JP2004115207A - 車両搭載型クレーンの安全装置 - Google Patents

車両搭載型クレーンの安全装置 Download PDF

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Abstract

【課題】オーバーロードによる転倒と損傷を防止し、安全性を向上させる。
【解決手段】ブーム長さ検出器12と、ブーム角度検出器13と、荷重検出器15と、接地負荷検出器16、17と、ブーム長さ検出器12とブーム角度検出器13の検出値に基づいて作業半径Rを算出し、作業半径Rに対応する損傷防止のための限界荷重WLを求め、限界荷重WLと荷重検出器15の検出値とを比較し、荷重検出器15の検出値が限界荷重WLに達すると損傷防止信号を出力する手段、及び記憶している転倒防止のための限界接地負荷RLと接地負荷検出器16、17の検出値とを比較し、接地負荷検出器16、17の検出値が限界接地負荷RLに達すると転倒防止信号を出力する手段を有する演算制御部18とを備え、演算制御部18が荷物の積載状態により変化する限界接地負荷到達荷重に基づくクレーンの作業可能な荷重範囲を、定格荷重と限界荷重との間で制限する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業時のオーバーロードによるクレーンの転倒と損傷を防止するためのクレーンの安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
荷台を有するトラックに架装搭載される車両搭載型のクレーンにおいては、図6に示すような過負荷防止装置を備えているものがある。この過負荷防止装置は、演算制御部58に作業半径演算部60、定格荷重演算部61、荷重比較部62を備えている。
【0003】
クレーン作業時には、ブーム長さ検出器52がブーム長さLを検出し、ブーム角度検出器53がブーム角度θを検出してそれぞれ検出値を作業半径演算部60に送る。荷重検出器55は実荷重Wを検出して検出値を荷重比較部62に送る。
作業半径演算部60はブーム長さLとブーム角度θとから作業半径Rを求め、その値を定格荷重演算部61に送る。
【0004】
定格荷重演算部61には、トラックの荷台に荷物を積載しない状態でクレーンで荷を吊ったときのトラックの安定度から決定されるトラックの転倒防止のための定格荷重WRが、作業半径Rに対応させて予め設定されており、定格荷重演算部61は作業半径演算部60から送られた作業半径Rから対応する定格荷重WRを求め、その値を荷重比較部62に送る。
【0005】
荷重比較部62は、定格荷重演算部61で得られた定格荷重WRと荷重検出器55から送られた実荷重Wとを比較し、実荷重Wが増加して定格荷重WRに達するとクレーン作動停止手段59に停止信号を送ってクレーンの作動を停止させ、あるいは警報を出すようになっている。
また、クレーンの破損事故を防止するための損傷防止装置(特願2002−96771参照)を備えたものもある。この損傷防止装置では、定格荷重を超えるオーバーロード作業を行った場合に、限界荷重演算部がクレーンの強度から決定される作業半径に対応する損傷防止のための限界荷重を求め、荷重比較部が、限界荷重演算部で得られた限界荷重と荷重検出器から送られた実荷重とを比較し、実荷重が増加して限界荷重に達するとクレーン作動停止手段に停止信号を送ってクレーンの作動を停止させ、あるいは警報を出すようになっている。
【0006】
一方、クレーンの転倒事故を防止するための転倒防止装置を備えたものもある。この転倒防止装置は、接地しているアウトリガが地面から離れることのない所定の余裕分を含めた接地負荷の値(限界接地負荷)を予め制御部に設定し、クレーン作業時には、アウトリガの接地負荷を検出し、接地負荷が低下して限界接地負荷に達すると、制御部が転倒警報信号を出すようになっている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−104777号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両搭載型のクレーンでは、トラックの荷台に荷物を積載していない状態では、一般的に図5のように、車両2の左側方領域LA(クレーン1の旋回中心Oと左の前輪31の中心を通る直線と、旋回中心Oと左の後輪33の中心を通る直線間の領域)、及び右側方領域RA(クレーン1の旋回中心Oと右の前輪32の中心を通る直線と、旋回中心Oと右の後輪34の中心を通る直線間の領域)内に最も不安定となる安定最弱領域IAが存在する。そして、過負荷防止装置における定格荷重WRは、車両2の荷台4に荷物が積載されていないという条件の下で、この安定最弱領域IAにブーム9及び吊荷が位置するときに、ブーム9の方向と反対側に接地しているアウトリガ7が地面から離れてしまう荷重(クレーン安定限界荷重)に所定の係数(<1)を掛けて決定されている。
【0009】
ここで、車両2の荷台4に十分な荷物が積載されている状態であるなら、荷物がバランスウエイトの役割を担うので車両2の安定性が向上し、車両2の荷台4に荷物が積載されていない状態よりクレーン安定限界荷重は大きくなる。即ち、クレーン1の作業可能な荷重範囲が増大することになる。
しかし、車両2の荷台4に荷物が積載されていない状態の安定最弱領域IAにおけるクレーン安定限界荷重から得られる定格荷重WRを用いた過負荷防止装置を備えている場合、積載荷物の質量に応じたクレーン安定限界荷重の変化が加味されないため、車両2の荷台4に十分な荷物が積載されて安定性が向上している状態で、実際には作業可能な荷重範囲が過負荷として制限されることになり、クレーン1の作業効率が悪くなる。
【0010】
一方、損傷防止装置のみを備えた車両搭載型のクレーンでオーバーロード作業を行うと、車両2の荷台4に荷物が積載されていない状態、または十分な荷物が積載されていない状態では、車両2の左側方領域LAまたは右側方領域RAにブーム9及び吊荷が位置するとき、クレーン1の損傷防止のための限界荷重に達して停止または警報のための信号が送出される前に、クレーン安定限界荷重を超えて転倒事故に至る可能性がある。
【0011】
また、転倒防止装置のみを備えた車両搭載型のクレーンでは、車両2の前方領域FA(クレーン1の旋回中心Oと左の前輪31の中心を通る直線と、旋回中心Oと右の前輪32の中心を通る直線間の領域)、または後方領域BA(クレーン1の旋回中心Oと左の後輪33の中心を通る直線と、旋回中心Oと右の後輪34の中心を通る直線間の領域)にブーム9及び吊荷が位置するときは、左右のアウトリガ7の接地負荷がほぼ均等であるので、どちらか一方が限界接地負荷まで低下することはない。
【0012】
さらに、車両2の荷台4に十分な荷物を積載した状態で、車両2の左側方領域LAまたは右側方領域RAにブーム9及び吊荷が位置するときは、荷物はバランスウエイトの役割を担い、車両2は安定し、ブーム9の方向と反対側に接地しているアウトリガ7の接地負荷が限界接地負荷まで低下しにくくなる。
従って、転倒防止装置のみを備えた車両搭載型のクレーンでは、オーバーロード作業を行った場合、ブーム9の方向や荷物の積載の状態によっては、転倒事故には至らないが、クレーン強度限界荷重を超えてクレーン1の損傷を生じるおそれがある。
【0013】
本発明は、車両搭載型のクレーンにおける上記問題を解決するものであって、作業時のオーバーロードによるクレーンの転倒と損傷を防止してクレーン作業の安全性を向上させる車両搭載型クレーンの安全装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両搭載型クレーンの安全装置は、荷台を有するトラックに架装搭載される車両搭載型のクレーンであって、クレーンの強度から決定されるクレーンの損傷防止のための限界荷重、及びトラックの荷台に荷物を積載しない状態でクレーンで荷を吊ったときのトラックの安定度から決定されるトラックの転倒防止のための定格荷重を予め設定した車両搭載型のクレーンにおいて、ブームの長さを検出するブーム長さ検出器と、ブームの角度を検出するブーム角度検出器と、実荷重を検出する荷重検出器と、アウトリガの接地負荷を検出する接地負荷検出器と、ブーム長さ検出器とブーム角度検出器の検出値に基づいて作業半径を算出し、作業半径に対応する損傷防止のための限界荷重を求め、得られた限界荷重と荷重検出器の検出値とを比較して、荷重検出器の検出値が限界荷重に達すると損傷防止信号を出力する手段、及び接地負荷検出器の検出値と予め記憶している転倒防止のための限界接地負荷とを比較して、接地負荷検出器の検出値が限界接地負荷に達すると転倒防止信号を出力する手段とを有する演算制御部とを備え、演算制御部が、トラックの荷台の荷物の積載状態によって変化する限界接地負荷到達荷重に基づくクレーンの作業可能な荷重範囲を、前記定格荷重と限界荷重との間で制限するよう構成したことにより上記課題を解決している。
【0015】
損傷防止のための限界荷重は、定格荷重より大きく、クレーンが損傷するクレーン強度限界荷重よりは小さい値となるように、作業半径に対応させて予め設定しておく。
また、転倒防止のための限界接地負荷も接地しているアウトリガが地面から離れることのない所定の余裕分を含めた接地負荷の値を予め設定しておく。
【0016】
損傷防止信号、及び転倒防止信号は、クレーン作動停止手段への停止信号、あるいは警報発生手段への警報信号等とする。
この安全装置を備えることにより、クレーンでオーバーロード作業を行った場合、車両の前方領域または後方領域にブーム及び吊荷が位置するときは、左右のアウトリガの接地負荷は限界接地負荷まで低下しないので転倒防止信号は出力されないが、実荷重が損傷防止のための限界荷重に達すると損傷防止信号が出力され、クレーンの損傷を防止することができる。
【0017】
また、車両の荷台に十分な荷物を積載した状態で、車両の左側方領域または右側方領域にブーム及び吊荷が位置するときは、ブームの方向と反対側に接地しているアウトリガの接地負荷が限界接地負荷まで低下する前に、実荷重が損傷防止のための限界荷重に達することにより、損傷防止信号が出力され、クレーンの損傷を防止することができる。
【0018】
さらに、車両の荷台に荷物が積載されていない状態または十分に荷物が積載されていない状態で、車両の左側方領域または右側方領域にブーム及び吊荷が位置するときは、実荷重が損傷防止のための限界荷重に達する前に、ブームの方向と反対側に接地しているアウトリガの接地負荷が限界接地負荷まで低下することにより、転倒防止信号が出力され、クレーンの転倒を防止することができる。
【0019】
従って、この安全装置を備えることで、車両搭載型のクレーンはあらゆる状態において転倒及び損傷の防止が可能となり、さらに、従来の過負荷防止装置では定格荷重の範囲内に作業が制限されていたのに対し、より広い荷重範囲まで作業を行うことが可能となり、作業能率が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態であるクレーンの安全装置を備えた車両搭載型のクレーンの側面図、図2はクレーンの安全装置の構成を示すブロック図、図3は安全装置を備えたクレーンの作業可能範囲を示す線図である。
図1に示すクレーン1は、車両2の運転室3と荷台4との間のシャーシフレーム5上に搭載されている。このクレーン1は、ベース6の左右両側に設けられたアウトリガ7と、ベース6上で旋回するコラム8に枢支された伸縮起伏自在なブーム9を有しており、ウインチ(図示略)のワイヤロープ10でフック11をブーム9の先端部から吊下している。
【0021】
ブーム9には、ブーム長さ検出器12とブーム角度検出器13が設けられており、ブーム9の起伏シリンダ14には、内圧差で実荷重を検出する荷重検出器15が設けられている。荷重検出器15には、内圧差で実荷重を検出するものでなくロードセルを用いるもの等、他の方式のものを用いることもできる。
左右のアウトリガ7には、アウトリガ7の接地負荷を検出する接地負荷検出器16、17が各々設けられている。接地負荷検出器16、17には、ロードセルによって接地負荷を検出するものやアウトリガ7のシリンダ内圧を検出するものが用いられる。
【0022】
また、コラム8には演算制御部18、ベース6にはクレーン作動停止手段19が設けられている。演算制御部18は、図2に示すように、作業半径演算部20、限界荷重演算部21、荷重比較部22、限界接地負荷記憶部23、接地負荷比較部24を備えている。
クレーン作業時には、アウトリガ7を張り出して接地させ、ブーム9を伸縮起伏させ、吊荷をフック11に掛けてウインチで巻上げ、巻下げする。
【0023】
このとき、図2に示すように、ブーム長さ検出器12はブーム長さLを検出し、ブーム角度検出器13はブーム角度θを検出してそれぞれ検出値を作業半径演算部20に送る。荷重検出器15は実荷重Wを検出して検出値を荷重比較部22に送る。接地負荷検出器16、17は接地負荷Ra、Rbを検出して検出値を接地負荷比較部24に送る。
【0024】
作業半径演算部20はブーム長さLとブーム角度θとから作業半径Rを求め、その値を限界荷重演算部21に送る。
限界荷重演算部21には、図3に示すように、定格荷重WRより大きく、クレーンが損傷するクレーン強度限界荷重WBよりは小さい値となる損傷防止のための限界荷重WLが、作業半径Rに対応させて予め設定されており、限界荷重演算部21は作業半径演算部20から送られた作業半径Rから対応する限界荷重WLを求め、その値を荷重比較部22に送る。
【0025】
荷重比較部22は、限界荷重演算部21で得られた限界荷重WLと荷重検出器15から送られた実荷重Wとを比較し、実荷重Wが増加して限界荷重WLに達するとクレーン作動停止手段19に停止信号を送り、クレーン1の作動を停止させる。
また、接地負荷比較部24は、限界接地負荷記憶部23で予め記憶している限界接地負荷RLと接地負荷検出器16、17からそれぞれ送られた接地負荷Ra、Rbとを比較し、接地負荷Ra、Rbのいずれか一方が限界接地負荷RLまで低下すると、クレーン作動停止手段19に停止信号を送り、クレーン1の作動を停止させる。
【0026】
クレーン作動停止手段19としては、例えば、クレーン1の油圧アクチュエータの作動回路のアンロード弁をアンロード作動させるための電磁弁等が用いられる。
クレーン作動停止手段19に代えて警報発生手段を設け、荷重比較部22もしくは接地負荷比較部24から警報信号を送り、警報を発して作業者に注意を促すともできる。
【0027】
これにより、オーバーロード作業を行った場合、車両2の前方領域FAまたは後方領域BAにブーム9及び吊荷が位置するときは、左右のアウトリガ7の接地負荷Ra、Rbは限界接地負荷RLまで低下しないので接地負荷比較部24からクレーン作動停止手段19へは停止信号は出力されないが、実荷重Wが損傷防止のための限界荷重WLに達すると荷重比較部22からクレーン作動停止手段19に停止信号が出力され、クレーン1の損傷を防止することができる。
【0028】
また、車両2の荷台4に十分な荷物を積載した状態で、車両2の左側方領域LAまたは右側方領域RAにブーム9及び吊荷が位置するときは、ブーム9の方向と反対側に接地しているアウトリガ7の接地負荷Raまたは接地負荷Rbが限界接地負荷RLまで低下する前に、実荷重Wが損傷防止のための限界荷重WLに達することにより、荷重比較部22からクレーン作動停止手段19に停止信号が出力され、クレーン1の損傷を防止することができる。
【0029】
さらに、車両2の荷台4に荷物が積載されていない状態または十分に荷物が積載されていない状態で、車両2の左側方領域LAまたは右側方領域RAにブーム9及び吊荷が位置するときは、実荷重Wが損傷防止のための限界荷重WLに達する前に、ブーム9の方向と反対側に接地しているアウトリガ7の接地負荷Raまたは接地負荷Rbが限界接地負荷RLまで低下することにより、接地負荷比較部24からクレーン作動停止手段19に停止信号が出力され、クレーン1の転倒を防止することができる。
【0030】
従って、図3に示すように、従来の過負荷防止装置を用いた場合の、積載物がない状態で安定最弱領域IAにおけるクレーン安定限界荷重から得た定格荷重WR以下に制限されていた作業可能範囲、即ち図3の(A)の範囲に対して、この安全装置を用いた場合の作業可能範囲は、車両2の前方領域FAまたは後方領域BAにブーム9及び吊荷が位置するときは、左右のアウトリガ7の接地負荷Ra、Rbが限界接地負荷RLまで低下しないので、損傷防止のための限界荷重WLまで、即ち図3の(A+B+C)の範囲まで広がる。
【0031】
また、車両2の左側方領域LAまたは右側方領域RAにブーム9及び吊荷が位置するときは、車両2の荷台4に積載された荷物の質量により、ブーム9の方向と反対側に接地しているアウトリガ7の接地負荷Raまたは接地負荷Rbが変化するため、作業可能範囲は、ブーム9の方向と反対側に接地しているアウトリガ7の接地負荷Raまたは接地負荷Rbが転倒防止のための限界接地負荷RLとなる荷重(限界接地負荷到達荷重WRL)まで、即ち図3の(A+B)の範囲まで広がる。即ち、限界接地負荷RLとなる荷重(限界接地負荷到達荷重WRL)は、従来の定格荷重WRと、損傷防止のための限界荷重WLとの間で逐次変化し、その状態で最適な作業可能範囲を得ることができる。
上記のブーム9の方向と荷物積載の有無とによる転倒防止と損傷防止の作動の関係を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004115207
【0033】
図4は、本発明の他の実施の形態であるクレーンの安全装置の構成を示すブロック図である。
車両2の中には、図5に示すように、ブーム9及び吊荷がアウトリガ7より前方に位置するとき、実荷重Wが限界荷重WLに達する前、あるいは接地負荷Raまたは接地負荷Rbが限界接地負荷RLまで低下する前に、シャーシフレーム5の強度限界を超えて、シャーシフレーム5が破損する恐れのあるものもある。
【0034】
そこで、この安全装置は、シャーシフレーム5の破損を防止するため、ブーム9及び吊荷がアウトリガ7より前方に位置することを検出する前方検出器25を備えている。
その他の構成は図2のものと同様である。
クレーン作業時には、ブーム長さ検出器12はブーム長さLを検出し、ブーム角度検出器13はブーム角度θを検出してそれぞれ検出値を作業半径演算部20に送る。荷重検出器15は実荷重Wを検出して検出値を荷重比較部22に送る。前方検出器25は、クレーン1のブーム9がアウトリガ7より前方に位置するときには、前方信号を限界荷重演算部21に送る。接地負荷検出器16、17は接地負荷Ra、Rbを検出して検出値を接地負荷比較部24に送る。
【0035】
作業半径演算部20はブーム長さLとブーム角度θとから作業半径Rを求め、その値を限界荷重演算部21に送る。
限界荷重演算部21には、クレーンが損傷するクレーン強度限界荷重WBよりは小さい値となる損傷防止のための限界荷重WLと、車両2のシャーシフレーム5の強度限界を超えないような前方限界荷重WFが、作業半径Rに対応させて予め設定されており、限界荷重演算部21は作業半径演算部20から送られた作業半径R及び前方検出器25から送られた前方信号により対応する限界荷重WLまたは前方限界荷重WFを求め、その値を荷重比較部22に送る。
【0036】
荷重比較部22は、限界荷重演算部21で得られた限界荷重WLまたは前方限界荷重WFと荷重検出器15から送られた実荷重Wとを比較し、実荷重Wが増加して限界荷重WLまたは前方限界荷重WFに達するとクレーン作動停止手段19に停止信号を送り、クレーン1の作動を停止させる。
また、接地負荷比較部24は、限界接地負荷記憶部23で予め記憶している限界接地負荷RLと接地負荷検出器16、17からそれぞれ送られた接地負荷Ra、Rbとを比較し、接地負荷Ra、Rbのいずれか一方が限界接地負荷RLまで低下すると、クレーン作動停止手段19に停止信号を送り、クレーン1の作動を停止させる。
【0037】
クレーン作動停止手段19としては、例えば、クレーン1の油圧アクチュエータの作動回路のアンロード弁をアンロード作動させるための電磁弁等が用いられる。
クレーン作動停止手段19に代えて警報発生手段を設け、荷重比較部22もしくは接地負荷比較部24から警報信号を送り、警報を発して作業者に注意を促すともできる。
【0038】
これにより、クレーン1のブーム9及び吊荷がアウトリガ7より前方に位置するときに、実荷重Wが限界荷重WLに達する前、あるいは接地負荷Raまたは接地負荷Rbが限界接地負荷RLまで低下する前に、車両2のシャーシフレーム5の強度限界を超えシャーシフレーム5が破損する可能性がある場合に、実荷重Wが前方限界荷重WFに達すると、荷重比較部22からクレーン作動停止手段19に停止信号が出力されるため、車両2のシャーシフレーム5の破損を防止することができる。
【0039】
前方限界荷重WFは、車両2のシャーシフレーム5の強度限界を超えないような値を設定しているが、限界荷重WLに任意の係数を掛けた値(例えばWF=WL×1/4)として設定してもよい。
さらに他の実施の形態として、限界荷重WLに近づいてることを作業者に知らせるために、限界荷重WLより小さい値を予告荷重として設定しておき、実荷重Wが予告荷重に達すると警報発生手段に警報信号を送り、予告警報を発して作業者に注意を促すように構成することもできる。
【0040】
同様に、限界接地負荷RLに近づいてることを作業者に知らせるために、限界荷重RLより大きい値を予告接地負荷として設定しておき、接地負荷Raまたは接地負荷Rbが予告接地負荷に達すると警報発生手段に警報信号を送り、予告警報を発して作業者に注意を促すように構成することもできる。
上記の各実施の形態では、演算制御部18を一つ備えているが、転倒防止制御を行うものと、損傷防止制御を行うものとを別個に設けるように構成することも可能である。その場合、クレーン作動停止手段19は共用できる。
また、接地負荷検出器16、17は、左右のアウトリガ7に設けているが、さらに他の位置にもアウトリガが存在する場合には、接地負荷検出器も各アウトリガに設けるように構成することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のクレーンの安全装置によれば、車両搭載型のクレーンにおいて転倒の防止及び損傷の防止が可能であり、クレーン作業の安全性を向上させることができる。
さらに、従来の過負荷防止装置では定格荷重以下に作業範囲が制限されていたのに対し、より広い荷重範囲まで作業を行うことが可能となり、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるクレーンの安全装置を備えた車両搭載型のクレーンの側面図である。
【図2】クレーンの安全装置の構成を示すブロック図である。
【図3】安全装置を備えたクレーンの作業可能範囲を示す線図である。
【図4】本発明の他の実施の形態であるクレーンの安全装置の構成を示すブロック図である。
【図5】クレーンのブーム位置の説明図である。
【図6】従来の過負荷防止装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1   クレーン
2   車両
3   運転室
4   荷台
5   シャーシフレーム
6   ベース
7   アウトリガ
8   コラム
9   ブーム
10  ワイヤロープ
11  フック
12  ブーム長さ検出器
13  ブーム角度検出器
14  起伏シリンダ
15  荷重検出器
16  接地負荷検出器
17  接地負荷検出器
18  演算制御部
19  クレーン作動停止手段
20  作業半径演算部
21  限界荷重演算部
22  荷重比較部
23  限界接地負荷記憶部
24  接地負荷比較部
25  前方検出器
BA  後方領域
FA  前方領域
LA  左側方領域
RA  右側方領域
IA  安定最弱領域
L   ブーム長さ
R   作業半径
Ra、Rb  接地負荷
RL  限界接地負荷
W   実荷重
WB  クレーン強度限界荷重
WF  前方限界荷重
WL  限界荷重
WR  定格荷重
θ   ブーム角度

Claims (1)

  1. 荷台を有するトラックに架装搭載される車両搭載型のクレーンであって、クレーンの強度から決定されるクレーンの損傷防止のための限界荷重、及びトラックの荷台に荷物を積載しない状態でクレーンで荷を吊ったときのトラックの安定度から決定されるトラックの転倒防止のための定格荷重を予め設定した車両搭載型のクレーンにおいて、
    ブームの長さを検出するブーム長さ検出器と、ブームの角度を検出するブーム角度検出器と、実荷重を検出する荷重検出器と、アウトリガの接地負荷を検出する接地負荷検出器と、ブーム長さ検出器とブーム角度検出器の検出値に基づいて作業半径を算出し、作業半径に対応する損傷防止のための限界荷重を求め、得られた限界荷重と荷重検出器の検出値とを比較して、荷重検出器の検出値が限界荷重に達すると損傷防止信号を出力する手段、及び接地負荷検出器の検出値と予め記憶している転倒防止のための限界接地負荷とを比較して、接地負荷検出器の検出値が限界接地負荷に達すると転倒防止信号を出力する手段とを有する演算制御部とを備え、
    演算制御部が、トラックの荷台の荷物の積載状態によって変化する限界接地負荷到達荷重に基づくクレーンの作業可能な荷重範囲を、前記定格荷重と限界荷重との間で制限するよう構成したことを特徴とする車両搭載型クレーンの安全装置。
JP2002281295A 2002-09-26 2002-09-26 車両搭載型クレーンの安全装置 Expired - Lifetime JP4194820B2 (ja)

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