JP2004115640A - 低屈折率樹脂組成物及びそれを用いたポリマー光導波路 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより速やかに硬化させることが可能であり、低屈折率で透明性に優れ、耐溶剤性があって高い硬度を有する硬化物が得られ、ポリマー光導波路用樹脂組成物として用いた場合に加工時のインターミキシングのない樹脂組成物とその硬化物、さらにはその硬化物を用いた低光伝送損失であるポリマー光導波路を開発する。
【解決手段】特定の構造を有するフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレートを合成し、これに必要に応じて分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤を含有することを特徴とする樹脂組成物を調製する。このようにして得られた樹脂組成物を用いてポリマー光導波路を作製する。
【解決手段】特定の構造を有するフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレートを合成し、これに必要に応じて分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤を含有することを特徴とする樹脂組成物を調製する。このようにして得られた樹脂組成物を用いてポリマー光導波路を作製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造を有するフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート、必要に応じて分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤から構成される樹脂組成物、さらにはその樹脂組成物の硬化物とそれを用いたポリマー光導波路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光導波路は、基板の表面もしくは基板表面直下に、周囲よりわずかに屈折率の高い部分を作ることにより光を閉じ込め、光の合波・分波やスイッチング等を行う特殊な光学部品である。その具体的な用途としては、光通信や光情報処理の分野で有用な光合分波回路、周波数フィルター、光スイッチ又は光インターコネクション部品等を挙げることができる。以下これらを総称して光導波路デバイスという。光導波路デバイスの特長は、精密に設計された導波回路を基にデバイスの機能をコンパクトに実現できること、量産が容易であること、多種類の光導波路を1つのチップに集積できること等にある。
【0003】
光導波路デバイスは、光ファイバー通信システムへの応用を想定して発達してきた。光ファイバー通信の初期に当たる1970年代には、マルチモード型光ファイバーに対応したマルチモード型光導波路の研究が主であったが、1980年代になると、シングルモード型光ファイバーを使った通信システムが主流となったため、それに合わせてシングルモード型光導波路の研究開発が活発化した。シングルモード型光導波路の特長は、導波光制御が容易であること、デバイスの小型化に有利であること、高速動作に適すること等である。ただし最近は、マルチメディアの急速な立ち上がりによって、高度なコンピューター通信の配信の動きが強まる中、多様な光通信及び光情報処理に対応すべく、マルチモード型光導波路が光導波路デバイスとして再び注目されている。
【0004】
従来、光導波路用材料としては、透明性に優れ、光学異方性の小さい無機ガラスが主に用いられてきた。しかし、無機ガラスは重くて破損しやすいことや、生産コストが高いこと等の問題がある。そのため、最近は無機ガラスに代わり、可視領域で極めて透明であり、通信波長の1.3μm及び1.55μmに吸収のない高分子材料を使った光導波路を製造しようという動きが活発化している。
【0005】
高分子材料は、スピンコート法やディップ法等により薄膜形成が容易であり、大きな面積の光導波路を作製するのに適している。また、薄膜を形成するときに高温での熱処理工程を特に必要としないことから、石英等の無機ガラス材料を用いる場合に比較して、プラスチック基板等高温での熱処理が困難な基板上でも光導波路を作製できるという利点がある。さらには、高分子材料特有の柔軟性や強靭性を活かして基板フリーの光導波路フィルムの作製も可能である。また、このように光導波路の製造が低温プロセスで行えることや、金型を用いた量産が容易であること等から、無機ガラス系の光導波路と比較して低コスト化に対して有利である。このようなことから、光通信の分野で用いられる光集積回路や、光情報処理の分野で用いられる光配線板等の光導波路部品を、高分子材料を用いて大量・安価に製造することへの期待が高まっている。光導波路用の高分子材料としては、ポリメチルメタクリレートをはじめ、各種の透明性の高い高分子材料が提案されているが、従来の高分子材料は、耐熱性の点で問題がある。これに対し、近年、高分子鎖中にベンゼン環等の芳香環を含ませることや無機高分子を用いることで耐熱性を改善したものが報告がされている(特許文献1を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−43423号公報
【特許文献2】
特開平9−329721号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の高分子材料においては耐溶剤性が低いという欠点があり、それゆえ高分子膜を溶液塗布法により積層する場合、下層膜の硬化物表面が上層の塗布溶液に溶解あるいは膨潤されて界面が不均一になるインターミキシングという加工上の重大な問題点を有していた。インターミキシングが発生した場合、光導波路の形状が実際の設計寸法よりも小さくなったり、光学コア層と光学クラッド層との間の屈折率差に変化が生じてしまい、光導波路として所望される機能の発現が困難になる。それゆえに、0.3〜数%の範囲で比屈折率((光学コア層の屈折率ー光学クラッド層の屈折率)/ 光学クラッド層の屈折率X100%で表す。以下同様。)が制御された同系統の材料を光学コア材及び光学クラッド材として用いることが多い光導波路の製造プロセスにおいては、同一あるいは極めて類似した高分子材料の塗布法を採用していく限り、インターミキシングの抑制は極めて重要な技術課題であった。
また、耐熱性の向上に効果的なベンゼン環等の芳香族基を有する高分子材料は複屈折率が大きいという光導波路用の材料としては致命的な欠点を有していた。一方、ベンゼン環等の芳香環がなく、良好な耐熱性を有する無機高分子材料は、厚膜形成するとクラッキングが入るなど、加工が容易ではないという欠点を持っていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート、必要に応じて、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤から構成される樹脂組成物を調製することによって、低屈折率で透明性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化することが可能であり、その硬化物が低屈折率で透明性に優れ、硬度が高く、耐溶剤性に優れ、さらにはその硬化物を光学コア材及び/又は光学クラッド材として用いたポリマー光導波路が低光伝送損失であることを見いだし、本発明に至った。すなわち本発明は、〔1〕式(1)
【0009】
【化2】
【0010】
(式(1)において、Rは水素原子又はメチル基であり、mは1〜4の整数であり、nは2〜4の整数である。)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)、
〔2〕請求項1に記載の式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)を含有することを特徴とする樹脂組成物、
〔3〕分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)を含有することを特徴とする〔2〕に記載の樹脂組成物、
〔4〕光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする〔2〕又は〔3〕に記載の樹脂組成物、
〔5〕〔2〕乃至〔4〕のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物、
〔6〕〔5〕に記載の硬化物を有するポリマー光導波路、
〔7〕〔5〕に記載の硬化物からなる光学コア層及び/又は光学クラッド層を有することを特徴とするポリマー光導波路、
に関するものである。
【0011】
【本発明の実施の形態】
本発明を詳細に説明する。
本発明の前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)は、下記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を反応させることにより得ることができる。
【0012】
【化3】
【0013】
(式(2)において、m及びnは、前記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
【0014】
前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物の具体例としては、例えば、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジグリシジルエーテル、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテル、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン−1,14−ジグリシジルエーテル、1H,1H,17H,17H−パーフルオロ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1,17−ジグリシジルエーテル、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテル、1H,1H,15H,15H−パーフルオロ−4,8,12−トリオキサペンタデカン−1,15−ジグリシジルエーテル、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−5,10−ジオキサテトラデカン−1,14−ジグリシジルエーテル、1H,1H,19H,19H−パーフルオロ−5,10,15−トリオキサノナデカン−1,19−ジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0015】
本発明の前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)を合成する場合、前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応において、前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物1.0モルに対する(メタ)アクリル酸の仕込み量の割合は2.0〜8.0モルであることが好ましく、より好ましくは2.1〜4.0モルである。前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加させる反応温度は40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃である。また反応時間は3〜120時間が好ましく、より好ましくは12〜60時間である。
【0016】
前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応を促進するために、触媒を用いることもできる。このとき用いることができる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン類、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラエチルアンモニウムヨーダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド等の第4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−m−トルイルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィナスクロライド、1−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)へキサン等の有機ホスフィン化合物を挙げることができる。上記触媒の添加量の割合は、反応混合物全体に対して0.01〜5.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0重量%である。
【0017】
この反応により得られる生成物は、通常、前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル酸、及び触媒を用いた場合はその触媒との混合物となる。こうして得られた前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)は、必要に応じて過剰の(メタ)アクリル酸あるいは触媒を除去するために、一旦トルエン等の非水系溶剤に溶解し、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ水溶液で洗浄する。アルカリ水溶液で洗浄後、水あるいは食塩水等で洗浄して残存するアルカリを除き、非水系溶剤を十分に留去すると、より純度の高い前記式(1)で表される本発明のフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)を得ることができる。
【0018】
上記のようにして得られる前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)の具体例としては、例えば、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン−1,14−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,17H,17H−パーフルオロ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1,17−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,15H,15H−パーフルオロ−4,8,12−トリオキサペンタデカン−1,15−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−5,10−ジオキサテトラデカン−1,14−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,19H,19H−パーフルオロ−5,10,15−トリオキサノナデカン−1,19−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0019】
なお、前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物は、市販品として、あるいは、下記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオール化合物にエピクロルヒドリンを反応させることによりそれぞれ得ることができる。
【0020】
【化4】
【0021】
(式(3)において、m及びnは、前記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
【0022】
前記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオールの具体例としては、例えば、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジオール、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジオール、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン−1,14−ジオール、1H,1H,17H,17H−パーフルオロ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1,17−ジオール、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジオール、1H,1H,15H,15H−パーフルオロ−4,8,12−トリオキサペンタデカン−1,15−ジオール、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−5,10−ジオキサテトラデカン−1,14−ジオール、1H,1H,19H,19H−パーフルオロ−5,10,15−トリオキサノナデカン−1,19−ジオール等を挙げることができる。
【0023】
本発明で用いられる前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物を合成する場合、エピクロルヒドリンの仕込み量は、前記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオールの末端ヒドロキシル基1.0当量に対して2.0〜20.0当量になるように仕込むのが好ましく、より好ましくは3.0〜6.0当量となるように仕込むのがよい。なおこの反応は、前記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオールの末端ヒドロキシル基にエピクロルヒドリンを付加させ、さらに水酸化ナトリウムを反応させることにより得ることができる。このとき用いられる水酸化ナトリウムの仕込み量は、前記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオール化合物の末端ヒドロキシル基1.0当量に対して1.0〜1.5当量であることが好ましい。また、水酸化ナトリウムは固形のまま仕込んでもよく、水溶液として仕込んでもよいが、水溶液で仕込む場合は過剰な水を反応系外へ取り除く必要があるため、なるべく25〜40重量%程度の高濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いるのが好ましい。なお、前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物を合成する場合、反応を促進させるために、少量の水を添加するとよい。このときに添加する水の量は、エピクロルヒドリンの仕込み量に対して、重量比で0.1〜3.0重量%とするのが好ましい。水酸化ナトリウムを仕込むと多少の発熱があるので、水酸化ナトリウムは反応液の温度を見ながらゆっくりと仕込むのがよい。水酸化ナトリウムを仕込む温度は30〜100℃であるのが好ましく、より好ましくは40〜90℃である。水酸化ナトリウムを仕込んだ後の反応時間は30分〜6時間であることが好ましく、より好ましくは1〜3時間である。反応温度は30〜100℃であるのが好ましく、より好ましくは40〜90℃とするのがよい。また反応系内に溶存酸素が多いと生成物が黄色〜褐色に着色することがあるので、水酸化ナトリウムを仕込む前に、窒素ガスを溶液中に吹き込んで溶存酸素を追い出しておくとよい。
【0024】
本発明の樹脂組成物においては、上述のようにして得られた前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)は1種類だけを使用してもよいが、屈折率や粘度の調整等の目的で、2種類以上の前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)を混合して使用してもよい。
【0025】
また本発明の樹脂組成物には、必要に応じて単官能(メタ)アクリレート及び/又は二官能(メタ)アクリレートを、粘度、屈折率等の調整を目的として混合して使用することができる。なお、ここで用いられる単官能(メタ)アクリレート及び/又は二官能(メタ)アクリレートは、前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)との相溶性、及び硬化膜について屈折率の制御がし易い、高複屈折になり難い等の観点から、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)であることが好ましい。
【0026】
ここで分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)の具体例としては、脂肪族の(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、n−へプチル(メタ)アクリレート、イソへプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のC1〜C15アルキル(メタ)アクリレート、或いは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3−メトキシプロポキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(4−メトキシブトキシ)ブチル(メタ)アクリレート、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−エトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3−エトキシプロポキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(4−エトキシブトキシ)ブチル(メタ)アクリレート、2−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、水酸基又はC1〜C5アルコキシ基を有するC1〜C8アルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、さらにフッ素原子を有し、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)の具体例としては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H−ヘプタフルオロ−n−ブチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ウンデカフルオロ−n−ヘキシル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロ−n−オクチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ノナデカフルオロ−n−デシル(メタ)アクリレート、1H,1H−トリコサフルオロ−n−ドデシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロへプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有したC1〜C15アルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0027】
また、本発明で、必要により用いられる分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない二官能(メタ)アクリレート(C)の具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4,4−トリメチルー1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート等のC1〜C15アルキルジオールのジ(メタ)アクリレートを挙げることができ、さらにフッ素原子を有し、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない二官能(メタ)アクリレート(C)の具体例としては、例えば、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3−テトラフルオロブタン、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロオクタン、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタン、1,10−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン、1,12−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−イコサフルオロドデカン、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4−テトラフルオロへキサン、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクタン、1,10−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロデカン、1,12−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−ヘキサデカフルオロドデカン等のフッ素原子を有したC1〜C15アルキルジオールのジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0028】
上記に例示した分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び二官能(メタ)アクリレート(C)は、どちらか一方を単独で一種類だけ使用してもよく、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び二官能(メタ)アクリレート(C)をそれぞれ数種類混合して使用してもよい。なお、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び二官能(メタ)アクリレート(C)は、どのような割合で混合しても構わない。また、本発明の前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)に対する分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)の使用割合は、前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)100重量部に対して、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)の総量で5〜900重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜300重量部である。
【0029】
本発明の樹脂組成物に紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化する場合は光重合開始剤(D)を用いる。本発明で用いうる光重合開始剤(D)としては公知のどのような光重合開始剤を用いても構わないが、配合した後の貯蔵安定性のよいことが要求される。このような光重合開始剤(D)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等を挙げることができる。これらの光重合開始剤(D)は1種類だけ使用してもよいが、2種類以上任意の割合で混合して使用しても構わない。また光重合開始剤(D)の添加量は、本発明の樹脂組成物全体に対して通常、0.1〜10.0重量%配合するのが好ましく、より好ましくは0.5〜5.0重量%配合する。
【0030】
本発明の樹脂組成物は、前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)、必要に応じて分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)、さらには光重合開始剤(D)を、必要により加熱下に、混合、攪拌することにより得ることができる。
【0031】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて有機溶剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、光安定剤、艶消し剤、消泡剤等を配合することができる。
【0032】
本発明の樹脂組成物は、一般に基材に塗布して使用する。その場合、用いうる基材の具体例としては、例えば、石英ガラス等のガラス類、銅、アルミ等の金属類、ポリメチルメタクリレート、重水素化ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等のプラスチック類を挙げることができる。また本発明の樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、刷毛塗り、バーコーター、アプリケーター、ロールコーターあるいはローラーブラシ等により直接塗布する方法、エアースプレー又はエアーレススプレー塗装機等によるスプレー塗布法、シャワーコーター又はカーテンフローコーター等による流し塗り法(フローコート)、浸漬法、キャスティング法、スピナ−コーティング法等を採用することができる。なお前記塗布法は、基材の材質、形状あるいは用途等に応じて適宜使い分けることが好ましい。
【0033】
本発明の樹脂組成物は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより、その硬化物を得ることができる。本発明の樹脂組成物を硬化する場合に用いられる光源としては、例えば、キセノンランプ、カーボンアーク、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、あるいは走査型、カーテン型電子線加速路による電子線等を使用することができる。本発明の樹脂組成物を紫外線照射により硬化する場合、硬化に必要な紫外線の照射量は300〜3000mJ/cm2程度でよい。また本発明の樹脂組成物の硬化を十分に行うためには、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で紫外線等の活性エネルギー線を照射するか、あるいは本発明の樹脂組成物を塗布した後、その上に石英ガラス又はPET(ポリエステル)フィルム等を乗せて大気を遮断し、さらにその上から紫外線等の活性エネルギー線を照射することが好ましい。
【0034】
次に、本発明の樹脂組成物をポリマー光導波路に用いた例について説明する。本発明の樹脂組成物は、ポリマー光導波路の光学コア材及び光学クラッド材の原料として用いることができる。本発明の樹脂組成物を用いて光導波路を作製する場合は、まず、光導波路に要求される導波モードの条件に応じて、樹脂組成物の屈折率の調整を行う必要があり、光学コア材及び光学クラッド材として精密に制御された屈折率を有する少なくとも2種の樹脂組成物を準備する必要がある。樹脂組成物の屈折率の調整は、本発明で使用する前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)、必要に応じて分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)、さらには光重合開始剤(D)を適宜選択、配合することにより行う。
【0035】
比屈折率の値は導波される光のモード径と光学コアの寸法に応じて決定されるが、一般には0.1〜5.0%の範囲である。例えば、シングルモードタイプの光ファイバーと導波光のモード径を合わせる場合、光学コア部の形状は8μm角の正方形で、比屈折率の値は0.3%前後であることが好ましい。また、40μm角程度のマルチモード型光導波路の場合、マルチモードタイプの光ファイバーとのモード径を合わせるには、比屈折率の値を1%程度にするのが一般的である。
【0036】
光導波路は、一般に以下のような経路で作製される。まず、光学クラッド材用として用いられる樹脂組成物を基板(例えばシリコンウエハー等)上に塗布し、紫外線を照射して硬化させた後、光学コア材用の樹脂組成物を塗布し、得られた塗布層上にエッチングマスクをマウントし、以下フォトリソグラフィーの手法により導波路パターンに加工する。エッチングマスクの材料としては、有機フォトレジストあるいは金属等が用いられる。次に、エッチングマスク越しに光学コア層を反応性イオンエッチングすることにより、所望の導波路パターンを形成することができる。この方法は、特にシングルモードタイプの光導波路の作製に有効である。光学コア材用として用いられる樹脂組成物が光反応性をもつ場合、マスクを通して光を直接照射して、照射してない部分を溶剤で溶解除去することにより、導波路パターンを形成することも可能である。この方法は、特にマルチモードタイプの光導波路の作製に有効である。光学コア部を作成後、最後にその上から光学クラッド材用として用いられる樹脂組成物を塗布し、紫外線を照射して硬化することにより光学クラッド層を形成する。
【0037】
一方、特許文献2には、光導波路型縮小イメージセンサーに用いるための光導波路の作製方法が記載されている。その作製方法は、例えば、まず光が伝搬する光学コア部となる溝が形成されたポリメチルメタクリレート等の高分子材料からなるパターン基板を射出形成技術を用いて作製する。次いで、このパターン基板の溝に、光導波路の光学コア材用として用いられる樹脂組成物を充填し、ポリメチルメタクリレート等の高分子材料からなる平板基板をパターン基板の溝側に接するように密着させた後、紫外線を照射して光学コア材用として用いられる樹脂組成物を硬化させて光学コア部を形成し、ポリマー光導波路を作製するというものである。
【0038】
本発明の樹脂組成物は、低屈折率であって透明性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化膜が容易に得られ、またその得られた硬化膜も低屈折率で透明性に優れていることから、ポリマー光導波路の光学コア材及び光学クラッド材だけでなく、光ファイバーのクラッド材、LED(Light Emittin Diode)用封止剤、液晶ディスプレイ用パネル、カラーフィルター、眼鏡レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、TFT用のプリズムレンズシート、非球面レンズ、光ディスク等のクリアーコーティング剤としても使用することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、より具体的に説明する。なお本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0040】
実施例1
〔前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジオール 200.0g、エピクロルヒドリン 451.4g及び水 4.6gを入れ、窒素ガスを吹き込みながら15分間攪拌後、そのまま70℃まで昇温した。混合溶液が透明になってから、この混合溶液に水酸化ナトリウム 39.8gを、発熱に注意しながら85℃を超えないように1時間かけてゆっくり仕込んだ。水酸化ナトリウムの仕込み終了後、70〜80℃の温度で2時間攪拌し、その後、40℃以下まで冷却した。この反応液に水 200mLを仕込み、15分間攪拌後、1Lの分液ロートに移液して30分間放置し、下層の反応物層を取り出して1L4つ口フラスコに移液した。この操作を繰り返し、水層のpHが6〜7であることを確認してから反応物層を1Lナス型フラスコに移液した。残存するエピクロルヒドリンを減圧留去後、ろ過することにより無色〜微黄色透明な液体 238.4gを得た(収率93.6%)。得られた反応物の25℃における屈折率は1.3559であり、25℃における粘度は37mPa・sであり、エポキシ当量は326であった。なお、屈折率はアッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)で測定し、粘度はE型粘度計((株)トキメック社製、DVR−Ell)で測定し、エポキシ当量はJIS K 7236「エポキシ樹脂のエポキシ当量試験方法」に準拠して測定した。得られた反応物の主成分は、下記構造式(4)で表される化合物:1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテルである。
【0041】
【化5】
【0042】
〔前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)の合成〕
上記で得られた式(4)で表される化合物 200.6g、アクリル酸 70.0g、テトラメチルアンモニウムクロライド 2.0g及びハイドロキノンモノメチルエーテル 0.2gを500mLの4つ口フラスコに入れ、90〜97℃で30時間攪拌して反応させた。得られた反応液をトルエン 600mLに溶解し、10重量%炭酸ナトリウム水溶液で3回、15重量%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、トルエンを減圧留去することにより、無色透明な液体 235.6gを得た(収率92.0%)。得られた反応物の25℃における屈折率は1.3937であり、25℃における粘度は620mPa・sであった。なお得られた反応物は、本発明の下記構造式(5)で表される化合物:1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテルジアクリレートである。
【0043】
【化6】
【0044】
実施例2
実施例1で得られた前記式(5)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート 50.0gに1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュアー184、チバガイギー社製) 0.5gを配合し、加熱溶解することにより無色透明で均一な本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.3956であり、25℃における粘度は580mPa・sであった。この樹脂組成物をガラス板上に150〜200μmの厚さになるようにバーコーターで塗工し、塗工面にPETフィルムを乗せ、さらにその上から高圧水銀ランプで1100mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して本発明の硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示す。
【0045】
実施例3
実施例1で得られた前記式(5)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート 45.0g、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルアクリレート(商品名:ビスコート17F、大阪有機化学工業(株)製) 5.0g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.5gを配合し、加熱溶解することにより無色透明で均一な本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.3902であり、25℃における粘度は390mPa・sであった。この得られた樹脂組成物を実施例2と同様の操作を行うことによって本発明の硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示す。
【0046】
実施例4
実施例1で得られた前記式(5)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート 45.0g、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(商品名:ビスコート8F、大阪有機化学工業(株)製) 5.0g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.6gを配合し、加熱溶解することにより無色透明で均一な本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.3914であり、25℃における粘度は300mPa・sであった。この得られた樹脂組成物を実施例2と同様の操作を行うことによって本発明の硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示す。
【0047】
実施例5
実施例1で得られた前記式(5)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート 45.0g、1,9−ノナンジオールジアクリレート 5.1g(商品名:ビスコート260、大阪有機化学工業(株)製) 5.1g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.5gを配合し、加熱溶解することにより無色透明で均一な本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.4033であり、25℃における粘度は260mPa・sであった。この得られた樹脂組成物を実施例2と同様の操作を行うことによって本発明の硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示す。
【0048】
【0049】
(注)
*1 屈折率:アッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)により、波長589nmの光を用いて測定した。
*2 透明性:硬化膜を観察し、白化や不透明な部分の有無の確認を行った。
○・・・硬化膜に白化や不透明な部分が全く確認されない。
*3 耐溶剤性:メチルエチルケトンを浸み込ませたガーゼで硬化膜の表面を30回摩擦し、硬化膜表面の状況を観察した。
○・・・硬化膜の表面に全く変化が見られない。
*4 ショアA硬度:試料受け台の硬さの影響を考慮し、厚さ150〜200μmの硬化物を全体の厚みが2cm以上になるように10〜14枚重ね、JIS Z 2246の方法に準拠して測定した。
【0050】
実施例6
上記表1の結果より、上記実施例5で得た樹脂組成物及び実施例3で得た樹脂組成物の硬化物の屈折率は各々1.4231及び1.4062であり、それゆえ両者の比屈折率の値は約1.2%であるので、実施例5で得た樹脂組成物及び実施例3で得た樹脂組成物を用いた光導波路の作製を行った。
まず、実施例3で得た樹脂組成物をシリコンウェハー上に塗布し、窒素雰囲気下、高圧水銀灯で1500mJ/cm2の照射量で紫外線を照射して硬化させ、下部の光学クラッド層とした。なお、硬化後の膜厚は40μmであった。この光学クラッド層の上に、あらかじめ硬化物の膜厚が40μmとなるように計量しておいた実施例5で得た樹脂組成物を塗工した。このとき、下部光学クラッド層と実施例5で得た樹脂組成物の塗膜との間には、インターミキシングは確認されなかった。この実施例5で得た樹脂組成物の塗膜上に、非接触で幅40μmの直線状パターンが形成できるフォトマスクをマウントし、高圧水銀灯で1500mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化した。紫外の線照射後、未硬化の部分をγ―ブチロラクトンで溶解除去することにより、幅、高さ共に40μmの光学コア層を作製した。次に、この上から再び実施例3で得た樹脂組成物を塗布し、高圧水銀灯で1500mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させ、上部の光学クラッド層を形成することによりポリマー光導波路を作製した。このようにして作製したポリマー光導波路の両端を切り落とし、長さ5cmの直線状のポリマー光導波路を得た。
この長さ5cmの直線状のポリマー光導波路に、波長589nmの光を透過させたところ、光学コア層の部分のみが発光していることを確認した。又このものの、波長0.85μmの光における光伝送損失が優れていた。
【0051】
実施例2〜5及び表1の結果より、本発明の樹脂組成物は無色透明で低屈折率であり、紫外線を照射することにより速やかに硬化することが判った。又、本発明の樹脂組成物の硬化物は低屈折率であって透明性、耐溶剤性に優れ、高い硬度を有するという本発明が目的とする硬化物にとって好ましい結果が得られた。さらに、実施例6の結果より、本発明の樹脂組成物を用いてポリマー光導波路を作製した場合は作製時のインターミキシングがなく、光伝送損失量の小さいポリマー光導波路が得られたことが確認された。
【0052】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は低屈折率で透明性に優れており、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより速やかに硬化させることが可能である。また、本発明の硬化物は低屈折率であって透明性、耐溶剤性に優れ、硬度が高い。さらに本発明の樹脂組成物を用いてポリマー光導波路を作製した場合は、加工時のインターミキシングがなく、光伝送損失量の低いポリマー光導波路が得られるため、本発明の樹脂組成物を用いて作製したポリマー光導波路は光通信、光情報処理等の分野で広く用いることが可能である。又、本発明の樹脂組成物は低屈折率であって透明性に優れることから、ポリマー光導波路用の硬化物としてだけでなく、光ファイバーのクラッド材、LED(Light Emittin Diode)用封止剤の他、光学用レンズ等の光学用物品の保護コート剤としても有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造を有するフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート、必要に応じて分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤から構成される樹脂組成物、さらにはその樹脂組成物の硬化物とそれを用いたポリマー光導波路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光導波路は、基板の表面もしくは基板表面直下に、周囲よりわずかに屈折率の高い部分を作ることにより光を閉じ込め、光の合波・分波やスイッチング等を行う特殊な光学部品である。その具体的な用途としては、光通信や光情報処理の分野で有用な光合分波回路、周波数フィルター、光スイッチ又は光インターコネクション部品等を挙げることができる。以下これらを総称して光導波路デバイスという。光導波路デバイスの特長は、精密に設計された導波回路を基にデバイスの機能をコンパクトに実現できること、量産が容易であること、多種類の光導波路を1つのチップに集積できること等にある。
【0003】
光導波路デバイスは、光ファイバー通信システムへの応用を想定して発達してきた。光ファイバー通信の初期に当たる1970年代には、マルチモード型光ファイバーに対応したマルチモード型光導波路の研究が主であったが、1980年代になると、シングルモード型光ファイバーを使った通信システムが主流となったため、それに合わせてシングルモード型光導波路の研究開発が活発化した。シングルモード型光導波路の特長は、導波光制御が容易であること、デバイスの小型化に有利であること、高速動作に適すること等である。ただし最近は、マルチメディアの急速な立ち上がりによって、高度なコンピューター通信の配信の動きが強まる中、多様な光通信及び光情報処理に対応すべく、マルチモード型光導波路が光導波路デバイスとして再び注目されている。
【0004】
従来、光導波路用材料としては、透明性に優れ、光学異方性の小さい無機ガラスが主に用いられてきた。しかし、無機ガラスは重くて破損しやすいことや、生産コストが高いこと等の問題がある。そのため、最近は無機ガラスに代わり、可視領域で極めて透明であり、通信波長の1.3μm及び1.55μmに吸収のない高分子材料を使った光導波路を製造しようという動きが活発化している。
【0005】
高分子材料は、スピンコート法やディップ法等により薄膜形成が容易であり、大きな面積の光導波路を作製するのに適している。また、薄膜を形成するときに高温での熱処理工程を特に必要としないことから、石英等の無機ガラス材料を用いる場合に比較して、プラスチック基板等高温での熱処理が困難な基板上でも光導波路を作製できるという利点がある。さらには、高分子材料特有の柔軟性や強靭性を活かして基板フリーの光導波路フィルムの作製も可能である。また、このように光導波路の製造が低温プロセスで行えることや、金型を用いた量産が容易であること等から、無機ガラス系の光導波路と比較して低コスト化に対して有利である。このようなことから、光通信の分野で用いられる光集積回路や、光情報処理の分野で用いられる光配線板等の光導波路部品を、高分子材料を用いて大量・安価に製造することへの期待が高まっている。光導波路用の高分子材料としては、ポリメチルメタクリレートをはじめ、各種の透明性の高い高分子材料が提案されているが、従来の高分子材料は、耐熱性の点で問題がある。これに対し、近年、高分子鎖中にベンゼン環等の芳香環を含ませることや無機高分子を用いることで耐熱性を改善したものが報告がされている(特許文献1を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−43423号公報
【特許文献2】
特開平9−329721号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の高分子材料においては耐溶剤性が低いという欠点があり、それゆえ高分子膜を溶液塗布法により積層する場合、下層膜の硬化物表面が上層の塗布溶液に溶解あるいは膨潤されて界面が不均一になるインターミキシングという加工上の重大な問題点を有していた。インターミキシングが発生した場合、光導波路の形状が実際の設計寸法よりも小さくなったり、光学コア層と光学クラッド層との間の屈折率差に変化が生じてしまい、光導波路として所望される機能の発現が困難になる。それゆえに、0.3〜数%の範囲で比屈折率((光学コア層の屈折率ー光学クラッド層の屈折率)/ 光学クラッド層の屈折率X100%で表す。以下同様。)が制御された同系統の材料を光学コア材及び光学クラッド材として用いることが多い光導波路の製造プロセスにおいては、同一あるいは極めて類似した高分子材料の塗布法を採用していく限り、インターミキシングの抑制は極めて重要な技術課題であった。
また、耐熱性の向上に効果的なベンゼン環等の芳香族基を有する高分子材料は複屈折率が大きいという光導波路用の材料としては致命的な欠点を有していた。一方、ベンゼン環等の芳香環がなく、良好な耐熱性を有する無機高分子材料は、厚膜形成するとクラッキングが入るなど、加工が容易ではないという欠点を持っていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート、必要に応じて、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤から構成される樹脂組成物を調製することによって、低屈折率で透明性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化することが可能であり、その硬化物が低屈折率で透明性に優れ、硬度が高く、耐溶剤性に優れ、さらにはその硬化物を光学コア材及び/又は光学クラッド材として用いたポリマー光導波路が低光伝送損失であることを見いだし、本発明に至った。すなわち本発明は、〔1〕式(1)
【0009】
【化2】
【0010】
(式(1)において、Rは水素原子又はメチル基であり、mは1〜4の整数であり、nは2〜4の整数である。)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)、
〔2〕請求項1に記載の式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)を含有することを特徴とする樹脂組成物、
〔3〕分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)を含有することを特徴とする〔2〕に記載の樹脂組成物、
〔4〕光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする〔2〕又は〔3〕に記載の樹脂組成物、
〔5〕〔2〕乃至〔4〕のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物、
〔6〕〔5〕に記載の硬化物を有するポリマー光導波路、
〔7〕〔5〕に記載の硬化物からなる光学コア層及び/又は光学クラッド層を有することを特徴とするポリマー光導波路、
に関するものである。
【0011】
【本発明の実施の形態】
本発明を詳細に説明する。
本発明の前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)は、下記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を反応させることにより得ることができる。
【0012】
【化3】
【0013】
(式(2)において、m及びnは、前記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
【0014】
前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物の具体例としては、例えば、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジグリシジルエーテル、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテル、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン−1,14−ジグリシジルエーテル、1H,1H,17H,17H−パーフルオロ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1,17−ジグリシジルエーテル、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテル、1H,1H,15H,15H−パーフルオロ−4,8,12−トリオキサペンタデカン−1,15−ジグリシジルエーテル、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−5,10−ジオキサテトラデカン−1,14−ジグリシジルエーテル、1H,1H,19H,19H−パーフルオロ−5,10,15−トリオキサノナデカン−1,19−ジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0015】
本発明の前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)を合成する場合、前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応において、前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物1.0モルに対する(メタ)アクリル酸の仕込み量の割合は2.0〜8.0モルであることが好ましく、より好ましくは2.1〜4.0モルである。前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加させる反応温度は40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃である。また反応時間は3〜120時間が好ましく、より好ましくは12〜60時間である。
【0016】
前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応を促進するために、触媒を用いることもできる。このとき用いることができる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン類、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラエチルアンモニウムヨーダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド等の第4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−m−トルイルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィナスクロライド、1−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)へキサン等の有機ホスフィン化合物を挙げることができる。上記触媒の添加量の割合は、反応混合物全体に対して0.01〜5.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0重量%である。
【0017】
この反応により得られる生成物は、通常、前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリル酸、及び触媒を用いた場合はその触媒との混合物となる。こうして得られた前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)は、必要に応じて過剰の(メタ)アクリル酸あるいは触媒を除去するために、一旦トルエン等の非水系溶剤に溶解し、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ水溶液で洗浄する。アルカリ水溶液で洗浄後、水あるいは食塩水等で洗浄して残存するアルカリを除き、非水系溶剤を十分に留去すると、より純度の高い前記式(1)で表される本発明のフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)を得ることができる。
【0018】
上記のようにして得られる前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)の具体例としては、例えば、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン−1,14−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,17H,17H−パーフルオロ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1,17−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,15H,15H−パーフルオロ−4,8,12−トリオキサペンタデカン−1,15−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−5,10−ジオキサテトラデカン−1,14−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1H,1H,19H,19H−パーフルオロ−5,10,15−トリオキサノナデカン−1,19−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0019】
なお、前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物は、市販品として、あるいは、下記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオール化合物にエピクロルヒドリンを反応させることによりそれぞれ得ることができる。
【0020】
【化4】
【0021】
(式(3)において、m及びnは、前記式(1)におけるものと同じ意味を表す。)
【0022】
前記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオールの具体例としては、例えば、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジオール、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジオール、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン−1,14−ジオール、1H,1H,17H,17H−パーフルオロ−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン−1,17−ジオール、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジオール、1H,1H,15H,15H−パーフルオロ−4,8,12−トリオキサペンタデカン−1,15−ジオール、1H,1H,14H,14H−パーフルオロ−5,10−ジオキサテトラデカン−1,14−ジオール、1H,1H,19H,19H−パーフルオロ−5,10,15−トリオキサノナデカン−1,19−ジオール等を挙げることができる。
【0023】
本発明で用いられる前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物を合成する場合、エピクロルヒドリンの仕込み量は、前記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオールの末端ヒドロキシル基1.0当量に対して2.0〜20.0当量になるように仕込むのが好ましく、より好ましくは3.0〜6.0当量となるように仕込むのがよい。なおこの反応は、前記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオールの末端ヒドロキシル基にエピクロルヒドリンを付加させ、さらに水酸化ナトリウムを反応させることにより得ることができる。このとき用いられる水酸化ナトリウムの仕込み量は、前記式(3)で表されるフッ素原子を有するジオール化合物の末端ヒドロキシル基1.0当量に対して1.0〜1.5当量であることが好ましい。また、水酸化ナトリウムは固形のまま仕込んでもよく、水溶液として仕込んでもよいが、水溶液で仕込む場合は過剰な水を反応系外へ取り除く必要があるため、なるべく25〜40重量%程度の高濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いるのが好ましい。なお、前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物を合成する場合、反応を促進させるために、少量の水を添加するとよい。このときに添加する水の量は、エピクロルヒドリンの仕込み量に対して、重量比で0.1〜3.0重量%とするのが好ましい。水酸化ナトリウムを仕込むと多少の発熱があるので、水酸化ナトリウムは反応液の温度を見ながらゆっくりと仕込むのがよい。水酸化ナトリウムを仕込む温度は30〜100℃であるのが好ましく、より好ましくは40〜90℃である。水酸化ナトリウムを仕込んだ後の反応時間は30分〜6時間であることが好ましく、より好ましくは1〜3時間である。反応温度は30〜100℃であるのが好ましく、より好ましくは40〜90℃とするのがよい。また反応系内に溶存酸素が多いと生成物が黄色〜褐色に着色することがあるので、水酸化ナトリウムを仕込む前に、窒素ガスを溶液中に吹き込んで溶存酸素を追い出しておくとよい。
【0024】
本発明の樹脂組成物においては、上述のようにして得られた前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)は1種類だけを使用してもよいが、屈折率や粘度の調整等の目的で、2種類以上の前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)を混合して使用してもよい。
【0025】
また本発明の樹脂組成物には、必要に応じて単官能(メタ)アクリレート及び/又は二官能(メタ)アクリレートを、粘度、屈折率等の調整を目的として混合して使用することができる。なお、ここで用いられる単官能(メタ)アクリレート及び/又は二官能(メタ)アクリレートは、前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)との相溶性、及び硬化膜について屈折率の制御がし易い、高複屈折になり難い等の観点から、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)であることが好ましい。
【0026】
ここで分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)の具体例としては、脂肪族の(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、n−へプチル(メタ)アクリレート、イソへプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のC1〜C15アルキル(メタ)アクリレート、或いは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3−メトキシプロポキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(4−メトキシブトキシ)ブチル(メタ)アクリレート、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−エトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3−エトキシプロポキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(4−エトキシブトキシ)ブチル(メタ)アクリレート、2−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、水酸基又はC1〜C5アルコキシ基を有するC1〜C8アルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、さらにフッ素原子を有し、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)の具体例としては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H−ヘプタフルオロ−n−ブチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ウンデカフルオロ−n−ヘキシル(メタ)アクリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロ−n−オクチル(メタ)アクリレート、1H,1H−ノナデカフルオロ−n−デシル(メタ)アクリレート、1H,1H−トリコサフルオロ−n−ドデシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロへプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有したC1〜C15アルキル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0027】
また、本発明で、必要により用いられる分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない二官能(メタ)アクリレート(C)の具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4,4−トリメチルー1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート等のC1〜C15アルキルジオールのジ(メタ)アクリレートを挙げることができ、さらにフッ素原子を有し、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない二官能(メタ)アクリレート(C)の具体例としては、例えば、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3−テトラフルオロブタン、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロオクタン、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタン、1,10−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン、1,12−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−イコサフルオロドデカン、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4−テトラフルオロへキサン、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクタン、1,10−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロデカン、1,12−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−ヘキサデカフルオロドデカン等のフッ素原子を有したC1〜C15アルキルジオールのジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0028】
上記に例示した分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び二官能(メタ)アクリレート(C)は、どちらか一方を単独で一種類だけ使用してもよく、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び二官能(メタ)アクリレート(C)をそれぞれ数種類混合して使用してもよい。なお、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び二官能(メタ)アクリレート(C)は、どのような割合で混合しても構わない。また、本発明の前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)に対する分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)の使用割合は、前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)100重量部に対して、分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)の総量で5〜900重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜300重量部である。
【0029】
本発明の樹脂組成物に紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化する場合は光重合開始剤(D)を用いる。本発明で用いうる光重合開始剤(D)としては公知のどのような光重合開始剤を用いても構わないが、配合した後の貯蔵安定性のよいことが要求される。このような光重合開始剤(D)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等を挙げることができる。これらの光重合開始剤(D)は1種類だけ使用してもよいが、2種類以上任意の割合で混合して使用しても構わない。また光重合開始剤(D)の添加量は、本発明の樹脂組成物全体に対して通常、0.1〜10.0重量%配合するのが好ましく、より好ましくは0.5〜5.0重量%配合する。
【0030】
本発明の樹脂組成物は、前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)、必要に応じて分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)、さらには光重合開始剤(D)を、必要により加熱下に、混合、攪拌することにより得ることができる。
【0031】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて有機溶剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、光安定剤、艶消し剤、消泡剤等を配合することができる。
【0032】
本発明の樹脂組成物は、一般に基材に塗布して使用する。その場合、用いうる基材の具体例としては、例えば、石英ガラス等のガラス類、銅、アルミ等の金属類、ポリメチルメタクリレート、重水素化ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等のプラスチック類を挙げることができる。また本発明の樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、刷毛塗り、バーコーター、アプリケーター、ロールコーターあるいはローラーブラシ等により直接塗布する方法、エアースプレー又はエアーレススプレー塗装機等によるスプレー塗布法、シャワーコーター又はカーテンフローコーター等による流し塗り法(フローコート)、浸漬法、キャスティング法、スピナ−コーティング法等を採用することができる。なお前記塗布法は、基材の材質、形状あるいは用途等に応じて適宜使い分けることが好ましい。
【0033】
本発明の樹脂組成物は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより、その硬化物を得ることができる。本発明の樹脂組成物を硬化する場合に用いられる光源としては、例えば、キセノンランプ、カーボンアーク、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、あるいは走査型、カーテン型電子線加速路による電子線等を使用することができる。本発明の樹脂組成物を紫外線照射により硬化する場合、硬化に必要な紫外線の照射量は300〜3000mJ/cm2程度でよい。また本発明の樹脂組成物の硬化を十分に行うためには、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で紫外線等の活性エネルギー線を照射するか、あるいは本発明の樹脂組成物を塗布した後、その上に石英ガラス又はPET(ポリエステル)フィルム等を乗せて大気を遮断し、さらにその上から紫外線等の活性エネルギー線を照射することが好ましい。
【0034】
次に、本発明の樹脂組成物をポリマー光導波路に用いた例について説明する。本発明の樹脂組成物は、ポリマー光導波路の光学コア材及び光学クラッド材の原料として用いることができる。本発明の樹脂組成物を用いて光導波路を作製する場合は、まず、光導波路に要求される導波モードの条件に応じて、樹脂組成物の屈折率の調整を行う必要があり、光学コア材及び光学クラッド材として精密に制御された屈折率を有する少なくとも2種の樹脂組成物を準備する必要がある。樹脂組成物の屈折率の調整は、本発明で使用する前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)、必要に応じて分子中にベンゼン環等の芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)、さらには光重合開始剤(D)を適宜選択、配合することにより行う。
【0035】
比屈折率の値は導波される光のモード径と光学コアの寸法に応じて決定されるが、一般には0.1〜5.0%の範囲である。例えば、シングルモードタイプの光ファイバーと導波光のモード径を合わせる場合、光学コア部の形状は8μm角の正方形で、比屈折率の値は0.3%前後であることが好ましい。また、40μm角程度のマルチモード型光導波路の場合、マルチモードタイプの光ファイバーとのモード径を合わせるには、比屈折率の値を1%程度にするのが一般的である。
【0036】
光導波路は、一般に以下のような経路で作製される。まず、光学クラッド材用として用いられる樹脂組成物を基板(例えばシリコンウエハー等)上に塗布し、紫外線を照射して硬化させた後、光学コア材用の樹脂組成物を塗布し、得られた塗布層上にエッチングマスクをマウントし、以下フォトリソグラフィーの手法により導波路パターンに加工する。エッチングマスクの材料としては、有機フォトレジストあるいは金属等が用いられる。次に、エッチングマスク越しに光学コア層を反応性イオンエッチングすることにより、所望の導波路パターンを形成することができる。この方法は、特にシングルモードタイプの光導波路の作製に有効である。光学コア材用として用いられる樹脂組成物が光反応性をもつ場合、マスクを通して光を直接照射して、照射してない部分を溶剤で溶解除去することにより、導波路パターンを形成することも可能である。この方法は、特にマルチモードタイプの光導波路の作製に有効である。光学コア部を作成後、最後にその上から光学クラッド材用として用いられる樹脂組成物を塗布し、紫外線を照射して硬化することにより光学クラッド層を形成する。
【0037】
一方、特許文献2には、光導波路型縮小イメージセンサーに用いるための光導波路の作製方法が記載されている。その作製方法は、例えば、まず光が伝搬する光学コア部となる溝が形成されたポリメチルメタクリレート等の高分子材料からなるパターン基板を射出形成技術を用いて作製する。次いで、このパターン基板の溝に、光導波路の光学コア材用として用いられる樹脂組成物を充填し、ポリメチルメタクリレート等の高分子材料からなる平板基板をパターン基板の溝側に接するように密着させた後、紫外線を照射して光学コア材用として用いられる樹脂組成物を硬化させて光学コア部を形成し、ポリマー光導波路を作製するというものである。
【0038】
本発明の樹脂組成物は、低屈折率であって透明性に優れ、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化膜が容易に得られ、またその得られた硬化膜も低屈折率で透明性に優れていることから、ポリマー光導波路の光学コア材及び光学クラッド材だけでなく、光ファイバーのクラッド材、LED(Light Emittin Diode)用封止剤、液晶ディスプレイ用パネル、カラーフィルター、眼鏡レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、TFT用のプリズムレンズシート、非球面レンズ、光ディスク等のクリアーコーティング剤としても使用することができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、より具体的に説明する。なお本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0040】
実施例1
〔前記式(2)で表されるフッ素原子を有するエポキシ化合物の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジオール 200.0g、エピクロルヒドリン 451.4g及び水 4.6gを入れ、窒素ガスを吹き込みながら15分間攪拌後、そのまま70℃まで昇温した。混合溶液が透明になってから、この混合溶液に水酸化ナトリウム 39.8gを、発熱に注意しながら85℃を超えないように1時間かけてゆっくり仕込んだ。水酸化ナトリウムの仕込み終了後、70〜80℃の温度で2時間攪拌し、その後、40℃以下まで冷却した。この反応液に水 200mLを仕込み、15分間攪拌後、1Lの分液ロートに移液して30分間放置し、下層の反応物層を取り出して1L4つ口フラスコに移液した。この操作を繰り返し、水層のpHが6〜7であることを確認してから反応物層を1Lナス型フラスコに移液した。残存するエピクロルヒドリンを減圧留去後、ろ過することにより無色〜微黄色透明な液体 238.4gを得た(収率93.6%)。得られた反応物の25℃における屈折率は1.3559であり、25℃における粘度は37mPa・sであり、エポキシ当量は326であった。なお、屈折率はアッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)で測定し、粘度はE型粘度計((株)トキメック社製、DVR−Ell)で測定し、エポキシ当量はJIS K 7236「エポキシ樹脂のエポキシ当量試験方法」に準拠して測定した。得られた反応物の主成分は、下記構造式(4)で表される化合物:1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテルである。
【0041】
【化5】
【0042】
〔前記式(1)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート(A)の合成〕
上記で得られた式(4)で表される化合物 200.6g、アクリル酸 70.0g、テトラメチルアンモニウムクロライド 2.0g及びハイドロキノンモノメチルエーテル 0.2gを500mLの4つ口フラスコに入れ、90〜97℃で30時間攪拌して反応させた。得られた反応液をトルエン 600mLに溶解し、10重量%炭酸ナトリウム水溶液で3回、15重量%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、トルエンを減圧留去することにより、無色透明な液体 235.6gを得た(収率92.0%)。得られた反応物の25℃における屈折率は1.3937であり、25℃における粘度は620mPa・sであった。なお得られた反応物は、本発明の下記構造式(5)で表される化合物:1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジグリシジルエーテルジアクリレートである。
【0043】
【化6】
【0044】
実施例2
実施例1で得られた前記式(5)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート 50.0gに1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュアー184、チバガイギー社製) 0.5gを配合し、加熱溶解することにより無色透明で均一な本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.3956であり、25℃における粘度は580mPa・sであった。この樹脂組成物をガラス板上に150〜200μmの厚さになるようにバーコーターで塗工し、塗工面にPETフィルムを乗せ、さらにその上から高圧水銀ランプで1100mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して本発明の硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示す。
【0045】
実施例3
実施例1で得られた前記式(5)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート 45.0g、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルアクリレート(商品名:ビスコート17F、大阪有機化学工業(株)製) 5.0g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.5gを配合し、加熱溶解することにより無色透明で均一な本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.3902であり、25℃における粘度は390mPa・sであった。この得られた樹脂組成物を実施例2と同様の操作を行うことによって本発明の硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示す。
【0046】
実施例4
実施例1で得られた前記式(5)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート 45.0g、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート(商品名:ビスコート8F、大阪有機化学工業(株)製) 5.0g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.6gを配合し、加熱溶解することにより無色透明で均一な本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.3914であり、25℃における粘度は300mPa・sであった。この得られた樹脂組成物を実施例2と同様の操作を行うことによって本発明の硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示す。
【0047】
実施例5
実施例1で得られた前記式(5)で表されるフッ素原子を有するエポキシ(メタ)アクリレート 45.0g、1,9−ノナンジオールジアクリレート 5.1g(商品名:ビスコート260、大阪有機化学工業(株)製) 5.1g及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.5gを配合し、加熱溶解することにより無色透明で均一な本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.4033であり、25℃における粘度は260mPa・sであった。この得られた樹脂組成物を実施例2と同様の操作を行うことによって本発明の硬化物を得た。得られた硬化物の物性を表1に示す。
【0048】
【0049】
(注)
*1 屈折率:アッベ屈折率計(型番:DR−M2、(株)アタゴ製)により、波長589nmの光を用いて測定した。
*2 透明性:硬化膜を観察し、白化や不透明な部分の有無の確認を行った。
○・・・硬化膜に白化や不透明な部分が全く確認されない。
*3 耐溶剤性:メチルエチルケトンを浸み込ませたガーゼで硬化膜の表面を30回摩擦し、硬化膜表面の状況を観察した。
○・・・硬化膜の表面に全く変化が見られない。
*4 ショアA硬度:試料受け台の硬さの影響を考慮し、厚さ150〜200μmの硬化物を全体の厚みが2cm以上になるように10〜14枚重ね、JIS Z 2246の方法に準拠して測定した。
【0050】
実施例6
上記表1の結果より、上記実施例5で得た樹脂組成物及び実施例3で得た樹脂組成物の硬化物の屈折率は各々1.4231及び1.4062であり、それゆえ両者の比屈折率の値は約1.2%であるので、実施例5で得た樹脂組成物及び実施例3で得た樹脂組成物を用いた光導波路の作製を行った。
まず、実施例3で得た樹脂組成物をシリコンウェハー上に塗布し、窒素雰囲気下、高圧水銀灯で1500mJ/cm2の照射量で紫外線を照射して硬化させ、下部の光学クラッド層とした。なお、硬化後の膜厚は40μmであった。この光学クラッド層の上に、あらかじめ硬化物の膜厚が40μmとなるように計量しておいた実施例5で得た樹脂組成物を塗工した。このとき、下部光学クラッド層と実施例5で得た樹脂組成物の塗膜との間には、インターミキシングは確認されなかった。この実施例5で得た樹脂組成物の塗膜上に、非接触で幅40μmの直線状パターンが形成できるフォトマスクをマウントし、高圧水銀灯で1500mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化した。紫外の線照射後、未硬化の部分をγ―ブチロラクトンで溶解除去することにより、幅、高さ共に40μmの光学コア層を作製した。次に、この上から再び実施例3で得た樹脂組成物を塗布し、高圧水銀灯で1500mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させ、上部の光学クラッド層を形成することによりポリマー光導波路を作製した。このようにして作製したポリマー光導波路の両端を切り落とし、長さ5cmの直線状のポリマー光導波路を得た。
この長さ5cmの直線状のポリマー光導波路に、波長589nmの光を透過させたところ、光学コア層の部分のみが発光していることを確認した。又このものの、波長0.85μmの光における光伝送損失が優れていた。
【0051】
実施例2〜5及び表1の結果より、本発明の樹脂組成物は無色透明で低屈折率であり、紫外線を照射することにより速やかに硬化することが判った。又、本発明の樹脂組成物の硬化物は低屈折率であって透明性、耐溶剤性に優れ、高い硬度を有するという本発明が目的とする硬化物にとって好ましい結果が得られた。さらに、実施例6の結果より、本発明の樹脂組成物を用いてポリマー光導波路を作製した場合は作製時のインターミキシングがなく、光伝送損失量の小さいポリマー光導波路が得られたことが確認された。
【0052】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は低屈折率で透明性に優れており、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより速やかに硬化させることが可能である。また、本発明の硬化物は低屈折率であって透明性、耐溶剤性に優れ、硬度が高い。さらに本発明の樹脂組成物を用いてポリマー光導波路を作製した場合は、加工時のインターミキシングがなく、光伝送損失量の低いポリマー光導波路が得られるため、本発明の樹脂組成物を用いて作製したポリマー光導波路は光通信、光情報処理等の分野で広く用いることが可能である。又、本発明の樹脂組成物は低屈折率であって透明性に優れることから、ポリマー光導波路用の硬化物としてだけでなく、光ファイバーのクラッド材、LED(Light Emittin Diode)用封止剤の他、光学用レンズ等の光学用物品の保護コート剤としても有用である。
Claims (7)
- 請求項1記載の式(1)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(A)を含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 分子中に芳香族基を有しない単官能(メタ)アクリレート(B)及び/又は二官能(メタ)アクリレート(C)を含有することを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
- 光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の樹脂組成物。
- 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物。
- 請求項5に記載の硬化物を有するポリマー光導波路。
- 請求項5に記載の硬化物からなる光学コア層及び/又は光学クラッド層を有することを特徴とするポリマー光導波路。
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