JP2004111797A - 供給位置検出機能を有する電子回路部品供給装置および電子回路部品供給・取出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャリヤテープに保持された電子回路部品の供給精度の向上を容易化する。
【解決手段】電子回路部品を保持するキャリヤテープ48の送り穴56に係合する歯96を有し、回転によりキャリヤテープ48を送るスプロケット90の歯96の先端面98の中央部に基準マーク100を設け、その光反射率を先端面98より高くする。電子回路部品のプリント配線板への装着に先立って配線板撮像装置により基準マーク100を撮像し、その中心位置誤差を取得する。送り穴56と部品収容凹部とは位置精度良く形成され、基準マーク100の中心位置誤差は部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置誤差に等しく、その位置誤差を打ち消すようにXYロボットの移動データを制御し、吸着ノズルの部品取出し位置を補正する。歯に凹部を設けて基準マークを設けてもよい。
【選択図】 図8
【解決手段】電子回路部品を保持するキャリヤテープ48の送り穴56に係合する歯96を有し、回転によりキャリヤテープ48を送るスプロケット90の歯96の先端面98の中央部に基準マーク100を設け、その光反射率を先端面98より高くする。電子回路部品のプリント配線板への装着に先立って配線板撮像装置により基準マーク100を撮像し、その中心位置誤差を取得する。送り穴56と部品収容凹部とは位置精度良く形成され、基準マーク100の中心位置誤差は部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置誤差に等しく、その位置誤差を打ち消すようにXYロボットの移動データを制御し、吸着ノズルの部品取出し位置を補正する。歯に凹部を設けて基準マークを設けてもよい。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路部品供給装置および電子回路部品供給・取出装置に関するものであり、特に、キャリヤテープに保持された電子回路部品の供給精度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子回路部品は回路基板に装着されて電子回路を構成する部品であり、例えば、キャリヤテープに保持されてテープフィーダにセットされ、供給される。キャリヤテープには、多数の送り穴と部品収容凹部とがそれぞれ並んでかつ予め定められた相対位置で形成され、部品収容凹部の各々に電子回路部品が収納される。キャリヤテープは、例えば、スプロケットにより送られる。スプロケットは、その外周面に複数の歯が等角度間隔に設けられており、それら歯の一部がキャリヤテープの送り穴に係合し、スプロケットが回転させられることによりキャリヤテープが送られ、部品収容凹部に収容された電子回路部品の各々が順次部品供給位置に位置決めされる。
【0003】
このように電子回路部品が部品供給位置に位置決めされる際、精度良く位置決めされることが必要であるが、テープフィーダの製造誤差や組付誤差等によって位置誤差が生ずることがあり、部品収容凹部から電子回路部品を取り出す際に取出しミスが生ずることがある。そのため、従来、種々の対策が講じられている。例えば、テープフィーダに基準マークを設けるとともに撮像装置により撮像して基準マークの位置誤差を取得し、その位置誤差に基づいて部品収容凹部から電子回路部品を取り出す際の吸着ノズルの部品取出し位置を補正するのである。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、本出願人は、未だ公開されていない特願2002−155667の出願において、キャリヤテープに設けられた送り穴を撮像装置により撮像して送り穴の位置誤差を取得し、その位置誤差と、送り穴と部品収容凹部との相対位置とに基づいて、吸着ノズルの部品取出し位置を補正することを提案した。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−216576号公報(第29段落,第40段落)
【0006】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、テープフィーダに基準マークを設けて撮像し、その位置誤差を取得して吸着ノズルの部品取出し位置を補正する場合、基準マークの位置と部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置とを設定値に合わせて調整する必要がある。あるいはそれら位置間の距離を測定し、そのフィーダ固有の値として記憶させ、基準マークの位置誤差と共に部品取出し位置の補正に用いられるようにすることが必要であり、工数がかかり、コストが上昇する。
一方、キャリヤテープに設けられた送り穴を撮像する場合、キャリヤテープの色が透明の場合は送り穴の像を得ることができない。また、キャリヤテープに色が付いていても、種類によって色が異なることがある。例えば、キャリヤテープが紙テープであれば白色とされ、エンボステープであれば黒色とされることがあり、複数のテープフィーダがそれぞれ保持するキャリヤテープに、紙テープとエンボステープとが混在していれば、キャリヤテープの種類によって異なる画像処理を行うことが必要であり、面倒である。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景とし、キャリヤテープに保持された電子回路部品の供給精度の向上を容易化することを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の電子回路部品供給装置および電子回路部品供給・取出装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0008】
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (4)項が請求項3に、 (7)項が請求項4にそれぞれ相当する。
【0009】
(1)多数の送り穴と部品収容凹部とがそれぞれ並んでかつ予め定められた相対位置で形成され、部品収容凹部の各々に電子回路部品が収納されたキャリヤテープを、前記送り穴に係合する係合突起を備えた送り部材により送ることによって、前記電子回路部品の各々を順次部品供給位置に位置決めするテープフィーダと、
前記送り穴に係合している1つ以上の係合突起を認識する認識装置と、
その認識装置により認識された係合突起の位置と前記相対位置とに基づいて前記部品収容凹部の位置を取得する収容凹部位置取得部と
を含む供給位置検出機能を有する電子回路部品供給装置。
送り部材には、例えば、 (2)項に記載されているようにスプロケットや、特公平1−52296号公報に記載されているように、矩形の軌跡を描いて動く部材がある。
複数の係合突起を認識する場合、それら係合突起のうち、予め定められた係合突起について位置を取得してもよく、複数の係合突起についてそれぞれ位置を取得し、それら位置の平均化処理を行うことにより得られる位置を係合突起の位置としてもよい。複数の係合突起の位置誤差を取得する場合、複数の係合突起の各々について得られる位置誤差を平均化し、係合突起の位置誤差とすることも可能である。
送り部材の係合突起がキャリヤテープの送り穴に係合することにより、キャリヤテープがテープフィーダに対して位置決めされ、係合突起の位置を送り穴の位置と見なすことができる。また、送り穴と部品収容凹部とは、キャリヤテープに相対位置精度良く形成されており、係合突起の位置が得られれば、送り穴と部品収容凹部との相対位置から、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置を得ることができる。
このように、送り部材の係合突起を直接認識することにより部品収容凹部の位置が取得されるため、テープフィーダが取り付けられる部材およびテープフィーダ自身の加工精度,組付精度を高くしなくてよく、電子回路部品の供給精度が高く、かつ安価な電子回路部品供給装置が得られる。また、テープフィーダに基準マークを設ける場合のように、基準マークと部品収容凹部との位置を調節したり、それらの位置間の距離を測定したりする必要がなく、部品収容凹部の位置を容易に高精度で取得することができる。
さらに、送り部材が種類の異なるキャリヤテープに共通に使用され、キャリヤテープの色が異なっても、その影響を受けることなく、係合突起を認識することができ、部品収容凹部の位置の取得が容易である。
このように、部品収容凹部の位置を容易に高精度で取得することができれば、例えば、部品供給装置により供給される電子回路部品が部品取出装置によって取り出される際に、部品取出具と部品収容凹部とを、それらの相対位置ずれを減少させる相対位置に位置決めし、電子回路部品がミスなく取り出されるようにすることができる。あるいは、取得された部品収容凹部の位置が、部品の取出しのためにあまりに不適切な位置である場合には、そのテープフィーダについて、電子回路部品の取出しが禁止されたり、部品収容凹部の停止位置を再調節する作業を行うべきことが表示装置等の出力装置に出力(表示)されたりするようにすることができる。
【0010】
(2)前記送り部材が、概して円板状をなし、外周面に等角度間隔で前記係合突起を備えたスプロケットであり、前記テープフィーダがそのスプロケットを予め定められた角度ずつ回転させるスプロケット駆動装置を含む (1)項に記載の電子回路部品供給装置。
スプロケットは、一軸線まわりに回転してキャリヤテープを送るものであるため、フィーダ本体に相対位置精度高く取り付けることが容易であり、容易にキャリヤテープのフィーダ本体に対する位置決め精度を高めることできる。
【0011】
(3)前記認識装置が、前記1つ以上の係合突起を撮像する撮像装置を含む (1)項または (2)項に記載の電子回路部品供給装置。
撮像装置として、一挙に二次元像を取得可能な面撮像装置を使用してもよく、ラインセンサを使用してもよい。ラインセンサと係合突起とを、ラインセンサの撮像素子が並ぶ方向に直角な方向に相対移動させつつ繰り返し撮像を行えば、係合突起の二次元像を得ることができる。
【0012】
(4)前記係合突起が、先端面に基準マークを備え、前記認識装置がその基準マークを撮像する撮像装置を含む (1)項または (2)項に記載の電子回路部品供給装置。
認識装置により、係合突起そのものを認識してもよいが、基準マークを設ければ認識が容易となる。基準マークは、スプロケットの基準マーク以外の部分とは容易に認識可能にし得るからである。係合突起の先端面全体に基準マークを設けてもよく、一部に設けてもよい。
(5)前記基準マークが、前記係合突起の先端面の中央部にその先端面より光反射率の低い部分として形成された (4)項に記載の電子回路部品供給装置。
(6)前記基準マークが、前記係合突起の先端面の中央部にその先端面より光反射率の高い部分として形成された (4)項に記載の電子回路部品供給装置。
【0013】
(7) (1)項ないし (6)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置と、
前記部品供給位置に位置決めされた電子回路部品を負圧により吸着する吸着ノズルを保持するノズルホルダと、
そのノズルホルダと前記テープフィーダとを、前記吸着ノズルが前記部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部に対向する部品取出し位置に相対移動させる相対移動装置と、
前記収容凹部位置取得部により取得された前記部品収容凹部の位置に基づいて前記部品取出し位置を補正する位置補正部と
を含む電子回路部品供給・取出装置。
部品収容凹部の位置が取得されれば、その位置の正規の位置に対するずれが得られ、そのずれが打ち消されるように部品取出し位置を補正することにより、吸着ノズルと部品収容凹部とがずれ少なく位置決めされ、電子回路部品の取出しが適切に行われる。
キャリヤテープは送り穴への係合突起の係合により位置決めされており、係合突起の位置誤差は部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置誤差と見なすことができ、係合突起の認識により、係合突起の正規の位置に対する誤差を取得し、その位置誤差が打ち消されるように部品取出し位置が補正されることにより、電子回路部品の取出しが精度良く行われるようにすることができる。
送り部材の係合突起を直接認識することにより部品収容凹部の位置が取得されるため、テープフィーダが取り付けられる部材およびテープフィーダ自身の加工精度,組付精度を高くしなくてよく、電子回路部品の供給精度が高く、かつ安価な電子回路部品供給・取出装置が得られる。
【0014】
(8)前記テープフィーダが複数個、X軸方向に並んで設けられ、前記相対移動装置が前記ノズルホルダを、前記X軸方向とそれに直角なY軸方向とに移動させるXYロボットを含み、前記位置補正部が、そのXYロボットの作動を制御する制御データの補正により、前記部品取出し位置を補正するXYロボット制御データ補正部を含む (7)項に記載の電子回路部品供給・取出装置。
ノズルホルダがX軸方向およびY軸方向に移動させられる場合、XYロボットの制御データの補正により、X軸,Y軸の両方向において吸着ノズルと部品収容凹部とをずれ少なく位置決めすることができる。
【0015】
(9)前記テープフィーダが、前記送り部材に送り運動を付与する送り部材駆動装置を含み、前記位置補正部が、少なくとも、その送り部材駆動装置を制御することにより、前記送り部材の送り運動終了位置を補正する送り運動補正部を含む(7)項または (8)項に記載の電子回路部品供給・取出装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態である電子回路部品供給・取出装置を含む電子回路部品装着機が示されている。この電子回路部品装着機は、装着ヘッドがプリント配線板の表面に平行な平面内の任意の位置へ移動させられて電子回路部品を部品供給装置から受け取り、プリント配線板に装着するものであり、例えば、特許第2824378号公報等において既に知られており、簡単に説明する。
【0017】
電子回路部品装着機は、図1および図2に示すように、本体としてのベッド10,ベッド10上に設けられた配線板搬送装置12,プリント配線板保持装置14,部品取出装置としての部品装着装置16,部品供給装置18および配線板撮像システム22,これら装置等を制御する制御装置24(図11参照)等を備えている。本実施形態においては、電子回路部品装着機について、基準座標面としてXY座標面が設定されており、このXY座標面上において装着ヘッド等の移動データ等が設定される。
【0018】
本実施形態において回路基板としてのプリント配線板30は、配線板搬送装置12により水平な姿勢で搬送され、図示を省略する停止装置によって予め定められた装着作業位置において停止させられるとともに、プリント配線板保持装置14により、装着面が水平な姿勢で保持される。プリント配線板保持装置14はプリント配線板支持装置およびクランプ装置(図示省略)を備え、位置を固定して設けられており、プリント配線板30は静止した状態で電子回路部品が装着される。プリント配線板30の装着面には、図1に示すように、複数、本実施形態においては2個の基準マーク34が設けられている。
【0019】
部品供給装置18は、図1および図2に示すように、配線板搬送装置12の一方の側に位置を固定して静止して設けられている。この部品供給装置18は、特開平10−112598号公報に記載の部品供給装置とほぼ同様に構成されており、簡単に説明する。
【0020】
部品供給装置18は、フィーダ支持台38上にX軸方向に並んで設けられた複数個のテープフィーダ(以後、フィーダと略称する)40を有する。複数のフィーダ40はフィーダ支持台38上に、幅方向および前後方向に位置決めされるとともに、浮上がりを防止された状態で着脱可能に取り付けられている。
【0021】
フィーダ40は、本実施形態では、図5および図6に示すように、電子回路部品46(以後、部品46と略称する)をキャリヤテープ48に保持させてテーピング電子回路部品50(以後、テーピング部品50と略称する)とした状態で供給する。キャリヤテープ48は長手形状を成し、多数の部品収容凹部52が長手方向に平行な方向において等間隔に、かつ1列に形成されるとともに、部品収容凹部52の各々に部品46が1個ずつ収容され、それら部品収容凹部52の開口がキャリヤテープ48に貼り付けられたカバーテープ54によって塞がれることにより、キャリヤテープ送り時等における部品46の部品収容凹部52からの飛び出しが防止されている。キャリヤテープ48は、本実施形態においてはエンボステープとされている。なお、図5においては、カバーテープ54の図示は省略されている。
【0022】
キャリヤテープ48にはまた、多数の送り穴56が、キャリヤテープ48の長手方向に平行な方向において等間隔に設けられている。これら多数の送り穴56と部品収容凹部52とはキャリヤテープ48に、それぞれ一列に並んで形成されるとともに、予め定められた相対位置、すなわち部品収容凹部52と送り穴56とのキャリヤテープ48の長手方向についての相対位置およびキャリヤテープ48の幅方向の距離が常に一定になるように形成されているのである。ただし、部品収容凹部52と送り穴56との相対位置はキャリヤテープの種類が異なれば異なってもよいことは勿論、一種類のキャリヤテープにおいても複数種類の相対位置が存在してもよい。部品収容凹部52の形成間隔が送り穴56の形成間隔の整数倍であれば、すべての部品収容凹部52と送り穴56との相対位置が同じになるが、例えば、部品収容凹部52の形成間隔が送り穴56の形成間隔の1.5倍であれば、1つの部品収容凹部52はキャリヤテープ48の長手方向の位置が送り穴56と同じであるが、その部品収容凹部52に隣接する部品収容凹部52は2つの互いに隣接する送り穴56の中央に位置することとなるのであり、それで差し支えないのである。この場合には、複数種類の相対位置が繰り返し現れるため、そのことを考慮に入れて、現に注目している部品収容凹部52の送り穴56に対する相対位置が決められるようにすればよいのである。
【0023】
フィーダ40は、図4に示すように、フィーダ本体62,部品収容リール58を保持する部品収容器保持装置ないしテープ保持装置たるリール保持装置64,テープ送り装置としてのキャリヤテープ送り装置66およびカバーテープ剥がし装置68を有する。
【0024】
リール保持装置64は、フィーダ本体62に回転可能に取り付けられた回転支持部材たる複数の支持ローラ70を備え、部品収容リール58を回転可能に支持している。部品収容リール58から引き出されたテーピング部品50は、フィーダ本体62に設けられた案内部72の案内面により案内され、長手方向に平行な両縁部が下方から支持された状態でキャリヤテープ送り装置66によりY軸方向に平行な方向に送られる。
【0025】
キャリヤテープ送り装置66は、送り部材としてのスプロケット90および送り部材駆動装置としてのスプロケット駆動装置92を有する。スプロケット90は概して円板状をなし、図7に示すように、円板状の本体94の外周面に係合突起としての複数の歯96が等角度間隔で設けられており、フィーダ本体62に、フィーダ本体62の幅方向に平行な軸線まわりに回転可能に支持されている。歯96は、キャリヤテープ48の送り穴56に係合させられる。
【0026】
スプロケット90の複数の歯96にはそれぞれ、図8および図9に一部を代表的に示すように、各先端面98に基準マーク100が設けられている。基準マーク100は、本実施形態においては、その横断面形状が円形をなすものとされ、例えば、プレス,鍛造等による凸加工によって先端面98の中央部に突設された凸部とされている。本実施形態において本体94および複数の歯96は黒染め処理が施されて光反射率が低くされているが、基準マーク100の突出端面は研削加工により磨かれて白色とされ、光の反射率が先端面98より高くされている。
【0027】
前記スプロケット駆動装置92は、図4に示すように、パルスモータ101,駆動ギヤ102,それぞれフィーダ本体62に回転可能に取り付けられた被駆動ギヤ104,駆動プーリ106,駆動ベルト108および被駆動プーリ110を備えている。スプロケット90の歯96は、キャリヤテープ48の送り穴56に係合し、キャリヤテープ48を位置決めする。そして、スプロケット90がスプロケット駆動装置92によって回転させられることにより、キャリヤテープ48が、その長手方向ないしフィーダ40の長手方向であって、Y軸方向に平行な方向に送られ、部品収容凹部52の各々に収容された部品46が順次部品供給位置に位置決めされる。
【0028】
パルスモータ101は回転角度の制御が可能な電動モータたる回転電動モータの一種であり、スプロケット駆動装置92の駆動源を構成しており、駆動信号の制御によりパルスモータ101の回転角度が制御される。それにより、スプロケット90が予め定められた角度ずつ回転させられ、キャリヤテープ48が部品収容凹部52の形成間隔に等しい距離ずつ送られ、部品46が部品供給位置に順次位置決めされる。なお、詳細な説明は省略するが、カバーテープ剥がし装置68は、キャリヤテープ送り装置66と駆動源を共用し、キャリヤテープ48の送り時にカバーテープ54をキャリヤテープ48から剥がす。
【0029】
キャリヤテープ54のスプロケット90の歯96が係合した部分およびその前後の部分にはカバー120(図10参照)が被せられ、カバーテープ54の剥がし時におけるテーピング部品50のフィーダ本体62からの浮き上がりが防止されている。カバー120には、開口122が設けられ、部品46の部品装着装置16による取出しが許容されるようにされている。したがって、本実施形態においては、部品供給位置は、部品収容凹部52が開口122内に位置し、部品46が部品収容凹部52から取り出される位置である。
【0030】
カバー120にはまたスリット124が設けられ、キャリヤテープ48から剥がされたカバーテープ54が外へ引き出されるようにされている。カバー120には更にスロット126が、カバー120を厚さ方向に貫通して設けられ、スプロケット90の歯96との干渉が回避され、歯96が案内部72のテープ案内面より上方へ突出してキャリヤテープ48の送り穴56に係合することを許容する。カバー120は、キャリヤテープ48にその幅方向全体にわたって被せられているが、送り穴56に係合させられた複数の歯96はスロット126内に位置し、上方から見ることができる。
【0031】
前記部品装着装置16は、図1および図2に示すように、主に、装着ヘッド130、装着ヘッド130をプリント配線板30の装着面に平行な一平面である水平面内の任意の位置へ移動させるヘッド移動装置ないし部品保持具移動装置としてのXYロボット132、装着ヘッド130を軸線まわりに回転させるヘッド回転装置136、装着ヘッド130を昇降させるヘッド昇降装置138等を備えている。
【0032】
XYロボット132は、図1に示すように、移動部材としてのX軸スライド140,X軸スライド移動装置142,移動部材としてのY軸スライド144,Y軸スライド移動装置146を備えている。X軸スライド移動装置142は、X軸スライド駆動用モータ148,ボールねじ150およびナット(図示省略)を備え、X軸スライド140をX軸方向に移動させ、X軸スライド140と共にX軸移動装置154を構成している。Y軸スライド144およびY軸スライド移動装置146は、X軸スライド140上に設けられている。Y軸スライド移動装置146は、Y軸スライド駆動用モータ156,ボールねじ158およびナット160を備え、Y軸スライド144をY軸方向に移動させ、Y軸スライド144と共にY軸移動装置162を構成している。
【0033】
装着ヘッド130は、図3に示すように、ノズルホルダ168を備え、吸着ノズル170を着脱可能に保持している。吸着ノズル170は、本体部としての本体172および吸着部を構成する吸着管174を備え、部品46を負圧により吸着する。吸着管174は、図示を省略する電磁方向切換弁装置の切換えにより、負圧源,正圧源および大気に選択的に連通させられて、部品46を保持,解放する。ノズルホルダ168は、XYロボット132により、プリント配線板30の装着面に平行な方向であって、X軸方向およびY軸方向に移動させられ、ノズルホルダ168がフィーダ40に対して移動させられ、吸着ノズル170が前記部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52に対向する部品取出し位置に移動させられる。本実施形態においては、XYロボット132が相対移動装置を構成している。
【0034】
装着ヘッド130はY軸スライド144上に昇降可能かつ軸線まわりに回転可能に設けられており、装着ヘッド130と共にY軸スライド144上に設けられた前記ヘッド昇降装置138により昇降させられ、吸着ノズル170が昇降させられて部品取出し位置において部品供給装置18から部品46を受け取り、部品装着位置においてプリント配線板30に部品46を装着する。部品装着位置は、部品46の装着毎に異なる。装着ヘッド130はまた、Y軸スライド144上に設けられたヘッド回転装置136により回転させられ、吸着ノズル170が吸着した部品46の姿勢変更および回転位置誤差の修正が行われる。これら装着ヘッド130等は、本実施形態においては、特許第3093339号公報に記載の装着ヘッド130等と同様に構成されており、説明を省略する。
【0035】
Y軸スライド144にはまた、図3に示すように、前記配線板撮像システム22が設けられている。配線板撮像システム22は、配線板撮像装置180および照明装置182を含み、XYロボット132により移動させられ、プリント配線板30の装着面の任意の位置の撮像が可能とされている。配線板撮像装置180は、本実施形態においては面撮像装置とされており、被写体の二次元像を一挙に取得する。配線板撮像装置180は、例えば、CCDカメラにより構成されている。
【0036】
また、X軸スライド140には、図2に示すように、部品撮像システム190が設けられている。部品撮像システム190は、部品撮像装置192,導光装置194および照明装置196を含み、吸着ノズル170に保持された部品46を撮像し、部品46の正面像と投影像とを選択的に取得するように構成されている。
【0037】
前記制御装置24は、図11に示すように、CPU220,ROM222,RAM224およびそれらを接続するバスを有するコンピュータ230(以後、装着制御コンピュータ230と称する)を主体とするものである。バスには入出力インタフェース232が接続されており、配線板撮像システム22の配線板撮像装置180および部品撮像システム190の部品撮像装置192の各撮像により得られた画像データを処理する画像処理コンピュータ238,配線板撮像装置180,192,エンコーダ242等の各種センサ、入力装置244,パーツデータジェネレータ(PDG)246等が接続されている。PDG246は、部品46の各種データ(部品情報と称する)が格納されたデータベースである。
【0038】
入出力インタフェース232にはまた、駆動回路250を介して配線板搬送装置12等の駆動源を構成する各種アクチュエータ等が接続され、制御回路252を介して表示画面254が接続されている。これら装置12等において駆動源を構成するモータはアクチュエータの一種であり、本実施形態においては、電動モータの一種である電動回転モータであって、回転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータにより構成されているものが多い。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。これらモータの回転角度は、回転角度検出装置たるエンコーダにより検出され、その検出結果に基づいてモータ等が制御される。図11には、それらエンコーダ242のうちの1つを代表的に示す。
【0039】
ROM222およびRAM224には、本電子回路部品装着機の基本動作プログラム,作業対象となるプリント配線板30に応じた部品装着作業のプログラム(以後、部品装着プログラムと称する),図12にフローチャートで表す部品取出し位置補正ルーチン等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶させられている。
【0040】
次に作動を説明する。部品46をプリント配線板30に装着する装着作業は、前記特許第2824378号公報等に記載されているため、全体の説明は簡略にし、本発明に関連の深い部分を詳細に説明する。前記部品装着プログラムには、装着ヘッド130がフィーダ40から部品46を取り出すべき位置である部品取出し位置のデータ,部品46をプリント配線板30に装着すべき位置である部品装着位置のデータ,部品装着位置に装着される部品46のデータ,およびPDG246から供給された各部品46の部品情報等が含まれており、このプログラムが基本動作プログラムによって実行されることにより、装着ヘッド130がXYロボット132により部品取出し位置へ移動させられて部品46をフィーダ40から取り出し、部品装着位置へ移動させられて部品46をプリント配線板30に装着する。
【0041】
上記部品取出し位置は、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52と、吸着ノズル170との相対位置誤差がないものと仮定した場合の値であるが、実際には、種々の原因により相対位置誤差が生じ、吸着ミスや異常吸着が生じる可能性がある。そのため、本実施形態においては、生産開始時等、フィーダ40から部品46が最初に取り出されるより前の時期に、スプロケット90の歯96に設けられた基準マーク100を、配線板撮像システム22の配線板撮像装置180により撮像し、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の位置誤差を取得して、その位置誤差が打ち消されるように、ノズルホルダ168、ひいてはノズルホルダ168に保持された吸着ノズル170の部品取出し位置を補正する部品取出し位置補正作業が実行される。この部品取出し位置補正作業については後に詳述する。
【0042】
上記部品取出し位置補正作業が終了すれば、通常の装着作業が実施される。まず、プリント配線板30が配線板搬送装置12により部品46が装着される装着スペースまで搬送されて、プリント配線板保持装置14により位置決め保持される。XYロボット132により装着ヘッド130とともに配線板撮像システム22の配線板撮像装置180が、プリント配線板30に設けられた基準マーク34を撮像する配線板基準マーク撮像位置に位置決めされ、2個の基準マーク34がそれぞれ撮像される。その結果取得された基準マーク34の画像処理により、プリント配線板30の位置誤差が取得される。
【0043】
次に、装着ヘッド130は、XYロボット132によりフィーダ40から部品46を取り出す部品取出し位置へ移動させられる。上記のように、部品取出し位置補正作業により補正された部品取出し位置に到達すれば、装着ヘッド130がヘッド昇降装置138により昇降させられ、吸着ノズル170に負圧が供給されることにより部品46が吸着される。
【0044】
部品46を保持した装着ヘッド130は、部品取出し位置から、プリント配線板30上に予め設定されている部品装着点に対向する部品装着位置へ移動させられるのであるが、この際、X軸スライド140の部品取出し位置と部品装着位置との間の位置に固定されている導光装置194上を通過する。部品取出し位置および部品装着位置が部品供給装置18およびプリント配線板30のいずれの位置にあっても、装着ヘッド130が部品取出し位置から部品装着位置へ移動するためには必ず、X軸スライド140上をY軸方向へ移動して部品供給装置18とプリント配線板30との間の部分を通る。したがって、装着ヘッド130は、X軸スライド140の部品取出し位置と部品装着位置との間に位置する部分に固定されている導光装置194上を必ず通り、部品撮像装置192により部品46が撮像される。
【0045】
部品46の回転位置が吸着時と装着時とで異なる場合には、吸着後、部品保持位置検出位置に到達するまでの間に装着ヘッド130がヘッド回転装置136により回転させられ、部品46が回転させられて装着時の回転位置に変更される。そして、装着ヘッド130が部品保持位置検出位置に到達すれば、部品46が撮像される。部品撮像装置192,導光装置194および照明装置196はX軸スライド140上に設けられているため、装着ヘッド130は、Y軸方向においてはその移動を停止させられるが、X軸方向においては移動させられたままの状態で部品46が撮像される。撮像された像のデータは画像処理コンピュータ238において保持位置誤差のない正規の像のデータと比較され、保持位置誤差、すなわち平行移動位置誤差(装着ヘッド130がプリント配線板30の装着面に対して平行移動する方向の位置誤差であって、X軸方向およびY軸方向における各位置誤差。多くの場合中心位置誤差。)および回転位置誤差が算出される。
【0046】
装着ヘッド130が部品装着位置へ移動するまでの間に、装着ヘッド130がヘッド回転装置136により回転させられて回転位置誤差が打ち消されるとともに、前記プリント配線板30の位置誤差と部品46の平行移動位置誤差(回転位置誤差の打消しに伴って生じる平行移動位置誤差を含む)が打ち消されるように、部品装着位置の座標が補正され、部品46はプリント配線板30の正確な装着点に正しい回転位置で装着される。以上で1サイクルの装着作業が終了する。
【0047】
次に、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の位置誤差を取得し、その位置誤差を打ち消すように、ノズルホルダ168の部品取出し位置を補正する部品取出し位置補正作業について説明する。この作業は、電子回路部品装着機の生産開始時、フィーダ40の交換時、生産プログラムの変更に伴うフィーダ40の段取り替え時などに実行される。部品取出し位置補正作業が実行される間は、装着ヘッド130がフィーダ40から部品46を受け取る部品受取り作業や、その部品46をプリント配線板30に装着する部品装着作業などの実行が停止させられる。
【0048】
部品取出し位置補正作業は、いずれのタイミングで実行される場合であっても、作動が同じであるので、以下、電子回路部品装着機による生産開始時における部品取出し位置補正作業を例として説明する。生産開始時における部品取出し位置補正作業は、全てのフィーダ40について実施されてもよいが、本実施形態においては、精密吸着が必要な部品46を供給するフィーダ40についてのみ実施される。部品装着プログラムの一部である部品情報には、各部品46が精密吸着が必要なものであるか否かを示す精密吸着要否データが含まれており、そのデータに基づいて精密吸着が必要な部品46を供給するフィーダ40があらかじめ選択されて、部品取出し位置補正作業が実施される。
【0049】
部品取出し位置補正作業は、キャリヤテープ送り装置66のスプロケット90の歯96に設けられた基準マーク100を撮像し、それにより得られる基準マーク100の位置誤差に基づいてノズルホルダ168の部品取出し位置を補正することにより行われる。したがって、基本動作プログラムの実行により、部品取出し位置補正作業の実行が指令されれば、まず、XYロボット132により、配線板撮像装置180が、今回、位置が検出されるべき基準マーク100を撮像するフィーダ基準マーク撮像位置に向かって移動させられる。図7に示すように、配線板撮像装置180がフィーダ基準マーク撮像位置に到達すれば、その位置において基準マーク100が撮像される。なお、図7においては、照明装置182の図示は省略されている。
【0050】
撮像時には、スプロケット90は予め定められた回転位置に位置させられている。カバー120のスロット126内には複数の歯96が位置しているが、それら複数の歯96のうちの1つが真上を向いた状態となる回転位置に位置させられているのである。フィーダ基準マーク撮像位置は、この真上を向いた歯96に設けられた基準マーク100の中心と配線板撮像装置180の撮像面の中心である撮像中心とが一致した状態となることが予定された位置であり、フィーダ基準マーク撮像位置は、部品46の精密吸着が必要なフィーダ40について予め設定されている。なお、説明を単純にするために、本実施形態においては、部品収容凹部52の一つが部品供給位置に位置決めされた状態では、複数の歯96のいずれかが必ず真上を向いた状態となるものとするが、後に説明するように、このことは本発明を実施する上で不可欠ではない。
【0051】
撮像により、複数の基準マーク100の像が得られる。本実施形態では、基準マーク100の光反射率は、歯96の先端面98より高くされているため、撮像面には複数の基準マーク100の像が形成される。これらのうち、真上を向いた歯96に設けられた基準マーク100の像について平行移動位置誤差が求められ、基準マーク100の平行移動位置誤差が求められる。基準マーク100は、本実施形態においては、横断面形状が円形をなし、その中心位置誤差が求められる。
【0052】
この際、まず、撮像面の撮像中心を中心として設定された領域内に形成された像が探され、像があった場合に、基準マーク100の正規の像と比較される。設定領域内に形成された像の形状,寸法と、正規の像の形状,寸法との差異が予め設定された範囲内にあれば、その像は真上を向いた歯96に設けられた基準マーク100の像であり、その中心位置が求められ、撮像中心に対する位置誤差が求められる。この位置誤差が基準マーク100の正規の位置に対する中心位置誤差である。正規の位置は、本電子回路部品装着機に設定されている基準座標面としてのXY座標面上に予定されている基準マーク100の位置である。一般的には、上記XY座標面上における配線板撮像装置180の位置に誤差があっても差し支えないのであるが、ここでは単純化のために、配線板撮像装置180の位置に誤差はないものとする。したがって、配線板撮像装置180の撮像中心からの基準マーク100の像の中心位置のずれが、基準マーク100の中心位置誤差であることとなる。
【0053】
上記基準マーク100の中心位置誤差に基づいて、ノズルホルダ168の、吸着ノズル170による部品取出し時の位置である部品取出し位置の補正量が算出される。
スプロケット90の歯96がキャリヤテープ48の送り穴56に係合してキャリヤテープ48が位置決めされるため、送り穴56に係合した歯96の位置は送り穴56の位置と見なすことができる。また、送り穴56と部品収容凹部52とは、キャリヤテープ48に互いに位置精度良く形成されており、送り穴56に係合した歯96の位置と、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の位置との間に位置誤差はないと見なすことができる。したがって、歯96に設けられた基準マーク100の中心位置誤差は、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の平行移動位置誤差であることとなり、その位置誤差を打ち消すように部品取出し位置が補正される。基準マーク100の正規の位置と、それに対する位置誤差とがあれば、基準マーク100の実際の位置が得られ、その位置と、送り穴56と部品収容凹部52との相対位置とに基づいて部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の位置が得られるのであり、基準マーク100の位置誤差を取得することは、部品収容凹部52の位置を取得し、その位置誤差を取得することと同じである。
【0054】
以下、図12に示すフローチャートに基づいて、さらに詳細に説明する。本部品取出し位置補正ルーチンは、基本動作プログラムによる指令や、作業者による入力装置244の操作に応じて実行が開始される。まず、ステップS1(以下、単にS1と称する。他のステップについても同じ。)において、今回、部品取出し位置補正作業を実施すべきフィーダ40の位置に関する情報としてのスロット番号が取得される。スロット番号はフィーダ支持台38におけるフィーダ40の取付部たる取付けスロットの番号であり、前述の部品装着プログラムには、今回の装着作業により装着されるべき各部品46を供給する各フィーダ40の取付けスロットの番号と、各フィーダ取付位置において供給される部品46の種類と、それら部品46が精密吸着が必要なものであるか否かを示す精密吸着要否データ等が含まれており、これらのデータに基づいて、精密吸着が必要な部品46を供給するフィーダ40の取付けスロット番号が小さい番号から順に取得されるのである。取得されたスロット番号はRAM224の精密吸着要スロット番号メモリに格納される。また、部品収容凹部位置誤差検出作業の実行回数のカウント値nがクリアされる。
【0055】
S2に進んで、精密吸着要スロット番号メモリから最初のスロット番号が読み出され、S3において、配線板撮像装置180がフィーダ基準マーク撮像位置に位置決めされ、目的とするフィーダ40のスプロケット90の歯96の真上となるはずの位置に位置決めされる。フィーダ基準マーク撮像位置は、フィーダ40のスロット番号と対応付けて記憶されている。S4において、配線板撮像装置180に撮像が指令され、配線板撮像装置180により、複数の歯96のうち、少なくとも真上を向いた歯96が撮像される。
【0056】
S5において、撮像により取得された画像データが画像処理コンピュータ238に伝達され、画像処理が指令される。画像処理コンピュータ238においては、供給された画像データに基づいて、前述のように、真上を向いた歯96に設けられた基準マーク100の像が取得され、その中心位置誤差が求められる。撮像面内における歯96に設けられた基準マーク100の像と、相対位置誤差がない正規の位置にある像とが比較され、基準マーク100の中心の配線板撮像装置180の撮像中心に対する相対位置誤差が取得されるのである。本実施形態においては、基準マーク100は横断面形状が円形であり、その中心位置を求め、撮像中心に対する位置誤差を求めてもよい。
【0057】
S5においてはまた、画像処理コンピュータ238において行われた画像処理により得られたデータの受取りが行われ、その受け取ったデータに基づいてS6が実行される。配線板撮像装置180による撮像が行われても、基準マーク100の像が得られない場合もある。そのため、S6において像が取得されたか否かの判定が行われ、得られなかった場合には、S6の判定結果がNOになってS7が実行され、その旨およびフィーダ40のスロット番号等が表示画面254に表示されて報知される。表示画面254は、制御装置24の表示画面254への情報等の表示を制御する部分と共に、出力装置ないし報知装置としての表示装置を構成している。また、基準マーク100の像が得られず、位置誤差が得られなかったことがスロット番号と対応付けてRAM224の位置誤差不取得メモリに記憶される。
【0058】
基準マーク100の像が得られ、中心位置誤差が得られれば、S6の判定結果がYESになってS8が実行される。上記のように求められた基準マーク100の中心位置誤差は、前述のように、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の平行移動位置誤差を表しており、これがS8において、スロット番号と対応付けてRAM224の部品収容凹部位置誤差メモリに格納される。なお、基準マーク100の中心位置誤差は、画像処理により得られたデータに基づいてS8において求められ、記憶されてもよい。装着制御コンピュータ230において求められてもよいのである。
【0059】
S9において、今回、部品取出し位置補正作業を実施すべき全てのフィーダ40について、部品収容凹部位置誤差の検出作業が終了したか否かが問われる。精密吸着要スロット番号メモリに未だ検出作業が行われていないスロット番号が存在するか否かが判定されるのであり、まだのフィーダ40が残っている場合には、S9の判定がNOとなり、本ルーチンの実行がS2に戻る。S2においては、次に部品収容凹部位置誤差の検出作業が行われるべきフィーダ40のスロット番号が読み出され、以下、S3ないしS6,S8,S9が繰り返し実行される。それに対して、全てのフィーダ40について部品収容凹部位置誤差検出作業が終了したならば、S10において、部品収容凹部位置誤差検出作業の実行回数のカウント値nが1増加させられ、S11においてカウント値が設定数Nに達したか否かが判定される。この設定数Nは入力装置244の操作により作業者が設定し得るものである。S11の判定結果がNOの場合には、S12において、精密吸着要スロット番号メモリの、次に部品収容凹部位置検出作業が行われるべきスロット番号が最小のものに戻された上で、S2以降が実行される。したがって、実行回数が設定値Nに達するまで部品収容凹部位置誤差検出作業が繰り返し実行されることとなる。
【0060】
それに対し、S11の判定がYESとなれば、S13において精密吸着要の部品46の各々についての部品取出し位置補正量の取得作業が行われる。部品収容凹部位置誤差メモリに格納されているN個ずつの部品収容凹部52の位置誤差の平均値が、精密吸着要の部品46を供給するフィーダ40の各々について取得され、その平均値の位置誤差を打ち消すのに必要な装着ヘッド130の部品取出し位置の補正量が決定されるのである。決定された補正量はスロット番号と対応付けられてRAM224の部品取出し位置補正量メモリに格納される。全ての精密吸着要のスロット番号についての補正量の決定,格納が終了すれば本部品取出し位置補正ルーチンの実行が終了する。部品46のプリント配線板30への装着時には、このように決定された補正量に従って、装着ヘッド130を部品取出し位置へ移動させるためのXYロボット132の作動を制御する制御データが補正され、部品取出し位置が補正される。それにより、部品46が精密な吸着が必要であってもミスなく吸着され、部品収容凹部52から取り出される。
【0061】
なお、ここにおいて、単純化のために、部品取出し位置の補正が部品収容凹部52の位置誤差のみに基づいて行われるものとした。すなわち、吸着ノズル170の吸着管174の下端面である吸着端面が、ノズルホルダ168の回転中心と一致しているものとしたのであるが、実際には、吸着管174の偏心や曲がりに起因して、吸着端面がノズルホルダ168の回転中心から微少量外れるのが普通であり、この外れ量が大きい場合には、部品収容凹部52の位置誤差に基づく部品取出し位置の補正が行われても、吸着端面の電子回路部品46に対する位置ずれが大きくなり、吸着ミスが発生する恐れがある。したがって、吸着端面のノズルホルダ168の回転中心に対する偏心が検出され、この偏心も打ち消すように部品取出し位置の補正が行われるようにすることが望ましい。
【0062】
以上、電子回路部品装着機の生産開始時における部品取出し位置補正作業について説明したが、本実施形態においては、部品装着作業の開始後にも補正が行われるようになっている。部品装着作業の実行中に予め定められた条件が成立する毎に、例えば、設定枚数のプリント配線板14に対する部品46の装着が完了する毎に、部品装着作業の開始前に行われた部品取出し位置補正作業と同様の作業が行われるのである。さらに、生産の途中でフィーダ40が交換された場合や、生産プログラムが変更された場合などにも、部品取出し位置補正作業が実施される。本実施形態においては、制御装置24は、作業者によりフィーダ40が交換されたことを自動的には検出できないので、作業者による入力に従って部品取出し位置補正作業が実施される。また、生産プログラムが変更される際には、装着すべき部品46の種類が変わり、それに伴ってフィーダ40が交換されるため、コンピュータ220は、交換されたフィーダ40のうちで精密吸着が必要な部品46を供給するものを自動で検出することができ、それらについてのみ部品取出し位置補正作業を自動で実施する。
【0063】
上記のように、精密吸着要の各部品46が最初にフィーダ40から取り出される前に、装着ヘッド130の部品取出し位置が補正されるので、最初に部品46がフィーダ40から取り出される場合にも、小さい部品46も適切な部分が吸着されて取り出される。したがって、部品装着作業の開始当初から吸着ノズル170による吸着ミスや異常吸着の発生が良好に回避され、電子回路部品装着機10の稼働率が向上する。また、スプロケット90の歯96に設けられた基準マーク100を撮像することにより部品収容凹部52の位置誤差が取得されるため、フィーダ支持台38,フィーダ40等、部品供給装置18の構成要素の加工精度,組付精度を高くしなくてよく、部品46の供給精度を向上させつつ設備コストの低減が可能となる。また、基準マーク100は、プレス加工等によってスプロケット90と一体に設けられているため、製造コストの上昇を抑えつつ、基準マークを設けることができる。さらに、配線板撮像装置180が基準マーク100を撮像する撮像装置を兼ねており、装着機を安価に構成することができる。また、XYロボット132が、認識装置相対移動装置としての撮像装置移動装置を兼ねており、この点においても装着機を安価に構成することができる。
【0064】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、制御装置24のS5,S6およびS8を実行する部分が収容凹部位置取得部ないし収容凹部位置誤差取得部を構成し、S13を実行する部分がXYロボット制御データ補正部を構成している。
【0065】
なお付言すれば、上記実施形態においては、部品収容凹部52の一つが部品供給位置にある状態では、必ず複数の歯96のうちの一つが真上を向いた状態となるようにされていたが、本発明は、そのようにならないテーピング部品50用のテープフィーダ40についても適用可能である。例えば、図13に示すように、キャリヤテープ48の部品収容凹部52の形成間隔が送り穴56の形成間隔の1.5倍である場合には、部品収容凹部52aが部品供給位置にある状態で送り穴56の一つが真上を向いた歯96と係合するようにしたとすれば、部品収容凹部52bが部品供給位置にある状態では、必ず、互いに隣接する2つの送り穴56が真上を向く位置から正方向と逆方向とにそれぞれ同じ大きさの角度傾いた状態の2つの歯96と係合した状態になる。この場合には、これら2つの歯96の基準マーク100の位置は、配線板撮像装置180の撮像中心近傍には位置しないため、装着制御コンピュータ230によってスプロケット駆動装置92に、スプロケット90を部品収容凹部52の1形成間隔分回転させることが指令されるようにすればよい。この指令が実行されれば、部品収容凹部52aが部品供給位置へ移動させられ、送り穴56の一つが真上を向いた歯96と係合した状態となる。したがって、この状態で、前述のように、その歯96の基準マーク100が撮像され、部品収容凹部52aの位置誤差が取得されるようにするのである。
【0066】
また、部品収容凹部52bが部品供給位置にある状態で、互いに隣接する2つの送り穴56と係合している2つの歯96の基準マーク100が撮像され、それら2つの基準マーク100の位置誤差に基づいて、部品収容凹部52bの位置誤差が取得されるようにすることも可能である。例えば、2つの基準マーク100の位置誤差の平均値が部品収容凹部52bの位置誤差とされるようにするのである。
【0067】
さらに、部品収容凹部52と送り穴56とのキャリヤテープ48の長手方向の相対位置がさらに複雑に変化する場合にも、本発明を適用することが可能である。例えば、部品収容凹部52の形成間隔が、送り穴56の形成間隔のN+1/M倍(N,Mはいずれも整数)である場合には、M回の送りが行われる毎に部品収容凹部52と送り穴56とのキャリヤテープ48の長手方向の相対位置が同じ状態となるため、上述の場合と同様にして、部品収容凹部52の位置誤差が取得されるようにすることができる。上述の場合は、整数Nが1で、整数Mが2の場合に相当するのである。
【0068】
前記実施形態においては、精密吸着要の部品46全てについて1回ずつの位置誤差検出が行われた後、2回目以降も同様に位置誤差検出が行われるようになっていたが、精密吸着要の部品46の一つについて設定回数の位置誤差検出が行われ、その後に次の部品46について設定回数の位置誤差検出が行われるようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、精密吸着要の部品46を供給するフィーダ40についてのみ部品取出し位置補正作業が実施されるため、作業能率が向上する利点があるのであるが、全てのフィーダ40について部品取出し位置補正作業が実施されるようにすることもできる。
【0069】
前記実施形態においては、スプロケット90の歯96の先端面98には、凸部が設けられて基準マーク100が設けられていたが、凹部を設けて基準マークを設けてもよい。その実施形態を図14および図15に基づいて説明する。
本実施形態のフィーダのスプロケット300には、その本体302の外周面に等角度間隔に設けられた複数の歯304の先端面306の中央部にそれぞれ凹部308が設けられている。凹部308は、例えば、プレス,鍛造等による凹下降により形成され、本実施形態においては、横断面形状が円形を成し、凹部308の底面にレーザ加工が施されて黒色化され、基準マーク310が形成されている。歯304の先端面306は磨かれており、基準マーク310の光反射率は先端面306より低く、歯304が撮像されれば、先端面306の明るい像の中に基準マーク310の暗い像が形成され、その位置が取得され、部品収容凹部の位置が取得される。
【0070】
なお、凹部308の底面に、プレス加工によって梨地処理を施し、光反射率を先端面306より低くするようにしてもよい。
【0071】
スプロケットの歯は、丸歯形状を成す歯でもよい。例えば、図16および図17に示すフィーダのスプロケット330においては、本体332の外周面に等角度間隔に設けられた複数の歯334はそれぞれ、その左右の歯面336,338がそれぞれ湾曲させられている。このスプロケット330は、例えば、前記スプロケット300と同様に、先端面340に開口する凹部342が設けられ、その底面が黒色化されて基準マーク344が設けられている。スプロケット330においても、前記スプロケット90と同様に、歯334の先端面340に凸部を設けて基準マークを設けてもよい。
【0072】
以上の各実施形態においては、部品取出し位置は、X軸,Y軸方向のいずれにおいても、XYロボット132の作動を制御する制御データの補正によって補正されるようにされていたが、Y軸方向においては、送り部材駆動装置を制御することにより、送り部材の送り運動終了位置を補正することによって補正するようにしてもよい。例えば、前記実施形態のスプロケット駆動装置92においては、パルスモータ101の回転角度の制御により、スプロケット90が一定角度ずつ回転させられるのであるが、パルスモータ101の回転終了位置を、部品収容凹部52のY軸方向における位置誤差が打ち消されるように補正し、部品取出し位置をY軸方向において補正するのである。この補正は、基準マーク100の中心位置誤差のうち、Y軸方向の位置誤差に基づいて行われる。この場合、制御装置24の、パルスモータ101の回転終了位置を補正し、スプロケット90の回転終了位置を補正する部分が送り運動補正部を構成する。部品取出し位置のX軸方向における補正は、XYロボット132の制御データの補正により行われる。
【0073】
また、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2002−145670の出願に記載されているように、複数個のフィーダをパレットに搭載し、そのパレットをY軸方向に移動させることにより、全部のフィーダを一斉にキャリヤテープ送り方向に移動させて部品取出し位置をY軸方向において補正するようにしてもよい。
【0074】
さらに、テープフィーダをフィーダ移動装置によってX軸,Y軸の両方向に移動させて部品取出し位置を補正するようにしてもよい。X軸,Y軸の両方向において複数のテープフィーダを別々に移動させてもよく、全部を一斉に移動させてもよく、X軸,Y軸の一方において別々に移動させ、他方において全部を一斉に移動させてもよい。
【0075】
また、送り部材の係合突起を認識し、部品収容凹部の位置を取得して、その位置誤差が打ち消されるようにし、あるいは、さらに吸着ノズル170の吸着端面の位置誤差も打ち消されるようにするのに加えて、吸着ノズルに保持された電子回路部品を撮像し、その撮像データに基づいて電子回路部品の吸着ノズルの吸着端面に対する位置誤差(吸着ノズルによる電子回路部品のX軸,Y軸方向における保持位置誤差)を取得し、それに基づいて部品取出し位置の補正や、送り部材の送り運動終了位置の補正を行うようにしてもよい。この補正は、前記実施形態におけるように、電子回路部品のプリント配線板への装着位置精度を向上させるために行われる部品撮像装置による撮像の結果を利用すれば、部品装着作業の能率や殆ど影響を及ぼすことなく、また、装置コストの増大を招来することなく、実行が可能である。
【0076】
さらに、上記各実施形態においては、複数の基準マーク100,310,344が撮像されても、そのうちの予め定められた1つ(特殊な場合は2つ)についてのみ画像処理が実行され、位置が取得されるようにされていたが、複数の基準マーク100,310,344の像の画像処理が行われるようにしてもよい。その場合、例えば、複数の基準マーク100等の各像についてそれぞれ位置誤差を求めるとともに平均化処理を行って、部品取出し位置の補正に用いる基準マーク100,310,344の位置誤差を取得する。
【0077】
また、上記各実施形態においてキャリヤテープ48はエンボステープとされていたが、紙テープとしてもよい。
【0078】
さらに、送り部材の係合突起に凸部を設けて基準マークを設ける場合、歯の先端面を、例えば、研削加工により磨いて光反射率を高くし、レーザ加工あるいはプレスによる梨地処理等によって凸部の突出端面の光反射率を低くし、基準マークの光反射率を歯の先端面より低くしてもよい。係合突起に凸部あるいは凹部を設ければ、レーザ加工等が容易であるが、係合突起の先端面に直接、レーザ加工,梨地処理,研削加工等を施して基準マークを設けてもよい。
【0079】
また、上記各実施形態には本発明がXYロボット型の電子回路部品装着機に適用された例を示したが、XYロボット型に限らずインデックステーブル型(あるいはロータリ型ともいう)等、ヘッド旋回型の電子回路部品装着機にも本発明は適用可能である。インデックステーブル型の電子回路部品装着機は、回転体と、回転体を回転させる回転体回転装置とを含み、回転体の回転により、回転体に保持された複数のノズルホルダがそれぞれ保持する少なくとも1つの吸着ノズルの1つが順次、複数の停止位置へ移動させられ、部品受取位置において部品供給装置から電子回路部品を受け取り、部品装着位置において回路基板に電子回路部品を装着するものである。ヘッド旋回型の電子回路部品装着機にはまた、複数のノズルホルダがそれぞれ、共通の旋回軸線のまわりに互いに独立に回動可能な複数の回動部材にそれぞれ設けられたものがある。複数の回動部材には、それぞれ上記旋回軸線のまわりに一周するとともに、その一周の間に1回以上の停止を含み、かつ互いに一定時間差を有する回動運動が回動運動付与装置により付与される。
【0080】
ヘッド旋回型の電子回路部品装着機においては、部品供給装置は、X軸方向に並んで設けられた複数個のテープフィーダと、それらテープフィーダをX軸方向に移動させる相対移動装置としてのフィーダ移動装置とを含んで構成される。この部品供給装置においては、テープフィーダはY軸方向、すなわちキャリヤテープ送り方向においては機械精度良く作られるとともに組み付けられるため、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置誤差はX軸方向において生じ、フィーダ移動装置を制御する制御データの補正により、部品取出し位置を補正することによって位置誤差が打ち消されるようにされる。なお、ヘッド旋回型の電子回路部品装着機の場合、例えば、部品取出し位置近傍に送り部材の係合突起の認識装置を設け、フィーダ移動装置によるテープフィーダの移動により、複数のテープフィーダの各送り部材の係合突起を順次、認識装置と対向する認識位置へ移動させ、認識装置に送り部材の係合突起を認識させる。基板撮像装置と部品撮像装置との少なくとも一方が移動装置によって移動させられるのであれば、予め設定された係合突起撮像位置に位置させて、係合突起を撮像させてもよい。
【0081】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子回路部品供給・取出装置を備えた電子回路部品装着機を示す平面図である。
【図2】上記電子回路部品装着機の部品装着装置を示す正面図(一部断面)である。
【図3】上記部品装着装置の装着ヘッドおよびその周辺を示す側面図である。
【図4】上記電子回路部品装着機の部品供給装置のテープフィーダを示す側面図である。
【図5】上記テープフィーダに保持されるテーピング電子回路部品を示す平面図である。
【図6】上記テーピング電子回路部品を示す正面断面図である。
【図7】上記テープフィーダのキャリヤテープ送り装置のスプロケットを配線板撮像装置と共に示す側面図である。
【図8】上記スプロケットの一部を示す側面図である。
【図9】上記スプロケットの歯がキャリヤテープの送り穴に係合した状態を示す平面図である。
【図10】上記テープフィーダにおいてテーピング電子回路部品に被せられたカバーを示す平面図である。
【図11】上記電子回路部品装着機を制御する制御装置を概略的に示す図である。
【図12】上記制御装置により実行される部品取出し位置補正ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】本発明の別の実施形態である電子回路部品供給・取出装置に使用されるテーピング電子回路部品のキャリヤテープの部品収容凹部と送り穴との相対位置を示す平面図である。
【図14】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品供給・取出装置のテープフィーダのスプロケットの一部を示す側面図(一部断面)である。
【図15】図14に示すスプロケットを示す平面図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品供給・取出装置のテープフィーダのスプロケットの一部を示す側面図(一部断面)である。
【図17】図16に示すスプロケットを示す平面図である。
【符号の説明】
16:部品装着装置 18:部品供給装置 24:制御装置 30:プリント配線板 40:テープフィーダ 46:電子回路部品 48:キャリヤテープ 52:部品収容凹部 56:送り穴 66:キャリヤテープ送り装置 90:スプロケット 92:スプロケット駆動装置 96:歯98:先端面 100:基準マーク 130:装着ヘッド 132:XYロボット 168:ノズルホルダ 170:吸着ノズル 180:配線板撮像装置 300:スプロケット 304:歯 306:先端面 310:基準マーク 330:スプロケット 334:歯 340:先端面 344:基準マーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路部品供給装置および電子回路部品供給・取出装置に関するものであり、特に、キャリヤテープに保持された電子回路部品の供給精度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子回路部品は回路基板に装着されて電子回路を構成する部品であり、例えば、キャリヤテープに保持されてテープフィーダにセットされ、供給される。キャリヤテープには、多数の送り穴と部品収容凹部とがそれぞれ並んでかつ予め定められた相対位置で形成され、部品収容凹部の各々に電子回路部品が収納される。キャリヤテープは、例えば、スプロケットにより送られる。スプロケットは、その外周面に複数の歯が等角度間隔に設けられており、それら歯の一部がキャリヤテープの送り穴に係合し、スプロケットが回転させられることによりキャリヤテープが送られ、部品収容凹部に収容された電子回路部品の各々が順次部品供給位置に位置決めされる。
【0003】
このように電子回路部品が部品供給位置に位置決めされる際、精度良く位置決めされることが必要であるが、テープフィーダの製造誤差や組付誤差等によって位置誤差が生ずることがあり、部品収容凹部から電子回路部品を取り出す際に取出しミスが生ずることがある。そのため、従来、種々の対策が講じられている。例えば、テープフィーダに基準マークを設けるとともに撮像装置により撮像して基準マークの位置誤差を取得し、その位置誤差に基づいて部品収容凹部から電子回路部品を取り出す際の吸着ノズルの部品取出し位置を補正するのである。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、本出願人は、未だ公開されていない特願2002−155667の出願において、キャリヤテープに設けられた送り穴を撮像装置により撮像して送り穴の位置誤差を取得し、その位置誤差と、送り穴と部品収容凹部との相対位置とに基づいて、吸着ノズルの部品取出し位置を補正することを提案した。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−216576号公報(第29段落,第40段落)
【0006】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、テープフィーダに基準マークを設けて撮像し、その位置誤差を取得して吸着ノズルの部品取出し位置を補正する場合、基準マークの位置と部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置とを設定値に合わせて調整する必要がある。あるいはそれら位置間の距離を測定し、そのフィーダ固有の値として記憶させ、基準マークの位置誤差と共に部品取出し位置の補正に用いられるようにすることが必要であり、工数がかかり、コストが上昇する。
一方、キャリヤテープに設けられた送り穴を撮像する場合、キャリヤテープの色が透明の場合は送り穴の像を得ることができない。また、キャリヤテープに色が付いていても、種類によって色が異なることがある。例えば、キャリヤテープが紙テープであれば白色とされ、エンボステープであれば黒色とされることがあり、複数のテープフィーダがそれぞれ保持するキャリヤテープに、紙テープとエンボステープとが混在していれば、キャリヤテープの種類によって異なる画像処理を行うことが必要であり、面倒である。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景とし、キャリヤテープに保持された電子回路部品の供給精度の向上を容易化することを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の電子回路部品供給装置および電子回路部品供給・取出装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0008】
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (4)項が請求項3に、 (7)項が請求項4にそれぞれ相当する。
【0009】
(1)多数の送り穴と部品収容凹部とがそれぞれ並んでかつ予め定められた相対位置で形成され、部品収容凹部の各々に電子回路部品が収納されたキャリヤテープを、前記送り穴に係合する係合突起を備えた送り部材により送ることによって、前記電子回路部品の各々を順次部品供給位置に位置決めするテープフィーダと、
前記送り穴に係合している1つ以上の係合突起を認識する認識装置と、
その認識装置により認識された係合突起の位置と前記相対位置とに基づいて前記部品収容凹部の位置を取得する収容凹部位置取得部と
を含む供給位置検出機能を有する電子回路部品供給装置。
送り部材には、例えば、 (2)項に記載されているようにスプロケットや、特公平1−52296号公報に記載されているように、矩形の軌跡を描いて動く部材がある。
複数の係合突起を認識する場合、それら係合突起のうち、予め定められた係合突起について位置を取得してもよく、複数の係合突起についてそれぞれ位置を取得し、それら位置の平均化処理を行うことにより得られる位置を係合突起の位置としてもよい。複数の係合突起の位置誤差を取得する場合、複数の係合突起の各々について得られる位置誤差を平均化し、係合突起の位置誤差とすることも可能である。
送り部材の係合突起がキャリヤテープの送り穴に係合することにより、キャリヤテープがテープフィーダに対して位置決めされ、係合突起の位置を送り穴の位置と見なすことができる。また、送り穴と部品収容凹部とは、キャリヤテープに相対位置精度良く形成されており、係合突起の位置が得られれば、送り穴と部品収容凹部との相対位置から、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置を得ることができる。
このように、送り部材の係合突起を直接認識することにより部品収容凹部の位置が取得されるため、テープフィーダが取り付けられる部材およびテープフィーダ自身の加工精度,組付精度を高くしなくてよく、電子回路部品の供給精度が高く、かつ安価な電子回路部品供給装置が得られる。また、テープフィーダに基準マークを設ける場合のように、基準マークと部品収容凹部との位置を調節したり、それらの位置間の距離を測定したりする必要がなく、部品収容凹部の位置を容易に高精度で取得することができる。
さらに、送り部材が種類の異なるキャリヤテープに共通に使用され、キャリヤテープの色が異なっても、その影響を受けることなく、係合突起を認識することができ、部品収容凹部の位置の取得が容易である。
このように、部品収容凹部の位置を容易に高精度で取得することができれば、例えば、部品供給装置により供給される電子回路部品が部品取出装置によって取り出される際に、部品取出具と部品収容凹部とを、それらの相対位置ずれを減少させる相対位置に位置決めし、電子回路部品がミスなく取り出されるようにすることができる。あるいは、取得された部品収容凹部の位置が、部品の取出しのためにあまりに不適切な位置である場合には、そのテープフィーダについて、電子回路部品の取出しが禁止されたり、部品収容凹部の停止位置を再調節する作業を行うべきことが表示装置等の出力装置に出力(表示)されたりするようにすることができる。
【0010】
(2)前記送り部材が、概して円板状をなし、外周面に等角度間隔で前記係合突起を備えたスプロケットであり、前記テープフィーダがそのスプロケットを予め定められた角度ずつ回転させるスプロケット駆動装置を含む (1)項に記載の電子回路部品供給装置。
スプロケットは、一軸線まわりに回転してキャリヤテープを送るものであるため、フィーダ本体に相対位置精度高く取り付けることが容易であり、容易にキャリヤテープのフィーダ本体に対する位置決め精度を高めることできる。
【0011】
(3)前記認識装置が、前記1つ以上の係合突起を撮像する撮像装置を含む (1)項または (2)項に記載の電子回路部品供給装置。
撮像装置として、一挙に二次元像を取得可能な面撮像装置を使用してもよく、ラインセンサを使用してもよい。ラインセンサと係合突起とを、ラインセンサの撮像素子が並ぶ方向に直角な方向に相対移動させつつ繰り返し撮像を行えば、係合突起の二次元像を得ることができる。
【0012】
(4)前記係合突起が、先端面に基準マークを備え、前記認識装置がその基準マークを撮像する撮像装置を含む (1)項または (2)項に記載の電子回路部品供給装置。
認識装置により、係合突起そのものを認識してもよいが、基準マークを設ければ認識が容易となる。基準マークは、スプロケットの基準マーク以外の部分とは容易に認識可能にし得るからである。係合突起の先端面全体に基準マークを設けてもよく、一部に設けてもよい。
(5)前記基準マークが、前記係合突起の先端面の中央部にその先端面より光反射率の低い部分として形成された (4)項に記載の電子回路部品供給装置。
(6)前記基準マークが、前記係合突起の先端面の中央部にその先端面より光反射率の高い部分として形成された (4)項に記載の電子回路部品供給装置。
【0013】
(7) (1)項ないし (6)項のいずれかに記載の電子回路部品供給装置と、
前記部品供給位置に位置決めされた電子回路部品を負圧により吸着する吸着ノズルを保持するノズルホルダと、
そのノズルホルダと前記テープフィーダとを、前記吸着ノズルが前記部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部に対向する部品取出し位置に相対移動させる相対移動装置と、
前記収容凹部位置取得部により取得された前記部品収容凹部の位置に基づいて前記部品取出し位置を補正する位置補正部と
を含む電子回路部品供給・取出装置。
部品収容凹部の位置が取得されれば、その位置の正規の位置に対するずれが得られ、そのずれが打ち消されるように部品取出し位置を補正することにより、吸着ノズルと部品収容凹部とがずれ少なく位置決めされ、電子回路部品の取出しが適切に行われる。
キャリヤテープは送り穴への係合突起の係合により位置決めされており、係合突起の位置誤差は部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置誤差と見なすことができ、係合突起の認識により、係合突起の正規の位置に対する誤差を取得し、その位置誤差が打ち消されるように部品取出し位置が補正されることにより、電子回路部品の取出しが精度良く行われるようにすることができる。
送り部材の係合突起を直接認識することにより部品収容凹部の位置が取得されるため、テープフィーダが取り付けられる部材およびテープフィーダ自身の加工精度,組付精度を高くしなくてよく、電子回路部品の供給精度が高く、かつ安価な電子回路部品供給・取出装置が得られる。
【0014】
(8)前記テープフィーダが複数個、X軸方向に並んで設けられ、前記相対移動装置が前記ノズルホルダを、前記X軸方向とそれに直角なY軸方向とに移動させるXYロボットを含み、前記位置補正部が、そのXYロボットの作動を制御する制御データの補正により、前記部品取出し位置を補正するXYロボット制御データ補正部を含む (7)項に記載の電子回路部品供給・取出装置。
ノズルホルダがX軸方向およびY軸方向に移動させられる場合、XYロボットの制御データの補正により、X軸,Y軸の両方向において吸着ノズルと部品収容凹部とをずれ少なく位置決めすることができる。
【0015】
(9)前記テープフィーダが、前記送り部材に送り運動を付与する送り部材駆動装置を含み、前記位置補正部が、少なくとも、その送り部材駆動装置を制御することにより、前記送り部材の送り運動終了位置を補正する送り運動補正部を含む(7)項または (8)項に記載の電子回路部品供給・取出装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態である電子回路部品供給・取出装置を含む電子回路部品装着機が示されている。この電子回路部品装着機は、装着ヘッドがプリント配線板の表面に平行な平面内の任意の位置へ移動させられて電子回路部品を部品供給装置から受け取り、プリント配線板に装着するものであり、例えば、特許第2824378号公報等において既に知られており、簡単に説明する。
【0017】
電子回路部品装着機は、図1および図2に示すように、本体としてのベッド10,ベッド10上に設けられた配線板搬送装置12,プリント配線板保持装置14,部品取出装置としての部品装着装置16,部品供給装置18および配線板撮像システム22,これら装置等を制御する制御装置24(図11参照)等を備えている。本実施形態においては、電子回路部品装着機について、基準座標面としてXY座標面が設定されており、このXY座標面上において装着ヘッド等の移動データ等が設定される。
【0018】
本実施形態において回路基板としてのプリント配線板30は、配線板搬送装置12により水平な姿勢で搬送され、図示を省略する停止装置によって予め定められた装着作業位置において停止させられるとともに、プリント配線板保持装置14により、装着面が水平な姿勢で保持される。プリント配線板保持装置14はプリント配線板支持装置およびクランプ装置(図示省略)を備え、位置を固定して設けられており、プリント配線板30は静止した状態で電子回路部品が装着される。プリント配線板30の装着面には、図1に示すように、複数、本実施形態においては2個の基準マーク34が設けられている。
【0019】
部品供給装置18は、図1および図2に示すように、配線板搬送装置12の一方の側に位置を固定して静止して設けられている。この部品供給装置18は、特開平10−112598号公報に記載の部品供給装置とほぼ同様に構成されており、簡単に説明する。
【0020】
部品供給装置18は、フィーダ支持台38上にX軸方向に並んで設けられた複数個のテープフィーダ(以後、フィーダと略称する)40を有する。複数のフィーダ40はフィーダ支持台38上に、幅方向および前後方向に位置決めされるとともに、浮上がりを防止された状態で着脱可能に取り付けられている。
【0021】
フィーダ40は、本実施形態では、図5および図6に示すように、電子回路部品46(以後、部品46と略称する)をキャリヤテープ48に保持させてテーピング電子回路部品50(以後、テーピング部品50と略称する)とした状態で供給する。キャリヤテープ48は長手形状を成し、多数の部品収容凹部52が長手方向に平行な方向において等間隔に、かつ1列に形成されるとともに、部品収容凹部52の各々に部品46が1個ずつ収容され、それら部品収容凹部52の開口がキャリヤテープ48に貼り付けられたカバーテープ54によって塞がれることにより、キャリヤテープ送り時等における部品46の部品収容凹部52からの飛び出しが防止されている。キャリヤテープ48は、本実施形態においてはエンボステープとされている。なお、図5においては、カバーテープ54の図示は省略されている。
【0022】
キャリヤテープ48にはまた、多数の送り穴56が、キャリヤテープ48の長手方向に平行な方向において等間隔に設けられている。これら多数の送り穴56と部品収容凹部52とはキャリヤテープ48に、それぞれ一列に並んで形成されるとともに、予め定められた相対位置、すなわち部品収容凹部52と送り穴56とのキャリヤテープ48の長手方向についての相対位置およびキャリヤテープ48の幅方向の距離が常に一定になるように形成されているのである。ただし、部品収容凹部52と送り穴56との相対位置はキャリヤテープの種類が異なれば異なってもよいことは勿論、一種類のキャリヤテープにおいても複数種類の相対位置が存在してもよい。部品収容凹部52の形成間隔が送り穴56の形成間隔の整数倍であれば、すべての部品収容凹部52と送り穴56との相対位置が同じになるが、例えば、部品収容凹部52の形成間隔が送り穴56の形成間隔の1.5倍であれば、1つの部品収容凹部52はキャリヤテープ48の長手方向の位置が送り穴56と同じであるが、その部品収容凹部52に隣接する部品収容凹部52は2つの互いに隣接する送り穴56の中央に位置することとなるのであり、それで差し支えないのである。この場合には、複数種類の相対位置が繰り返し現れるため、そのことを考慮に入れて、現に注目している部品収容凹部52の送り穴56に対する相対位置が決められるようにすればよいのである。
【0023】
フィーダ40は、図4に示すように、フィーダ本体62,部品収容リール58を保持する部品収容器保持装置ないしテープ保持装置たるリール保持装置64,テープ送り装置としてのキャリヤテープ送り装置66およびカバーテープ剥がし装置68を有する。
【0024】
リール保持装置64は、フィーダ本体62に回転可能に取り付けられた回転支持部材たる複数の支持ローラ70を備え、部品収容リール58を回転可能に支持している。部品収容リール58から引き出されたテーピング部品50は、フィーダ本体62に設けられた案内部72の案内面により案内され、長手方向に平行な両縁部が下方から支持された状態でキャリヤテープ送り装置66によりY軸方向に平行な方向に送られる。
【0025】
キャリヤテープ送り装置66は、送り部材としてのスプロケット90および送り部材駆動装置としてのスプロケット駆動装置92を有する。スプロケット90は概して円板状をなし、図7に示すように、円板状の本体94の外周面に係合突起としての複数の歯96が等角度間隔で設けられており、フィーダ本体62に、フィーダ本体62の幅方向に平行な軸線まわりに回転可能に支持されている。歯96は、キャリヤテープ48の送り穴56に係合させられる。
【0026】
スプロケット90の複数の歯96にはそれぞれ、図8および図9に一部を代表的に示すように、各先端面98に基準マーク100が設けられている。基準マーク100は、本実施形態においては、その横断面形状が円形をなすものとされ、例えば、プレス,鍛造等による凸加工によって先端面98の中央部に突設された凸部とされている。本実施形態において本体94および複数の歯96は黒染め処理が施されて光反射率が低くされているが、基準マーク100の突出端面は研削加工により磨かれて白色とされ、光の反射率が先端面98より高くされている。
【0027】
前記スプロケット駆動装置92は、図4に示すように、パルスモータ101,駆動ギヤ102,それぞれフィーダ本体62に回転可能に取り付けられた被駆動ギヤ104,駆動プーリ106,駆動ベルト108および被駆動プーリ110を備えている。スプロケット90の歯96は、キャリヤテープ48の送り穴56に係合し、キャリヤテープ48を位置決めする。そして、スプロケット90がスプロケット駆動装置92によって回転させられることにより、キャリヤテープ48が、その長手方向ないしフィーダ40の長手方向であって、Y軸方向に平行な方向に送られ、部品収容凹部52の各々に収容された部品46が順次部品供給位置に位置決めされる。
【0028】
パルスモータ101は回転角度の制御が可能な電動モータたる回転電動モータの一種であり、スプロケット駆動装置92の駆動源を構成しており、駆動信号の制御によりパルスモータ101の回転角度が制御される。それにより、スプロケット90が予め定められた角度ずつ回転させられ、キャリヤテープ48が部品収容凹部52の形成間隔に等しい距離ずつ送られ、部品46が部品供給位置に順次位置決めされる。なお、詳細な説明は省略するが、カバーテープ剥がし装置68は、キャリヤテープ送り装置66と駆動源を共用し、キャリヤテープ48の送り時にカバーテープ54をキャリヤテープ48から剥がす。
【0029】
キャリヤテープ54のスプロケット90の歯96が係合した部分およびその前後の部分にはカバー120(図10参照)が被せられ、カバーテープ54の剥がし時におけるテーピング部品50のフィーダ本体62からの浮き上がりが防止されている。カバー120には、開口122が設けられ、部品46の部品装着装置16による取出しが許容されるようにされている。したがって、本実施形態においては、部品供給位置は、部品収容凹部52が開口122内に位置し、部品46が部品収容凹部52から取り出される位置である。
【0030】
カバー120にはまたスリット124が設けられ、キャリヤテープ48から剥がされたカバーテープ54が外へ引き出されるようにされている。カバー120には更にスロット126が、カバー120を厚さ方向に貫通して設けられ、スプロケット90の歯96との干渉が回避され、歯96が案内部72のテープ案内面より上方へ突出してキャリヤテープ48の送り穴56に係合することを許容する。カバー120は、キャリヤテープ48にその幅方向全体にわたって被せられているが、送り穴56に係合させられた複数の歯96はスロット126内に位置し、上方から見ることができる。
【0031】
前記部品装着装置16は、図1および図2に示すように、主に、装着ヘッド130、装着ヘッド130をプリント配線板30の装着面に平行な一平面である水平面内の任意の位置へ移動させるヘッド移動装置ないし部品保持具移動装置としてのXYロボット132、装着ヘッド130を軸線まわりに回転させるヘッド回転装置136、装着ヘッド130を昇降させるヘッド昇降装置138等を備えている。
【0032】
XYロボット132は、図1に示すように、移動部材としてのX軸スライド140,X軸スライド移動装置142,移動部材としてのY軸スライド144,Y軸スライド移動装置146を備えている。X軸スライド移動装置142は、X軸スライド駆動用モータ148,ボールねじ150およびナット(図示省略)を備え、X軸スライド140をX軸方向に移動させ、X軸スライド140と共にX軸移動装置154を構成している。Y軸スライド144およびY軸スライド移動装置146は、X軸スライド140上に設けられている。Y軸スライド移動装置146は、Y軸スライド駆動用モータ156,ボールねじ158およびナット160を備え、Y軸スライド144をY軸方向に移動させ、Y軸スライド144と共にY軸移動装置162を構成している。
【0033】
装着ヘッド130は、図3に示すように、ノズルホルダ168を備え、吸着ノズル170を着脱可能に保持している。吸着ノズル170は、本体部としての本体172および吸着部を構成する吸着管174を備え、部品46を負圧により吸着する。吸着管174は、図示を省略する電磁方向切換弁装置の切換えにより、負圧源,正圧源および大気に選択的に連通させられて、部品46を保持,解放する。ノズルホルダ168は、XYロボット132により、プリント配線板30の装着面に平行な方向であって、X軸方向およびY軸方向に移動させられ、ノズルホルダ168がフィーダ40に対して移動させられ、吸着ノズル170が前記部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52に対向する部品取出し位置に移動させられる。本実施形態においては、XYロボット132が相対移動装置を構成している。
【0034】
装着ヘッド130はY軸スライド144上に昇降可能かつ軸線まわりに回転可能に設けられており、装着ヘッド130と共にY軸スライド144上に設けられた前記ヘッド昇降装置138により昇降させられ、吸着ノズル170が昇降させられて部品取出し位置において部品供給装置18から部品46を受け取り、部品装着位置においてプリント配線板30に部品46を装着する。部品装着位置は、部品46の装着毎に異なる。装着ヘッド130はまた、Y軸スライド144上に設けられたヘッド回転装置136により回転させられ、吸着ノズル170が吸着した部品46の姿勢変更および回転位置誤差の修正が行われる。これら装着ヘッド130等は、本実施形態においては、特許第3093339号公報に記載の装着ヘッド130等と同様に構成されており、説明を省略する。
【0035】
Y軸スライド144にはまた、図3に示すように、前記配線板撮像システム22が設けられている。配線板撮像システム22は、配線板撮像装置180および照明装置182を含み、XYロボット132により移動させられ、プリント配線板30の装着面の任意の位置の撮像が可能とされている。配線板撮像装置180は、本実施形態においては面撮像装置とされており、被写体の二次元像を一挙に取得する。配線板撮像装置180は、例えば、CCDカメラにより構成されている。
【0036】
また、X軸スライド140には、図2に示すように、部品撮像システム190が設けられている。部品撮像システム190は、部品撮像装置192,導光装置194および照明装置196を含み、吸着ノズル170に保持された部品46を撮像し、部品46の正面像と投影像とを選択的に取得するように構成されている。
【0037】
前記制御装置24は、図11に示すように、CPU220,ROM222,RAM224およびそれらを接続するバスを有するコンピュータ230(以後、装着制御コンピュータ230と称する)を主体とするものである。バスには入出力インタフェース232が接続されており、配線板撮像システム22の配線板撮像装置180および部品撮像システム190の部品撮像装置192の各撮像により得られた画像データを処理する画像処理コンピュータ238,配線板撮像装置180,192,エンコーダ242等の各種センサ、入力装置244,パーツデータジェネレータ(PDG)246等が接続されている。PDG246は、部品46の各種データ(部品情報と称する)が格納されたデータベースである。
【0038】
入出力インタフェース232にはまた、駆動回路250を介して配線板搬送装置12等の駆動源を構成する各種アクチュエータ等が接続され、制御回路252を介して表示画面254が接続されている。これら装置12等において駆動源を構成するモータはアクチュエータの一種であり、本実施形態においては、電動モータの一種である電動回転モータであって、回転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータにより構成されているものが多い。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。これらモータの回転角度は、回転角度検出装置たるエンコーダにより検出され、その検出結果に基づいてモータ等が制御される。図11には、それらエンコーダ242のうちの1つを代表的に示す。
【0039】
ROM222およびRAM224には、本電子回路部品装着機の基本動作プログラム,作業対象となるプリント配線板30に応じた部品装着作業のプログラム(以後、部品装着プログラムと称する),図12にフローチャートで表す部品取出し位置補正ルーチン等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶させられている。
【0040】
次に作動を説明する。部品46をプリント配線板30に装着する装着作業は、前記特許第2824378号公報等に記載されているため、全体の説明は簡略にし、本発明に関連の深い部分を詳細に説明する。前記部品装着プログラムには、装着ヘッド130がフィーダ40から部品46を取り出すべき位置である部品取出し位置のデータ,部品46をプリント配線板30に装着すべき位置である部品装着位置のデータ,部品装着位置に装着される部品46のデータ,およびPDG246から供給された各部品46の部品情報等が含まれており、このプログラムが基本動作プログラムによって実行されることにより、装着ヘッド130がXYロボット132により部品取出し位置へ移動させられて部品46をフィーダ40から取り出し、部品装着位置へ移動させられて部品46をプリント配線板30に装着する。
【0041】
上記部品取出し位置は、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52と、吸着ノズル170との相対位置誤差がないものと仮定した場合の値であるが、実際には、種々の原因により相対位置誤差が生じ、吸着ミスや異常吸着が生じる可能性がある。そのため、本実施形態においては、生産開始時等、フィーダ40から部品46が最初に取り出されるより前の時期に、スプロケット90の歯96に設けられた基準マーク100を、配線板撮像システム22の配線板撮像装置180により撮像し、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の位置誤差を取得して、その位置誤差が打ち消されるように、ノズルホルダ168、ひいてはノズルホルダ168に保持された吸着ノズル170の部品取出し位置を補正する部品取出し位置補正作業が実行される。この部品取出し位置補正作業については後に詳述する。
【0042】
上記部品取出し位置補正作業が終了すれば、通常の装着作業が実施される。まず、プリント配線板30が配線板搬送装置12により部品46が装着される装着スペースまで搬送されて、プリント配線板保持装置14により位置決め保持される。XYロボット132により装着ヘッド130とともに配線板撮像システム22の配線板撮像装置180が、プリント配線板30に設けられた基準マーク34を撮像する配線板基準マーク撮像位置に位置決めされ、2個の基準マーク34がそれぞれ撮像される。その結果取得された基準マーク34の画像処理により、プリント配線板30の位置誤差が取得される。
【0043】
次に、装着ヘッド130は、XYロボット132によりフィーダ40から部品46を取り出す部品取出し位置へ移動させられる。上記のように、部品取出し位置補正作業により補正された部品取出し位置に到達すれば、装着ヘッド130がヘッド昇降装置138により昇降させられ、吸着ノズル170に負圧が供給されることにより部品46が吸着される。
【0044】
部品46を保持した装着ヘッド130は、部品取出し位置から、プリント配線板30上に予め設定されている部品装着点に対向する部品装着位置へ移動させられるのであるが、この際、X軸スライド140の部品取出し位置と部品装着位置との間の位置に固定されている導光装置194上を通過する。部品取出し位置および部品装着位置が部品供給装置18およびプリント配線板30のいずれの位置にあっても、装着ヘッド130が部品取出し位置から部品装着位置へ移動するためには必ず、X軸スライド140上をY軸方向へ移動して部品供給装置18とプリント配線板30との間の部分を通る。したがって、装着ヘッド130は、X軸スライド140の部品取出し位置と部品装着位置との間に位置する部分に固定されている導光装置194上を必ず通り、部品撮像装置192により部品46が撮像される。
【0045】
部品46の回転位置が吸着時と装着時とで異なる場合には、吸着後、部品保持位置検出位置に到達するまでの間に装着ヘッド130がヘッド回転装置136により回転させられ、部品46が回転させられて装着時の回転位置に変更される。そして、装着ヘッド130が部品保持位置検出位置に到達すれば、部品46が撮像される。部品撮像装置192,導光装置194および照明装置196はX軸スライド140上に設けられているため、装着ヘッド130は、Y軸方向においてはその移動を停止させられるが、X軸方向においては移動させられたままの状態で部品46が撮像される。撮像された像のデータは画像処理コンピュータ238において保持位置誤差のない正規の像のデータと比較され、保持位置誤差、すなわち平行移動位置誤差(装着ヘッド130がプリント配線板30の装着面に対して平行移動する方向の位置誤差であって、X軸方向およびY軸方向における各位置誤差。多くの場合中心位置誤差。)および回転位置誤差が算出される。
【0046】
装着ヘッド130が部品装着位置へ移動するまでの間に、装着ヘッド130がヘッド回転装置136により回転させられて回転位置誤差が打ち消されるとともに、前記プリント配線板30の位置誤差と部品46の平行移動位置誤差(回転位置誤差の打消しに伴って生じる平行移動位置誤差を含む)が打ち消されるように、部品装着位置の座標が補正され、部品46はプリント配線板30の正確な装着点に正しい回転位置で装着される。以上で1サイクルの装着作業が終了する。
【0047】
次に、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の位置誤差を取得し、その位置誤差を打ち消すように、ノズルホルダ168の部品取出し位置を補正する部品取出し位置補正作業について説明する。この作業は、電子回路部品装着機の生産開始時、フィーダ40の交換時、生産プログラムの変更に伴うフィーダ40の段取り替え時などに実行される。部品取出し位置補正作業が実行される間は、装着ヘッド130がフィーダ40から部品46を受け取る部品受取り作業や、その部品46をプリント配線板30に装着する部品装着作業などの実行が停止させられる。
【0048】
部品取出し位置補正作業は、いずれのタイミングで実行される場合であっても、作動が同じであるので、以下、電子回路部品装着機による生産開始時における部品取出し位置補正作業を例として説明する。生産開始時における部品取出し位置補正作業は、全てのフィーダ40について実施されてもよいが、本実施形態においては、精密吸着が必要な部品46を供給するフィーダ40についてのみ実施される。部品装着プログラムの一部である部品情報には、各部品46が精密吸着が必要なものであるか否かを示す精密吸着要否データが含まれており、そのデータに基づいて精密吸着が必要な部品46を供給するフィーダ40があらかじめ選択されて、部品取出し位置補正作業が実施される。
【0049】
部品取出し位置補正作業は、キャリヤテープ送り装置66のスプロケット90の歯96に設けられた基準マーク100を撮像し、それにより得られる基準マーク100の位置誤差に基づいてノズルホルダ168の部品取出し位置を補正することにより行われる。したがって、基本動作プログラムの実行により、部品取出し位置補正作業の実行が指令されれば、まず、XYロボット132により、配線板撮像装置180が、今回、位置が検出されるべき基準マーク100を撮像するフィーダ基準マーク撮像位置に向かって移動させられる。図7に示すように、配線板撮像装置180がフィーダ基準マーク撮像位置に到達すれば、その位置において基準マーク100が撮像される。なお、図7においては、照明装置182の図示は省略されている。
【0050】
撮像時には、スプロケット90は予め定められた回転位置に位置させられている。カバー120のスロット126内には複数の歯96が位置しているが、それら複数の歯96のうちの1つが真上を向いた状態となる回転位置に位置させられているのである。フィーダ基準マーク撮像位置は、この真上を向いた歯96に設けられた基準マーク100の中心と配線板撮像装置180の撮像面の中心である撮像中心とが一致した状態となることが予定された位置であり、フィーダ基準マーク撮像位置は、部品46の精密吸着が必要なフィーダ40について予め設定されている。なお、説明を単純にするために、本実施形態においては、部品収容凹部52の一つが部品供給位置に位置決めされた状態では、複数の歯96のいずれかが必ず真上を向いた状態となるものとするが、後に説明するように、このことは本発明を実施する上で不可欠ではない。
【0051】
撮像により、複数の基準マーク100の像が得られる。本実施形態では、基準マーク100の光反射率は、歯96の先端面98より高くされているため、撮像面には複数の基準マーク100の像が形成される。これらのうち、真上を向いた歯96に設けられた基準マーク100の像について平行移動位置誤差が求められ、基準マーク100の平行移動位置誤差が求められる。基準マーク100は、本実施形態においては、横断面形状が円形をなし、その中心位置誤差が求められる。
【0052】
この際、まず、撮像面の撮像中心を中心として設定された領域内に形成された像が探され、像があった場合に、基準マーク100の正規の像と比較される。設定領域内に形成された像の形状,寸法と、正規の像の形状,寸法との差異が予め設定された範囲内にあれば、その像は真上を向いた歯96に設けられた基準マーク100の像であり、その中心位置が求められ、撮像中心に対する位置誤差が求められる。この位置誤差が基準マーク100の正規の位置に対する中心位置誤差である。正規の位置は、本電子回路部品装着機に設定されている基準座標面としてのXY座標面上に予定されている基準マーク100の位置である。一般的には、上記XY座標面上における配線板撮像装置180の位置に誤差があっても差し支えないのであるが、ここでは単純化のために、配線板撮像装置180の位置に誤差はないものとする。したがって、配線板撮像装置180の撮像中心からの基準マーク100の像の中心位置のずれが、基準マーク100の中心位置誤差であることとなる。
【0053】
上記基準マーク100の中心位置誤差に基づいて、ノズルホルダ168の、吸着ノズル170による部品取出し時の位置である部品取出し位置の補正量が算出される。
スプロケット90の歯96がキャリヤテープ48の送り穴56に係合してキャリヤテープ48が位置決めされるため、送り穴56に係合した歯96の位置は送り穴56の位置と見なすことができる。また、送り穴56と部品収容凹部52とは、キャリヤテープ48に互いに位置精度良く形成されており、送り穴56に係合した歯96の位置と、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の位置との間に位置誤差はないと見なすことができる。したがって、歯96に設けられた基準マーク100の中心位置誤差は、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の平行移動位置誤差であることとなり、その位置誤差を打ち消すように部品取出し位置が補正される。基準マーク100の正規の位置と、それに対する位置誤差とがあれば、基準マーク100の実際の位置が得られ、その位置と、送り穴56と部品収容凹部52との相対位置とに基づいて部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の位置が得られるのであり、基準マーク100の位置誤差を取得することは、部品収容凹部52の位置を取得し、その位置誤差を取得することと同じである。
【0054】
以下、図12に示すフローチャートに基づいて、さらに詳細に説明する。本部品取出し位置補正ルーチンは、基本動作プログラムによる指令や、作業者による入力装置244の操作に応じて実行が開始される。まず、ステップS1(以下、単にS1と称する。他のステップについても同じ。)において、今回、部品取出し位置補正作業を実施すべきフィーダ40の位置に関する情報としてのスロット番号が取得される。スロット番号はフィーダ支持台38におけるフィーダ40の取付部たる取付けスロットの番号であり、前述の部品装着プログラムには、今回の装着作業により装着されるべき各部品46を供給する各フィーダ40の取付けスロットの番号と、各フィーダ取付位置において供給される部品46の種類と、それら部品46が精密吸着が必要なものであるか否かを示す精密吸着要否データ等が含まれており、これらのデータに基づいて、精密吸着が必要な部品46を供給するフィーダ40の取付けスロット番号が小さい番号から順に取得されるのである。取得されたスロット番号はRAM224の精密吸着要スロット番号メモリに格納される。また、部品収容凹部位置誤差検出作業の実行回数のカウント値nがクリアされる。
【0055】
S2に進んで、精密吸着要スロット番号メモリから最初のスロット番号が読み出され、S3において、配線板撮像装置180がフィーダ基準マーク撮像位置に位置決めされ、目的とするフィーダ40のスプロケット90の歯96の真上となるはずの位置に位置決めされる。フィーダ基準マーク撮像位置は、フィーダ40のスロット番号と対応付けて記憶されている。S4において、配線板撮像装置180に撮像が指令され、配線板撮像装置180により、複数の歯96のうち、少なくとも真上を向いた歯96が撮像される。
【0056】
S5において、撮像により取得された画像データが画像処理コンピュータ238に伝達され、画像処理が指令される。画像処理コンピュータ238においては、供給された画像データに基づいて、前述のように、真上を向いた歯96に設けられた基準マーク100の像が取得され、その中心位置誤差が求められる。撮像面内における歯96に設けられた基準マーク100の像と、相対位置誤差がない正規の位置にある像とが比較され、基準マーク100の中心の配線板撮像装置180の撮像中心に対する相対位置誤差が取得されるのである。本実施形態においては、基準マーク100は横断面形状が円形であり、その中心位置を求め、撮像中心に対する位置誤差を求めてもよい。
【0057】
S5においてはまた、画像処理コンピュータ238において行われた画像処理により得られたデータの受取りが行われ、その受け取ったデータに基づいてS6が実行される。配線板撮像装置180による撮像が行われても、基準マーク100の像が得られない場合もある。そのため、S6において像が取得されたか否かの判定が行われ、得られなかった場合には、S6の判定結果がNOになってS7が実行され、その旨およびフィーダ40のスロット番号等が表示画面254に表示されて報知される。表示画面254は、制御装置24の表示画面254への情報等の表示を制御する部分と共に、出力装置ないし報知装置としての表示装置を構成している。また、基準マーク100の像が得られず、位置誤差が得られなかったことがスロット番号と対応付けてRAM224の位置誤差不取得メモリに記憶される。
【0058】
基準マーク100の像が得られ、中心位置誤差が得られれば、S6の判定結果がYESになってS8が実行される。上記のように求められた基準マーク100の中心位置誤差は、前述のように、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部52の平行移動位置誤差を表しており、これがS8において、スロット番号と対応付けてRAM224の部品収容凹部位置誤差メモリに格納される。なお、基準マーク100の中心位置誤差は、画像処理により得られたデータに基づいてS8において求められ、記憶されてもよい。装着制御コンピュータ230において求められてもよいのである。
【0059】
S9において、今回、部品取出し位置補正作業を実施すべき全てのフィーダ40について、部品収容凹部位置誤差の検出作業が終了したか否かが問われる。精密吸着要スロット番号メモリに未だ検出作業が行われていないスロット番号が存在するか否かが判定されるのであり、まだのフィーダ40が残っている場合には、S9の判定がNOとなり、本ルーチンの実行がS2に戻る。S2においては、次に部品収容凹部位置誤差の検出作業が行われるべきフィーダ40のスロット番号が読み出され、以下、S3ないしS6,S8,S9が繰り返し実行される。それに対して、全てのフィーダ40について部品収容凹部位置誤差検出作業が終了したならば、S10において、部品収容凹部位置誤差検出作業の実行回数のカウント値nが1増加させられ、S11においてカウント値が設定数Nに達したか否かが判定される。この設定数Nは入力装置244の操作により作業者が設定し得るものである。S11の判定結果がNOの場合には、S12において、精密吸着要スロット番号メモリの、次に部品収容凹部位置検出作業が行われるべきスロット番号が最小のものに戻された上で、S2以降が実行される。したがって、実行回数が設定値Nに達するまで部品収容凹部位置誤差検出作業が繰り返し実行されることとなる。
【0060】
それに対し、S11の判定がYESとなれば、S13において精密吸着要の部品46の各々についての部品取出し位置補正量の取得作業が行われる。部品収容凹部位置誤差メモリに格納されているN個ずつの部品収容凹部52の位置誤差の平均値が、精密吸着要の部品46を供給するフィーダ40の各々について取得され、その平均値の位置誤差を打ち消すのに必要な装着ヘッド130の部品取出し位置の補正量が決定されるのである。決定された補正量はスロット番号と対応付けられてRAM224の部品取出し位置補正量メモリに格納される。全ての精密吸着要のスロット番号についての補正量の決定,格納が終了すれば本部品取出し位置補正ルーチンの実行が終了する。部品46のプリント配線板30への装着時には、このように決定された補正量に従って、装着ヘッド130を部品取出し位置へ移動させるためのXYロボット132の作動を制御する制御データが補正され、部品取出し位置が補正される。それにより、部品46が精密な吸着が必要であってもミスなく吸着され、部品収容凹部52から取り出される。
【0061】
なお、ここにおいて、単純化のために、部品取出し位置の補正が部品収容凹部52の位置誤差のみに基づいて行われるものとした。すなわち、吸着ノズル170の吸着管174の下端面である吸着端面が、ノズルホルダ168の回転中心と一致しているものとしたのであるが、実際には、吸着管174の偏心や曲がりに起因して、吸着端面がノズルホルダ168の回転中心から微少量外れるのが普通であり、この外れ量が大きい場合には、部品収容凹部52の位置誤差に基づく部品取出し位置の補正が行われても、吸着端面の電子回路部品46に対する位置ずれが大きくなり、吸着ミスが発生する恐れがある。したがって、吸着端面のノズルホルダ168の回転中心に対する偏心が検出され、この偏心も打ち消すように部品取出し位置の補正が行われるようにすることが望ましい。
【0062】
以上、電子回路部品装着機の生産開始時における部品取出し位置補正作業について説明したが、本実施形態においては、部品装着作業の開始後にも補正が行われるようになっている。部品装着作業の実行中に予め定められた条件が成立する毎に、例えば、設定枚数のプリント配線板14に対する部品46の装着が完了する毎に、部品装着作業の開始前に行われた部品取出し位置補正作業と同様の作業が行われるのである。さらに、生産の途中でフィーダ40が交換された場合や、生産プログラムが変更された場合などにも、部品取出し位置補正作業が実施される。本実施形態においては、制御装置24は、作業者によりフィーダ40が交換されたことを自動的には検出できないので、作業者による入力に従って部品取出し位置補正作業が実施される。また、生産プログラムが変更される際には、装着すべき部品46の種類が変わり、それに伴ってフィーダ40が交換されるため、コンピュータ220は、交換されたフィーダ40のうちで精密吸着が必要な部品46を供給するものを自動で検出することができ、それらについてのみ部品取出し位置補正作業を自動で実施する。
【0063】
上記のように、精密吸着要の各部品46が最初にフィーダ40から取り出される前に、装着ヘッド130の部品取出し位置が補正されるので、最初に部品46がフィーダ40から取り出される場合にも、小さい部品46も適切な部分が吸着されて取り出される。したがって、部品装着作業の開始当初から吸着ノズル170による吸着ミスや異常吸着の発生が良好に回避され、電子回路部品装着機10の稼働率が向上する。また、スプロケット90の歯96に設けられた基準マーク100を撮像することにより部品収容凹部52の位置誤差が取得されるため、フィーダ支持台38,フィーダ40等、部品供給装置18の構成要素の加工精度,組付精度を高くしなくてよく、部品46の供給精度を向上させつつ設備コストの低減が可能となる。また、基準マーク100は、プレス加工等によってスプロケット90と一体に設けられているため、製造コストの上昇を抑えつつ、基準マークを設けることができる。さらに、配線板撮像装置180が基準マーク100を撮像する撮像装置を兼ねており、装着機を安価に構成することができる。また、XYロボット132が、認識装置相対移動装置としての撮像装置移動装置を兼ねており、この点においても装着機を安価に構成することができる。
【0064】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、制御装置24のS5,S6およびS8を実行する部分が収容凹部位置取得部ないし収容凹部位置誤差取得部を構成し、S13を実行する部分がXYロボット制御データ補正部を構成している。
【0065】
なお付言すれば、上記実施形態においては、部品収容凹部52の一つが部品供給位置にある状態では、必ず複数の歯96のうちの一つが真上を向いた状態となるようにされていたが、本発明は、そのようにならないテーピング部品50用のテープフィーダ40についても適用可能である。例えば、図13に示すように、キャリヤテープ48の部品収容凹部52の形成間隔が送り穴56の形成間隔の1.5倍である場合には、部品収容凹部52aが部品供給位置にある状態で送り穴56の一つが真上を向いた歯96と係合するようにしたとすれば、部品収容凹部52bが部品供給位置にある状態では、必ず、互いに隣接する2つの送り穴56が真上を向く位置から正方向と逆方向とにそれぞれ同じ大きさの角度傾いた状態の2つの歯96と係合した状態になる。この場合には、これら2つの歯96の基準マーク100の位置は、配線板撮像装置180の撮像中心近傍には位置しないため、装着制御コンピュータ230によってスプロケット駆動装置92に、スプロケット90を部品収容凹部52の1形成間隔分回転させることが指令されるようにすればよい。この指令が実行されれば、部品収容凹部52aが部品供給位置へ移動させられ、送り穴56の一つが真上を向いた歯96と係合した状態となる。したがって、この状態で、前述のように、その歯96の基準マーク100が撮像され、部品収容凹部52aの位置誤差が取得されるようにするのである。
【0066】
また、部品収容凹部52bが部品供給位置にある状態で、互いに隣接する2つの送り穴56と係合している2つの歯96の基準マーク100が撮像され、それら2つの基準マーク100の位置誤差に基づいて、部品収容凹部52bの位置誤差が取得されるようにすることも可能である。例えば、2つの基準マーク100の位置誤差の平均値が部品収容凹部52bの位置誤差とされるようにするのである。
【0067】
さらに、部品収容凹部52と送り穴56とのキャリヤテープ48の長手方向の相対位置がさらに複雑に変化する場合にも、本発明を適用することが可能である。例えば、部品収容凹部52の形成間隔が、送り穴56の形成間隔のN+1/M倍(N,Mはいずれも整数)である場合には、M回の送りが行われる毎に部品収容凹部52と送り穴56とのキャリヤテープ48の長手方向の相対位置が同じ状態となるため、上述の場合と同様にして、部品収容凹部52の位置誤差が取得されるようにすることができる。上述の場合は、整数Nが1で、整数Mが2の場合に相当するのである。
【0068】
前記実施形態においては、精密吸着要の部品46全てについて1回ずつの位置誤差検出が行われた後、2回目以降も同様に位置誤差検出が行われるようになっていたが、精密吸着要の部品46の一つについて設定回数の位置誤差検出が行われ、その後に次の部品46について設定回数の位置誤差検出が行われるようにしてもよい。
また、前記実施形態においては、精密吸着要の部品46を供給するフィーダ40についてのみ部品取出し位置補正作業が実施されるため、作業能率が向上する利点があるのであるが、全てのフィーダ40について部品取出し位置補正作業が実施されるようにすることもできる。
【0069】
前記実施形態においては、スプロケット90の歯96の先端面98には、凸部が設けられて基準マーク100が設けられていたが、凹部を設けて基準マークを設けてもよい。その実施形態を図14および図15に基づいて説明する。
本実施形態のフィーダのスプロケット300には、その本体302の外周面に等角度間隔に設けられた複数の歯304の先端面306の中央部にそれぞれ凹部308が設けられている。凹部308は、例えば、プレス,鍛造等による凹下降により形成され、本実施形態においては、横断面形状が円形を成し、凹部308の底面にレーザ加工が施されて黒色化され、基準マーク310が形成されている。歯304の先端面306は磨かれており、基準マーク310の光反射率は先端面306より低く、歯304が撮像されれば、先端面306の明るい像の中に基準マーク310の暗い像が形成され、その位置が取得され、部品収容凹部の位置が取得される。
【0070】
なお、凹部308の底面に、プレス加工によって梨地処理を施し、光反射率を先端面306より低くするようにしてもよい。
【0071】
スプロケットの歯は、丸歯形状を成す歯でもよい。例えば、図16および図17に示すフィーダのスプロケット330においては、本体332の外周面に等角度間隔に設けられた複数の歯334はそれぞれ、その左右の歯面336,338がそれぞれ湾曲させられている。このスプロケット330は、例えば、前記スプロケット300と同様に、先端面340に開口する凹部342が設けられ、その底面が黒色化されて基準マーク344が設けられている。スプロケット330においても、前記スプロケット90と同様に、歯334の先端面340に凸部を設けて基準マークを設けてもよい。
【0072】
以上の各実施形態においては、部品取出し位置は、X軸,Y軸方向のいずれにおいても、XYロボット132の作動を制御する制御データの補正によって補正されるようにされていたが、Y軸方向においては、送り部材駆動装置を制御することにより、送り部材の送り運動終了位置を補正することによって補正するようにしてもよい。例えば、前記実施形態のスプロケット駆動装置92においては、パルスモータ101の回転角度の制御により、スプロケット90が一定角度ずつ回転させられるのであるが、パルスモータ101の回転終了位置を、部品収容凹部52のY軸方向における位置誤差が打ち消されるように補正し、部品取出し位置をY軸方向において補正するのである。この補正は、基準マーク100の中心位置誤差のうち、Y軸方向の位置誤差に基づいて行われる。この場合、制御装置24の、パルスモータ101の回転終了位置を補正し、スプロケット90の回転終了位置を補正する部分が送り運動補正部を構成する。部品取出し位置のX軸方向における補正は、XYロボット132の制御データの補正により行われる。
【0073】
また、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2002−145670の出願に記載されているように、複数個のフィーダをパレットに搭載し、そのパレットをY軸方向に移動させることにより、全部のフィーダを一斉にキャリヤテープ送り方向に移動させて部品取出し位置をY軸方向において補正するようにしてもよい。
【0074】
さらに、テープフィーダをフィーダ移動装置によってX軸,Y軸の両方向に移動させて部品取出し位置を補正するようにしてもよい。X軸,Y軸の両方向において複数のテープフィーダを別々に移動させてもよく、全部を一斉に移動させてもよく、X軸,Y軸の一方において別々に移動させ、他方において全部を一斉に移動させてもよい。
【0075】
また、送り部材の係合突起を認識し、部品収容凹部の位置を取得して、その位置誤差が打ち消されるようにし、あるいは、さらに吸着ノズル170の吸着端面の位置誤差も打ち消されるようにするのに加えて、吸着ノズルに保持された電子回路部品を撮像し、その撮像データに基づいて電子回路部品の吸着ノズルの吸着端面に対する位置誤差(吸着ノズルによる電子回路部品のX軸,Y軸方向における保持位置誤差)を取得し、それに基づいて部品取出し位置の補正や、送り部材の送り運動終了位置の補正を行うようにしてもよい。この補正は、前記実施形態におけるように、電子回路部品のプリント配線板への装着位置精度を向上させるために行われる部品撮像装置による撮像の結果を利用すれば、部品装着作業の能率や殆ど影響を及ぼすことなく、また、装置コストの増大を招来することなく、実行が可能である。
【0076】
さらに、上記各実施形態においては、複数の基準マーク100,310,344が撮像されても、そのうちの予め定められた1つ(特殊な場合は2つ)についてのみ画像処理が実行され、位置が取得されるようにされていたが、複数の基準マーク100,310,344の像の画像処理が行われるようにしてもよい。その場合、例えば、複数の基準マーク100等の各像についてそれぞれ位置誤差を求めるとともに平均化処理を行って、部品取出し位置の補正に用いる基準マーク100,310,344の位置誤差を取得する。
【0077】
また、上記各実施形態においてキャリヤテープ48はエンボステープとされていたが、紙テープとしてもよい。
【0078】
さらに、送り部材の係合突起に凸部を設けて基準マークを設ける場合、歯の先端面を、例えば、研削加工により磨いて光反射率を高くし、レーザ加工あるいはプレスによる梨地処理等によって凸部の突出端面の光反射率を低くし、基準マークの光反射率を歯の先端面より低くしてもよい。係合突起に凸部あるいは凹部を設ければ、レーザ加工等が容易であるが、係合突起の先端面に直接、レーザ加工,梨地処理,研削加工等を施して基準マークを設けてもよい。
【0079】
また、上記各実施形態には本発明がXYロボット型の電子回路部品装着機に適用された例を示したが、XYロボット型に限らずインデックステーブル型(あるいはロータリ型ともいう)等、ヘッド旋回型の電子回路部品装着機にも本発明は適用可能である。インデックステーブル型の電子回路部品装着機は、回転体と、回転体を回転させる回転体回転装置とを含み、回転体の回転により、回転体に保持された複数のノズルホルダがそれぞれ保持する少なくとも1つの吸着ノズルの1つが順次、複数の停止位置へ移動させられ、部品受取位置において部品供給装置から電子回路部品を受け取り、部品装着位置において回路基板に電子回路部品を装着するものである。ヘッド旋回型の電子回路部品装着機にはまた、複数のノズルホルダがそれぞれ、共通の旋回軸線のまわりに互いに独立に回動可能な複数の回動部材にそれぞれ設けられたものがある。複数の回動部材には、それぞれ上記旋回軸線のまわりに一周するとともに、その一周の間に1回以上の停止を含み、かつ互いに一定時間差を有する回動運動が回動運動付与装置により付与される。
【0080】
ヘッド旋回型の電子回路部品装着機においては、部品供給装置は、X軸方向に並んで設けられた複数個のテープフィーダと、それらテープフィーダをX軸方向に移動させる相対移動装置としてのフィーダ移動装置とを含んで構成される。この部品供給装置においては、テープフィーダはY軸方向、すなわちキャリヤテープ送り方向においては機械精度良く作られるとともに組み付けられるため、部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部の位置誤差はX軸方向において生じ、フィーダ移動装置を制御する制御データの補正により、部品取出し位置を補正することによって位置誤差が打ち消されるようにされる。なお、ヘッド旋回型の電子回路部品装着機の場合、例えば、部品取出し位置近傍に送り部材の係合突起の認識装置を設け、フィーダ移動装置によるテープフィーダの移動により、複数のテープフィーダの各送り部材の係合突起を順次、認識装置と対向する認識位置へ移動させ、認識装置に送り部材の係合突起を認識させる。基板撮像装置と部品撮像装置との少なくとも一方が移動装置によって移動させられるのであれば、予め設定された係合突起撮像位置に位置させて、係合突起を撮像させてもよい。
【0081】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子回路部品供給・取出装置を備えた電子回路部品装着機を示す平面図である。
【図2】上記電子回路部品装着機の部品装着装置を示す正面図(一部断面)である。
【図3】上記部品装着装置の装着ヘッドおよびその周辺を示す側面図である。
【図4】上記電子回路部品装着機の部品供給装置のテープフィーダを示す側面図である。
【図5】上記テープフィーダに保持されるテーピング電子回路部品を示す平面図である。
【図6】上記テーピング電子回路部品を示す正面断面図である。
【図7】上記テープフィーダのキャリヤテープ送り装置のスプロケットを配線板撮像装置と共に示す側面図である。
【図8】上記スプロケットの一部を示す側面図である。
【図9】上記スプロケットの歯がキャリヤテープの送り穴に係合した状態を示す平面図である。
【図10】上記テープフィーダにおいてテーピング電子回路部品に被せられたカバーを示す平面図である。
【図11】上記電子回路部品装着機を制御する制御装置を概略的に示す図である。
【図12】上記制御装置により実行される部品取出し位置補正ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】本発明の別の実施形態である電子回路部品供給・取出装置に使用されるテーピング電子回路部品のキャリヤテープの部品収容凹部と送り穴との相対位置を示す平面図である。
【図14】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品供給・取出装置のテープフィーダのスプロケットの一部を示す側面図(一部断面)である。
【図15】図14に示すスプロケットを示す平面図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品供給・取出装置のテープフィーダのスプロケットの一部を示す側面図(一部断面)である。
【図17】図16に示すスプロケットを示す平面図である。
【符号の説明】
16:部品装着装置 18:部品供給装置 24:制御装置 30:プリント配線板 40:テープフィーダ 46:電子回路部品 48:キャリヤテープ 52:部品収容凹部 56:送り穴 66:キャリヤテープ送り装置 90:スプロケット 92:スプロケット駆動装置 96:歯98:先端面 100:基準マーク 130:装着ヘッド 132:XYロボット 168:ノズルホルダ 170:吸着ノズル 180:配線板撮像装置 300:スプロケット 304:歯 306:先端面 310:基準マーク 330:スプロケット 334:歯 340:先端面 344:基準マーク
Claims (4)
- 多数の送り穴と部品収容凹部とがそれぞれ並んでかつ予め定められた相対位置で形成され、部品収容凹部の各々に電子回路部品が収納されたキャリヤテープを、前記送り穴に係合する係合突起を備えた送り部材により送ることによって、前記電子回路部品の各々を順次部品供給位置に位置決めするテープフィーダと、
前記送り穴に係合している1つ以上の係合突起を認識する認識装置と、
その認識装置により認識された係合突起の位置と前記相対位置とに基づいて前記部品収容凹部の位置を取得する収容凹部位置取得部と
を含むことを特徴とする供給位置検出機能を有する電子回路部品供給装置。 - 前記送り部材が、概して円板状をなし、外周面に等角度間隔で前記係合突起を備えたスプロケットであり、前記テープフィーダがそのスプロケットを予め定められた角度ずつ回転させるスプロケット駆動装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子回路部品供給装置。
- 前記係合突起が、先端面に基準マークを備え、前記認識装置がその基準マークを撮像する撮像装置を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子回路部品供給装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の電子回路部品供給装置と、
前記部品供給位置に位置決めされた電子回路部品を負圧により吸着する吸着ノズルを保持するノズルホルダと、
そのノズルホルダと前記テープフィーダとを、前記吸着ノズルが前記部品供給位置に位置決めされた部品収容凹部に対向する部品取出し位置に相対移動させる相対移動装置と、
前記収容凹部位置取得部により取得された前記部品収容凹部の位置に基づいて前記部品取出し位置を補正する位置補正部と
を含むことを特徴とする電子回路部品供給・取出装置。
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