JP2004112378A - フィルタ、複合フィルタ、それらを搭載したフィルタ実装体、集積回路チップ、電子機器およびそれらの周波数特性変更方法 - Google Patents

フィルタ、複合フィルタ、それらを搭載したフィルタ実装体、集積回路チップ、電子機器およびそれらの周波数特性変更方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気−機械変換された駆動力により、共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数及び外部Q値を各々個別に所望の値に変更できるようにする。
【解決手段】入力電極2と出力電極3とから狭い空隙4,5を隔てて共振モード間結合部6を有するデュアルモード弾性波共振器7aを配置する。これらは、導電性支柱27,28,29、給電パッド31により基板上に振動自在に支持されている。入・出力電極2,3、共振器7a、共振モード間結合部6の下には狭い空隙を隔てて対向電極10,11,21,23が形成されている。電源25の電圧を変化させると、静電力により共振器7aの歪みが変化し中心共振周波数が変化する。電源16,17の電圧を変化させると、入・出力電極2,3の歪みが変化し入・出力電極と共振器7aとの端面の対向面積が変化する。これにより入・出力電極と共振器7aとの間のエネルギーのやりとりの状況が変化し外部Q値が変化する。電源25の電圧を変化させると結合部6の歪みが変化し共振モード間の結合係数が変化する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信回路に使用するフィルタおよびその周波数特性変更方法に関し、詳細にはマイクロ・エレクトロ−メカニカル・システム(MEMS)技術を使用し、弾性波共振器を用いて作製したフィルタ、その周波数特性変更方法およびそのフィルタを搭載した、携帯電話機、通信装置などの電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、無線LAN、携帯電話システムをはじめとした無線通信システムにおいては、変復調方式、割り当て周波数等がシステムや国の違いによって各々異なっている。このような状況のもと、各種のシステムに一種類の無線機で対応できるソフトウェア無線機の開発が盛んに行われている。このソフトウェア無線機においては、ソフトウェアの変更により変調方式のみならず使用する無線周波数も変更できることが望まれている。このような機能を実現するためには、アンテナで送受信する電波の周波数の中から所望とする周波数帯のみを選別するフィルタにおいても、その中心周波数と帯域幅が任意に可変できることが望まれる。しかしながら、現在使用されている弾性表面波フィルタ、誘電体フィルタあるいは積層セラミックフィルタでは、ソフトウェア無線機において望まれる中心周波数と帯域幅の可変機構を備えることは極めて困難である。また、GHz帯で使用可能なフィルタで中心周波数を可変可能なデバイスとしては静磁波フィルタが知られているが、このデバイスをもってしても帯域幅を任意に変更することは困難である。
【0003】
近年、特開2001−94062号公報(参考文献1)にも開示されているように、マイクロ・エレクトロ−メカニカル・システム(MEMS)技術の進展と共に中間周波数帯域用の狭帯域フィルタの開発が盛んになっている。この種のフィルタは、入出力間で複数の微小な共振器を結合させることにより、所望とする周波数の信号を通過させ、その他の周波数の信号および雑音を減衰させる。このようなMEMS技術を用いて作製したフィルタにおいては、作製プロセスに起因する、フィルタの周波数特性に関わる共振器の中心周波数の設計値からのずれとばらつき、共振器間の結合係数の設計値からのずれとばらつき、および所望とする周波数信号の入出力部と共振器を結合する外部Q値の設計値からのずれとばらつきが存在する。参考文献1には、このような周波数特性のずれとばらつきを調整する方法として、イオン注入によりシリコン導電層の密度を変化させること、あるいは共振器の厚さを変更することが記載されている。従って、参考文献1に記載された技術では、ソフトウェア上で指令して電気信号で機械的に制御可能な可動機構により周波数特性を調整することは出来ない。
【0004】
このような周波数特性のずれやばらつきをMEMS技術により作りこんだ電気信号で機械的に制御可能な可動機構により調整する方法が、Frank D. Bannon, III, John R. Clark, and Clark T.−C. Nguyen, 「High−Q HF Microelectromechanical Filters」 IEEE Journal of Solid−State Circuits, Vol. 35, No. 4, 512−526(2000) (参考文献2)に開示されている。
参考文献2の方法は、フィルタの周波数特性のうち中心周波数の設計値からのずれとばらつきを調整することを目的として、所望とする周波数信号の入出力部と共振器の間に直流電圧をかけることにより共振器の中心周波数を調整するものである。このように、中心周波数に限定してフィルタの周波数特性の一部を調整する方法については、参考文献2にも開示されているようにこれまでにいくつか提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のMEMS技術を用いたフィルタにおいては、フィルタの周波数特性全般、即ち、中心周波数、帯域幅、遮断特性、挿入損失、位相特性の全ての特性に関して設計値からのずれとばらつきを調整できるフィルタは、これまでに提案されていない。このような周波数特性全般を調整するためには、少なくともフィルタ設計に用いられるパラメータのうち、一段フィルタであれば共振器の中心周波数と、入力電極と共振器間の外部Q値、及び出力電極と共振器間の外部Q値の三個のパラメータ全てを独立に調整する必要がある。ここで、一段フィルタとはフィルタとして使用する共振モードがただ一つであるフィルタを意味する。またフィルタとして使用する共振モードが複数個存在する複数段フィルタの場合には、共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および所望とする周波数信号の入出力部と共振器を結合する外部Q値を各々個別に所望の設計値に調整可能にしなければならない。例えば、参考文献2には、入・出力電極と共振器の間に直流電圧を印加することにより共振器を歪ませて共振器の中心周波数を所望とする値に調整できることが示されているが、この方法では、共振器が歪むことにより入出力電極と共振器の間隔が狭まるため、所望とする周波数信号の入・出力部と共振器の間の静電力による結合も同時に強くなる。従って、中心周波数を調整した場合、外部Q値も変わることになる。
また、このようなMEMS技術により作製した電気信号で機械的に制御可能な可動機構により周波数特性の一部のずれやばらつきを調整することのできるMEMSフィルタにおいても、ソフトウェア無線機に必要とされるような、電気的に制御可能な形式でフィルタの周波数特性を可変させることにより、異なる周波数帯域や中心周波数を有する各種の規格に対応した周波数特性に変更することの可能なシステムは、これまで考えられていなかった。
【0006】
本発明の目的は、MEMS技術を用いたフィルタにおいて、MEMS技術により作りこんだ電気信号で機械的に制御可能な可動機構により、周波数特性全般のずれやばらつきを各々個別に所望の設計値に修正可能であり、さらにソフトウェア無線機に必要とされるような、電気的に制御可能な形式でフィルタの周波数特性全般を各々個別に所望の目的とする値に可変させることにより、異なる周波数帯域や中心周波数を有する各種の規格に対応した周波数特性に変更することの可能な小型で高機能のフィルタと、その周波数特性変更方法と、そのフィルタを搭載した小型で信頼性の高い電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、基板上に形成された、入力電極と、出力電極と、前記入力電極と前記出力電極との間に配置されたフィルタとして使用する共振モードが一つである一個の弾性波共振器とを有するフィルタであって、前記弾性波共振器の中心周波数と、前記弾性波共振器と前記入力電極の間の外部Q値、および前記弾性波共振器と前記出力電極の間の外部Q値の、前記フィルタの周波数特性を決定する全てのパラメータを各々同時、且つ独立に変更しうる、各々同時、且つ独立に電気信号を印加可能な、少なくとも前記パラメータと同数設けられた構造を有し、当該構造に設けられた電極に前記電気信号をそれぞれ個別に印加することにより前記フィルタの当該構造の各一部分を各々同時、且つ有限の独立性を持って機械的に変形しうる機能を有した電気−機械変換部を含んで構成されることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0008】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、基板上に形成された、入力電極と、出力電極と、前記入力電極と前記出力電極との間に配置された、少なくとも1個の弾性波共振器を含み、フィルタとして使用する複数個の弾性波の共振モードを前記弾性波共振器内に備えた共振部とを有するフィルタであって、前記共振部の複数個の共振モード間の結合係数と、中心周波数と、前記弾性波共振器と前記入力電極の間の外部Q値、および前記弾性波共振器と前記出力電極の間の外部Q値の、前記フィルタの周波数特性を決定する全てのパラメータを各々同時、且つ独立に変更しうる、各々同時、且つ独立に電気信号を印加可能な、前記パラメータと少なくとも同数設けられた構造を有し、当該構造に設けられた電極に前記電気信号をそれぞれ個別に印加することにより前記フィルタの当該構造の各一部分を各々同時、且つ有限の独立性を持って機械的に変形しうる機能を有した電気−機械変換部を含んで構成されることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0009】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記電気−機械変換部は、前記電気信号を印加することにより、静電力または圧電体の変形によって前記フィルタの当該構造の各一部分を機械的に変形しうる機構であることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0010】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記電気−機械変換部として、前記弾性波共振器の端面が前記入力電極および前記出力電極の端面と所定の間隙を介して対向しており、静電力または圧電体の変形により前記弾性波共振器の端面と前記入力電極および前記出力電極の端面との距離、または、端面同士の対向面積を変化させる機構を含むことを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0011】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記電気−機械変換部として、前記静電力または前記圧電体の変形により前記弾性波共振器の一部を機械的に変形する機構を含むことを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0012】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記電気−機械変換部は、前記弾性波共振器の一部の機械的変形により、前記弾性波共振器に印加される張力を変化させる機構であることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記入力電極、前記弾性波共振器、前記出力電極が、半導体、金属または表面が半導体、金属により被覆された絶縁体で形成されていることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記入力電極、前記弾性波共振器または前記出力電極の中の少なくともいずれか1つには局部発振器が接続されていることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、所望する周波数特性に適合する前記弾性波共振器の中心周波数および外部Q値を実現する前記電気信号に対応する値を記憶する記憶回路と、その記憶回路から記憶値を読み出しその記憶値を前記電気信号に変換しその電気信号を出力する印加電圧形成部と、を備え、前記印加電圧形成部が出力する前記電気信号を前記電気−機械変換部の入力信号として用いることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、所望する周波数特性に適合する前記共振部の共振モード間の結合係数、中心周波数および外部Q値を実現する前記電気信号に対応する値を記憶する記憶回路と、その記憶回路から記憶値を読み出しその記憶値を前記電気信号に変換しその電気信号を出力する印加電圧形成部と、を備え、前記印加電圧形成部が出力する電気信号を前記電気−機械変換部の入力信号として用いることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記記憶回路がデジタル回路で構成されており、前記印加電圧形成部がデジタル−アナログ変換器を構成要素として含むことを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記印加電圧形成部が出力する電気信号を昇圧回路、降圧回路または増幅回路を介して前記電気−機械変換部に印加する機構であることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0019】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、前記記憶回路、および/または、前記印加電圧形成部の一部または全部が、前記弾性波共振器が形成される前記基板と同一基板上に形成されていることを特徴とするフィルタ、が提供される。
【0020】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、変更可能な中心周波数範囲が互いに異なる、フィルタを並列に複数個備えたことを特徴とする複合フィルタ、が提供される。
【0021】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、各前記フィルタには、増幅器が直列に接続されていることを特徴とする複合フィルタ、が提供される。
【0022】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、各前記フィルタは、アイソレータにより互いに分離されていることを特徴とする複合フィルタ、が提供される。
【0023】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、各前記フィルタへの分岐点には、サーキュレータが接続されていることを特徴とする複合フィルタ、が提供される。
【0024】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、各前記フィルタには、スイッチ、および/または、可変移相器が直列に接続されていることを特徴とする複合フィルタ、が提供される。
【0025】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、所望する周波数特性を与えるフィルタの組み合わせを実現する、各フィルタに直列に接続されたスイッチのオン/オフ、あるいは可変移相器による位相の調整値を記憶する記憶回路を備えることを特徴とする複合フィルタ、が提供される。
【0026】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、各前記フィルタが同一基板上に形成されていることを特徴とする複合フィルタ、が提供される。
【0027】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、各前記フィルタと、各前記フィルタに接続されるデバイスの全部またはその一部が同一基板上に形成されていることを特徴とする複合フィルタ、が提供される。
【0028】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、上記フィルタまたは複合フィルタがパッケージ内に気密に封止されていることを特徴とするフィルタ実装体が提供される。
【0029】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、上記パッケージ内にはゲッター材が配置されていることを特徴とするフィルタ実装体、が提供される。
【0030】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、フィルタ、または複合フィルタが回路の一部として同一基板上に集積化された集積回路チップ、が提供される。
【0031】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、フィルタか、複合フィルタ、または集積回路チップが搭載された電子機器、が提供される。
【0032】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の電気信号を印加して前記弾性波共振器を機械的に変形することにより共振部の中心周波数を変更し、第2、第3の電気信号を印加して、入力電極と弾性波共振器との相対的位置、および、出力電極と弾性波共振器との相対的位置を変化させることにより外部Q値を変更することを特徴とするフィルタの周波数特性変更方法、が提供される。
【0033】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1の電気信号を印加して前記弾性波共振器を機械的に変形することにより共振部の複数個の共振モードの中心周波数を変更し、第2、第3の電気信号を印加して、入力電極と弾性波共振器との相対的位置、および、出力電極と弾性波共振器との相対的位置を変化させることにより外部Q値を変更し、更に第4の電気信号を印加して前記共振部の共振モード間の結合を生じさせる複数個の部位を各々変形することにより共振モード間の結合係数を変更することを特徴とするフィルタの周波数特性変更方法、が提供される。
【0034】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、所望する周波数特性に適合する共振部の中心周波数および外部Q値を実現する電気信号に対応する値を予め記憶回路は記憶しておき、フィルタの周波数特性を変更する際に印加電圧形成部はその記憶回路からその記憶値を読み出し、形成した電気信号をフィルタの電気−機械変換部に印加することによりフィルタの周波数特性を変更することを特徴とするフィルタの周波数特性変更方法、が提供される。
【0035】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、所望する周波数特性に適合する共振器の中心周波数、外部Q値および共振モード間の結合係数を実現する電気信号に対応する値を予め記憶回路は記憶しておき、フィルタの周波数特性を変更する際に印加電圧形成部はその記憶回路からその記憶値を読み出し、形成した電気信号をフィルタの電気−機械変換部に印加することによりフィルタの周波数特性を変更することを特徴とするフィルタの周波数特性変更方法、が提供される。
【0036】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、各フィルタの周波数特性を変更することにより前記複合フィルタの周波数特性を変更することを特徴とする複合フィルタの周波数特性変更方法、が提供される。
【0037】
また、上記の目的を達成するため、本発明によれば、所望する周波数特性を実現するために、各フィルタに直列に接続されたスイッチのオン/オフ、および/または、可変移相器による位相の調整を行うことにより、複合フィルタの周波数特性を変更することを特徴とする複合フィルタの周波数特性変更方法、が提供される。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態を示す概略の平面図であり、図2(a)は、図1(a)のA−A線の断面図である。本実施の形態に係るフィルタは、入力電極101と、出力電極102と、入力電極101と出力電極102とからそれぞれ狭い隙間d1、d2を隔てて形成された、方形の弾性波共振器103を備える。電極面積や印加電圧にも依存するが、動作電圧の低電圧化等や必要とする外部Q値の保持の観点から、隙間d1、d2は概ね100nm以下に形成されることが望ましい。これらは図示が省略された基板上に支持されており、そして電気−機械変換された機械的な駆動力により、全体または部分的に変形ないし変形に伴う移動が可能である。入力電極101、出力電極102、弾性波共振器103は、導電性材料によって、すなわち、半導体、金属または表面が半導体、金属によって被覆された絶縁体等により形成されるが、必ずしも同一材料によって形成される必要はない。好ましい材料としては、シリコン、アルミニウム、鉄若しくはランタン等を含むアルミニウム合金、チタン、クロム、エリンバー(elinvar)合金、恒弾性合金が挙げられるが、これらに限定されない。それらは単結晶状に形成されていてもよく、またアモルファス状であってもよい。
【0039】
入・出力電極101、102、弾性波共振器103を駆動する機械的な力としては、電気−機械変換により形成される駆動力は全て利用可能であるが、好ましくは、静電力と圧電体の変形が用いられる。入・出力電極101、102、弾性波共振器103を支持する基板は、Si、GaAs、InP、GaN等の半導体、金属、絶縁性材料、及びそれらの複合材料によって形成することができる。半導体、金属材料を用いる場合には表面は適宜絶縁被覆される。
図2(b)に示すように、弾性波共振器103に機械的な力F1を印加してこれを変形、歪ませると、弾性波共振器103に張力が掛かり、共振周波数が上昇する。すなわち、弾性波共振器103の中心周波数を変化させることができる。また、図2(c)に示すように、入力電極101、出力電極102の弾性波共振器103寄りの部位に機械的な力F2、F3を印加してこの部位を変形、歪ませると、入力電極101の端面と弾性波共振器103の端面との対向面積、出力電極102の端面と弾性波共振器103の端面との対向面積が減少する。その結果、入力電極101−弾性波共振器103間および出力電極102−弾性波共振器103間の電磁波のカップリングは弱くなり、入力電極101から弾性波共振器103へ静電力を介して伝達される弾性波の強さも弱くなる。即ち、外部Q値は大きくなる。また、図2(d)に示すように、入力電極101、出力電極102に水平方向の機械的な力F4、F5を印加して入力電極101、出力電極102を水平方向に移動させ、入力電極101、出力電極102と弾性波共振器103との隙間をd3、d4と変化させると、入力電極101−弾性波共振器103間および出力電極102−弾性波共振器103間の電磁波のカップリングが変化する。これによっても、外部Q値を変化させることができる。以上の中心周波数の変化と外部Q値の変化をもたらす変形は、必ずしも完全に独立である必要は無い。例えば、図2(d)の場合に、静電力を用いて機械的な力F4とF5を入力電極101と弾性波共振器103の間、あるいは出力電極102と弾性波共振器103の間に生じさせた場合、弾性波共振器103にも若干の張力が掛かり、中心周波数が変化する場合がある。この場合、中心周波数の変化と外部Q値の変化をもたらす変形は完全には独立ではない。しかしながら、同時に図2(b)のF1を独立に調整可能にする事により、変化した中心周波数を所望の値に戻すことができる。すなわち、前記変形は完全に独立ではなくとも、中心周波数の変化と外部Q値の変化を独立に行うことができる。従って、フィルタの周波数特性を決定する全てのパラメータを少なくとも同数設けられ、同時、且つ独立に電気9信号を印加可能な電気−機械変換部を備える事により、前記パラメータ全てを各々、同時、且つ独立に変更しうる。
上記のように構成されたフィルタの共振器の中心周波数および外部Q値を所望の値に調整するために、上記の力F1、F2、F3(またはF4、F5)を形成する電気−機械変換部には、これらの力を適切な値に制御するために直流の電気信号が入力される。その電気信号を形成する電気信号形成回路は、各種の周波数特性に適合する一連の共振器の中心周波数および外部Q値を実現する一連の電気信号に対応する値を記憶する記憶装置から、使用する周波数特性の共振器の中心周波数および外部Q値を実現する一連の電気信号に対応する記憶値を読み出し、これに基づいて電気−機械変換部に入力すべき電気信号を形成する。これらの電気信号形成回路、記憶装置の全部または一部は、入・出力電極、弾性波共振器が形成される基板と同一基板上に形成することが好ましい。これにより、部品点数が削減できることにより、低価格化、信頼性の向上等が計れる。
また、直流の電気信号を入力すると共に、前記入力電極、前記弾性波共振器または前記出力電極の中の少なくともいずれか1つに局部発振器を接続し、局部発振信号を重畳することにより、ミキサ機能を兼ね備えることもできる。
また、上記のように構成されたフィルタ単体で実現できる中心周波数の可変範囲は、ソフトウェア無線機等で所望される可変範囲と比較的して狭い。そのため上記のフィルタ単体では必要となる中心周波数の可変範囲を実現できない場合が起こり得る。その場合には、中心周波数の変更可能な範囲が異なる単位フィルタを複数並列に接続して広い周波数可変範囲をカバーできるようにすることができる。これら並列接続される単位フィルタは、同一基板上に形成することが望ましい。これにより、部品点数が削減できることにより、低価格化、信頼性の向上等が計れる。
【0040】
図1(b)は、本発明の第2の実施の形態を示す概略の平面図であり、図3(a)は、図1(b)のB−B線の断面図である。本実施の形態に係るフィルタは、入力電極101と、出力電極102と、入力電極101と出力電極102とからそれぞれ狭い隙間d1、d2を隔てて形成された、平面形状が概略正方形のデュアルモード弾性波共振器104を備える。デュアルモード弾性波共振器104には、入力電極101と出力電極102とから離れた隅に、二つのモードの共振を結合させる共振モード間結合部105が形成されている。これらは図示が省略された基板上に支持されており、そして電気−機械変換された駆動力により、全体または部分的に移動ないし変形が可能である。入力電極101、出力電極102、弾性波共振器104は、第1の実施の形態において説明した、入力電極等の形成材料と同様の材料により形成される。また、これらを支持する基板も第1の実施の形態の場合と同様のものが用いられる。
【0041】
入・出力電極101、102、デュアルモード弾性波共振器104、共振モード間結合部105を駆動する電気−機械変換により形成される力には、静電力と圧電体の変形が好ましく用いられるが、これに限定されない。
図3(b)に示すように、デュアルモード弾性波共振器104に機械的な力F1を印加してこれを歪ませると、デュアルモード弾性波共振器104に張力が掛かり、両共振モードともに共振周波数が上昇する。これにより、デュアルモード弾性波共振器104の中心周波数を変化させることができる。また、図3(c)に示すように、入力電極101の弾性波共振器104寄りの部位に機械的な力F2を印加してこの部位を歪ませると(ここでは入力電極側についてのみ図示し、説明するが、出力電極側においても機械的な力F3が印加されほぼ同様の動作が行われるものと理解されたい)、入力電極101の端面とデュアルモード弾性波共振器104の端面との対向面積が減少する。その結果、入力電極101−デュアルモード弾性波共振器104間の電磁波のカップリングは弱くなり、入力電極101からデュアルモード弾性波共振器104へ静電力を介して伝達される弾性波の強さも弱くなる。即ち、外部Q値は大きくなる。また、図3(d)に示すように、入力電極101に水平方向の機械的な力F4を印加して入力電極101を水平方向に移動させ、入力電極101とデュアルモード弾性波共振器104との隙間をd3と変化させると(出力電極側においても水平方向の機械的な力F5が印加されほぼ同様の動作が行われるものと理解されたい)、入力電極101−デュアルモード弾性波共振器104間の電磁波のカップリングが変化する。これによっても、外部Q値を変化させることができる。また、図3(e)に示すように、デュアルモード弾性波共振器104の共振モード間結合部105に機械的な力F6を印加してこれを歪ませると、デュアルモード弾性波共振器104の正方形からのずれが大きくなり、これにより二つの共振モード間の結合係数を変更することが出来る。以上の中心周波数の変化と、外部Q値、及び結合係数の変化をもたらす変形は、第1の実施の形態同様、必ずしも完全に独立である必要は無い。例えば、図3の場合に、静電力を用いて、各々機械的な力F4とF2を生じさせた場合、弾性波共振器103にも若干の張力が掛かり、中心周波数が変化する場合がある。この場合、中心周波数の変化と、外部Q値、あるいは結合係数の変化をもたらす変形は完全には独立ではない。しかしながら、同時に図3(b)のF1を独立に調整可能にする事により、変化した中心周波数を所望の値に戻すことができる。すなわち、前記変形は完全に独立ではなくとも、中心周波数の変化と外部Q値、あるいは結合係数の変化を独立に行うことができる。従って、フィルタの周波数特性を決定する全てのパラメータを少なくとも同数設けられ、同時、且つ独立に電気9信号を印加可能な電気−機械変換部を備える事により、前記パラメータ全てを各々、同時、且つ独立に変更しうる。
上記のように構成されたフィルタの共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値を所望の値に調整するために、上記の力F1、F2、F3(またはF4、F5)、F6を形成する電気−機械変換部には、これらの力を適切な値に制御するために直流の電気信号が入力される。その電気信号を形成する電気信号形成回路は、各種の周波数特性に適合する一連の共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値を実現する一連の電気信号に対応する値を記憶する記憶装置から、使用する周波数特性の共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値を実現する一連の電気信号に対応する記憶値を読み出し、これに基づいて電気−機械変換部に入力すべき電気信号を形成する。これらの電気信号形成回路、記憶装置の全部または一部は、入・出力電極、デュアルモード弾性波共振器が形成される基板と同一基板上に形成することが好ましい。これにより、部品点数が削減できることにより、低価格化、信頼性の向上等が計れる。
また、上記のように構成されたフィルタ単体で実現できる中心周波数の可変範囲は比較的に狭い。そのため上記のフィルタ単体では必要となる中心周波数の可変範囲を実現できない場合が起こり得る。その場合には、中心周波数の変更可能な範囲が異なる単位フィルタを複数並列に接続して広い周波数可変範囲をカバーできるようにすることができる。これら並列接続される単位フィルタは、同一基板上に形成することが望ましい。これにより、部品点数が削減できることにより、低価格化、信頼性の向上等が計れる。
【0042】
図1(c)は、本発明の第3の実施の形態を示す概略の平面図である。図1(c)のB−B線の断面図は、図3(a)に示される第2の実施の形態の断面図と同様である。本実施の形態に係るフィルタは、入力電極101と、出力電極102と、入力電極101と出力電極102とからそれぞれ狭い隙間d1、d2を隔てて形成された、平面形状が方形の2つの弾性波共振器103を備える。2つの弾性波共振器103の間には、2つの共振器で所望の共振周波数で各々共振する弾性波、あるいは共振モードを結合させる共振モード間結合部105が形成されている。これらは図示が省略された基板上に支持されており、そして電気−機械変換された駆動力により、全体または部分的に移動ないし変形が可能である。入力電極101、出力電極102、弾性波共振器103および共振モード間結合部105とこれらを支持する基板は、第1の実施の形態の場合と同様の材料を用いて形成される。
【0043】
入・出力電極101、102、弾性波共振器103、共振モード間結合部105を駆動する機械的な力には、静電力と圧電体の変形が好ましく用いられるが、これらに限定されない。
図3(b)に示すように、弾性波共振器103に機械的な力F1を印加してこれを歪ませると、弾性波共振器103に張力が掛かり、弾性波共振器103の中心周波数を変化させることができる。また、図3(c)に示すように、入力電極101の弾性波共振器103寄りの部位に機械的な力F2を印加してこの部位を変形、歪ませると(ここでは入力電極側についてのみ図示し、説明するが、出力電極側においても機械的な力F3が印加されほぼ同様の動作が行われるものと理解されたい)、入力電極101の端面と弾性波共振器103の端面との対向面積が減少する。その結果、入力電極101−弾性波共振器103間の電磁波のカップリングは弱くなり、入力電極101から弾性波共振器103へ静電力を介して伝達される弾性波の強さも弱くなる。即ち、外部Q値は大きくなる。また、図3(d)に示すように、入力電極101に水平方向の機械的な力F4を印加して入力電極101を水平方向に移動させ、入力電極101と弾性波共振器103との隙間をd3と変化させると(出力電極側においても水平方向の機械的な力F5が印加されほぼ同様の動作が行われるものと理解されたい)、入力電極101−弾性波共振器103間の電磁波のカップリングが変化する。これによっても、外部Q値を変化させることができる。また、図3(e)に示すように、弾性波共振器103の共振モード間結合部105に機械的な力F6を印加してこれを歪ませると、二つの弾性波共振器103間の結合度が変化し、これにより2つの共振モード間の結合係数を変更することが出来る。以上の中心周波数の変化と、外部Q値、及び結合係数の変化をもたらす変形は、第1、第2の実施の形態同様、必ずしも完全に独立である必要は無い。フィルタの周波数特性を決定する全てのパラメータを少なくとも同数設けられ、同時、且つ独立に電気9信号を印加可能な電気−機械変換部を備える事により、前記パラメータ全てを各々、同時、且つ独立に変更しうる。
【0044】
【実施例】
次に、添付した図面を参照しながら、本発明の実施例について詳細に説明する。
図4は、本発明の第1の実施例を示す図であって、図4(a)は、周辺回路構成を書き加えた上面図、図4(b)は正面図、図4(c)は側面図であり、また図4(d)は、弾性波共振器の動作を説明する模式図である。
図4に示すように、本実施例のフィルタにおいては、基板1上に主に入力電極2と出力電極3と、その間に狭い空隙4と5を挟んで共振モード間結合部6を除いて上方から見て正方形をしているデュアルモード弾性波共振器7aから構成されている。このデュアルモード弾性波共振器7aの縦横の幅は構成材料の弾性波の速度を考慮して、設計時の共振周波数を実現した際に一波長の長さに一致するようにする。例えばアルミニウムであれば1GHzの共振周波数を得るためにはほぼ5ミクロンとなる。さらに、共振周波数を低くする場合と比較して高くするほうが容易であるため、製造時にはなるべく可変前の共振周波数を可変範囲下限か、それより低い周波数に予め設計しておくことが望ましい。また、本実施例では正方形としたが、デュアルモード弾性波共振器7aの形状は正方形に限らず、帯域幅を広くする設計として、縦横の幅を意識的にずらし、共振周波数を若干ずらす場合もある。入力電極2と出力電極3は、それぞれ導電性支柱27、28により支持されており、またデュアルモード弾性波共振器7aは、導電性支柱29と給電パッド31により支持されている。なお、導電性支柱29と給電パッド31は、弾性波共振器7aの振動の節となる部位に設けられている。
本フィルタにおいては、外部Q値を変更可能な電気信号で機械的に制御可能な可動機構として、入力電極2と出力電極3には、空隙8と9を挟んでその各々の近傍に配置された対向電極10と11が備えられている。入力電極2と出力電極3は、各々受信信号入力端子12と出力端子13に、直流電圧が漏れないようにデカップリングキャパシタ14、15を介して接続されている。可変電圧源16、17の入力端子12と出力端子13側にも、交流信号をカットするためのインダクタ18、19が挿入されている。なお、キャパシタ14とインダクタ18あるいはキャパシタ15とインダクタ19で生じる共振の周波数は、所望とするフィルタの周波数帯より十分低く設定してある。
【0045】
また、デュアルモード弾性波共振器7aの中心周波数を変更可能な電気信号で機械的に制御可能な可動機構として、デュアルモード弾性波共振器7aには空隙20を挟んでその近傍に配置された対向電極21が備えられている。さらに、デュアルモード弾性波共振器7aの共振モード間の結合係数を変更可能な電気信号で機械的に制御可能な可動機構として、デュアルモード弾性波共振器7aの共振モード間結合部6には空隙22を挟んでその近傍に配置された対向電極23が備えられている。各々の電極間に直流電気信号を印加するために可変電圧源16、17、24および25が備えられている。これらの可変電圧源16、17、24および25を用いて、各々の電極間に直流電気信号を印加することにより、各々の電極間に静電力を生じさせ、入力電極2と出力電極3、デュアルモード弾性波共振器7aあるいは共振モード間結合部6を機械的に歪ませることができる。ここで、空隙8、9、20、22は、100nm以下に形成されている。これにより必要な印加電圧を低く抑えることができる。入力電極2と出力電極3の場合、対向電極10、11の間に可変電圧源16、17を用いて直流電気信号を印加することにより、入力電極2と出力電極3は、空隙8と空隙9の間隔を縮めるように対向電極10、11に向かって湾曲する。従って、空隙4と空隙5を介して対向している入力電極2と出力電極3の端面とデュアルモード弾性波共振器7aの端面とはずれることになる。その結果、空隙4または空隙5により作られるキャパシタンスによる電磁波のカップリングは弱くなり、静電力を介して力学的な力に変換された弾性波の強さも弱くなる。即ち、外部Q値は大きくなる。
【0046】
また、デュアルモード弾性波共振器7aの中心周波数を変更するには、対向電極21との間に可変電圧源24を用いて直流電気信号を印加することにより、デュアルモード弾性波共振器7aの中央部分は空隙20の間隔を縮めるように対向電極21に向かって湾曲する。従って、デュアルモード弾性波共振器7aに張力が掛かり、両共振モードともに共振周波数が上昇する。即ち、図4(d)中に基本波として共振している縦波弾性波の振幅のエンベロープを一点鎖線と矢印で示したように、デュアルモード弾性波共振器7a内では、この二つ共振モードが存在するが、これら二つの共振モードの共振周波数が共に上昇することになる。さらに、デュアルモード弾性波共振器7aの共振モード間の結合係数を変更するには、共振モード間結合部6と対向電極23との間に可変電圧源25を用いて直流電気信号を印加する。これにより、結合部6の中央部分は空隙22の間隔を縮めるように対向電極23に向かって湾曲し、その結果、デュアルモード弾性波共振器7aの正方形からのずれが大きくなる。デュアルモード弾性波共振器7aでは、結合部6における正方形からのずれを通じて二つのモード間のエネルギーのやり取りが行われ、これにより二つの共振モードが結合している。従って結合部6を歪ませることにより、結合係数を変更することが出来る。
【0047】
以上示したとおり、電気的に制御して共振器の中心周波数、共振器間の結合係数および外部Q値を各々個別に所望の値に変更することが出来る。この三つのパラメータを変更することにより、まず、中心周波数と帯域幅は調整可能である。また、同一中心周波数であっても結合係数と外部Q値を変更することにより、フィルタタイプをチェビシェフ、バターワース、ベッセル、ガウシアン等さまざまな種類に選ぶことが出来る。このフィルタタイプの違いによって、遮断特性、挿入損失、位相特性も異なる。従って、本実施例のフィルタにおいては、周波数特性全般、即ち、中心周波数、帯域幅、遮断特性、挿入損失、位相特性の全ての特性に関して変更可能になっている。もちろん、作製プロセスに起因するような設計値からのずれとばらつきも調整可能である。
【0048】
次に、図4に示された可変電圧源16、17、24および25の構成について図5を用いて詳述する。図5は可変電圧源の構成を示すブロック図である。まず、例えばCPU(central processor unit)やDSP(digital signal processor)等で構成される上位の制御回路201から、周波数特性を変更すること、例えば現在使用している無線規格と異なる無線規格に変更することが、制御回路202に指示される。記憶回路203には、各種の無線規格に適合する一連の共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値を実現する一連の電気信号に対応する値が予めデジタル値で格納されている。デジタル回路を用いる事により、安価に、経時変化やノイズに強い回路を構成できる。電源が切れてもこの値が保持されるように、記憶回路203はROM、不揮発性メモリや磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスクあるいはバックアップ電源付きRAMのうちのいずれかまたはそれらの組み合わせで構成されていることが望ましい。制御回路202は記憶回路203にアクセスして、所望の無線規格に適合する一連の共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値を実現する一連の電気信号に対応するプリセット値を読み出す。必要な形式にこのプリセット値を変更したデジタル信号をデジタル−アナログ変換器204に送り、アナログ信号に変換する。その後このアナログ信号を昇圧回路205に送り、フィルタの電気信号で機械的に制御可能な各々の可動機構に対応する電圧に変換している。この信号をフィルタの可動機構に印加することにより、フィルタの周波数特性を変更する。さらに、所望とする無線規格内の制御信号、あるいはその周波数帯域近傍で検知し得る制御信号や搬送波を利用して、微調も行える。受信した制御信号の検出結果は上位の制御回路201を経由して、制御回路202に周波数特性修正の指示と共に伝えられる。この修正値を制御回路202は記憶回路203に記憶させる。さらに制御回路は記憶回路203から読み出したプリセット値に修正値を加え、新たに所望の無線規格に適合する一連の共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値を実現する一連の電気信号を作成する。この値をデジタル−アナログ変換器204に送り、アナログ信号に変換する。その後このアナログ信号を昇圧回路205に送り、フィルタの電気信号で機械的に制御可能な各々の可動機構に対応する電圧に変換する。この信号をフィルタの可動機構に印加することにより、フィルタの周波数特性を微調する。またこの際、新たに得た所望の無線規格に適合する一連の共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値を実現する一連の電気信号を既存の値に上書きする形で記憶回路203に書き込んでもよい。
フィルタを構成する共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値は、製造ばらつきにより、製品間やロット間でばらつくのが一般的である。製造後の検査工程においてフィルタの周波数特性を測定し、測定の結果に基づいて記憶回路203に記憶させるプリセット値にロット毎にあるいは製品毎に修正を加えておくことが望ましい。
図5に示される回路の全てまたはその一部をフィルタの形成された基板上に形成することができる。そのようにする場合には、基板にSi基板を用いることが望ましい。また、昇圧回路205に代え、増幅回路または降圧回路若しくはその組み合わせを用いることができる。
【0049】
また、各種主要な無線規格の中心周波数は主に800MHz以上10GHz以下の帯域に散在しており、図4に記載されたフィルタ単体で実現できる変更可能な周波数特性のみでは対応できない場合が起こり得る。その場合には、図6ないし図10に示す方法を採ることが出来る。即ち、中心周波数の変更可能な範囲が異なるフィルタを複数備え、各フィルタの前段あるいは後段にスイッチと組み合わせて、増幅器、アイソレータまたはサーキュレータを各々少なくとも備え、その後配線で接続するという方法である。図6によれば、アンテナ301の後段で複数の系統に分離され、その後複数の増幅器302に接続されている。この増幅器302は、例えば受信側であれば初段の低雑音増幅器に相当し、さらに複数の系統に分離した際のインピーダンス整合を取る役割も果たしている。その後段には周波数特性を変更可能なフィルタ303が設置され、さらにインピーダンス整合機能も含めた二段目の増幅器304、その後段にスイッチ305が設置され、その後に分離された受信系統は統合され、以後の段に接続される。この結果、例えば図11に示すように、所望の周波数特性が401の実線で示される中心周波数と帯域幅を有していた場合、中心周波数の変更可能な範囲、即ち図中の中心周波数変動幅が異なる二つのフィルタの中心周波数と帯域幅をそれぞれ403と404のように制御することにより、401の特性を実現できる。単体のフィルタのみでは周波数特性の可変範囲が限られる場合においても、この方法により極めて広い周波数特性の可変範囲を得ることが出来る。さらにこれらの複数のフィルタを同一基板上に集積化すれば、ディスクリートに構成するよりフィルタの占有面積を縮小できる。図7に示す回路においては、入力側および出力側の増幅器が一つにまとめられている。すなわち、アンテナ301より入力した受信信号は、前段の増幅器302の後で複数の系統に分離され、各分枝においてアイソレータ306、フィルタ303、スイッチ305、アイソレータ306を経た後、統合されて後段の増幅器304に入力する。図8に示す回路においては、受信信号は、アイソレータ306を経て終端子307により終端されている。そしてアイソレータ306により分離された信号は、スイッチ305、フィルタ303、スイッチ305、アイソレータ306を経て統合される。また、図9に示す回路では、アイソレータとスイッチに代えてサーキュレータ308を用いて分岐を行っている。さらに、図10に示す回路おいては、アンテナ301にて受信された信号は、サーキュレータ308により分岐され、スイッチ305、フィルタ303、可変移相器309を経由した後、3系統に統合・分離されて出力される。可変移相器309を用いることにより、合波される信号間で位相差が生じて干渉により出力低下が発生することを防ぐことができる。また、図10に示されるように、複数チャネルの信号を同時に受信できるようにすることにより、例えば音声による通信を続けながらデータ通信を行う等形態の異なる複数の通信を並行して行うこともできるようになる。
なお、図6ないし図10に示す複数のフィルタを備えた複合フィルタにおいて、所望する各種の無線規格に適合する周波数特性を実現する、スイッチのオン/オフや可変移相器の移相角が記憶回路に記憶されているようにすることが好ましい。特に複数の並列に設置された奇数段フィルタを通してきた信号を通過帯域の一部が重なるように信号を合波する場合、一段毎に180度位相角がずれるため、可変移相器の使用が望ましい。
【0050】
本実施例において、例えば複数のフィルタを同一基板上に集積化するだけではなく、例えばシリコン基板を用いて、図5中の可変電圧源として用いる制御回路、記憶回路、デジタル−アナログ変換器、昇圧回路、あるいは図6ないし図10中の増幅器やスイッチを同一基板上に集積化することにより、さらにフィルタの占有面積を縮小できる。また部品点数を削減でき、従って信頼性も向上する。また、本発明に係るフィルタを回路ブロックの一部として搭載した集積回路チップは外付け部品の点数の削減効果と言う付加価値を伴うため、チップ価格を高く設定できる。さらに、本発明に係るフィルタ、複合フィルタ、または集積回路チップの搭載された、携帯電話機など電子機器においても、部品点数削減効果によって小型化、信頼性の向上が図れるほか低コスト化を実現することができる。
【0051】
図12は、本発明の第2の実施例を示す図であって、図12(a)は、周辺回路構成を書き加えた上面図、図12(b)は正面図、図12(c)は側面図である。本実施例は、第1の実施例のうち図4に示したフィルタの共振器の中心周波数を電気−機械的に制御可能な可動機構に圧電体を使用したものである。すなわち、図4の対向電極21が除去され、デュアルモード弾性波共振器7aを導電性支柱29と給電パッド31で支持すると共に、二つの圧電体支柱34により支持している。圧電体支柱34は給電線33上に設けられている。なお、導電性支柱29と給電パッド31と圧電体支柱34は、弾性波共振器7aの振動の節となる部位に設けられている。可変電圧源24は、給電線33と弾性波共振器7aとに接続されている。デュアルモード弾性波共振器7aの中心周波数を変更するには、可変電圧源24を用いて直流電気信号を圧電体支柱34に印加することによりこれを伸ばすか縮めるかして、デュアルモード弾性波共振器7aを湾曲させて、デュアルモード弾性波共振器7aに張力が掛け、共振周波数を変化させる。
また、図4の対向電極10、11が除去され、入力電極2−デュアルモード弾性波共振器7a間に可変電圧源16の電圧が印加され、出力電極3−デュアルモード弾性波共振器7a間に可変電圧源17の電圧が印加されている。そして、入力電極2と出力電極3とに開口35が設けられ、開口の両サイドに切り込み36が入れられている。したがって、開口35の両サイドにばね特性を持たせることができる。このばね特性の共振周波数は、フィルタの通過帯域に干渉しないような選ぶことが望ましい。可変電圧源16、17の電圧を変化させることにより、入力電極2−デュアルモード弾性波共振器7a間の空隙4と、出力電極3−デュアルモード弾性波共振器7a間の空隙5の幅を変化させることができ、入・出力電極と弾性波共振器7aとの間の電磁的カップリングを調整することができる。すなわち、この動作により、外部Q値を変更できる。
【0052】
図13は、本発明の第3の実施例を示す図であって、図13(a)は、周辺回路構成を書き加えた上面図、図13(b)は正面図、図13(c)は側面図である。本実施例は、第1の実施例のうちフィルタの共振モード間の結合係数および外部Q値を調整する可動機構に圧電体を使用したものである。すなわち、図4の対向電極10、11と対向電極23が除去され、一端が可変電圧源16、17に接続された給電線37、38と入力電極2、出力電極3との間に圧電体支柱40、41が配置され、一端が可変電圧源25に接続された給電線39と共振モード間結合部6との間に圧電体支柱42が配置されている。可変電圧源16、17の電圧を変化させると、圧電体支柱40、41が伸長ないし縮小することにより、入力電極2および出力電極3が上下動する。これにより、入力電極2の端面、出力電極3の端面とこれと対向するデュアルモード弾性波共振器7aの端面との対向面積が変化することになり、入・出力電極と弾性波共振器7aとの間の電磁的カップリングを変化させることができる。すなわち、この動作により、外部Q値を調整することができる。また、可変電圧源25の電圧を変化させると、圧電体支柱42が伸長ないし縮小することにより、デュアルモード弾性波共振器7aの共振モード間結合部6が歪む。これにより両共振モード間の結合が変化しフィルタの共振モード間の結合係数を調整することができる。
【0053】
図14は、本発明の第4の実施例を示す図であって、図14(a)は、周辺回路構成を書き加えた上面図、図14(b)は正面図、図14(c)は側面図である。本実施例は、図12に示す第2の実施例に対し、外部Q値を変化させるための可動機構となる、入力電極2と出力電極3を吸引することのできる吸引電極を付加したものである。すなわち、入力電極2と出力電極3に形成された開口35内に吸引電極45、46を設け、これらを、一端が可変電圧源47、48に接続された給電線43、44上に配置している。また、本実施例では、入・出力電極の開口35の外側にも切り込み36を入れてある。本実施例によれば、吸引電極45、46を設けたことにより、可変電圧源16、17と併用して入・出力電極の可動範囲を大きくして外部Q値の調整範囲を大きくすることができる。あるいは、可変電圧源16、17の使用を停止して、外部Q値の調整と共振器の中心周波数の調整との間に干渉が発生することを抑制することができる。
【0054】
図15は、本発明の第5の実施例を示す図であって、図15(a)は、周辺回路構成を書き加えた上面図、図15(b)は正面図である。図15において、他の実施例の部分と同等の部分には同一の参照番号が付せられている。本実施例は、シングルモードの弾性波共振器7bを1個有するのみである。したがって、本実施例においては、共振モード間の結合係数の調整は行われない。本実施例においては、弾性波共振器7bと対向電極10との間に印加される可変電圧源24の電圧を変化させて共振器の中心周波数を調整し、入力電極2−弾性波共振器7b間および出力電極3−弾性波共振器7b間に印加される可変電圧源16、17の電圧を変化させて外部Q値の調整を行う。共振器の中心周波数を一定にして外部Q値を変更することにより、共振器の周波数−出力強度特性の立ち上がり特性を調整したり、共振器の群遅延特性を調整したりすることができる。
対向電極10と接地間に局部発振器49を挿入することにより、本実施例のフィルタをミキサ機能を併せ持つコンバータとして動作させることができる。挿入される局部発振器は、入力電極2−接地間あるいは出力電極3−接地間あるいは給電パッド31−接地間であってもよい。また、デュアルモード弾性波共振器や複数段の弾性波共振器によって構成されるフィルタに局部発振器の信号を入力するようにしてもよい。
【0055】
図16は、本発明の第6の実施例を示す図であって、図16(a)は、周辺回路構成を書き加えた上面図、図16(b)は正面図である。図16において、他の実施例の部分と同等の部分には同一の参照番号が付せられている。本実施例においては、入力電極2と出力電極3との間に2つの弾性波共振器7bが配置され、2つの弾性波共振器7bは、それぞれ共振モード間結合部6aの一端に接続されている。共振モード間結合部6aの下には対向電極23aが配置されており、対向電極23aに印加される電圧を可変電圧源25により変化させることにより、共振モード間結合部6aの歪みを調整することが可能であり、これにより2つ弾性波共振器7b同士の結合度を変化させることができ、共振器間の結合係数を調整することが可能である。また、弾性波共振器7bに近接して配置された対向電極21に印加される電圧を可変電圧源24により変化させることにより、2つの共振器の中心周波数を調整することができ、また入力電極2、出力電極3に印加される電圧を可変電圧源16、17により変化させることにより、共振器の外部Q値を調整することができる。
【0056】
図17は、本発明の第7の実施例を示す図であって、図17(a)は、周辺回路構成を書き加えた上面図、図17(b)は正面図、図17(c)は、共振モードを中心とした動作説明図である。図17において、他の実施例の部分と同等の部分には同一の参照番号が付せられている。本実施例は、1枚の弾性波共振器を用いた3段フィルタに係る。本実施例においては、入力電極2と出力電極3との間にそれらと狭い間隙を隔ててトリプルモード弾性波共振器7cが配置される。トリプルモード弾性波共振器7cの入力電極2と出力電極3とから離れたコーナ部には共振モード間結合部6が形成されている。図17(c)に示されるように、弾性波共振器7cには3つのモードの共振が形成され、そして交差する2つの共振モードが、それぞれ共振モード間結合部6により結合されている。
【0057】
図18は、本発明の第8の実施例を示す上面図である。本実施例は、クロスカップルされた8段フィルタに係る。図18において、他の実施例の部分と同等の部分には同一の参照番号が付せられている。本実施例おいては、入力電極2と出力電極3との間に、4つのデュアルモード弾性波共振器7aが配置され、それらが順に共振モード間結合部6aにより連結されるとともに初段の弾性波共振器7aと最終段の弾性波共振器7aとの間がクロスカップルとなる共振モード間結合部6bにより接続されている。共振モード間結合部6a、6bの下にはそれぞれ対向電極23aが配置されており、対向電極23aに印加される電圧を調整することにより、それぞれ2つの共振モード間の結合度を調整することができる。図18に示されるように、共振モード間をクロスカップルすることにより、フィルタの選択度を向上させ、群遅延特性を改善することができる。
【0058】
次に、図19を参照して本発明の第1の実施例の製造方法について説明する。図19(a)〜(g)は、本発明の第1の実施例の製造方法を説明するための、図4のB−B線での工程順の断面図である。Si基板1a上をSiN膜1bで被覆してなる基板1上にスパッタ法によりAl膜50を堆積する〔図19(a)〕。次に、フォトリソグラフィ法およびRIE(reactive ion etching)によりAl膜50をパターニングして、対向電極10、導電性支柱27、29、給電パッド31を形成する〔図19(b)〕。次に、CVD法によりSiO膜51を堆積し〔図19(c)〕、導電性支柱27、29、給電パッド31の表面が露出するようにパターニングする〔図19(d)〕。次に、スパッタ法によりAl膜52を堆積し〔図19(e)〕、フォトエッチング法により入力電極2、デュアルモード弾性波共振器7aおよび出力電極が連続した状態になるようにパターニングする。次いで、収束イオンビーム(focused ion beam:FIB)ミリング法により、入力電極2−デュアルモード弾性波共振器7a間および出力電極−デュアルモード弾性波共振器7a間に狭い空隙4を形成する〔図19(f)〕。この収束イオンビームミリング法を使用することにより、おおよそ5nmまで空隙4の幅を狭くすることもできる。最後に、残余のSiO膜51を湿式法によりエッチング除去し、超臨界流体を用いた乾燥法を用いて完成する〔図19(g)〕。
【0059】
図20(a)〜(f)は、本発明の第9の実施例の製造方法を説明するための工程順の断面図である。半絶縁性GaAs基板1c上にAl膜を堆積し、これをパターニングして対抗電極10、給電パッド31を形成する〔図20(a)〕。次に、SiN膜53を堆積し〔図20(b)〕、これをパターニングして絶縁性支柱54、55を形成する〔図20(c)〕。SiO膜56を堆積し、CMP(chemical mechanical polishing)により、表面を平坦化して絶縁性支柱54、55の表面を露出させる〔図20(d)〕。次に、SiO膜56を選択的にエッチングして給電パッド31の表面を露出させた後、スパッタ法によりAl膜57を堆積する〔図20(e)〕。Al膜57を電子線リソグラフィを用いてパターニングして入力電極2、デュアルモード弾性波共振器7aを形成した後、残余のSiO膜56を等方性のドライエッチング法を用いて除去する〔図20(f)〕。
【0060】
図21は、本発明によるフィルタの実装手段の一例を示す断面図である。メモリや演算回路を含む周辺回路は、フィルタが形成される基板上に形成される場合と別個の基板上に形成される場合とがあるが、図示した例は前者に係る。基板501上には、フィルタ502とその周辺回路503とが形成され、基板の周縁部にはパッド504が形成されている。基板501は、外部端子508を備えたパッケージ基部506上に搭載され、パッド504と外部端子508のインナーリード部との間がボンディングワイヤ505により接続される。その後、パッケージ蓋部507が被せられ、フィルタは気密封止される。パッケージ内には、水分や酸素等を吸着するゲッター材509が配置される。これにより、水分の吸着や表面酸化によるフィルタの特性変化を抑制できる。基板は、ダイボンドにより搭載する方式に代え、基板上にバンプを設けフリップチップ方式によりパッケージ内に搭載するようにしてもよい。
【0061】
以上好ましい実施例により本発明の特徴を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜の変更が可能なものである。例えば、電気−機械変換機構としては、磁歪素子など実施例以外の手段を用いることもできる。また、図6から図10においては受信系統を想定して説明したが、フィルタ単体が明らかに送受両系統に適用可能なように、フィルタを並列に複数個備えたフィルタは同様に送信系統にも適用可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、基板上に入・出力電極とこれに隣接して弾性波共振器を設け、電気−機械変換部により、共振器の中心周波数、共振モード間の結合係数および外部Q値をそれぞれ個別に変更できるようにしたものであるので、フィルタの周波数特性を任意に変更することが可能になり、ソフトウェア無線機等の通信機器や電子機器にて要求される特性を満たすフィルタとその周波数特性の変更方法を提供することができる。また、本発明によれば、製造ばらつきにより発生する周波数特性のずれを適切に補正することが可能になる。
また、フィルタとその周辺回路とを同一基板上に集積化する場合には、デバイスの小型化と信頼性の向上を実現することができる。また、本発明によるフィルタを搭載した通信機器などの電子機器においては、装置の小型化と信頼性の向上を実現できるほか製品のコストダウンを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1ないし第3の実施の形態を示す平面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の断面図と動作説明図。
【図3】本発明の第2、第3の実施の形態の断面図と動作説明図。
【図4】本発明の第1の実施例を示す上面図と正面図と側面図と動作説明図。
【図5】本発明の実施例に用いられる可変電圧源の構成を示す図。
【図6】本発明の第1の実施例を説明する中心周波数の変更可能な範囲が異なるフィルタを複数備えた構成を示す図(その1)。
【図7】本発明の第1の実施例を説明する中心周波数の変更可能な範囲が異なるフィルタを複数備えた構成を示す図(その2)。
【図8】本発明の第1の実施例を説明する中心周波数の変更可能な範囲が異なるフィルタを複数備えた構成を示す図(その3)。
【図9】本発明の第1の実施例を説明する中心周波数の変更可能な範囲が異なるフィルタを複数備えた構成を示す図(その4)。
【図10】本発明の第1の実施例を説明する中心周波数の変更可能な範囲が異なるフィルタを複数備えた構成を示す図(その5)。
【図11】本発明の第1の実施例を説明する中心周波数の変更可能な範囲が異なるフィルタを複数備えた場合の周波数特性図。
【図12】本発明の第2の実施例を示す上面図と正面図と側面図。
【図13】本発明の第3の実施例を示す上面図と正面図と側面図。
【図14】本発明の第4の実施例を示す上面図と正面図と側面図。
【図15】本発明の第5の実施例を示す上面図と正面図。
【図16】本発明の第6の実施例を示す上面図と正面図。
【図17】本発明の第7の実施例を示す上面図と正面図と動作説明図。
【図18】本発明の第8の実施例を示す上面図。
【図19】本発明の第1の実施例の製造方法を説明する工程順の断面図。
【図20】本発明の第9の実施例の製造方法を説明する工程順の断面図。
【図21】本発明のフィルタの実装手段の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 基板
1a Si基板
1b SiN膜
1c 半絶縁性GaAs基板
2、101 入力電極
3、102 出力電極
4、5、8、9、20、22 空隙
6、6a、6b、105 共振モード間結合部
7a、104 デュアルモード弾性波共振器
7b、103 弾性波共振器
7c トリプルモード弾性波共振器
10、11、21、23、23a 対向電極
12 受信信号入力端子
13 出力端子
14、15 デカップリングキャパシタ
16、17、24、25、47、48 可変電圧源
18、19 インダクタ
27、28、29 導電性支柱
31 給電パッド
33、37、38、39、43、44 給電線
34、40、41、42 圧電体支柱
35 開口
36 切り込み
45、46 吸引電極
49 局部発振器
50、52、57 Al膜
51、56 SiO
53 SiN膜
54、55 絶縁性支柱
201 上位の制御回路
202 制御回路
203 記憶回路
204 デジタル−アナログ変換器
205 昇圧回路
301 アンテナ
302 増幅器
303 周波数特性を変更可能なフィルタ
304 増幅器
305 スイッチ
306 アイソレータ
307 終端子
308 サーキュレータ
309 可変移相器
401 所望の周波数特性
403、404 単体フィルタの周波数特性
501 基板
502 フィルタ
503 周辺回路
504 パッド
505 ボンディングワイヤ
506 パッケージ基部
507 パッケージ蓋部
508 外部端子
509 ゲッター材

Claims (32)

  1. 基板上に形成された、入力電極と、出力電極と、前記入力電極と前記出力電極との間に配置されたフィルタとして使用する共振モードが一つである一個の弾性波共振器とを有するフィルタであって、前記弾性波共振器の中心周波数と、前記弾性波共振器と前記入力電極の間の外部Q値、および前記弾性波共振器と前記出力電極の間の外部Q値の、前記フィルタの周波数特性を決定する全てのパラメータを各々同時、且つ独立に変更しうる、各々同時、且つ独立に電気信号を印加可能な、少なくとも前記パラメータと同数設けられた構造を有し、当該構造に設けられた電極に前記電気信号をそれぞれ個別に印加することにより前記フィルタの当該構造の各一部分を各々同時、且つ有限の独立性を持って機械的に変形しうる機能を有した電気−機械変換部を含んで構成されることを特徴とするフィルタ。
  2. 基板上に形成された、入力電極と、出力電極と、前記入力電極と前記出力電極との間に配置された、少なくとも1個の弾性波共振器を含み、フィルタとして使用する複数個の弾性波の共振モードを前記弾性波共振器内に備えた共振部とを有するフィルタであって、前記共振部の複数個の共振モード間の結合係数と、中心周波数と、前記弾性波共振器と前記入力電極の間の外部Q値、および前記弾性波共振器と前記出力電極の間の外部Q値の、前記フィルタの周波数特性を決定する全てのパラメータを各々同時、且つ独立に変更しうる、各々同時、且つ独立に電気信号を印加可能な、前記パラメータと少なくとも同数設けられた構造を有し、当該構造に設けられた電極に前記電気信号をそれぞれ個別に印加することにより前記フィルタの当該構造の各一部分を各々同時、且つ有限の独立性を持って機械的に変形しうる機能を有した電気−機械変換部を含んで構成されることを特徴とするフィルタ。
  3. 請求項1または2記載のフィルタにおいて前記電気−機械変換部は、前記電気信号を印加することにより、静電力または圧電体の変形によって前記フィルタの当該構造の各一部分を機械的に変形しうる機構であることを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
  4. 前記電気−機械変換部として、前記弾性波共振器の端面が前記入力電極および前記出力電極の端面と所定の間隙を介して対向しており、静電力または圧電体の変形により前記弾性波共振器の端面と前記入力電極および前記出力電極の端面との距離、または、端面同士の対向面積を変化させる機構を含むことを特徴とする請求項3記載のフィルタ。
  5. 前記電気−機械変換部として、前記静電力または前記圧電体の変形により前記弾性波共振器の一部を機械的に変形する機構を含むことを特徴とする請求項3記載のフィルタ。
  6. 前記電気−機械変換部は、前記弾性波共振器の一部の機械的変形により、前記弾性波共振器に印加される張力を変化させる機構であることを特徴とする請求項5記載のフィルタ。
  7. 前記入力電極、前記弾性波共振器、前記出力電極が、半導体、金属または表面が半導体、金属により被覆された絶縁体で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のフィルタ。
  8. 前記入力電極、前記弾性波共振器または前記出力電極の中の少なくともいずれか1つには局部発振器が接続されていることを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
  9. 請求項1記載のフィルタであって、所望する周波数特性に適合する前記弾性波共振器の中心周波数および外部Q値を実現する前記電気信号に対応する値を記憶する記憶回路と、その記憶回路から記憶値を読み出しその記憶値を前記電気信号に変換しその電気信号を出力する印加電圧形成部と、を備え、前記印加電圧形成部が出力する前記電気信号を前記電気−機械変換部の入力信号として用いることを特徴とするフィルタ。
  10. 請求項2記載のフィルタであって、所望する周波数特性に適合する前記共振部の共振モード間の結合係数、中心周波数および外部Q値を実現する前記電気信号に対応する値を記憶する記憶回路と、その記憶回路から記憶値を読み出しその記憶値を前記電気信号に変換しその電気信号を出力する印加電圧形成部と、を備え、前記印加電圧形成部が出力する電気信号を前記電気−機械変換部の入力信号として用いることを特徴とするフィルタ。
  11. 前記記憶回路がデジタル回路で構成されており、前記印加電圧形成部がデジタル−アナログ変換器を構成要素として含むことを特徴とする請求項9または10に記載のフィルタ。
  12. 前記印加電圧形成部が出力する電気信号を昇圧回路、降圧回路または増幅回路を介して前記電気−機械変換部に印加する機構であることを特徴とする請求項9または10に記載のフィルタ。
  13. 前記記憶回路、および/または、前記印加電圧形成部の一部または全部が、前記弾性波共振器が形成される前記基板と同一基板上に形成されていることを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載のフィルタ。
  14. 変更可能な中心周波数範囲が互いに異なる、請求項1から13のいずれかに記載されたフィルタを並列に複数個備えたことを特徴とする複合フィルタ。
  15. 各前記フィルタには、増幅器が直列に接続されていることを特徴とする請求項14に記載の複合フィルタ。
  16. 各前記フィルタは、アイソレータにより互いに分離されていることを特徴とする請求項14または15に記載の複合フィルタ。
  17. 各前記フィルタへの分岐点には、サーキュレータが接続されていることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の複合フィルタ。
  18. 各前記フィルタには、スイッチが直列に接続されていることを特徴とする請求項14から17のいずれかに記載の複合フィルタ。
  19. 各前記フィルタには、可変移相器が直列に接続されていることを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の複合フィルタ。
  20. 請求項18または19記載の複合フィルタにおいて、所望する周波数特性を与えるフィルタの組み合わせを実現する、各フィルタに直列に接続されたスイッチのオン/オフ、あるいは可変移相器による位相の調整値を記憶する記憶回路を備えることを特徴とする複合フィルタ。
  21. 各前記フィルタが同一基板上に形成されていることを特徴とする請求項14から20のいずれかに記載の複合フィルタ。
  22. 各前記フィルタと、各前記フィルタに接続されるデバイスの全部またはその一部が同一基板上に形成されていることを特徴とする請求項14から21のいずれかに記載の複合フィルタ。
  23. 請求項1から13のいずれかに記載のフィルタまたは請求項14から22のいずれかに記載の複合フィルタが一パッケージ内に気密に封止されていることを特徴とするフィルタ実装体。
  24. パッケージ内にはゲッター材が配置されていることを特徴とする請求項23に記載のフィルタ実装体。
  25. 請求項1から13のいずれかに記載のフィルタまたは請求項14から22のいずれかに記載の複合フィルタが回路の一部として同一基板上に集積化された集積回路チップ。
  26. 請求項1から13のいずれかに記載のフィルタ、または、請求項14から22のいずれかに記載の複合フィルタ、または、請求項23から24のいずれかに記載のフィルタ実装体、または、請求項25に記載の集積回路チップが搭載された電子機器。
  27. 請求項1記載のフィルタに対して、第1の電気信号を印加して前記弾性波共振器を機械的に変形することにより共振器の中心周波数を変更し、第2、第3の電気信号を印加して、入力電極と弾性波共振器との相対的位置、および、出力電極と弾性波共振器との相対的位置を変化させることにより外部Q値を変更することを特徴とするフィルタの周波数特性変更方法。
  28. 請求項2記載のフィルタに対して、一または複数の第1の電気信号を印加して前記弾性波共振器を機械的に変形することにより共振部の複数個の共振モードの中心周波数を変更し、第2、第3の電気信号を印加して、入力電極と弾性波共振器との相対的位置、および、出力電極と弾性波共振器との相対的位置を変化させることにより外部Q値を変更し、更に一または複数の第4の電気信号を印加して前記共振部の共振モード間の結合を生じさせる複数個の部位を各々変形することにより共振モード間の結合係数を変更することを特徴とするフィルタの周波数特性変更方法。
  29. 請求項9記載のフィルタにおいて、所望する周波数特性に適合する共振部の中心周波数および外部Q値を実現する電気信号に対応する値を予め記憶回路は記憶しておき、フィルタの周波数特性を変更する際に印加電圧形成部はその記憶回路からその記憶値を読み出し、形成した電気信号をフィルタの電気−機械変換部に印加することによりフィルタの周波数特性を変更することを特徴とするフィルタの周波数特性変更方法。
  30. 請求項10記載のフィルタにおいて、所望する周波数特性に適合する共振器の中心周波数、外部Q値および共振モード間の結合係数を実現する電気信号に対応する値を予め記憶回路は記憶しておき、フィルタの周波数特性を変更する際に印加電圧形成部はその記憶回路からその記憶値を読み出し、形成した電気信号をフィルタの電気−機械変換部に印加することによりフィルタの周波数特性を変更することを特徴とするフィルタの周波数特性変更方法。
  31. 請求項14から22記載の複合フィルタの周波数特性変更方法であって、各フィルタの周波数特性を変更することにより前記複合フィルタの周波数特性を変更することを特徴とする複合フィルタの周波数特性変更方法。
  32. 請求項18から20記載の複合フィルタにおいて、所望する周波数特性を実現するために、各フィルタに直列に接続されたスイッチのオン/オフ、および/または、可変移相器による位相の調整を行うことにより、複合フィルタの周波数特性を変更することを特徴とする複合フィルタの周波数特性変更方法。
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