JP2004116394A - ディーゼルエンジンの燃料調量装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポンプ収容ケース1のケース壁3に始動増量制限具4を取り付け、燃料調量部7を受け止めて、燃料調量部7の始動増量を制限し、エンジン機体温度が所定温度よりも低い寒冷下冷機始動時には、始動増量制限具4による制限を解除して、燃料調量部7を最大始動増量位置8に位置させるようにした、ディーゼルエンジンの燃料調量装置において、感温作動具5の感温部5aをポンプ収容ケース1の内側に位置させることにより、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時には、始動増量制限具4で、燃料調量部7を最大始動増量位置8よりも燃料噴射量が少なくなる始動増量制限位置9に位置させるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料調量装置。
【効果】寒冷下再始動時に、始動に不要な燃料が噴射されることがない。このため、燃料消費量や黒煙の発生量の不要な増加を抑制することができる
【選択図】 図1
【効果】寒冷下再始動時に、始動に不要な燃料が噴射されることがない。このため、燃料消費量や黒煙の発生量の不要な増加を抑制することができる
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの燃料調量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジンの燃料調量装置として、特開平10−196407号に開示されたものがある。
これは、図3に示すように、本発明と同様、次の構成を備えている。すなわち、ポンプ収容ケース(51)に燃料噴射ポンプ(52)を収容し、このポンプ収容ケース(51)のケース壁(53)に始動増量制限具(54)を取り付け、この始動増量制限具(54)に感温作動具(55)と出力部(56)とを設け、出力部(56)を燃料噴射ポンプ(52)の燃料調量部(57)にその燃料増量側から臨ませ、感温作動具(55)で出力部(56)の位置を調節し、出力部(56)で燃料調量部(57)を受け止めて、燃料調量部(57)の始動増量を制限し、エンジン機体温度が所定温度よりも低い寒冷下冷機始動時には、始動増量制限具(54)による制限を解除して、燃料調量部(57)が最大始動増量位置(58)に位置させるようにしている。
しかし、この従来技術では、感温作動具(55)の感温部をポンプ収容ケース(51)の外側に位置させている。また、ポンプ収容ケース(51)の出力部(56)の初期位置を調節できる構造になっていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、次の問題がある。
《問題1》 寒冷下再始動時に、始動に不要な燃料が噴射される。
感温作動具(55)の感温部をポンプ収容ケース(51)の外側に位置させているため、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時には、エンジン機体温度が高いにも拘らず、感温作動具(55)の感温部の温度が急速に低下し、始動増量制限具(54)による制限を解除して、燃料調量部(57)を最大始動増量位置(58)に位置させることになり、始動に不要な燃料が噴射される。このため、燃料消費量や黒煙の発生量が不要に多くなる。
【0004】
《問題2》 エンジンの個体差に応じた始動増量制限具の調節を行えない。
ポンプ収容ケース(51)の出力部(56)の初期位置を調節できる構造になっていないため、製造誤差や組付誤差によるエンジンの個体差に応じた始動増量制限具(54)の調節を行えない。
【0005】
本発明の課題は、上記問題点を解決できるディーゼルエンジンの燃料調量装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
図1に示すように、ポンプ収容ケース(1)に燃料噴射ポンプ(2)を収容し、このポンプ収容ケース(1)のケース壁(3)に始動増量制限具(4)を取り付け、この始動増量制限具(4)に感温作動具(5)と出力部(6)とを設け、出力部(6)を燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量部(7)にその燃料増量側から臨ませ、感温作動具(5)で出力部(6)の位置を調節し、出力部(6)で燃料調量部(7)を受け止めて、燃料調量部(7)の始動増量を制限し、
エンジン機体温度が所定温度よりも低い寒冷下冷機始動時には、始動増量制限具(4)による制限を解除して、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)に位置させるようにした、ディーゼルエンジンの燃料調量装置において、
感温作動具(5)の感温部(5a)をポンプ収容ケース(1)の内側に位置させることにより、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時には、始動増量制限具(4)で、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)よりも燃料噴射量が少なくなる始動増量制限位置(9)に位置させるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料調量装置。
【0007】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したディーゼルエンジンの燃料調量装置において、
図1に示すように、始動増量制限具(4)に調節手段(10)を設け、この調節手段(10)でポンプ収容ケース(1)の外側から出力部(6)の初期位置を調節できるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料調量装置。
【0008】
【発明の効果】
(請求項1の発明)
請求項1の発明は、次の効果を奏する。
《効果1》 寒冷下再始動時に、始動に不要な燃料が噴射されることがない。図1に示すように、感温作動具(5)の感温部(5a)をポンプ収容ケース(1)の内側に位置させることにより、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時には、感温作動具(5)の感温部(5a)の温度が急速に低下することがなく、エンジン機体温度を正確に反映して、始動増量制限具(4)で、燃料調量部(7)を始動増量制限位置(9)に位置させるため、寒冷下再始動時に、始動に不要な燃料が噴射されることがない。このため、燃料消費量や黒煙の発生量の不要な増加を抑制することができる。なお、ポンプ収容ケース(1)のケース壁(3)に始動増量制限具(4)を取り付けているため、ガバナレバー(15)に始動増量制限具を設ける場合のように、ガバナレバー(15)の慣性重量の増加がなく、ガバナの感度低下を引き起こすことはない。
【0009】
(請求項2の発明)
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果2》 エンジンの個体差に応じた始動増量制限具の調節が容易である。図1に示すように、調節手段(10)でポンプ収容ケース(1)の外側から出力部(6)の初期位置を調節できるため、製造誤差や組付誤差によるエンジンの個体差に応じた始動増量制限具(4)の調節が容易である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1と図2は本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料調量装置を説明する図である。
【0011】
燃料噴射装置の概要は、次の通りである。
図2に示すように、シリンダブロックと一体形成したポンプ収容ケース(1)にその上方から燃料噴射ポンプ(2)を差し込み、これをポンプ収容ケース(1)に収容している。燃料噴射ポンプ(1)の下部に燃料噴射カム軸(11)を架設し、その下方にガバナ軸(12)を架設している。ガバナ軸(12)にはガバナウェイト(13)を固定し、これにガバナスリーブ(14)を連携させている。ポンプ収容ケース(1)内にはガバナレバー(15)を収容している。ガバナレバー(15)は、第1レバー(15a)と第2レバー(15b)とからなり、第1レバー(15a)はガバナスプリング(16)を介して調速レバー(17)に連動連結させている。第1レバー(15a)にはその燃料増量(R)側から燃料制限ボルト(21)を臨ませている。第2レバー(15b)は第1レバー(15a)にその燃料増量(R)側から臨ませ、その下端のガバナ力入力部(18)をガバナスリーブ(14)に当接させ、その上端の出力部(19)は燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量部(6)である燃料調量ラックに連結させている。ガバナレバー(15)を構成する第1レバー(15a)と第2レバー(15b)は、ガバナスプリング(16)のバネ力とガバナ力(20)との不釣合い力により一体に揺動し、燃料調量部(6)を調量する。
【0012】
燃料噴射装置の始動増量手段の構成は、次の通りである。
第2レバー(15b)の出力部(19)は、スタートスプリング(22)で燃料増量(R)側に付勢され、ガバナ力(20)の発生していないエンジン始動時には、第1レバー(15a)は燃料制限ボルト(21)に受け止められているが、第2レバー(15b)の出力部(19)は燃料増量(R)側に偏倚しており、燃料調量部(6)を始動増量位置に位置させる。
【0013】
始動増量制限手段の構成は、次の通りである。
図1に示すように、ポンプ収容ケース(1)のケース壁(3)に始動増量制限具(4)を取り付け、この始動増量制限具(4)に感温作動具(5)と出力部(6)とを設け、出力部(6)を燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量部(7)にその燃料増量側から臨ませ、感温作動具(5)で出力部(6)の位置を調節し、出力部(6)で燃料調量部(7)を受け止めて、燃料調量部(7)の始動増量位置を制限し、エンジン機体温度が所定温度よりも低い寒冷下冷機始動時には、始動増量制限具(4)による制限を解除して、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)に位置させる。
【0014】
始動増量制限具(4)の具体的構造は、次の通りである。
筒形ケース(23)内に感温作動具(5)と出力部(6)と付勢バネ(24)とを収容し、筒形ケース(23)の外端壁(25)に調節手段(10)となる調節ボルト(26)を貫通させ、これを螺動により進退調節可能としている。感温作動具(5)は、感温部(5a)内にワックスを内蔵し、感温部(5a)から作動杆(5b)を突出させたもので、感温部(5a)の感知温度が所定温度よりも低い場合には、感温部(5a)内のワックスが固化して、作動杆(5b)が引き込み状態となり、感温部(5a)の感知温度が所定温度よりも高い場合には、感温部(5a)内のワックスが液化して、作動杆(5b)が押出し状態となる。出力部(6)は筒形ケース(23)の内端壁(27)を貫通させ、燃料調量部(7)の燃料増量(R)側の端面を受け止める。この出力部(6)は、付勢バネ(24)で引き込み方向に付勢している。感温作動具(5)は調節ボルト(26)と出力部(6)との間に配置され、感温部(5a)の感知温度が所定温度よりも低い寒冷下始動時には、作動杆(5b)が引き込み状態となり、出力部(6)の突出寸法が短くなり、燃料調量部(7)を最大始動増量(8)に位置させる。
【0015】
感温作動具(5)の配置は、次の通りである。
感温作動具(5)の感温部(5a)をポンプ収容ケース(1)の内側に位置させる。すなわち、筒形ケース(23)のうち、感温作動具(5)の感温部(5a)を収容した部分をポンプ収容ケース(1)内で露出させ、オイルミストと接触するようにしておく。これにより、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時にも、始動増量制限具(4)で、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)よりも燃料噴射量が少なくなる始動増量制限位置(9)に位置させる。なお、調節手段(10)となる調節ボルト(26)の進退調節により、ポンプ収容ケース(1)の外側から出力部(6)の初期位置を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料調量装置の要部縦断側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る燃料調量装置の縦断側面図である。
【図3】従来技術に係る燃料調量装置の要部縦断側面図である。
【符号の説明】
(1)…ポンプ収容ケース、(2)…燃料噴射ポンプ、(3)…ケース壁、(4)…始動増量制限具、(5)…感温作動具、(5a)…感温部、(6)…出力部、(7)…燃料調量部、(8)…最大始動増量位置、(9)…始動増量制限位置、(10)…調節手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの燃料調量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディーゼルエンジンの燃料調量装置として、特開平10−196407号に開示されたものがある。
これは、図3に示すように、本発明と同様、次の構成を備えている。すなわち、ポンプ収容ケース(51)に燃料噴射ポンプ(52)を収容し、このポンプ収容ケース(51)のケース壁(53)に始動増量制限具(54)を取り付け、この始動増量制限具(54)に感温作動具(55)と出力部(56)とを設け、出力部(56)を燃料噴射ポンプ(52)の燃料調量部(57)にその燃料増量側から臨ませ、感温作動具(55)で出力部(56)の位置を調節し、出力部(56)で燃料調量部(57)を受け止めて、燃料調量部(57)の始動増量を制限し、エンジン機体温度が所定温度よりも低い寒冷下冷機始動時には、始動増量制限具(54)による制限を解除して、燃料調量部(57)が最大始動増量位置(58)に位置させるようにしている。
しかし、この従来技術では、感温作動具(55)の感温部をポンプ収容ケース(51)の外側に位置させている。また、ポンプ収容ケース(51)の出力部(56)の初期位置を調節できる構造になっていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、次の問題がある。
《問題1》 寒冷下再始動時に、始動に不要な燃料が噴射される。
感温作動具(55)の感温部をポンプ収容ケース(51)の外側に位置させているため、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時には、エンジン機体温度が高いにも拘らず、感温作動具(55)の感温部の温度が急速に低下し、始動増量制限具(54)による制限を解除して、燃料調量部(57)を最大始動増量位置(58)に位置させることになり、始動に不要な燃料が噴射される。このため、燃料消費量や黒煙の発生量が不要に多くなる。
【0004】
《問題2》 エンジンの個体差に応じた始動増量制限具の調節を行えない。
ポンプ収容ケース(51)の出力部(56)の初期位置を調節できる構造になっていないため、製造誤差や組付誤差によるエンジンの個体差に応じた始動増量制限具(54)の調節を行えない。
【0005】
本発明の課題は、上記問題点を解決できるディーゼルエンジンの燃料調量装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
図1に示すように、ポンプ収容ケース(1)に燃料噴射ポンプ(2)を収容し、このポンプ収容ケース(1)のケース壁(3)に始動増量制限具(4)を取り付け、この始動増量制限具(4)に感温作動具(5)と出力部(6)とを設け、出力部(6)を燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量部(7)にその燃料増量側から臨ませ、感温作動具(5)で出力部(6)の位置を調節し、出力部(6)で燃料調量部(7)を受け止めて、燃料調量部(7)の始動増量を制限し、
エンジン機体温度が所定温度よりも低い寒冷下冷機始動時には、始動増量制限具(4)による制限を解除して、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)に位置させるようにした、ディーゼルエンジンの燃料調量装置において、
感温作動具(5)の感温部(5a)をポンプ収容ケース(1)の内側に位置させることにより、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時には、始動増量制限具(4)で、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)よりも燃料噴射量が少なくなる始動増量制限位置(9)に位置させるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料調量装置。
【0007】
(請求項2の発明)
請求項1に記載したディーゼルエンジンの燃料調量装置において、
図1に示すように、始動増量制限具(4)に調節手段(10)を設け、この調節手段(10)でポンプ収容ケース(1)の外側から出力部(6)の初期位置を調節できるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料調量装置。
【0008】
【発明の効果】
(請求項1の発明)
請求項1の発明は、次の効果を奏する。
《効果1》 寒冷下再始動時に、始動に不要な燃料が噴射されることがない。図1に示すように、感温作動具(5)の感温部(5a)をポンプ収容ケース(1)の内側に位置させることにより、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時には、感温作動具(5)の感温部(5a)の温度が急速に低下することがなく、エンジン機体温度を正確に反映して、始動増量制限具(4)で、燃料調量部(7)を始動増量制限位置(9)に位置させるため、寒冷下再始動時に、始動に不要な燃料が噴射されることがない。このため、燃料消費量や黒煙の発生量の不要な増加を抑制することができる。なお、ポンプ収容ケース(1)のケース壁(3)に始動増量制限具(4)を取り付けているため、ガバナレバー(15)に始動増量制限具を設ける場合のように、ガバナレバー(15)の慣性重量の増加がなく、ガバナの感度低下を引き起こすことはない。
【0009】
(請求項2の発明)
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果2》 エンジンの個体差に応じた始動増量制限具の調節が容易である。図1に示すように、調節手段(10)でポンプ収容ケース(1)の外側から出力部(6)の初期位置を調節できるため、製造誤差や組付誤差によるエンジンの個体差に応じた始動増量制限具(4)の調節が容易である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1と図2は本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの燃料調量装置を説明する図である。
【0011】
燃料噴射装置の概要は、次の通りである。
図2に示すように、シリンダブロックと一体形成したポンプ収容ケース(1)にその上方から燃料噴射ポンプ(2)を差し込み、これをポンプ収容ケース(1)に収容している。燃料噴射ポンプ(1)の下部に燃料噴射カム軸(11)を架設し、その下方にガバナ軸(12)を架設している。ガバナ軸(12)にはガバナウェイト(13)を固定し、これにガバナスリーブ(14)を連携させている。ポンプ収容ケース(1)内にはガバナレバー(15)を収容している。ガバナレバー(15)は、第1レバー(15a)と第2レバー(15b)とからなり、第1レバー(15a)はガバナスプリング(16)を介して調速レバー(17)に連動連結させている。第1レバー(15a)にはその燃料増量(R)側から燃料制限ボルト(21)を臨ませている。第2レバー(15b)は第1レバー(15a)にその燃料増量(R)側から臨ませ、その下端のガバナ力入力部(18)をガバナスリーブ(14)に当接させ、その上端の出力部(19)は燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量部(6)である燃料調量ラックに連結させている。ガバナレバー(15)を構成する第1レバー(15a)と第2レバー(15b)は、ガバナスプリング(16)のバネ力とガバナ力(20)との不釣合い力により一体に揺動し、燃料調量部(6)を調量する。
【0012】
燃料噴射装置の始動増量手段の構成は、次の通りである。
第2レバー(15b)の出力部(19)は、スタートスプリング(22)で燃料増量(R)側に付勢され、ガバナ力(20)の発生していないエンジン始動時には、第1レバー(15a)は燃料制限ボルト(21)に受け止められているが、第2レバー(15b)の出力部(19)は燃料増量(R)側に偏倚しており、燃料調量部(6)を始動増量位置に位置させる。
【0013】
始動増量制限手段の構成は、次の通りである。
図1に示すように、ポンプ収容ケース(1)のケース壁(3)に始動増量制限具(4)を取り付け、この始動増量制限具(4)に感温作動具(5)と出力部(6)とを設け、出力部(6)を燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量部(7)にその燃料増量側から臨ませ、感温作動具(5)で出力部(6)の位置を調節し、出力部(6)で燃料調量部(7)を受け止めて、燃料調量部(7)の始動増量位置を制限し、エンジン機体温度が所定温度よりも低い寒冷下冷機始動時には、始動増量制限具(4)による制限を解除して、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)に位置させる。
【0014】
始動増量制限具(4)の具体的構造は、次の通りである。
筒形ケース(23)内に感温作動具(5)と出力部(6)と付勢バネ(24)とを収容し、筒形ケース(23)の外端壁(25)に調節手段(10)となる調節ボルト(26)を貫通させ、これを螺動により進退調節可能としている。感温作動具(5)は、感温部(5a)内にワックスを内蔵し、感温部(5a)から作動杆(5b)を突出させたもので、感温部(5a)の感知温度が所定温度よりも低い場合には、感温部(5a)内のワックスが固化して、作動杆(5b)が引き込み状態となり、感温部(5a)の感知温度が所定温度よりも高い場合には、感温部(5a)内のワックスが液化して、作動杆(5b)が押出し状態となる。出力部(6)は筒形ケース(23)の内端壁(27)を貫通させ、燃料調量部(7)の燃料増量(R)側の端面を受け止める。この出力部(6)は、付勢バネ(24)で引き込み方向に付勢している。感温作動具(5)は調節ボルト(26)と出力部(6)との間に配置され、感温部(5a)の感知温度が所定温度よりも低い寒冷下始動時には、作動杆(5b)が引き込み状態となり、出力部(6)の突出寸法が短くなり、燃料調量部(7)を最大始動増量(8)に位置させる。
【0015】
感温作動具(5)の配置は、次の通りである。
感温作動具(5)の感温部(5a)をポンプ収容ケース(1)の内側に位置させる。すなわち、筒形ケース(23)のうち、感温作動具(5)の感温部(5a)を収容した部分をポンプ収容ケース(1)内で露出させ、オイルミストと接触するようにしておく。これにより、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時にも、始動増量制限具(4)で、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)よりも燃料噴射量が少なくなる始動増量制限位置(9)に位置させる。なお、調節手段(10)となる調節ボルト(26)の進退調節により、ポンプ収容ケース(1)の外側から出力部(6)の初期位置を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料調量装置の要部縦断側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る燃料調量装置の縦断側面図である。
【図3】従来技術に係る燃料調量装置の要部縦断側面図である。
【符号の説明】
(1)…ポンプ収容ケース、(2)…燃料噴射ポンプ、(3)…ケース壁、(4)…始動増量制限具、(5)…感温作動具、(5a)…感温部、(6)…出力部、(7)…燃料調量部、(8)…最大始動増量位置、(9)…始動増量制限位置、(10)…調節手段。
Claims (2)
- ポンプ収容ケース(1)に燃料噴射ポンプ(2)を収容し、このポンプ収容ケース(1)のケース壁(3)に始動増量制限具(4)を取り付け、この始動増量制限具(4)に感温作動具(5)と出力部(6)とを設け、出力部(6)を燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量部(7)にその燃料増量側から臨ませ、感温作動具(5)で出力部(6)の位置を調節し、出力部(6)で燃料調量部(7)を受け止めて、燃料調量部(7)の始動増量を制限し、
エンジン機体温度が所定温度よりも低い寒冷下冷機始動時には、始動増量制限具(4)による制限を解除して、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)に位置させるようにした、ディーゼルエンジンの燃料調量装置において、
感温作動具(5)の感温部(5a)をポンプ収容ケース(1)の内側に位置させることにより、エンジン機体温度が所定温度よりも高い寒冷下再始動時には、始動増量制限具(4)で、燃料調量部(7)を最大始動増量位置(8)よりも燃料噴射量が少なくなる始動増量制限位置(9)に位置させるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料調量装置。 - 請求項1に記載したディーゼルエンジンの燃料調量装置において、
始動増量制限具(4)に調節手段(10)を設け、この調節手段(10)でポンプ収容ケース(1)の外側から出力部(6)の初期位置を調節できるようにした、ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料調量装置。
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004116394A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114673593A (zh) * | 2022-04-22 | 2022-06-28 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种冷启动辅助装置及发动机 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002280841A patent/JP2004116394A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114673593A (zh) * | 2022-04-22 | 2022-06-28 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种冷启动辅助装置及发动机 |
CN114673593B (zh) * | 2022-04-22 | 2023-01-06 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种冷启动辅助装置及发动机 |
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