルギ化の効果を精度よく求めることができる。
なお、省エネ診断システム1の監視対象となる資源は、電力(電気量)に限らず、水やガス、熱であってもよい。たとえば、資源が水、ガスの場合、オフィスや店舗等の建物内のエリア毎に水、ガスを供給する水道管、ガス管が配設されている。そして、この水道管、ガス管に水、ガスの流路を開閉するバルブを設置し、このバルブの開閉状態を監視することによって、水、ガスの使用状態(使用/不使用)を監視できる。また、資源が熱の場合も、熱媒体の流路を開閉するバルブを設置し、このバルブの開閉状態を監視することによって、熱の使用状態(使用/不使用)を監視できる。
1 省エネ診断システム
2 コントローラ(省エネ診断装置)
3 利用者端末(表示部)
22 表示管理部
23 制御部
25 スケジュール設定部
26 記憶部(情報記憶部)
27 情報取得部
28 比較評価部

Claims (7)

  1. 複数の制御対象の各動作によって発生する資源の使用時間を監視する省エネ診断装置であって、予め決められたスケジュール制御情報に従って所定時刻になると制御コマンドを前記制御対象に出力することによって複数の前記制御対象の動作を制御する制御部と、前記資源の使用状態に関する情報を使用情報として定期的に取得する情報取得部と、前記使用情報を当該使用情報が取得された日時と対応付けて時系列に記憶する情報記憶部と、前記制御部において前記制御対象の制御に用いられる前記スケジュール制御情報を設定するスケジュール設定部と、評価モードに設定されると前記評価モードの開始時点の前後で前記使用情報を比較する比較評価部とを備え、前記比較評価部は、前記スケジュール設定部により前記スケジュール制御情報が変更された時点を前記評価モードの前記開始時点とし、前記開始時点より前の一定期間分の前記使用情報を基準データとし、前記開始時点より後の前記一定期間分の前記使用情報を実績データとして前記実績データと前記基準データとを比較することを特徴とする省エネ診断装置。
  2. 前記比較評価部は、前記情報記憶部に記憶されている前記使用情報から、前記資源の使用時間が平常時と異なる特日の前記使用情報を除いて前記基準データを生成することを特徴とする請求項1に記載の省エネ診断装置。
  3. 前記情報記憶部は、前記使用情報と共に、当該使用情報が取得された日が前記特日か否かを表す特日情報を記憶することを特徴とする請求項2に記載の省エネ診断装置。
  4. 前記比較評価部は、前記情報記憶部に記憶されている前記使用情報から、データが欠損している前記使用情報を除いて前記基準データを生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の省エネ診断装置。
  5. 前記スケジュール設定部は、前記資源の使用時間を減らすように前記スケジュール制御情報が変更された場合に、前記評価モードを自動的に開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の省エネ診断装置。
  6. 前記比較評価部は、前記実績データが取得された季節と同じ季節の前記使用情報を前記基準データとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の省エネ診断装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の省エネ診断装置と、前記比較評価部による比較結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする省エネ診断システム。
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